JP2003168478A - リチウムイオン非水電解質二次電池 - Google Patents

リチウムイオン非水電解質二次電池

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JP2003168478A
JP2003168478A JP2001366111A JP2001366111A JP2003168478A JP 2003168478 A JP2003168478 A JP 2003168478A JP 2001366111 A JP2001366111 A JP 2001366111A JP 2001366111 A JP2001366111 A JP 2001366111A JP 2003168478 A JP2003168478 A JP 2003168478A
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aqueous electrolyte
lithium
secondary battery
lithium ion
positive electrode
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JP2001366111A
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Kiyohiko Suzuki
清彦 鈴木
Takehiko Tanaka
健彦 田中
Yoshikatsu Yamamoto
佳克 山本
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期放電容量及びサイクル特性の優れたリチ
ウムイオン非水電解液二次電池を提供すること。 【解決手段】 正極、負極及び非水電解質を備え、非水
電解質が一般式 LiM … (MはAs、P及びSbから成る群より選ばれた少な
くとも1種の元素を示す)で表されるリチウム複合化合
物、及び一般式 LiMIIIII … (式中のMIIはB又はN又はCl又は無し、MIII
はO又はF又はC a+1SOを示し、mは1〜
4の整数を満たす)で表されるリチウム複合化合物を非
水溶媒中に溶解又は混合されて成るリチウムイオン非水
電解質二次電池である。正極活物質の比表面積が0.4
/g以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池に関する。詳しくは、所定のリチウム複合酸化物を含
む非水電解質を用いることで、サイクル特性を改善、向
上させたリチウムイオン非電解質二次電池に係るもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、電子技術の進歩により、電子機器
の高性能化、小型化、ポータブル化が進み、これらの電
子機器には、エネルギー密度の高い二次電池が要求され
ている。従来、これら電子機器に使用される二次電池と
しては、ニッケル・カドミウム二次電池、鉛蓄電池、リ
チウム二次電池などが挙げられる。特に、リチウム二次
電池は、電池電圧が高く、高エネルギー密度を有し、自
己放電も少なく、且つサイクル特性に優れている。
【0003】このリチウム二次電池は、リチウムを可逆
的に脱挿入可能な正極及び負極と、両極間に介在するセ
パレータと非水電解液又は固体電解質とから構成され
る。一般に、負極活物質としては、リチウムイオンを可
逆的に脱挿入可能なリチウムやリチウム合金又は導電性
高分子や層状化合物のような物質が用いられている。ま
た、正極活物質としては、TiS、MoS、NbSe
、V等の非含リチウム化合物や、LiMO
(Mは、Co、Ni、Mn及びFe等の遷移金属を示
す)等のリチウム金属複合酸化物が用いられている。
【0004】二次電池は、電気化学反応により充放電を
繰り返して次第に劣化するため、使用可能なサイクル数
に限度がある。このため、携帯機器によっては、電池パ
ックの使用開始から300サイクル程度で電池パックを
新しいパックに交換することを推奨しているものがあ
る。また、電子部品の技術がめざましく携帯用電子機器
の寿命が伸びているが、機器に搭載される電池は機器の
寿命(約500サイクル)と同等であることが望まし
い。
【0005】二次電池のサイクル劣化の原因には、充放
電の繰り返しによる電極材料の構造破壊、電極界面での
過酷な酸化還元状態での電解質の分解、電池組立時やそ
の後に封口部から侵入する水分の影響などが考えられて
いる。保存性の良い電極材料の開発や適切な電解質の選
択が行われる一方、電池内の水分量を少なくする試みも
鋭意に行われている。特に水分の存在は、電解質中のリ
チウム塩を分解させるため好ましくなく、電池組立工程
での水分管理は重要である。例えば、正負の電極シート
は電池組立前に熱処理されて十分な脱水が行われている
のが通常である。また、電池缶等の電池組立材料も脱水
されてから組立工程にのせられている。更に、電解質も
脱水した原料を用いて製造され、電池組立までに脱水を
繰り返すのが通常である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに電池の材料や部品の乾燥工程を行って、水分量を制
御することは困難であった。例えば、正極シートを十分
に乾燥しても、正極活物質の比表面積大により、活物質
に水分が吸着してしまう。
【0007】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたものであって、初期放電容量及びサ
イクル特性の優れたリチウムイオン非水電解液二次電池
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、電解液に所定のリ
チウム複合化合物を添加した非水電解質を用いることに
より、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0009】即ち、本発明のリチウムイオン非水電解液
二次電池は、リチウムイオンをドープし且つ脱ドープで
きる材料を正極活物質又は負極活物質とする正極及び負
極と、非水媒体に電解質を分散して成る非水電解質と、
を備えるリチウムイオン非水電解質二次電池において、 上記非水電解質が、次の一般式 LiM … (式中のMはAs、P及びSbから成る群より選ばれ
た少なくとも1種の元素を示す)で表されるリチウム複
合化合物、及び次の一般式 LiMIIIII … (式中のMIIはB又はN又はCl又は無し、MIII
はF又はO又はC a+1SOを示し、mは1〜
4の整数を満たす)で表されるリチウム複合化合物を非
水溶媒中に溶解又は混合されて成ることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明においては、リチウムイオン非水電解質
二次電池に用いる非水電解質として、非水媒体に2種類
のリチウム複合化合物を分散して成る非水電解質を採用
した。かかる非水電解質は、水分による不活性リチウム
の生成を抑制し、二次電池の初期放電容量及びサイクル
特性の容量比の双方を増大させる。また、このときに所
定の比表面積を満たす正極活物質を使用することで、上
記サイクル特性の容量比の低下を抑制して、初期放電容
量との両立を確保することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のリチウムイオン非
水電解質二次電池について詳細に説明する。なお、本明
細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を示
すものとする。また、「非水電解質」とは、電解質を非
水媒体に分散したものをいう。
【0012】上述の如く、本発明のリチウムイオン非水
電解質二次電池は、リチウムイオンをドープし且つ脱ド
ープできる材料を正極活物質又は負極活物質とする正極
及び負極と非水電解質とを備えて成る。
【0013】ここで、上記非水電解質は、リチウム複合
化合物を非水溶媒中に溶解又は混合して成る。本発明で
は、このリチウム複合化合物として、次の一般式 LiM … (式中のMはAs、P又はSb、及びこれらの任意の
組合せに係る元素を示す)で表されるリチウム複合化合
物、及び次の一般式 LiMIIIII … (式中のMIIはB又はN又はCl又は無し、MIII
はF又はO又はC a+1SOを示し、mは1〜
4の整数を満たす)で表されるリチウム複合化合物を使
用する。
【0014】上記式のリチウム複合化合物としては、
LiPFやLiAsFなどを例示できる。また、上
記式のリチウム複合化合物としては、LiBF、L
iClO、LiCFSO、LiN(CF
及びLiCSOなどを例示できる。代
表的には、LiPF及びLiBFを非水媒体に分散
した非水電解質を用いることが好適である。なお、Li
PFの電解液の濃度は、1.0〜1.75mol/l
が好ましい。LiPFのみを分散した非水電解質は、
水分と反応すると不活性リチウム(LiF)を生成する
ため、かかる場合は二次電池のサイクル特性が悪化する
が、LiBFを添加することで不活性リチウムの生成
が抑制され易く、二次電池のサイクル特性を向上させる
ことができる。
【0015】また、上記リチウム複合化合物としてLi
BFを採用するときは、電解液1l当たり0.001
〜0.5molの割合で含有することが好適である。
0.001mol/l未満では所望のサイクル特性が得
られないことがあり、0.5mol/lを超えると初期
放電容量が低下することがある。
【0016】更に、上記電解質が溶解する非水溶媒とし
ては、従来の非水系リチウム電池と同様に非プロトン性
溶媒、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカー
ボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネー
ト、γ−ブチルラクトン、スルホラン、メチルスルホラ
ン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエ
タン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフ
ラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジ
オキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、ジメチ
ルカーボネート、プロピオニトリル、アニソール、酢酸
エステル、酪酸エステル及びプロピオン酸エステルなど
を挙げることができる。なお、かかる非水溶媒は、液体
に限られず、ゲル状又は固体状をなすいわゆるポリマー
型の溶媒を用いることも可能である。また、かかる非水
溶媒は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合
して使用してもよいことは言うまでもない。
【0017】本発明の非水電解質二次電池における正極
活物質としては、特に限定されるものではなく、リチウ
ムイオンをドープ・脱ドープ可能な遷移金属酸化物など
の公知材料を使用可能であるが、特に、比表面積が0.
4m/g以上である正極活物質を使用することが好適
である。これより、Liイオンのドープ・脱ドープ可能
な反応面積が増大して、負荷特性が良好となり、サイク
ル特性が改善され得る。なお、0.4m/g未満であ
ると低比表面積による影響から負荷特性が悪く、例えば
LiBFなどの添加効果が現れないことがある。
【0018】また、上記正極活物質としては、次の一般
式 LiIV … (式中のMIVは遷移金属元素を示し、MはMIV
外の遷移金属元素を示し、xはx≧0.9、yはy=1
−z、zは0≦Z≦0.5を満たす)で表されるリチウ
ムと遷移金属とのリチウム複合酸化物を使用することが
できる。このような正極活物質を用いるときは、1g当
たりの放電容量が大きいので、セルの初期放電容量が増
加するので有効である。
【0019】具体的には、次式 LiCoVI … (式中のMVIはFe、Ni、Mn、Cu、Zn、A
l、Sn、B、Ga、Cr、V、Ti、Mg、Ca又は
Sr、及びこれらの任意の組合せに係る元素を示す、x
はx≧0.9、yはy=1−z、zは0.5≧z≧0を
満たす)で表されるリチウム・コバルト複合酸化物や、
次式 LiNiVII … (式中のMVIIはFe、Co、Mn、Cu、Zn、A
l、Sn、B、Ga、Cr、V、Ti、Mg、Ca又は
Sr、及びこれらの任意の組合せに係る元素を示す、x
はx≧0.9、yはy=1−z、zは0.5≧z≧0を
満たす)で表されるリチウム・ニッケル複合酸化物など
を例示することができる。
【0020】また、これら正極活物質の他に、次式 LiMnVIII … (式中のMVIIIはFe、Co、Ni、Cu、Zn、
Al、Sn、Cr、V、Ti、Mg、Ca又はSr、及
びこれらの任意の組合せに係る元素を示す、xはx≧
0.9、yはy=1−z、zは0.5≧z≧0を満た
す)で表されるリチウム・マンガン複合酸化物や、次式
LiFeIX PO … (式中のMIXはCo、Ni、Mn、Cu、Zn、A
l、Sn、B、Ga、Cr、V、Ti、Mg、Ca又は
Sr、及びこれらの任意の組合せに係る元素を示す、x
はx≧0.9、yはy=1−z、zは0.5≧z≧0を
満たす)で表されるオリビン鉄複合酸化物などを正極活
物質として用いることもできる。
【0021】一方、負極活物質としては、金属リチウ
ム、及びリチウムをドープ・脱ドープできる炭素質材料
又は合金材料若しくは化合物材料を使用することがで
き、これらの2種以上を組み合わせて用いることも可能
である。かかる負極活物質のうち、リチウムをドープ・
脱ドープできる炭素質材料としては、例えば、熱分解炭
素類、コークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、
有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭及びポリア
セチレン等のポリマーなどを挙げることができる。な
お、上記コークス類としては、ピッチコークス、ニード
ルコークス及び石油コークス等、上記有機高分子化合物
焼成体としては、フェノール樹脂やフラン樹脂を適当な
温度で炭素化したものを例示できる。
【0022】また、上記合金材料又は化合物材料として
は、次式 M XI Li … (式中のMはLiと合金又は化合物を形成し得る金属
元素、MXIはLi及びM以外の金属元素を示し、
x、y及びzはそれぞれx>0、y≧0、z≧0を満た
す)で表される化合物を挙げることができる。なお、上
記金属元素Mとしては、2A、3B及び4B典型元素
から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を挙げる
ことができる。一方、上記金属元素MXIには、B、S
i及びAs等の半導体元素も含まれ、具体的には、M
g、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、
Sb、Bi、Cd、Ag、Zn、Hf、Zr及びYが含
まれる。よって、上記式で表される化合物の具体例と
しては、Li−Al系合金、Li−Al−M系合金
(Mは2A、3B及び4B族典型元素から成る群より
選ばれた少なくとも1種の元素を示す)、AlSb及び
CuMgSbなどを挙げることができる。
【0023】また、上記金属元素Mとしては、4B族
典型元素を用いるのが好ましく、望ましくはSi又はS
nであり、Siが更に望ましい。この観点からは、上記
式で表される化合物として、MXI Si又はMXI
Sn(MXIはSi又はSn以外の金属元素を示す)
で表される化合物を例示でき、具体的には、SiB
SiB、MgSi、MgSn、NiSi、Ti
Si、MoSi、CoSi、NiSi、CaS
、CuSi、FeSi、MnSi、NbSi
、TaSi、VSi、WSi及びZnSi
どを挙げることができる。
【0024】更に、1種以上の非金属元素を含み、炭素
元素を除く4B族典型以外の金属元素が含まれていても
よく、この場合は、上記式で表される化合物として、
SiC、Si、SiO、GeO、S
iO(0<x≦2)、SnO(0<x≦2)、Li
SiO及びLiSnOを挙げることができる。
【0025】なお、上述した炭素質材料や合金材料など
へのリチウムのドープは、電池作製後に電池内で電気化
学的に行ってもよいし、電池作製後又は電池作製前に、
正極又は正極以外のリチウム源から供給して電気化学的
にドープしてもよい。また、材料合成の際にリチウム含
有材料として合成し、電池作製時には負極活物質に含有
されている状態としてもよい。
【0026】本発明の非水電解質二次電池において、正
極又は負極は、帯状乃至は矩形をなす集電体の両面に、
上記の各活物質と結着剤を含む正極合剤又は負極合剤を
被覆した正極合剤層又は負極合剤層を形成することによ
り作製される。ここで、集電体としては、集電機能を有
する限り特に限定されるものではないが、正極形成には
アルミニウム箔、負極形成にはリチウムと合金を形成し
ない銅箔やニッケル箔を好適に用いることができる。ま
た、正極合剤又は負極合剤は、上記の活物質以外にポリ
ビニルピロリドン等の公知の結着剤や、必要に応じてグ
ラファイト等の導電剤など公知の添加剤を混合して得ら
れる。正極合剤層又は負極合剤層の形成は、代表的に
は、集電体の両面に正極合剤又は負極合剤を塗布し、乾
燥させることによって行われる。
【0027】更に、本発明においては、高容量化などの
要請から、代表的には、上述の如き正極、負極及びセパ
レータを代表的には帯状乃至は矩形状に形成し、かかる
正極シートと負極シートとの間にセパレータを挿入した
積層体シートを形成し、この積層体シートを巻回するこ
とによって作製した巻回電極を用いて電池を構成する。
なお、巻回の態様は特に限定されるものではなく、渦巻
き状でも螺旋状でもよく、通常は多数回巻回して巻回電
極を作製する。
【0028】上記セパレータとしては、正極と負極とを
分離して両者の物理接触による短絡を防止し得る機能を
有すれば十分であるが、具体的には、微多孔性のポリエ
チレンやポリプロピレン製フィルムを用いることが望ま
しく、かかる微多孔性フィルムは高温で軟化して微孔を
閉塞し、リチウムイオンの流出を抑制するので、過電流
対策としても好適に使用できる。なお、リチウムイオン
伝導度とエネルギー密度の関係から、セパレータの厚み
はできる限り薄い方が望ましく、代表的には50μm以
下とすることがよい。
【0029】本発明のリチウムイオン非水電解質二次電
池は、上述のような非水電解質、正極及び負極を必須の
構成要件とするが、その電池形状については特に限定さ
れるものではなく、例えば、円筒型、角型、コイン型及
びボタン型等の種々の電池形状を採用することができ
る。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明する。
【0031】(実施例1)まず、LiCoO(比表面
積(SSA):0.6m/g)を91重量部、導電剤
としてグラファイトを6重量部及び結着剤としてポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF)を3重量部の割合で混合し
て正極合剤を作製し、これをN−メチル−2−ピロリド
ンに分散してスラリー状とした。この正極合剤スラリー
を正極集電体である帯状のアルミニウム箔の両面に塗布
し、乾燥後ローラープレス機で圧縮成形した。その後、
真空乾燥処理して正極を作製した。なお、真空乾燥条件
は、30分、0.1Torr、120℃とした。また、
比表面積はBET法(BET1点法)によって測定し
た。
【0032】次に、黒鉛を90重量部、結着材としてP
VDFを10重量部の割合で混合して負極合剤を作成
し、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散してスラ
リー状とした。この負極合剤スラリーを負極集電体であ
る帯状の銅箔の両面に塗布し、乾燥後ローラープレス機
で圧縮成形して負極を作製した。
【0033】これらの正極及び負極を用いて、2016
コインセルを作製した。電解液は、プロピレンカーボネ
ートと1,2−ジメトキシエタンとを等量混合した溶媒
に、電解質塩としてLiPFを1.5mol/l溶解
させ、LiBFを0.001mol/l添加したもの
を用いた。
【0034】(実験例2〜8及び比較例1〜6)電解液
に添加したLiBFの量を比較例1、5では0、実施
例2、4、5、7及び比較例3では0.05mol/
l、実施例3、8では0.5mol/l、比較例2、6
では0.6mol/lとし、正極活物質のSSAを実施
例4では0.4、実施例5では5、比較例3では0.2
とし、負極の活物質の比率(黒鉛とMgSiの比率)
を実施例6〜8及び比較例5、6では50:50とした
以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、各例のコ
インセルを作製した。
【0035】
【表1】
【0036】[性能評価]上記実施例及び比較例で得ら
れた電池について、以下の条件で充放電を行い、初期放
電容量を求めた。また、この条件で500サイクルまで
充放電を行い、サイクル特性の容量比を測定した。この
とき1サイクルの放電条件は1時間放電率に相当するよ
うにした。この結果を表1に示す。 ・充電 4.20Vmax 1.0A定電流(4.2Vまで定電流、4.2V到達後
定電圧充電) ・放電 3.0Vcutoff 3.0A定電流
【0037】実施例1と比較例1、5から、LiBF
無添加ではサイクル特性の容量比が低下することがわか
る。なお、比較例2から、LiBFの添加量が多すぎ
ると、初期放電容量が低下してしまうことがわかる。ま
た、実施例4と比較例3から、正極活物質の比表面積が
0.4m/gより小さい場合は、低比表面積による影
響で負荷特性が悪いためサイクル特性の容量比が著しく
低下してしまうが、0.4m/g以上であればLiB
の添加効果が現れると言える。以上のように、本発
明の好適形態であれば、初期放電容量又はサイクル特性
の容量比を低下させずに、これらの両特性に優れる二次
電池を提供できる。なお、実施例1〜3、6〜8と比較
例1、2、5及び6から、負極活物質が黒鉛と合金の混
合系であっても、かかる効果が発揮されると言える。
【0038】以上、本発明を好適実施例により詳細に説
明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変
形が可能である。例えば、非水電解質は、本発明で規定
するリチウム複合化合物が含まれていれば、更に他のリ
チウム複合化合物などを含んでいてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、電解液に所定のリチウム複合化合物を添加した非水
電解質を用いることとしたため、初期放電容量及びサイ
クル特性の優れたリチウムイオン非水電解液二次電池を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 佳克 福島県安達郡本宮町字樋ノ口2番地 ソニ ー福島株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ05 AL06 AL12 AM10 5H050 AA07 BA17 CA07 CB01 CB07 CB11 DA13 HA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムイオンをドープし且つ脱ドープ
    できる材料を正極活物質又は負極活物質とする正極及び
    負極と、 非水媒体に電解質を分散して成る非水電解質と、を備え
    るリチウムイオン非水電解質二次電池において、 上記非水電解質が、次の一般式 LiM … (式中のMはAs、P及びSbから成る群より選ばれ
    た少なくとも1種の元素を示す)で表されるリチウム複
    合化合物、及び次の一般式 LiMIIIII … (式中のMIIはB又はN又はCl又は無し、MIII
    はF又はO又はC a+1SOを示し、mは1〜
    4の整数を満たす)で表されるリチウム複合化合物を非
    水溶媒中に溶解又は混合されて成ることを特徴とするリ
    チウムイオン非水電解質二次電池。
  2. 【請求項2】 上記式で表されるリチウム複合化合物
    がLiPFであり、上記式で表されるリチウム複合
    化合物がLiBFであることを特徴とする請求項1に
    記載のリチウムイオン非水電解質二次電池。
  3. 【請求項3】 上記式で表されるリチウム複合化合物
    としてLiBFを0.001〜0.5mol/l含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン非水
    電解質二次電池。
  4. 【請求項4】 上記正極活物質の比表面積が0.4m
    /g以上であることを特徴とする請求項1に記載のリチ
    ウムイオン非水電解質二次電池。
  5. 【請求項5】 上記正極活物質が、次の一般式 LiIV … (式中のMIVは遷移金属元素を示し、MはMIV
    外の遷移金属元素を示し、xはx≧0.9、yはy=1
    −z、zは0≦Z≦0.5を満たす)で表されるリチウ
    ムと遷移金属とのリチウム複合酸化物であることを特徴
    とする請求項1に記載のリチウムイオン非水電解質二次
    電池。
  6. 【請求項6】 上記負極活物質が、炭素質材料又はリチ
    ウムと合金化若しくは化合可能な材料であることを特徴
    とする請求項1に記載のリチウムイオン非水電解質二次
    電池。
  7. 【請求項7】 上記正極及び負極が、帯状の集電体に上
    記正極活物質又は負極活物質を含む正極合剤層又は負極
    合剤層を被覆して形成され、これら両電極をセパレータ
    を介して積層し巻回して成る巻回電極を備えることを特
    徴とする請求項1に記載のリチウムイオン非水電解質二
    次電池。
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