JP2002053955A - イオン化成膜装置及びイオン化成膜方法 - Google Patents

イオン化成膜装置及びイオン化成膜方法

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JP2002053955A
JP2002053955A JP2000237318A JP2000237318A JP2002053955A JP 2002053955 A JP2002053955 A JP 2002053955A JP 2000237318 A JP2000237318 A JP 2000237318A JP 2000237318 A JP2000237318 A JP 2000237318A JP 2002053955 A JP2002053955 A JP 2002053955A
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ionization
substrate
film forming
particles
forming apparatus
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JP2000237318A
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Katsunori Oya
克典 大矢
Hiroto Yamaguchi
裕人 山口
Atsushi Koike
淳 小池
Masahiro Kanai
正博 金井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン化成膜方法を用いて、基板の材質に制
約を受けることなく樹脂基板のような耐熱性の低い材料
への成膜を行う。 【解決手段】 排気系を備えた成膜チャンバー1と、成
膜チャンバー1内にプロセスガスを導入するためのガス
導入手段5と、成膜チャンバー1内に配置されたターゲ
ット2とを備え、ターゲット2から放出させた粒子を基
板7表面に堆積させる成膜装置であって、放出させた粒
子をイオン化させるイオン化機構6と、イオン化させた
粒子が基板7に効率よく入射されるよう、電界を形成す
る引込電極10とを備え、イオン化機構6から発生する
熱が基板7に直接放射しないように熱遮蔽構造60gを
設けている。イオン化した粒子を堆積させる基板7の昇
温を確実に抑えることができるため、耐熱温度の低い基
板への成膜が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、各種半導体デ
バイス等の製作に使用される成膜装置に関し、特に、ソ
ースから放出させた粒子をイオン化して成膜に利用する
イオン化成膜装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種メモリやロジック等の半導体デバイ
スの製造において、各種配線膜の形成や異種層の相互拡
散を防止するバリア膜の形成等に各種の成膜プロセスが
用いられている。また、光磁気ディスクの磁性層等を形
成する際にも各種の成膜プロセスが用いられている。こ
のため、近時においては、これらの成膜プロセスで使用
する成膜装置が多用されている。成膜装置には種々の性
能が求められるが、特に最近では、基板に形成されたホ
ールの内面、特にボトム部分のカバレージ性を改善する
ための性能が求められている。
【0003】具体的に説明すると、例えば磁壁移動型の
光磁気ディスクにおいては、ディスク上面の同心円状に
形成された溝(グルーブ)以外の平坦部分(ランド)と
ともに、従来の光磁気ディスクやコンパクトディスクに
おいては情報を記録する部分として使用されていなかっ
た溝(グルーブ)にも情報を記録するため、両者に同様
な機能膜を形成する必要がある。しかも、グルーブとラ
ンドの間で磁気信号が干渉しないように、境界面である
溝側面では磁気分断を確実に実現する必要があり、溝側
面の着膜量を可能な限り少なくしなければならない。す
なわち、磁壁移動型の光磁気ディスクではボトムカバレ
ッジ率の高い膜形成を行うことが必要不可欠である。
【0004】最近ではボトムカバレッジ率を向上させる
成膜の手法としてイオン化成膜法が有力視されている。
イオン化成膜法は、ソースから放出された粒子(例えば
スパッタ粒子)をイオン化し、基板表面に形成した電界
で吸引することにより、基板表面に対して粒子を垂直に
入射させる方法である。イオン化成膜法とは別の、既存
の手法として開発されてきた低圧遠隔スパッタリングや
コリメートスパッタリング法では、本質的に成膜速度が
低いという問題があるが、イオン化成膜法によれば、こ
れらの方法に比べ、高いボトムカバレッジ率で成膜を行
うことができ、且つ成膜速度も向上させることができ
る。このようなイオン化成膜方法の一例として、特開平
10−259480号公報で提案されているものがあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−259480号公報で提案されている高周波プラ
ズマアシストイオン化スパッタリングは、基板の裏面電
極に高周波電力を印加してプラズマを発生させるため、
プラズマ中の荷電粒子が基板に飛び込み基板を加熱して
しまうという問題が生じる。従って、この方法ではコン
パクトディスクや光磁気ディスクなどで基板材料として
用いられている樹脂等の低融点材料に成膜することは困
難である。
【0006】本発明は、このような課題を解決するため
に成されたものであり、イオン化成膜方法を用いて、基
板の材質に制約を受けることなくボトムカバレッジ率を
向上させて成膜を行うことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン化成膜装
置は、排気系を備えた成膜チャンバーと、前記成膜チャ
ンバー内にプロセスガスを導入するためのガス導入手段
と、前記成膜チャンバー内に配置されたソースとを備
え、前記ソースから放出させた粒子を基板表面に堆積さ
せる成膜装置であって、前記粒子をイオン化させるイオ
ン化手段と、前記基板近傍に電界を形成する電界発生手
段とを備え、前記イオン化手段から発生する熱が前記基
板に直接放射しないように熱遮蔽構造を設けている。
【0008】本発明のイオン化成膜装置の一態様例にお
いて、前記イオン化手段は熱陰極及び陽極を備え、前記
熱陰極から熱電子を放出する。
【0009】本発明のイオン化成膜装置の一態様例にお
いては、前記イオン化手段と前記基板との間に前記熱を
遮蔽するための遮蔽板を設けている。
【0010】本発明のイオン化成膜装置の一態様例にお
いては、前記ソースから前記基板へ向かう前記粒子の飛
行経路を残して前記イオン化機構を覆う前記遮蔽板を設
けている。
【0011】本発明のイオン化成膜装置の一態様例にお
いては、前記遮蔽板を冷却する冷却手段を備える。
【0012】本発明のイオン化成膜装置の一態様例にお
いては、前記冷却手段を水冷方式としている。
【0013】本発明のイオン化成膜装置の一態様例にお
いては、前記イオン化手段から発生させた熱電子の拡散
を抑制するために、前記遮蔽板に正電圧を印加するよう
にしている。
【0014】本発明のイオン化成膜方法は、ソースから
放出させた粒子をイオン化し、基板表面上に形成された
電界に沿って前記粒子を前記基板に入射させて前記基板
表面に堆積膜を形成するイオン化成腹方法であって、前
記イオン化の際に生じる熱の前記基板方向への放射を遮
って前記堆積膜を形成する。
【0015】本発明のイオン化成膜方法の一態様例にお
いては、前記イオン化の際に生じる熱の放射を遮蔽構造
により遮蔽する。
【0016】本発明のイオン化成膜方法の一態様例にお
いては、前記イオン化の際に生じる熱の放射を、前記粒
子の飛行経路を除いた遮蔽構造により遮蔽する。
【0017】本発明のイオン化成膜方法の一態様例にお
いては、前記熱の放射の遮蔽により加熱する前記遮蔽構
造を冷却する。
【0018】本発明のイオン化成膜方法の一態様例にお
いては、前記熱の放射の遮蔽による前記遮蔽構造の加熱
を低減するために、前記遮蔽構造に所定の電圧を印加す
る。
【0019】本発明のイオン化成膜装置は、成膜チャン
バーと、前記成膜チャンバー内にプロセスガスを導入す
るためのガス導入手段と、前記成膜チャンバー内に配置
されたソースとを備え、前記ソースから放出させた粒子
を基板表面に堆積させる成膜装置であって、前記粒子を
イオン化させるイオン化手段と、前記基板近傍に電界を
形成する電界発生手段とを備え、前記イオン化手段から
前記基板への熱の放射を遮るようにしている。
【0020】本発明のイオン化成膜方法は、ソースから
放出させた粒子をイオン化し、前記粒子を前記基板に入
射させて前記基板表面に堆積膜を形成するイオン化成腹
方法であって、前記イオン化の際に生じる熱の前記基板
方向への放射を遮るようにしている。
【0021】
【作用】本発明においては、遮蔽構造によりソースから
放出された粒子のイオン化により生じる熱の基板方向へ
の放射が抑制されることとなる。従って、ソースから放
出された粒子がイオン化される際の熱による、基板の温
度上昇を最小限に抑えることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明の一実施形態に係るイオン化
成膜装置の構成を説明する正面概略図である。
【0023】図1に示す成膜装置はイオン化成膜装置の
一例としてのスパッタ装置であって、排気系14を備え
たスパッタチャンバー1と、スパッタチャンバー1内に
所定のガスを導入するガス導入手段5と、スパッタチャ
ンバー1内に配置されたターゲット2(ソース)と、タ
ーゲット2をスパッタするとともにそのスパッタによっ
てターゲット2から放出されたスパッタ粒子をイオン化
させる熱電子を放出するイオン化機構6と、イオン化し
たスパッタ粒子を基板7に対して垂直に入射させるため
に、基板7を保持する基板ホルダー8を備えている。基
板ホルダー8は、基板表面に引込電界9を形成する引込
電極10を備えている。
【0024】以下、図面を参照しながら、本実施形態に
係るイオン化スパッタ装置の各構成要素について説明す
る。スパッタチャンバー1は、電気的に接地されたステ
ンレス又はアルミ等の金属製容器からなり、不図示のゲ
ートバルブにより内部の気密が保てるようになってい
る。
【0025】排気系14は、大気圧から1.33×10
-6Pa程度まで排気可能な複合排気システムであり、不
図示のオリフィスまたはコンダクタンスバルブ等の排気
速度調整器により排気速度の調整が可能となっている。
【0026】ターゲット2は、例えば厚さ3mm、直径
3インチ(76.2mm)程度の円盤形状とされ、バッ
キングプレートおよび絶縁物を介してスパッタチャンバ
ー1内に設置されている。バッキングプレートは水冷に
より冷却されている。ターゲット2の背後には磁石機構
3が設置されており、マグネトロンスパッタを行なえる
ようになっている。
【0027】スパッタリング電源4は所定の電力をター
ゲット2に印加するものであり、ターゲット2に対して
300〜600V程度の電圧を印加する。
【0028】ガス導入手段5は、アルゴン(Ar)等の
スパッタ放電用のガス(プロセスガス)を導入するもの
で、円環状のパイプの中心側面にガス吹き出し穴を形成
した構造となっており、ターゲット2直上に均一にガス
が供給されるように配置されている。
【0029】イオン化機構6は、ターゲット2から基板
7へのスパッタリング粒子の飛行経路に設定されたイオ
ン化空間60fにおいて、プラズマを生成し、スパッタ
リング粒子をイオン化する機構である。
【0030】図2は、イオン化機構6の構造を示す模式
図である。ここで、図2(a)はイオン化機構6の平面
図を、図2(b)は側断面図を示している。イオン化機
構6はフィラメント60a、グリッド60bを備え、直
列ないし並列につながれたフィラメント60aにフィラ
メント内直流電源60cより電流を流して加熱し、熱電
子を放出させるように構成されている。グリッド60b
は板状の格子の構造となっており、グリッド用直流電源
60dによりプラスの電圧が印加されることにより、フ
ィラメント60aから放出された熱電子をグリッド60
bに向かって加速させるように構成されている。
【0031】加速された熱電子は、すぐにグリッド60
bに捕捉されるのではなく、グリッド60bを通り抜け
スパッタリング粒子の軌道であるイオン化空間60fに
到達し、スパッタリング粒子と衝突してプラズマを生成
する。スパッタリング粒子はプラズマ中でイオン化さ
れ、熱電子はグリッド60bに捕捉される。
【0032】なお、フィラメント60aの材質はRe
W,W、等の熱電子放出係数の大きなものが望ましく、
グリッド60bの材質はMo等の耐熱性の高いものが望
ましい。また、グリッド60bは、厚さ2mm、格子間
隔3mm程度の形状とされている。
【0033】イオン化機構6の外周は、内部のフィラメ
ント60a及びグリッド60bを覆うように遮蔽板60
g及び側面板によってケーシングされている。遮蔽板6
0gは、ターゲット2から基板7へのスパッタリング粒
子の飛行経路を遮ることなく、且つフィラメント60a
及びグリッド60bから発生する熱輻射が基板7に直接
照射しないように配置されている。
【0034】また遮蔽板60gは水冷却手段60hを備
えており輻射熱及び電子の流入による過剰な温度の上昇
を防ぎ、周囲の雰囲気に対する熱の放射を防ぐことが可
能な構造となっている。ここでフィラメント60a及び
グリッド60bの片側はケーシングと同電位であり、ケ
ーシングは通常フローティング状態にあるが、電子の拡
散を防止するために電位制御用直流電源60eによりプ
ラスの直流電圧を印加することが可能となっている。
【0035】基板ホルダー8は、絶縁体を介してスパッ
タリングチャンバーに設置されており、ターゲット2に
対して平行に基板7を保持できるようになっている。基
板ホルダー8と基板7との間には絶縁物を介して引込電
極10が取付けられている。引込電極10は、基板7に
対して平行に取付けるのが望ましい。
【0036】引込電極10は信号発生器11と電力増幅
器12によりマイナスの高周波電圧(図3参照)が印加
され、基板表面に基板7に垂直な方向に引込電界9が形
成される。イオン化したスパッタリング粒子は引込電界
9に沿って(基板7に対して垂直に)加速され基板7に
到達する。
【0037】なお、引込電極10には信号発生器11及
び電力増幅器12より任意の波形及び電圧を印加するこ
とが可能である。
【0038】次に、図1を参照しながら、上述のスパッ
タ装置を用いた本実施形態のイオン化成腹方法の手順に
ついて説明する。先ず、基板ホルダー8に基板7をセッ
トし複合排気系14によりスパッタリングチャンバー内
を1.33×10-6Pa程度まで排気する。
【0039】次に、イオン化機構6を動作させる。すな
わち、電位制御用直流電源60eを動作させて任意の値
に設定し、フィラメント用直流電源60cを動作させて
フィラメント60aを加熱し、グリッド用直流電源60
dによりグリッド60bに10V〜200V程度のプラ
スの直流電圧を印加して、イオン化空間60fに熱電子
を放出させる。
【0040】なお、スパッタリングの成膜速度により条
件は変わるが、グリッド60bに流れ込む電流(エミッ
ション)の値はプロセスガスの導入前において300m
A以下に設定することが望ましい。
【0041】次に、ガス導入手段5によりArガス等の
プロセスガスを導入し、複合排気系14の排気速度調整
器を制御してスパッタチャンバー1内の圧力を6.65
×10-1Pa〜2.66Pa程度に維持し、スパッタリ
ング電源4を動作してスパッタリング放電を生じさせ、
スパッタリングを開始する、同時に、信号発生器11と
電力増幅器12を動作して引込電極10に高周波電圧を
印加し、基板表面で基板7に垂直な方向に引込電界9を
形成する。
【0042】次に、数分間そのままの状態でスパッタリ
ングを行った後に、基板シャッター13を開けて、基板
7への成膜を開始する。スパッタリング放電によりスパ
ッタリングされた粒子は、イオン化空間60fでイオン
化されて基板7に向かって飛行し、基板表面の引込電界
9により加速されて基板7に対して垂直に引き込まれ、
基板7に形成されているランド及びグルーブ面に効率よ
く堆積する。
【0043】このとき、フィラメント60a及びグリッ
ド60bから発せられる基板7に対する熱輻射は遮蔽板
60gによって遮られ、遮蔽板60gに備えられた水冷
却手段60hによりイオン化機構6から周囲の雰囲気へ
の熱放射の制御が可能となる。
【0044】基板7表面に堆積した薄膜が所定の厚さま
で達した後、基板シャッター13を閉じ、信号発生器1
1、電力増幅器12、スパッタリング電源4及びガス導
入手段5を停止させ、次に、イオン化機構6のフィラメ
ント用直流電源60c、グリッド用直流電源60d、電
位制御用直流電源60eを停止させる。最後に不図示の
ゲートバルブを閉じてスパッタチャンバー1をリークさ
せ、基板7を基板ホルダー8より取り外す。
【0045】なお、スパッタリング電源4の動作中は必
ずフィラメント用直流電源60cを動作させておくこと
が望ましい。フィラメント60aに膜が堆積すると抵抗
値が変わりフィラメント60aが切れやすくなるためで
ある。
【0046】本実施形態ではイオン化成膜としてスパッ
タリングを例に挙げて説明したが、本発明に係るイオン
化成腹方法及びイオン化成膜装置は、電子ビーム蒸着、
抵抗加熱蒸着等の様々なイオン化成膜への適用が可能で
ある。
【0047】また、本実施形態ではイオン化機構とし
て、スパッタ粒子に熱電子により生成されたプラズマを
作用させてイオン化する機構を採用しているが、本発明
に係るイオン化成腹方法及びイオン化成膜装置は、レー
ザーアシストイオン化法、高周波コイルプラズマアシス
トイオン化法等、ソースと基板との間においてソースか
ら放出させた粒子のイオン化を行う、様々なイオン化機
構へ適用可能である。
【0048】
【実施例】以下、上記実施形態を具体的に実施したいく
つかの実施例について説明する。
【0049】(実施例1)実施例1では、上述した実施
形態において以下のような条件でイオン化スパッタリン
グ成膜を行った。 ・ターゲットの材質:アルミニウム ・ターゲットへの投入電力:500W ・スパッタチャンバー内圧力:1.33Pa ・プロセスガス種:アルゴン ・プロセスガス流量:200sccm ・イオン化機構グリッド電圧:100V ・イオン化機構電位制御電源電圧:フローティング ・引込電極交流電圧周波数:100kHz
【0050】図4は、上記の条件において、イオン化機
構6の遮蔽板60gを外した状態及び水冷処理を施して
いない遮蔽板を取り付けた状態での成膜時間に対する基
板温度を示した図である。実施例では遮蔽板60gの有
無による、成膜時間に対する基板温度の上昇の度合いの
変化を検討した。
【0051】図4に示すように、遮蔽板を外した状態で
は成膜時間の経過とともに基板温度は上昇し成膜時間が
10分を越えた時点で200℃まで達している。しか
し、水冷処理を施していない遮蔽板を取り付けた状態で
は、成膜時間とともに基板温度は上昇するものの、その
温度上昇はわずかであり成膜時間が10分を越えた時点
で飽和している。しかも、到達温度はわずか50℃程度
である。このように、遮蔽板を取り付けることによっ
て、基板温度の上昇を大幅に抑えることが可能となる。
【0052】従って、本発明に係るイオン化成腹装置及
びイオン化成膜方法においては、従来の高周波プラズマ
アシストイオン化スパッタリングでは不可能な耐熱温度
の低い基板への成膜が可能となり、本実施形態は耐熱温
度の低い基板への適用に極めて有効であることが示され
ている。
【0053】(実施例2)実施例2は、イオン化機構の
遮蔽板に水冷を施した状態と施していない状態における
成膜時間に対する基板温度の上昇の度合いの変化を検討
した。図4に、遮蔽板に水冷を施した状態と施していな
い状態における成膜時間に対する基板温度の関係を示
す。
【0054】図4に示すように、遮蔽板に水冷処理を施
さない時の基板温度に比べ、水冷処理を施した時の基板
の到達温度は更に低くなり、成膜時間が10分を越えた
時点で温度上昇が飽和している。従って、遮蔽板に水冷
処理を施すことによって更に基板温度の上昇を抑えるこ
とが可能となる。よって、実施例2では遮蔽板により水
冷処理を行うことにより、上述した実施例1よりも更に
耐熱温度の低い基板への成膜が可能となることが示され
ている。
【0055】(実施例3)図5は、実施例1の条件にお
いて、アスペクト比4の溝形状を表面に有する3種類の
材質の基板に成膜を行い、水冷した遮蔽板を取り付けた
状態と外した状態でのボトムカバレッジ率を示した図で
ある。
【0056】図5に示すように、本実施形態のイオン化
成腹方法によれば、耐熱性の低い基板にもボトムカバレ
ッジよく成膜が可能となることが示されている。例え
ば、遮蔽板無しの状態で成膜したテフロン(登録商標)
及びポリカーボネート基板では、イオン化機構からの熱
により基板が変形もしくは焼失したが、水冷を施した遮
蔽板を取り付けた状態では基板が変形することなくボト
ムカバレッジよく成膜できることが示されている。
【0057】以上説明したように、本実施形態において
は、イオン化機構6と基板7の間に遮蔽板60gを設
け、イオン化機構6を覆うケーシングとして遮蔽板60
gを配置したため、イオン化機構6のフィラメント60
a、グリッド60bから基板7への熱の放射を抑止して
基板7の温度上昇を最小限に抑えることができる。従っ
て、ボトムカバレッジ率の確認、高周波プラズマアシス
トイオン化スパッタリングでは不可能な耐熱温度の低い
基板への成膜を確実に行うことが可能となる。これによ
り、次世代DRAM、あるいは磁壁移動型光磁気ディス
ク等の製造に際し、イオン化した粒子を、高アスペクト
比の溝又はホールに対してボトムカバレッジ率よく成膜
することが可能となる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、イオン化した粒子を堆
積させる基板の昇温を確実に抑えることができるため、
耐熱温度の低い基板への成膜が可能となる。従って、被
堆積材の耐熱温度が低い場合であっても、アスペクト比
の高い次世代デバイス、あるいは磁壁移動型の光磁気デ
ィスク等の製造に適用できるイオン化成膜装置及びイオ
ン化成膜方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るイオン化スパッタリ
ング装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示すイオン化スパッタリング装置におけ
るイオン化機構の構成を示す模式図である。
【図3】図1に示すイオン化スパッタリング装置におけ
る、引込電極に印加する高周波電力の代表的な波形を示
した特性図である。
【図4】本発明の一実施形態による成膜方法と従来の成
腹方法において、成膜時間と基板温度との関係を比較し
て示した特性図である。
【図5】本発明の一実施形態による成膜方法と従来の成
腹方法において、ボトムカバレッジ率を比較して示す特
性図である。
【符号の説明】
1 スパッタチャンバー 2 ターゲット 3 磁石機構 4 スパッタリング電源 5 ガス導入手段 6 イオン化機構 60a フィラメント 60b グリッド 60c フィラメント用直流電源 60d グリッド用直流電源 60e 電位制御用直流電源 60f イオン化生問 60g 遮蔽板 60h 水冷却手段 7 基板 8 基板ホルダー 9 引込電界 10 引込電極 11 信号発生器 12 電力増幅器 13 基板シャッター 14 排気系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 金井 正博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4K029 BD01 DC20 4M104 BB02 DD39 5F103 AA08 AA10 BB09 BB21 BB23 BB60 DD28 HH04 RR06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気系を備えた成膜チャンバーと、 前記成膜チャンバー内にプロセスガスを導入するための
    ガス導入手段と、 前記成膜チャンバー内に配置されたソースとを備え、 前記ソースから放出させた粒子を基板表面に堆積させる
    成膜装置であって、 前記粒子をイオン化させるイオン化手段と、 前記基板近傍に電界を形成する電界発生手段とを備え、 前記イオン化手段から発生する熱が前記基板に直接放射
    しないように熱遮蔽構造を設けたことを特徴とするイオ
    ン化成膜装置。
  2. 【請求項2】 前記イオン化手段は熱陰極及び陽極を備
    え、前記熱陰極から熱電子を放出することを特徴とする
    請求項1に記載のイオン化成膜装置。
  3. 【請求項3】 前記イオン化手段と前記基板との間に前
    記熱を遮蔽するための遮蔽板を設けたことを特徴とする
    請求項1又は2に記載のイオン化成膜装置。
  4. 【請求項4】 前記ソースから前記基板へ向かう前記粒
    子の飛行経路を残して前記イオン化機構を覆う前記遮蔽
    板を設けたことを特徴とする請求項3に記載のイオン化
    成膜装置。
  5. 【請求項5】 前記遮蔽板を冷却する冷却手段を備えた
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載のイオン化成膜
    装置。
  6. 【請求項6】 前記冷却手段を水冷方式としたことを特
    徴とする請求項5に記載のイオン化成膜装置。
  7. 【請求項7】 前記イオン化手段から発生させた熱電子
    の拡散を抑制するために、前記遮蔽板に正電圧を印加す
    るようにしたことを特徴とする請求項2〜6のいずれか
    1項に記載のイオン化成膜装置。
  8. 【請求項8】 ソースから放出させた粒子をイオン化
    し、基板表面上に形成された電界に沿って前記粒子を前
    記基板に入射させて前記基板表面に堆積膜を形成するイ
    オン化成腹方法であって、 前記イオン化の際に生じる熱の前記基板方向への放射を
    遮って前記堆積膜を形成することを特徴とするイオン化
    成膜方法。
  9. 【請求項9】 前記イオン化の際に生じる熱の放射を遮
    蔽構造により遮蔽することを特徴とする請求項8に記載
    のイオン化成腹方法。
  10. 【請求項10】 前記イオン化の際に生じる熱の放射
    を、前記粒子の飛行経路を除いた遮蔽構造により遮蔽す
    ることを特徴とする請求項8に記載のイオン化成腹方
    法。
  11. 【請求項11】 前記熱の放射の遮蔽により加熱する前
    記遮蔽構造を冷却することを特徴とする請求項8〜10
    のいずれか1項に記載のイオン化成膜方法。
  12. 【請求項12】 前記熱の放射の遮蔽による前記遮蔽構
    造の加熱を低減するために、前記遮蔽構造に所定の電圧
    を印加することを特徴とする請求項8〜11のいずれか
    1項に記載のイオン化成膜方法。
  13. 【請求項13】 成膜チャンバーと、 前記成膜チャンバー内にプロセスガスを導入するための
    ガス導入手段と、 前記成膜チャンバー内に配置されたソースとを備え、 前記ソースから放出させた粒子を基板表面に堆積させる
    成膜装置であって、 前記粒子をイオン化させるイオン化手段と、 前記基板近傍に電界を形成する電界発生手段とを備え、 前記イオン化手段から前記基板への熱の放射を遮るよう
    にしたことを特徴とするイオン化成膜装置。
  14. 【請求項14】 ソースから放出させた粒子をイオン化
    し、前記粒子を前記基板に入射させて前記基板表面に堆
    積膜を形成するイオン化成腹方法であって、前記イオン
    化の際に生じる熱の前記基板方向への放射を遮ることを
    特徴とするイオン化成膜方法。
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KR101216382B1 (ko) 2005-12-06 2012-12-28 주성엔지니어링(주) 열차폐 부재를 포함하는 반도체 처리 장치
CN103122450A (zh) * 2011-11-21 2013-05-29 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 离化装置及应用离化装置的镀膜装置

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