JP2001152330A - 成膜方法及び成膜装置 - Google Patents

成膜方法及び成膜装置

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JP2001152330A
JP2001152330A JP33924199A JP33924199A JP2001152330A JP 2001152330 A JP2001152330 A JP 2001152330A JP 33924199 A JP33924199 A JP 33924199A JP 33924199 A JP33924199 A JP 33924199A JP 2001152330 A JP2001152330 A JP 2001152330A
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Hiroto Yamaguchi
裕人 山口
Atsushi Koike
淳 小池
Masahiro Kanai
正博 金井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アスペクト比の大きな基体上に、ボトムカバ
レッジ性の良い膜を形成する。 【解決手段】 イオン化した粒子を基体7に入射させて
堆積膜を形成する成膜方法及び成膜装置において、基体
7の表面側に引き込み電極10を設け、この引き込み電
極に接地電位に対して負極性の周期的に変化する電圧を
印加しながら成膜を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSIのような半
導体デバイスや、光磁気ディスクのような記録媒体など
の製造に用いられる成膜方法及び成膜装置に関し、特
に、イオン化された粒子を用いて各種の被膜を形成する
成膜方法及び成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種半導体デバイスでは、配線の形成や
層間絶縁膜の形成に、記録媒体では磁性層や保護層等を
形成する際に成膜方法が用いられている。その際に使用
される成膜方法には種々の性能が求められるが、最近、
基板に形成された溝の内面、特にボトム部分のカバレー
ジ性の改善が求められている。
【0003】図12は従来のスパッタリングにより堆積
した膜の形状を示している。基板7の溝上部103に堆
積している膜100の厚さに比べて、溝底部104に堆
積している膜102の厚さが極めて小さいことがわか
る。また、溝側面101上にも膜が堆積していることが
わかる。
【0004】一例として磁壁移動型の光磁気ディスクの
場合について説明する。従来の光磁気ディスクやコンパ
クトディスクでは、ディスク上に溝(グルーブ)が同心
円状に形成されており、その溝の部分は情報を記録する
ために使用されていなかった。しかしながら、磁壁移動
型の光ディスクでは溝の底のボトム部分(グルーブ)も
記録部分とするために、溝以外の平坦部分(ランド)と
同様に機能性堆積膜を形成する必要がある。しかも、グ
ルーブとランドの間で干渉しないように境界面である溝
側面では光磁気信号がでないようにしなければならず、
溝側壁面への着膜量を可能な限り少なくしなければなら
ない。すなわち、磁壁移動型の光磁気ディスクではボト
ムカバレッジ率(溝の側壁面への成膜速度に対する溝底
面への成膜速度の比、或いは溝上部への堆積膜厚に対す
る溝底部への堆積膜厚の比)の高い膜形成が必要とされ
ている。
【0005】ボトムカバレッジ率の高い成膜の手法とし
て、低圧遠隔スパッタリング法やコリメートスパッタリ
ング法、および特開平10−259480号公報で提案されてい
る高周波プラズマのアシストによるスパッタリング法が
知られている。
【0006】低圧遠隔スパッタリング法は、通常のスパ
ッタリングの圧力よりも低くし、て平均自由行程を長く
しているため、スパッタ粒子が散乱せずまっすぐに飛行
する。これとともに、ターゲットと基板との距離を長く
して基板に垂直に粒子が飛行するようになっている。
【0007】コリメートスパッタリング法は、ターゲッ
トと基板との間に基板に垂直の方向に多数の穴が空いた
円筒状の筒(コリメーター)を設置し、基板に垂直に飛
行するスパッタ粒子のみを基板に到達させ、堆積させる
手法である。
【0008】また、高周波プラズマのアシストによるス
パッタリング法は、基板に高周波電圧を印加し基板近傍
でプラズマを形成し、飛行してくるスパッタ粒子をプラ
ズマ空間内でイオン化して、プラズマにより基板表面に
発生するマイナス電圧(セルフバイアス)でイオン化し
たスパッタ粒子を基板に対して垂直の方向に引き込み、
堆積させる手法である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低圧遠
隔スパッタリング法は基板との距離を長くするため成膜
速度が低下し、原材料(ターゲット)の利用効率が低
く、量産では溝のアスペクト比が最大4程度までの被成
膜基板への使用が限界であるといわれている。
【0010】コリメートスパッタリング法はコリメータ
ーの部分にスパッタ粒子が堆積して損失になるため成膜
速度が低下し、原材料の利用効率が低いという問題があ
り、溝のアスペクト比が最大3程度までの被成膜基板へ
の使用が限界である。
【0011】高周波プラズマのアシストによるスパッタ
リング法は、溝のアスペクト比が4以上の被成膜基板へ
の成膜に対応できるものの、基板に高周波電圧を印加し
プラズマを発生させるため、プラズマ中の荷電粒子が基
板に飛ぶ込み基板を加熱してしまう。よって、コンパク
トディスクや光磁気ディスク等の記録媒体で基体材料と
して多く用いられている樹脂等の低耐熱性材料からなる
基体の上には成膜し難い。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、表面に
深い溝が形成されている基体であっても、ボトムカバレ
ッジ率良く被膜を形成できる成膜方法及び成膜装置を提
供することにある。
【0013】本発明の別の目的は、被成膜基体の温度上
昇を抑えることができる成膜方法及び成膜装置を提供す
ることにある。
【0014】本発明は、イオン化した粒子を基体に入射
させて堆積膜を形成する成膜方法において、前記基体の
裏面側に引き込み電極を設け、前記引き込み電極に接地
電位に対して負極性の周期的に変化する電圧を印加しな
がら成膜を行なうことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。
【0016】図1の装置は、本発明の実施の形態によ
る、イオン化した粒子を基体に入射させて堆積膜を形成
する成膜装置であり、基体7の裏面側に引き込み電極1
0が設られており、成膜中に引き込み電極10に接地電
位に対して負極性の周期的に変化する電圧を印加する電
圧印加手段11、12を有していることを特徴とする。
【0017】以下、詳しく説明するに、この装置はイオ
ン化スパッタリングを利用した装置である。イオン化ス
パッタリングのメカニズムは、ターゲット2がスパッタ
されて放出されるスパッタ粒子をイオン化機構6でイオ
ン化し、基板7の表面の負電界9によりイオン化された
スパッタ粒子を基板7の表面に垂直に入射させるもので
あり、ボトムカバレッジ率良く成膜が行える。
【0018】成膜チャンバー1は、ステンレス鋼又はア
ルミニウム等の金属製容器であり、電気的に基準電位に
接地されており、不図示のゲートバルブにより気密が保
てるようになっている。
【0019】排気系14は大気圧から10-6Pa程度まで排気
可能な複合排気システムであり、不図示のオリフィスま
たはコンダクタンスバルブ等の排気速度調整器により排
気速度の調整が可能となっている。
【0020】ターゲット2は、たとえば厚さ3mm、直径3
インチ(76.2mm)程度の円盤状であり、バッキングプレ
ートおよび絶縁体を介してスパッタチャンバー1内に設
置されている。ターゲットを必要に応じて水などの冷媒
により冷却することも好ましいものである。
【0021】ターゲット2の裏面側には磁界発生手段と
しての磁石3が設置されておりマグネトロンスパッタを
行なえるようになっている。
【0022】スパッタリング電源4は所定の電力をター
ゲット2に印加してグロー放電を生ぜしめるものであ
り、基準電位に対して−200V〜−600Vの負の直流電圧
がターゲット2に印加されるようになっている。
【0023】ガス導入手段5は、希ガス等のスパッタリ
ング放電用のガスを導入するもので、円環状のパイプの
中心側面にガス吹き出し穴を形成した構造となってお
り、ターゲット2の直上に均一にガスが供給されるよう
に配置されている。
【0024】イオン化機構6は、ターゲット2から基板7
へのスパッタリング粒子の飛行経路に設定されたイオン
化空間606において、熱陰極から放出された熱電子をス
パッタリング粒子に衝突させてスパッタリング粒子をイ
オン化する機構を採用している。詳しくは、あるスパッ
タリング粒子は、熱陰極より放出された熱電子がスパッ
タリング粒子に衝突してイオン化される。また別のスパ
ッタリング粒子は、熱電子がスパッタリング放電用のガ
スの粒子に衝突し、生成されたスパッタリング放電用の
ガスの励起種またはイオンがスパッタリング粒子に衝突
することよりイオン化する。このように主として2つの
メカニズムでイオン化が起こる。
【0025】図2は、本発明に用いることのできるイオ
ン化機構6の構造図である。具体的には、イオン化機構6
は、直列につながれたフィラメント601に直流電源604よ
り電流を流し加熱して熱電子を放出させる。グリッド60
2は網目構造であり、直流電源605によりプラスの電圧が
印加されことにより、フィラメント601から放出された
熱電子がグリッド602に向かって加速される。加速され
た熱電子は、すぐにグリッド602に捕捉されるのではな
く、グリッド602を通り抜けスパッタリング粒子の軌道
であるイオン化空間606に至る。ここで、スパッタリン
グ粒子及びスパッタリング放電用のガスの粒子と衝突
し、スパッタリング粒子及びスパッタリング放電用のガ
ス粒子をイオン化又は励起した後、グリッド602に捕捉
される。なお、フィラメント601の材質は例えばReW、
W、等の熱電子放出係数の大きなものが採用され、グリ
ッド602は例えば線径1mm、ピッチ3mm程度の網目構造の
ものが採用されている。また、この装置では、フィラメ
ント601の片側はケーシング603と同電位であり、ケーシ
ング603は、電子の拡散を防止するために直流電源607に
より基準電位に対して負の直流電圧が印加されている
が、ケーシング603が基準電位に保持される構成であ
ってもよい。
【0026】基板ホルダー8は、チャンバー1内に設置さ
れており、ターゲット2に対して平行に基板7を保持でき
るようになっている。基板ホルダー8と基板7との間には
絶縁体17を介挿させており、引込電極10は好ましくは
基板7の表面に対して平行に取付けられている。
【0027】引込電極10は信号発生器11としてのファ
ンクションシンセサイザー11と電力増幅器12により構成
された電圧印加手段に接続されている。この電圧印加手
段により基準電位である接地電位に対して負極性の周期
的に変動する矩形波の電圧が引込電極10に印加される。
【0028】図3は、引き込み電極に印加されるバイア
ス電圧の一例を示している。
【0029】バイアス電圧は、所定の周期で、0又は負
極性の最小電圧(基準電位に対して振幅が最小になる電
圧)V1と、負極性の最大電圧(基準電位に対して振幅
が最大になる電圧)V2とに変化する電圧である。
【0030】このバイアス電圧により、基板表面に基板
7に垂直な方向に電界9が形成され、イオン化したスパッ
タリング粒子が電界9に沿って(基板7の表面に対して垂
直に)加速され基板7に到達するようになっている。
【0031】なお、引込電極10には信号発生器11および
電力増幅器12より任意の波形および電圧を印加すること
が可能である。
【0032】次に、本発明の実施の形態による成膜方法
の手順について説明する。
【0033】基板ホルダー8に基板7をセットし複合排気
系14によりチャンバー内を10-6Pa程度まで排気する。
【0034】次にイオン化機構6を動作させる。すなわ
ち、直流電源607を動作し任意の値に設定し、フィラメ
ント用直流電源604を動作しフィラメント601を通電加熱
し、グリッド用直流電源605によりグリッド602に+10V
〜+200V程度の正の直流電圧を印加し、イオン化空間60
6に熱電子を放出させる。
【0035】なお、スパッタリングの成膜速度により条
件は変わるが、グリッド602に流れ込む電流(エミッシ
ョン)の値は成膜中において5A以上に設定することが望
ましい。
【0036】次に、ガス導入手段5によりArガス等のス
パッタリング放電用のガスを導入し、複合排気系6の排
気速度調整器を制御してチャンバー1内を0.2Pa〜2.0P
a程度に維持し、スパッタリング電源4を動作しスパッタ
リング放電を生じさせ、スパッタリングを開始する。同
時に、信号発生器11と電力増幅器12を動作し引込電極10
に接地電位に対して0又は負極性の周期的に変動する電
圧を印加し、基板表面で基板7に垂直な方向に引込み用
電界9を形成する。
【0037】この時、引込電極10に印加する電圧は、例
えば前述したように図3の矩形波を用い、矩形波の基準
電圧0ボルトに近い負の最小電圧V1では電子が入射可
能となるように浮遊電位より若干正になるようにする。
具体的には負の最小電圧V1を0Vから−10Vの範囲から
選択される値とすると良い。浮遊電位とは、一般に、プ
ラズマ中に置かれた電気的に絶縁された基板がプラズマ
により発生する該基板の電位を意味し、本実施の形態の
場合には引き込み電極10に電圧を印加しない場合に基
板7に発生する電位のことである。
【0038】矩形波の負の最大電圧V2は逆スパッタリ
ングの効果が発生し成膜速度が著しく減少しないように
するため、−20V乃至−100Vの範囲から選択される値に
設定することが望ましい。
【0039】また、基板のチャージアップを防止しなが
らイオンを効率良く入射させるために、周波数は100KHz
以上とし、更には波形のデューティーは1対50以上、即
ち、基準電圧(0V)を基準にして負の最大電圧V2を
印加している時間に対する、0V又は負の最小電圧V1
を印加している時間の比が50分の1以下となるように
設定することが望ましい。
【0040】次に、数分間そのままの状態でプレスパッ
タリングを行なった後に、基板シャッター13を開け、成
膜を開始する。スパッタリング放電によりスパッタリン
グされた粒子は、イオン化空間606でイオン化され、基
板7に向かって飛行し、基板表面の引込電界9により加速
され基板7に対して垂直に引き込まれ、基板7に形成され
ている溝の底面に効率よく堆積する。
【0041】所定の厚さまで成膜された後、シャッター
13を閉じ、信号発生器11、電力増幅器12、スパッタ用電
源4、およびガス導入手段5を停止させ、次に、イオン化
機構6のフィラメント電源604、グリッド電源605、フロ
ーティング電源607を停止させる。最後に不図示のゲー
トバルブを閉じスパッタリングチャンバー1をリークさ
せ、基板7を基板ホルダー8より取り外す。
【0042】なお、イオン化機構6はフィラメント601へ
のスパッタリング粒子の堆積を極端に嫌う。なぜなら、
フィラメントに膜が堆積すると抵抗値が変わりフィラメ
ントが切れ易くなるからである。そのため、スパッタリ
ング用電源4の動作中は必ずフィラメント用電源604を動
作させておく事が望ましい。
【0043】以上説明した、本実施形態では、被膜の原
料となる蒸発物質の蒸発手段としてスパッタリングを用
いているが、粒子の発生方法(成膜方法)は、電子ビー
ム蒸着法、抵抗加熱蒸着法等の様々な方法が採用可能で
あり、被膜の原料となる蒸発物質も金属、合金、化合物
を問わず様々な物質が利用可能である。
【0044】また、本実施形態では、蒸発粒子のイオン
化機構として、蒸発粒子及び放電用ガスの粒子に熱電子
を衝突させてイオン化する機構を採用しているが、本発
明のイオン化成膜方法は、レーザーアシストイオン化
法、高周波コイルプラズマアシストイオン化法等の蒸発
源と基板との間で蒸発粒子のイオン化が行える様々なイ
オン化手段が利用可能である。
【0045】
【実施例】(実施例1)上述した実施形態の手順になら
って、以下のような条件でSi基板上にイオン化スパッ
タリングによりGdFeCr膜を成膜した試料を作製し
た。 ・ ターゲット2の材質:GdFeCr (3元合金) ・ ターゲット2への投入電力:400W ・ スパッタチャンバー内圧力:0.8Pa ・ 放電用ガス種:Ar(アルゴン) ・ 放電用ガス流量:200sccm ・ イオン化機構のグリッド電圧:50V ・ イオン化機構のエミッション電流:20A ・ イオン化機構のフローティング電源電圧:−30V
【0046】上記の条件において、引込電極10に印加す
る電圧の周波数を500KHz、デューティーを1対100とし、
引込電極10に印加する電圧の最大値V2及び最小値V1
の値を変えて、基板7に5分間連続して成膜して各試料を
作製した。
【0047】これらの試料を作製した時に基板表面が到
達した温度を測定した。
【0048】図4はその結果を示しており、本実施例の
イオン化成膜方法によると大幅に基板温度の上昇を抑え
ることができた。
【0049】たとえば、本実施例のイオン化成膜方法に
おいては、成膜中の基板7の温度が60℃程度であり、こ
れはポリカーボネート等の耐熱温度の低い基板への成膜
に十分対応可能であることを意味する。
【0050】例えば、ポリカーボネイトの熱変形温度は
95℃〜105℃、ポリメチルメタクリレートのそれは
120℃〜132℃、エポキシ樹脂のそれは135℃と
いわれている。本実施例によれば、これらのような耐熱
温度の低い基板への成膜が良好に行える。
【0051】(実施例2)実施例1にならい以下の条件に
おいてボトム巾0.25μmアスペクト比4の溝を有するシリ
コン基板上にGdFeCr膜を成膜して、各試料を作製
した。
【0052】本実施例では、引込電極10に印加する電圧
の最小値V1及び最大値V2の値を変えて成膜し、各試
料を作成した。これらの試料の膜のボトムカバレッジ率
を測定した。
【0053】図5はその結果を示しており、本実施例の
イオン化成膜方法によると大幅にボトムカバレッジ率が
向上していることがわかる。参考のために、従来の低圧
遠隔スパッタリング装置および高周波プラズマアシスト
イオン化スパッタリング装置で得られたボトムカバレッ
ジ率を併記している。
【0054】たとえば、従来の低圧遠隔スパッタリング
法では16%程度のボトムカバレッジ率であったが、本実
施例発明のイオン化成膜方法において、特に、引込電極
10に印加する電圧の最小値V1及び最大値V2をそれぞ
れ−10、−40Vに設定した場合では、40%程度のボトムカ
バレッジ率が得られている。
【0055】(実施例3)実施例1にならって、引込電
極10に印加する電圧の最小値V1及び最大値V2をそれ
ぞれ−10、−40Vとし、引込電極10に印加する電圧の周
波数を変更して、ボトム巾0.25μmアスペクト比4のシリ
コン基板7にGdFeCr膜を成膜して各試料を作製し
た。
【0056】そして、各試料のボトムカバレッジ率を測
定した。
【0057】図6はその結果を示しており、本実施例の
イオン化成膜方法によると、大幅にボトムカバレッジ率
が向上している。たとえば、従来の低圧遠隔スパッタリ
ング法では16%程度のボトムカバレッジ率であったが、
本発明のイオン化成膜方法において、特に、引込電極10
に印加する電圧の周波数を100KHz以上に設定した場合に
は、40%程度のボトムカバレッジ率が得られている。
【0058】(実施例4)実施例1にならって、引込電
極10に印加する電圧の最小値V1及び最大値V2をそれ
ぞれ−10、−40Vとし、引込電極10に印加する電圧のデ
ューティー(最小電圧V1を印加している時間T1と最
大電圧V2を印加している時間T2の比)を変更してボ
トム巾0.25μmアスペクト比4のシリコン基板7にGdF
eCr膜を成膜し各試料を作製した。
【0059】そして、各試料のボトムカバレッジ率を測
定した。
【0060】図7はその結果を示しており、本実施例の
イオン化成膜方法によると、大幅にボトムカバレッジ率
が向上していることがわかる。たとえば、従来の低圧遠
隔スパッタリング法では16%程度のボトムカバレッジ率
であったが、本実施例のイオン化成膜方法において、特
に、引込電極10に印加する電圧のデューティー、即ちT
1/T2を1/50以下に設定した場合には、40%程度
のボトムカバレッジ率が得らることがわかる。
【0061】(実施例5)リアクティブイオンエッチン
グにより、ボトム巾0.5μm、アスペクト比4の溝をSi基
板表面に形成したサンプル基板を複数用意した。
【0062】実施例1にならって、ターゲット2にSiO2
を用い、引込電極10に印加する電圧の最大値及び最小値
の値を変更して、溝が形成されているSi基板上に、Si
O2、膜をイオン化スパッタリングによって形成した。
【0063】更に、実施例1にならって、ターゲット2に
GdFeCrを用い、引込電極10に印加する電圧の最大値及び
最小値の値を変更して、溝が形成されているSi基板上
に、GdFeCr膜をイオン化スパッタリングによって形成し
た。
【0064】こうして得られた各試料のSiO2 GdFeCrの
膜厚は溝以外の部分でそれぞれ100nm、80nmであっ
た。
【0065】各試料について、基板のボトム部分におい
て下地のSiと上層のGdFeCrの間の絶縁耐圧を測定した。
【0066】(比較例)イオン化機構を動作させないこ
とを除いて、上記実施例5と同じ成膜条件(通常のスパ
ッタリング)にてイオン化機構を動作せず、スパッタリ
ングにてSi基板上にSiO2、GdFeCr膜をそれぞれ1000Å、
800Åの厚さで成膜を行ない、各試料を作製した。
【0067】各試料について、基板のボトム部分におい
てSi層とGdFeCr層の間の絶縁耐圧を測定した。
【0068】図8は、上記実施例5のイオン化スパッタ
リングの条件において成膜した試料の絶縁耐圧と、上記
比較例の通常のスパッタリングにより成膜した試料の絶
縁耐圧と、の測定結果を示している。
【0069】図8に示す通り、本実施例のイオン化成膜
法によれば、大幅に絶縁耐圧が向上していることがわか
る。
【0070】(実施例6)上記実施例5にならって、イオ
ン化スパッタリングにおける引込電極10に印加する電圧
の最小値V1及び最大値V2をそれぞれ−10、−40Vとし、
引込電極10に印加する電圧のデューティーを変更して成
膜して成膜を行い、各試料を作製した。
【0071】そして、各試料の絶縁耐圧を測定した。
【0072】その結果を図9に示す。
【0073】図9に示す通り、本実施例のイオン化成膜
法によれば、大幅に絶縁耐圧を向上させることができ
る。
【0074】(実施例7)実施例1にならって、ターゲッ
ト2にSiN3、スパッタリング電源4にRF電源を用い、引込
電極10へ印加する電圧の最小値V1、最大V2の値を変更し
て、ボトム巾が0.25μm、アスペクト比4の溝を有するSi
基板上に窒化シリコン膜を成膜し、各試料を作製した。
【0075】得られた各試料の膜のボトムカバレッジ率
を測定した。
【0076】図10にその結果を示す。本実施例のイオ
ン化成膜方法によると、大幅にボトムカバレッジ率が向
上している。
【0077】以上説明したように、本実施例のイオン化
成膜方法においては、従来の高周波プラズマアシストイ
オン化スパッタリング法では不可能な耐熱温度の低い基
板への良質の膜の形成が可能になる。
【0078】そして、これらの結果は、アスペクト比が
4以上となる溝を有する次世代デバイス、および磁壁移
動型の光磁気ディスク等の製作に大きな威力を発揮す
る。
【0079】図11はボトムカバレッジ率の算出方法を
示しており、基板7の溝上部に堆積した膜の厚さをt
A、溝底部104上に堆積した膜の厚さをtBとしたと
きに、ボトムカバレッジ率は100×tB/tA即ち、
溝上部の堆積膜厚に対する溝底部の堆積膜厚の百分率で
ある。
【0080】参考までに、従来のスパッタリングにより
堆積した膜の断面形状を図12に示す。ボトムカバレッ
ジ率が低いことがわかるであろう。
【0081】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、イ
オン化された粒子を、高アスペクト比の溝(連続した凹
部や、開孔などの独立した凹部などを含む)に対し、ボ
トムカバレッジ率良く成膜を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による成膜装置の構成を示
す模式的断面図である。
【図2】本発明に用いられるイオン化機構の一例を示す
模式的断面である。
【図3】本発明に用いられる引込電極へ印加される電圧
の波形を示した図である。
【図4】本発明の一実施例による、引込電極に印加され
る最小・最大電圧と基板温度との関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施例による、引込電極に印加され
る最小・最大電圧とボトムカバレッジ率との関係を示す
図である。
【図6】本発明の一実施例による、引込電極に印加され
る電圧の周波数とボトムカバレッジ率との関係を示す図
である。
【図7】本発明の一実施例による、引込電極に印加され
る電圧のデューティーとボトムカバレッジ率との関係を
示す図である。
【図8】本発明の一実施例による、引込電極に印加され
る最小・最大電圧と絶縁耐圧との関係を示す図である。
【図9】本発明の一実施例による、引込電極に印加され
る電圧のデューティーと絶縁耐圧との関係を示す図であ
る。
【図10】本発明の一実施例による、引込電極に印加さ
れる最小・最大電圧とボトムカバレッジ率との関係を示
す図である。
【図11】ボトムカバレッジ率の算出方法を説明するた
めの模式図である。
【図12】従来のスパッタリングにより堆積した膜の形
状を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 チャンバー 2 ターゲット 3 磁石 4 スパッタリング電源 5 ガス導入手段 6 イオン化手段 601 フィラメント 602 グリッド 603 ケース 604 フィラメント用直流電源 605 グリッド用直流電源 606 イオン化空間 607 フローティング用直流電源 7 基体 8 基体ホルダー 9 引込電界 10 引込電極 11 信号発生器 12 電力増幅器 13 基板シャッター 14 排気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金井 正博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 4K029 BD01 BD12 CA05 CA13 DC34 EA09 4M104 DD39 HH13 5D075 GG03 GG12 GG16 5D121 AA01 EE03 EE29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン化した粒子を基体に入射させて堆
    積膜を形成する成膜方法において、前記基体の裏面側に
    引き込み電極を設け、前記引き込み電極に接地電位に対
    して負極性の周期的に変化する電圧を印加しながら成膜
    を行なうことを特徴とする成膜方法。
  2. 【請求項2】 前記引込電極に印加する前記電圧は0V
    〜−100Vである請求項1記載の成膜方法。
  3. 【請求項3】 前記引込電極に印加する前記電圧は、10
    0KHz以上の周波数で周期的に変化する請求項1記載の成
    膜方法。
  4. 【請求項4】 前記引込電極に印加する前記電圧は矩形
    波であり、負の最大電圧を印加している時間に対する負
    の最小電圧又は接地電圧を印加している時間の比が50
    分の1以下である請求項1記載の成膜方法。
  5. 【請求項5】 熱電子を当てて粒子をイオン化するイオ
    ン化機構が設けられている請求項1記載の成膜方法。
  6. 【請求項6】 イオン化した粒子を基体に入射させて堆
    積膜を形成する成膜装置において、前記基体の裏面側に
    引き込み電極を設け、成膜中に前記引き込み電極に接地
    電位に対して負極性の周期的に変化する電圧を印加する
    電圧印加手段を有することを特徴とする成膜装置。
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