JP2002256178A - ゲルインキ組成物の製造方法 - Google Patents
ゲルインキ組成物の製造方法Info
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Abstract
きるゲルインキ配合組成物の製造方法を提供する。 【解決方法】 少なくともゲル化剤と溶剤と着色剤を含
むゲルインキ配合組成物において、該溶剤の常圧時(=
1気圧)沸点よりも高い温度で調製するために、ゲルイ
ンキ配合組成物を1気圧より高い圧力環境下におくこと
で、インキ含有溶剤の常圧時沸点以上の温度にゲルイン
キ配合組成物を加熱することが可能となり、結果として
インキ含有溶剤の常圧時沸点より高い温度で溶解するゲ
ル化剤でも、溶解するための補助剤を使用することな
く、かつ高分散力も必要とせずに、容易にゲルインキ組
成物の製造を可能とする。
Description
するゲルインキ組成物を製造するゲルインキ組成物の製
造方法に関する。
減粘性を有するインキ組成物には、インキにせん断減粘
性を賦与するために、ゲル化剤などの補助剤が使用され
ている。
みに関わらず様々な材料で検討されており、例えば、特
公昭56−35179号公報記載のようにゲル化剤を溶
解させるための補助剤を共存させる方法、または、特公
平4−24024号公報に記載のごとくゲル化抑制剤と
組み合わせる方法、更には、ゲル化剤が可溶となる溶媒
にゲル化剤を溶解させた後に目的とする材料に混合分散
させる方法などゲル化するために補助材料を組み合わせ
ることが知られている。しかしながら、これらの方法を
ゲルインキ組成物の製造に適用した場合、インキ特性に
は必要としない材料を加えることになり、インキ特性が
少なからず低下する課題が生じていた。
剤を添加する方法としては、例えば、加温によりゲル化
剤を溶解させて混合させる方法が知られているが、ゲル
化剤の可溶化温度がインキ含有溶剤の常圧時沸点より高
いゲル化剤では、使用できないという課題がある。ま
た、添加補助材料を使用しないでゲル化剤を添加する方
法としては、撹拌や分散などによりゲル化剤と溶剤を混
合する方法も知られているが、この方法ではゲル化剤に
高いシェアを加える装置などが必要となり、かつゲル化
に伴う高粘性化によりゲル化物の回収が困難となる課題
がある。更に、一般的に高分散化の際に利用する分散機
として用いられるビーズミルなどを使用した場合は、調
製後のゲルインキ組成物と分散補助材料であるビーズ等
を分離するために、多くの労力が必要となる課題もあ
る。
術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであ
り、ゲルインキ組成物を容易に製造することができる製
造方法、すなわち、インキ含有溶剤との相溶性が低いゲ
ル化剤でも、ゲル化剤を添加するための補助材料を必要
とせず、また、インキ含有溶剤の常圧時沸点より可溶化
温度が高いゲル化剤を用いても、容易にゲルインキ組成
物を調製することが可能となり、更には、調製したゲル
インキ組成物は高い収率で回収することを可能とするゲ
ルインキ組成物の製造方法を提供することを目的とす
る。
技術の課題等について鋭意研究の結果、少なくともゲル
化剤と溶剤と着色剤を含むゲルインキ配合組成物におい
て、該溶剤の常圧時〔=1気圧、以下省略〕沸点よりも
高い温度で調製することにより、上記目的のゲルインキ
組成物の製造方法が得られることを見い出し、本発明を
完成するに至ったのである。すなわち、本発明は、次の
(1)〜(4)に存する。 (1) 少なくともゲル化剤と溶剤と着色剤を含むゲルイン
キ組成物の製造方法において、溶剤の常圧時沸点よりも
高い温度で、ゲルインキ配合組成物を調製することを特
徴とするゲルインキ組成物の製造方法。 (2) 1気圧より高い圧力環境下でゲルインキ配合組成物
を調製する上記(1)記載のゲルインキ組成物の製造方
法。 (3) 上記(2)記載のゲルインキ組成物の製造方法におい
て、ゲルインキ配合組成物を加温及び加圧状態にて調製
することができるオートクレーブを使用するゲルインキ
組成物の製造方法。 (4) オートクレーブが、ゲルインキ配合組成物を均一に
混合する混合装置を備えるオートクレーブ又はゲルイン
キ配合組成物を均一に混合する混合装置が取り付け可能
となるオートクレーブである上記(3)記載のゲルインキ
組成物の製造方法。
しく説明する。本発明のゲルインキ組成物の製造方法
は、少なくともゲル化剤と溶剤と着色剤を含むゲルイン
キ組成物の製造方法において、溶剤の常圧時沸点よりも
高い温度で、ゲルインキ配合組成物を調製することを特
徴とするものである。
剤と着色剤を含むゲルインキ組成物を調製する際に、溶
剤の常圧時沸点よりも高い温度で調製するためには、ゲ
ルインキ配合組成物を1気圧より高い圧力環境下(圧力
P>1気圧)、好ましくは、ゲルインキ種、使用用途な
どに応じて圧力環境は変動するが、1.1〜10気圧
(atm)となる高い圧力環境下においてゲルインキ組成
物を調製することが望ましい。1気圧より高い圧力環境
下とする方法としては、様々な方法があるが、目的とす
るゲルインキ配合組成物が1気圧より高い圧力環境下に
おかれる方法であれば、特に限定されるものではない。
ては、1気圧より高い圧力環境下に耐える容器であれ
ば、金属性の容器、樹脂でもガラス製でもよく、何等限
定されるものではない。また、容器内部に入れたゲルイ
ンキ配合組成物が加温可能となるように、加圧容器内、
若しくは加圧容器外のいずれかに加温装置が付随してい
れば、どのような形式の加温装置を使用してもよく、例
えば、ゲルインキ配合組成物を加温及び加圧状態にて調
製することができるオートクレーブなどの使用が挙げら
れる。更に、ゲルインキ配合組成物が混合可能となるよ
うに加圧容器には、撹拌装置を有するか、若しくは混合
可能な装置を取り付け可能であることが好ましく、例え
ば、オートクレーブが、ゲルインキ配合組成物を均一に
混合する混合装置を備えるオートクレーブ又はゲルイン
キ配合組成物を均一に混合する混合装置が取り付け可能
となるオートクレーブなどが挙げられる。具体的な装置
としては、例えば、反応熱自動制御反応装置 JYU−
HWCR、同JYU−SCR、熱媒オイル循環自動温度
制御式反応装置 JYU−OCR、反応装置 JYU−
AS−A−20〔以上、旭硝工(株)製〕、机型リアフ
クター OML型、卓上型リアクター OM型、高圧高
温用マイクロリアクターMM型、同MMシリーズ、同M
MJシリーズ、ワイドプログラムリアクター WPO
型、マイクロリアクター M−C型〔以上、オーエムラ
ボテック(株)製〕)、電磁誘導回転撹拌式オートクレ
ーブ MK型、竪型静置式オートクレーブTY型、竪型
回転式オートクレーブ TM型、ジャケット式重合装置
MKJ型、セメント養生用オートクレーブ CA型、
コンクリート養生用オートクレーブY型、円筒型加圧脱
泡装置 YKP型、同YKK型〔以上、(株)栗原製作
所製〕、研究室用金属性オートクレーブ〔パール(株)
製〕、テフロン(登録商標)内筒型反応装置 TAF−
R1500型、るつぼ型電気炉式オートクレーブ TA
S−01〜1型、バンドヒーター式オートクレーブ T
AS−1〜5型、耐圧製金属装置TAS−10−J3R
型、高温高圧反応装置 TAS−Hl型、水熱合成用高
圧オートクレーブ TLA−1型、電気炉覗き窓式オー
トクレーブ TAS−5〜10型、グラスライニング製
リアクター TAG型、熱媒循環式反応リアクター、超
臨界CO2シリンダー TSC−WC95型、ハイブリ
ッドグラスターV−TAS型、メタルリアクター TE
M−Dシリーズ、ハイパーグラスターTEM−Vシリー
ズ、ハイパーグラスシリンダー HPG−1型、同5
型、ポータブルリアクター TPR−1〜6型、同TV
S−1型、同TVS−N2型、ノズル式テフロン内筒密
閉容器 TAF−SR50、同100、同300〔以
上、耐圧硝子工業(株)製〕、小型反応管、誘導回転式
オートクレーブ NU−5型、連続反応装置((株)日
東反応機)、撹拌式オートクレーブ MA−0.5〜3
0、電磁式撹拌オートクレーブ HMA−0.5〜30
〔(株)三喜製作所〕等が挙げられる。
ゲルインキ組成物を構成するゲル化剤成分であり、ゲル
化剤やレオロジーコントロール剤などが使用できるが、
インキ配合組成物にせん断減粘性を賦与する材料であれ
ば、何等限定されるものではない。具体的なゲル化剤と
しては、無機類、金属石鹸類、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステル類、脂肪酸類、エステル類、脂肪酸アミド類等が
挙げられる。
系、シリカ系微粉末、アルミナ系粉末、ケイ酸アルミ類
等が挙げられる。金属石鹸類としては、例えば、リシノ
ール酸カルシウム、12ヒドロキシステアリン酸類、モ
ノステアリンアルミ、ステアリン酸アルミ、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸アルミ
等が挙げられる。
は、例えば、テトラグリセリンペンタステアレート、テ
トラグリセリントリステアレート、テトラグリセリンモ
ノステアレート、テトラグリセリン、へキサグリセリン
ペンタステアレート、へキサグリセリントリステアレー
ト、へキサグリセリンセスキスステアレート、ヘキサグ
リセリンモノステアレート、デカグリセリンドデカステ
アレート、デカグリセリンデカステアレート、デカグリ
セリンへプタステアレート、デガグリセリントリステア
レート、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
ステアリン酸、12ヒドロキシステアリン酸、ヒマシ
油、硬化ヒマシ油系、半硬化ヒマシ油、ヒマシ油誘導
体、メチル12ヒドロキステアレート、ステアリル12
ヒドロキシステアレート、ソルビタンモノステアレー
ト、長鎖脂肪酸エステル重合体、ショ糖脂肪酸エステ
ル、デキストリンパルミチン酸エステル、12ヒドロキ
システアリン酸コレステリル、12ヒドロキシステアリ
ン酸モノグリセリド、脂肪酸トリグリセリド、ジペンタ
エリスリトールー12ヒドロキシステアリン酸のエステ
ル化物、ジペンタエリスリトール−混合脂肪酸のエステ
ル化物等が挙げられる。
ドロキシエチル12ヒドロキシステアリルアミド、N−
N’−エチレンビスオレイルアミド、N−N’−エチレ
ンビス12ヒドロキシステアリルアミド、N−N’−へ
キサメチレンビス12ヒドロキシステアリルアミド、N
−N’−エチレンビスステアリルアミド、N−ラウロイ
ルグルタミン酸ジプチルアミド、脂肪酸N誘導体、脂肪
酸アマイドワックス、特殊含窒素化合物、低分子ポリア
ミド等が挙げられる。更に、リン酸エステルカルシウム
塩、ジペンジリデンソルピトール、トリペンジリデンソ
ルビトール、ノポリエチレンワックス、パラフィンワッ
クス、エチルセルロースなども、使用するインキ含有溶
剤種によっては、十分にインキ組成物にせん断減粘性を
賦与することができる。これらのゲル化剤は、単独で用
いても二種以上を組み合わせて用いても良い。
性を賦与するための濃度を確保するために必要な量を配
合すれば良く、ゲルインキ配合組成物100重量部に対
して、0.01〜50重量部、好ましくは、1〜10重
量部の範囲から選択される。ゲル化剤の配合量が0.0
1重量部未満では、ゲル化剤量が少ないため(ゲル濃度
が低いため)に、インキ内において均一にゲル構造が形
成され難く、ゲルインキ組成物としてのせん断減粘性を
賦与し難いため好ましくない。また、ゲル化剤の配合量
が50重量都を越えると、強固なゲル構造を形成するこ
とでインキにせん断を加えても減粘し難くなり、レベリ
ング性の優れた平滑なインキ塗膜を形成しないため、好
ましくない。
インキ組成物を構成する溶剤成分であるが、インキとし
て使用できるものであれば特に限定されるものではな
い。ただし、使用時の揮発性を考慮すると、20℃にお
ける蒸気圧が1mmHg以上であるものが好ましく用い
られる。具体的な溶剤としては、アルコール類、グリコ
ール類、グリコールエーテル類、脂肪酸エステル類、ケ
トン類、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水
素類、水及びこれらの誘導体が挙げられるが、好ましく
は、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル
類、炭化水素類及びこれらの誘導体を挙げることができ
る。
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアル
コール、t−ブチルアルコールを挙げることができる。
エチレングリコールモノメチルエ−テル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイ
ソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノプロピルエーテルを挙げることができる。
キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、
n一ヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オク
タン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサ
ン等のシクロパラフィン系溶剤、1,1,1−トリクロ
ルエタン、テトラクロルエチレン等の塩化炭化水素系溶
剤等が挙げられる。
酸ブチルなどのアルコール類の脂肪酸エステル誘導体や
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートな
どのグリコールエーテル類の脂肪酸エステル誘導体を挙
げることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独で用
いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
00重量部に対して、30〜99重量部、好ましくは、
40〜95重量部の範囲から選択される。この溶剤の配
合量が、30重量部未満であると、添加される着色剤や
その他の成分の相対的な添加量が多くなるため、溶解性
が悪くなるため好ましくなく、また、99重量部を越え
ると、着色剤やその他の成分が相対的に不足するため
に、濃度の低下などによるインキ特性が大幅に低下する
ため、好ましくない。
ルインキ組成物を構成する着色成分であり、染料であれ
ば使用するインキ含有溶剤に可溶な任意の油溶性染料、
アルコール可溶性染料、顔料であれば無機顔料、有機顔
料等を任意に使用することができる。油顔性染料として
は、例えば、アゾ染料、造塩体染料、含金属染料、アン
トラキノン染料、縮合型染料、フタロシアニンスルホア
マイド染料等を挙げることができる。
ク、酸化チタン、金属粉等の無機頻料、フタロシアニン
顔料、アゾキレート顔料、不溶性モノアゾ顔料、不溶性
ジスアゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、ピロ
ロビロール系顔料、アントラキノン系顔料、べリレン系
顔料、ぺリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリ
ドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系
顔料、キノフタロン系顔料、染め付けレーキ顔料、高分
子球状粒子などの有機顔料が挙げられる。これらの顔料
は、そのまま使用しても良いし、適当な樹脂、界面活性
剤などにより分散して用いても良い。
上を組み合わせて用いても良い。着色剤の配合量は、イ
ンキとしての着色濃度を確保するために必要な量を配合
すれば良く、ゲルインキ配合組成物100重量部に対し
て、0.5〜60重量部、好ましくは、1〜50重量部
の範囲から選択される。この着色剤の配合量が0.5重
量部未満では、インキとしての必要な着色濃度が不十分
なため、好ましくなく、また、60重量部を越えると、
インキの分散性に悪影響を与えるため、好ましくない。
剤を必須成分とするが、これ以外の成分で通常のインキ
組成物に用いられる成分も、その用途に応じ任意に用い
ることができる。例えば、ゲルインキ組成物の粘度を調
整したり、着色剤の被筆記媒体への定着性や耐水性を向
上させるために、通常使用される樹脂を用いても良い。
具体的な任意成分としては、例えば、ケトン樹脂、スル
ホアミド樹脂、マレイン酸樹脂、エステルガム、キシレ
ン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹胎、ロジン、ポ
リピニルピロリドン、ポリビニルブチラール、アクリル
系樹脂、メラミン系樹脂、セルロース系樹脂等の天然及
び合成樹脂の1種又は2種以上を用いることができる。
これらの樹脂の他、分散剤、防腐剤、防黴剤、潤滑剤、
pH調整剤、粘度調整剤、沈降防止剤、界面活性剤等の
成分も用いることができる。
法は、上述したゲルインキ配合組成物を溶剤の常圧時沸
点よりも高い温度で、好ましくは、更に1気圧より高い
圧力環境下においてゲルインキ配合組成物を調製するも
のであり、この圧力環境下ではゲルインキ配合組成物内
の溶剤沸点は常圧時に比べて高くなる。従って、常圧時
は、該ゲルインキ配合組成物におけるゲル化剤の溶解温
度(A)と溶剤の沸点(B)の関係が「A>B」である
場合でも、装置内部を加圧し続けることで、「A<B」
の関係にすることができる。この方法により、該ゲルイ
ンキ配合組成物は、ゲル化剤の溶解温度まで加温するこ
とが可能となり、ゲル化剤を均一にインキ組成物内に混
合することが容易となる。
キ配合組成物を入れて密閉状態にした後に、装置内を加
圧状態にする。この場合、装置内部を加圧する方法とし
ては、加温による内圧上昇、外部からの不活性ガスの注
入などの方法が挙げられるが、装置内部が加圧状態にな
る方法であれば何等限定されるものではない。次いで、
ゲル化剤の溶解温度より高い温度まで該ゲルインキ配合
組成物を加温し、溶解したゲル化剤を均一にインキ内に
混合させる。その後、ゲル化剤が冷却によりゲル化する
温度よりも低温まで該ゲルインキ配合組成物を冷却する
ことで目的とするゲルインキ組成物を得ることができ
る。製造過程におけるゲルインキ配合組成物の撹拌や混
合は、ゲル化剤がインキ組成物内に均一に分布されるよ
うに実施することが好ましい。なお、ゲルインキ配合組
成物が1気圧を越えた圧力環境下におかれ、「A<B」
の関係となる方法であれば、何等限定されるものでな
く、本発明は上記の記述及び後述する実施例によって限
定されるものではない。このように構成される本発明で
は、溶剤の常圧時沸点よりも高い温度でゲルインキ配合
組成物を調製することができ、例えば、ゲルインキ配合
組成物を1気圧より高い圧力環境下におくことで、イン
キ含有溶剤の常圧時沸点以上の温度にゲルインキ配合組
成物を加熱することが可能となり、結果としてインキ含
有溶剤の常圧時沸点より高い温度で溶解するゲル化剤で
も、溶解するための補助剤を使用することなく、かつ高
分散力も必要とせずに、インキ配合組成物として容易に
ゲルインキ組成物の調製ができることとなる。また、本
発明により得られるゲルインキ配合組成物は、筆記具用
油性ゲルインキ、筆記具用水性ゲルインキ、筆跡修正
液、油性塗料、樹脂塗料、ラッカー、合成樹脂塗料など
に好適に用いることができる。
に詳細に説明するが、本発明は下記実施例によって何等
限定されるものではない。但し、配合単位の「部」は、
「重量部」である。
を得た。
剤をオートクレーブ〔ハイパーグラスター TEM−V
1000N 耐圧硝子工業(株)製〕に充填し、装置の
蓋を閉めて密閉状態にした。 2.撹拌速度1100rpmにて、ゲルインキ配合組成
物を撹拌しながら、加温した。 3.溶剤であるメチルシクロへキサンの常圧時沸点(1
00℃)近傍まで、ゲルインキ配合組成物を加温する
と、溶剤の沸騰に伴い容器内部の圧力が上昇した。 4.密閉容器内部の圧力が上昇することで(1気圧→3
気圧)、溶剤の常圧時沸点を越えても、ゲルインキ配合
組成物は加温された。 5.ゲル化剤の可溶化温度である120℃以上に、ゲル
インキ配合組成物の温度が上昇した時点で、ゲル化剤が
ゲルインキ配合組成物内で溶解した。 6.ゲル化剤が溶解した時点で温度125℃を保持し、
1100rpmの撹拌速度によりゲルインキ配合組成物
を十分に撹拌混合した。 7.十分にゲルインキ配合組成物を撹拌混合した後に、
任意の速度で冷却した。 8.100℃近傍よりゲル化剤のゲル化が始まるため、
1100rpmの撹拌は95℃より停止し、静置状態の
まま30℃まで冷却した後、ゲルインキ組成物を回収し
た。
成物を得た。
合し、青色のインキを作製した。 2.前記青色インキと所定量のゲル化剤を、オートクレ
ーブ〔(ハイパーグラスター TEM−V1000N
耐圧硝子工業(株)製)に充填し、装置の蓋を閉めて密
閉状態にした。 2.以降の手順は、上述した実施例1の手順2〜9と同
様の方法を行った。
を得た。 (手順) 1.上記所定量の着色剤1、2、溶剤、樹脂及びゲル化
剤を市販の撹拌装置付き丸底フラスコ内に充填し、装置
の蓋を閉めて密閉状態にした。 2.撹拌速度1100rpmにて、ゲルインキ配合組成
物を撹拌しながら、加温した。 3.溶剤であるメチルシクロヘキサンの常圧時沸点(1
00℃)近傍まで、ゲルインキ配合組成物を加温すると
容器内の圧力が上昇し始めた。 4.丸底フラスコは圧力に耐え難いために、このまま加
温すると破損する恐れがある。このため、ゲルインキ組
成物の加温を中止し、30℃まで冷却した時点でゲルイ
ンキ配合組成物を回収した。
製し、ゲルインキ配合組成物を試みた。 (手順) 1.上記所定量の着色剤1,2、溶剤、樹脂及びゲル化
剤を市販の撹拌装置付き丸底フラスコ内に充填し、蓋の
一都に容器内圧力の上昇を防ぐために塩化カルシウム管
を装着し半密閉状態にした。 2.撹拌速度1100rpmにて、ゲルインキ配合組成
物を撹拌しながら、加温した。 3.溶剤であるメチルシクロヘキサンの常圧時沸点(1
00℃)近傍まで、ゲルインキ配合組成物を加温すると
インキ含有溶剤が沸騰し、塩化カルシウム管を通じて揮
発溶剤が抜け出た。 4.半密閉状態である容器内部の圧力は、1気圧で変化
しないため、溶剤の沸騰に伴いゲルインキ配合組成物の
温度が上昇し難くなった。 6.半密閉容器内部の圧力は、上昇せず溶剤が沸騰し続
けるため、加温を止めて30℃まで冷却した後に、ゲル
インキ組成物を回収した。
の製造を試みた。 (手順) 1.上記所定量のゲル化剤と溶剤2を125℃にて加温
混合し、ゲル化剤溶液(プレゲル)を作製した。 2.前記プレゲルと所定量の着色剤、溶剤1、分散剤及
び樹脂を、分散補助剤であるガラスビーズと共に、ペイ
ントシェーカーで1時間分散混合した。 3.分散混合終了後、加圧濾過器を用いてガラスビーズ
とゲルインキ組成物の分離を行ない、目的とするゲルイ
ンキ組成物を得た。
合すると、比較例1及び2で得たインキは、ゲル化剤が
未溶解のまま桃色インキ内に混在している状態であり、
せん断減粘性を有するインキは得られなかった。一方、
実施例1で得たインキはゲルインキ組成物として、良好
なせん断減粘性を有するインキであった。更に、実施例
2及び比較例3で得たインキもゲルインキ組成物とし
て、良好なせん断減粘性を有するインキであった。但
し、本発明となる実施例1及び2より得たゲルインキ組
成物は、ゲル化剤以外は従来含まれているインキの材料
しか含まれていないものである。これに対して、比較例
3のゲルインキ組成物では、ゲル化剤を溶解させるため
に、メチルシクロヘキサン(溶剤1)よりも沸点の高い
エチルシクロヘキサン(溶剤2、常圧時沸点132℃)
を使用した。エチルシクロヘキサンはメチルシクロヘキ
サンよりも蒸気圧が低いため、比較例3で調製したゲル
インキ組成物は実施例2のゲルインキ組成物よりも、描
線乾燥性が遅くなった。また、ゲルインキ組成物を調製
する前後の重量部変化(調製前のゲルインキ配合組成物
−調製後のゲルインキ組成物量)は、実施例1及び2が
2部以下の減少量であった。これに対して、比較例2
は、加温中の溶剤揮発のために20部以上の減少があ
り、比較例3はカラスビーズとゲルインキ組成物の分離
の工程により30部以上は減少した。従って、本発明と
なる実施例1及び2は、調製したゲルインキ組成物の回
収率が高い方法であることも判明した。
加する際に、補助剤を用いることなく、またインキを加
温した際に揮発による溶剤の減量が生じなく、更には常
圧においてインキ内溶剤の沸点より可溶化温度が高いゲ
ル化剤を用いても容易にゲルインキ組成物が調製でき、
かつ調製したゲルインキ組成物は高い収率で回収するこ
とができる、ゲルインキ組成物の製造方法が提供され
る。なお、本発明におけるゲルインキ組成物の製造方法
は、水性ゲルインキの作製にも適用できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくともゲル化剤と溶剤と着色剤を含
むゲルインキ組成物の製造方法において、溶剤の常圧
(1気圧)時沸点よりも高い温度で、ゲルインキ配合組
成物を調製することを特徴とするゲルインキ組成物の製
造方法。 - 【請求項2】 1気圧より高い圧力環境下でゲルインキ
配合組成物を調製する請求項1記載のゲルインキ組成物
の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2記載のゲルインキ組成物の製造
方法において、ゲルインキ配合組成物を加温及び加圧状
態にて調製することができるオートクレーブを使用する
ゲルインキ組成物の製造方法。 - 【請求項4】 オートクレーブが、ゲルインキ配合組成
物を均一に混合する混合装置を備えるオートクレーブ又
はゲルインキ配合組成物を均一に混合する混合装置が取
り付け可能となるオートクレーブである請求項3記載の
ゲルインキ組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
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