JP2003217657A - 非水電解質電池 - Google Patents
非水電解質電池Info
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Abstract
5に一括して封入されており、電解液にCo、Ni、C
u、Zn、Sn、Cr、V、Ti、Fe、Ag、Pb、
Nb、Zr、W、Pt、Au、Siのうち、何れか一種
又は複数種の金属元素及び/又は金属イオンを含有させ
ることにより、充放電された負極3の表面に溶出した正
極活物質が析出して皮膜となることを防止させることか
ら、電池特性を向上させる。
Description
水電解質を備えた非水電解質電池に関する。
用コンピューター、携帯電話、カメラ一体型VTR(vi
deo tape recorder)等の携帯用電子機器の電源として
軽量で高エネルギー密度な二次電池の開発が進められて
いる。この高いエネルギー密度を有する二次電池として
は、リチウムやリチウム合金もしくはリチウムイオンを
ドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料等を負極活
物質として用い、金属酸化物や金属硫化物等を正極側の
電極活物質として用いるリチウムイオン二次電池等が知
られている。
おいては、高エネルギー密度が見込める正極活物質とし
て、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム
等が主に使用されている。コバルト酸リチウムでは、構
成するコバルトが天然資源として乏しく、高価であるこ
とから、これに変わる正極活物質が模索されている。一
方、ニッケル酸リチウムでは、工業レベルで用いる材料
として比較的高価であるとともに、結晶構造が不安定で
あり電池にした際の信頼性に問題があることから実用化
が遅れている。
は、電池になった際に、4Vを越える充電でも使用で
き、比較的高い電池信頼性が得られるとともに、値段が
安いスピネル型リチウムマンガン複合酸化物が期待され
ている。
ル型のリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質として
用いたリチウムイオン二次電池では、スピネル型リチウ
ム・マンガン複合酸化物の結晶構造が不安定であること
から、充放電を繰り返すと電池容量が低下してしまうこ
とがある。
高温貯蔵した際に、スピネル型リチウム・マンガン複合
酸化物を用いた正極からマンガンが電解液中に溶出し、
この溶出したマンガンが負極上に析出してしまう。これ
により、リチウムイオン二次電池では、負極上に析出し
たでマンガンが被膜となって充放電に伴う負極側でのリ
チウムイオンのドープ・脱ドープを妨げることから、電
池容量が低下してしまうといった問題がある。
に鑑みて提案されたものであり、保存特性や充放電サイ
クル特性といった電池特性の大幅な向上を可能とした非
水電解質電池を提供することを目的としている。
電池は、リチウムを含有する活物質を有する正極と、リ
チウムをドープ・脱ドープすることが可能な活物質を有
する負極と、電解質塩を含有する非水電解質とを備える
非水電解質電池であって、非水電解質が、Co、Ni、
Cu、Zn、Sn、Cr、V、Ti、Fe、Ag、P
b、Nb、Zr、W、Pt、Au、Siのうち、何れか
一種又は複数種の金属元素及び/又は金属イオンを含有
していることを特徴としている。
o、Ni、Cu、Zn、Sn、Cr、V、Ti、Fe、
Ag、Pb、Nb、Zr、W、Pt、Au、Siのう
ち、何れか一種又は複数種の金属元素及び/又は金属イ
オンを含有させており、非水電解質に含有させた金属元
素及び/又は金属イオンを充放電した際の負極の表面に
析出させる。具体的には、非水電解質中に上述した金属
元素及び/又は金属イオンを含有させておくと、電池の
初回充電した際の負極電位が卑、すなわち非水電解質中
に含有させた金属元素及び/又は金属イオンの溶解析出
電位よりも低くなることから、非水電解質中に含有させ
た金属元素及び/又は金属イオンが負極表面に金属及び
/又は金属化合物の状態で析出することになる。
極表面に析出した金属及び/又は金属化合物が、充放電
により正極から溶出した正極活物質が負極表面に析出し
て皮膜になることを防止させる。
に析出した金属及び/又は金属化合物が導電体となって
導電性を向上させることが可能であり、内部抵抗を低く
させる。
質電池について図面を参照にして説明する。先ず、本発
明を適用した非水電解質電池として、図1に示すよう
に、リチウムイオンの移動により充放電が行われるリチ
ウムイオン二次電池(以下、電池と称する。)1につい
て説明する。この電池1は、帯状の正極2と、帯状の負
極3とが、セパレータ4を介して密着状態で巻回された
電池素子が、電池缶5内部に封入されて構造となってい
る。
る正極合剤を集電体上に塗布、乾燥することにより作製
される。正極2においては、集電体に例えばアルミニウ
ム箔等の金属箔が用いられる。
ル型リチウム・マンガン複合酸化物等が用いられる。
化物としては、一般的にLiMn2O4で示されるが、
式3で示したように、例えばマンガンの一部をマンガン
以外の元素で置き換えた化合物や、酸素の一部を酸素以
外の元素で置き換えた化合物等も含まれる。また、正極
活物質としては、スピネル型リチウム・マンガン複合酸
化物に、例えばリチウム・コバルト複合酸化物(LiC
oO2)、リチウム・ニッケル複合酸化物(LiNiO
2)等のうちの一種又は複数種を混合させて用いること
も可能である。
て、通常、リチウム電池の正極合剤に用いられている公
知の結着剤を用いることができるほか、正極合剤に導電
材等、公知の添加剤を添加することが可能である。
る負極合剤を、集電体上に塗布、乾燥することにより作
製される。負極3においては、集電体に例えば銅箔等の
金属箔が用いられる。
金、又はリチウムをドープ・脱ドープできる炭素材料等
が用いられる。リチウムをドープ・脱ドープできる炭素
材料としては、例えば、2000℃以下の比較的低い温
度で焼成して得られる低結晶性炭素材料、結晶化しやす
い原材料を3000℃付近の高温で焼成した人造黒鉛等
の高結晶性炭素材料等を用いることが可能である。具体
的には、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状
炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭
等の炭素材料を用いることが可能である。コークス類と
しては、例えばピッチコークス、ニードルコークス、石
油コークス等がある。なお、有機高分子化合物焼成体と
は、フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成
し炭素化したものを示す。
プ・脱ドープできる材料として、ポリアセチレン、ポリ
ピロール等の高分子やSnO2等の酸化物を使用するこ
ともできる。また、リチウム合金としては、例えばリチ
ウム−アルミニウム合金等を使用することができる。
て、通常リチウム電池の負極合剤に用いられている公知
の結着剤を用いることができるほか、負極合剤に公知の
添加剤等を添加することが可能である。
調製される。また、電解液には、例えばCo、Ni、C
u、Zn、Sn、Cr、V、Ti、Fe、Ag、Pb、
Nb、Zr、W、Pt、Au、Si等のうち、何れか一
種又は複数種の金属元素及び/又は金属イオンが添加さ
れている。
ンが電解液に添加されていると、電池1では、充放電し
た際の負極3の電位が卑、すなわち電解液中に添加させ
た金属元素及び/又は金属イオンの溶解析出電位よりも
低くなることから、電解液中に添加させた金属元素及び
/又は金属イオンを負極3の表面に金属及び/又は金属
化合物の状態で析出させることになる。これにより、電
池1では、負極3の表面に析出した金属及び/又は金属
化合物が、充放電により正極2から溶出した例えばマン
ガン等の正極活物質が負極3の表面に析出して皮膜にな
ることを防止させて電池特性の劣化を防ぐ。
及び/又は金属イオンのうち、アルカリ金属と化合物を
形成するものを添加させる。このように、電解液にアル
カリ金属と化合物を形成する金属元素及び/又は金属イ
オンを添加させた場合、電池1では、充放電した際に、
負極3の表面に析出した金属化合物がリチウムイオンを
ドープ・脱ドープすることになり、電池容量を向上させ
る。
/又は金属イオンの濃度が0.01モル/リットル〜
0.5モル/リットルの範囲で添加されている。電解液
中に添加される金属元素及び/又は金属イオンの濃度が
0.01モル/リットルよりも少ない場合、電池1が充
放電された際に、負極表面に析出する金属及び/又は金
属化合物が少ないことから、正極2より溶出したマンガ
ンが負極3の表面に析出してマンガンの被膜となり、こ
の被膜が充放電に伴う負極3側でのリチウムイオンのド
ープ・脱ドープを妨げて電池容量を低下させてしまう。
一方、電解液中に含有される金属元素及び/又は金属イ
オンの濃度が0.5モル/リットルよりも多い場合も、
電池容量を低下させてしまう。
金属元素及び/又は金属イオンの濃度が0.01モル/
リットル〜0.5モル/リットルの範囲で含有されるこ
とにより、電池1が充放電された際に、負極3の表面に
析出する金属元素及び/又は金属イオンが適量となり、
電池1の充放電により正極2から溶出したマンガンが負
極3の表面に析出することを防止させる。
属イオンを式4に示す金属化合物の状態にして含有させ
ることも可能である。
いられている公知の電解質を用いる。具体的には、Li
PF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、L
iCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiC
(SO2CF3)3、LiAlCl4、LiSiF6等
のリチウム塩を挙げることができ、これらのうちの一種
又は複数種を混合して用いる。その中でも特にLiPF
6、LiBF4が酸化安定性の点から望ましい。
解液に使用されている種々の非水溶媒を用いる。具体的
には、例えば炭酸プロピレン、炭酸エチレン等の環状炭
酸エステルや、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等の鎖状炭
酸エステル、プロピオン酸メチルや酪酸メチル等のカル
ボン酸エステル、γ−ブチルラクトン、スルホラン、2
−メチルテトラヒドロフランやジメトキシエタン等のエ
ーテル類等を用いる。これらの非水溶媒は、単独で用い
ても良いが、複数種を混合して用いても良い。特に、非
水溶媒としては、酸化安定性の点から炭酸エステルを用
いることが好ましい。
うにして製造される。正極2は、例えばスピネル型リチ
ウム・マンガン複合酸化物等からなる正極活物質と、導
電材と、結着剤とを含有する正極合剤を、例えばアルミ
ニウムの金属箔等からなる集電体上に均一に塗布し、乾
燥することで正極活物質層を形成することにより作製さ
れる。正極合剤の導電材及び結着剤としては、公知の導
電材及び結着剤を用いることができる他、正極合剤に公
知の添加剤等を添加することができる。
結着剤とを含有する負極合剤を、例えば銅の金属箔等か
らなる集電体上に均一に塗布し、乾燥することで負極活
物質層を形成することにより作製される。負極合剤の結
着剤としては、公知の結着剤と用いることができる他、
負極合剤に公知の添加剤等を添加することができる。
3とを、例えば微孔性ポリプロピレンフィルムからなる
セパレータ4を介して積層し、渦巻状に多数回捲回する
ことにより電池素子が構成される。
鉄製の電池缶5の底部に絶縁板6と挿入し、さらに電池
素子を収納する。そして、負極3の集電をとるために、
例えばニッケルからなる負極端子7の一端を負極集電体
に接合し、他端を電池缶5に溶接する。これにより、電
池缶5は、負極3と導通することとなり、電池1の外部
負極となる。また、正極2の集電をとるために、例えば
アルミニウムからなる正極端子8の一端を正極2に接合
し、他端を電流遮断用薄板9に溶接することでこの電流
遮断用薄板9を介して電池蓋10と電気的に接続する。
この電流遮断用薄板9は、電池内圧に応じて電流を遮断
するものである。これにより、電池蓋10は、正極2と
導通することとなり、電池1の外部正極となる。
る。この電解液は、電解質を非水溶媒に溶解させて調製
される。そして、この電解液には、例えばCo、Ni、
Cu、Zn、Sn、Cr、V、Ti、Fe、Ag、P
b、Nb、Zr、W、Pt、Au、Si等のうち、何れ
か一種又は複数種の金属元素及び/又は金属イオンを含
有させる。
スケット11を介して電池缶5をかしめることにより電
池蓋10が固定されて円筒形の電池1が作製される。
及び正極端子8に接続するセンターピン12が設けられ
ているとともに、電池内部の圧力が所定値よりも高くな
ったときに内部の気体を抜くための安全弁13及び電池
内部の温度上昇を防止するためのPTC(positive tem
perture coefficient)素子14が設けられている。
解液に例えばCo、Ni、Cu、Zn、Sn、Cr、
V、Ti、Fe、Ag、Pb、Nb、Zr、W、Pt、
Au、Siのうち、何れか一種又は複数種の金属元素及
び/又は金属イオンが添加されており、電解液に含有さ
れた金属元素及び/又は金属イオンが充放電した際の負
極3の表面に析出されることになる。具体的に、この電
池1では、電解液中に上述した金属元素及び/又は金属
イオンを添加させておくと、初回充電した際の負極3の
電位が卑、すなわち電解液中に添加させた金属元素及び
/又は金属イオンの溶解析出電位よりも低くなることか
ら、電解液中に添加させた金属元素及び/又は金属イオ
ンが負極3の表面に金属及び/又は金属化合物の状態で
析出されることになる。
面に析出した金属及び/又は金属化合物が、充放電によ
り正極2から溶出したマンガンが負極3の表面に析出し
てマンガンの皮膜になることを防止させることから、負
極3の表面に析出したマンガンの被膜が充放電に伴う負
極3側でのリチウムイオンのドープ・脱ドープを妨げて
電池容量を低下させることを防ぐ。
出した金属及び/又は金属化合物が導電体となることか
ら、負極3側の導電性を向上させて内部抵抗を低くさせ
ると共に、高温保存や充放電の繰り返しにより内部抵抗
が増大することを抑制させて、保存特性や充放電サイク
ル特性といった電池特性を向上させる。
いて非水溶媒に電解質塩が溶解されている電解液を用い
た電池1について説明したが、例えば、マトリクス高分
子中に電解質塩が分散されてなる固体電解質を用いた電
池、膨潤溶媒を含有するゲル状の固体電解質を用いた電
池等についても適用可能である。さらに、本発明を適用
した非水電解質電池は、円筒形、角型、コイン型、ボタ
ン型等、その形状については特に限定されることはな
く、また、薄型、大型等の種々の大きさにすることも可
能である。
電池を実際に作製した実施例について説明する。また、
実施例と比較するために作製した比較例について説明す
る。
正極活物質としてLiMn2O4を91重量部と、結着
剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂(以下、PVDFと
称する。)を3重量部と、導電材としてグラファイトを
6重量部と、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン
(以下、NMPと称する。)とを加えて、プラネタリー
ミキサーによって混練、分散を行い、正極塗液を作製し
た。次に、塗工装置としてダイコータを用いて正極集電
体となる厚み20μmの帯状のアルミニウム箔の両面に
均一に塗布して、乾燥させた後に、ロールプレス機で圧
縮成形した。以上のようにして正極を作製した。
してグラファイトを90重量部と、結着剤としてPVD
Fを10重量部と、溶剤としてNMPとを加えて、プラ
ネタリーミキサーによって混練・分散を行い、負極塗液
を作製した。次に、塗工装置としてダイコータを用いて
負極集電体となる厚み10μmの帯状の銅箔の両面に均
一に塗布して、乾燥させた後に、ロールプレス機で圧縮
成形した。以上のようにして負極を作製した。
正極及び負極のそれぞれの集電体にアルミニウム製の正
極端子とニッケル製の負極端子とをそれぞれ溶接し、正
極と負極との間に厚み25μmの微孔性ポリエチレンフ
ィルムよりなるセパレータを介して積層体とし、この積
層体を渦巻状に多数回捲回した。以上のようにして電池
素子を作製した。このとき、得られた電池素子の一方端
面から正極端子が、他方端面から負極端子が導出するよ
うにした。
のに、作製された電池素子から導出している正極端子を
電池蓋に、負極端子を鉄にニッケルメッキを施した電池
缶にそれぞれ溶接するとともに、電池素子を電池缶に収
納した。
積混合比が1対1の混合溶媒に対してLiPF6が1モ
ル/リットルとなるように溶解させた電解液を作製し
た。次に、電解液に対して金属塩としてCo(BF4)
2を0.01モル/リットルとなるように添加させた後
に、電池缶内に注入し、アスファルトを塗布した絶縁封
口ガスケットを介して電池缶の開口部に電池蓋を圧入し
て電池缶をかしめることで電池蓋を強固に固定した。
mの円筒形の非水電解液電池を作製した。なお、以下の
説明では、便宜上、リチウムイオン二次電池のことを単
に電池を称する。
する際に、電解液に対する金属塩の濃度を0.1モル/
リットルにしたこと以外は実施例1と同様にして電解液
を作製した。そして、この電解液を用いたこと以外は、
実施例1と同様にして電池を作製した。
する際に、電解液に対する金属塩の濃度を0.5モル/
リットルにしたこと以外は実施例1と同様にして電解液
を作製した。そして、この電解液を用いたこと以外は、
実施例1と同様にして電池を作製した。
する際に、金属塩としてAgBF4を電解液に添加させ
たこと以外は実施例3と同様にして電解液を作製した。
そして、この電解液を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして電池を作製した。
する際に、金属塩を電解液に添加しないこと以外は実施
例1と同様にして電解液を作製した。そして、この電解
液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を作
製した。
する際に、金属塩の代わりにLiBF4を、濃度を0.
05モル/リットルにして添加させたこと以外は実施例
1と同様にして電解液を作製した。そして、この電解液
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製
した。
する際に、電解液に対する金属塩の濃度を0.005モ
ル/リットルにしたこと以外は実施例1と同様にして電
解液を作製した。そして、この電解液を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして電池を作製した。
する際に、電解液に対する金属塩の濃度を0.6モル/
リットルにしたこと以外は実施例1と同様にして電解液
を作製した。そして、この電解液を用いたこと以外は、
実施例1と同様にして電池を作製した。
施例4、並びに、比較例1〜比較例4の電池について、
10回充放電した後、すなわち10サイクル後の電池容
量及び300サイクル後の電池容量を測定した。なお、
充電条件は、1000mAh(1C)の定電流で4.2
Vまで充電した後に、4.2Vの定電圧で3時間充電す
るように設定した。放電条件は、500mAh(0.5
C)の電流で2.5Vまで放電するように設定した。
0サイクル後の電池容量、300サイクル後の電池容
量、300サイクル後の電池容量維持率の評価結果を表
1に示す。
電池容量維持率は、10サイクル後の電池容量に対する
300サイクル後の電池容量比を示している。
トや銀といった金属元素を含有する金属塩を添加させた
実施例1〜実施例4では、電解液に金属元素を添加させ
てない比較例1及び比較例2に比べて、300サイクル
後の電池容量維持率が高く、充放電に伴う電池容量の低
下が抑制されていることがわかる。
により正極から正極活物質であるスピネル型リチウムマ
ンガン複合酸化物のマンガンが溶出して負極表面に析出
することによって負極表面にマンガン被膜が形成されて
しまう。このため、比較例1及び比較例2では、負極表
面に形成されたマンガン被膜が充放電に伴う負極側での
リチウムイオンのドープ・脱ドープを妨げることから、
電池容量や充放電特性といった電池特性を劣化させる。
解液にコバルトや銀といった金属元素を含有する金属塩
を添加させており、この化合物のコバルトや銀といった
金属元素が電池を充放電した際の負極表面に析出するこ
とになる。したがって、実施例1〜実施例4では、負極
表面に析出した金属元素が、充放電により正極から溶出
したマンガンが負極表面に析出して皮膜になることを防
止させ、負極表面に析出したマンガン被膜が負極側での
リチウムイオンのドープ・脱ドープを妨げることによる
電池容量の低下を防ぐことから、充放電の繰り返しによ
り電池容量が低下してしまうことを抑制する。
に析出した金属元素が導電体となり、負極側の導電性を
向上させて内部抵抗を低くさせると共に、充放電の繰り
返しにより内部抵抗が増大することを抑制させることか
ら、充放電サイクル特性を向上させることが可能となり
300サイクル後の電池容量維持率が高くなる。
リチウムマンガン複合酸化物を使用した電池を作製する
に際して、電解液にコバルトや銀といった金属元素を含
有する化合物を添加させることは、サイクル特性の優れ
た電池を作製する上で大変有効であることが明らかにな
った。
る金属塩の濃度が0.01モル/リットル〜0.5モル
/リットルの範囲とする実施例1〜実施例3では、電解
液に対する金属塩の濃度が0.005モル/リットルで
ある比較例3に比べて、300サイクル後の電池容量維
持率が高く、充放電に伴う電池容量の低下が抑制されて
いることがわかる。
であるCo(BF4)2が少ないことから、正極より溶
出したマンガンが負極表面に析出してマンガンの被膜が
形成されてしまう。このため、比較例3では、負極表面
に形成されたマンガンの被膜が充放電に伴う負極側での
リチウムイオンのドープ・脱ドープを妨げることから、
電池容量や充放電特性といった電池特性を劣化させる。
解液に対する金属塩であるCo(BF4)2の濃度が
0.01モル/リットル〜0.5モル/リットルと適切
な範囲であり、Co(BF4)2おけるコバルトが電池
を充放電した際の負極表面に析出することになる。した
がって、実施例1〜実施例3では、負極表面に析出した
コバルトが、充放電により正極から溶出したマンガンが
負極表面に析出して皮膜になることを防止させ、負極表
面に析出したマンガンの被膜が負極側でのリチウムイオ
ンのドープ・脱ドープを妨げることによる電池容量の低
下を防ぐことから、充放電の繰り返しにより電池容量が
低下してしまうことを抑制する。
する金属塩の濃度が0.01モル/リットル〜0.5モ
ル/リットルの範囲とする実施例1〜実施例3では、電
解液に対する金属塩の濃度が0.6モル/リットルであ
る比較例4に比べて、10サイクル後の電池容量及び3
00サイクル後の電池容量が大きくなっていることがわ
かる。
であるCo(BF4)2が多すぎることから電池容量が
小さくなってしまう。
解液に対する金属塩であるCo(BF4)2の濃度が
0.01モル/リットル〜0.5モル/リットルと適切
な範囲であることから、電池容量が低下してしまうこと
が防止される。
リチウムマンガン複合酸化物を使用した電池を作製する
に際して、電解液に対して金属塩としてCo(BF4)
2の濃度を0.01モル/リットル〜0.5モル/リッ
トルの範囲にして電解液に添加させることは、電池容量
の低下やサイクル特性の劣化が防止された電池を作製す
る上で大変有効であることが明らかになった。
によれば、非水電解質にCo、Ni、Cu、Zn、S
n、Cr、V、Ti、Fe、Ag、Pb、Nb、Zr、
W、Pt、Au、Siのうち、何れか一種又は複数種の
金属元素及び/又は金属イオンを含有させることによ
り、非水電解質電池を充放電させた際の負極表面に、非
水電解質に含有させた金属元素及び/又は金属イオンを
金属及び/又は金属化合物の状態で析出させることにな
る。
析出した金属及び/又は金属化合物が、充放電により正
極から溶出した正極活物質が負極表面に析出して皮膜に
なることを防止させることから、負極側のリチウムイオ
ンのドープ・脱ドープが妨げられることなく、電池容量
の低下や充放電サイクル特性の劣化が防止された非水電
解質電池が得られる。
た金属及び/又は金属化合物が導電体となり負極側の導
電性を向上させて内部抵抗を低くさせると共に、高温保
存や充放電の繰り返しにより内部抵抗が増大することを
抑制させることから、保存特性や充放電サイクル特性と
いった電池特性を向上させる。
造を示す縦断面図である。
セパレータ、5 電池缶、6 絶縁板、7 負極端
子、8 正極端子、9 電流遮断用薄板、10電池蓋、
11 絶縁封口ガスケット、12 センターピン、13
安全弁、14PTC素子
Claims (4)
- 【請求項1】 リチウムを含有する活物質を有する正極
と、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な活物
質を有する負極と、リチウム塩を含有する非水電解質と
を備える非水電解質電池において、 上記非水電解質が、Co、Ni、Cu、Zn、Sn、C
r、V、Ti、Fe、Ag、Pb、Nb、Zr、W、P
t、Au、Siのうち、何れか一種又は複数種の金属元
素及び/又は金属イオンを含有していることを特徴とす
る非水電解質電池。 - 【請求項2】 上記正極活物質が、式1に示すリチウム
・マンガン複合酸化物であること 【化1】 を特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。 - 【請求項3】 上記非水電解質が、電解質塩と非水溶媒
とからなる非水電解液である場合、上記金属元素及び/
又は金属イオンが、上記非水電解液中に濃度を0.01
モル/リットル〜0.5モル/リットルとする範囲で含
有されていることを特徴とする請求項1記載の非水電解
質電池。 - 【請求項4】 上記金属元素及び/又は金属イオンが、
上記非水電解質中に式2に示す金属化合物の状態で含有
されていること 【化2】 を特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。
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