JP2005060609A - 油性系ゲルインキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2ヶ月以上の長期間においても、酸化チタンの沈降を抑制すると共に、インキ組成物の流動性やレベリング性を確保した、サインペン、ボ−ルペンを含めた筆記具、修正具、接着剤、化粧具等に用いられるせん断減粘性を有する油性系ゲルインキ組成物を提供する。
【解決手段】 少なくとも酸化チタン、樹脂、有機溶剤を含むインキ組成物において、基本骨格がN−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる添加剤を、インキ組成物全量に対して、0.6〜4.5重量部含有し、かつ、上記添加剤の含有量1重量部に対して、上記樹脂の含有量が1.5〜11重量部であることを特徴とする油性系ゲルインキ組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、せん断減粘性を有する油性系ゲルインキ組成物、特に、サインペン、ボ−ルペンを含めた筆記具、修正具、接着剤、化粧具等に用いられる、有機溶剤を主成分とした油性系ゲルインキ組成物に関する。
一般に、酸化チタンを含有したインキ組成物は、その比重が高いため経時的に沈降分離するという問題点がある。そのため、使用前にインキ組成物を十分に再撹拌してから使用する手段、またはインキ組成物にせん断減粘性を付与させ、酸化チタンの沈降を抑制する手段などが従来から採られている。
このインキ組成物に、せん断減粘性を付与する手段としては、従来から増粘剤やゲル化剤などを添加することが知られている。これらの添加剤については、これまで様々な化学構造を有する材料で検討されている。しかし、水を主成分とするインキ組成物(所謂、水性系インキ組成物)に添加する材料に比べて、有機溶剤を主成分とするインキ組成物(所謂、油性系インキ組成物)に関しては、検討された材料種が少ないのが現状である。
油性系インキ組成物に添加する増粘剤やゲル化剤としては、例えば、モンモリロナイト系粘土鉱物、フッ素金雲母、デキストリン脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド類、または2−エチルヘキサン酸アルミニウムなどを用いることが知られている。
これらの材料を、目的とするインキ組成物に添加すると、酸化チタンの沈降によるハ−ドケ−キの形成を2ヶ月程度までは極力抑制することはできた。しかしながら、2ヶ月以上の長期間において保管した場合には、インキの底部には次第に沈降層が生成する問題点があった。また、静置時間の経過に伴いインキ組成物全体または部分的にゲル構造が強くなり、せん断減粘性の低下に伴うインキ組成物の流動性やレベリング性の低下が生じていた。ところで、製品として市場に提供することを考慮した場合、2ヶ月よりも長い期間の品質維持が求められることはいうまでもない。従って、より長期間において品質が維持される油性系ゲルインキ組成物の提供が望まれているところである。
また、本発明で検討した添加剤である、基本骨格がN−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる材料も、油ゲル化剤として知られている(例えば、特許文献1参照)。このような特徴を有する添加剤をインキ組成物に含有したものとしては、例えば、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ジ−n−ブチルアミドを0.5重量部添加する手段(例えば、特許文献2及び3参照)、またはN−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ジ−n−ブチルアミドを5重量部添加する手段(例えば、特許文献4参照)、さらには1〜10重量部を添加する手段(例えば、特許文献5参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1に記載されるように、これらの添加剤は有機溶剤に難溶であるため無機金属塩を溶解補助剤として共存させる等の特別な手法が必要となる。また、これらの添加剤は油凝固剤的な働きが強く、個々の網目内に油を抱き込んだ状態で3次元的なネットワ−クを形成するため、流動性に乏しいゲルが形成されることが知られている。
また、上記特許文献2及び3に記載されるように、ゲル化剤を0.5重量部以下で添加したインキ組成物においては、ゲル化剤の含有量が少ないことで著しい流動性の低下は認められず筆記特性は良好であったが、2ヶ月以上の長期間において酸化チタンの沈降を抑制することができず、経時の経過に伴い沈降分離が生じてしまう問題点があった。また、ゲル化剤を5重量部以上添加したインキ組成物においては、ゲル化剤の量が多い事でゲルの網目構造が十分に形成され、2ヶ月以上の長期間において酸化チタンの沈降を抑制することはできるものであるが、ゲルの網目構造の強さにより、インキ組成物の流動性がやや乏しく、かつ経時の経過に伴いさらにゲル強度が強くなり、2ヶ月以上の経過において大幅にインキ組成物の流動性やレべリング性の低下が起こる課題が認められている。
一方、上記特許文献5等に記載されるように、1〜10重量部の範囲で、特に1重量部以上5重量部未満の範囲で適宜にゲル化剤を添加したインキ組成物においても、2ヶ月以上の経時が経過した際には酸化チタンの沈降が生じるか、またはゲル強度が強くなることでインキ組成物の流動性やレベリング性の低下が生じるかの、いずれかの課題が少なからず発生し、両者の課題を同時に解決するにまでには至らなかったのが現状である。
特開昭52−68102号公報(実施例等) 特開2000−343875号公報(実施例等) 特開2000−343879号公報(実施例等) 特開平9−53034号公報(実施例等) 特開2002−256178号公報(実施例等)
本発明は、上記従来の課題及び現状に鑑み、これを解消しようとするものであり、2ヶ月以上の長期間においても、酸化チタンの沈降を抑制すると共に、インキ組成物の流動性やレベリング性を確保した、油性系ゲルインキ組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の課題等について鋭意検討の結果、少なくとも酸化チタン、樹脂、有機溶剤を含むインキ組成物において、基本骨格がN−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる添加剤を、インキ組成物全量に対して特定範囲の量を含有せしめ、かつ上記添加剤の含有量1重量部に対して、上記樹脂の含有量を特定の範囲とすることにより、上記目的の油性系ゲルインキ組成物を得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明は、次の(1)〜(5)に存する。
(1) 少なくとも酸化チタン、樹脂、有機溶剤を含むインキ組成物において、基本骨格がN−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる添加剤を、インキ組成物全量に対して、0.6〜4.5重量部含有し、かつ、上記添加剤の含有量1重量部に対して、上記樹脂の含有量が1.5〜11重量部であることを特徴とする油性系ゲルインキ組成物。
(2) 上記添加剤が、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ジ−n−ブチルアミドである上記(1)に記載の油性系ゲルインキ組成物。
(3) 上記樹脂が、アクリル系樹脂であり、かつ、数平均分子量が10000〜200000である上記(1)又は(2)に記載の油性系ゲルインキ組成物。
(4) 上記アクリル系樹脂が、下記一般式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル93〜99重量部、及び下記一般式(II)で示される塩基性含窒素モノマ−を0.4重量部以上、2重量部未満の範囲で含有して、共重合して得られるアクリル系合成樹脂である上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の油性系ゲルインキ組成物。
Figure 2005060609
Figure 2005060609
(5) 先端にボ−ルペンのチップと後方にインキ収容管を備え、先端ボ−ルがチップ先端のボ−ル抱持部の内縁に密接するように先端ボ−ルの背面にバネ圧が付与されており、上記インキ収容管に上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の油性系ゲルインキ組成物が充填されていることを特徴とする流動体塗布具。
本発明によれば、2ヶ月以上の長期間においても、酸化チタンの沈降を抑制すると共に、インキ組成物の流動性やレベリング性を確保した、サインペン、ボ−ルペンを含めた筆記具、修正具、接着剤、化粧具等に用いられるせん断減粘性を有する油性系ゲルインキ組成物及びそのインキ組成物を用いた流動体塗布具が提供される。
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の油性系ゲルインキ組成物は、少なくとも酸化チタン、樹脂、有機溶剤を含むインキ組成物において、基本骨格がN−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる添加剤を、インキ組成物全量に対して、0.6〜4.5重量部含有し、かつ、上記添加剤の含有量1重量部に対して、上記樹脂の含有量が1.5〜11重量部であることを特徴とするものである。
本発明で使用する添加剤は、基本骨格がN−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる添加剤であり、インキ組成物に含有せしめることによりインキ組成物全体にせん断減粘性を付与するものである。具体的な添加剤としては、N−オレオイルグリシン−n−オクチルアミド、N−ココイルアラニンシクロヘキシルアミド、N−ラウロイルバリン−n−ブチルアミド、N−硬化牛脂脂肪酸アシルロイシンアミド、N−パルミトイル−ε−アミノカプロン酸エチルアミド、N−カプロイルメチオニンステアリルアミド、N−デカノイルフェニルアラニンオレイルアミド、N−ミリストイルアスパラギン酸−α,β−ジエタノ−ルアミド、N−アセチルグルタミン酸−α,γ−ジラウリルアミド、Nα,Nε−ジカプリロイルリジンジメチルアミド、Nα,Nε−ジカプリロイルリジンイソステアリルエステル、Nα,Nε−ジラウロイルリジンオクチルエステル、Nα,Nδ−ジカプリロイルオルニチンラウリルエステル、Nα,Nδ−ジステアロイルオルニチンオレイルエステル、N−ミリストイルイソロイシンエチルアミド、N−デカノイルスレオニンオクチルアミド、N−ステアロイルセリンプロピルアミド、N−ブチリルグルタミン酸−α,γ−ジオクチルアミド、N−パルミトイル−β−アラニルオクチルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸−α、γ−ジエチルアミド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ジ−n−ブチルアミド、Nα,Nε−ジラウロイルリジンジエチルアミド、Nα,Nδ−ジデカノイルオルニチンミリスチルエステル、N−2−エチルヘキサノイルアスパラギン酸−α,β−ジオクチルアミドステアロイルオルニチンオレイルエステルなどが挙げられる。これらの添加剤は,単独で用いても二種以上組み合わせて用いてもよい。好ましくは、様々な種類の有機溶剤をゲル化させる点から、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ジ−n−ブチルアミドの使用が望ましい。なお、添加剤として、せん断減粘性を付与するものであっても、基本骨格がN−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなるものでない場合、例えば、合成スメクタイト、12−ヒドロキシステアリン酸などを用いた場合には、本発明の効果を発揮しないものである。
上記添加剤の含有量は、インキにせん断減粘性を付与するための濃度を確保するだけでなく、さらに2ヶ月以上の長期間においても酸化チタンの沈降を極力抑制すると共に、インキ組成物の流動性やレベリング性も確保するために、必要な量を含有しなくてはならない。具体的な含有量としては、インキ組成物全量(100重量部)に対して、0.6〜4.5重量部とすることが必要であり、好ましくは、1.5〜3.5重量部の範囲から選択されることが望ましい。
この添加剤の含有量が0.6重量部未満では、ゲル化剤の含有量が少ないことで著しい流動性の低下は認められず筆記特性は良好であったが、2ヶ月以上の長期間において酸化チタンの沈降を抑制することができず、経時の経過に伴い沈降分離が生じてしまうこととなる。また、この添加剤が4.5重量部を越えて含有したインキ組成物においては、ゲル化剤の量が多いことでゲルの網目構造が十分に形成され、2ヶ月以上の長期間において酸化チタンの沈降を抑制することはできたが、ゲルの網目構造の強さにより、インキ組成物の流動性がやや乏しく、かつ経時の経過に伴いさらにゲル強度が強くなり、2ヶ月以上の経過において大幅にインキ組成物の流動性やレべリング性の低下が起こることがあり、好ましくない。
本発明に用いる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、アルキルフェノ−ル樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニ−ルアクリル樹脂などの少なくとも一種を用いることができる。好ましくは、アクリル系の合成樹脂が望ましく、該樹脂は(メタ)アクリル酸エステルの単独重合、(メタ)アクリル酸エステル類の二種類以上の共重合、あるいは(メタ)アクリル酸エステル類の一種以上とスチレン共重合体が挙げられる。
更に、好ましい樹脂としては、下記一般式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル93〜99重量部、および下記一般式(II)で示される塩基性含窒素モノマ−を0.4重量部以上、2重量部未満の範囲で含有して、共重合して得られるアクリル系合成樹脂である。
Figure 2005060609
Figure 2005060609
上記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、プロピル(メタ)アクリレ−ト、イソプロピル(メタ)アクリレ−ト、イソブチル(メタ)アクリレ−ト、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、オクチル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、セチル(メタ)アクリレ−ト、シテアリル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキスル(メタ)アクリレ−トなどのメタクリレ−ト類や、アクリレ−ト類が挙げられる。
上記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル類は、アクリル系樹脂の共重合成分として93〜99重量部含有することが必要であり、含有量が93重量部未満であると有機溶剤類に対する溶解度が悪くなったり、筆記描線が脆くなる可能性が有る。一方、99重量部を越えると、逆に酸化チタンなどの顔料に対する分散安定性が悪くなる。
上記式(II)で示される塩基性含窒素モノマーとしては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジメエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、などが使用される。
上記式(II)で示される塩基性含窒素モノマ−は、アクリル系樹脂の共重合成分として0.4重量部以上、2.0重量部未満の範囲で含有することが必要であり、この量が0.4重量部未満であると、酸化チタン顔料に対する樹脂吸着量が少なくなり、特に長期にわたる分散安定性が悪くなる傾向にある。また、2.0重量部以上であると、逆にアクリル系樹脂自体の有機溶剤に対しての溶解性が悪くなる傾向にあり、該アクリル系樹脂ワニス自体が貯蔵中に相分離を起しやすくなる。その結果、経時的に樹脂と溶剤とが分離し易く、顔料の分散不良による貯蔵安定性の低下(粘度の増加、顔料沈降現象)や、筆記描線の不良(描線剥離、描線のひび割れ)などが起こりやすくなり、ゲル構造により酸化チタンの沈降を抑制すると供に、インキ組成物の流動性やレベリング性を確保すると言う目的に少なからず問題を与える可能性がある。これは、本来塩基性含窒素モノマ−が強親水性モノマ−である事に由来しており、必然的に当該モノマ−の含有量が多くなるにつれて、アクリル樹脂自体の有機溶剤に対する溶解性が悪くなるものと推察される。
本発明の油性系ゲルインキ組成物に用いる上記アクリル系合成樹脂には、必要に応じて共重合体成分としてスチレンモノマ−を5重量部未満混入しても良い。このスチレンモノマ−を共重合することにより、筆記描線の表面層をより緻密にし、しかも、可撓性のある描線を得る事ができる。しかし、5重量部を越えると、有機溶剤への溶解性が悪くなったり、筆記描線が脆くなる可能性がある。
本発明に用いる上記アクリル系樹脂等は、有機溶剤に溶解し、酸化チタン並びにその他適宜使用する充填用顔料の分散樹脂としての性能を有し、その使用量は、インキ組成物(全量)中、好ましくは0.9重量部以上、更に好ましくは9〜22重量部とすることが望ましい。この樹脂の含有量が0.9重量部未満であると、顔料の分散不良が発生したり、筆記描線が非常に脆くなる。なお、22重量部を越えると、筆記描線の表面に皮張りが生じ、描線内部の溶剤が揮発し難くなり、描線乾燥性が低下することとなる。
また、本発明に用いる上記アクリル系樹脂等は、N−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる添加剤と相溶し、本発明の効果を発揮せしめることとなる好ましい3次元的なネットワ−ク構造を形成することとなる。この3次元的なネットワ−ク構造を形成するための使用量は、インキ組成物(全量)中における添加剤の含有量1重量部に対して、樹脂の含有量が1.5〜11重量部とすることが必要であり、好ましくは、3〜9.5重量部とすることが望ましい。この量が1.5重量部未満であると、添加剤量が優先したネットワ−ク構造を形成するため、添加剤特有の油凝固剤的な働きが強く作用し、流動性に乏しいゲルが形成されるため、好ましくない。また、11重量部を越えると、形成される3次元のネットワ−ク構造は樹脂成分が支配的になり、インキ組成物の流動性は維持されるものの、静置状態におけるゲル構造の強度が低下し、経時期間の経過にともない本来の目的である顔料沈降を抑制する働きが発揮できないこととなり、好ましくない。
本発明に用いられる上記アクリル系樹脂等の製造方法は、従来より公知の溶液重合法によって製造することができる。また、特筆すべき点として、本発明で好ましく用いられるアクリル系樹脂は、数平均分子量(Mn)が10000〜200000であり、かつN−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる添加剤の含有量1重量部に対して、1.5〜11重量部、好ましくは3〜9.5重量部にすることで、ゲル構造を形成した後に発生する離漿問題(ゲル構造が熟成する過程で収縮することにより、ゲル構造の間隙に含んでいた分散媒の一部が脱離する現象で、ゲルインキ組成物から半透明もしくは透明な液体を発生させる問題)に対しても、大幅に軽減することが可能となる。更に好ましいアクリル系樹脂は、数平均分子量(Mn)が20000〜50000であるものが望ましく、この範囲となる数平均分子量のものは、更に本発明の効果を発揮するものとなる。
このアクリル系樹脂の数平均分子量(Mn)が10000未満、並びにN−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる添加剤の含有量1重量部に対して、アクリル系樹脂量が1.5重量部未満では、ゲル構造の熟成に伴うゲル構造の収縮を抑制することができないこととなる。一方、アクリル系樹脂の分子量が200000超過、並びにN−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる添加剤の含有量1重量部に対して、アクリル系樹脂量が11重量部超過では、ゲル構造の熟成に伴うゲル構造の収縮を抑制することはできるが、ゲル構造に対してアクリル系樹脂の物理的な立体障害が働くことで、ゲル構造全体の強度を低下させることとなる。このため、顔料の沈降を抑制できず、結果的に上澄み液が発生し、見た目上では離漿発生と同様に、半透明もしくは透明な液を発生させることとなり、好ましくない。
本発明に用いられる酸化チタンは,ルチル型もしくはアナタ−ゼ型の二酸化チタンが挙げられる。使用できるニ酸化チタンの市販品としては、TITANIX JR−301、同JR−701、同JR−600、同JR−801(以上、テイカ社製)、タイピュア R−900、同R−931、同R−960(以上、デュポン社製)、TITONE SR−1、同KA−10、同KA−20(以上、堺化学工業社製)、クロノス KR−310、同KR−380、同KR−380N、同KR−460(以上、チタン工業社製)、R−780、R−820、CR−50、CR−93(以上、石原産業社製)を挙げることができる。
このインキ組成物(全量)中の二酸化チタンの含有量は、ゲルインキ組成物の使用目的に応じて、5〜60重量部、好ましくは、10〜50重量部の範囲とすることが望ましい。この二酸化チタンの含有量が5重量部未満であると、ニ酸化チタンの隠蔽性がまったく発現されない。また、60重量部を越えると、全ての酸化チタンを沈降し難くするためにゲル構造の強度を強くしなければならず、インキとしての流動性が確保できないこととなる。なお、使用可能なニ酸化チタンの粒子サイズに関しては何ら限定されるものではない。
本発明で用いる有機溶剤は、通常筆記具、修正具、接着剤、化粧具等に用いられるものであれば何ら限定されるものではない。具体的に用いることができる有機溶剤としては、n−へキサン、イソへキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの非極性の脂肪族炭化水素やナフテン系炭化水素、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素、1,1,2−トリクロロエタン、テトラクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
好ましくは、良好な隠蔽性を有する塗膜の乾燥時間、粘度調整などの点から、20℃における蒸気圧が1mmHg以上、かつ、溶解度パラメ−タ−δが10以下に相当する低極性で比較的揮発性の高い有機溶剤であるものが挙げられ、具体的には、n−へキサン、イソへキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン及びキシレンから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
これらの有機溶剤の含有量は、インキ組成物全量に対して、20〜80重量部、好ましくは、35〜60重量部とすることが望ましい。ただし、有機溶剤の種類によっては、N−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる添加剤やその他の樹脂を溶解させることが困難となり、容易にゲルインキ組成物中へ使用することができない可能性もある。しかし、本発明で用いる上記添加剤やその他の樹脂は、加温することにより溶解させることが可能である。仮に、該添加剤や樹脂の溶解温度が、使用する有機溶剤の沸点よりも高い場合は、圧力環境下で該有機溶剤の沸点を該添加剤や樹脂の溶解温度まで一時的に上昇させることで、溶解することができる。
本発明では、上記酸化チタン、樹脂、有機溶剤、及び基本骨格がN−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる添加剤を必須成分としているが、上記各成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、染料等の色材、隠蔽剤として用いる酸化チタン等の分散安定性のための分散剤、その他種々の添加剤(任意成分)などを筆記具、修正具、接着剤、化粧具等の油性系ゲルインキ組成物の用途等に応じて適宜含有することができる。また、本発明において、油性系ゲルインキ組成物の粘度は、上記配合組成の範囲であれば用途等に応じて適宜設定されるものであり、例えば、本発明の油性系ゲルインキ組成物を修正液に用いる場合の粘度としては、好ましくは、25℃において、剪断速度400s-1の場合には、250mPa・s以下、剪断速度5s-1の場合には1000mPa・s以上の構造粘性を有することが望ましい。
本発明の油性系インキ組成物は、サインペン、ボ−ルペンを含めた筆記具、修正具、接着剤塗布具、化粧具等の流動体塗布具に好適に用いることができる。
このように構成される本発明では、基本骨格がN−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる添加剤を、インキ組成物全量に対して、0.6〜4.5重量部含有し、並びに上記添加剤の含有量1重量部に対して、樹脂の含有量が1.5〜11重量部とすることにより、2ヶ月以上の長期間においても、酸化チタンの沈降を抑制すると共に、インキ組成物の流動性やレベリング性を確保した、油性系ゲルインキ組成物を提供できることとなる。さらには、ゲルインキ組成物に見られる離漿現象についても大幅な抑制が可能となる。
更に、上記添加剤を、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ジ−n−ブチルアミドとすると共に、上記樹脂を、アクリル系樹脂とし、かつ、その数平均分子量が10000〜200000であるものを用いれば、更に、3ヶ月以上の長期間においても、酸化チタンの沈降を更に抑制すると共に、インキ組成物の流動性やレベリング性を更に確保し、更に油性系ゲルインキ組成物に見られる離漿現象についても大幅に抑制することができる油性系ゲルインキ組成物が得られることとなる。
本発明の流動体塗布具は、先端にボ−ルペンのチップと後方にインキ収容管を備え、先端ボ−ルがチップ先端のボ−ル抱持部の内縁に密接するように先端ボ−ルの背面にバネ圧が付与されており、上記インキ収容管に上述の構成となる油性系ゲルインキ組成物が充填されていることを特徴とするものである。
本発明の流動体塗布具としては、上記構成を有するものであれば、特に限定されず、例えば、本願出願人による特開平2000−335173号記載の加圧ポンピング機構を備えたノック式のボールペン型流動体塗布具、更に、図1及び図2に示すような加圧機構を有する本体部に着脱着自在とした加圧型のノック式流動体塗布具(修正ペン)などが挙げられる。
この図1及び図2に示す加圧型のノック式流動体塗布具の構成等を簡単に説明すると、先端にボーペンチップ(塗布部の例)12と後方にインキ収容管(リフィール)10を備えたリフィールユニット14が、第1のスプリング16で後方に向けて弾発された状態で軸本体18内に装填されると共に、前記リフィールユニット14のボールペンチップ12を、軸本体18の後端側に設けたノック機構20の押し出し操作及び押し出し解除操作に連動させて先端開口18aから出没可能となる流動体塗布具であって、前記リフィールユニット14の流動体収容管10内の後部10rが開放され、軸本体18内には、該後部10rとノック機構20との間にリフィール10内圧力を増加させる加圧機構22が設けられ、加圧機構22は、シール部24と前端開放の筒部26とシール部24及び筒部26を離隔させる方向に弾発させる第2のスプリング28とを有するものであり、前記ノック機構20の押し出し操作終了後に、軸本体18から突出したボールペンチップ12先端を押圧してリフィールユニット14を後退させた場合に、加圧機構22では前記シール部24が後退して相対的に筒部26が前進して内部加圧室40の内部空気を圧縮し、その圧縮された内部空気により逆止弁29を開きシール部24を通してリフィール10内を加圧するようになっている。また、加圧機構22は、ノック機構20の押し出し解除時における前記リフィールユニット14のボールペンチップ12のペン先の軸本体18内への没入状態でリフィール10内の加圧状態を解除するものである。更に、前記リフィールユニット14は、油性系ゲルインキ組成物(修正液)30とその後端に油性系ゲルインキ組成物30に追従するフォロア32を充填したリフィール10と、該リフィール10の前方に圧入されたボールペンチップ12とを備えて構成され、ボールペンチップ12先端内部に回動可能に遊嵌されたボールは、押し棒11aを介してスプリング(バネ圧)11bにより先方に向けて付勢されて背圧が付与されており、非塗布時にはボールペンチップ12先端開口部を塞いでいる。なお、リフィール10内の油性系ゲルインキ組成物30の後部には、油性系ゲルインキ組成物30の溶剤分の揮発を防止する目的でフォロア32が充填されている。
この流動体塗布具では、油性系ゲルインキ組成物の流量が必要なときには軸本体18より突出した塗布部12の先端を塗布面に押し付けることで、リフィール10を加圧機構の中に更に押し込ませてより大きな加圧力をリフィール10内に加圧することができる。このように使用時のみ加圧できるので、非使用時の油性系ゲルインキ組成物(修正液)の漏れを防止できる。更に、インキ収容管(リフィール)10自体は、ASTM D792による光線透過率50%以上、好ましくは80%以上となる単層叉は複合層となるナイロン樹脂(ポリアミド)、EVOH等で構成されるので、視認性、クリアドレイン性に優れると共に、特に加圧のための部品は必要ないことでリフィールのコストを低く押さえることができ、リフィール交換によるランニングコストを低減することができるものである。また、軸本体18もASTM D792による光線透過率50%以上、好ましくは80%以上となる視認性に有する樹脂、例えば、光線透過率80%以上となる、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)などを使用すれば、視認性に有するインキ収容管14に充填される油性系ゲルインキ組成物30の残量が簡単に視認することができる。
このように構成される本発明の流動体塗布具では、先端にボ−ルペンのチップと後方にインキ収容管を備え、先端ボ−ルがチップ先端のボ−ル抱持部の内縁に密接するように先端ボ−ルの背面にバネ圧が付与されており、上記インキ収容管に上述の構成となる油性系ゲルインキ組成物が充填されているので、インキ収容管に充填される油性系ゲルインキ組成物は3ヶ月以上の長期間においても、インキ組成物中の酸化チタンの沈降が抑制されると共に、インキ組成物の流動性やレベリング性を確保でき、更に油性系ゲルインキ組成物に見られる離漿現象についても大幅に抑制することができる流動体塗布具が得られることとなる。
次に、実施例及び比較例により、本発明の油性系ゲルインキ組成物について更に上述するが本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、表1及び表2の配合単位は、全て重量部である。
実施例と比較例で用いる各アクリル系合成樹脂は、下記表1の配合組成により、次のようにして調製した。
アクリル合成樹脂溶液(A1〜7)の調製:
温度計、撹拌混合機、加熱ジャケット、還流コンデンサ−などを装着した800mlの反応容器に、下記表1記載のごとく配合し、窒素ガス気流下において80℃で溶液重合を開始した。重合途中において反応中の樹脂をサンプリングし、数平均分子量を確認しながら重合時間を調整することで、目的とする数平均分子量を有した有効樹脂濃度40%のアクリル系合成樹脂溶液を得た。なお、A1,A5〜A7は、配合組成が同じであるが、重合時間を調整し、数平均分子量を変化させたものである。
Figure 2005060609
油性系ゲルインキ組成物の調製:(実施例1〜14及び比較例1〜6)
上記表1で得たアクリル合成樹脂溶液(A1〜7)等を用いて、下記表2に示した配合組成により、ボ−ルミルにて16時間混合分散または撹拌機付き圧力釜(オ−トクレ−ブ)にて加温混合分散をして、各油性系ゲルインキ組成物を得た。
得られた実施例及び比較例の各油性系ゲルインキ組成物について、下記方法により粘度、沈降層の形成、インキ流動性、レベリング性及び離漿について評価等を行った。これらの結果等を下記表2及び表3に示す。
(粘度の測定)
実施例及び比較例の各油性系ゲルインキ組成物の粘度は、以下の条件で測定した。
試料:密閉可能なガラス容器内に一昼夜静置したもの
測定温度:25℃
粘度計:E型粘度計(トキメック社製、VISCOMETER TV−20 EMD)
回転数:1rpm、100rpm
(沈降層の形成の評価方法)
インキを内径30mmの容器に高さ50mm充填し、レオメ−タ−NRM−010J−CW(不動工業社製)にて、直径20mmの円盤型アダプタ−を用い、架台速度(円盤がインキを押す速度)2cm/分でインキの荷重を測定した。なお、沈降層が形成したかの確認は以下の式による過重変化率及び評価基準で評価した。
過重変化率(%)={過重2−過重1}÷過重2×100
過重1:インキの底から45mmの高さにおける過重
過重2:インキの底から5mmの高さにおける過重
評価基準:
◎:沈降層の形成無し(過重変化率が1%未満)
○:沈降層の形成ほとんどなし(過重変化率が1%以上5%未満)
△:沈降層の形成がややあり(過重変化率が5%以上10%未満)
×:沈降層の形成があり(過重変化率が10%以上)
(インキ流動性の評価方法)
内径30mm、高さ65mmの容器内に高さが30mmになるようにインキを充填し、シ−ル性の高い蓋を用いて密閉状態で静置した。そして、容器を90度傾けた際にインキが容器内を流れる時間を計測した。なお、容器内をインキが流れる時間は、静置時にインキ上部(容器内の底から30mmの高さ)に存在するインキが、90度傾けた際に蓋(容器内の底から65mm)へ到達するまでの時間とし、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:流動性大 (到達時間が2秒未満)
○:流動性良い(到達時間が5秒未満)
△:流動性悪い(到達時間が15秒未満)
×:流動性無し(到達時間が15秒以上)
(レベリング性の評価方法)
先端にボ−ルペンのチップと後方にインキ収容管を備え、先端ボ−ル(ボ−ル径1.0mm)がチップ先端のボ−ル抱持部の内縁に密接するように先端ボ−ルの背面にバネ圧が付与されている容器(三菱鉛筆社製、CLB−200EW)内にインキを充填し、3.0cm四方の正方形内を塗りつぶし、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:レベリング性大 (正方形内の平滑な部分の面積が90〜100%)
○:レベリング性良好(正方形内の平滑な部分の面積が80〜90%)
△:レベリング性悪い(正方形内の平滑な部分の面積が50〜80%)
×:レベリング性無し(正方形内の平滑な部分の面積が0〜50%)
(離漿の評価方法)
内径16mm、高さ145mmの装置専用容器内に、高さが80mmになるようにインキを充填し、シ−ル性の高い専用蓋を用いて密閉状態で静置した。そして、分散溶液評価装置TURBISCAN−MA2000(フォ−マルアクション社製)を用いて、インキ上部において透過強度が50%以上になる範囲を計測し、下記評価基準で評価した。なお、計測した距離は、インキ最上面(容器の底から80mmの高さ)を基準値ゼロとした。
評価基準:
◎:離漿なし (計測距離が0〜2mm)
○:離漿ほぼなし(計測距離が2〜4mm)
△:離漿やや有り (計測距離が4〜10mm)
×:離漿有り (計測距離が10mm以上)
Figure 2005060609
Figure 2005060609
上記表2〜表3の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜14は、本発明の範囲外となる比較例1〜6に較べて、2ヶ月以上の長期間においても、酸化チタンの沈降を抑制すると共に、インキ組成物の流動性やレベリング性を確保すると共に、離漿についても大幅に抑制可能となることが判明した。
特に、実施例1、2,5,6,14では、樹脂を、アクリル系樹脂とし、かつ、その数平均分子量が10000〜50000であるものを用いたので、更に、3ヶ月以上の長期間においても、酸化チタンの沈降を更に抑制すると共に、インキ組成物の流動性やレベリング性を更に確保し、更に油性系ゲルインキ組成物に見られる離漿についても大幅に抑制することができることが判った。
本発明の流動体塗布具の使用状態の一例を示す部分縦面図である。 (a)は、図1のインキ収容管を示す部分縦面図であり、(b)は、(a)のインキ収容管の先端部となる塗布部の拡大縦面図である。

Claims (5)

  1. 少なくとも酸化チタン、樹脂、有機溶剤を含むインキ組成物において、基本骨格がN−アシルアミノ酸アミド又はN−アシルアミノ酸エステルのうちの少なくとも1種のN−アシルアミノ酸誘導体からなる添加剤を、インキ組成物全量に対して、0.6〜4.5重量部含有し、かつ、上記添加剤の含有量1重量部に対して、上記樹脂の含有量が1.5〜11重量部であることを特徴とする油性系ゲルインキ組成物。
  2. 上記添加剤が、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ジ−n−ブチルアミドである請求項1に記載の油性系ゲルインキ組成物。
  3. 上記樹脂が、アクリル系樹脂であり、かつ、数平均分子量が10000〜200000である請求項1又は2に記載の油性系ゲルインキ組成物。
  4. 上記アクリル系樹脂が、下記一般式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル93〜99重量部、及び下記一般式(II)で示される塩基性含窒素モノマ−を0.4重量部以上、2重量部未満の範囲で含有して、共重合して得られるアクリル系合成樹脂である請求項1〜3の何れか一つに記載の油性系ゲルインキ組成物。
    Figure 2005060609
    Figure 2005060609
  5. 先端にボ−ルペンのチップと後方にインキ収容管を備え、先端ボ−ルがチップ先端のボ−ル抱持部の内縁に密接するように先端ボ−ルの背面にバネ圧が付与されており、上記インキ収容管に請求項1〜4の何れか一つに記載の油性系ゲルインキ組成物が充填されていることを特徴とする流動体塗布具。
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