JP2003213162A - キャップオフ性能に優れた修正液組成物及び修正具 - Google Patents

キャップオフ性能に優れた修正液組成物及び修正具

Info

Publication number
JP2003213162A
JP2003213162A JP2002017391A JP2002017391A JP2003213162A JP 2003213162 A JP2003213162 A JP 2003213162A JP 2002017391 A JP2002017391 A JP 2002017391A JP 2002017391 A JP2002017391 A JP 2002017391A JP 2003213162 A JP2003213162 A JP 2003213162A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cap
correction
fluid composition
retouching
performance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002017391A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Nakamura
仁 中村
Takahiro Osada
隆博 長田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP2002017391A priority Critical patent/JP2003213162A/ja
Publication of JP2003213162A publication Critical patent/JP2003213162A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャップオフの状態にて長期間大気中にさら
してもドライアップすることなく、使用開始直後より良
好な修正作業をすることができるからキャップオフ性能
に優れた修正液組成物及びボールペン型タイプの修正具
などに好適な修正具を提供する。 【解決手段】 少なくとも酸化チタンと溶剤と樹脂とを
含有する修正液組成物であって、キャップオフ性能向上
剤として少なくともパラフィンワックス類を含有し、か
つ、ゲル化剤を含有することを特徴とするキャップオフ
性能に優れた修正液組成物。本発明の修正具10は、先
端にボール11及びホルダー12を有するチップIと、
後方に修正液収納部30とを備え、先端ボール11がチ
ップ先端のボール抱持部の内縁に密接するように先端ボ
ールの背面に押圧手段40により押圧が付与されてなる
修正具10であって、上記修正液収納部30に上記組成
となる修正液組成物が充填されていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャップオフの状
態にて長期間大気中にさらしてもドライアップすること
なく、使用開始直後より良好な修正作業をすることがで
きるキャップオフ性能に優れた修正液組成物及び修正具
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、修正液組成物は、隠蔽材とな
る酸化チタンと、シクロへキサン、メチルシクロへキサ
ンなどの溶剤と、塗膜を形成するための樹脂とを主成分
とするものであり、刷毛型の修正具やボールペン型の修
正具等の修正液収納部に充填されて使用されている。こ
の修正液組成物に用いる溶剤は、揮発速度が高いために
未使用時はキャップを被せて修正液組成物の乾燥を防止
している。
【0003】しかしながら、使用する毎に、キャップを
取り外す手間があり、また、使用後にキャップを被せる
のを怠ると、短時間で修正液組成物が乾燥固化し、使用
できなくなる課題を有するものである。
【0004】一方、ボールペン型の修正具等において、
例えば、スプリングなどの押圧手段により金属製のボー
ルを先端開口部に押し付けてシールする手段を備えた修
正具は数多く知られている(例えば、本願出願人の特開
平8−58292号公報、特開平8−118896号公
報)。しかしながら、金属ボールを開口部に押圧すると
いう、金属−金属による接触のため、完全に先端部をシ
ールすることはできず、未使用時には常にキャップを被
せるという課題は解消されないものである。
【0005】他方、従来より、筆記具用インキ組成物に
レシチン等のキャップオフ性能向上剤を添加してドライ
アップを防止したマーキングペン用インキ組成物等は数
多く知られている。しかしながら、修正液組成物に用い
る溶剤は、基本的に筆記具用インキ組成物に用いる溶剤
に較べ、揮発速度が高いため使用溶剤種が異なるもので
あり、また、沈降しやすい酸化チタンを用いているた
め、筆記具用インキ組成物に用いるレシチン等のキャッ
プオフ性能向上剤を修正液組成物に用いると、分散系の
破壊による酸化チタン同士の凝集沈降、並びに、それに
伴う液の分離などが生じることがあり、簡単に筆記具用
インキ組成物に用いられているキャップオフ性能向上剤
を修正液組成物に転用できるものではないのが現状であ
る。また、特開平5−117559号公報には、白色顔
料、有機溶剤、有機溶剤に可溶な樹脂と、流動パラフィ
ンなどを含有してなる修正液が開示されているが、この
流動パラフィンは樹脂の可塑剤として用いることによ
り、修正液容器開口部又はペン式修正液におけるペン先
周辺部に付着する修正液の溶剤揮散による固化物の形成
を抑制するものであり、本願発明のキャップオフ性能向
上剤の作用とは全く異なるものであり、その技術思想は
異なるものである。
【0006】そこで、本発明者らは、修正液組成物にキ
ャップオフ性能向上剤として少なくともパラフィンワッ
クス類を含有せしめることにより、キャップオフの状態
にて長期間大気中にさらしてもドライアップすることな
く、使用開始直後より良好な修正作業をすることができ
るキャップオフ性能に優れた修正液組成物及び修正具を
提案している(特願平2001−144227号)。し
かしながら、近年における消費者ニーズ等の要求は厳し
く、上記キャップオフ性能に優れた修正液組成物等であ
っても、そのキャップオフ性能を維持するには、2週間
程度が限界であり、2週間を越えて1ケ月程度までキャ
ップオフ性能を有する修正液組成物及び修正具が求めら
れているのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするもので
あり、キャップオフの状態にて2週間を越える長期間大
気中にさらしてもドライアップすることなく、使用開始
直後より良好な修正作業をすることができるキャップオ
フ性能に優れた修正液組成物及びボールペン型タイプの
修正具などに好適な修正具を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の課題等を解決するために鋭意研究を行った結果、少な
くとも酸化チタンと溶剤と樹脂とを含有する修正液組成
物に、キャップオフ性能向上剤としてパラフィンワック
ス類を含有せしめると共に、そのキャップオフ性能向上
剤の優れた作用を最大限に発揮せしめる成分を更に含有
せしめることにより、上記目的のキャップオフ性能に優
れた修正液組成物及び修正具が得られることを見い出
し、本発明を完成するに至ったのである。すなわち、本
発明のキャップオフ性能に優れた修正液組成物及び修正
具、次の(1)〜(4)に存する。 (1) 少なくとも酸化チタンと溶剤と樹脂とを含有する修
正液組成物であって、キャップオフ性能向上剤として少
なくともパラフィンワックス類を含有し、かつ、ゲル化
剤を含有することを特徴とするキャップオフ性能に優れ
た修正液組成物。 (2) ゲル化剤の含有量が修正液組成物全量に対して、
0.01〜30.0重量%である上記(1)記載のキャッ
プオフ性能に優れた修正液組成物。 (3) パラフィンワックス類の含有量が修正液組成物全量
に対して、0.01〜15.0重量%である上記(1)又
は(2)記載のキャップオフ性能に優れた修正液組成物。 (4) 先端にボール及びホルダーを有するチップと、後方
に修正液収納部とを備え、先端ボールがチップ先端のボ
ール抱持部の内縁に密接するように先端ボールの背面に
押圧手段により押圧が付与されてなる修正具であって、
上記修正液収納部に上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の
修正液組成物が充填されていることを特徴とする修正
具。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を詳細
に説明する。本発明のキャップオフ性能に優れた修正液
組成物、少なくとも酸化チタンと溶剤と樹脂とを含有す
る修正液組成物であって、キャップオフ性能向上剤とし
て少なくともパラフィンワックス類を含有し、かつ、ゲ
ル化剤を含有することを特徴とするものである。
【0010】本発明に用いる酸化チタンは、隠蔽材とし
て用いるものであり、ルチル型、アナターゼ型などの各
種が使用でき、市販品としては、商品名クロノスKR−
310、同KR−380、同KR−480、同KA−1
0、同KA−30〔以上、チタン工業(株)製〕、商品
名タイペークR−780、同R−820、同CR−5
0、同CR−93、同A−100、同A−220〔以
上、石原産業(株)製〕、商品名タイピュアR−90
0、同R−931〔以上、デュポン社製〕、JR−70
1、JR−600、JR−801、JRNC、JA−
3、JA−5〔以上、テイカ(株)製〕などが挙げら
れ、これらは単独で、または2種以上を組合わせて用い
ることができる。酸化チタンの含有量は、修正液組成物
全量に対して、20〜60重量%、好ましくは、30〜
50重量%である。
【0011】本発明に用いる溶剤は、樹脂の溶剤、粘度
調製などに用いるものであり、具体的には、トルエン、
キシレン、n−へプタン、n−オクタン、3−メチルペ
ンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロへキサン、
シクロペンタン、メチルシクロペンタンなどの炭化水素
系、1,1,1−トリクロロエチレン、テトラクロロエ
チレンなどのハロゲン炭化水素系、1,4−ジオキサ
ン、n−ブチルエーテルなどのエーテル系、エチルメチ
ルケトン、メチル−n−プロピルケトンなどのケトン
系、酢酸エチル、ギ酸プロピルなどのエステル系溶剤等
が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を組合わ
せて用いることができる。好ましくは、筆跡が水性イン
キによるもの、または油性インキによるものであっても
使用できる点等から、シクロへキサン、メチルシクロへ
キサン、エチルシクロヘキサン、シクロペンタン、メチ
ルシクロペンタンなどのナフテン系炭化水素、n−へプ
タン、n−オクタン、3−メチルペンタン、2,2,4
−トリメチルペンタン等のパラフィン系溶剤が望まし
い。溶剤の含有量は、修正液組成物全量に対して、20
〜70重量%、好ましくは、30〜60重量%である。
【0012】本発明に用いる樹脂は、塗膜を形成するた
めに用いるものであり、具体的には、アクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂、アルキッド樹脂、ビニル樹脂等が挙げ
られ、これらは単独で、または2種以上を組合わせて用
いることができる。好ましくは、修正した塗膜が再筆記
に耐えられる硬度を有すること、塗布部の折れ曲がりに
伴い塗膜が剥がれない接着性を有することの点等から、
アクリル樹脂、アルキッド樹脂が望ましい。樹脂の含有
量は、修正液組成物全量に対して、1〜40重量%、好
ましくは、5〜20重量%である。
【0013】本発明に用いるパラフィンワックス類は、
キャップオフ性能向上剤として用いるものであり、具体
的には、商品名パラフィンワックス155F、同150
F、同140F、同135F、同130F、同125
F、同120F、同115F、HNP−3、HNP−
9、HNP−10、HNP−11、HNP−12、SP
−0145、SP−1035、SP−3040、SP−
3035、SP−0110〔以上、日本精鑞(株)
製〕、パラフィンmp42〜44℃、同46〜48℃、
同48〜50℃、同50〜52℃、同52〜54℃、同
54〜56℃、同56〜58℃、同58〜60℃、同6
0〜62℃、同62〜64℃、同64〜66℃、同66
〜68℃、同68〜70℃〔以上、和光純薬工業(株)
製〕等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を
組合わせて用いることができる。なお、これらのパラフ
ィンワックス類は、常温(25℃)で固体であり、融点
が40〜80℃である、平均分子量(ガスクロ法によ
る)が300以上である。好ましくは、夏場の高温時期
においても容易には溶解せずに、キャップオフ性能が維
持できる点から、50℃以上の融点を有するパラフィン
ワックス類が望ましい。パラフィンワックス類の含有量
は、修正液組成物全量に対して、0.01〜15.0重
量%、好ましくは、5.0〜15.0重量%、更に好ま
しくは、6.0〜15.0重量%とすることが望まし
い。パラフィンワックス類の含有量が0.01重量%未
満であると、本発明の効果を発揮せしめることができ
ず、また、15.0重量%を越えると、分散系の破壊に
よる酸化チタン同士の凝集沈降を後述するゲル化剤の含
有によっても抑制できなくなることとなり、好ましくな
い。特に、パラフィンワックス類の含有量を5.0重量
%以上、好ましくは5.0重量%を越えて含有させても
後述するゲル化剤との相互作用により修正液の物性を損
なうことなく、キャップオフ性能の期間を更に長期間延
ばすことができるものとなる。更に、パラフィンワック
ス類の他に、キャップオフ性能向上剤としてマイクロク
リスタリンワックス、ペトロワックス、グリセリンステ
アレート類等をパラフィンワックス類と共に、上記含有
量の範囲(0.01〜15.0重量%)で用いることが
できる。
【0014】本発明に用いるゲル化剤は、酸化チタンの
沈降分離を抑制せしめ、キャップオフ性能向上剤として
のパラフィンワックス類の機能を最大限に発揮せしめる
ために用いるものである。すなわち、キャップオフ性能
向上剤としてのパラフィンワックス類の含有量等が増大
すると、分散系の破壊による酸化チタン同士の凝集沈
降、並びに、それに伴う液の分離などが生じる傾向等が
増大するものであるが、剪断減粘性を付与するゲル化剤
を含有せしめると、これらの負の作用は解消することが
できると共に、キャップオフ性能向上剤としてのパラフ
ィンワックス類の機能を最大限発揮でき、これにより更
に長期間キャップオフ性能を維持せしめることができる
ものとなる。
【0015】本発明に用いるゲル化剤としては、修正液
組成物に剪断減粘性を付与せしめて、上記作用を達成で
きるものであれば、特に限定されるものではなく、例え
ば、無機類、金属石鹸類、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル類、脂肪酸類・エステル類、脂肪酸アミド類などが挙
げられる。無機類のゲル化剤としては、例えば、ベント
ナイト(スメクタイト)系、シリカ系微粉末、アルミナ
ケイ粉末、ケイ酸アルミ類等が挙げられる。金属石鹸類
としては、例えば、リシノール酸カルシウム、12−ヒ
ドロキシステアリン酸類、モノステアリンアルミ、ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸
アルミ等が挙げられる。ポリグリセリン脂肪酸エステル
類としては、例えば、テトラグリセリンペンタステアレ
ート、テトラグリセリントリステアレート、テトラグリ
セリンモノステアレート、テトラグリセリン、ヘキサグ
リセリンペンタステアレート、ヘキサグリセリントリス
テアレート、ヘキサグリセリンセスキスステアレート、
ヘキサグリセリンモノステアレート、デカグリセリンド
デカステアレート、デカグリセリンデカステアレート、
デカグリセリンへプタステアレート、デカグリセリント
リステアレート、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げら
れる。脂肪酸類・エステル類としては、例えば、ステア
リン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ヒマシ油、硬
化ひまし油系、半硬化ひまし油、ひまし油誘導体、メチ
ル−12−ヒドロキシステアレート、ステアリル−12
−ヒドロキシステアレート、ソルビタンモノステアレー
ト、長鎖脂肪酸エステル重合体、ショ糖脂肪酸エステ
ル、デキストリンパルミチン酸エステル、12−ヒドロ
キシステアリン酸コレステアリル、12−ヒドロキシス
テアリン酸モノグリセリド、脂肪酸トリグリセリド、ジ
ペンタエリスリトール−12−ヒドロキシステアリン酸
のエステル化物、ジペンタエリスリトール混合脂肪酸の
エステル化物等が挙げられる。脂肪酸アミド類として
は、例えば、N−ヒドロキシエチル−12−ヒドロキシ
ステアリルアミド、N−N´−エチレンビスオレイルア
ミド、N−N´−エチレンビス−12−ヒドロキシステ
アリルアミド、N−N´−ヘキサメチレンビス−12−
ヒドロキシステアリルアミド、N−N´−エチレンビス
ステアリルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジブチ
ルアミド、脂肪酸N誘導体、脂肪酸アマイドワックス、
特殊含窒素化合物、低分子ポリアミド等が挙げられる。
更に、リン酸エステルカルシウム塩、ジペンジリデンソ
ルビトール、トリペンジリデンソルビトール、ポリエチ
レンワックス、エチルセルロースなども使用する溶剤種
によっては、十分に修正液組成物に剪断減粘性を付与す
ることができる。これらのゲル化剤は単独で、または2
種以上を組合わせて用いることができる。
【0016】このゲル化剤の含有量は、修正液組成物全
量に対して、0.01〜30.0重量%、好ましくは、
1.0〜20.0重量%、更に好ましくは、1.0〜1
0.0重量%とすることが望ましい。ゲル化剤の含有量
が0.01重量%未満であると、ゲル化剤量が少ないた
め(ゲル濃度が低いため)に、修正液内において均一に
ゲル構造が形成され難く、ゲル修正液組成物としての剪
断減粘性を付与し難くなり、本発明の効果を発揮するこ
とができず、好ましくない。また、ゲル化剤の含有量が
30.0重量%を越えると、強固なゲル構造を形成する
ことで修正液に剪断を加えても減粘し難くなり、レべリ
ング性の優れた平滑な修正塗膜を形成しないため、好ま
しくない。
【0017】本発明では、上記した成分の他に、本発明
の効果を損なわない範囲で、塗膜の隠蔽性の向上等の点
から中空粒子などの中空樹脂を酸化チタンと共に併用し
たり、修正した箇所を即座に知るために着色顔料を併用
したりすることができる。また、分散安定性の点から分
散剤、沈降防止剤を、塗膜の硬度調整の点から可塑剤を
用いることができ、更に、防錆剤、潤滑剤等の任意成分
を適宜量含有せしめることができる。本発明の修正液組
成物は、上記酸化チタン、溶剤、樹脂、パラフィンワッ
クス類、ゲル化剤、必要に応じて含有する任意成分をボ
ールミル、ペイントシェーカー等の分散機で分散混合す
ることによって得られる。
【0018】このように構成される本発明の修正液組成
物は、例えば、従来から公知の刷毛型の修正具やボール
ペン型の修正具等の修正液収納部に充填し使用に供され
ることとなる。本発明では、特に、図1及び2に示され
るボールペン型の修正具10に好適に用いることができ
る。この修正具10は、先端に金属(ステンレス又はセ
ラミック)製のボール11及び金属(ステンレス又はセ
ラミック)製のホルダー12を有するチップ20と、後
方に本発明の修正液組成物Aを充填してなる軸体となる
修正液収納部30とを備え、ボール11がチップ20先
端のボール抱持部21の内縁に密接するようにボール1
1の背面に押圧手段40により押圧が付与されてなるも
のである。なお、31は撹拌ボールである。押圧手段4
0は、先端に押圧部41を有する押圧棒42と、該押圧
棒42を常時先端側に付勢するスプリング部材43とを
備えたものである。この構成の修正具10で修正作業を
行う場合は、筆記と同様に筆跡部をボール11でなぞる
と、ボール11が沈みボール11とボール抱持部21と
の間にクリアランス部13ができることとなる。この際
に収納部42の修正液組成物Aは上記クリアランス部1
3を通って適正な流出量で外部に流出して、筆跡部を修
正することができることとなる。修正作業が終わると
(通常の状態では)、押圧手段40により、ボール11
がチップ20先端のボール抱持部21の内縁に密接して
修正液組成物Aは流出しない構造となるものである。な
お、未使用時には、キャップをして保管されるものであ
る。
【0019】本発明の修正液組成物では、キャップオフ
性能向上剤として用いるパラフィンワックス類は本発明
で用いるシクロへキサン、メチルシクロへキサン、メチ
ルシクロペンタンなどのナフテン系炭化水素等の溶剤と
共存してもその物性は変化することがなく、また、パラ
フィンワックス類の含有により、酸化チタンや樹脂の機
能にも悪影響を及ぼすことなくキャップオフ性能を向上
させることができると共に、剪断減粘性を付与するゲル
化剤を含有せしめることにより、更に、キャップオフ性
能向上剤としてのパラフィンワックス類の機能を最大限
発揮でき、これにより更に長期間キャップオフ性能を維
持せしめることができるものとなる。すなわち、上記修
正具10において、キャップオフの状態にて長期間大気
中に晒した場合、ボール11は開口部となる押圧手段4
0によりボール抱持部21の内縁に密接してシールする
ものとなっているが、金属(又はセラミック)−金属
(又はセラミック)による接触のため、完全に先端部を
シールすることはできないものである。具体的(ミクロ
的)には、修正液組成物は外部には流出しないが、極め
て僅かな微小空間部ができ、チップ内は該微小空間部を
介して大気と連通した状態となっている。この状態(キ
ャップオフ状態)で修正具10を長期間放置すると、修
正液組成物中の溶剤が蒸発することにより当該微小空間
部で修正液組成物が乾燥固化したり、チップ内の修正液
組成物が乾燥しやすくなることとなり、修正液組成物の
吐出ができなくなったり、または、正常な流出量となら
ないものとなる。
【0020】本発明では、修正液組成物中にはキャップ
オフ性能向上剤として少なくともパラフィンワックス類
が溶解されていると共に、該キャップオフ性能を最大限
に発揮せしめるために剪断減粘性を付与するゲル化剤が
含有されているので、キャップオフ状態で空気中にさら
されていても、溶剤との相互作用でボール11とボール
抱持部21の微小空間部にパラフィンワックス類による
被膜が形成され、この被膜により揮発成分である溶剤の
蒸発が抑制されチップ内等の修正液組成物の乾燥固化が
防止され、修正液組成物の正常な吐出ができると共に、
正常な流出量となるものである。この被膜は修正作業
(ボール11を動かすだけ)で破れてボールから適性に
修正液組成物が流出するものとなり、再度、長期間キャ
ップオフ状態にした場合に上記と同様に微小空間部に被
膜が形成されることとなる。この被膜形成→塗布(筆
記)→被膜形成→塗布(筆記)………は何回も繰り返し
効果を示すもの、すなわち、微小空間部に常時再生し、
塗布(筆記)時には破れる再生被膜が形成されるもので
ある。この効果は修正液収納部に充填した修正液組成物
を使い果たすまで繰り返すこととなり、また、筆跡部を
きれいに塗布(修正)することができることとなる。従
って、本発明の修正液組成物により、修正時に被膜が破
れた後も再度被膜が再生することにより何度修正(筆
記)しても被膜が再生されるので、キャップオフの状態
にて長期間、本発明では2週間を越え1ケ月の長期間大
気中にさらしてもドライアップすることなく、使用開始
直後より良好な修正作業をすることができるキャップオ
フ性能に優れた修正液組成物及び修正具が提供されるこ
ととなる。
【0021】本発明の修正具は、上述の如く構成される
ものであるが、上記実施形態に限定されるものではな
く、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更することがで
きる。例えば、修正具10において、ボール11がチッ
プ20先端のボール抱持部21の内縁に密接するように
ボール11の背面に押圧手段40により押圧する構造と
したが、チップ内にボール11を2つ収納した構造の修
正具であってもよいものである。また、押圧手段40
を、先端に押圧部41を有する押圧棒42と、該押圧棒
42を常時先端側に付勢するスプリング部材43とを備
えたもので構成したが、スプリング部材43の先端を押
圧部として押圧棒42を省略して構成としてもよいもの
である。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により、更
に具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって何
等限定されるものではない。
【0023】〔実施例1〜7及び比較例1〜4〕下記表
1に示される配合組成となる修正液組成物を調製した。
各修正液組成物は、酸化チタン、樹脂、ゲル化剤及び溶
剤(及び任意成分)を室温下でペイントシェーカーにて
1時間分散後、キャップオフ性能向上剤等を投入し、7
0℃の温度環境下で撹拌混合した。比較例1のキャップ
オフ性能向上剤を投入しない場合は、1時間の分散混合
で調製した。
【0024】得られた各修正液組成物を図1及び2に示
される下記構成のチップ内にスプリング、押圧手段内蔵
の修正具又は図1及び図2に示されもので、下記構成で
チップ内にスプリング、押圧手段を有しない(ボールを
ボール抱持部21で抱持する)軸体となる修正液収容部
に夫々18ml充填し、下記方法により、キャップオフ
性、塗布性及び沈降分離性の評価を行った。これらの結
果を下記表1に示す。 修正具の構成: ボール:直径1.0mm、ステンレス製 ホルダー:ステンレス製 軸体:ナイロン製 クリアランス部の最小幅:0.1mm
【0025】〔キャップオフ性の試験方法〕キャップオ
フ性は、溶剤の揮発量の変化で評価した。すなわち、充
填した修正液の液重量を測定した後、キャップオフ状態
でRT(25℃、60%、以下同様)にて放置し、2週
間後及び1ケ月後に再び修正液のみの重量減少変化(重
量%)を測定して、キャップオフ性を評価した。
【0026】〔塗布性の試験方法〕キャップオフ状態で
RTにて放置し、2週間後及び1ケ月後に油性インキで
筆記した文字の修正を行い、下記評価基準により、塗布
性を評価した。 評価基準: ◎:初筆より容易に修正できた。 〇:5文字以内で修正できた(1文字サイズは約1×1
cm)。 △:5文字以上より修正できた(1文字サイズは約1×
1cm)。 ×:チップ先端のボール抱持部が固化したため使用不
可。
【0027】〔沈降分離性の試験方法〕得られた修正液
をガラス容器内で入れ密閉した後、RTにて1ケ月及び
2ケ月間静置した後、下記評価基準により、沈降分離性
を評価した。 評価基準: ◎:沈降、液分離共に無し 〇:沈降、液分離共に僅かに有り △:沈降、液分離共にやや有り ×:沈降、液分離共に有り
【0028】
【表1】
【0029】上記表1の結果から明らかなように、本発
明範囲となる実施例1〜7は、本発明の範囲外となる比
較例1〜4に較べて、溶剤の揮発量が少なく、塗布性に
優れ、沈降分離もなく、キャップオフの状態にて長期間
(1ケ月)大気中にさらしてもドライアップすることな
く、使用開始直後より良好な修正作業をすることができ
るキャップオフ性能に優れた修正液組成物であることが
判明した。個別的にみると、実施例1〜7は、少なくと
も酸化チタンと溶剤と樹脂とを含有する修正液組成物
に、キャップオフ性能向上剤及びゲル化剤を含有したも
のであり、実施例1〜3はこの修正液組成物をチップ内
にスプリング、押圧手段を有しない修正具に充填したも
の、実施例4〜7はチップ内にスプリング、押圧手段を
有する修正具に充填したものであり、いずれも修正具を
用いたものであっても、溶剤の揮発量が少なく、塗布性
に優れ、沈降分離もなく、キャップオフの状態にて長期
間(1ケ月)大気中にさらしてもドライアップすること
なく、使用開始直後より良好な修正作業をすることがで
きることが判った。なお、実施例6は酸化チタンと共に
中空樹脂を併用した場合であり、実施例7は防錆剤を更
に配合した場合である。これに対して、比較例1は、キ
ャップオフ性能向上剤を配合しない修正液組成物をチッ
プ内にスプリング、押圧手段を有しない修正具に充填し
たものであり、また、比較例2は、ゲル化剤を配合せず
キャップオフ性能向上剤を配合した修正液組成物をチッ
プ内にスプリング、押圧手段を有しない修正具に充填し
たものであり、これらの場合は、溶剤の揮発量が大き
く、塗布性に劣り、沈降分離が生じ、好ましくないこと
が判った。また、比較例3は、ゲル化剤を配合せずキャ
ップオフ性能向上剤を配合した修正液組成物をチップ内
にスプリング、押圧手段を有する修正具に充填したもの
であり、この場合は、溶剤の揮発量が比較例1より少な
くなったが、沈降分離が生じることが判った。更に、比
較例4は、ゲル化剤を配合せず比較例1〜3と異なるキ
ャップオフ性能向上剤を配合した修正液組成物をチップ
内にスプリング、押圧手段を有する修正具に充填したも
のであり、この場合は、溶剤の揮発量が大きく、塗布性
にも劣り、沈降分離が生じることが判った。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、キャップオフの状態に
て長期間大気中にさらしてもドライアップすることな
く、使用開始直後より良好な修正作業をすることができ
るからキャップオフ性能に優れた修正液組成物及び刷毛
型タイプ、ボールペン型タイプの修正具などに好適な修
正具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の修正具の実施形態の一例を示す縦断面
図である。
【図2】図1のチップ部分(I部分)の拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
10 修正具 11 ボール 12 ホルダー 20 チップ 30 修正液収納部 40 押圧手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C350 GA03 HA09 HA11 NA11 4F042 FA27 FA30 FA33 4J038 BA212 CG001 DD001 HA216 JA02 JA03 JA09 JA25 JA32 JA35 JA43 JA55 JB12 KA06 MA15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも酸化チタンと溶剤と樹脂とを
    含有する修正液組成物であって、キャップオフ性能向上
    剤として少なくともパラフィンワックス類を含有し、か
    つ、ゲル化剤を含有することを特徴とするキャップオフ
    性能に優れた修正液組成物。
  2. 【請求項2】 ゲル化剤の含有量が修正液組成物全量に
    対して、0.01〜30.0重量%である請求項1記載
    のキャップオフ性能に優れた修正液組成物。
  3. 【請求項3】 パラフィンワックス類の含有量が修正液
    組成物全量に対して、0.01〜15.0重量%である
    請求項1又は2記載のキャップオフ性能に優れた修正液
    組成物。
  4. 【請求項4】 先端にボール及びホルダーを有するチッ
    プと、後方に修正液収納部とを備え、先端ボールがチッ
    プ先端のボール抱持部の内縁に密接するように先端ボー
    ルの背面に押圧手段により押圧が付与されてなる修正具
    であって、上記修正液収納部に請求項1〜3の何れか一
    つに記載の修正液組成物が充填されていることを特徴と
    する修正具。
JP2002017391A 2002-01-25 2002-01-25 キャップオフ性能に優れた修正液組成物及び修正具 Withdrawn JP2003213162A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002017391A JP2003213162A (ja) 2002-01-25 2002-01-25 キャップオフ性能に優れた修正液組成物及び修正具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002017391A JP2003213162A (ja) 2002-01-25 2002-01-25 キャップオフ性能に優れた修正液組成物及び修正具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003213162A true JP2003213162A (ja) 2003-07-30

Family

ID=27653101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002017391A Withdrawn JP2003213162A (ja) 2002-01-25 2002-01-25 キャップオフ性能に優れた修正液組成物及び修正具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003213162A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005017056A1 (ja) 2003-08-19 2005-02-24 Mitsubishi Pencil Co., Ltd. 流動体塗布液及び流動体塗布具
JP2005060609A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Mitsubishi Pencil Co Ltd 油性系ゲルインキ組成物
JP2005068215A (ja) * 2003-08-20 2005-03-17 Mitsubishi Pencil Co Ltd 流動体塗布液及び流動体塗布具
JP2006008726A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Tombow Pencil Co Ltd 水性修正液組成物
JP2006124638A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Pentel Corp 修正液
WO2007055070A1 (ja) 2005-11-11 2007-05-18 Mitsubishi Pencil Co., Ltd. 筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具
WO2018079568A3 (ja) * 2016-10-24 2018-06-14 味の素株式会社 ゲル状組成物

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005017056A1 (ja) 2003-08-19 2005-02-24 Mitsubishi Pencil Co., Ltd. 流動体塗布液及び流動体塗布具
JP2005060609A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Mitsubishi Pencil Co Ltd 油性系ゲルインキ組成物
US7140798B2 (en) 2003-08-19 2006-11-28 Mitsubishi Pencil Co., Ltd. Coating fluid and fluid applicator
JP2005068215A (ja) * 2003-08-20 2005-03-17 Mitsubishi Pencil Co Ltd 流動体塗布液及び流動体塗布具
JP2006008726A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Tombow Pencil Co Ltd 水性修正液組成物
JP2006124638A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Pentel Corp 修正液
JP4586610B2 (ja) * 2004-09-30 2010-11-24 ぺんてる株式会社 修正液
WO2007055070A1 (ja) 2005-11-11 2007-05-18 Mitsubishi Pencil Co., Ltd. 筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具
WO2018079568A3 (ja) * 2016-10-24 2018-06-14 味の素株式会社 ゲル状組成物
US11446224B2 (en) 2016-10-24 2022-09-20 Ajinomoto Co., Inc. Gel composition

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4713372B2 (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP2003213162A (ja) キャップオフ性能に優れた修正液組成物及び修正具
JP2023177364A (ja) 油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペン
JP6411203B2 (ja) ボールペン用油性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP5483891B2 (ja) インク追従体及びそれを用いた水性ボールペン
JP2006193688A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物及び水性ボールペン
JP5138192B2 (ja) 筆記具
JP2002348501A (ja) キャップオフ性能に優れた修正液組成物及び修正具
JPWO2003057507A1 (ja) 水性インキボールペン用インキ追従体
JP4219193B2 (ja) 水性ボールペン
JP2008274146A (ja) ボールペン用水性インキ組成物
JPH0633025B2 (ja) 水性ボ−ルペン用インキ逆流防止体組成物
JPH06336584A (ja) ボールペン用インキ逆流防止体組成物
JPH1121495A (ja) 油性ボールペン用インキ組成物
JP3590909B2 (ja) 筆記具用インキ逆流防止体組成物
JP5868657B2 (ja) 筆記具用インキ逆流防止体組成物
JP6346000B2 (ja) ボールペンレフィル
JP2006306975A (ja) インキ追従体組成物
JP2006096943A (ja) 隠蔽性複合粒子及びそれを用いた筆記具用インキ組成物
JP4549042B2 (ja) 水性インキ組成物とそれを用いた水性ボールペン
JP2006015555A (ja) 筆記具
JP2006008726A (ja) 水性修正液組成物
JPH11170757A (ja) ボールペン用インキ逆流防止体組成物
JPS61145269A (ja) 水性ボ−ルペン用インキ逆流防止体組成物
JPH0633026B2 (ja) 水性ボ−ルペン用インキ逆流防止体組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050405