JP2003213221A - 光沢復元剤組成物原液、及び光沢復元剤組成物 - Google Patents

光沢復元剤組成物原液、及び光沢復元剤組成物

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JP2003213221A
JP2003213221A JP2002012735A JP2002012735A JP2003213221A JP 2003213221 A JP2003213221 A JP 2003213221A JP 2002012735 A JP2002012735 A JP 2002012735A JP 2002012735 A JP2002012735 A JP 2002012735A JP 2003213221 A JP2003213221 A JP 2003213221A
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gloss
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plasticizer
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floor
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Toshihiro Yaginuma
敏博 柳沼
Masachika Hiwatari
将央 樋渡
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Yushiro Chemical Industry Co Ltd
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Yushiro Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い光沢復元効果を持続的に発揮することが
でき、メンテナンス用具の手入れに時間を要することが
なく、また汚れや変色を招くことのない光沢復元剤組成
物原液、及び光沢復元剤組成物を提供する。 【解決手段】 合成樹脂に対し可塑効果を有する低揮発
性可塑剤物質を単独で、又は複数種類を組み合わせて、
界面活性剤により可溶化又は乳化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック系床
材、石材・セメント系床材、及び木質系床材に塗布され
た水性フロアーポリッシュ・ポリマータイプの乾燥皮膜
に擦り傷等がつけられた際に光沢復元を目的として用い
られる光沢復元剤組成物原液、及び光沢復元剤組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】フロアーポリッシュは、床材の保護と美
観の維持向上を目的として使用される製品である。JI
S K3920(2001年11月改訂版)によれば、
フロアーポリッシュは、建築物の床清掃用化学製品のひ
とつとして、図1に示されるような位置付けがなされて
いる。フロアーポリッシュの中で、水性フロアーポリッ
シュは、ワックス及び、天然又は合成樹脂などを水に溶
解又は乳化したものである。このうちポリマータイプ
は、低揮発性成分として合成樹脂などのポリマーを主成
分としたものである。この水性フロアーポリッシュ・ポ
リマータイプは床面に塗布しただけで、透明で優れた光
沢を持つ硬い皮膜を形成する。ここで代表的な水性フロ
アーポリッシュ・ポリマータイプの主な成分とその配合
上の量的な目安とを表1に示す。
【0003】
【表1】
【0004】表1において、合成樹脂はアクリル樹脂や
スチレン−アクリル共重合樹脂、ウレタン樹脂等を主体
とし、これらがエマルジョン化されて使用されている。
これらの合成樹脂の多くは金属架橋型で、金属(亜鉛な
ど)を配合して、耐洗剤性と剥離性とのバランスを取っ
ている。また、水性フロアーポリッシュ・ポリマータイ
プに配合される合成樹脂は硬く、常温においてパウダー
化して、皮膜になりにくい。このため、これを常温にお
いて皮膜が形成できるようにする目的で、可塑剤が使用
される。水性フロアーポリッシュ・ポリマータイプによ
る皮膜は耐久力があり、強靭であってブラックヒールマ
ークやスカッフマークなどの汚れに対して強い抵抗力が
ある。このため、水性フロアーポリッシュ・ポリマータ
イプは、主に汚染の激しい業務用フロアーの維持管理に
広く使用されている。
【0005】このような水性フロアーポリッシュ・ポリ
マータイプの皮膜も、歩行等により傷つき磨耗すると同
時に汚れが付着して次第に美観が損なわれてゆく。そこ
で洗浄して汚れを除去した後、再度フロアーポリッシュ
を塗布して傷を補修する作業(以下において「ウエット
作業方式」という。)が一般に採用されている。このウ
エット作業方式は、洗浄と塗布作業の間、床面がぬれた
状態で放置されるため、作業時間は夜間や休日など人が
歩行しない時間帯に限定される。また、多大な作業時間
と人員とを要する。このため、現在では毎分1000回
転以上の能力があるバフィングマシン(以下において
「超高速バフ機」という。)を活用して傷ついた床面を
磨き、長時間床面を濡らさないで光沢を復元する作業
(以下において「ドライ作業方式」という。別名「ドラ
イメンテナンス」とも呼ばれる。)と組み合わせてメン
テナンスが実施されている。このようなドライ作業方式
による光沢復元効果によって、ウエット作業方式を実施
するサイクルが実質的に2倍に延長されている。
【0006】上記のドライ作業方式においては、主にド
ライバフが行われる。しかし、ドライ作業方式単独では
光沢を復元するのに時間がかかり、光沢復元性にも限界
がある。このため、光沢復元性向上を目的にグリコール
系溶剤を含有する組成物(以下において「スプレー剤」
という。)を床面にスプレー、又は自動滴下してフロア
−ポリッシュ皮膜が軟化したところで、直ちにバフィン
グする作業(以下において「スプレーバフ作業」とい
う。)の併用をすることが行われている。これらの標準
的な床のメンテナンス作業とその実施頻度とを図2に示
す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のスプレ
ーバフ作業においては、スプレー後直ちにバフィングを
行う必要がある。時間がたつとグリコール系溶剤が揮発
して消失してしまうからである。その結果、光沢復元効
果の持続性に乏しく、また、光沢復元効果自体も不十分
であるという問題があった。また、従来のスプレー剤
は、樹脂皮膜とともにバフィングパッドおよびバフィン
グマシンに蓄積してガム状物質を形成する。このためメ
ンテナンス用具の手入れに時間を要するという問題もあ
った。さらにおろそかなスプレー作業によりバフィング
作業隣接部分への飛散が原因となって、汚れや変色を招
いてしまうという問題もあった。
【0008】そこで、本発明は、高い光沢復元効果を持
続的に発揮することができ、メンテナンス用具の手入れ
に時間を要することがなく、また汚れや変色を招くこと
のない光沢復元剤組成物原液、及び光沢復元剤組成物を
提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、スプレ
ー撒布方式ではなく、モップによる塗布又はこれに類す
る方法、若しくは自動滴下方法により、床面に付着させ
ることができ、揮発成分(水を含む。)が揮発してから
でも高い光沢復元効果を持続し、かつガム状物質を形成
しにくい物質について鋭意検討を重ねた。その結果、水
性フロアーポリッシュ・ポリマータイプに配合される合
成樹脂に対し可塑効果を有する低揮発性可塑剤物質を主
原料として、これを界面活性剤により乳化又は可溶化し
た組成物により上記課題を解決することができることを
見出した。
【0010】本発明の第一態様は、合成樹脂に対し可塑
効果を有する低揮発性可塑剤物質を単独で、又は複数種
類を組み合わせて、界面活性剤により可溶化又は乳化を
可能とした光沢復元剤組成物原液である。
【0011】また、本発明の第二態様は合成樹脂に対し
可塑効果を有する低揮発性可塑剤物質を単独で、又は複
数種類を組み合わせて、界面活性剤により可溶化又は乳
化した光沢復元剤組成物である。したがってこの第二態
様の光沢復元剤組成物は、第一態様の光沢復元剤組成物
原液に水を加えたものに相当する。
【0012】ここに光沢復元剤組成物は水性フロアーポ
リッシュ・ポリマータイプが塗布された床の光沢回復に
使用される。「水性フロアーポリッシュ・ポリマータイ
プ」とは、清掃に用いる化学製品のうち床材の保護・美
観のために塗布するものである。そしてこれは、乾燥後
に皮膜を形成し物理的・化学的方法によって容易に除去
されるものである。さらに、「水性フロアーポリッシュ
・ポリマータイプ」は、低揮発性成分として合成樹脂な
どのポリマーを主原料として、これらが水に溶解又は乳
化されたものをいう(JIS K3920「フロアーポ
リッシュ試験方法」参照)。水性フロアーポリッシュ・
ポリマータイプは、主原料の合成樹脂として、アクリル
樹脂やスチレン−アクリル共重合樹脂、ウレタン樹脂等
を主体としたものが市販され入手可能であるが、本発明
における「合成樹脂」とは、これらに限定されるもので
はなく、広く硬質皮膜を形成することが可能な合成高分
子化合物一般を含む概念である。したがって本発明にお
ける「可塑効果」とは、上記合成高分子化合物に、柔軟
性、たわみ性などの塑性を与えることをいい、「可塑
剤」とは、合成樹脂に可塑効果を与える有機化合物をい
う。
【0013】また、「低揮発性」とは、揮発性に対応す
る概念であり、具体的には、JISK6751(199
5)「フタル酸エステル試験方法」の3.7「加熱減
量」に規定される試験法により測定される加熱減量が、
10.0%以下の数値を示すものをいう。参考までに上
記試験の概要は、約30gの試料を125℃の温度の
下、3時間保持した後の減量を測定するというものであ
る。
【0014】本発明における低揮発性可塑剤物質とし
て、例えば、トリメチルフォスフェート(TMP)、ト
リエチルフォスフェート(TEP)、トリブチルフォス
フェート(TBP)、トリス(2−エチルヘキシル)フ
ォスフェート(TOP)、トリス(ブトキシエチル)フ
ォスフェート(TBXP)、モノブトキシメチルフォス
フェート、モノブトキシエチルフォスフェート、モノブ
トキシブチルフォスフェート、ジブトキシメチルフォス
フェート、ジブトキシエチルフォスフェート、ジブトキ
シブチルフォスフェート、トリブトキシメチルフォスフ
ェート、トリブトキシエチルフォスフェート、トリブト
キシブチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェー
ト(TPP)、トリクレジルフォスフェート(TC
P)、トリキシレニルフォスフェート(TXP)、クレ
ジルジフェニルフォスフェート(CDP)、2−エチル
ヘキシルジフェニルフォルフェート等のリン酸エステ
ル、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレー
ト(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ビス
(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)、ジ−n
−オクチルフタレート(N−DOP)、ジノニルフタレ
ート(DNP)、フタル酸混基エステル(C6〜C1
1:C610、711P等)、ブチルベンジルフタレー
ト(BBP)、2−エチルヘキシルベンジルフタレー
ト、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジイソノニ
ルフタレート(DINP)、ブチルシクロヘキシルフタ
レート、ジウンデシルフタレート(DUP)、エチルフ
タリルエチルグリコレート等のフタル酸エステル、ジメ
チルアジペート(MA)、ジブチルアジペート(DB
A)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジイソノ
ニルアジペート(DINA)、ジイソデシルアジペート
(DIDA)、ビス(ブチルジグリコール)アジペート
(BXA)、ビス(2−エチルへキシル)アジペート
(DOA)、アジピン酸ジノルマルアルキル(C6,
8,10:610A)、アジピン酸ジアルキル(C7,
9:79A)等のアジピン酸エステル、ビス(2−エチ
ルヘキシル)アゼレート(DOZ)等のアゼライン酸エ
ステル、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジ
ブチルフマレート等のフマル酸エステル、マレイン酸エ
ステル、ジメチルセバケート(DMS)、ジブチルセバ
ケート(DBS)、ビス(二−エチルヘキシル)セバケ
ート(DOS)、ベンジルセバケート等のセバシン酸エ
ステル、メチルアセチルリシノレート(MAR)等のリ
シノール酸エステル、ドデカン二酸エステル、ジエチル
サクシネート(DESU)、アセチルトリブチルサイト
レート(ATBC)等のクエン酸エステル、トリス(2
−エチルヘキシル)トリメリテート、トリイソデシルト
リメリテート等のトリメリット酸エステル、テトラメリ
ット酸エステル、ペンタエリスリトール、ポリ(1,3
−ブタンジオールアジペート)、エポキシ大豆油(ES
BO)等のポリエステル・エポキシ化エステル、グリセ
リルトリアセテート、2−エチルヘキシルアセテート等
の酢酸エステル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等
のスルホンアミド、ε−カプロラタム、などを使用する
ことができる。また、本発明においては、これらの低揮
発性可塑剤物質は単独で、または複数種類を組み合わせ
て使用することができる。
【0015】第一実施形態の光沢復元剤組成物原液、及
び第二実施形態の光沢復元剤組成物は、上記低揮発性可
塑剤物質に界面活性剤を加え、水に対し乳化若しくは可
溶化を可能とし、又は水にて、乳化若しくは可溶化して
いる。ここに「界面活性剤」とは、液体の表面張力を減
らし、液体間又は液体と固体間の界面張力を減じる可溶
性の化合物をいう。本発明においては、界面活性剤とし
て、例えばアルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルスル
ホン酸塩、脂肪酸石鹸等の陰イオン(アニオン)系界面
活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン
(ノニオン)系界面活性剤、パーフルオロアルキルカル
ボン酸塩、パーフルオロアルキルアミノ酸、ポリオキシ
エチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界
面活性剤、及びポリオキシエチレンメチルポリシロキサ
ン等のシリコーン系界面活性剤などを使用することがで
きる。
【0016】上記第一実施形態の光沢復元剤組成物原
液、及び第二実施形態の光沢復元剤組成物は所定量の水
に希釈して使用することができるので、希釈倍率を変化
させることによって、低揮発性可塑剤物質を水性フロア
ーポリッシュ・ポリマータイプの皮膜表面に所望する割
合にて塗布することができる。そして、低揮発性可塑剤
物質は皮膜表面の合成樹脂層に浸透して可塑効果を発揮
するので、合成樹脂層の塑性変形が容易なものとなる。
さらに、高速バフィングにより発生する摩擦熱によっ
て、皮膜表面を軟化・流動化させる事により、傷ついた
凹部が埋められて皮膜表面が平滑化され、光沢の復元が
実現される。しかも上記したように、低揮発性可塑剤物
質は、水に希釈することにより皮膜表面の面積に対し
て、任意の量を塗布することが可能であるので、皮膜表
面の合成樹脂層の可塑化に必要かつ十分な可塑剤を供給
することができる。さらに可塑剤物質は低揮発性である
ので、塗布後直ちにバフィングを行うことを要しない。
したがって床清掃作業工程の自由度を高めることができ
る。また不測の乾燥による光沢むらや着色が発生する恐
れがない。
【0017】本発明の第三態様は、合成樹脂に対し可塑
効果を有する一種又は複数種類の低揮発性可塑剤物質
と、界面活性剤と、アルコール系溶剤、グリコール系溶
剤、若しくはアミン系溶剤のうちいずれか一種、又は複
数種類の組み合わせと、を含む光沢復元剤組成物であ
る。この第三態様の光沢復元剤組成物は、第二態様の光
沢復元剤組成物に、アルコール系溶剤、グリコール系溶
剤、若しくはアミン系溶剤のうちいずれか一種、又はこ
れらのうち、複数種類の組み合わせを添加したものであ
る。これらの添加によって、高濃縮化及び乳化安定性の
向上を実現することができる。
【0018】本発明に使用されるアルコール系溶剤とし
ては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール及び3−メチル−3−メトキシブタノール(別
名;ソルフィット)等が挙げられる。
【0019】また、グリコール系溶剤としては、例え
ば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ
プロピルエーテル及びジプロピレングリコールモノプロ
ピルエーテル等が挙げられる。
【0020】さらにアミン系溶剤としては、例えば、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノール
アミン、アミノエチルエタノールアミン、メチルモノエ
タノールアミン、エチルモノエタノールアミン、プロピ
ルモノエタノールアミン、イソプロピルモノエタノール
アミン、ブチルモノエタノールアミン、イソブチルモノ
エタノールアミン、NN−ジエチルアミノエタノール、
NN−ジプロピルアミノエタノール、N−エチルジエタ
ノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、及び
これらのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。こ
れらの溶剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併
用してもよい。尚、上記のアルコール系溶剤、グリコー
ル系溶剤、又は、アミン系溶剤は、第二態様の光沢復元
剤組成物100質量%に対して10〜30質量%程度の
使用量とすればよい。
【0021】上記第三態様の光沢復元剤組成物におい
て、低揮発性可塑剤物質の含有量は0.0125〜2
5.0質量%であることとしてもよい。この低揮発性可
塑剤物質の含有量はより好ましくは0.025〜20質
量%とすることが望ましい。
【0022】このように構成した場合には、界面活性剤
にて乳化した組成物は乳化安定性に優れ、経時変化によ
り、油層と水層とに分離する傾向が低い。このようにし
て本光沢復元剤組成物の商品価値を高めることができ
る。ただし本発明の光沢復元剤組成物は、たとえ油層と
水層に分離しても、使用の直前に攪拌して均一に混合す
れば何ら問題なく使用することもできる。したがって乳
化安定性を必須条件とはしない環境下にある場合には、
低揮発性可塑剤物質を25質量%以上含むこととしても
何ら問題はない。また低揮発性可塑剤物質の含有量下限
は、乳化安定性によっては規制されず、光沢復元効果を
発揮できる床面への最小限塗布量により決定される。本
願発明者等の知見によれば、不十分ながらには、光沢復
元性が認められるためには、第二又は第三態様の光沢復
元剤組成物を水で希釈せずそのまま床面へ塗布したと
き、塗布量が10ml/mの場合には0.025質量
%、塗布量が20ml/mの場合には0.0125質
量%が低揮発性可塑剤物質の含有率下限となる。さらに
十分な光沢復元性を得るためには、第二又は第三態様の
光沢復元剤組成物を水で希釈せずそのまま床面へ塗布し
たとき、塗布量が10ml/mの場合には0.05質
量%、塗布量が20ml/mの場合には0.025質
量%が低揮発性可塑剤物質の含有率下限となる。
【0023】このような態様を持つ本発明の光沢復元剤
組成物は、まず製造釜に所定量の各原料を仕込み、次い
で室温下で均一透明となるまで攪拌して仕上げ、製造さ
れる。
【0024】本発明は、水性フロアーポリッシュ・ポリ
マータイプが塗布された床面の光沢復元方法であって、
水性フロアーポリッシュ・ポリマータイプに配合される
合成樹脂に対し可塑効果を有する低揮発性可塑剤物質を
床面に塗布する工程と、低揮発性可塑剤物質が塗布され
た床面をバフィングする工程とを備えた床面の光沢復元
方法として構成することも可能である。
【0025】このように構成された床面の光沢復元方法
によれば、合成樹脂に対し可塑効果を持つ低揮発性可塑
剤が、水性フロアーポリッシュ・ポリマータイプの合成
樹脂層表面に塗布されるので、経時変化によって、可塑
剤が失われた合成樹脂表面部に可塑剤を浸透させて補給
することができる。このように可塑剤が補給された合成
樹脂表面をバフィングすることにより、バフィングによ
り発生する摩擦熱によって、皮膜表面を軟化・流動化さ
せ、傷ついた凹部が埋められて皮膜表面が平滑化されて
光沢の復元が実現される。また可塑剤は低揮発性である
ので、バフィング作業を短時間内に行わなくとも可塑剤
の効果は失われることがない。したがって作業工程の自
由度を高めることができる。
【0026】さらに、上記の光沢復元方法において、低
揮発性可塑剤物質の床面への塗布量は、0.0025m
l/m以上であることとして構成してもよい。この塗
布量は0.005ml/m以上であればさらに好まし
い。
【0027】このように構成すれば、光沢復元に最適な
量の低揮発性可塑剤物質を床面に塗布することができ
る。
【0028】上記第一態様〜第三態様の光沢復元剤組成
物原液、及び光沢復元剤組成物には、その目的に応じて
他の成分を配合することが可能である。例えば、臭気改
善を目的とした香料、泡立ち防止を目的とした消泡剤、
混合される水の水質改善を目的とした水質軟化剤、防腐
剤等を任意の割合で使用することもできる。
【0029】本発明の光沢復元剤組成物原液、及び光沢
復元剤組成物は、ビニル床タイル、ビニル床シート等の
プラスチック系床材、フローリング等の木質系床材、大
理石等の石質系床材等の床面に塗布された水性フロアー
ポリッシュ・ポリマータイプの皮膜表面の光沢復元に使
用することができる。また、光沢復元剤組成物を水にて
原液〜200倍に希釈することにより、光沢復元を可能
とする量の低揮発性可塑剤物質を皮膜表面に塗布するこ
とができる。このように本発明においては、光沢復元剤
組成物原液、又は光沢復元剤組成物と水とを任意の割合
に混合して濃度を調製することができるので、スプレー
撒布方式を必要とせず、モップによる塗布、若しくはこ
れに類似する方法、又は自動滴下方法により床面に付着
させることができる。さらに、濃度調整によって光沢復
元効果を自在に設定することが可能であり、また、作業
の直前に水に希釈すればよい。このように構成すること
により、取り扱いが容易となり、また低廉なコストによ
る作業を実現できるという利点がある。このように希釈
液をモップによる塗布、又はこれに類似する方法、若し
くは自動滴下方法により床面に付着させ、超高速バフ機
又はポリッシャーにより床面を磨き、光沢を復元させる
ことができる。
【0030】本発明のこのような作用及び利得は、次に
説明する実施の形態から明らかにされる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施例及び比較例に
基づきさらに具体的に説明する。ただし本発明はこれら
実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例、
比較例における数字は、組成物中の各成分の質量%を示
す。
【0032】
【実施例】(組成物配合)表2〜表4に光沢復元剤組成
物組成の14の実施例、表5に光沢復元剤組成物組成の
6の比較例を示す。
【0033】
【表2】光沢復元剤組成物実施例組成(質量%)
【0034】
【表3】光沢復元剤組成物実施例組成(質量%)
【0035】
【表4】光沢復元剤組成物実施例組成(質量%)
【0036】
【表5】光沢復元剤組成物比較例組成(質量%)
【0037】上記表2〜5において、実際に使用した各
成分の物質名、入手先、及び商品名は表6に示すとおり
である。
【0038】
【表6】
【0039】(評価方法) <乳化安定性>実施例1〜10及び比較例1〜10の組
成物を容量140mlのガラス容器に100mlづつ取
り、密栓をして室温下で2週間放置して外観の均一性を
目視観察して評価した。評価結果は下記の3段階で表示
した。 ○:液が透明で均一である。 △:液が半透明であるが均一である。 ×:液に分離・沈降物が認められる。
【0040】<光沢復元性>図3に光沢復元性評価方法
の工程図を示す。以下に図3を参照しつつ光沢復元性評
価方法について説明する。まず、白色ホモジニアスビニ
ル床タイルに、水性フロアーポリッシュ・ポリマータイ
プ(商品名:ポリーズユシロンコートぬりピカ)を3回
塗布(JIS K3920−7「試験片の作製」に準
拠)して試験片を作製した(ステップS1)。この試験
片の表面光沢度をJIS K3920−15「光沢度」
に規定される方法により測定し、「光沢度A」として記
録した(ステップS2)。次いで、作製した試験片につ
いて、1000人/日の歩行試験を30日実施した(ス
テップS3)。このときの試験片の光沢度もJIS K
3920−15「光沢度」に規定される方法により測定
し、「光沢度B」として記録した(ステップS4)。そ
の後、実施例1〜14、及び比較例1〜6の各組成物を
水にて20倍に希釈して、10ml/mの割合でガー
ゼを用いて試験片表面に塗布した(ステップS5)。そ
して、塗布された希釈液が十分に乾燥されたことを目視
にて確認した後、さらに30分間室温放置した(ステッ
プS6)。さらに、この試験片を超高速バフ機(アマノ
株式会社製、クリンスターD−430)を用いて毎分1
500回転の条件でバフィングした(ステップS7)。
そしてバフィング後の光沢度を再びJIS K3920
−15「光沢度」に規定される方法により測定し、「光
沢度C」として記録した(ステップS8)。次式により
光沢復元率R(%)を算出した。 R=100(C−B)/(A−B) 評価結果は下記の3段階にて表示した。 ○:光沢復元率Rが80%以上 △:光沢復元率Rが30%以上、80%未満 ×:光沢復元率Rが30%未満
【0041】(評価結果)乳化安定性及び光沢復元性に
関する評価結果を表7及び表8に示す。
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】<乳化安定性>可塑剤成分の配合量が1質
量%では、界面活性剤の配合のみで乳化安定性は良好で
あった(実施例1)。当然なことながら、これ以下の可
塑剤成分の配合量において、さらにアルコール系溶剤、
グリコール系溶剤、又はアミン系溶剤を単独であるいは
組み合わせて所定量添加した場合、乳化安定性は良好で
あった(実施例11〜14)しかし、可塑剤成分の配合
量が2%を超えると界面活性剤のみでは乳化安定性は不
良となった(実施例2〜実施例7)。このレベルで乳化
を安定させるためには、アルコール系溶剤、グリコール
系溶剤、又はアミン系溶剤を単独であるいは組み合わせ
て所定量添加する必要があった(実施例8及び実施例
9)。しかし、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、
又はアミン系溶剤を配合しても可塑剤成分の配合量が2
5質量%を超えると、もはや透明均一なレベルでの乳化
安定性を保持することは困難となった(実施例10)。
【0045】<光沢復元性>可塑剤を配合しない場合、
光沢復元性は不良(復元率30%未満)であった(比較
例1〜比較例6)。可塑剤を0.5質量%配合した場
合、光沢復元性は認められるものの不十分なレベル(復
元率30%以上、80%未満)であった(実施例11〜
実施例14)。可塑剤を1.0質量%以上配合した場
合、十分な光沢復元性(復元率80%以上)を得ること
ができた(実施例1〜10)。
【0046】ただし、上記の結果は、各実施例又は比較
例に示された組成物を水にて20倍に希釈したものを床
面に10ml/mの割合で塗布したものである。した
がって、床面1mあたりの可塑剤の塗布量に換算する
と、0.0025ml/mで不十分ながら効果が認め
られ、0.005ml/m以上で十分な光沢復元性が
得られたことになる。
【0047】以上、現時点において、もっとも、実践的
であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して
本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示さ
れた実施形態・実施例に限定されるものではなく、請求
の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或い
は思想に反しない範囲で適宜変更可能である。また、そ
のような変更を伴う光沢復元剤組成物原液、及び光沢復
元剤組成物もまた本発明の技術的範囲に包含されるもの
として理解されなければならない。
【0048】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1の光沢
復元剤組成物原液、又は請求項2の光沢復元剤組成物を
所定量の水で希釈して水性フロアーポリッシュ・ポリマ
ータイプの皮膜が形成された床面に塗布すれば、皮膜を
形成している合成樹脂に可塑剤が補給されるので、超高
速バフ研磨を行うことにより床面の光沢を回復させるこ
とができる。しかも可塑剤は低揮発性なので、バフ研磨
作業を短時間内に終了させる必要がない。請求項3の発
明によれば、高濃縮化され、乳化安定性に優れた光沢復
元剤組成物を得ることができる。また請求項4の発明に
よれば、乳化安定性が優れかつ、光沢復元効果の認めら
れる範囲内での可塑剤配合を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フロアーポリッシュの位置付けを示す図であ
る。
【図2】標準的な床のメンテナンス作業とその実施頻度
を示す図である。
【図3】光沢復元性の評価方法を示す工程図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂に対し可塑効果を有する低揮発
    性可塑剤物質を単独で、又は複数種類を組み合わせて、
    界面活性剤により可溶化又は乳化を可能とした光沢復元
    剤組成物原液。
  2. 【請求項2】 合成樹脂に対し可塑効果を有する低揮発
    性可塑剤物質を単独で、又は複数種類を組み合わせて、
    界面活性剤により可溶化又は乳化した光沢復元剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 合成樹脂に対し可塑効果を有する一種又
    は複数種類の低揮発性可塑剤物質と、 界面活性剤と、 アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、又は、アミン系
    溶剤のうちいずれか一種又は複数種類の組み合わせと、
    を含む光沢復元剤組成物。
  4. 【請求項4】 前記低揮発性可塑剤物質の含有量は0.
    0125〜25.0質量%であることを特徴とする請求
    項3に記載の光沢復元剤組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006043475A1 (ja) * 2004-10-20 2006-04-27 Daihachi Chemical Industry Co., Ltd. フロアーポリッシュ用レベリング剤および水性フロアーポリッシュ組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006043475A1 (ja) * 2004-10-20 2006-04-27 Daihachi Chemical Industry Co., Ltd. フロアーポリッシュ用レベリング剤および水性フロアーポリッシュ組成物

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