JP2003215706A - 光源装置およびこの光源装置を備える光学機器 - Google Patents

光源装置およびこの光源装置を備える光学機器

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JP2003215706A JP2002014824A JP2002014824A JP2003215706A JP 2003215706 A JP2003215706 A JP 2003215706A JP 2002014824 A JP2002014824 A JP 2002014824A JP 2002014824 A JP2002014824 A JP 2002014824A JP 2003215706 A JP2003215706 A JP 2003215706A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源ランプが破裂した際に、その破片を外
部に飛散させることなく、光源ランプを効率的に冷却し
て光源ランプの長寿命化を図ることができ、機構を簡素
化し部材点数を減少させて製造コストを抑えることがで
きる光源装置およびこの光源装置を備える光学機器を提
供すること。 【解決手段】光源ランプ416を含むリフレクタ417
が装着された保持部材500の保持部520において、
リフレクタ417の光束射出面側を覆う透明板530が
設けられ、吸気口522Aおよび排気口521Aが形成
されている。保持部520には、この保持部520に対
して回動するシャッタ部材600が、ばねを介して取り
付けられる。シャッタ部材600には、吸気口522A
および排気口521Aに対応する開口部610A,61
0Bが形成され、回動とともに吸気口522Aおよび排
気口521Aの開閉を同時に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源装置、および
この光源装置を備える光学機器に関する。
【0002】
【背景技術】従来、会議や学会等のプレゼンテーション
にプロジェクタが用いられている。このようなプロジェ
クタは、光源装置の光源ランプから射出された光束を画
像情報に応じて変調して光学像を形成し、この光学像を
拡大投写している。近年のプロジェクタでは、投写され
る光学像を鮮明に表示させるために光源ランプの高輝度
化が要求されてきている。
【0003】ここで、プロジェクタの光源ランプとして
は、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等が使用さ
れており、光源ランプの寿命に伴って、石英ガラス等で
作られた発光管が破裂して、その破片がプロジェクタ内
に飛び散るおそれがある。また、光源ランプは、その高
輝度化に伴って大きな熱を発生するため、この発熱を外
部へ排出して冷却することにより、光源ランプの破裂を
防止する必要もある。
【0004】そこで、光源ランプを含む従来の光源装置
には、以下のような機構が設けられている。すなわち、
リフレクタの光束射出側をガラス製等の透明板で覆うと
ともに、リフレクタまたは透明板の一部に吸気口および
排気口となる複数の通気口を設けておく。さらに、これ
らの通気口には、それぞれに対応する蓋部材(シャッタ
部材)を設けておき、光学装置がプロジェクタに取り付
けられた際に、各蓋部材がそれぞれの通気口を開放し、
光学装置がプロジェクタから取り外された際には各蓋部
材が対応する通気口を塞いでいる。このような機構によ
り、光源ランプの冷却と、ランプ破裂時の破片の飛散防
止とが図られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た光源装置の機構では、各通気口に対応する蓋部材をそ
れぞれ設けて、各通気口の開閉を行わなければならず、
この機構が複雑になるとともに、この機構を構成する部
材の点数が増加して、光源装置の製造コストが大きくな
るという問題があった。このような問題は、プロジェク
タに用いられる光源装置に限らず、照明装置等のその他
の光学機器に用いられる光源装置にも同様に生じてい
た。
【0006】本発明の目的は、光源ランプが破裂した際
に、その破片を外部に飛散させることなく、かつ光源ラ
ンプを効率的に冷却して光源ランプの長寿命化を図るこ
とができた上で、機構を簡素化し部材点数を減少させて
製造コストを抑えることができる光源装置およびこの光
源装置を備える光学機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光源装置
は、光源ランプと、この光源ランプから放射された光束
を揃えて射出するリフレクタと、前記光源ランプおよび
リフレクタを、光束射出方向およびこれに直交する方向
に位置決めして保持する保持部材とを備える光源装置で
あって、前記保持部材は、前記リフレクタの光束射出面
側を覆う透明板と、前記リフレクタの光束射出面近傍に
形成され、外部から前記光源ランプに冷却空気を導入す
る複数の通気口とを備え、前記保持部材の光束射出部分
には、該保持部材に対して摺動し、前記複数の通気口を
同時に開閉する一体的なシャッタ部材が設けられている
ことを特徴とする。
【0008】ここで、複数の通気口とは、吸気口および
排気口として用いられる開口部のことであり、例えば、
保持部材の上下側や左右側に形成された一対の開口部と
して構成できる。この場合には、リフレクタ内の上下方
向または左右方向に冷却空気を流通させることができ、
リフレクタ内の光源ランプを効率的に冷却できる。
【0009】保持部材に対してシャッタ部材が摺動する
方向としては、例えば、光源ランプから射出される光束
の照明光軸を中心とした面内回転方向や、この照明光軸
に対して傾斜した軸を中心とした面内回転方向や、この
照明光軸に平行な面内で回転する方向等の回転方向を規
定できる。さらに、前記照明光軸に対して平行な方向
や、前記照明光軸に対して直交する方向等の直線方向も
規定できる。
【0010】また、複数の通気口を同時に開閉するシャ
ッタ部材としては、例えば、通気口に対応する位置に略
同形状の開口部を形成しておき、シャッタ部材の摺動に
伴って、これらの開口部と通気口とが、合致したりずれ
たりする構成を採用できる。さらには、シャッタ部材
に、複数の通気口に対応する蓋部を形成しておき、シャ
ッタ部材の摺動に伴って、蓋部が通気口と合致したりず
れたりする構成も採用できる。
【0011】さらに、前記保持部材は、光源ランプの照
明光軸方向、およびこの照明光軸に直交する方向に光源
ランプおよびリフレクタを位置決めする位置決め面が形
成されており、例えば、射出成形等による樹脂成形品と
して成形することにより、光源ランプおよびリフレクタ
の位置を正確に特定できる。
【0012】本発明によれば、リフレクタの光束射出面
側を覆う透明板を保持部材に設けた状態で、この保持部
材に光源ランプを含むリフレクタを位置決め保持させた
ので、保持部材に形成された複数の通気口のうちの一方
の通気口から他方の通気口へと冷却空気を導いて、リフ
レクタ内の光源ランプを効率的に冷却でき、光源ランプ
の長寿命化を図ることができる。
【0013】ここで、本発明の光源装置は、光学機器等
に取り付けた際に複数の通気口が同時に開放され、光学
機器から取り外した際に複数の通気口が同時に塞がれる
ようにシャッタ部材を構成できる。このような構成にお
いて、光源装置を光学機器に取り付けた際には、光源ラ
ンプの発光管が破裂して光源装置の交換が必要な場合で
も、これらの破片が光源装置の外部、すなわち光学機器
等の内部へ飛散することを確実に防止できて、光学機器
等を確実に動作できる。また、光学機器等に取り付けた
際には、このシャッタ部材が複数の通気口を同時に開放
するため、光源ランプの冷却を損なうことがない。
【0014】また、シャッタ部材は、一体的に構成され
た一部材でありながら、複数の通気口の開閉を同時に行
うので、例えば、各通気口に対応するシャッタ部材をそ
れぞれ別体として用意し、これらの両シャッタ部材が摺
動して通気口の開閉をそれぞれ行うような複雑な構成を
採用する必要がないから、部材点数を減少できるととも
に、開閉構造を簡素化できて、光源装置の製造コストを
抑えることができる。
【0015】このような光源装置において、前記シャッ
タ部材は、前記光源ランプの照明光軸を軸として回動す
ることが好ましい。このような構成では、シャッタ部材
の摺動によって複数の通気口を同時に開閉する際に、シ
ャッタ部材が外部側等へ飛び出すことなく光源装置内で
摺動するため、光源装置の小型化を図ることができる。
また、この光源装置が収納される光学機器等の収納部分
の構造も簡素化できる。
【0016】また、前記シャッタ部材は、リング状に構
成され、前記保持部材の光束射出面には、前記光源ラン
プの光束射出面を囲むようにリング状に形成され、前記
シャッタ部材を回動自在に保持する保持部が設けられて
いることが好ましい。ここで、保持部材としては、例え
ば、リング状のシャッタ部材を保持する保持部と、光源
ランプを含むリフレクタを正しい姿勢で保持する保持部
材本体とで構成できる。なお、保持部の形状としては、
断面円形のリング状としてもよいし、この円形の両端縁
を切り落としたような断面形状としてもよい。
【0017】このような構成では、例えば、リング状の
シャッタ部材を、このリング状に対応するリング状の保
持部に取り付けるだけで、保持部の曲面に沿ってシャッ
タ部材を滑らかに回動できる。この際、単純形状の部材
でありながら保持部に対してシャッタ部材を確実に回動
させることができ、光源装置の製造コストを抑えること
ができる。
【0018】さらに、前記シャッタ部材には、前記複数
の通気口が閉じられた際に、少なくとも複数の通気口の
うち、最も下部側に位置する通気口を覆うカバー部が形
成されていることが好ましい。このような構成とすれ
ば、万が一シャッタ部材と通気口の隙間から光源ランプ
の破片がはみ出したとしても、破片が集まる最下部側の
通気口をカバー部によって二重に覆ったので、破片の飛
散をより一層確実に防止できる。
【0019】以上の光源装置において、前記複数の通気
口は、前記保持部材において前記光源ランプの照明光軸
を中心とする対称位置に形成されていることが好まし
い。このような構成では、照明光軸の対称位置に通気口
をそれぞれ形成したので、リフレクタの内部側全体に冷
却空気を導入して、リフレクタ内に滞留する熱を確実に
外部へと排出でき、光源ランプの冷却効率を高めて、光
源ランプの長寿命化をより一層図ることができる。
【0020】ここで、前記複数の通気口は、前記保持部
材の上下側に少なくとも1つずつ形成されていることが
好ましい。このような構成において、例えば、下側の通
気口から冷却空気を導入して、上側の通気口から熱い空
気を排出する場合には、温度の高い空気は上方へ流れる
ことから、この熱い空気を光源装置の外部へと確実に排
出できる。逆に、上側の通気口から冷却空気を導入し
て、下側の通気口から熱い空気を排出する場合には、温
度の高い空気がリフレクタ内側の上側に滞留することか
ら、この滞留した熱を迅速に冷却することにより、リフ
レクタを含む光源装置の長寿命化を図ることができる。
【0021】以上のような光源装置において、前記シャ
ッタ部材には、レバー部が一体的に構成され、このレバ
ー部と前記保持部材の一端との間には、これらのレバー
部と保持部材とを互いに近接する方向に引き寄せる弾性
部材が設けられ、このレバー部は、光学機器に該光源装
置が取り付けられた際に、この光学機器の一部によっ
て、前記近接する方向とは反対の方向に付勢されて、前
記保持部材に対して該シャッタ部材が一定方向に摺動す
ることが好ましい。
【0022】ここで、弾性部材としては、ばねやゴム、
樹脂等を採用できる。このような場合において、光源装
置は、光学機器から光源装置が取り外された状態では、
レバー部と保持部材とが弾性部材によって引き寄せられ
て、複数の通気口が同時に閉じ、また、光学機器に光源
装置が取り付けられた状態では、レバー部と保持部材と
が、光学機器の一部によって引き寄せ方向とは反対の方
向に付勢されて、一体的に形成されたシャッタ部材が保
持部材に対して摺動して、複数の通気口を同時に開くよ
うに構成できる。このような構成とすれば、シャッタ部
材にレバー部を形成して、このレバー部と保持部材の一
端とを繋ぐ弾性部材を設けるだけの簡単な構成で、通気
口の開閉を確実に、かつ簡単に行うことができる。
【0023】本発明に係る光学機器は、前述した光源装
置を備えることを特徴とする。ここで、光学機器として
は、例えば、液晶プロジェクタやオーバーヘッドプロジ
ェクタを含むプロジェクタや、照明装置等を含む各種の
光学機器を採用できる。本発明によれば、前述した光源
装置と略同様の作用・効果を奏することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 〔1.プロジェクタの主な構成〕図1は、本発明に係る
光学機器としてのプロジェクタ1を上方から見た斜視図
である。図2は、プロジェクタ1を後方から見た斜視図
である。図3は、プロジェクタ1を下方から見た斜視図
である。
【0025】図1〜図3において、プロジェクタ1は、
略直方体状の外装ケース2を備えている。外装ケース2
は、プロジェクタ1の本体部分を収納する筐体であり、
アッパーケース21と、ロアーケース22と、これらの
ケース21,22の前方側を跨るように取り付けられる
フロントケース23とを備えて構成される。各ケース2
1〜23は、それぞれ合成樹脂製である。
【0026】アッパーケース21は、図2に示すよう
に、プロジェクタ1の天面、側面、および背面をそれぞ
れ構成する上面部211、側面部212、および背面部
213を含んで構成される。上面部211の前方側に
は、操作パネル25が設けられている。アッパーケース
21において、操作パネル25の後方側には、上面部2
11の後方側と背面部213とを跨る凹部21Aが形成
されている。この凹部21Aから、外装ケース2に収納
された回路基板5の一部が外部に露出している。この外
部に露出する回路基板5の一部とは、インターフェース
部を構成する各種のコネクタ5Aである。これらのコネ
クタ5Aを介して、プロジェクタ1には、外部機器が接
続される。
【0027】ロアーケース22は、図3に示すように、
プロジェクタ1の底面、側面、および背面をそれぞれ構
成する底面部221、側面部222、および背面部22
3を含んで構成される。底面部221には、開口部22
1Xが形成されている。この矩形状の開口部221Xに
は、ランプカバー24が嵌め込み式で着脱可能に設けら
れている。さらに、底面部221には、外部から冷却空
気を吸入するための吸気口221A,221Bが形成さ
れている。
【0028】底面部221において、後方側の略中央部
分には、プロジェクタ1の脚部を構成する後脚22Rが
形成されている。また、底面部221における前方側の
左右の隅部には、同じくプロジェクタ1の脚部を構成す
る前脚22Fがそれぞれ設けられている。つまり、プロ
ジェクタ1は、後脚22Rおよび2つ前脚22Fにより
3点で支持されている。2つの前脚22Fは、それぞれ
上下方向に進退可能に構成されており、プロジェクタ1
の前後方向および左右方向の傾き(姿勢)を調整して、
投写画像の位置合わせができるようになっている。
【0029】図2に示すように、背面部223におい
て、コネクタ5Aの下側となる部分には、リモコン収納
部26が形成されている。このリモコン収納部26に
は、プロジェクタ1の遠隔操作を行うためのリモートコ
ントローラ(リモコン)26Aが収納される。また、図
2において、背面部223におけるリモコン収納部26
の右側には、スピーカ孔22Aが形成され、リモコン収
納部26の左側には、インレットコネクタ22Bが設け
られている。
【0030】フロントケース23は、図1に示すよう
に、プロジェクタ1の前面、天面、および側面をそれぞ
れ構成する前面部231、天面部232、および側面部
233を含んで構成される。フロントケース23には、
前面部231および天面部232を跨ぐ開口部23Aが
形成されている。この開口部23Aに対応するように、
外装ケース2内部には、投写レンズ46が配置されてい
る。この際、開口部23Aから投写レンズ46の一部が
外部に露出しており、この露出部分の一部であるレバー
46Aを介して、投写レンズ46のズーム操作、フォー
カス操作が手動で行えるようになっている。
【0031】また、前面部231において、前述した開
口部23Aの反対側の位置には、開口部としての排気口
23Bが形成されている。この排気口23Bの内側に
は、プロジェクタ1内の空気を誘導する排気ダクト67
が設けられており、排気口23Bには、排気ダクト67
の排気口67Aが対向している。この排気口23Bに
は、水平方向に並ぶ複数枚の羽根板23B1が形成さ
れ、これらの羽根板23B1により、排気ダクト67の
排気口67A等から排出される冷却空気を整流する機能
と、内外の光を遮ぎる機能とを備えている。
【0032】このような外装ケース2の側面側には、図
1に示すように、アッパーケース21の側面部212と
ロアーケース22の側面部222に跨って吸気口2Aが
形成されている。この吸気口2Aの内側には、図1〜3
では図示しないシロッコファンが設けられている。
【0033】ここで、図4は、プロジェクタ1の内部を
示す斜視図である。外装ケース2には、図4に示すよう
に、プロジェクタ1の前方から見て、略中央の前方側に
配置された電源ユニット3と、この電源ユニット3の後
方から右側にかけて配置された平面視略L字状の光学ユ
ニット4と、これらのユニット3,4の上方に配置され
る図示しない前記回路基板とを備える。
【0034】電源ユニット3は、電源31と、この電源
31の下方に配置されたランプ駆動回路(バラスト)3
2とを含んで構成される。電源31は、前記インレット
コネクタに接続された図示しない電源ケーブルを通し
て、外部から供給された電力をランプ駆動回路32や前
記回路基板等に供給するものである。ランプ駆動回路3
2は、光学ユニット4を構成する図4では図示しない光
源ランプに、電源31から供給された電力を供給するも
のであり、前記光源ランプと電気的に接続されている。
このようなランプ駆動回路32は、例えば、図示しない
基板に配線される。
【0035】これらの電源31およびランプ駆動回路3
2は、略平行に上下に並んで配置され、これらの占有空
間は、プロジェクタ1の前方で左右方向に延びている。
また、電源31およびランプ駆動回路32は、左右側が
開口された筒部材31A,32Aによってそれぞれ周囲
を覆われている。これらの筒部材31A,32Aは、冷
却空気を誘導するダクトとして機能する。また、筒部材
32Aには、その表面にめっき処理等の金属による加工
がなされ、ランプ駆動回路32からの電磁ノイズの漏れ
が防止されている。さらに、電源31およびランプ駆動
回路32は、矩形の開口部分が形成された金属製の下部
シールド部材33によって覆われており、これらの電源
31およびランプ駆動回路32からの外部への電磁ノイ
ズの漏れが防止されている。
【0036】前記回路基板は、具体的な図示を省略して
いるが、CPU等を含む制御部と、接続端子である各種
のコネクタ5A(図2)を含むインターフェース部とが
実装された一枚の基板であり、コネクタ5Aを介して入
力された画像情報に応じて、制御部が、光学装置44を
構成する液晶パネルの制御を行っている。
【0037】この回路基板は、図4に示す下部シールド
部材33の上部に配置されるとともに、該回路基板の上
方には、図示しないが金属製の上部シールド部材が配置
される。この上部シールド部材および下部シールド部材
33は、この回路基板を挟んだ状態で互いに固定されて
いる。これにより、電源ユニット3や回路基板等から外
部への電磁ノイズの漏れを防止している。
【0038】〔2.光学ユニットの詳細な構成〕ここ
で、図5は、光学ユニット4を模式的に示した平面図で
ある。光学ユニット4は、図4,5に示すように、光源
装置411を構成する光源ランプ416から射出された
光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形
成し、この光学像を拡大して投射するユニットであり、
インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42
と、リレー光学系43と、光学装置44と、投写光学系
としての投写レンズ46と、これらの光学部品41〜4
6を収納するライトガイド47とを備える。
【0039】インテグレータ照明光学系41は、光学装
置44を構成する3枚の液晶パネル441(赤、緑、青
の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R,441G,4
41Bとする)の画像形成領域をほぼ均一に照明するた
めの光学系であり、光源装置411と、第1レンズアレ
イ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子
414と、重畳レンズ415とを備えている。
【0040】光源装置411は、放射光源としての光源
ランプ416と、リフレクタ417とを備え、光源ラン
プ416から射出された放射状の光線をリフレクタ41
7で反射して平行光線とし、この平行光線を外部へと射
出する。光源ランプ416としては、ハロゲンランプを
採用している。なお、ハロゲンランプ以外に、メタルハ
ライドランプや高圧水銀ランプ等も採用できる。リフレ
クタ417としては、放物面鏡を採用している。なお、
放物面鏡の代わりに、平行化凹レンズおよび楕円面鏡を
組み合わせたものを採用してもよい。なお、光源装置4
11の構造については後で詳説する。
【0041】第1レンズアレイ412は、光軸方向から
見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状
に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ラ
ンプ416から射出される光束を、複数の部分光束に分
割している。各小レンズの輪郭形状は、液晶パネル44
1の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定
されている。たとえば、液晶パネル441の画像形成領
域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3であ
るならば、各小レンズのアスペクト比も4:3に設定す
る。
【0042】第2レンズアレイ413は、第1レンズア
レイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマ
トリクス状に配列された構成を有している。この第2レ
ンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1
レンズアレイ412の各小レンズの像を液晶パネル44
1上に結像させる機能を有する。
【0043】偏光変換素子414は、第2レンズアレイ
413と重畳レンズ415との間に配置されるととも
に、第2レンズアレイ413と一体でユニット化されて
いる。このような偏光変換素子414は、第2レンズア
レイ413からの光を1種類の偏光光に変換するもので
あり、これにより、光学装置44での光の利用効率が高
められている。
【0044】具体的に、偏光変換素子414によって1
種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ41
5によって最終的に光学装置44の液晶パネル441上
にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネ
ル441を用いたプロジェクタ1では、1種類の偏光光
しか利用できないため、他種類のランダムな偏光光を発
する光源ランプ416からの光のほぼ半分が利用されな
い。このため、偏光変換素子414を用いることによ
り、光源ランプ416から射出された光束を全て1種類
の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高
めている。なお、このような偏光変換素子414は、た
とえば特開平8−304739号公報に紹介されてい
る。
【0045】色分離光学系42は、2枚のダイクロイッ
クミラー421,422と、反射ミラー423とを備
え、ダイクロイックミラー421、422によりインテ
グレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束
を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離す
る機能を有している。
【0046】リレー光学系43は、入射側レンズ431
と、リレーレンズ433と、反射ミラー432、434
とを備え、色分離光学系42で分離された色光である赤
色光を液晶パネル441Rまで導く機能を有している。
【0047】この際、色分離光学系42のダイクロイッ
クミラー421では、インテグレータ照明光学系41か
ら射出された光束の赤色光成分と緑色光成分とが透過す
るとともに、青色光成分が反射する。ダイクロイックミ
ラー421によって反射した青色光は、反射ミラー42
3で反射し、フィールドレンズ418を通って、青色用
の液晶パネル441Bに到達する。このフィールドレン
ズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各
部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に
変換する。他の液晶パネル441G、441Bの光入射
側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
【0048】また、ダイクロイックミラー421を透過
した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイッ
クミラー422によって反射し、フィールドレンズ41
8を通って、緑色用の液晶パネル441Gに到達する。
一方、赤色光は、ダイクロイックミラー422を透過し
てリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ4
18を通って、赤色光用の液晶パネル441Rに到達す
る。なお、赤色光にリレー光学系43が用いられている
のは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも
長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止
するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射
した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝
えるためである。
【0049】光学装置44は、入射された光束を画像情
報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、
色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つ
の入射側偏光板442と、各入射側偏光板442の後段
に配置される光変調装置としての液晶パネル441R,
441G,441Bと、各液晶パネル441R,441
G,441Bの後段に配置される射出側偏光板443
と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズ
ム444とを備える。
【0050】液晶パネル441R,441G,441B
は、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子と
して用いたものである。光学装置44において、色分離
光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パ
ネル441R,441G,441B、入射側偏光板44
2、および射出側偏光板443によって、画像情報に応
じて変調された光学像を形成する。
【0051】入射側偏光板442は、色分離光学系42
で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過
させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイヤ
ガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。射出
側偏光板443も、入射側偏光板442と略同様に構成
され、液晶パネル441(441R,441G,441
B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ
透過させ、その他の光束を吸収するものである。これら
の入射側偏光板442および射出側偏光板443は、互
いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
【0052】クロスダイクロイックプリズム444は、
射出側偏光板443から射出され、各色光毎に変調され
た光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム444には、赤色光を反
射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜と
が、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設け
られ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成さ
れる。
【0053】以上説明した液晶パネル441、射出側偏
光板443およびクロスダイクロイックプリズム444
は、一体的にユニット化された光学装置本体45として
構成されている。なお、入射側偏光板442は、ライト
ガイド47に形成された図示しない溝部にスライド式に
嵌め込んで取り付けられる。
【0054】図6は、光学装置本体45を示す斜視図で
ある。光学装置本体45は、図6に示すように、クロス
ダイクロイックプリズム444と、このクロスダイクロ
イックプリズム444を下方から支持する金属製の台座
451と、クロスダイクロイックプリズム444の光束
入射端面に取り付けられ、射出側偏光板443を保持す
る金属製の保持板452と、この保持板452の光束入
射側に取り付けられた4つのピン部材453によって保
持される液晶パネル441(441R,441G,44
1B)とを備えている。保持板452と液晶パネル44
1との間には、所定間隔の空隙が設けられており、この
空隙部分を冷却空気が流れるようになっている。投写レ
ンズ46は、図4に示すように、光学装置44のクロス
ダイクロイックプリズム444で合成されたカラー画像
を拡大して投写するものである。
【0055】以上説明した各光学系41〜44は、図4
に示すように、光学部品用筐体としての合成樹脂製のラ
イトガイド47内に収容されている。ライトガイド47
は、図4において内部側の具体的な図示を省略するが、
図5に示す各光学部品412〜415,418,421
〜423,431〜434,442を上方からスライド
式に嵌め込む溝部が形成された下ライトガイド471
と、下ライトガイド471の上部の開口側を閉塞する蓋
状の上ライトガイド472とを備えて構成される。ま
た、図4において、平面視略L字状のライトガイド47
の一端側には、光源装置411が収容され、他端側に
は、ヘッド部49を介して投写レンズ46がねじ止め固
定されている。
【0056】〔3.冷却構造〕ここで、プロジェクタ1
には、前記液晶パネル441を主に冷却するパネル冷却
系Aと、前記電源ユニット3を主に冷却する電源冷却系
Cとが設けられている。ここで、図7は、図4に対し
て、冷却空気の流れる方向を示す矢印を追加して記載し
た図であり、電源冷却系Cを含むプロジェクタ1内の冷
却空気の流れを示す図である。図8は、光学装置44の
下側の構造を模式的に示す斜視図であり、パネル冷却系
Aを説明するための図である。
【0057】図7において、パネル冷却系Aでは、投写
レンズ46の右側に配置された2つのシロッコファン6
1,62が用いられている。また、図8に示すように、
パネル冷却系Aでは、これらのファン61,62にそれ
ぞれ接続されるダクト63,64が用いられている。図
8に示すように、シロッコファン61,62は、外装ケ
ース2側面の吸気口2Aから外部の冷却空気を吸入し
て、この吸引した冷却空気をダクト63,64にそれぞ
れ排出するものである。なお、シロッコファン62は、
シロッコファン61よりも大型のものが採用されてい
る。
【0058】ダクト63は、シロッコファン61から排
出された冷却空気を光学装置44の下方まで誘導するも
のであり、緑色光用の液晶パネル441Gの下方に対応
する位置には、矩形の開口部63Aが形成されている。
また、ダクト64は、シロッコファン62から排出され
た冷却空気を光学装置44の下方まで誘導するものであ
り、赤色光用および青色光用の液晶パネル441R,4
41Bの下方に対応する位置には、矩形の開口部64
A,64Bがそれぞれ形成されている。ここで、図示を
省略するが、前記下ライトガイドの底面において、開口
部63A,64A,64Bに対応する位置には、開口部
が形成されている。
【0059】従って、図8に示すように、パネル冷却系
Aにおいて、シロッコファン61,62によって吸引さ
れた冷却空気は、各液晶パネル441R,441G,4
41Bに加えて、図8では図示しない前記入射側偏光板
および前記射出側偏光板も冷却するように流れることに
なる。図7において、このように液晶パネル441R,
441G,441Bを下方から上方に向けて冷却した冷
却空気は、図示しない回路基板の下面を冷却しながら、
前方から見て左側の軸流ファン66側に引き寄せられ、
図示しない前記外装ケース前面の排気口から排出され
る。
【0060】図7において、電源冷却系Cでは、電源ユ
ニット3の右側に設けられた軸流ファン68が用いられ
ている。軸流ファン68によって、ロアーケース22の
底面部221に形成された吸気口221Bから吸引され
た冷却空気は、電源31およびランプ駆動回路32を冷
却しながら、筒部材31A,32Aに沿って前方から見
て右側から左側へと流れた後、そのほとんどが他の冷却
系統A,Bと同様に、軸流ファン66によって引き寄せ
らた後に、排気ダクト67を介して、図示しない外装ケ
ース前面の排気口から排出される。なお、一部の空気
は、軸流ファン66に引き寄せられずに、直接、前記外
装ケースの排気口から排出される。
【0061】〔4.光源装置の構造〕次に、光源装置4
11の構造について説明する。図9は、光源装置411
を示す斜視図であり、図10は、この光源装置411を
示す分解斜視図である。図11,12は、光源装置41
1を示す縦断面図である。図13は、ライトガイド47
に光源装置411が取り付けられた様子を示す部分斜視
図である。図14は、ライトガイド47に取り付けられ
た光源装置411を示す縦断面図である。
【0062】光源装置411は、図9に示すように、前
述した光源ランプ416およびリフレクタ417と、こ
れらの光源ランプ416およびリフレクタ417が取り
付けられる保持部材500と、この保持部材500の光
束射出側に取り付けられるリング状のシャッタ部材60
0と、保持部材500の一部およびシャッタ部材600
の一部を繋ぐ弾性部材としてのばね700とを備える。
【0063】保持部材500は、図10に示すように、
光源ランプ416を含むリフレクタ417およびシャッ
タ部材600を所定位置に保持する合成樹脂製の部材で
あり、内部が空洞の略直方体状の筐体510と、この筐
体510の光束射出面から突出して形成されたリング状
の保持部520と、このリング状の保持部520の光束
射出面に、はめ込み式に取り付けられるガラス製の透明
板530とを備える。
【0064】筐体510は、上面部511と、下面部5
12と、左右の側面部513,514と、前面部515
とを備え、略直方体状に構成されている。ただし、筐体
510の後面部分は、リフレクタ417を取り付けるた
めに開口されている。また、筐体510は、光源ランプ
416を含むリフレクタ417の先端部分が、光束射出
方向としての前面部515の内面、およびこの内面に直
交する方向としての左側の側面部513の内面に当接さ
れ、光源ランプ416を含むリフレクタ417を位置決
めして保持する部材である。
【0065】上面部511および下面部512には、図
11に示すように、ライトガイド47の内側に形成され
た図示しない凹部と係合する突起511A,512Aが
形成されている。また、図11に示すように、前面部5
15には、略矩形状の開口部515Aが形成されてい
る。光源ランプ416を含むリフレクタ417が筐体5
10に取り付けられると、図10に示すように、光源ラ
ンプ416は開口部515Aから光束射出側へ突出する
ことになる。さらに、図10において、前面部515の
左上端部には、左側面部513の外側へ延びる取り付け
部515Bが設けられている。この取り付け部515B
には、ばね700の一端を取り付けるための孔515C
が形成されている。
【0066】保持部520は、筐体510の光束射出面
に形成され、光源ランプ416の光束射出面を囲むとと
もに、シャッタ部材600を、光源ランプ416の照明
光軸を中心として回動自在に保持するものである。ま
た、保持部520は、光源ランプ416の突出寸法より
も大きな寸法で光束射出側へ突出して構成され、光源ラ
ンプ416と透明板530との接触を防止している。
【0067】保持部520は、断面が、略円形の左右側
を垂直方向に切り落としたような形状で、かつ光源ラン
プ416が筐体510の開口部515Aから突出する寸
法よりも大きな寸法で突出する部材であり、上方へ突出
する曲面状の上面部521と、下方へ突出する曲面状の
下面部522と、左右の側面部523とを備える。
【0068】上面部521には、通気口である矩形状の
排気口521Aが形成されている。なお、図示を省略し
ているが、この排気口521Aには、エアフィルタが設
けられている。また、下面部522には、通気口である
矩形状の吸気口522Aが形成されている。図示を省略
しているが、排気口521Aと同様に、吸気口522A
にもエアフィルタが設けられている。これらのエアフィ
ルタにより、リフレクタ417内への外部からの塵埃の
侵入と、万が一光源ランプ416が破裂した際の外部へ
の破片の漏れとが防止されている。これらの吸気口52
2Aおよび排気口521Aは、光源ランプ416の照明
光軸を中心とする対称位置に形成されている。
【0069】シャッタ部材600は、図10,11に示
すように、光源ランプ416の照明光軸を中心軸とし
て、保持部材500を構成する保持部520に対して回
動して、吸気口522Aおよび排気口521Aを同時に
開閉するように一体的に構成されている。シャッタ部材
600は、保持部520の突出寸法と略同じ幅寸法を有
するリング状のシャッタ本体610と、このシャッタ本
体610の前面と直交し、この前面からシャッタ本体6
10の外側へと延びるように形成されたカバー部620
と、このシャッタ本体610の外周部分から外側へ突出
して形成されたレバー部630とを備える。
【0070】シャッタ本体610は、リング状の保持部
520に対応するリング状に形成され、保持部520に
取り付けられて回動する部分であり、保持部520に形
成された吸気口522Aおよび排気口521Aに対応す
る開口部610A,610Bがそれぞれ所定位置に形成
されている。これらの開口部610A,610Bは、図
11に示すように、シャッタ本体610が保持部520
に取り付けられた際に、光源ランプ416の照明光軸を
中心とする対称位置となるように形成されている。
【0071】カバー部620は、図10に示すように、
吸気口522Aおよび排気口521Aが閉じられた際
に、最下部側の通気口としての吸気口522Aを覆うも
のである。このカバー部620は、シャッタ本体610
が保持部520に取り付けられると、透明板530と略
平行となり、仮に、光源ランプ416が破損した場合で
も、この破片が光束射出側へ飛散しないようになってい
る。
【0072】レバー部630は、プロジェクタ1のライ
トガイド47に光源装置411が取り付けられた際に、
このライトガイド47の一部によって下方へと付勢され
る略矩形板状の部分であり、このように付勢されると、
保持部520に対してシャッタ部材600が回動するよ
うになっている。また、この付勢が解除された場合に
は、付勢方向と反対の方向へシャッタ部材600が回動
する。このレバー部630には、ばね700の他端を取
り付けるための孔630Aが形成されている。
【0073】ばね700は、その両端がレバー部630
の孔630Aと、取り付け部515Bに形成された孔5
15Cとに取り付けられ、その収縮力によって、レバー
部630と取り付け部515Bとを、互いに近接する方
向へと引き寄せるものである。
【0074】なお、ライトガイド47内に光源装置41
1が収納されていない場合には、図12に示すように、
ばね700の収縮により、図11の状態からシャッタ部
材600が矢印Aの方向に回動している。
【0075】次に、シャッタ部材600の回動による、
吸気口522Aおよび排気口521Aの開閉機構につい
て説明する。ここで、ライトガイド47内に光源装置4
11が収納されていない場合には、図12に示すよう
に、ばね700の収縮により、図11の状態からシャッ
タ部材600が矢印Aの方向に回動したような状態とな
る。
【0076】図12に示すように、保持部520にシャ
ッタ本体610が取り付けられた状態では、ばね700
の収縮力によってレバー部630と取り付け部515B
とが近接し、吸気口522Aおよび排気口521Aの位
置と、開口部610A,610Bの位置とがずれて、吸
気口522Aおよび排気口521Aが同時に塞がれる。
このようにして光源装置411が構成される。
【0077】図13,14に示すように、このようにし
て構成された光源装置411がライトガイド47の下部
側に形成された開口から収納されると、ライトガイド4
7の一部である突起47Xがシャッタ部材600のレバ
ー部630と当接して、突起47Xがレバー部630を
下方へ、すなわち、ばね700が伸びる方向へ付勢し、
シャッタ部材600が図14中の反時計回りに回動す
る。図14に示すように、このようにシャッタ部材60
0が回動すると、吸気口522Aおよび排気口521A
の位置と、開口部610A,610Bの位置とが合致
し、吸気口522Aおよび排気口521Aが同時に開放
される。
【0078】ここで、光源装置411をライトガイド4
7から取り外すと、ライトガイド47の突起47Xとレ
バー部630との当接が解除されて、ばね700が収縮
して、シャッタ部材600が図14中の時計回りに回動
する。このようにシャッタ部材600が図14中の時計
回りに回動すると、吸気口522Aおよび排気口521
Aの位置と、開口部610A,610Bの位置とがずれ
た、図12に示す状態となり、吸気口522Aおよび排
気口521Aが同時に塞がれる。
【0079】次に、このような光源装置411を冷却す
る光源冷却系Bについて説明する。図7において、光源
冷却系Bでは、電源ユニット3の下側に設けられた図示
しないシロッコファンと、軸流ファン66と、この軸流
ファン66に取り付けられた排気ダクト67とが用いら
れている。
【0080】前記シロッコファンによって、ロアーケー
ス22の吸気口221A(図3)から吸引された冷却空
気は、ロアーケース22の底面部221内側に形成され
た図示しないガイドに沿って流れた後、図14に示すよ
うに、吸気口522Aから光源装置411内に入り込ん
で光源ランプ416を冷却し、排気口521Aから光源
装置411の外へと出ていく。その後、光源装置411
から出た冷却空気は、図7に示すように、パネル冷却系
Aと同様に、軸流ファン66によって引き寄せられ、排
気ダクト67を介して、図示しない外装ケース前面の排
気口から排出される。
【0081】〔5.実施形態の効果〕本実施形態によれ
ば、以下のような効果がある。 (1)保持部520に設けられた透明板530とリフレク
タ417とによって囲まれた空間に対して、冷却空気を
流通させる吸気口522Aおよび排気口521Aを保持
部520に構成したので、吸気口522Aから排気口5
21Aへと外部の冷却空気を導いて、リフレクタ417
内の光源ランプ416を効率的に冷却でき、光源ランプ
416の長寿命化を図ることができる。
【0082】(2)光源装置411がライトガイド47か
ら取り外された状態では、ばね700の収縮力により、
レバー部630と取り付け部515Bとが近接して、吸
気口522Aおよび排気口521Aを同時に閉じること
ができる。このため、万が一、光源ランプ416の発光
管が破裂して光源装置411の交換が必要となった場合
でも、ライトガイド47から光源装置411を取り外す
際に、シャッタ部材600が吸気口522Aおよび排気
口521Aを塞ぐため、これらの破片が光源装置411
の外部、すなわちプロジェクタ1の内部へ飛散すること
を確実に防止できて、プロジェクタ1を確実に動作でき
る。
【0083】(3)光源装置411がライトガイド47に
取り付けられた状態では、レバー部630とライトガイ
ド47の突起47Xとの当接により、ばね700が延伸
して、保持部520に対してシャッタ部材600が回動
し、吸気口522Aおよび排気口521Aを同時に開放
できる。このため、光源装置411をライトガイド47
に収納して、プロジェクタ1の光源として使用する際
に、光源ランプ416に確実に冷却空気を送って、光源
ランプ416を確実に冷却できる。
【0084】(4)以上のように、シャッタ部材600
を、吸気口522Aおよび排気口521Aの開閉を同時
に行う一体的構成の部材としたので、吸気口522Aお
よび排気口521Aに対応してシャッタ部材をそれぞれ
の側に設ける場合に比べて、シャッタ部材の構成部材点
数を減少できて、シャッタ部材による開閉の構造を簡素
化でき、光源装置411の製造コストを抑えることがで
きる。
【0085】(5)筐体510の内面や左側の側面部51
3で光源ランプ416を含むリフレクタ417を所定位
置に位置決めするように構成したので、射出成形によっ
て筐体を成形することにより、光源ランプ416の照明
光軸の位置を安定させることができる。さらに、このよ
うな構成の光源装置411をプロジェクタ1に採用した
ので、プロジェクタ1は、安定した高品質な画像を投写
できる。
【0086】(6)シャッタ部材600をリング状とし、
このリング状のシャッタ部材600に対応するリング状
の保持部520を設けて光源装置411を構成したの
で、保持部520にシャッタ部材600を取り付けるだ
けで、これらのリング状の曲面に沿ってシャッタ部材6
00を滑らかに回動できる。このようなリング状という
簡単な形状でありながら、シャッタ部材600を確実に
回動させることができ、光源装置411の製造コストを
抑えることができる。
【0087】(7)シャッタ部材600には、吸気口52
2Aおよび排気口521Aが閉じられた際に、光源装置
411の下側に位置する吸気口522Aを覆うカバー部
620を形成したので、万が一光源ランプ416が破裂
して、シャッタ部材600と吸気口522Aとの隙間か
ら光源ランプ416の破片がはみ出たとしても、これら
の破片が集まる下側の吸気口522Aをカバー部620
によって二重に覆ったので、これらの破片の飛散をより
一層確実に防止できる。
【0088】(8)吸気口522Aおよび排気口521A
を、光源ランプ416の照明光軸を中心とする対称位置
に形成したので、リフレクタ417内全体に冷却空気を
導入して、リフレクタ417内に滞留する熱を確実に外
部へと排出でき、光源ランプ416の冷却効率をさらに
高めて、光源ランプ416の長寿命化をより一層図るこ
とができる。
【0089】(9)保持部520において、下側に吸気口
522Aを形成し、上側に排気口521Aを形成したの
で、光源ランプ416によって熱せられた空気が上方へ
流れることから、この熱風を光源装置411の外部へと
確実に排出できる。
【0090】(10)ばね700によって、シャッタ部材6
00のレバー部630と保持部520に設けられた取り
付け部515Bとを接続して、保持部520に対してシ
ャッタ部材600が回動する簡単な構成で、吸気口52
2Aおよび排気口521Aの同時開閉を確実にかつ簡単
に行うことができる。
【0091】〔6.実施形態の変形〕なお、本発明は、
前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的
を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形
等も本発明に含まれる。例えば、前記実施形態におい
て、保持部520には、下側に吸気口522Aを1つ形
成し、上側に排気口521Aを1つ形成し、これらの吸
気口522Aおよび排気口521Aが光源ランプ416
の照明光軸を中心とした対称位置に構成したが、これと
は逆に、上側に吸気口522Aを形成し下側に排気口5
21Aを形成してもよい。また、吸気口522Aおよび
排気口521Aは、保持部520の各側において、それ
ぞれ2つ以上形成してもよい。さらに、吸気口522A
および排気口521Aは、照明光軸を中心とした対称位
置ではない位置に構成してもよい。また、吸気口522
Aおよび排気口521Aは、例えば、保持部520の左
右側等の上下側以外の位置に形成してもよい。要する
に、吸気口522Aおよび排気口521Aにおいて、保
持部520における位置、互いの相対位置、形状、数等
は特に限定されないということである。なお、これらの
吸気口522Aおよび排気口521Aは、保持部520
ではなく、リフレクタ417に形成してもよいし、透明
板530の一部を切り欠いて構成してもよい。
【0092】前記実施形態において、シャッタ部材60
0が、保持部材500の保持部520に対して、光源ラ
ンプ416の照明光軸を中心として回動する構成とした
が、これに限らず、例えば、保持部520に対して前記
照明光軸と平行な方向に沿って、または、この照明光軸
に直交する方向に摺動する構成としてもよいし、この照
明光軸を含む面内で回転する方向に摺動する構成でもよ
い。要するに、シャッタ部材600の摺動方向は、特に
限定されないということである。
【0093】前記実施形態において、シャッタ部材60
0をリング状としたが、これに限らず、摺動する方向に
あわせて、矩形状等のその他の形状としもよく、滑らか
に摺動できれば、特にその形状は限定されない。
【0094】前記各実施形態において、3つの光変調装
置を用いたプロジェクタを採用したが、これに限らず、
例えば、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクタ、
2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、あるいは、4
つ以上の光変調装置を用いたプロジェクタであってもよ
い。
【0095】前記各実施形態において、光変調装置とし
て液晶パネルを採用したが、これに限らず、例えば、マ
イクロミラーを用いたデバイス等の液晶以外の光変調装
置を採用してもよい。さらに、前記実施形態では、透過
型の光変調装置を用いたが、反射型の光変調装置を用い
てもよい。
【0096】前各記実施形態では、スクリーンを観察す
る方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタ
としたが、スクリーンの観察方向の後ろ側から投写を行
なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。そ
の他、本発明の実施時の具体的な構造および形状等は、
本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよ
い。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、光源ランプが破裂した
際に、その破片を外部に飛散させることなく、光源ラン
プを効率的に冷却して光源ランプの長寿命化を図ること
ができるとともに、機構を簡素化して部材点数を減少で
きて製造コストを抑えることができるいう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプロジェクタを上方から見た斜視
図である。
【図2】前記プロジェクタを後方から見た斜視図であ
る。
【図3】前記プロジェクタを下方から見た斜視図であ
る。
【図4】前記プロジェクタの内部を示す斜視図であり、
具体的には、図1の状態から前記プロジェクタを構成す
るフロントケース、上部シールド部材、回路基板を外し
た図である。
【図5】前記プロジェクタを構成する光学ユニットを模
式的に示す平面図である。
【図6】前記光学ユニットを構成する光学装置の一部で
ある光学装置本体を示す斜視図である。
【図7】図4に対して、冷却空気の流れる方向を示す矢
印を追加して記載した図であり、電源冷却系を含む前記
プロジェクタ内の冷却空気の流れを示す図である。
【図8】前記プロジェクタにおいて、前記光学装置の下
側の構造を模式的に示す斜視図であり、パネル冷却系を
説明するための図である。
【図9】前記プロジェクタを構成する光源装置を示す斜
視図である。
【図10】前記光源装置を示す分解斜視図である。
【図11】前記光源装置を示す縦断面図である。
【図12】前記光源装置を示す縦断面図である。
【図13】前記プロジェクタを構成するライトガイドに
前記光源装置が取り付けられた様子を示す部分斜視図で
ある。
【図14】前記ライトガイドに前記光源装置が取り付け
られた様子を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 光学機器としてのプロジェクタ 47 ライトガイド 47X 突起 411 光源装置 416 光源ランプ 417 リフレクタ 500 保持部材 510 筐体 515B 保持部材の一端である取り付け部 520 保持部 521A 複数の通気口を構成する排気口 522A 複数の通気口を構成する吸気口 530 透明板 600 リング状のシャッタ部材 610A,610B 複数の通気口を構成する開口部 620 カバー部 630 レバー部 700 弾性部材としてのばね B 光源冷却系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/74 H04N 5/74 E K // F21Y 101:00 F21Y 101:00 Fターム(参考) 3K014 AA01 LA01 MA02 MA05 MA08 5C058 AA06 AB03 AB06 BA35 EA02 EA26 EA52

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源ランプと、この光源ランプから放射
    された光束を揃えて射出するリフレクタと、前記光源ラ
    ンプおよびリフレクタを、光束射出方向およびこれに直
    交する方向に位置決めして保持する保持部材とを備える
    光源装置であって、 前記保持部材は、前記リフレクタの光束射出面側を覆う
    透明板と、前記リフレクタの光束射出面近傍に形成さ
    れ、外部から前記光源ランプに冷却空気を導入する複数
    の通気口とを備え、 前記保持部材の光束射出部分には、該保持部材に対して
    摺動し、前記複数の通気口を同時に開閉する一体的なシ
    ャッタ部材が設けられていることを特徴とする光源装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光源装置において、 前記シャッタ部材は、前記光源ランプの照明光軸を軸と
    して回動することを特徴とする光源装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光源装置において、 前記シャッタ部材は、リング状に構成され、 前記保持部材の光束射出面には、前記光源ランプの光束
    射出面を囲むようにリング状に形成され、前記シャッタ
    部材を回動自在に保持する保持部が設けられていること
    を特徴とする光源装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光源装置において、 前記シャッタ部材には、前記複数の通気口が閉じられた
    際に、少なくとも複数の通気口のうち、最も下部側に位
    置する通気口を覆うカバー部が形成されていることを特
    徴とする光源装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の光源装
    置において、 前記複数の通気口は、前記保持部材において前記光源ラ
    ンプの照明光軸を中心とする対称位置に形成されている
    ことを特徴とする光源装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の光源装置において、 前記複数の通気口は、前記保持部材の上下側に少なくと
    も1つずつ形成されていることを特徴とする光源装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の光源装
    置において、 前記シャッタ部材には、レバー部が一体的に構成され、 このレバー部と前記保持部材の一端との間には、これら
    のレバー部と保持部材とを互いに近接する方向に引き寄
    せる弾性部材が設けられ、 このレバー部は、光学機器に該光源装置が取り付けられ
    た際に、この光学機器の一部によって、前記近接する方
    向とは反対の方向に付勢されて、前記保持部材に対して
    該シャッタ部材が一定方向に摺動することを特徴とする
    光源装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の光源装
    置を備えることを特徴とする光学機器。
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