JP2003221666A - イオン化成膜方法及び装置 - Google Patents

イオン化成膜方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面に深い溝が形成されている基体であって
も、高ボトムカバレッジ率で堆積膜の形成が可能なイオ
ン化成膜方法及び成膜装置を提供すること。 【構成】 熱陰極方式のイオン化機構を用いて蒸発粒子
をイオン化し基体に入射させて堆積膜を形成するイオン
化成膜方法において、イオン化空間中心から見て熱陰極
フィラメントの背面又は該熱陰極フィラメントとグリッ
ドの間等のイオン化機構内部にHeガスを導入する。
又、熱陰極方式のイオン化機構を用いて蒸発粒子をイオ
ン化し、基体に入射させて堆積膜を形成するイオン化成
膜装置において、イオン化空間中心から見て熱陰極フィ
ラメントの背面又は該熱陰極フィラメントとグリッドの
間等のイオン化機構内部にイオン化用材料ガスを導入す
るガス導入手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSIのような半
導体デバイスや光磁気ディスクのような記録媒体等の製
造において用いられるイオン化成膜方法及び成膜装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】各種半導体デバイスでは、配線の形成や
層間絶縁膜の形成に、記録媒体では磁性層や保護層等を
形成する際に様々な成膜方法が用いられている。その際
使用される成膜装置には種々の性能が求められるが、最
近、基体に形成されたホールの内面、特にボトム部分の
カバレージ性の改善が求められている。
【0003】図6に従来のスパッタ法により堆積した膜
の形状を示している。
【0004】基体8の溝上部103に堆積している膜1
00の厚さに比べて、溝底部104に堆積している膜1
02の厚さが極めて薄く、カバレージ性が悪いことが分
かる。又、溝側面101にも膜が堆積していることが分
かる。カバレージ性の悪化や側面への着膜は、良好な膜
形成には悪影響を及ぼす。
【0005】一例として特開平6−290496号公報
に開示されている磁壁移動型の光磁気ディスクの場合に
ついて説明する。
【0006】従来の光磁気ディスクやコンパクトディス
クでは、ディスク上に溝(グルーブ)が同心円状に形成
されており、その溝の部分は情報を記録するために使用
されていなかった。しかしながら、磁壁移動型の光ディ
スクでは溝の底のボトム部分(グルーブ)も記録する部
分とするために、溝以外の平坦部分(ランド)と同様に
機能膜を形成する必要がある。しかも、グルーブとラン
ドの間で干渉しないように境界面である溝側面では光磁
気信号がでないようにしなければならず、溝側壁面への
着膜量を可能な限り少なくしなければならない。即ち、
磁壁移動型の光磁気ディスクでは指向性が強く、ボトム
カバレッジ率(溝の周囲の面への成膜速度に対する溝底
面への成膜速度の比)の高い膜形成が必要とされてい
る。
【0007】従来、ボトムカバレッジ率の高い成膜の手
法として、特開平10−130832号公報等で開示さ
れている低圧遠隔スパッタ法が知られている。低圧遠隔
スパッタ法とは、チャンバー内の圧力を通常のスパッタ
法の圧力よりも低くして平均自由行程を長くしているた
め、スパッタ粒子が散乱せず、真っ直ぐに飛行する。こ
れとともに、ターゲットと基体との距離を長くすること
により、基体に対して垂直に飛行してくるスパッタ粒子
を選択的に基体に堆積させる手法である。
【0008】又、他の方法としてはコリメートスパッタ
法が知られており、この方法はターゲットと基体との間
に基体に垂直の方向に多数の穴が空いた円筒状の筒(コ
リメーター)を設置し、基体に垂直に飛行するスパッタ
粒子のみを基体に到達させ、成膜する手法である。
【0009】又、他の方法としては本出願人の出願した
特願平11−339241号のイオン化成膜法があり、
この方法は、熱陰極方式のイオン化機構を用いてスパッ
タ放電用ガスを励起し、スパッタ粒子に衝突させてスパ
ッタ粒子をイオン化し、基板表面近傍に形成された電界
によりイオン化したスパッタ粒子を基板に垂直に引き込
み堆積させる手法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低圧遠
隔スパッタ法はターゲットと基体との距離を長くするた
めに成膜速度が低下し、原材料(ターゲット)の利用効
率が低く、量産では溝のアスペクト比が最大で4程度ま
での被成膜基体への使用が限界であると言われている。
【0011】コリメートスパッタ法は、コリメーターの
部分にスパッタ粒子が堆積して損失になるために成膜速
度が低下し、原材料の利用効率が低いという問題があ
り、溝のアスペクト比が最大3程度までの被成膜基体へ
の使用が限界であった。
【0012】特願平11−339241号公報に記載さ
れたイオン化成膜法は、イオン化用材料ガスとしてスパ
ッタ用放電ガスを併用しているため、スパッタ放電用ガ
スのイオンが熱陰極フィラメントに衝突してスパッタ
し、フィラメントが消耗して寿命が短いという問題があ
った。
【0013】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、表面に深い溝が形成されてい
る基体であっても、高ボトムカバレッジ率で堆積膜の形
成が可能なイオン化成膜方法及び成膜装置を提供するこ
とにある。
【0014】又、本発明の別の目的は、イオン化機構内
部で生成されたHeの準安定励起原子を蒸発粒子に衝突
させることにより、蒸発粒子のイオン化効率を向上させ
たイオン化成膜方法及び成膜装置を提供することにあ
る。
【0015】更に、本発明の別の目的は、イオン化用ガ
ス材料としてHeガスを使用することにより、イオン化
用材料ガスが励起され生成されたイオンによる熱陰極フ
ィラメントのスパッタを防止し、熱陰極フィラメントの
寿命を大幅に向上させることができるイオン化成膜方法
及び成膜装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、熱陰極方式のイオン化機構を用いて蒸発
粒子をイオン化し基体に入射させて堆積膜を形成するイ
オン化成膜方法において、イオン化空間中心から見て熱
陰極フィラメントの背面又は該熱陰極フィラメントとグ
リッドの間等のイオン化機構内部にHeガスを導入する
ことを特徴とする。
【0017】又、本発明は、熱陰極方式のイオン化機構
を用いて蒸発粒子をイオン化し、基体に入射させて堆積
膜を形成するイオン化成膜装置において、イオン化空間
中心から見て熱陰極フィラメントの背面又は該熱陰極フ
ィラメントとグリッドの間等のイオン化機構内部にイオ
ン化用材料ガスを導入するガス導入手段を設けたことを
特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0019】図1は本発明に係るイオン化成膜装置の断
面図であり、同図において、5は蒸発粒子をイオン化す
るためのイオン化機構、6はイオン化空間に磁場を形成
するための磁場発生手段、11は基体近傍に電界を形成
するための電界発生手段である。そして、イオン化機構
5内部にイオン化空間50hより見て熱陰極フィラメン
ト50bの背面にイオン化用材料ガス用のガス導入手段
50aを配置している。ガス導入手段50aは円筒状の
パイプ中心のフィラメント側面にガス吹き出し穴が多数
形成された構造をしたものを用いている。
【0020】イオン化蒸着法のメカニズムは、坩堝3か
ら蒸発した蒸発粒子をイオン化空間50hでイオン化
し、基体8表面のマイナス電界12によりイオン化され
た蒸発粒子を基体面に垂直に入射させる方法である。
【0021】以下、図面を参照しながら本実施の形態に
係るイオン化成膜装置の構成について説明する。
【0022】チャンバー1はステンレス鋼又はアルミ等
の金属製容器であり、電気的に接地されており、不図示
のゲートバルブにより気密が保たれるようになってい
る。チャンバー1の容積は、坩堝2及び基体9の大きさ
により変わるが、特殊な場合を除き20l(リットル)
〜1000l(リットル)程度のものが使用される。排
気系16は大気圧から1×10−5Pa程度まで排気可能
な複合排気システムであり、不図示の排気速度調整器で
あるコンダクタンスバルブにより排気速度を調整しイオ
ン化用材料ガスのチャンバー内での滞留時間の制御が可
能となっている。ガス導入手段50aは、イオン化用材
料ガスであるHeガスを導入するもので、円筒状のパイ
プ中心のフィラメント側面にガス吹き出し穴が多数形成
された構造となっている。
【0023】蒸着試料2を乗せる坩堝3は、例えば直径
1mm程度のタングステンワイヤーを巻いた直径2c
m、高さ2cm程度の半球状のもの、又は厚さ0.5m
m、幅1cm、長さ5cm程度のタングステンボートで
あり、絶縁物を介してチャンバー1に設置されている。
蒸着電源4は所定の電力を坩堝3に印加するものであ
り、直流電源又は交流電源により電力を印加することに
より、坩堝3を加熱して蒸着試料2を蒸発させるもので
ある。
【0024】イオン化機構5は、ペニング電離を利用し
た熱陰極方式であり、フィラメント背面より導入された
Heガスにフィラメント50bから放出された熱電子が
衝突することによりHeの準安定励起原子及びHeイオ
ンを生成し、坩堝3から基体8への蒸発粒子の飛行経路
に設定されたイオン化空間50hにおいて、Heの準安
定励起原子及びHeイオンが蒸発粒子に衝突することに
より蒸発粒子をイオン化するものである。
【0025】図3はイオン化機構5の構造を示す平面図
である。
【0026】具体的には、イオン化機構5は、直列に繋
がれたフィラメント50bに直流電源50eより電流を
流し加熱して熱電子を放出させる。グリッド50cは網
目構造であり、直流電源50fによりプラスの電圧が印
加されことにより、フィラメント50bから放出された
熱電子がグリッド50eに向かって加速される。加速さ
れた熱電子は、フィラメント50bとグリッド50cの
間のイオン化機構5内部及びイオン化空間50hにおい
て、フィラメント50b背面より導入されたHeガスと
衝突しHeの準安定励起原子及びHeイオンを生成し、
生成されたHeの準安定励起原子及びHeイオンはイオ
ン化空間50hに至り、蒸発粒子に衝突することにより
蒸発粒子をイオン化する。
【0027】又、フィラメント50bより放出された熱
電子の一部は、Heガスと衝突せずグリッド50cを通
り抜けてイオン化空間50hに至り、蒸発粒子と衝突し
て蒸発粒子をイオン化するものもある。上記の作用をし
た後の熱電子及びHeガスがイオン化されたときに放出
された電子は、最終的にグリッド50cに捕捉される。
【0028】尚、フィラメント50bの材質はReW、
W等の熱電子放出係数の大きなものが採用され、グリッ
ド50cは巾1mm、ピッチ3mm程度の網目構造のも
のが採用されている。又、フィラメント50b及びグリ
ッド50cの片側、磁場発生手段6はケーシング50d
と同電位であり、ケーシング50dは直流電源50gに
より任意の直流電圧を印加することが可能な構成となっ
ており、本実施の形態ではマイナスの直流電圧を印加し
ている。
【0029】本発明の特徴であるHeガスの導入位置及
び導入ガス種について説明する。
【0030】Heの準安定励起原子及びHeイオンの生成
は、主にイオン化機構5内部のグリッド50cの近傍、
特にフィラメント50bとグリッド50cの間で起こる
ため、Heガスの導入位置は、フィラメント50bの背
面又はフィラメント50bとグリッド50cの間等のイ
オン化機構内部に設置されるのが好適である。
【0031】一般に、イオン化用材料ガスとしてはN
e、Ar、Kr、Xe等の希ガスが用いられる。しかし
ながら、これらのガスに熱電子が衝突し生成されたイオ
ンはスパッタ率が高く、これらのイオンが周囲の物質に
入射した場合容易にスパッタをおこしてしまう。従っ
て、イオン化機構内部5及びイオン化空間50hの壁面
は常にスパッタされている状態となる。特に、フィラメ
ント50bは、細い線材又は薄いリボン状のものが使用
されているため、スパッタされ消耗すると寿命が著しく
低下してしまう。又、スパッタされた物質が基板に到達
し取り込まれてしまうこともある。特に、機能性薄膜の
成膜では、これらのコンタミが大きな問題となる場合が
ある。
【0032】それと比較してHeをイオン化用材料ガス
として使用した場合、生成されたHeイオンのスパッタ
率は上記のイオン種と比べて極めて小さく、Heイオン
の入射による周囲のもののスパッタが極めて少ない。例
えば、フィラメント材料として用いられるタングステン
のスパッタ率を比較すると、イオンの入射エネルギーを
400eVとした場合、Arイオンのスパッタ率は0.
6程度であるのに対してHeイオンのスパッタ率は0.
05以下であり、HeイオンはArイオンの1/10以
下のスパッタ率である。従って、Heイオンの入射によ
るフィラメントの消耗は極めて少なく、フィラメントの
寿命を延ばすことが可能となるとともに、膜中へのスパ
ッタ物質のコンタミを防止することができる。
【0033】Heガスをイオン化用材料ガスとして用い
る他の目的は、生成されるHeの準安定励起原子の寿命
が長く、その寿命の長い準安定励起原子を蒸発粒子のイ
オン化に用いることである。一般に準安定励起原子の多
くは、寿命がμ秒オーダーと非常に短いが、Heの準安
定励起原子のうち幾つかの状態は非常に安定であり、例
えば1S、2S、3Sでは数千秒も寿命がある。この寿
命の長い安定なHeの準安定励起原子を蒸発原子に衝突
させることにより効率良く蒸発粒子をイオン化すること
が可能となる。
【0034】磁場発生手段6は中心部分が空洞のドーナ
ツ型の電磁石であり、坩堝3とイオン化機構5の間に配
置されており、イオン化機構5に固定されている。坩堝
3から放出された蒸発粒子は磁場発生手段6の中心の空
洞部を通り、イオン化空間50hに至りイオン化され基
体8に堆積する。磁場発生手段6により形成される磁場
は、本実施の形態においては坩堝3側がN極、イオン化
機構5側がS極となっているが、極性を逆にしても構わ
ない。尚、本実施の形態においては、磁場発生手段6に
電磁石を用いているが、同様の磁場を形成できる永久磁
石を用いることも可能である。
【0035】磁場発生手段6による磁力線7の機能は、
基体8方向へのプラズマの拡散が防止され、イオン化空
間50hのプラズマが高密度のまま維持され、イオン化
効率を向上させることを可能とすることでる。又、加え
て基体9への電子入射防止による基体8の昇温抑制の効
果も挙げられる。尚、磁場発生手段6の配置位置は図1
に示した通りイオン化機構5の下部に接する形か、イオ
ン化機構5の外周部に配置することが望ましい。又、磁
場強度については、坩堝3の中心より30mm程イオン
化機構5側の位置において、150〜300G程度の磁
束密度の磁場を設定することが望ましい。
【0036】基体ホルダー9は、絶縁体を介してチャン
バー1に気密に設置されており、坩堝3に対して平行に
基体8を保持できるようになっている。基体ホルダー9
と基体8との間には、絶縁物10を介して、好ましくは
基体8に対して平行に引込電極11が取り付けられてい
る。引込電極11は、信号発生器(ファンクションシン
セサイザー)13と電力増幅器14により構成された電
圧印加手段が接続されている。この電圧印加手段により
基準電位である接地電位に対して負極性の周期的に変動
する矩形波、台形波、鋸波等の電圧が引込電極11に印
加される。
【0037】図5は引込電極11に印加されるバイアス
電圧の一例を示している。
【0038】バイアス電圧は、所定の周期で0又は負極
性の最小電圧(基準電位に対して振幅が最小になる電
圧)V1と、負極性の最大電圧(基準電位に対して振幅
が最大となる電圧)V2とに変化する電圧である。この
バイアス電圧により、基体表面に基体8に垂直な方向に
電界12が形成され、イオン化した蒸発粒子が電界12
に沿って(基体8に対して垂直に)加速され基体8に到
達するようになっている。尚、電界12は負極性の周期
的に変動する電圧により形成されていることから、基体
8として誘電体基体を用いてもチャージアップ現象が発
生せず、電界12が形成され、イオン化したスパッタ粒
子を基体8に対して垂直に引き込むことが可能となって
いる。又、基体8が導電体の場合は、基体ホルダー9と
基体8の間に配置されている絶縁体を取り外し、引込電
極11に基体8が接する形とすることにより、信号発生
器13及び電力増幅器14の代わりに直流電源を用いる
ことが可能であり、引込電極11に直流電圧を印加する
ことにより同様の効果が得られる。
【0039】次に、図1を用いて本発明のイオン化成膜
法の動作について説明する。
【0040】基体ホルダー9に基体8をセットし複合排
気系16によりチャンバー内を5×10−5Pa程度ま
で排気する。次に、磁場発生手段6を動作させ磁力線7
を形成するとともにイオン化機構5を動作させる。即
ち、電磁石用電源60aを動作させ、坩堝3とイオン化
機構5の間のA点において150〜300Gの磁束密度
が得られるように設定するとともに、フローティング用
直流電源50gを動作させて任意の値に設定し、フィラ
メント用直流電源50eを動作しフィラメント50bを
加熱し、イオン化空間50hに熱電子を放出させる。
【0041】次に、イオン化用材料ガス導入手段50a
によりHeガスを導入し、複合排気系16の排気速度調
整器を制御してチャンバー1内の圧力を調整する。次
に、蒸着電源4を動作させて坩堝3を加熱し蒸着物質2
を加熱蒸発を開始する。同時に、信号発生器13と電力
増幅器14を動作し引込電極11に電圧を印加し、基体
表面で基体8に垂直な方向に引込み用電界12を形成す
る。このとき、引込電極11に印加する電圧は、例えば
前述したように図5に示すような矩形波を用い、矩形波
の基準電圧0Vに近い負の最小電圧V1では電子が入射
可能となるように浮遊電位(電気的に絶縁された基体が
プラズマ中に置かれた場合にプラズマにより発生する基
体の電位であり、本実施の形態では引込電極11に電圧
を印加しない場合に基体8に発生する電位)とプラズマ
電位の間の電位に設定する。
【0042】具体的には、負の最小電圧V1の値を0V〜
−10Vの範囲から選択すると良い。矩形波の負の最大
電圧V2は、逆スパッタの効果が発生し成膜速度が著し
く減少しないようにするため−20V〜−100Vの範
囲から選択される値に設定することが望ましい。又、基
体のチャージアップを防止しながらイオンを効率良く入
射させるために、周波数は100kHz以上とし、更に
は波形のデューティーは1対50以上、即ち、V2を印
加している時間に対するV1を印加している時間の比が
1/50以下となるように設定することが望ましい。
【0043】次に、数分間そのままの状態で蒸発が安定
するのを待ち、基体シャッター15を開け、成膜を開始
する。蒸発粒子は、イオン化空間50hでイオン化さ
れ、基体8に向かって飛行し、基体表面の引込電界12
により加速され、基体8に対して垂直に引き込まれ、基
体8に形成されている溝の底面に効率良く堆積する。所
定の厚さまで成膜された後、シャッター15を閉じ、信
号発生器13、電力増幅器14、蒸着電源4及びガス導
入手段50aを停止させ、次に、イオン化機構5のフィ
ラメント電源50e、グリッド電源50f、フローティ
ング電源50g、電磁石用電源60aを停止させる。最
後に不図示のゲートバルブを閉じ、チャンバー1をリー
クさせ、基体8を基体ホルダー9より取り外す。
【0044】次に、本発明の熱陰極方式のイオン化機構
を用いたイオン化スパッタ装置について説明する。
【0045】図2は本発明のイオン化スパッタ装置を表
す図面である。
【0046】図1のイオン化成膜装置の構成との違い
は、蒸発源として、ターゲット17を用いたスパッタ法
を用いていることである。そして、ターゲットを取り囲
むようにして、ターゲットの直上にスパッタ放電用ガス
のガス導入手段20を配置している。スパッタ放電用ガ
ス導入手段20は、円環状のパイプの中心側面にガス吹
き出し穴が多数形成された構造をしたものを用いるとタ
ーゲット表面へのガス導入が偏りなく均一に行えるので
好適である。
【0047】イオン化スパッタ法のメカニズムは、図1
のイオン化成膜法と同様にターゲット2から放出される
スパッタ粒子をイオン化機構5でイオン化し、基体9表
面のマイナス電界11によりイオン化されたスパッタ粒
子を基体面に垂直に入射させる方法である。
【0048】以下、図面を参照しながら、本実施の形態
に係るイオン化スパッタ装置の構成について、実施の形
態1のイオン化成膜装置と比較して相違している点を説
明する。
【0049】排気系16は大気圧から1×10−5Pa程
度まで排気可能な複合排気システムであり、不図示の排
気速度調整器であるコンダクタンスバルブにより排気速
度を調整し、放電用ガスのチャンバー内での滞留時間の
制御が可能となっている。
【0050】ターゲット2は、例えば厚さ3mm、直径
3インチ(76.2mm)程度の円板状であり、バッキ
ングプレート及び絶縁物を介してスパッタチャンバー1
に設置されている。ターゲット2の背後には磁石機構3
が設置されており、マグネトロンスパッタを行えるよう
になっている。スパッタ電源4は、所定の電力をターゲ
ット2に印加するものであり、直流電源又はRF電源等
の高周波電源により200 〜600(V)のマイナスの
電圧が印加されるようになっている。
【0051】ターゲット2の直上に配置されたスパッタ
放電用ガス導入手段20より導入されるガスは、イオン
化したときにスパッタ率の高いAr、Kr、Xe等の希
ガスが使用される。スパッタ放電によりイオン化したA
r、Kr、Xeの大部分は、ターゲット近傍に形成され
ている電界により加速され、ターゲットに入射し、ター
ゲットをスパッタする。一部の希ガスイオンは、イオン
化空間に至るものもあるが、実施の形態1のイオン化成
膜装置と同様にイオン化機構5内にはイオン化用材料ガ
スの導入手段が配置されており、Heガス、Heの準安
定励起原子及びHeイオンで満たされているためにイオ
ン化機構内部に至ることはない。
【0052】従って、スパッタ率の高いAr、Kr、X
eイオンによるフィラメント50bのスパッタが起こら
ず、フィラメント50bの消耗を防止できる。このよう
に、スパッタ放電用ガス導入手段20とイオン化用材料
ガス導入手段50aを分離導入することにより、同一箇
所から導入した場合と比較してフィラメント50bの寿
命を延ばすことが可能となる。
【0053】又、同一箇所からスパッタ放電用ガスとイ
オン化用材料ガスを導入した場合では、ターゲット2表
面にAr、Kr、Xeのスパッタ放電用ガスイオンとと
もにスパッタ率の低いHeイオンが入射するため、ター
ゲット2のスパッタ効率(蒸発速度)を低下させてしま
うが問題があるが、上記の構成のように分離導入するこ
とにより、ターゲット2近傍はスパッタ放電用ガスで満
たされるため、ターゲット2近傍にHeイオンが到達し
難く、スパッタ効率(蒸発効率)を低下させることなく
成膜することが可能となる。
【0054】磁場発生手段6の配置位置は実施の形態1
のイオン化成膜装置と同様の位置であるが、近傍に形成
される磁場はマグネトロンスパッタ用の磁石機構3と干
渉し合い、図4に示すような磁力線47が形成される。
磁力線47の機能は、スパッタ放電用ガスイオンをター
ゲット2方向に導きスパッタ効率を向上させることと、
実施の形態1のイオン化成膜装置と同様にプラズマの拡
散、基体8への電子の入射防止効果である。
【0055】磁場発生手段6により形成される磁場と、
マグネトロンスパッタ用の磁石機構3の極性の組み合わ
せは、本実施の形態においては、磁場発生手段6の極性
が、ターゲット2側をN極、イオン化機構5側をS極と
し、マグネトロンスパッタ用磁石機構3の極性は、ター
ゲット中心のターゲット表面側をS極、ターゲット外周
部のターゲット表面側をN極としている。即ち、ターゲ
ット中心部において、磁場発生手段6により形成される
磁場と、マグネトロンスパッタ用の磁石機構3の極性が
同極性で相向かい合うようにすることにより上記の効果
が得られる。
【0056】尚、本実施の形態においては、磁場発生手
段6に電磁石を用いているが、同様の磁場を形成できる
永久磁石を用いることも可能である。磁場発生手段6の
配置位置及び磁場強度は実施の形態1のイオン化成膜装
置と同等とすることが望ましい。基体ホルダー9に関し
ては、実施形態1と同等とすることが望ましい。
【0057】次に、図2を用いて、本発明のイオン化ス
パッタ法の動作について説明する。基体ホルダー9に基
体8をセットし、複合排気系16によりスパッタチャン
バー内を5×10−5Pa程度まで排気する。次に、磁
場発生手段6を動作させて磁力線8 を形成するとともに
イオン化機構5を動作させる。即ち、電磁石用電源60
aを動作させ、ターゲット2とイオン化機構5の間のA
点において150〜300Gの磁束密度が得られるよう
に設定するとともに、フローティング用直流電源50g
を動作させて任意の値に設定し、フィラメント用直流電
源50eを動作させてフィラメント50bを加熱し、イ
オン化空間50hに熱電子を放出させる。
【0058】次に、イオン化用材料ガス導入手段50a
によりHeガスをスパッタ放電用ガス導入手段20によ
りアルゴンガス等のスパッタ放電用ガスを導入し、複合
排気系16の排気速度調整器を制御してスパッタチャン
バー1内の圧力調整する。次に、スパッタ電源4を動作
させてスパッタ放電を生じさせ、スパッタを開始する。
同時に、信号発生器13と電力増幅器14を動作させ、
引込電極11に電圧を印加し、基体表面で基体8に垂直
な方向に引込み用電界12を形成する。このとき、引込
電極11に印加する電圧は、実施の形態1のイオン化成
膜装置と同等である。
【0059】次に、数分間そのままの状態でプレスパッ
タを行った後に基体シャッター15を開け、成膜を開始
する。スパッタ放電によりスパッタされた粒子は、イオ
ン化空間50hでイオン化され、基体8に向かって飛行
し、基体表面の引込電界12により加速され基体8に対
して垂直に引き込まれ、基体8に形成されている溝の底
面に効率良く堆積する。所定の厚さまで成膜された後、
シャッター15を閉じ、信号発生器13、電力増幅器1
4、スパッタ用電源4及びガス導入手段50a、20を
停止させ、次に、イオン化機構5のフィラメント電源5
0e、グリッド電源50f、フローティング電源50
g、電磁石用電源60aを停止させる。最後に不図示の
ゲートバルブを閉じ、スパッタチャンバー1をリークさ
せ、基体8を基体ホルダー9より取り外す。
【0060】以下に本発明の実施例について具体的に説
明する。
【0061】[実施例1]上述した実施の形態1に倣っ
て連続してイオン化成膜を行い、フィラメント50bの
寿命を測定した。
【0062】・蒸発材質:Fe ・坩堝と基体間距離:155mm ・基体寸法:φ2”(50.8mm) ・スパッタチャンバー内圧力:0.5Pa ・イオン化用材料ガス種:He ・A点における磁束密度:200G ・イオン化機構グリッド電圧:50V ・イオン化機構グリッド電流:20A ・イオン化機構フローティング電源電圧:−40V ・引込電極電圧:最小値0V、最大値−60V ・引込電極電圧周波数:500kHz ・引込電極電圧デューティー:1対100 <比較例1>イオン化用材料ガスとしてAr、Xeガス
を用いたことを除いて、実施例1と同じ条件で連続して
イオン化成膜を行い、フィラメント50bの寿命を測定
した。
【0063】表1には結果を示しており、イオン化用材
料ガスとして本実施例のHeとすることにより、フィラ
メント50bの寿命が大幅に延びている。
【0064】[実施例2]前記実施例1と同じ条件にて
ボトム巾0.25μm、アスペクト比4のサンプル基体
にイオン化成膜を行い試料を作成した。
【0065】<比較例2>イオン化用材料ガス導入手段
50aの位置をフィラメントとグリッドの間に移動した
ことを除いて、前記実施例2と同じ条件にてボトム巾
0.25μm、アスペクト比4のサンプル基体に試料を
作成した。
【0066】<比較例3>イオン化用材料ガス導入手段
50aの位置を坩堝3側面部に移動したことを除いて、
前記実施例2と同じ条件にてボトム巾0.25μm、ア
スペクト比4のサンプル基体に試料を作製した。又、イ
オン化用材料ガス導入手段50aの位置をイオン化機構
5の底面に接する形とし、前記実施例2と同じ条件にて
ボトム巾0.25μm、アスペクト比4のサンプル基体
に試料を作製した。
【0067】各試料についてサンプル基体の中心部にお
いてボトムカバレッジ率を測定した。図7はボトムカバ
レッジ率の算出方法を示した図である。
【0068】表2に結果を示しており、イオン化用材料
ガス導入手段50aの位置をイオン化機構5内にするこ
とにより、他の位置より導入した比較例3よりもボトム
カバレッジ率が向上している。又、従来例の低圧遠隔ス
パッタでボトム巾0.25μm、アスペクト比4の基板
に成膜した場合には、ボトムカバレッジ率は16%程度
となり、低圧遠隔スパッタと比較しても高ボトムカバレ
ッジ率の膜が得られていることが分かる。
【0069】[実施例3]上述した実施形態2に倣って
連続してイオン化スパッタを行い、フィラメント50b
の寿命を測定した。
【0070】・ターゲット2の材質:TbFeCo ・ターゲット寸法:φ76.2×t3mm ・ターゲット2への投入電力:400W ・ターゲットと基体間距離:155mm ・基体寸法:φ2”(50.8mm) ・スパッタチャンバー内圧力:1Pa ・スパッタ放電用ガス種:アルゴン ・A点における磁束密度:150G ・イオン化用材料ガス種:ヘリウム ・イオン化機構グリッド電圧:50V ・イオン化機構グリッド電流:20A ・イオン化機構フローティング電源電圧:−40V ・引込電極電圧:最小値0V、最大値−60V ・引込電極電圧周波数:500kHz ・引込電極電圧デューティー:1対100 <比較例4>イオン化用材料ガス導入手段50aからは
ガスを導入せず、イオン化用材料ガスHeとスパッタ放
電用ガスArを混合ガスとしスパッタ放電用ガス導入手
段20から混合ガスを導入したことを除いて、実施例3
と同じ条件で連続してイオン化スパッタを行い、フィラ
メント50bの寿命を測定した。
【0071】表3に結果を示しており、イオン化用材料
ガスとスパッタ放電用ガスを分離導入することにより、
フィラメント50bの寿命が大幅に延びている。
【0072】[実施例4]実施例3の条件において、3
分間イオン化スパッタを行い、ガラス基体に試料を作製
した。
【0073】<比較例5>比較例4の条件において、3
分間イオン化スパッタを行い、ガラス基体に試料を作製
した。
【0074】各試料についてガラス基体の中心部におい
て膜厚を測定し、単位時間当たりの成膜速度を算出し
た。
【0075】表4に結果を示しており、イオン化用材料
ガスとスパッタ放電用ガスを分離導入することにより、
成膜速度が向上している。
【0076】[実施例5]上記の実施例3と同じ条件に
てボトム巾0.25μm、アスペクト比4のサンプル基
体にイオン化成膜を行い試料を作製した。
【0077】<比較例6>比較例4の条件において、ボ
トム巾0.25μm、アスペクト比4のサンプル基体に
イオン化成膜を行い試料を作製した。
【0078】各試料についてサンプル基体の中心部にお
いてボトムカバレッジ率を測定した。
【0079】表5に結果を示しており、イオン化用材料
ガスとスパッタ放電用ガスを分離導入することにより、
比較例よりもボトムカバレッジ率が向上している。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、高アスペクト比の溝に対し、ボトムカバレッジ
率良く成膜を行うことができ、又、熱陰極フィラメント
の寿命を大幅に延ばすことができる。従って、本発明
は、次世代DRAM等のデバイス及び磁壁移動型の光磁
気ディスク等の製作に大きな威力を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン化成膜装置の構成を示す断
面図である。
【図2】本発明に係るイオンスパッタ装置の構成を示す
断面図である。
【図3】本発明に用いられるイオン化機構の一例を示す
模式的断面図である。
【図4】本発明に用いられる磁石機構により形成される
磁力線を示す模式的断面図である。
【図5】本発明に用いられる引込電極に印加される電圧
の波形を示した図である。
【図6】従来のスパッタにより堆積した膜の形状を示す
模式的断面図である。
【図7】ボトムカバレッジ率の算出方法を説明するため
の模式図である。
【符号の説明】
1 チャンバー 2 蒸着試料 3 坩堝 4 蒸着電源 47 磁力線 5 イオン化機構 50a イオン化用材料ガス導入手段 50b フィラメント 50c グリッド 50d ケース 50e フィラメント用直流電源 50f グリッド用直流電源 50i 水冷配管 50h イオン化空間 50g フローティング用直流電源 6 磁場発生手段 60a 電磁石用電源 7 磁力線 8 基体 9 基体ホルダー 10 誘電体 11 引込電極 12 引込電界 13 信号発生器 14 電力増幅器 15 基体シャッター 16 複合排気系 17 ターゲット 18 マグネトロンスパッタ放電用磁石機構 19 スパッタ電源 20 スパッタ放電用ガス導入機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 金井 正博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 4K029 BD02 BD12 CA03 DA06 DD04 5D075 GG02 GG12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱陰極方式のイオン化機構を用いて蒸発
    粒子をイオン化し基体に入射させて堆積膜を形成するイ
    オン化成膜方法において、 イオン化空間中心から見て熱陰極フィラメントの背面又
    は該熱陰極フィラメントとグリッドの間等のイオン化機
    構内部にHeガスを導入することを特徴とするイオン化
    成膜方法。
  2. 【請求項2】 イオン化用材料ガスとスパッタ放電用ガ
    スを分離導入することを特徴とする請求項1記載のイオ
    ン化成膜方法。
  3. 【請求項3】 熱陰極方式のイオン化機構を用いて蒸発
    粒子をイオン化し、基体に入射させて堆積膜を形成する
    イオン化成膜装置において、 イオン化空間中心から見て熱陰極フィラメントの背面又
    は該熱陰極フィラメントとグリッドの間等のイオン化機
    構内部にイオン化用材料ガスを導入するガス導入手段を
    設けたことを特徴とするイオン化成膜装置。
  4. 【請求項4】 前記イオン化用材料ガスとスパッタ放電
    用ガスを分離導入可能なガス導入手段を有することを特
    徴とする請求項3記載のイオン化成膜装置。
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