JP3590909B2 - 筆記具用インキ逆流防止体組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は先端にボールペン先を備えたパイプ状インキ収容管に粘稠なインキが直接充填されてなる筆記具用のインキ逆流防止体組成物(以下、液栓と略称)に関し、特に水性インキを用いたボールペンに適した液栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
インキ含浸体を用いず、又インキ流出調節機構も使用せずに、インキ収容管に充填されているインクを直接ペン先に導出するタイプの筆記具の代表例には高粘度油性インキを用いた油性ボールペンがある。また近年水性ベースの中粘度(常温で約百乃至数千mPa・s程度の粘度)水性インキを用いた水性ボールペンが使われるようになった。この種の水性ボールペンではインキは前記油性インキより一層流動し易いので、インキの逆流を防止するためにインキ収容管の開放側にインキに接するよう液栓の配置が必須となる。
しかしながら、油性ボールペンに用いられている液栓をそのまま適用したのでは、水性インキへの追従性の悪さや温度変化により液栓の粘度が大きく変化してインキが逆流するという問題点があげられる。この点の改良として、特公平1−10554号や特開昭57−200472号には難揮発性有機液体、特に液状ポリブテンにゲル化剤を添加して粘度変化や粘着性を調節した液栓が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記提案された液栓は、用いられる難揮発性有機液体(ポリブテン)の分子量によりその性状が大きく左右される。即ち、分子量の小さいものを用いた液栓ではゲル体からの液体の分離が起こりやすい。ボールペン中で液栓の液体分離が起こると、分離した液体がペン先に移行してインキによる筆記を阻害するという欠陥をひき起こす。この現象を防止するためのゲル化剤の増量は経時による液栓の固化を招き、これもまた筆記不良の原因となる。
逆に高分子量のものを用いた液栓では粘着力が強くなり、ボールペン中で筆記によりインキが消費されても完全にはインキに追従せず、管壁面に付着して残りインキの逆流やインキのペン先からの流出不良をひき起こす原因となる。
またポリブテン−ゲル化剤系液栓は、該液栓に対して水性インキが混合し易い傾向にあり、この傾向は特に高温時には顕著であり液栓とインキの界面が崩れてしまうこともしばしば起こる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の液栓は、少なくともエチレン−α−オレフィンコオリゴマー及びゲル化剤を含むゲル状組成物である。
エチレン−α−オレフィンコオリゴマーは自体高い潤滑性を示し、分子量の大きいものでも粘着性の小さい液体であり、ポリブテンより疎水性であるので、ゲル化剤の添加で得られるゲル状組成物は水性インキのボールペン用の液栓としての適性を有することが見いだされた。
またエチレン−α−オレフィンコオリゴマーは液状ポリブテンや流動パラフィン等の実質的に不揮発性の液体と併用されても前記特性が失われることなく、それらとの相互作用でより良好な液栓性能が発揮される。
【0005】
本発明の液栓となるゲル状組成物は少なくともエチレン−α−オレフィンコオリゴマー及びゲル化剤を含んでなり、全組成中エチレン−α−オレフィンコオリゴマーは3乃至99.5重量%の範囲で含まれる。
併用される不揮発性液体は全組成中10乃至95重量%、好ましくは50乃至95重量%の範囲で含まれ、エチレン−α−オレフィンコオリゴマーとの合計量は99.5重量%以下である。不揮発性液体の95重量%を越える量の使用は、エチレン−α−オレフィンコオリゴマーの特性を打ち消してしまい、良好な性能が発揮されないので好ましくない。
前記不揮発性液体としては液状ポリブテンが最も好適である。
用いられるゲル化剤としてはジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール、アシル化アミノ酸、N−置換脂肪酸アマイド変性ポリエチレンワックス等があげられ、全組成中0.5乃至5重量%の範囲で用いられる。
【0006】
【作 用】
エチレン−α−オレフィンコオリゴマーの具備する潤滑性及び疎水性の故に、該成分を含む液栓は長期間水性インキと接触していても界面が維持され、ボールペンにおいて筆記により消費されるインキにつれてインキ収容管壁に付着分を残すことなくインキに追従する。
【0007】
【実 施 例】
下記の組成の混合物を加熱、攪拌し、ゲル化剤を完全に溶解させた後、室温に放冷して実施例及び比較例のゲル状組成物(液栓)を得た。
実施例1
ルーカントHC−100(注1) 19.5重量部(以下、部で表す)
ポリブテンHV−35(注4) 80.0部
ゲルオールT(注10) 0.5部
実施例2
ルーカントHC−100(注1) 19.5部
ポリブテンLV−100(注5) 80.0部
ゲルオールD(注11) 0.5部
実施例3
ルーカントHC−40(注2) 49.0部
ポリブテンLV−15(注6) 50.0部
GP−1(注12) 1.0部
実施例4
ルーカントHC−150(注3) 98.0部
GP−1(注12) 2.0部
実施例5
ルーカントHC−40(注2) 45.0部
ポリブテンHV−35(注4) 50.0部
セダリスト9615A(注13) 5.0部
比較例1
ポリブテンHV−35(注4) 50.0部
モレスコホワイトP70(注8) 49.5部
ゲルオールT(注10) 0.5部
比較例2
ポリブテンLV−100(注5) 99.5部
ゲルオールT(注10) 0.5部
比較例3
ポリブテンLV−15(注6) 99.0部
GP−1(注12) 1.0部
比較例4
ポリブテンHV−300(注7) 99.0部
GP−1(注12) 1.0部
比較例5
Kaydol(注9) 99.0部
GP−1(注12) 1.0部
【0008】
組成中の成分の内容を注番号に沿って以下に説明する。
(1)三井石油化学工業(株)商品名,エチレン−α−オレフィンコオリゴマー分子量 約1400
(2)三井石油化学工業(株)商品名,エチレン−α−オレフィンコオリゴマー分子量 約1000
(3)三井石油化学工業(株)商品名,エチレン−α−オレフィンコオリゴマー分子量 約1600
(4)日本石油(株)商品名,液状ポリブテン,分子量 750
(5)日本石油(株)商品名,液状ポリブテン,分子量 500
(6)日本石油(株)商品名,液状ポリブテン,分子量 540
(7)日本石油(株)商品名,液状ポリブテン,分子量 1350
(8)(株)松村石油研究所商品名,流動パラフィン
(9)Witco−Sonneborn社商品名,流動パラフィン
(10)新日本理化工業(株)商品名,トリベンジリデンソルビトール
(11)新日本理化工業(株)商品名,ジベンジリデンソルビトール
(12)味の素(株)商品名,アシル化アミノ酸
(13)ヘキストジャパン社商品名,ビスアマイド変性ポリエチレンワックス
【0009】
次いで、先端にボールペン先を取り付けた内径3.8mmφのポリエチレン管に、20℃における粘度が約100mPa・sの水性インキを所定量充填し、このインキ柱の後端面に試料液栓を配置して試料ペンとした。
各試料ペンを以下の試験に供した。
(1) JIS S6039「ボールペン中芯」に準拠して、筆記試験機による筆記試験(条件:筆記角度70度,荷重100g,筆記速度4m/分)を行ない以下の項目についてチェックした。
▲1▼ 書き切り性(インキがなくなるまで書けるか否か)
▲2▼ 液栓追従性(筆記によるインキの消費につれて追従するか否か)
▲3▼ 管壁面汚れ(インキ消費後、液栓が管壁に付着して残留していないか)
(2)試料ペンのペン先をゴム状物質で密閉してペン先上向きの状態で、50℃の恒温槽内に1ケ月放置した後、下記の項目についてチェックした。
▲4▼ 液体分離(液栓に液体分離が生起していないか観察)
前記(1)と同様に筆記試験機にかけて、以下の性能を調べた。
▲5▼ 書き切り性
▲6▼ 液栓追従性
【0010】
試験結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003590909
Figure 0003590909
【0011】
【発明の効果】
表1の試験結果にみられるとおり、本発明の液栓は、従来の液栓の欠点であったボールペン中で長期間経時した後の液栓性能の劣化、特に液体分離の発生及び追従性の劣化が解消されている。

Claims (2)

  1. 少なくともエチレン−α−オレフィンコオリゴマー及びゲル化剤を含むゲル状組成物であって、全組成中にエチレン−α−オレフィンコオリゴマーの占める割合は3乃至99.5重量%の範囲であり、前記ゲル化剤はジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール、アシル化アミノ酸、N−置換脂肪酸アマイド変性ポリエチレンワックスからなる群より選ばれる物質である筆記具用インキ逆流防止体組成物。
  2. 請求項1記載の筆記具用インキ逆流防止体組成物において、該組成物には更に液状ポリブテンが10乃至95重量%の範囲で含まれており、エチレン−α−オレフィンコオリゴマーと液状ポリブテンとの合計量は全組成の99.5重量%以下である。
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