JP2017048373A - 食品包装資材用水性筆記具 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕
2種以上の顔料と、1種以上の分散剤と、を含むインクを備え、
前記顔料の少なくとも1種が、白色顔料であり、
前記顔料の総含有量が、前記インクの総量に対して、10〜25質量%であり、
前記分散剤の総含有量が、前記インクの総量に対して、1〜5質量%である、
食品包装資材用水性筆記具。
〔2〕
前記分散剤が、無機粒子、ポリオキシアルキレン化合物、及びポリ(メタ)アクリル酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含む、
〔1〕に記載の食品包装資材用水性筆記具。
本実施形態の食品包装資材用水性筆記具は、2種以上の顔料と、1種以上の分散剤と、を含むインクを備え、前記顔料の少なくとも1種が、白色顔料であり、前記顔料の総含有量が、前記インクの総量に対して、10〜25質量%であり、前記分散剤の総含有量が、前記インクの総量に対して、1〜5質量%である。
インクは、2種以上の顔料と、水と、1種以上の分散剤と、を含み、必要に応じて、樹脂微粒子、保湿剤、その他の成分を含んでもよい。以下、各成分について説明する。
2種以上の顔料としては、少なくとも1種が白色顔料であれば特に限定されず、以下に例示される従来公知のものを用いることができる。具体的には、少なくとも1種の白色顔料と、少なくとも1種の有色顔料の組合せ、2種の白色顔料の組合せなどが挙げられる。なお、有色顔料とは、白色顔料以外の顔料をいうものとする。透明な資材に対して筆記をした場合、有色顔料のみでは光が透過してしまうため筆記物(食品包装資材上にインクが付着して得られた記録物)が読みにくいなどの問題がある。これに対して、白色顔料を含むことにより、光の透過を遮ることができ(隠蔽性)、発色性の高い筆記物を得ることができる。
顔料分散剤としては、特に限定されないが、例えば、一般に用いられる水溶性樹脂、無機粒子、界面活性剤、及び水溶性増粘剤等からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
インクは、無機粒子をさらに含んでもよい。無機粒子を含むことにより、インクの接触角がより低下するため筆記線のハジキ防止効果、滲み抑制効果がある。また、顔料表面に付着して顔料を安定化させたり、保護コロイドとして顔料同士の接触面積を小さくすることにより顔料の沈殿・凝集を防止させたりすることができるため、顔料の分散性がより向上し、インク中により多量の顔料を安定分散させることができる。またこれに伴い、多量の顔料が使用可能となるため、当該インクを用いて得られた筆記物の発色性がより向上する。
インクは、ポリ(メタ)アクリル酸塩をさらに含んでもよい。ポリ(メタ)アクリル酸塩を含むことにより、顔料のインクの濡れ性がより向上し、インク中の顔料の分散性がより向上する。また、増粘効果があり顔料の沈降(特に無機顔料)を防止することができるため、インク中により多量の顔料を安定分散させることができるため、当該インクを用いて得られた筆記物の発色性がより向上する。さらに、顔料及びシリカ等の無機粒子がインク中で分離して分散することを抑制でき、色別れをより抑制できる。
インクは、ポリオキシアルキレン化合物をさらに含んでもよい。ポリオキシアルキレン化合物を含むことにより、顔料及びシリカ等の無機粒子がインク中で分離して分散することを抑制でき、色別れをより抑制できる傾向にある。ポリオキシアルキレン化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、グリセリンアルキルエステルなどが挙げられる。このなかでも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
インクは、樹脂微粒子をさらに含んでもよい。樹脂微粒子を構成する樹脂としては、特に限定されないが、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂、アクリルアミド樹脂、エポキシ樹脂、あるいはこれらの共重合樹脂等が挙げられる。この中でも、アクリル樹脂微粒子及びフッ素樹脂微粒子が好ましい。これらの樹脂は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、「樹脂微粒子」には、インク中で分散状態を有する樹脂が含まれ、例えば、エマルジョン、ワックス粒子の分散体などが含まれる。
インクは、必要に応じて、はじき防止剤、保湿剤、防腐剤、pH調整剤などの、種々の添加剤を含んでいてもよい。
インクは、はじき防止剤としてシリコーンをさらに含んでもよい。シリコーンを含むことにより、インクの表面張力が低下し、これに伴い接触角がより低下し、はじきがより抑制される。
インクは、さらに保湿剤を含んでもよい。保湿剤としては、特に限定されず、一般にインクに用いられるものが挙げられる。保湿剤としては、沸点が、好ましくは140℃以上であり、より好ましくは160℃以上であり、さらに好ましくは180℃以上である有機溶剤が挙げられる。沸点が上記範囲内であることにより、より揮発しにくく保湿効果が高い傾向にある。このような保湿剤の具体例としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、及びペンタエリスリトールが挙げられる。
本実施形態の食品包装資材用水性筆記具は、中芯式筆記具、非中芯式(「直液式」ともいう)筆記具、スタンプ等の筆記具として好適に用いることができる。
下記表1及び表2に示す組成にて各成分を混合し、顔料分散液Y及びWを調製した。得られた顔料分散液Y及びWを用いて、表3に示す組成にて各成分を混合し、インク組成物を調製した。得られたインクを、ペン先を備える中芯式筆記具の中芯に充填し、各食品包装資材用水性筆記具を作製した。
食品包装資材として、製品名サランラップ(登録商標)(旭化成社製、塩化ビニリデン製)を準備し、食品包装資材用水性筆記具を用いて、ラップフィルムの任意の箇所を5cm2四方塗りつぶした。なお、塗りつぶしの際には、既にペン先を走査した箇所には重ねて塗りつぶしを行わないよう注意し、5cm2四方におけるインクの付着量がサンプル間で異なることのないようにした。得られたサンプルのHAZEをヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH5000)を用いて測定した。
インクの粘度を測定した。その後、インクを50mL容のガラス瓶に入れ、密栓した後に60℃の恒温槽内に投入して1週間保存した。そして、室温まで温度を下げた各インクについて、音叉型振動式粘度計(SV−1A)を用いて粘度を測定した。そして、保存前後の増粘率(保存前のインクの粘度に対する保存後のインクの粘度の割合)により、安定性を評価した。
○:増粘率が0〜2%
△:増粘率が2超過5%
×:増粘率が5%超過
食品包装用資材として、製品名サランラップ(登録商標)(旭化成ホームプロダクツ社製、塩化ビニリデン製)を用意し、食品包装資材用水性筆記具を用いて、ラップフィルムの任意の箇所を直径3cm円状に塗りつぶした。この際のインク付着量は、600μg/cm2であった。その後、25℃、相対湿度60%の条件下で、10秒間〜120秒間で、5秒間間隔ごとに放置した各筆記物を得た。それぞれの筆記物をキムワイプを用いて加重500gで擦り、インクの剥がれを確認した。インクがはがれなくなった放置時間を表3に示す。
サンスフェアH−31 AGCエスアイテック社製
〔シリコーン〕
KF6011(ポリエーテル変性シリコーン)、信越シリコーン社製、
〔樹脂微粒子〕
NEOCRYL A−1120(アクリル系樹脂微粒子)、楠本化成株式会社製
KTL−1N(フッ素樹脂微粒子)、(株)喜多村社製
〔ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〕
製品名NIKKOL BL−21(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)日光ケミカルズ社製
〔ポリ(メタ)アクリル酸塩〕
アクアリックL−DL(ポリアクリル酸ナトリウム)、(株)日本触媒社製
〔その他〕
DISPERBYK2010、BYK社製
〔防腐剤〕
ニューサイド S−01(デヒドロ酢酸ナトリウム)、日本合成化学社製
〔保湿剤〕
製品名エチレングリコール(化合物名エチレングリコール)、三菱化学(株)社製
Claims (2)
- 2種以上の顔料と、1種以上の分散剤と、を含むインクを備え、
前記顔料の少なくとも1種が、白色顔料であり、
前記顔料の総含有量が、前記インクの総量に対して、10〜25質量%であり、
前記分散剤の総含有量が、前記インクの総量に対して、1〜5質量%である、
食品包装資材用水性筆記具。 - 前記分散剤が、無機粒子、ポリオキシアルキレン化合物、及びポリ(メタ)アクリル酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含む、
請求項1に記載の食品包装資材用水性筆記具。
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