JP5483891B2 - インク追従体及びそれを用いた水性ボールペン - Google Patents

インク追従体及びそれを用いた水性ボールペン Download PDF

Info

Publication number
JP5483891B2
JP5483891B2 JP2009012469A JP2009012469A JP5483891B2 JP 5483891 B2 JP5483891 B2 JP 5483891B2 JP 2009012469 A JP2009012469 A JP 2009012469A JP 2009012469 A JP2009012469 A JP 2009012469A JP 5483891 B2 JP5483891 B2 JP 5483891B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
ballpoint pen
ink follower
water
follower
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009012469A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010167682A (ja
Inventor
聡 上田
聡 佐久間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP2009012469A priority Critical patent/JP5483891B2/ja
Publication of JP2010167682A publication Critical patent/JP2010167682A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5483891B2 publication Critical patent/JP5483891B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)

Description

本発明は、ボールペンなどの筆記具用インク収容管内の尾端部に具備するインク追従体及びそれを用いた水性ボールペンに関する。
従来より、ボールペンなどの筆記具用インク収容管内の尾端部に具備するインク追従体としては、これまでに、数多くのものが知られている。
例えば、安定な追従性を有し、ペン体に衝撃が加わってもインク追従体が飛散しない弾性応答が優位なインク追従体(例えば、本願出願人による特許文献1参照)や、液体インク溜め中に使用されたインク追従体(粘弾性フォロアー)として、低い周波数または剪断速度で主に弾性応答を示す組成物を有することを特徴とする液体インク溜めを用いたボールペン(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
しかしながら、このようなインク追従体は、従来よりも内径が細いチューブ(インク収容管、リフィール)に用いた場合において、管抵抗の増大により追従性が低下するという問題が生じる。この問題を解消し、追従性を向上させるためには、インク追従体の粘度を下げる手法が一般的に用いられるが、衝撃に対する耐性が損なわれるという課題がある。
近年、複数の色、例えば、赤、黒、青などを一本のペン体に搭載した複式水性ボールペンの需要が高まっている。このような複式水性ボールペンは、径が細いチューブを用いなければならない点、ノックによって出没させる方式が一般的である点などを考慮する必要がある。
従って、複式水性ボールペンなどのボールペンにおいて、従来よりも内径が細いチューブに用いる場合のインク追従体は、追従性とノックに対する耐衝撃性というトレードオフの関係にある性能を両立させることが必要となる。
なお、ここでいうノックによる衝撃と上記特許文献1に記載された落下に対する衝撃とは、現象としては異なるものの、インク追従体が受ける衝撃力はほぼ同等である。すなわち、ノック式の筆記具においては、短い時間の間にインク収容管中のインクがインク追従体へ向かう方向に繰り返し強い衝撃を受けることになる。そうすると、インクが追従体の内部に徐々に侵入したり、ついには貫通してインクが漏れ出したりする場合がある。
特開2004−142323号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平7−173426号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、ノック式ボールペンなどの内径が細いチューブにインク追従体を用いた場合でも、インク追従性とノックに対する耐衝撃性というトレードオフの関係にある性能を両立させ、優れた追従性とノックに対する耐衝撃性にも優れたインク追従体及びそれを用いた水性ボールペンを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、特定物性となるインク追従体を用いることにより、上記目的のインク追従体及びそれを用いた水性ボールペンが得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)に存する。
(1) 測定温度25℃において、剪断応力を0Paの状態から1秒当たり2Paの割合で徐々に増加させてゆき、剪断速度が1.0s−1に達したときの剪断応力が40Paを越えないことを特徴とするインク追従体。
(2) 測定温度25℃において、剪断速度5000s−1での粘度値が800mPa・s以上であることを特徴とする上記(1)に記載のインク追従体。
(3) 設定温度25℃において、周波数領域1〜63rad/sで指数関数的に増加させながら各周波数毎に測定したtanδ値の平均値が1.0以上を示すことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のインク追従体。
(4) 上記(1)〜(3)の何れか一つに記載されたインク追従体を備えたことを特徴とする水性ボールペン。
本発明によれば、追従性とノックに対する耐衝撃性というトレードオフの関係にある性能を両立させ、優れた追従性とノックに対する耐衝撃性にも優れたインク追従体及びそれを用いた水性ボールペンが提供される。
本発明となるインク追従体が収容された水性ボールペン用チューブの一例を示す縦断面図である。 本発明となる水性ボールペンの一例を示す縦断面図である。 図2の水性ボールペンの正面図である。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明のインク追従体は、測定温度25℃において、剪断応力を0Paの状態から1秒当たり2Paの割合で徐々に増加させてゆき、剪断速度が1.0s−1に達したときの剪断応力が40Paを越えないことを特徴とするものである。
本発明において、上記剪断応力の測定は、周期的応力または周期的ひずみを物質に与えるような周期的測定(動的測定)が可能な装置(レオメータ)により測定でき、例えば、RS−600(HAAKE社製)、コーンプレート:φ35mm、1°により測定することができる。
本発明では、上記測定温度25℃において、剪断応力を0Paの状態から1秒当たり2Paの割合で徐々に増加させてゆき、剪断速度が1.0s−1に達したときの剪断応力が40Pa以下となるインク追従体であれば目的の本発明の効果を発揮でき、特に追従性を更に向上させることができる。これは従来のインク追従体では知られていなかった知見であり、剪断応力を徐々に増加させて測定することが必須となる。従来の測定方法では、剪断履歴によって応力値が減少してしまった後の値を得るものなので、追従性の結果と相関しない場合が多かった。本発明では、上記低剪断速度での剪断応力が40Pa以下であれば、従来よりも内径が細いチューブに用いた場合にも追従性が更に優れたものとなり、好ましくは、剪断応力が5〜35Paとなるものが望ましい。
なお、剪断速度が1.0s−1に達したときの剪断応力が40Paを超える場合には、目的の本発明の効果を発揮できなくなり、好ましくない。
また、本発明のインク追従体は、上記剪断速度が1.0s−1に達したときの剪断応力が40Paを超えず、更に、測定温度25℃において、剪断速度5000s−1での粘度値が800mPa・s以上であることが好ましく、この粘度値以上とすることにより追従性と共に、耐ノック衝撃性を更に向上させることができる。なお、上記剪断速度が1.0s−1に達したときの剪断応力が40Paを超えないものであれば、上記剪断速度5000s−1での粘度値は800mPa・s以上であればよく、好ましくは、1000mPa・s以上となるものが望ましい。その上限は特に限定されるものでないが、3000mPa・s以下であるものが望ましい。
本発明のインク追従体を構成する材料としては、少なくとも、不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤と、増粘剤とにより構成することができる。
本発明のインク追従体に使用する不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤は、インク追従体の基油として用いるものであり、例えば、流動パラフィンが用いられる。流動パラフィンには、鉱物油、化学合成油が用いられ、化学合成油としては、ポリブテン、ポリα−オレフィン、エチレンα−オレフィンオリゴマーなどを用いることができる。
用いることができる具体的な鉱物油としては、例えば、市販品のダイアナプロセスオイルNS−100、PW−32、PW−90、NR−68、AH−58(出光興産社製)などが挙げられる。
用いることができる具体的なポリブテンとしては、例えば、市販品のニッサンポリブテン200N、ポリブテン30N、ポリブテン10N、ポリブテン5N、ポリブテン3N、ポリブテン015N、ポリブテン06N、ポリブテン0N(以上、日本油脂社製)、ポリブテンHV−15(日本石油化学社製)、35R(出光興産社製)などが挙げられる。
また、用いることができる具体的なポリα−オレフィンとしては、例えば、市販品のバーレルプロセス油P−26、P−46,P−56、P−150,P−350,P−1500、P−2200、(P−10000、P−37500)(松村石油社製)などが挙げられる。
用いることができる具体的なエチレンα−オレフィンオリゴマーとしては、例えば、市販品のルーカント HC−10、HC−20、HC−100、HC−150、(HC−600、HC−2000)(以上、三井化学社製)などが挙げられる。
これらの不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤は、1種または2種以上を合わせて使用することができる。
本発明のインク追従体に使用する増粘剤としては、例えば、リン酸エステルのカルシウム塩、微粒子シリカ、ポリスチレン−ポリエチレン/ブチレンゴム−ポリスチレンのブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチレン/プロピレンゴム−ポリスチレンのブロックコポリマー、水添スチレン−ブタジエンラバー、スチレン−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマー、オレフィン結晶−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマー及びアセトアルコキシアルミニウムジアルキレートなどが挙げられ、これらは1種もしくは2種以上用いることができる。
用いることができるリン酸エステルのカルシウム塩の好ましい市販品としては、CrodaxDP−301LA(クローダジャパン社製)等が挙げられる。
用いることができる微粒子シリカは、親水性微粒子シリカと疎水性微粒子シリカがあり、親水性シリカの好ましい市販品としては、AEROSIL−300、AEROSIL−380(日本アエロジル社製)等が挙げられ、また、疎水性シリカの好ましい市販品としては、AEROSIL−974D、AEROSIL−972(日本アエロジル社製)等が挙げられる。
また、ポリスチレン−ポリエチレン/ブチレンゴム−ポリスチレンのブロックコポリマーの好ましい市販品としては、クレイトンGFG−1901X、クレイトンGG−1650(以上、シェルジャパン社製)、セプトン8007、セプトン8004(以上、クラレ社製)などが挙げられる。
更に、ポリスチレン−ポリエチレン/プロピレンゴム−ポリスチレンのブロックコポリマーの好ましい市販品としては、クレイトンGG−1730(シェルジャパン社製)、セプトン2006、セプトン2063(以上、クラレ社製)などが挙げられる。
水添スチレン−ブタジエンラバーの好ましい市販品としては、DYNARON1320P、DYNARON1321P(以上、JSR社製)、タフテックHl041、タフテックHl141(以上、旭化成工業社製)などが挙げられる。
スチレン−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマーの好ましい市販品としては、DYNARON4600P(JSR社製)等が挙げられ、オレフィン結晶−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマーの好ましい市販品としては、DYNARON6200P、DYNARON6201B(JSR社製)等が挙げられる。
アセトアルコキシアルミニウムジアルキレートの好ましい市販品としては、プレンアクトAL−M(味の素ファインテクノ社製)などが挙げられる。
これらの増粘剤の中で、本発明の効果を更に発揮させる点から、好ましくは、スチレン−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマー、オレフィン結晶−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマーなどの熱可塑性オレフィン系エラストマーの使用が望ましい。
本発明のインク追従体は、上記不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤と、増粘剤とを好適に組み合わせることなどにより、上記特性(剪断速度が1.0s−1に達したときの剪断応力が40Paを超えない範囲、並びに、剪断速度5000s−1での粘度値800mPa・s以上)を充足することができる。
上記特性を更に向上させたインク追従体を得る点から、好ましくは、上記増粘剤として、熱可塑性オレフィン系エラストマーをインク追従体全量に対して、2〜5質量%含有、残部を不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤とすることが望ましい。
本発明のインク追従体には、上記特性を損なわない範囲で、その他、必要に応じて、上記成分の他、増粘助剤(粘土増粘剤、金属石鹸など)、界面活性剤、酸化防止剤などを含有することができる。
本発明では、更に、追従性とノックに対する耐衝撃性というトレードオフの関係にある性能を高度に両立させ、更に優れた追従性とノックに対する耐衝撃性を備えたインク追従体を得る点から、周波数領域1〜63rad/sで指数関数的に増加させながら各周波数毎に測定したtanδ値の平均値が1.0以上とすることが好ましく、更に好ましくは1.0を超えるもの、特に好ましくは、1.7〜3.4とすることが望ましい。
ここで、tanδは、損失弾性率/貯蔵弾性率を意味する値であり、従来では、周波数領域「1〜63rad/s」で指数関数的に増加させながら各周波数毎に測定したtanδ値の平均値が1.0以下のものが好ましいことが知られていたが、本発明では、上記1〜63rad/sで各周波数毎に測定したtanδ値の平均値が1.0以上とすることにより、内径が細いチューブを用いた場合にも追従性とノックに対する耐衝撃性というトレードオフの関係にある性能を高度に両立させ、追従性とノックに対する耐衝撃性に更に優れたインク追従体とすることができる。
本発明のインク追従体は、水性ボールペン、油性ボールペン等の筆記具用チューブ(リフィール)内の尾端部に具備することにより、使用に供されるものとなる。
特に、本発明のインク追従体は、インク中の水分が揮発によって急速に減少することを防ぎ、また、筆記時のインク消費速度が大きくてフォロワー移動速度が比較的大きい場合に対応できる点から、水性ボールペンに好適に使用することができる。
チューブ内径(直径)は、本発明のインク追従体の機能を好適に発揮させるためには、好ましくは、1.5〜3.0mmであるものが好ましく、また、インク追従体の充填長は5〜20mm、更に好ましく8〜15mmであるものが好ましい。
本発明の水性ボールペンでは、ノックに対する耐衝撃性を発揮せしめる点から、ノック式の水性ボールペン(単式または複式の水性ボールペン)であるものが望ましい。
このノック式の水性ボールペンでは、ペン先の収納および繰り出し操作が円滑にでき、かつ、収納時におけるインクや追従体への衝撃が過度にかからない点から、ノック機構を構成するバネ(リターンスプリング)としては、バネ乗数0.025〜0.075N/mm、使用時加重が45〜180、収納時加重が12〜45gであるものが好ましく、更に好ましくは、バネ乗数0.03〜0.06N/mm、使用時加重が60〜130、収納時加重が15〜30gであるものを使用することが望ましい。
図1は、本発明となるインク追従体が収容された水性ボールペン用チューブ(リフィール)の一例を示す縦断面図であり、図2は、本発明となる水性ボールペンの一例を示す縦断面図であり、図3は、図2の水性ボールペンの正面図である。
本発明となるインク追従体が収容された水性ボールペン用チューブ10としては、例えば、図1に示すように、ボールペンチップ15と、継手14と、インク収容管11とから構成されるものが挙げられる。インク収容管11は、ポリプロピレン製などの樹脂製の管であり、その内部には水性ゲルインクなどの水性インク12が収容されており、更に、水性インク12の後端には本発明となるインク追従体13、すなわち、測定温度25℃において、剪断応力を0Paの状態から1秒当たり2Paの割合で徐々に増加させてゆき、剪断速度が1.0s−1に達したときの剪断応力が40Paを越えないことを特徴とするインク追従体13が収容されている。
この水性ボールペン用チューブ10は、例えば、図2及び図3に示すような、ノック式の水性ボールペン20に搭載され、使用に供されるものとなる。このノック式の水性ボールペン20は、三本(黒色、赤色、青色)の水性ボールペン用チューブ10を先軸21と後軸22とが螺合により着脱自在となる軸筒23の軸先24から、夫々の筆記先端部を選択的に出没可能とした複式の水性ボールペンである。この水性ボールペン20のノック機構30は、各3本の水性ボールペン用チューブ10…を着脱可能に嵌着すると共に、リターンスプリングとなるバネ31…を挿通したノック体32…を備えたものであり、ノック体32の一つを下方にノックすることにより選択的に出没可能とするものである。図示符号25はゴム部材やエラストマー部材から構成されるグリップ部であり、26はクリップ部である。なお、水性ボールペン用チューブ10の内径(直径)は、1.5〜3.0mm、インク追従体の充填長は5〜20mmに設定されるものが好ましく、また、ノック機構を構成するリターンスプリングであるバネ31としては、上記好ましい範囲となるバネ乗数、使用時加重、収納時加重のものが用いられる。
このように構成される本発明のインク追従体では、測定温度25℃において、剪断応力を0Paの状態から1秒当たり2Paの割合で徐々に増加させてゆき、剪断速度が1.0s−1に達したときの剪断応力が40Paを越えないインク追従体とすることにより、追従性とノックに対する耐衝撃性というトレードオフの関係にある性能を両立させ、優れた追従性とノックに対する耐衝撃性にも優れたものとすることができ、更に、測定温度25℃において、剪断速度5000s−1での粘度値800mPa・s以上とすることにより、追従性とノックに対する耐衝撃性というトレードオフの関係にある性能を高度に両立させ、更に優れた追従性とノックに対する耐衝撃性に優れたインク追従体とすることができるものとなる。
また、本発明の水性ボールペンでは、速書などの筆記速度によらず安定した追従性を有し、ボールペンに加えられたノック衝撃によってもインク追従体が飛散などしない水性ボールペンが得られるものとなる。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜5及び比較例1〜4〕
各実施例及び比較例に用いた水性ボールペン用インク(全量100質量%)は、次に示す配合組成のものを使用した。
染料:ウオーターブラックR455 7.0質量%
(オリエント化学工業社製)
染料:ウオーターイエロー6C 1.0質量%
(オリエント化学工業社製)
液体媒体:プロピレングリコール 20.0質量%
粘度調整剤:キサンタンガム〔KELZAN HP〕 0.2質量%
(三晶社製)
界面活性剤:オレイン酸カリウム 0.5質量%
防腐剤:ナトリウムオマジン 0.1質量%
防錆剤:ベンズトリアゾール 0.1質量%
イオン交換水: 残 部
以上の配合物を撹拌後ろ過し、水性ボールペン用黒インクを得た。
各実施例及び比較例に用いたインク追従体は、下記表1に示す組成を下記調製方法で調製した。
(実施例1〜5及び比較例1〜2のインク追従体の調製方法)
基油と増粘剤(及び添加剤)を調合し、150℃〜190℃でミキサーにて高速で120分〜180分間撹拌し、室温まで冷却後、ロール処理を1回行い、インク追従体を得た。
(比較例3のインク追従体調整方法)
基油と増粘剤を調合し、160℃〜170℃でミキサーにて高速で約180分間撹拌し、室温まで冷却後、ニーダ−で60分間混練を行い、インク追従体を得た。
(比較例4のインク追従体の調製方法)
基油と増粘剤(及び添加剤)を調合し、160℃〜170℃でミキサーにて低速で約120分間撹拌し、室温まで冷却し、インク追従体を得た。
上記各方法で得たインク追従体について、測定温度25℃で、剪断応力を0Paの状態から1秒当たり2Paの割合で徐々に増加させてゆき、剪断速度が1.0s−1に達したときの剪断応力、並びに、測定温度25℃における、剪断速度5000s−1での粘度値を下記方法により測定した。
次いで、この各特性のインク追従体と、上記インクを、下記表1に示す各内容で、ノック式ボールペン体(SXE3−400−07)の三菱鉛筆社製の外軸およびインク収容管(リフィールチューブ、内径1.8mm)に、水性インク0.135〜0.16g、追従体0.02〜0.03g(充填長:10〜15mm)を夫々充填し、ボール径0.5mmの三菱鉛筆社製の水性BP用チップ(UMR−85N用)を装着したペンについて、下記試験方法により、ノック衝撃(初期、経時)の評価、速書(初期、経時)の評価、文字書き安定性(初期)の評価の各項目の評価試験を行った。なお、上記各評価における「初期」とは、インク追従体及びインク充填直後の各評価であり、「経時」とは、ペン体を50℃、湿度30%の条件で、ペン先を横向きにして1ヶ月間放置した後の各評価である。また、ノック式ボールペンに用いたバネは、バネ乗数0.03〜0.05N/mm、使用時バネ加重0.7〜1.0N、収納時バネ加重0.2〜0.4Nとなるものを使用した。また、インク消費速度は、4.0m/minの筆記時にて6〜20mg/10mであった。
これらの結果を下記表1に示す。
〔剪断速度が1.0s−1に達したときの剪断応力の測定方法〕
RS−600(HAAKE社製)、コーンプレート:φ35mm、1°にて、測定温度25℃において、剪断応力を0Paの状態から1秒当たり2Paの割合で徐々に増加させてゆき、剪断速度が1.0s−1に達したときの剪断応力Paを測定した。
〔剪断速度5000s−1での粘度値の測定方法〕
RS−600(HAAKE社製)、コーンプレート:φ20mm、1°にて測定温度25℃において、180秒間かけて剪断速度を1000s−1から9000s−1までリニアに増加させ、剪断速度が5000s−1となる時点の粘度値を測定した。
〔tanδ値の測定方法:実施例1〜5、および、比較例1、2〕
測定装置:RS−600(HAAKE社製)
測定条件(周波数依存性)
ジオメトリー:パラレルプレート35mmφ動的測定
SWEEP TYPE:FREQUENCY SWEEP
周波数範囲: 0.01 〜 100 Hz (0.063〜628 rad/s)
測定間隔:6points/decade
ひずみ:100%
測定温度:25℃
雰囲気:大気中
〔tanδ値の測定方法:比較例3、4〕
測定装置:ダイナミックスぺクトロメーターRDS−II
(レオメトリック・サイエンティフィツク社製)
測定条件(周波数依存性)
ジオメトリー:パラレルプレート50mmφ動的測定
SWEEP TYPE:FREQUENCY SWEEP
周波数範囲: 0.1 〜 10 Hz (0.63〜62.8 rad/s)
測定間隔:6points/decade
ひずみ:100%
測定温度:25℃
雰囲気:窒素気流中
〔ノック衝撃によるインク追従体の評価方法〕
ペン先の繰り出しと、収納を100回繰り返す動作を、10本のチューブについて行い、インク追従体の状態を下記の評価基準で評価した。
評価基準:
◎:変化が認められない。
○:インクと追従体の界面のわずかな変形、または、インクの追従体側への進入痕跡や少量の進入が認められる。
△:インクの追従体内への進入が認められるが、貫通や漏れには至っていない。
×:インクが追従体を貫通し、漏れが認められる。
〔速書筆記追従性の評価方法〕
各ペン体をISO規格に準拠した筆記用紙に、フリーハンドでφ3〜4cmの螺旋を3倍速(約12m/min)と通常速度(約4m/min)でそれぞれ筆記し、各筆記描線を下記の評価基準で評価した。
評価基準:
◎:通常速度、3倍速の筆記とも全くカスレがなく、スムースに安定して筆記できる。
○:3倍速筆記で僅かな線切れが起きる。通常速度での筆記は可能。
△:3倍速筆記で多少の線切れが起きる。通常速度での筆記は可能。
×:通常に筆記してもインクが追従せず線切れが起こる。
〔文字書き安定性(初期)評価方法〕
1cm角の桝目に、ABCと連続筆記し、筆記された文字を下記の評価基準で評価した。
評価基準:
◎:インクの流出が十分で、正常に筆記できる。
○:インク流出量がやや少なく感じられるが、正常に筆記できる。
△:インク流出量が少なく、文字が薄く感じられたり、たまに線が欠けることがある。
×:インクの追従性が悪く、カスレが発生したり、筆記不能であったりする。
Figure 0005483891
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜5は、本発明の範囲外となる比較例1〜4に較べて、ノック衝撃によるインク追従体の飛散、速書筆記追従性に優れ、文字書き安定性にも優れていることが判明した。
比較例を詳しく見ると、比較例1及び2は剪断速度が1.0s−1に達したときの剪断応力が40Paを越えるインク追従体であり、この場合は、速書におけるインク追従性が劣るものとなり、比較例3及び4は、従来(特許文献1、特開2004−142323号公報に記載の実施例2及び3)の各インク追従体であり、これらの場合は、速書筆記追従性および文字書き安定性が劣ることが判明した。
ノック式ボールペン、特に、内径が細いチューブを用いた場合のノック式水性ボールペンに好適なインク追従体が得られる。
10 水性ボールペン用チューブ(リフィール)
11 インク収容管
12 水性インク
13 インク追従体
15 ボールペンチップ
20 水性ボールペン

Claims (3)

  1. チューブ内径(直径)が1.5〜3.0mmであるチューブ(リフィール)を備えたノック式の水性ボールペンに用いられるインク追従体であって、測定温度25℃において、剪断応力を0Paの状態から1秒当たり2Paの割合で徐々に増加させてゆき、剪断速度が1.0s-1に達したときの剪断応力が40Paを越えず、かつ周波数領域1〜63rad/sで指数関数的に増加させながら各周波数毎に測定したtanδ値の平均値が1.7以上を示すことを特徴とするインク追従体。
  2. 測定温度25℃において、剪断速度5000s-1での粘度値が800mPa・s以上であることを特徴とする請求項1に記載のインク追従体。
  3. 請求項1又は2に記載されたインク追従体を備えたことを特徴とするノック式の水性ボールペン。
JP2009012469A 2009-01-23 2009-01-23 インク追従体及びそれを用いた水性ボールペン Active JP5483891B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009012469A JP5483891B2 (ja) 2009-01-23 2009-01-23 インク追従体及びそれを用いた水性ボールペン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009012469A JP5483891B2 (ja) 2009-01-23 2009-01-23 インク追従体及びそれを用いた水性ボールペン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010167682A JP2010167682A (ja) 2010-08-05
JP5483891B2 true JP5483891B2 (ja) 2014-05-07

Family

ID=42700275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009012469A Active JP5483891B2 (ja) 2009-01-23 2009-01-23 インク追従体及びそれを用いた水性ボールペン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5483891B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016124953A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 三菱鉛筆株式会社 ボールペン用水性インク組成物
JP6896909B2 (ja) * 2015-12-09 2021-06-30 三菱鉛筆株式会社 ノック式筆記具
JP6896403B2 (ja) * 2016-11-30 2021-06-30 三菱鉛筆株式会社 消去式筆記具
JP7192038B2 (ja) * 2020-03-31 2022-12-19 三菱鉛筆株式会社 ノック式筆記具

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4387044B2 (ja) * 2000-06-12 2009-12-16 三菱鉛筆株式会社 インキ追従体およびこれを備えた水性ボールペン
JP4522007B2 (ja) * 2001-03-07 2010-08-11 三菱鉛筆株式会社 水性ボールペン
AU2002361133A1 (en) * 2001-12-28 2003-07-24 Mitsubishi Pencil Kabushiki Kaisha Ink follow-up material for water-base ball pen
JP4578080B2 (ja) * 2003-09-05 2010-11-10 三菱鉛筆株式会社 流動性のよいフォロワー及びこれを有するボールペン
JP2007125696A (ja) * 2005-10-31 2007-05-24 Pentel Corp インキフォロワー流体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010167682A (ja) 2010-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5483891B2 (ja) インク追従体及びそれを用いた水性ボールペン
CA2292068C (en) Ink follower composition for ballpoint pen and ballpoint pen using the same
JP4713372B2 (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP2006193688A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物及び水性ボールペン
JP3550142B2 (ja) インキ追従体
US7179005B2 (en) Ink follower for water-based ink ballpoint pen
JP2003213162A (ja) キャップオフ性能に優れた修正液組成物及び修正具
US20070020031A1 (en) Follower for non-aqueous ball point pen and non-aqueous ball point pen
JP4219193B2 (ja) 水性ボールペン
US7905671B2 (en) Ink backflow preventive for water-based ball-point pens
US7396397B2 (en) Ink composition for oil-based ballpoint pen and method for production thereof, and ballpoint pen refill
JP2016124291A (ja) 筆記具用インキ逆流防止体組成物及びそれを用いたボールペンレフィル
JP2006306975A (ja) インキ追従体組成物
JP3590909B2 (ja) 筆記具用インキ逆流防止体組成物
JPS61145269A (ja) 水性ボ−ルペン用インキ逆流防止体組成物
JP2006316122A (ja) 筆記具用水性インキ組成物及びそれを収容した筆記具
JP5452358B2 (ja) インク追従体
JP6346000B2 (ja) ボールペンレフィル
JP2017170663A (ja) 筆記具用インキ逆流防止体組成物
JP2022171311A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容した水性ボールペン
JP2016124295A (ja) 筆記具用インキ逆流防止体組成物
JP5179141B2 (ja) 出没式ボールペン
JP5709638B2 (ja) 筆記具用インキ逆流防止体組成物
JP5868657B2 (ja) 筆記具用インキ逆流防止体組成物
JP2010196073A (ja) キャップレスボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容したキャップレスボールペン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5483891

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250