JP2003221075A - 包装体用雰囲気改良性テープ、雰囲気改良性テープ付包装体、雰囲気改良性テープ付包装容器、咬合具および咬合具付包装体 - Google Patents
包装体用雰囲気改良性テープ、雰囲気改良性テープ付包装体、雰囲気改良性テープ付包装容器、咬合具および咬合具付包装体Info
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Abstract
ず、包装材料を自由に選択でき、環境への負荷のない包
装体用雰囲気改良性テープを提供することにある。 【解決手段】包装体用雰囲気改良性テープ10は、内側
の矩形状の雰囲気改良層10Aおよび雰囲気改良層10
Aを囲む外側の熱可塑性樹脂層10Bから構成される。
雰囲気改良層10Aは、雰囲気改良性を有する物質を含
有している。雰囲気改良性物質としては、熱可塑性ポリ
エチレンオキシドを採用している。熱可塑性樹脂層10
Bの熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(直鎖状低密
度ポリエチレン LLDPE)を採用している。
Description
良性テープ、雰囲気改良性テープ付包装体、雰囲気改良
性テープ付包装容器、咬合具および咬合具付包装体に関
する。
に包装内に乾燥剤を入れたり、衣料品の虫害やダニ害を
防ぐため防虫剤を同封したりしている。また、工業部品
の金属部分の錆びを防止するために工業部品の包装内に
防錆剤を同封することも行われている。以上のように各
種包装内を適切な状態に保つために、各種雰囲気改良物
質が用いられている。
改良物質を封入してある小袋を商品を包装する包装袋に
入れた場合に、包装袋内に小袋が固定されていないと、
商品と混在して違和感を与えたり、場合によっては誤っ
て用いられたりすることがあるという問題がある。ま
た、個別に小袋等により包装袋に投入するので手間がか
かり、さらに、小袋の投入漏れが生ずる場合がある。例
えば、防錆剤では、不織布に揮発性防錆剤を含有させた
防錆シートが提案されている(特開平5−65168号
公報)。しかし、これらのシートは、上記の誤使用の問
題を解決する為に、袋を形成するシートに薬剤をコート
して雰囲気改良を行おうとするため、コートし易いシー
トの材料を選定しなければならず、包装材料の選定に制
限が生じ強度面や透明性等の包装資材としての機能が犠
牲となる問題がある。さらに、製造時のロスに薬剤も含
まれているので、環境汚染など環境への負荷を生ずると
いう問題もある。
なる帯状の咬合具(嵌合具)を設けることにより、開閉
自在とした袋(チャック袋)が食品、医薬品、雑貨等の
多くの分野で使用されている。ここで、雄部材は、開口
部近傍の袋内面部分にヒートシール等で溶着される帯状
基部と、この帯状基部に突設され、先端が膨出する断面
で、帯状基部の延出方向に沿って延びる雄咬合部と、を
含んで構成される。
先端膨出部分と咬合する湾曲状の断面で、帯状基部の延
出方向に沿って延びる雌咬合部と、を含んで構成され
る。以上のような咬合具を備えた袋においても上記と同
様の問題がある。
用、投入漏れが起こらず、包装材料を自由に選択でき、
環境への負荷のない包装体用雰囲気改良性テープ、雰囲
気改良性テープ付包装体、雰囲気改良性テープ付包装容
器、咬合具および咬合具付包装体を提供することにあ
る。
に、本発明の包装体用雰囲気改良性テープは、雰囲気改
良物質を含む雰囲気改良層と、雰囲気改良物質を含まな
い熱可塑性樹脂層とを備え、前記雰囲気改良層が、前記
熱可塑性樹脂層に被覆された断面を有することを特徴と
する。
囲気改良層は、雰囲気改良物質を有する物質を含有して
いる。雰囲気改良物質としては、吸水材、乾燥剤、揮発
性抗菌剤、揮発性防黴剤、揮発性防ダニ剤、揮発性防虫
剤、脱臭剤、揮発性防錆剤、揮発性動物忌避剤、脱酸素
剤、吸着剤等が挙げられる。吸水材としては、ポリアク
リル酸塩、酢酸ビニル・アクリル酸塩共重合体、架橋ポ
リビニルアルコール変性物、極細吸水性アクリル繊維、
熱可塑性ポリエチレンオキシド等が挙げられる。乾燥剤
としては、酸化カルシウム、アルミナ乾燥剤、シリカゲ
ル、マグネシウム塩、ゼオライト等が挙げられる。
物、ヒノキチオール、タケ抽出オイル、シソ抽出オイ
ル、チアゾリルスルファミド化合物等が挙げられる。揮
発性防黴剤としては、有機スズ化合物、有機硫黄化合
物、塩素系化合物、フェノール系化合物、チモール等が
挙げられる。
トラメスリン、レスメトリン、フェノトフラメトリン、
ペルメトリン、シフェノトリン、トラロメスリン、エン
ペントリン、DDVP、フェニオチン、テメホス、ジフ
ルベンズロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、
ハッカ油等が挙げられる。揮発性防虫剤としては、クレ
ゾール、o−フェニルフェノール、パラチオン、イミダ
ゾール等が挙げられる。
ナ、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ゼオラ
イト等が挙げられる。揮発性防錆剤としては、二環のベ
ンゾアゾール化合物、単環のイミダゾール、トリアゾー
ル、ロジン、亜硝酸ジイソプロピルアンモニウム、安息
香酸、カブリル酸、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウ
ム、炭酸ジシクロアンモニウム、ニトリット等が挙げら
れる。
ロテノン、フタルスリン、アレスリン、ペルメトリン、
サイバーメトリン、アルファサイバーメトリン、フェノ
トリン、シフェノトリン、メントール、ヒノキオイル、
スギオイル、ヒバオイル、ジチオカルバモリルジスルフ
ァイド系化合物、シンナミックアルデヒド、リナロール
等が挙げられる。
FeO、FeTiO2、Fe2O3等の鉄の還元性低位酸
化物、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、シュウ酸
塩、ピロガロール、カテコール、ロンガリット、グルコ
ース、ビタミンC、酸素吸収性ポリエステル等の酸素吸
収性ポリマー等が挙げられる。吸着剤としては、酸化カ
ルシウム、アルミナ乾燥剤、シリカゲル、マグネシウム
塩、ゼオライト等が挙げられる。
良物質が熱可塑性樹脂中に混練されている場合、雰囲気
改良物質が熱可塑性樹脂層が不織布等の場合には、熱可
塑性樹脂層にすき込まれている場合、雰囲気改良物質が
繊維状、粒子状で存在する場合、雰囲気改良物質が、繊
維に含浸されている場合、雰囲気改良物質と熱可塑性樹
脂パウダーとのブレンド等、種々の形態が採用できる。
ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、ナイロンの少なくともいずれか1つを含むこと
が好ましく、より好ましくは、ポリプロピレン、ポリエ
チレンである。熱可塑性樹脂層の形態としては、樹脂
状、シート状、不織布状、合成紙等、種々の形態を採用
できる。
しては、多層共押出し法、多層異形押し出し法、熱可塑
性樹脂のチューブに雰囲気改良物質を充填し、熱ロール
などで熱圧着する方法、熱可塑性樹脂からなる不織布や
織布の繊維の間に、雰囲気改良物質を充填し、熱可塑性
樹脂のシート等で被覆し熱圧着したり、熱可塑性樹脂の
チューブに挿入する方法等、種々の方法を採用できる。
は、特に制限はないが、通常、長尺な矩形状である。ま
た、断面の形態としては、前記雰囲気改良層が、前記熱
可塑性樹脂層に被覆された断面を有する形態であればよ
く、例えば、矩形状の雰囲気改良層が完全に熱可塑性樹
脂層に覆われている形態、円形の雰囲気改良層のまわり
がドーナツ形の熱可塑性樹脂層に覆われている形態等、
種々の形態を採用できる。完成した包装体用雰囲気改良
性テープの状態としては、電線のようにドラムに巻かれ
た状態、ダンボール箱にバラで入れられた状態等が挙げ
られる。
あることにより、容易に包装袋等の包装体への固定がで
きるから、包装される製品等との混同を生じないので、
雰囲気改良物質の誤使用がない。また、小袋等のように
別体ではなく、包装体の製造段階で包装体への固定がで
きるので、雰囲気改良物質の投入漏れがない。さらに、
包装材料に雰囲気改良物質を添加せず、包装体用雰囲気
改良性テープを別にシート等の包装材料に固定して使用
することができるから、雰囲気改良物質と包装材料の組
合せを考慮する必要がないので、包装袋等の包装体の包
装材料を自由に選択できる。そして、雰囲気改良物質が
含まれているのはテープの部分のみのため、包装体製造
時のロスを少なくできるので、環境への負荷がない。ま
た、前記雰囲気改良層が、前記熱可塑性樹脂層に被覆さ
れた断面を有することにより、包装体用雰囲気改良性テ
ープから雰囲気改良物質が漏れ出すことがないので、包
装体内の製品等を汚染することもない。
雰囲気改良物質を含む雰囲気改良層と、雰囲気改良物質
を含まない熱可塑性樹脂層とを備え、前記雰囲気改良層
が、前記熱可塑性樹脂層に積層された断面を有すること
を特徴とする。
面の形態としては、前記雰囲気改良層が、前記熱可塑性
樹脂層に積層された断面を有する形態であればよく、例
えば、雰囲気改良層が一方向のみ露出している形態、雰
囲気改良層が2つの熱可塑性樹脂層に挟まれて積層して
いる形態、雰囲気改良層上に、熱可塑性樹脂層が積層し
ている形態等、種々の形態を採用できる。このような本
発明によれば、前述と同様の作用・効果を得ることがで
きる。
は、前記雰囲気改良層が、雰囲気改良物質と熱可塑性樹
脂との混練物であることが好ましい。これによれば、前
記雰囲気改良層が、雰囲気改良物質と熱可塑性樹脂との
混練物である場合、吸収速度は粉体の場合より劣るが、
耐水性が向上し、お粥等の水物レトルト食品の包装の用
途に好適である。
は、前記雰囲気改良物質は、吸水材、乾燥剤、揮発性抗
菌剤、揮発性防黴剤、揮発性防ダニ剤、揮発性防虫剤、
脱臭剤、揮発性防錆剤、揮発性動物忌避剤、脱酸素剤、
吸着剤の少なくともいずれか1つを含むことが好まし
い。これによれば、各種用途に応じて雰囲気改良性物質
を採用すればよいので、様々な用途の包装体用雰囲気改
良性テープとすることができる。
シートの周縁を接着して構成され、内容物への通気を遮
断する雰囲気改良性テープ付包装体であって、前記シー
トの内面には、前述の包装体用雰囲気改良性テープが、
前記雰囲気改良性テープ付包装体形成時に連続的に熱接
着されていることを特徴とする。
により適宜選択できる。例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、アルミニウム、ナイロン、エチレン−ビニル
アルコール等の少なくともいずれか1つからなるシー
ト、または、ポリエチレンテレフタレートに酸化ケイ素
や酸化アルミ等の無機物を蒸着させたものからなるシー
ト等、種々のものを採用できる。
リエチレンの単層品、ポリプロピレンの単層品、ポリエ
チレンテレフタレート/キャストポリプロピレン、ポリ
エチレンテレフタレート/アルミニウム/ナイロン/直
鎖型低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート
/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ナイロン/ポ
リオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートに酸
化ケイ素や酸化アルミ等の無機物を蒸着させた層/ポリ
オレフィン系樹脂、ポリプロピレン/エチレン−ビニル
アルコール共重合体/ポリプロピレン、ナイロン/直鎖
型低密度ポリエチレン等が挙げられ、前記ポリオレフィ
ン系樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン等が
挙げられる。
の薄いフィルムも含む概念である。形成される包装体の
形態としては、縦ピロー袋、横ピロー袋、四方シール
袋、三方シール袋、ガゼット袋、自立袋、折箱等種々の
形態の包装体を採用できる。
体用雰囲気改良性テープが熱接着されている長尺帯状の
シートと、包装体用雰囲気改良性テープが熱接着されて
いないシートとを包装体用雰囲気改良性テープが包装体
の内側になるように重ね合わせて熱接着して、袋状に形
成する方法等が挙げられる。また、装着方法としては、
ロール形態となっている長尺帯状のシートを繰り出し、
包装体用雰囲気改良性テープを平行させて繰り出し、熱
接着する方法等が挙げられる。
内面には、前述の包装体用雰囲気改良性テープが、前記
雰囲気改良性テープ付包装体形成時に連続的に熱接着さ
れていることにより、雰囲気改良層を有するシートその
ものを包装体として製造するのと比較して、包装体内に
包装体用雰囲気改良性テープが熱接着されているだけな
ので、無駄がなく、低コストであり、また、包装体に容
易に雰囲気改良性能を付与することができる。また、包
装体用雰囲気改良性テープがシートに熱接着されている
ため、接着剤、粘着剤等で貼り付けた場合と比較して、
臭気の発生がなく、耐熱性もあるためボイル、レトルト
等にも対応できる。
は、開口縁に剥離可能な表面層が形成された多層シート
を成形してなる成形容器と、前記成形容器開口縁に沿っ
て熱接着される蓋材とを備えた雰囲気改良性テープ付包
装容器であって、前記蓋材は、該内面に前述の包装体用
雰囲気改良性テープが熱接着されており、前記包装体用
雰囲気改良性テープを介在して、前記成形容器と接着さ
れ、前記蓋材を剥離した際に、前記表面層と一緒に剥離
されることを特徴とする。
該内面に前述の包装体用雰囲気改良性テープが熱接着さ
れていることにより、雰囲気改良層を有するシートを蓋
材として製造するのと比較して、蓋材と包装体用雰囲気
改良性テープは別体なので、包装容器に容易に雰囲気改
良性能を付与することができる。また、前記蓋材は、前
記包装体用雰囲気改良性テープを介在して、前記成形容
器と接着され、前記蓋材を剥離した際に、前記表面層と
一緒に剥離されることから、雰囲気改良層を露出させる
ことなく蓋材を成形容器から剥離することができるの
で、雰囲気改良物質を漏らすことがない。
材とからなる咬合具であって、前記雄部材および雌部材
は、それぞれ帯状基部と、咬合機能を有する咬合部とを
有し、前記帯状基部および/または前記咬合部に、雰囲
気改良物質を含む雰囲気改良層を備えることを特徴とす
る。
部分をいう。また、この帯状基部には、同一面状に、咬
合部が形成されている。咬合部は、雄部材と雌部材とで
は、形状が異なり、雄部材の場合には、例えば、その形
状は、断面ハート形であり、雌部材の場合には、例え
ば、その形状は、断面円弧状である。これら雄部材の咬
合部と雌部材の咬合部が、咬合し合うようになってい
る。
発明の咬合具となる。この咬合具は、金型を用いて、押
し出し成形により、製造される。また、この咬合具の材
質は、ポリオレフィンが採用でき、例えば、LLDPE
(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリ
エチレン)、PP(ポリプロピレン)等である。
は前記咬合部に、雰囲気改良物質を含む雰囲気改良層を
備えることにより、包装体内の雰囲気を改善しつつ、包
装体の再開閉ができるので、複数回利用する用途に好適
である。また、別途包装体用雰囲気改良テープを貼るこ
とがなく、咬合具を貼り付けるだけでよいので、製造が
容易である。
が、雰囲気改良物質と熱可塑性樹脂との混練物であるこ
とが好ましい。これによれば、前記雰囲気改良層が、雰
囲気改良物質と熱可塑性樹脂との混練物である場合、吸
収速度は粉体の場合より劣るが、耐水性が向上し、お粥
等の水物レトルト食品の包装の用途に好適である。
は、吸水材、乾燥剤、揮発性抗菌剤、揮発性防黴剤、揮
発性防ダニ剤、揮発性防虫剤、脱臭剤、揮発性防錆剤、
揮発性動物忌避剤、脱酸素剤、吸着剤の少なくともいず
れか1つを含むことが好ましい。これによれば、各種用
途に応じて、雰囲気改良性物質を採用すればよいので、
様々な用途の咬合具とすることができる。
溶着して構成され、内容物への通気を遮断する咬合具付
包装体であって、前記シートの内面には、請求項8から
請求項10のいずれかに記載の咬合具が熱溶着されてい
ることを特徴とする。
は、基材層のみの単層構造、または基材層および前記咬
合具と融着するシーラント層からなる二層構造のどちら
かのシートを袋状に加工したものを採用することができ
る。
レンテレフタレート)、NY(ナイロン)、CPP(キ
ャストポリプロピレン)等を採用することができる。シ
ーラント層の材質としては、咬合具と同様の材質であれ
ば、熱溶着がしやすいので、ポリオレフィンが好まし
く、例えば、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレ
ン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、PP(ポリプ
ロピレン)等である。 包装袋となるシートの製造方法
としては、基材層となるシートをキャスティング法、溶
融押出法、カレンダ法等、公知の方法を採用できる。
は、前述のように、基材層となるシートを成形した後、
基材層となるシート上に押出ラミネート、ドライラミネ
ート等、公知の方法によりシーラント層となる層を積層
する。
ートまたは、二層構造のシートに咬合具をヒートシール
等の方法で熱溶着する。具体的には、例えば、二枚の矩
形状のシートにこの咬合具が、包装袋内面になるように
咬合具をヒートシールで融着する。この際、咬合具は、
シートの一辺に近い方に融着され、他の三辺をヒートシ
ールで融着することにより、二枚の矩形状のシートは袋
状になる。このような本発明によれば、前述と同様の作
用・効果を得ることができる。
に基づいて説明する。 [第1実施形態] [1]包装体用雰囲気改良性テープ 図1には、本発明の第1実施形態に係る長尺の包装体用
雰囲気改良性テープ10の断面形状が示されている。包
装体用雰囲気改良性テープ10は、内側の矩形状の雰囲
気改良層10Aおよび雰囲気改良層10Aを囲む外側の
熱可塑性樹脂層10Bから構成される。この他に断面の
形態としては、雰囲気改良層10Aが一方向のみ露わに
なっている形態(図2(A)参照)、円形の雰囲気改良
層10Aのまわりがドーナツ形の熱可塑性樹脂層10B
に覆われている形態(図2(B))、雰囲気改良層10
A上に、熱可塑性樹脂層10Bが積層している形態(図
2(C))、雰囲気改良層10Aが2つの熱可塑性樹脂
層10Bに挟まれて積層している形態(図2(D))、
等、種々の形態を採用できる。ここで、包装体用雰囲気
改良性テープ10の厚さをT1、幅をW1とし、雰囲気改
良層10Aの厚さをT2とする。また、熱可塑性樹脂層
10Bの厚さをT3とする。
する物質を含有している。雰囲気改良物質としては、本
実施形態では、吸水材を含有している。吸水材として
は、本実施形態では、熱可塑性ポリエチレンオキシドを
採用している。他には、ポリアクリル酸塩、酢酸ビニル
・アクリル酸塩共重合体、架橋ポリビニルアルコール変
性物、極細吸水性アクリル繊維等が挙げられる。
ては、ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン LL
DPE)を採用している。その他、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリプロピレン、ナイロン等、またはこれら
の混合物を採用できる。熱可塑性樹脂層10Bの形態と
しては、樹脂状を採用している。その他、シート状、不
織布状、合成紙等、種々の形態を採用できる。
方法 包装体用雰囲気改良性テープ10の製造方法としては、
雰囲気改良層10Aおよび熱可塑性樹脂層10Bを構成
する材料を単軸押し出し機2台からなる多層異形押し出
し装置を用いた多層異形押し出し法により押し出し成形
を行い、図1の包装体用雰囲気改良性テープ10を成形
している。多層異形押し出し装置の単軸押し出し機のス
クリュー径は、それぞれ、30mmφ、40mmφであ
る。
枚のシート30を含んで構成される雰囲気改良性テープ
付き包装体である包装体1が示されている。包装体1
は、2枚のシート30、30と、包装体用雰囲気改良性
テープ10と、を備えて構成されている。シート30、
30が重ね合わさって、短辺側の1辺が開口部20とな
り、残りの3辺がヒートシール部21となる。包装体用
雰囲気改良性テープ10は、開口部20と反対側の短辺
側近傍に、開口部20と平行に、包装体1の内面に貼着
されている。包装体用雰囲気改良性テープ10は、開口
部20と直交するヒートシール部21と交わる部分にあ
る超音波シール部23に接着されている。
形態では、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の
単層品を採用している。その他、高密度ポリエチレンの
単層品、ポリプロピレンの単層品、ポリエチレンテレフ
タレート/キャストポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート/アルミニウム/ナイロン/直鎖型低密度ポ
リエチレン、ポリエチレンテレフタレート/エチレン−
ビニルアルコール共重合体/ナイロン/ポリオレフィン
系樹脂、ポリエチレンテレフタレートに酸化ケイ素や酸
化アルミ等の無機物を蒸着させた層/ポリオレフィン系
樹脂、ポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコール共
重合体/ポリプロピレン、ナイロン/直鎖型低密度ポリ
エチレン等が挙げられ、前記ポリオレフィン系樹脂とし
ては、ポリエチレンやポリプロピレン等が挙げられる。
る。まず、2枚のシート30(厚さ40μm、幅400
mm)を連続的に製袋機(図示略)に供給するととも
に、包装体用雰囲気改良性テープ10も製袋機に供給す
る。包装体用雰囲気改良性テープ10を、1枚のシート
30に製袋機に内蔵される加熱ロールにより、シート3
0と同じ長さで、シート30の長手方向(シート30の
流れ方向)と平行になるようにインパルスシールで接着
する(テープ接着工程、図5(A))。なお、インパル
スシールの他、加熱ロール等を用いて加熱して、熱接着
してもよい。
れたシート30に、包装体用雰囲気改良性テープ10上
からもう1枚のシート30を重ね会わせる。包装体1の
開口部20の長さの間隔で、包装体用雰囲気改良性テー
プ10を介在させて、雰囲気改良性テープ10とシート
30が重なる部分を超音波シールにより、超音波シール
部23を形成し、熱接着する。
方向に包装体1の短辺の長さに区画し、超音波シール部
23も含む区画部22を形成する。そして、この区画部
22および包装体1の開口部20となる短辺に対向する
短辺を含んでコ字形に連続的にヒートシールを行う(シ
ート接着工程、図5(A)、(B))。コ字形に連続的
にヒートシールしたシート30、30を、区画部22の
中心線に沿って切断する(シート切断工程、図5
(C))。
うな効果がある。 (1)包装体用雰囲気改良性テープ10は、テープ形状
であることにより、容易に包装体1への固定ができるか
ら、包装される製品等との混同を生じないので、雰囲気
改良物質の誤使用がない。また、小袋等のように別体で
はなく、包装体1の製造段階で、包装体1への固定がで
きるので、雰囲気改良物質の投入漏れがない。さらに、
シート30に雰囲気改良物質を添加せず、包装体用雰囲
気改良性テープ10を別にシート等の包装材料に固定し
て使用することができるから、雰囲気改良物質と包装材
料のシート30の組合せを考慮する必要がないので、包
装体1の包装材料を自由に選択できる。そして、雰囲気
改良物質が含まれているのは、雰囲気改良性テープ10
の部分のみのため、包装体1製造時のロスを少なくでき
るので、環境への負荷がない。また、雰囲気改良層10
Aが、熱可塑性樹脂層10Bに被覆された断面を有する
ことにより、包装体用雰囲気改良性テープ10から雰囲
気改良物質が漏れ出すことがないので、包装体1内の製
品等を汚染することもない。
囲気改良性テープ10が、包装体1形成時に連続的に熱
接着されていることにより、雰囲気改良層10Aを有す
るシートそのものを包装体として製造するのと比較し
て、包装体1内に包装体用雰囲気改良性テープ10が熱
接着されているだけなので、無駄がなく、低コストであ
り、また、包装体1に容易に雰囲気改良性能を付与する
ことができる。また、包装体用雰囲気改良性テープ10
がシート30に熱接着されているため、接着剤、粘着剤
等で貼り付けた場合と比較して、臭気の発生がなく、耐
熱性もあるためボイル、レトルト等にも対応できる。
態を説明する。なお、以下の説明では既に説明した部
分、部材と同一のものは同一符号を付してその説明を簡
略する。
は、雰囲気改良層10Aが2つの熱可塑性樹脂層10B
に挟まれて積層している断面形状の形態(図2(D))
を採用している点のみが第1実施形態の包装体用雰囲気
改良性テープ10と異なる。
物質としては、本実施形態では、揮発性防錆剤を採用し
ている点も異なる。揮発性防錆剤としては、安息香酸を
採用している。他には、二環のベンゾアゾール化合物、
単環のイミダゾール、トリアゾール、ロジン、亜硝酸ジ
イソプロピルアンモニウム、カブリル酸、亜硝酸ジシク
ロヘキシルアンモニウム、炭酸ジシクロアンモニウム、
ニトリット等が挙げられる。
形容器50と、を備えて構成される。円形の蓋材40は
包装容器2の蓋となり、円形の周縁部分が成形容器50
に接着され、基材シート41および基材シート41の裏
面中央部に貼着される包装体用雰囲気改良性テープ10
から構成される。基材シート41は、外側より、ポリエ
チレンテレフタレート/ナイロン/エチレン−ビニルア
ルコール共重合体/直鎖状低密度ポリエチレンで構成さ
れている。包装体用雰囲気改良性テープ10は、基材シ
ート41の円形の裏面に接着されている。
囲から立ち上げて形成された側面部52と、この側面部
52に囲まれた上端に形成される開口部53と、この開
口部53の周縁から外側に延出されたフランジ部54
と、を備えて構成されている。側面部52は、開口部5
3から底面部51に向かい縮径するテーパー状に形成さ
れている。
50A、基材層50B、接着層50C、ガスバリア層5
0D、接着層50E、基材層50Fの多層シートを重ね
合わせた構造とされている。この多層シートは、剥離層
50A側より、剥離層:高密度ポリエチレン/基材層:
ポリプロピレン/接着層:無水マレイン酸変性ポリプロ
ピレン/ガスバリア層:エチレン−ビニルアルコール共
重合体/接着層:無水マレイン酸変性ポリプロピレン/
基材層:ポリプロピレンから構成されている。
る。まず基材となる基材シート41の裏面の中央部に包
装体用雰囲気改良性テープ10を連続的に加熱ロールに
より熱接着する。次に、成形容器50のフランジ部54
に包装体用雰囲気改良性テープ10が対応するように蓋
材40を位置調整し、ヒートシールにより密閉し、その
後、容器円周に沿って円形に打ち抜く。
第1実施形態の効果に加えて次のような効果がある。 (3)蓋材40は、内面に包装体用雰囲気改良性テープ
10が熱接着されていることにより、雰囲気改良層10
Aを有するシートを蓋材として製造するのと比較して、
蓋材40と包装体用雰囲気改良性テープ10は別体なの
で、包装容器2に容易に雰囲気改良性能を付与すること
ができる。
態を説明する。第3実施形態に係る咬合具付包装体3
は、図7に示すように、内部に雰囲気改良層を有する咬
合具14が開口部20に平行に、包装体3内に貼り付け
られている。
雄部材12および雌部材13からなる。雄部材12は、
帯状の帯状基部12Aおよび断面ハート形状の雄型咬合
部12Bから構成されている。帯状基部12Aおよび雄
型咬合部12Bは、ポリプロピレン樹脂からなる。帯状
基部12A内には、断面が被覆されている状態で、雰囲
気改良層12Cが形成されている。この雰囲気改良層1
2Cの雰囲気改良物質は、脱酸素剤である。脱酸素剤と
しては、鉄、亜鉛等の金属粉である。
び断面凹状の雌型咬合部13Bから構成されている。帯
状基部13Aおよび雌型咬合部13Bは、ポリプロピレ
ン樹脂からなる。帯状基部13A内には、断面が被覆さ
れている状態で、雰囲気改良層13Cが形成されてい
る。この雰囲気改良層13Cの雰囲気改良物質は、脱酸
素剤である。脱酸素剤としては、鉄、亜鉛等の金属粉で
ある。
部20の帯状基部12A内および雌部材13の開口部2
0の反対側の13A内に雰囲気改良層12C、13Cが
形成されている。また、図8(b)に示すように、雄部
材12の雄型咬合部12Bの直下の帯状基部12A内お
よび雌部材13の雌型咬合部13Bの直下の帯状基部1
3A内に雰囲気改良層12C、13Cが形成されている
形態にしてもよい。また、図7に示すように、包装体3
の開口部20側がヒートシール部25として密封されて
いる点も異なる。
12および雌部材13の咬合部12B、13Bの内部に
雰囲気改良層12D、13Dが形成されている形態にす
ることにより、脱酸素機能をより一層向上させ、咬合具
付包装体3内の内容物の腐敗防止を一層向上させること
ができる。
重ね合わさって、短辺側の1辺が開口部20となり、残
りの3辺がヒートシール部21となる。シート30は、
平面矩形状であり、その材質は、NY(ナイロン)とL
LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)との二層構造で
ある。
される。まず、この咬合具14は、前述したような形状
になるように、金型を用いて、共押し出し成形により、
製造される。また、この咬合具14の材質は、ポリプロ
ピレン樹脂である。
にヒートシールで熱溶着される。そして、咬合具14が
それぞれ融着された2枚のシート30、30は、残りの
3辺は、ヒートシールで熱溶着され、封止される。その
後、使用する際には、咬合具付包装体3内に、包装され
る内容物を収納し、その後、咬合具14を咬合した後、
開口部20がヒートシールされ、ヒートシール部25と
なり、咬合具付包装体3は完全に密閉される。
第1実施形態の効果に加えて次のような効果がある。 (4)帯状基部12A、13Aが、それぞれ雰囲気改良
層12C、13Cを有しているので、包装体用雰囲気改
良性テープを別に接着することなく脱酸素機能を容易に
付加できる。また、咬合具付包装体3の再開閉ができる
ので、複数回利用する用途に好適である。
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、雰
囲気改良物質としては、吸水材、乾燥剤、揮発性防錆
剤、脱酸素剤の他に、揮発性抗菌剤、揮発性防黴剤、揮
発性防ダニ剤、揮発性防虫剤、脱臭剤、揮発性動物忌避
剤、吸着剤等が挙げられ、これらの混合物でもよい。
物、ヒノキチオール、タケ抽出オイル、シソ抽出オイ
ル、チアゾリルスルファミド化合物等が挙げられる。揮
発防黴剤としては、有機スズ化合物、有機硫黄化合物、
塩素系化合物、フェノール系化合物、チモール等が挙げ
られる。
トラメスリン、レスメトリン、フェノトフラメトリン、
ペルメトリン、シフェノトリン、トラロメスリン、エン
ペントリン、DDVP、フェニオチン、テメホス、ジフ
ルベンズロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、
ハッカ油等が挙げられる。揮発性防虫剤としては、クレ
ゾール、o−フェニルフェノール、パラチオン、イシダ
ゾール等が挙げられる。
ナ、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ゼオラ
イト等が挙げられる。揮発性防錆剤としては、二環のベ
ンゾアゾール化合物、単環のイミダゾール、トリアゾー
ル、ロジン、亜硝酸ジイソプロピルアンモニウム、安息
香酸、カブリル酸、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウ
ム、炭酸ジシクロアンモニウム、ニトリット等が挙げら
れる。
ロテノン、フタルスリン、アレスリン、ペルメトリン、
サイバーメトリン、アルファサイバーメトリン、フェノ
トリン、シフェノトリン、メントール、ヒノキオイル、
スギオイル、ヒバオイル、ジチオカルバモリルジスルフ
ァイド系化合物、シンナミックアルデヒド、リナロール
等が挙げられる。吸着剤としては、酸化カルシウム、ア
ルミナ乾燥剤、シリカゲル、マグネシウム塩、ゼオライ
ト等が挙げられる。
咬合具14の製造方法としては、前記各実施形態では多
層異形押し出し法を採用していたが、これに限られず、
熱可塑性樹脂のチューブに酸素吸収性物質を充填し、熱
ロールなどで熱圧着する方法、熱可塑性樹脂からなる不
織布や織布の間に酸素吸収物質を充填し、熱可塑性樹脂
のシート等で被覆し熱圧着したり、熱可塑性樹脂のチュ
ーブに挿入する方法等、種々の方法も採用できる。
袋を採用していたが、これに限られず、縦ピロー袋、横
ピロー袋、四方シール袋、ガゼット袋、自立袋等種々の
形態の包装体も採用できる。
分としては、包装体の開口部の対面側の近傍や、包装容
器の蓋材裏面部分であったが、これに限られず、包装体
の開口部中間部分等任意の部分に貼ることができ、ま
た、包装容器の蓋材全面、包装容器の内面等、任意の部
分に貼ることができる。
C、12Dおよび13Dの形成される配置としては、図
8(a)、(b)、(c)に示される組合わせに限られ
ず、例えば、咬合部12B、13Bのどちらか一方でも
よい。また、帯状基部12A、13Aのどちらか一方の
場合は、開口部20の反対側に配置するのが好ましい。
また、咬合具14の材質は、PP(ポリプロピレン)で
あったが、これに限られず、LDPE(低密度ポリエチ
レン)やLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)を採
用してもよい。
ロン)とLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)であ
ったが、これに限られず、NY(ナイロン)の代わり
に、PET(ポリエチレンテレフタレート)、CPP
(キャストポリプロピレン)等を採用でき、LLDPE
(直鎖状低密度ポリエチレン)の代わりに、LDPE
(低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等を
採用できる。
ンテレフタレート)やCPP(キャストポリプロピレ
ン)を採用してもよい。その他、本発明を実施する際の
具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成でき
る範囲内で他の構造等としてもよい。
をより具体的に説明する。なお、本発明は実施例の内容
に限定されるものではない。
的条件を下記の通りとして包装体用雰囲気改良性テープ
10(吸水性)を製造した。多層異形押し出し装置の単
軸押し出し機のスクリュー径は、それぞれ、30mm
φ、40mmφであった。 雰囲気改良層10A:熱可塑性ポリエチレンオキシド
(住友精化(株)製、アクアコーク) 熱可塑性樹脂層10B: LLDPE(出光ポリエチレ
ン0238CN)
kg/hour)であった。 包装体用雰囲気改良性テープ10の厚さT1 :300μm 包装体用雰囲気改良性テープ10の幅W1 :30mm 雰囲気改良層10Aの厚さT2 :200μm 熱可塑性樹脂層10Bの厚さT3 :50μm
の通りとして包装体1を製造した。 シート30の構成:LLDPE(出光ポリエチレン02
38CN) 超音波シール23の大きさ:40mm×20mm 超音波シール23のピッチ:300mm 開口部20の反対側のヒートシール部21の幅:10m
m幅 開口部20の直交する辺のヒートシール部21の幅:3
0mm幅 なお、実施例1のみ、包装体用雰囲気改良性テープ10
に直径2mmの孔を縦横5mm間隔で空け、その後、包
装体1を成形した。製袋速度は、包装体用雰囲気改良性
テープ10を装着しない場合の製袋速度と同じ速度で製
袋され、容易に包装体1が製造できた。
ッチ包装した約200gの生鶏肉を3パック入れ、これ
ら鶏肉パックを立てた状態で30分間放置したが、トレ
ーストレッチから漏洩した肉汁が包装体にとどまること
はなく、3パックの生鶏肉トレーを包装体から取り出し
た時、手が汚れることはなかった。
的条件を下記の通りとして包装体用雰囲気改良性テープ
10(防ダニ性)を製造した。 雰囲気改良層10A:LLDPEに、局方ハッカ油を1
重量%添加した樹脂、 熱可塑性樹脂層10B: LLDPE(出光ポリエチレ
ン0238CN)、 包装体用雰囲気改良性テープ10製造時の異形押し出し
後の冷却と引き取りは、水槽を用いた水冷であり、ハッ
カ油の臭気発生はなく、ハッカ油の臭気は、原料投入ホ
ッパーから発生した。しかし、押し出し装置が小型であ
るため、装置の原料ホッパー上に排気ダクトを設置する
のみで臭気の問題は容易に解決した。
であり、O−ナイロン/LLDPE(15μm/60μ
m)である。また、1200mm間隔でヒートシールし
た部分の中央部を切断して1000mm×1200mm
の包装体を得た。その他の条件は、実施例1と同様であ
る。
に、コナヒョウヒダニ30個体をろ紙で包み、逃げ出さ
ないようにろ紙を折り曲げた。これを2回折り畳んだ布
団の中央部に挿入し、実施例2の包装体に布団を入れ
て、袋の開口部を嵌合治具(クリップ)で密封した。室
温に3日間放置した後、包装体を開封してダニの状態を
観察した結果、30個体全数が死滅していた。
的条件を下記の通りとして包装体用雰囲気改良性テープ
10(抗菌性)を製造した。 雰囲気改良層10A:LLDPEに、ヒノキチオール
(高砂香料(株))を微粉化したものを0.2重量%添
加した樹脂、 熱可塑性樹脂層10B: LLDPE(出光ポリエチレ
ン0238CN)、 包装体用雰囲気改良性テープ10製造時の異形押し出し
後の冷却と引き取りは、水槽を用いた水冷であり、ヒノ
キチオールの蒸気の発生は少なく、原料投入ホッパーか
ら発生するヒノキチオールの蒸気は、ホッパー上に排気
ダクトを設置し、その排気は脱臭装置(呉羽テクノエン
ジ(株)製 GASTAK HSタイプ)を通して、ヒ
ノキチオールの蒸気が大気中へ流出しないようにした。
発生したヒノキチオールの処理は、押し出し装置が小型
であるため、容易に実施することができた。
の通りとして包装体1を製造した。 シート30の構成:O−ナイロン/LLDPE(15μ
m/60μm) 超音波シール23の大きさ:35mm×20mm 超音波シール23のピッチ:300mm 開口部20の反対側のヒートシール部21の幅:10m
m幅 開口部20の直交する辺のヒートシール部21の幅:2
0mm幅。
希釈した黄色ブドウ球菌(IFO12732)懸濁液
0.4mlをシャーレに入ったブイヨン寒天培地に滴下
し、これを寒天培地表面に塗り広げたものを用意した。
以上のように、黄色ブドウ球菌を塗布したシャーレを実
施例3で製造した包装体1で包装し、開口部20をイン
パルスシーラーで密封した。35℃、5日間の間に、黄
色ブドウ球菌のコロニーは発現しなかった。
PEに、オルトフェニルフェノールを0.2重量%添加
した樹脂を用いた以外は、実施例3と同様にして、包装
体用雰囲気改良性テープ10(防黴性)を製造した。そ
の他の条件は実施例3と同様にして、包装体1を製造し
た。
を入れ、包装体の開口部を2箇所書類とじ器で止めた。
これを2週間室温で放置したが、目視によっては黴の発
現は確認できなかった。
用いて、防虫性能を評価した。すなわち、1kgの山で
集めた腐葉土を実施例4で得られた包装体に充填後、開
口部をインパルスシーラーで密封し、室温で暗所に1週
間保管した。1週間後に包装体を開封し、腐葉土内の虫
の生存状態を目視で調査した結果、生存している虫は見
られなかった。
的条件を下記の通りとして包装体用雰囲気改良性テープ
10(乾燥および脱臭性)を製造した。雰囲気改良層1
0A:PP(以下のPP)40重量%、生石灰30重量
%および活性アルミナ30重量%をホットカット方式で
ペレットとしたもの熱可塑性樹脂層10B: PP(出
光石油化学(株)製、出光ポリプロピレンE−304G
P)断面形態が、図2(D)の包装体用雰囲気改良性テ
ープ10を製造した。また、実施例3において、シート
30に、O−ナイロン/LLDPE(15μm/60μ
m)の代わりに、OPP/CPP(40μm/50μ
m)を用いた以外は、実施例3と同様である。
苔を一畳(10枚)を封入した。この密封包装袋を40
℃、相対湿度90%の条件で1週間暗所保管した後、焼
き海苔を目視観察したところ、特に変色や、しけは確認
できなかった。同様にして、実施例6で得られた包装体
に一夜干しした鰺の開きを2枚入れ、包装体内に空気を
残したまま開口部をヒートシールにより密封した。これ
を冷蔵庫に2週間放置して内容物の異臭を調べた。ほと
んど密封前の状態と変わらなかった。
的条件を下記の通りとして包装体用雰囲気改良性テープ
10(動物忌避性)を製造した。 雰囲気改良層10A:LLDPEに、シンナミックアル
デヒドを1重量%添加した樹脂、 熱可塑性樹脂層10B: LLDPE(出光ポリエチレ
ン0238CN) 以上の条件で、実施例2と同様に、図1の断面形状を持
つ包装体用雰囲気改良性テープ10を製造した。また、
この包装体用雰囲気改良性テープ10を接着した包装体
を実施例2と同じ条件で製造した。
0g充填し、包装体の開口部をヒートシールにより密封
した。この包装体を開かず、猫に与え、摂食状況を調べ
たところ摂食しなかった。
的条件を下記の通りとして包装体用雰囲気改良性テープ
10(防錆性)を製造した。 雰囲気改良層10A:LLDPEに、安息香酸を1重量
%添加した樹脂、 熱可塑性樹脂層10B: LLDPE(出光ポリエチレ
ン0238CN) 以上の条件で、実施例2と同様に、図1の断面形状を持
つ包装体用雰囲気改良性テープ10を製造した。また、
この包装体用雰囲気改良性テープ10を接着した包装体
を実施例2と同じ条件で製造した。
的には、連続カップシーラの蓋材繰り出し部から、幅1
00mmの蓋材となる基材シート41(ポリエチレンテ
レフタレート(12μm)/ナイロン(15μm)/エ
チレン−ビニルアルコール共重合体(12μm)/直鎖
状低密度ポリエチレン(50μm))を繰り出し、LL
DPE側に包装体用雰囲気改良性テープ10を挿入しな
がら、加熱ロールで熱接着して行った。成形容器50
は、外径80mmΦ、深さ20mmであり、成形容器5
0内に70mmΦの歯車を充填し、その後、蓋材を成形
容器50に熱接着した。成形容器50の層構成は、高密
度ポリエチレン(20μm)/ポリプロピレン(150
μm)/無水マレイン酸変性ポリプロピレン(10μ
m)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(20μ
m)/無水マレイン酸変性ポリプロピレン(10μm)
/ポリプロピレン(150μm)であり、総厚みが36
0μmであった。そして、高密度ポリエチレン(20μ
m)/ポリプロピレン(150μm)の界面接着強度
は、約0.8kg/15mm幅であった。
したまま、40℃、相対湿度90%の条件で2週間放置
した後、歯車の錆を確認したが錆は見られなかった。ま
た、蓋材を開封する際に成形容器の高密度ポリエチレン
(20μm)/ポリプロピレン(150μm)の界面で
高密度ポリエチレン(20μm)が蓋材と共に剥離でき
るため容易に開封できた。
的条件を下記の通りとして咬合具14(酸素吸収性)を
製造した。多層異形押し出し装置の単軸押し出し機のス
クリュー径は、それぞれ、30mmφ、40mmφであ
った。 雰囲気改良層12C、13C:ポリプロピレン(出光ポ
リプロEー170GM)および鉄粉系脱酸素剤(カサ比
重2.0以上で比表面積0.5以上の鉄粉と食塩等から
なる)が、60:40の重量比のマスターバッチ 帯状基部12A、13Aの熱可塑性樹脂: ポリプロピ
レン(出光ポリプロEー170GM) なお、雰囲気改良層12C、13Cの形成される位置
は、雄型咬合部12Bおよび雌型咬合部13Bを中心軸
として、点対称の位置である。
のシートとしては、300mm幅の2枚のONY/EV
OH/LLDPE(15μm/12μm/60μm)を
用いた。2枚のシートの内側にこの咬合具14の雄部材
12、雌部材13をそれぞれ貼り付けて、加熱ロールで
圧着しながら2枚のシートの流れ方向と平行に連続的に
それぞれ熱接着した。次にこの咬合具14を2枚のシー
トに挟まれるように嵌合させ、咬合具を潰しながら、先
端が35mm×20mmの超音波シールを行った。その
後は、実施例1と同様に製袋し、包装体3を得た。
は、汎用の機械でよいため、特別な設備は必要なく、酸
素吸収性能と再開閉可能な包装体を容易に得ることがで
きた。また、この包装体に水700ccと空気100c
cを充填し、密封した後、90℃、30分間のボイル殺
菌を実施した。このボイル済みの包装体3を3日間室温
で放置した後、酸素濃度を測定したところ、酸素濃度は
0%だった。
10(吸水性)を用いない以外は、実施例1と同様にし
て包装体を得た。
包装した約200gの生鶏肉を3パック入れ、これら鶏
肉パックを立てた状態で30分間放置したが、トレース
トレッチから漏洩した肉汁が包装体にとどまり、3パッ
クの生鶏肉トレーを包装体から取り出した時、手が汚れ
た。
10(防ダニ性)を用いない以外は、実施例2と同様に
して包装体を得た。
ウヒダニ30個体をろ紙で包み、逃げ出さないようにろ
紙を折り曲げた。これを2回折り畳んだ布団の中央部に
挿入し、包装体に布団を入れて、袋の開口部を嵌合治具
(クリップ)で密封した。室温に3日間放置した後、包
装体を開封してダニの状態を観察した結果、30個体全
数が生存していた。
10(抗菌性)を用いない以外は、実施例3と同様にし
て包装体を得た。
希釈した黄色ブドウ球菌(IFO12732)懸濁液
0.4mlをシャーレに入ったブイヨン寒天培地に滴下
し、これを寒天培地表面に塗り広げたものを用意した。
以上のように、黄色ブドウ球菌を塗布したシャーレを上
記包装体で包装し、開口部20をインパルスシーラーで
密封した。35℃、5日間の間に、黄色ブドウ球菌のコ
ロニーが無数に発現していた。
体を製造した。
5個を入れ、包装体の開口部を2箇所書類とじ器で止め
た。これを2週間室温で放置したところ、みかん2個に
青カビが発現していた。
用いて、防虫性能を評価した。すなわち、1kgの山で
集めた腐葉土を比較例3で得られた包装体に充填後、開
口部をインパルスシーラーで密封し、室温で暗所に1週
間保管した。1週間後に包装体を開封し、腐葉土内の虫
の生存状態を目視で調査した結果、生存している虫が1
2匹見られた。
10(乾燥および脱臭性)を用いない以外は、実施例6
と同様にして包装体を得た。
苔を一畳(10枚)を封入した。この密封包装袋を40
℃、相対湿度90%の条件で1週間暗所保管した後、焼
き海苔を目視観察したところ、赤く変色し、しけてい
た。同様にして、上記により得られた包装体に一夜干し
した鰺の開きを2枚入れ、包装体内に空気を残したまま
開口部をヒートシールにより密封した。これを冷蔵庫に
2週間放置して内容物の異臭を調べた。揮発性の窒素臭
が確認された。
10(動物忌避性)を用いない以外は、実施例7と同様
にして包装体を得た。
0g充填し、包装体の開口部をヒートシールにより密封
した。この包装体を開かず、猫に与えたところ、直ちに
摂食した。
10(防錆性)を用いない以外は、実施例8と同様にし
て包装容器を得た。
したまま、40℃、相対湿度90%の条件で2週間放置
した後、歯車の錆を確認したところ、成形容器と歯車が
接している部分に茶色の錆が発生していた。
用いない以外は、実施例9と同様にして包装体を得た。
また、この包装体に水700ccと空気100ccを充
填し、密封した後、90℃、30分間のボイル殺菌を実
施した。このボイル済みの包装体を3日間室温で放置し
た後、酸素濃度を測定したところ、酸素濃度は20.1
%だった。
0mmφ、65mmφ、50mmφの押し出し機3台、
900mmTダイおよびエアーナイフ引き取り機が設備
された共押し出しTダイキャストシート製造設備にて、
3層構造のシートを製造した。このシートの構成は、3
台の押し出し機に対応するように、LLDPE/LLD
PEに局方ハッカ油を1重量%添加した樹脂/LLDP
Eである。この後、実施例2と同様に包装体を製造し
た。
ープを用いた場合と比較して、装置が大がかりで樹脂量
も多く吐出されるので、臭気の発生がTダイから多く、
臭気対策ができなかった。
た。一方、総厚みが340μmのポリプロピレン単層シ
ートから実施例8と同様の成形容器を成形し、実施例8
と同様に歯車を充填した。蓋材を成形容器にシールした
が、素材が異なるため、接着しなかった。
た。一方、総厚みが340μmのポリエチレン単層シー
トから実施例8と同様の成形容器を成形し、実施例8と
同様に歯車を充填した。蓋材を成形容器にシールした
が、接着強度が強くなりすぎて蓋材が開封できなかっ
た。
2、実施例3と比較例3、実施例4と比較例4、実施例
5と比較例5、実施例6と比較例6、実施例7と比較例
7、実施例8と比較例8、実施例9と比較例9、をそれ
ぞれ比較して、本発明の包装体用雰囲気改良性テープを
用いている各実施例では、雰囲気が改善されていること
が確認された。また、実施例2と比較例10とを比較し
て、実施例2では、包装体用雰囲気改良性テープを用い
ているので、雰囲気改良物質が少量で済み、臭気等の問
題が発生することがなかった。
用、投入漏れが起こらず、包装材料を自由に選択でき、
環境への負荷がない。
テープを示す図である。
テープの断面形態の変形例を示す断面図である(図2
(A)〜(D))。
る。
る。
す図である。
である。
ある。
面図である(図8(a)〜(c))。
改良層 10B 熱可塑性樹脂層 12 雄部材 12A、13A 帯状基部 12B 雄型咬合部 13 雌部材 13B 雌型咬合部 14 咬合具 21、25 ヒートシール部 22 区画部 23 超音波シール部 30 シート 40 蓋材 41 基材シート 50 成形容器 50A 剥離層
Claims (11)
- 【請求項1】雰囲気改良物質を含む雰囲気改良層と、雰
囲気改良物質を含まない熱可塑性樹脂層とを備え、 前記雰囲気改良層が、前記熱可塑性樹脂層に被覆された
断面を有することを特徴とする包装体用雰囲気改良性テ
ープ。 - 【請求項2】雰囲気改良物質を含む雰囲気改良層と、雰
囲気改良物質を含まない熱可塑性樹脂層とを備え、 前記雰囲気改良層が、前記熱可塑性樹脂層に積層された
断面を有することを特徴とする包装体用雰囲気改良性テ
ープ。 - 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の包装体用
雰囲気改良性テープにおいて、 前記熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂は、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロ
ンの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする包
装体用雰囲気改良性テープ。 - 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
包装体用雰囲気改良性テープにおいて、 前記雰囲気改良層が、雰囲気改良物質と熱可塑性樹脂と
の混練物であることを特徴とする包装体用雰囲気改良性
テープ。 - 【請求項5】請求項1から請求項4のいずれかに記載の
包装体用雰囲気改良性テープにおいて、 前記雰囲気改良物質は、吸水材、乾燥剤、揮発性抗菌
剤、揮発性防黴剤、揮発性防ダニ剤、揮発性防虫剤、脱
臭剤、揮発性防錆剤、揮発性動物忌避剤、脱酸素剤、吸
着剤の少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする
包装体用雰囲気改良性テープ。 - 【請求項6】シートの周縁を接着して構成され、内容物
への通気を遮断する雰囲気改良性テープ付包装体であっ
て、 前記シートの内面には、請求項1から請求項5のいずれ
かに記載の包装体用雰囲気改良性テープが、前記雰囲気
改良性テープ付包装体形成時に連続的に熱接着されてい
ることを特徴とする雰囲気改良性テープ付包装体。 - 【請求項7】開口縁に剥離可能な表面層が形成された多
層シートを成形してなる成形容器と、前記成形容器開口
縁に沿って熱接着される蓋材とを備えた雰囲気改良性テ
ープ付包装容器であって、 前記蓋材は、該内面に請求項1から請求項5のいずれか
に記載の包装体用雰囲気改良性テープが熱接着されてお
り、 前記包装体用雰囲気改良性テープを介在して、前記成形
容器と接着され、 前記蓋材を剥離した際に、前記表面層と一緒に剥離され
ることを特徴とする雰囲気改良性テープ付包装容器。 - 【請求項8】咬合し合う雄部材と雌部材とからなる咬合
具であって、前記雄部材および雌部材は、それぞれ帯状
基部と、咬合機能を有する咬合部とを有し、 前記帯状基部および/または前記咬合部に、雰囲気改良
物質を含む雰囲気改良層を備えることを特徴とする咬合
具。 - 【請求項9】請求項8に記載の咬合具において、 前記雰囲気改良層が、雰囲気改良物質と熱可塑性樹脂と
の混練物であることを特徴とする咬合具。 - 【請求項10】請求項8または請求項9に記載の咬合具
において、 前記雰囲気改良物質は、吸水材、乾燥剤、揮発性抗菌
剤、揮発性防黴剤、揮発性防ダニ剤、揮発性防虫剤、脱
臭剤、揮発性防錆剤、揮発性動物忌避剤、脱酸素剤、吸
着剤の少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする
咬合具。 - 【請求項11】シート周縁を溶着して構成され、内容物
への通気を遮断する咬合具付包装体であって、前記シー
トの内面には、請求項8から請求項10のいずれかに記
載の咬合具が熱溶着されていることを特徴とする咬合具
付包装体。
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