JP2017048373A - 食品包装資材用水性筆記具 - Google Patents

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宰知 平泉
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Abstract

【課題】食品包装用資材に記載しても発色性及び定着性に優れる筆記物を与えることのできる食品包装資材用水性筆記具を提供することを目的とする。【解決手段】 2種以上の顔料と、1種以上の分散剤と、を含むインクを備え、前記顔料の少なくとも1種が、白色顔料であり、前記顔料の総含有量が、前記インクの総量に対して、10〜25質量%であり、前記分散剤の総含有量が、前記インクの総量に対して、1〜5質量%である、食品包装資材用水性筆記具。【選択図】なし

Description

本発明は、食品包装資材用水性筆記具に関する。
食品などの保管の際に食品などを入れたビニール袋や食品包装用のごく薄い透明なフィルム(ラップ)に、日付などを記載できるインキ組成物として、例えば、水溶性の染料と、この水溶性の染料に対して重量比率が3倍以上のアルコール溶性で且つ水難溶性の樹脂と、この水溶性の染料に対して重量比率が2倍以上34倍以下の水とから少なくともなる筆記具用インク組成物が知られている(特許文献1)。
特開2008−163174号公報
しかしながら、引用文献1に記載のインクは、インク中のアルコール(有機溶媒)含有量が70質量%を超える所謂油性インクであるため、食品包装資材に対する有機溶媒の浸透と、浸透した有機溶媒が内側の食品を汚染する可能性があることが問題である。一方で、従来の水性インクでは、濡れ性が悪く資材上に記載しにくいという問題がある。
また、一般に光を透過する食品包装用資材上に筆記した場合、得られる光を透過してしまい、発色性が発揮されにくく、読みづらいという点も問題となる。一方で、顔料の使用量を増やすと、インクの安定性が低下し、沈殿等が生じやすくなったり、インクの定着性が低下するという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、食品包装用資材に記載しても発色性及び定着性に優れる筆記物を与えることのできる食品包装資材用水性筆記具を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
2種以上の顔料と、1種以上の分散剤と、を含むインクを備え、
前記顔料の少なくとも1種が、白色顔料であり、
前記顔料の総含有量が、前記インクの総量に対して、10〜25質量%であり、
前記分散剤の総含有量が、前記インクの総量に対して、1〜5質量%である、
食品包装資材用水性筆記具。
〔2〕
前記分散剤が、無機粒子、ポリオキシアルキレン化合物、及びポリ(メタ)アクリル酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含む、
〔1〕に記載の食品包装資材用水性筆記具。
本発明によれば、上記問題点に鑑みてなされたものであり、食品包装用資材に記載しても発色性及び定着性に優れる筆記物を与えることのできる食品包装資材用水性筆記具を提供することを目的とする。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔食品包装資材用水性筆記具〕
本実施形態の食品包装資材用水性筆記具は、2種以上の顔料と、1種以上の分散剤と、を含むインクを備え、前記顔料の少なくとも1種が、白色顔料であり、前記顔料の総含有量が、前記インクの総量に対して、10〜25質量%であり、前記分散剤の総含有量が、前記インクの総量に対して、1〜5質量%である。
「食品包装資材」とは、一般的に食品包装用途に用いられるものであれば、特に限定されないが、例えば、ラップフィルム、シュリンクフィルム、食品包装用バック、などが挙げられる。このような資材を構成する樹脂としては、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、またはこれらの重合体が挙げられる。このなかでも、塩化ビニリデン製の食品包装フィルム(ラップフィルム)が好ましい。
また、「食品包装資材」には密封容器、コンテナなどの容器も挙げられる。このような容器を構成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、これらの重合体、またはガラスなどが挙げられる。
「水性」とは、主成分として水を含み、水溶性有機溶剤の含有量が、インクの総量に対して、好ましくは0〜40質量%であり、より好ましくは0〜20質量%であり、さらに好ましくは0〜10質量%であり、特に好ましくは0〜5質量%であることをいう。水溶性有機溶剤の含有量が少ないほど食品包装用水性筆記具としての安全性がより向上する。なお、「水溶性」とは、水と混和することを意味する。
〔インク〕
インクは、2種以上の顔料と、水と、1種以上の分散剤と、を含み、必要に応じて、樹脂微粒子、保湿剤、その他の成分を含んでもよい。以下、各成分について説明する。
〔顔料〕
2種以上の顔料としては、少なくとも1種が白色顔料であれば特に限定されず、以下に例示される従来公知のものを用いることができる。具体的には、少なくとも1種の白色顔料と、少なくとも1種の有色顔料の組合せ、2種の白色顔料の組合せなどが挙げられる。なお、有色顔料とは、白色顔料以外の顔料をいうものとする。透明な資材に対して筆記をした場合、有色顔料のみでは光が透過してしまうため筆記物(食品包装資材上にインクが付着して得られた記録物)が読みにくいなどの問題がある。これに対して、白色顔料を含むことにより、光の透過を遮ることができ(隠蔽性)、発色性の高い筆記物を得ることができる。
白色顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、アルミナ、珪酸アルミニウム、及び酸化ジルコニウムの白色無機顔料が挙げられる。当該白色無機顔料以外に、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子などの白色有機顔料を使用することもできる。このなかでも、酸化チタンが好ましい。このような白色顔料を用いることにより、筆記物の隠蔽性がより向上する。
ブラック顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、又はC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアン顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン、及びイエロー以外のカラーインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメント グリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
パール顔料としては、特に限定されないが、例えば、二酸化チタンや酸化鉄被覆雲母、魚鱗箔、三塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられる。
メタリック顔料としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、銅などの単体又は合金からなる粒子が挙げられる。
白色顔料と有色顔料を併用する場合において、白色顔料の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは5〜25質量%であり、より好ましくは5〜20質量%であり、さらに好ましくは10〜15質量%である。白色顔料の含有量が5質量%以上であることにより、隠蔽性がより向上し、得られる筆記物の発色性がより向上する。また、白色顔料の含有量が25質量%以下であることにより、インクの分散安定性がより向上する。
白色顔料と有色顔料を併用する場合において、有色顔料の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは5〜15質量%であり、より好ましくは3.5〜12.5質量%であり、さらに好ましくは5〜10質量%である。有色顔料の含有量が2.5質量%以上であることにより、得られる筆記物の発色性がより向上する。また、有色顔料の含有量が15質量%以下であることにより、インクの分散安定性がより向上する。
白色顔料のみを使用する場合において、白色顔料の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは5〜25質量%であり、より好ましくは10〜25質量%であり、さらに好ましくは15〜25質量%である。白色顔料の含有量が5質量%以上であることにより、隠蔽性がより向上し、得られる筆記物の発色性がより向上する。また、白色顔料の含有量が25%以下であることによりインクの分散安定性がより向上する。
顔料の総含有量は、インクの総量に対して、10〜25質量%であり、好ましくは12.5〜25質量%であり、より好ましくは15〜23質量%である。顔料の含有量が10質量%以上であることにより、得られる筆記物の発色性がより向上する。また、顔料の含有量が25質量%以下であることにより、インクの分散安定性がより向上する。
〔分散剤〕
顔料分散剤としては、特に限定されないが、例えば、一般に用いられる水溶性樹脂、無機粒子、界面活性剤、及び水溶性増粘剤等からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
分散剤の総含有量は、インクの総量に対して、1〜5質量%であり、好ましくは1.5〜4.5質量%であり、より好ましくは2〜4質量%である。分散剤の総含有量が1質量%以上であることにより、顔料の分散安定性がより向上する。また、分散剤の総含有量が5質量%以下であることにより、粘度の向上が抑制され、書味がより向上する。
(無機粒子)
インクは、無機粒子をさらに含んでもよい。無機粒子を含むことにより、インクの接触角がより低下するため筆記線のハジキ防止効果、滲み抑制効果がある。また、顔料表面に付着して顔料を安定化させたり、保護コロイドとして顔料同士の接触面積を小さくすることにより顔料の沈殿・凝集を防止させたりすることができるため、顔料の分散性がより向上し、インク中により多量の顔料を安定分散させることができる。またこれに伴い、多量の顔料が使用可能となるため、当該インクを用いて得られた筆記物の発色性がより向上する。
無機粒子としては、特に限定されないが、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、無水微粉ケイ酸、含水微粉ケイ酸、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸カルシウムなどのシリカが挙げられる。無機粒子の中でも、シリカは、非常に大きな比表面積をもつため分散が容易である。
無機粒子の一次平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μmであり、より好ましくは0.5〜5μmである。無機粒子の一次平均粒子径が0.5μm以上であることにより、顔料の分散性がより向上する傾向にある。また、無機粒子の一次平均粒子径が5μm以下であることにより、無機粒子の沈降などを抑制できるため、インクの分散安定性がより向上する。なお、一次平均粒子径は、光学顕微鏡により測定することができる。
無機粒子の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは0.1〜7.5質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%であり、さらに好ましくは0.5〜2.5質量%である。無機粒子の含有量が0.1質量%以上であることにより、顔料の分散性がより向上し、また、インクの接触角がより低下する。また、無機粒子の含有量が7.5質量%以下であることにより、無機粒子の沈降などを抑制できるため、インクの分散安定性がより向上する。
(ポリ(メタ)アクリル酸塩)
インクは、ポリ(メタ)アクリル酸塩をさらに含んでもよい。ポリ(メタ)アクリル酸塩を含むことにより、顔料のインクの濡れ性がより向上し、インク中の顔料の分散性がより向上する。また、増粘効果があり顔料の沈降(特に無機顔料)を防止することができるため、インク中により多量の顔料を安定分散させることができるため、当該インクを用いて得られた筆記物の発色性がより向上する。さらに、顔料及びシリカ等の無機粒子がインク中で分離して分散することを抑制でき、色別れをより抑制できる。
ポリ(メタ)アクリル酸の塩としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウムなどのアルカリ金属;カルシウムなどのアルカリ土類金属;アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン等のアミンとの塩が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリル酸塩の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは0.1〜2質量%であり、より好ましくは0.25〜1.25質量%であり、さらに好ましくは0.45〜0.9質量%である。ポリ(メタ)アクリル酸塩の含有量が0.1質量%以上であることにより、顔料の分散性がより向上する。また、ポリ(メタ)アクリル酸塩の含有量が2質量%以下であることにより、筆記面の乾燥性抑制、インク粘度の増粘抑制がより向上する。
(ポリオキシアルキレン化合物)
インクは、ポリオキシアルキレン化合物をさらに含んでもよい。ポリオキシアルキレン化合物を含むことにより、顔料及びシリカ等の無機粒子がインク中で分離して分散することを抑制でき、色別れをより抑制できる傾向にある。ポリオキシアルキレン化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、グリセリンアルキルエステルなどが挙げられる。このなかでも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
ポリオキシアルキレン化合物の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは0.05〜1質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%であり、さらに好ましくは0.15〜0.25質量%である。ポリオキシアルキレン化合物の含有量が0.05質量%以上であることにより、顔料の分散性がより向上する。また、ポリオキシアルキレン化合物の含有量が1質量%以下であることにより、筆記面の定着性、乾燥性の低下抑制がより向上する。
〔樹脂微粒子〕
インクは、樹脂微粒子をさらに含んでもよい。樹脂微粒子を構成する樹脂としては、特に限定されないが、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂、アクリルアミド樹脂、エポキシ樹脂、あるいはこれらの共重合樹脂等が挙げられる。この中でも、アクリル樹脂微粒子及びフッ素樹脂微粒子が好ましい。これらの樹脂は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、「樹脂微粒子」には、インク中で分散状態を有する樹脂が含まれ、例えば、エマルジョン、ワックス粒子の分散体などが含まれる。
アクリル樹脂微粒子としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル系単量体を重合させたものや、(メタ)アクリル系単量体とスチレンなどの他の単量体とを共重合させたものが挙げられる。
フッ素樹脂微粒子としては、特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−パーフルオロイジオキソールコポリマー、ポリビニルフルオライド等が挙げられる。比較的に撥水性が高く、比重の低いフッ素樹脂粒子を用いることにより、顔料の分散安定性がより向上し、また、得られる筆記物の耐摩耗性がより向上する。
樹脂微粒子の一次平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μmであり、より好ましくは0.5〜5μmである。樹脂微粒子の一次平均粒子径が上記範囲内であることにより、インクの分散安定性がより向上する。なお、一次平均粒子径は、光学顕微鏡により測定することができる。
アクリル系樹脂微粒子の含有量(固形分量)は、インクの総量に対して、好ましくは5〜17.5質量%であり、より好ましくは7.5〜15質量%であり、さらに好ましくは9〜12質量%である。アクリル系樹脂微粒子の含有量が5質量%以上であることにより、筆記線の対象物への定着性がより向上する。また、アクリル系樹脂微粒子の含有量が17.5質量%以下であることにより、インクの増粘を抑制することが出来、インクの分散性がより向上する。なお、アクリル系樹脂微粒子が、液中に分散する態様の場合、上記含有量は、アクリル系樹脂微粒子の固形分量を意味するものとする(以下同様)。
フッ素樹脂微粒子の含有量(固形分量)は、インクの総量に対して、好ましくは0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜2質量%であり、さらに好ましくは0.75〜1.25質量%である。フッ素樹脂微粒子の含有量が0.1質量%以上であることにより、筆記線の対象物への定着性、耐水性がより向上する。また、フッ素樹脂微粒子の含有量が5質量%以下であることにより、インクの増粘を抑制することが出来、インクの分散性がより向上する。
〔その他の成分〕
インクは、必要に応じて、はじき防止剤、保湿剤、防腐剤、pH調整剤などの、種々の添加剤を含んでいてもよい。
(はじき防止剤:シリコーン)
インクは、はじき防止剤としてシリコーンをさらに含んでもよい。シリコーンを含むことにより、インクの表面張力が低下し、これに伴い接触角がより低下し、はじきがより抑制される。
シリコーンとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、脂肪族変性シリコーン、芳香族変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、ポリグリセロール変性シリコーン、エポキシポリエーテル変性シリコーン、アルキルポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。このなかでも、ポリエーテル変性シリコーンが好ましい。このようなシリコーンを用いることにより、顔料の分散性がより向上し、また、インクの接触角がより低下する。なお、「ポリエーテル変性シリコーン」とは、ポリエーテル基を有するシリコーンをいう。その他の変性シリコーンにおいても同様である。
シリコーンの含有量は、インクの総量に対して、好ましくは0.5〜7.5質量%であり、より好ましくは1〜5質量%であり、さらに好ましくは1.5〜3質量%である。シリコーンの含有量が0.5質量%以上であることにより、インクの接触角がより低下する。また、シリコーンの含有量が7.5質量%以下であることにより、接触角が低下しすぎることを抑制できる。
(保湿剤)
インクは、さらに保湿剤を含んでもよい。保湿剤としては、特に限定されず、一般にインクに用いられるものが挙げられる。保湿剤としては、沸点が、好ましくは140℃以上であり、より好ましくは160℃以上であり、さらに好ましくは180℃以上である有機溶剤が挙げられる。沸点が上記範囲内であることにより、より揮発しにくく保湿効果が高い傾向にある。このような保湿剤の具体例としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、及びペンタエリスリトールが挙げられる。
保湿剤の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは0〜5質量%であり、より好ましくは0〜2.5質量%であり、さらに好ましくは0〜1質量%である。保湿剤は、ペン先などのインクの乾燥を防ぐ一方で、食品包装資材に筆記した際に資材上のインクの乾燥性を悪化させたり、筆記物を比較的長時間べとつかせたり、筆記物の耐水性を低下させる傾向にある。そのため、保湿剤の含有量が5質量%以下であることにより、筆記物の乾燥性及び耐水性がより向上し、べとつきが抑制され傾向にある。また、保湿剤の含有量が0質量%以上であることにより、ペン先などのインクの乾燥を抑制することができる。
〔筆記具の構造〕
本実施形態の食品包装資材用水性筆記具は、中芯式筆記具、非中芯式(「直液式」ともいう)筆記具、スタンプ等の筆記具として好適に用いることができる。
より具体的には、「中芯式筆記具」は、繊維束が収束されたインキ収容部(中芯)と、中芯に貯蔵されたインクを流出するペン先(チップ)とを有し、ペン先として、例えば、ボール、繊維束、プラスチック芯、ブラシ状物、焼結体、又は筆状物を備える筆記具である。また、「非中芯式筆記具」は、中芯を用いず、インクをそのまま収容するインク収容部と、インク収容部に貯蔵されたインクを流出するペン先とを有し、ペン先として、例えば、ボール、繊維束、プラスチック芯、ブラシ状物、焼結体、又は筆状物を備える筆記具である。さらに、「スタンプ」は、インクを装填した基材を、記録対象物に圧着させることによりインクを滲出させて筆記を行う筆記具である。
上記の中でも、本実施形態の食品包装資材用水性筆記具は、中芯式筆記具であることが好ましい。中芯式筆記具として構成することにより、横向きや上向きでも安定して筆記することが可能となる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
〔実施例及び比較例〕
下記表1及び表2に示す組成にて各成分を混合し、顔料分散液Y及びWを調製した。得られた顔料分散液Y及びWを用いて、表3に示す組成にて各成分を混合し、インク組成物を調製した。得られたインクを、ペン先を備える中芯式筆記具の中芯に充填し、各食品包装資材用水性筆記具を作製した。
※1:BFCFジャパン社製、製品名ジョンクリルJ−450
※2:日光ケミカルズ社製、製品名NIKKOL BL−21
〔発色性〕
食品包装資材として、製品名サランラップ(登録商標)(旭化成社製、塩化ビニリデン製)を準備し、食品包装資材用水性筆記具を用いて、ラップフィルムの任意の箇所を5cm2四方塗りつぶした。なお、塗りつぶしの際には、既にペン先を走査した箇所には重ねて塗りつぶしを行わないよう注意し、5cm2四方におけるインクの付着量がサンプル間で異なることのないようにした。得られたサンプルのHAZEをヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH5000)を用いて測定した。
〔安定性〕
インクの粘度を測定した。その後、インクを50mL容のガラス瓶に入れ、密栓した後に60℃の恒温槽内に投入して1週間保存した。そして、室温まで温度を下げた各インクについて、音叉型振動式粘度計(SV−1A)を用いて粘度を測定した。そして、保存前後の増粘率(保存前のインクの粘度に対する保存後のインクの粘度の割合)により、安定性を評価した。
○:増粘率が0〜2%
△:増粘率が2超過5%
×:増粘率が5%超過
〔定着性〕
食品包装用資材として、製品名サランラップ(登録商標)(旭化成ホームプロダクツ社製、塩化ビニリデン製)を用意し、食品包装資材用水性筆記具を用いて、ラップフィルムの任意の箇所を直径3cm円状に塗りつぶした。この際のインク付着量は、600μg/cm2であった。その後、25℃、相対湿度60%の条件下で、10秒間〜120秒間で、5秒間間隔ごとに放置した各筆記物を得た。それぞれの筆記物をキムワイプを用いて加重500gで擦り、インクの剥がれを確認した。インクがはがれなくなった放置時間を表3に示す。
〔シリカ〕
サンスフェアH−31 AGCエスアイテック社製
〔シリコーン〕
KF6011(ポリエーテル変性シリコーン)、信越シリコーン社製、
〔樹脂微粒子〕
NEOCRYL A−1120(アクリル系樹脂微粒子)、楠本化成株式会社製
KTL−1N(フッ素樹脂微粒子)、(株)喜多村社製
〔ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〕
製品名NIKKOL BL−21(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)日光ケミカルズ社製
〔ポリ(メタ)アクリル酸塩〕
アクアリックL−DL(ポリアクリル酸ナトリウム)、(株)日本触媒社製
〔その他〕
DISPERBYK2010、BYK社製
〔防腐剤〕
ニューサイド S−01(デヒドロ酢酸ナトリウム)、日本合成化学社製
〔保湿剤〕
製品名エチレングリコール(化合物名エチレングリコール)、三菱化学(株)社製
本実施形態の食品包装資材用水性筆記具は、食品包装資材に対し容易に筆記でき、水性インクでありながら筆記線が資材にはじかれることのないインクを有する筆記具として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (2)

  1. 2種以上の顔料と、1種以上の分散剤と、を含むインクを備え、
    前記顔料の少なくとも1種が、白色顔料であり、
    前記顔料の総含有量が、前記インクの総量に対して、10〜25質量%であり、
    前記分散剤の総含有量が、前記インクの総量に対して、1〜5質量%である、
    食品包装資材用水性筆記具。
  2. 前記分散剤が、無機粒子、ポリオキシアルキレン化合物、及びポリ(メタ)アクリル酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含む、
    請求項1に記載の食品包装資材用水性筆記具。
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