JP2003212871A - イミン化合物、複核遷移金属錯体および重合用触媒 - Google Patents

イミン化合物、複核遷移金属錯体および重合用触媒

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JP2003212871A
JP2003212871A JP2002015303A JP2002015303A JP2003212871A JP 2003212871 A JP2003212871 A JP 2003212871A JP 2002015303 A JP2002015303 A JP 2002015303A JP 2002015303 A JP2002015303 A JP 2002015303A JP 2003212871 A JP2003212871 A JP 2003212871A
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carbon atoms
transition metal
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metal complex
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JP2002015303A
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Yoshio Inoue
祥雄 井上
Tadashi Tsukada
直史 塚田
Takahiro Hino
高広 日野
Takayuki Azumai
隆行 東井
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 遷移金属錯体を提供すること。 【解決手段】 一般式(1) (式中、R1、R2、R3、R4 5、R6、R7、R8
9、R10、R11、R12は水素原子、ハロゲン原子、 炭素
数1〜10のアルキル基、 炭素数1〜10のアルコキ
シ基等、M1、M2は鉄、ルテニウム、オスミウム、コバ
ルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、
白金、バナジウム、クロムまたはマンガンである遷移金
属を示し、X1、X2はそれぞれ任意にハロゲン原子、
炭素数1〜10のアルキル基などのアニオン性配位子を
示し、n、mはそれぞれ1、2または3の整数を示し、
隣接するR3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10
互いに結合して環を形成していてもよい。)で示される
遷移金属錯体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遷移金属錯体、その
構成成分(配位子)であるイミン化合物、及び重合触媒
に関する。
【0002】
【従来の技術】遷移金属錯体は、Diels-Alder反応、水
素化反応、重合反応などの触媒として広く用いられてい
るが、均一系触媒を用いるこれらの反応では単核錯体を
触媒活性種とする例が殆どである。一方、複核錯体を用
いれば、複数の金属中心が反応に関与するため、単核錯
体上では実現することが出来ない特異な活性化、化学変
換が期待できる。例えば、ピリジン環で架橋されたジイ
ミン−鉄、およびコバルト錯体はエチレンの重合反応に
高い触媒活性を示すことが知られている(例えば、Che
m. Commun., 1998, 849、J. Am. Chem. Soc., 1998, 12
0, 4049など)。これを複核錯体とすれば、特異な反応
性を有する触媒を提供することが出来ると考えられる
が、かかる錯体は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ピリジン環
を有する架橋された複核ジイミン金属錯体、その構成成
分(配位子)、及びこれを用いるオレフィン重合用触媒
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意検討した結果、ピリジン環を有す
る複核金属錯体、およびその構成成分である配位子を見
出し、本発明に至った。
【0005】すなわち本発明は、一般式(1) (式中、R1、R2、R3、R4 5、R6、R7、R8
9、R10、R11、R12はそれぞれ任意に水素原子、ハロ
ゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアル
キル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコ
キシ基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリー
ル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール
オキシ基、置換されていてもよい炭素数7〜20のアラ
ルキル基、置換されていてもよい炭素数7〜20のアラ
ルキルオキシ基、炭素数1〜20の炭化水素置換シリル
基または炭素数1〜20の炭化水素置換アミノ基を示
し、M 1、M2はそれぞれ任意に鉄、ルテニウム、オスミ
ウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パ
ラジウム、白金、バナジウム、クロムまたはマンガンで
ある遷移金属を示し、X1、X2はそれぞれ任意にハロゲ
ン原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキ
ル基などのアニオン性配位子を示し、n、mはそれぞれ
1、2または3の整数を示し、隣接するR3、R4
5、R6、R7、R8、R9、R10は互いに結合して環を
形成していてもよい。)で示される遷移金属錯体を提供
するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。一般式(1)で示される遷移金属錯体において、
置換基R1、R2、R3、R4 5、R6、R7、R
8 9、R10、R11、R12、X1、X2の置換されていて
もよい炭素数1〜10のアルキル基の置換基としては、
ハロゲン原子等が挙げられ、具体例としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n
−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基 、n−ヘキ
シル基、n−オクチル基、n−デシル基、フルオロメチ
ル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フ
ルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエ
チル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチ
ル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル
基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル
基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロデシル基、
トリクロロメチル基、トリメチルシリルメチル基などが
例示され、好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、 tert−ブチル基、アミル基等が挙げられ
る。
【0007】置換されていてもよい炭素数6〜20のア
リール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラ
セニル基等が挙げられ、置換基としては、アルキル基が
挙げられ、具体例としては、例えば、フェニル基、2−
メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチル
フェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジ
メチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,
6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル
基、3,5−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメ
チルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、
2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリ
メチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル
基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,
3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6
−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、
エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロ
ピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、
2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、n−ブチル
フェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブ
チルフェニル基、 n−ペンチルフェニル基、 ネオペン
チルフェニル基、 n−ヘキシルフェニル基、 n−オク
チルフェニル基、 n−デシルフェニル基、 n−ドデシ
ルフェニル基、 n−テトラデシルフェニル基、ナフチ
ル基、アントラセニル基およびこれらのフッ素原子置換
アリール基が例示される。R1、R12は好ましくはアリ
ール基が挙げられる。
【0008】置換されていてもよい炭素数7〜20のア
ラルキル基としては、ベンジル基、ナフチルメチル基、
アントラセニルメチル基、ジフェニルメチル基等が挙げ
られ、置換基としては、例えばアルキル基が挙げられ、
具体例としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフ
ェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、
(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチル
フェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メ
チル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、
(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジ
メチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチル
フェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニ
ル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メ
チル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル
基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、
(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、
(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、
(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、
(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニ
ル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、
(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェ
ニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル
基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペ
ンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)
メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−
オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)
メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、(n−
テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、
アントラセニルメチル基、ジフェニルメチル基およびこ
れらのフッ素原子置換アラルキル基が挙げられ、好まし
くはベンジル基が挙げられる。
【0009】置換されていてもよい炭素数1〜10のア
ルコキシ基の置換基としては、ハロゲン原子等が挙げら
れ、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プ
ロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、se
c−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキ
シ基、ネオペントキシ基、n−ヘキソキシ基、n−オク
トキシ基、n−デキソキシ基、およびこれらのフッ素原
子置換アルコキシ基が挙げられ、好ましくは、メトキシ
基、エトキシ基、 tert−ブトキシ基が挙げられ
る。
【0010】置換されていてもよい炭素数6〜20のア
リールオキシ基としてはフェノキシ基、ナフトキシ基、
アントラセノキシ基が挙げられ、置換基としては、アル
キル基等が挙げられ、具体例としてはフェノキシ基、2
−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−
メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、
2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェ
ノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジ
メチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、
2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−ト
リメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノ
キシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,
4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメ
チルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェ
ノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ
基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペン
タメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロ
ピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブ
チルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、te
rt−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ
基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ
基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、ア
ントラセノキシ基、およびこれらのフッ素置換アリール
オキシ基が挙げられる。
【0011】炭素数1〜20の炭化水素置換シリル基と
は、炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたシリル基
であって、ここでの炭化水素基としては、例えば、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、
n−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基 、n−ヘ
キシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、n−デ
シル基などの炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニ
ル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセ
ニル基などの炭素原子数1〜20のアリール基等が挙げ
られる。かかる炭素数1〜20の炭化水素置換シリル基
としては、例えば、メチルシリル基、エチルシリル基、
フェニルシリル基などの1置換シリル基、ジメチルシリ
ル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基などの2
置換シリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル
基、トリ−n−プロピルシリル基、トリ−イソプロピル
シリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−
ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、ト
リ−イソブチルシリル基、tert−ブチルジメチルシ
リル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキ
シルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェ
ニルシリル基などの3置換シリル基等が挙げられ、好ま
しくはトリメチルシリル基、 tert−ブチルジメチ
ルシリル基、トリフェニルシリル基が挙げられる。これ
らの置換シリル基はいずれもがその炭化水素基がフッ素
原子で置換されていてもよい。
【0012】炭素数1〜20の炭化水素置換アミノ基と
は2つの炭化水素基で置換されたアミノ基であって、こ
こでの炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル
基、ネオペンチル基、アミル基 、n−ヘキシル基、シ
クロヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基などの
炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基、トリル
基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル基などの
炭素原子数1〜20のアリール基等が挙げられる。かか
る炭素数1〜20の炭化水素置換アミノ基としては、例
えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−
プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−
ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−t
ert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、
tert −ブチルイソプロピルアミノ基、 ジ−n−ヘ
キシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−
デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられ、好
ましくはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基が挙げら
れる。
【0013】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフ
ッ素原子、塩素原子が挙げられる。
【0014】R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R
10は互いに結合して環を形成していてもよく、かかる環
としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘ
プタンなどのアルキリデン環、ベンゼン、ナフタレン、
アントラセンなどの芳香環が挙げられる。
【0015】M1、M2は、同一または異なっていても良
く、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウ
ム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、バナジ
ウム、クロム、マンガンなどの遷移金属が例示され、好
ましくは鉄もしくはコバルトであり、さらに好ましく
は、M1、M2が共に鉄である。
【0016】m、nは1、2、3の整数を示し、好まし
くは2である。
【0017】かかる遷移金属錯体としては、下記式で示
す化合物などが例示される。
【0018】
【0019】
【0020】かかる遷移金属錯体は、一般式(2) (式中、R1、R2、R3、R4 5、R6、R7、R8
9、R10、R11、R12は前記と同じ意味を表わす。)で
示されるイミン化合物に相当する金属塩を反応させるこ
とにより合成される。
【0021】かかるイミン化合物としては、下記の式で
示す化合物などが挙げられる。
【0022】
【0023】金属塩としては、鉄、ルテニウム、オスミ
ウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パ
ラジウム、白金、バナジウム、クロム、マンガンなどの
遷移金属のハロゲン物が用いられ、好ましくは鉄もしく
はコバルトのハロゲン化物であって、さらに好ましくは
塩化鉄である。これらの金属塩は、エーテル化合物、水
などの中性配位子が配位していてもよい。
【0024】反応の方法は特に限定されないが、通常、
溶媒の存在下に、イミン化合物(2)と金属塩を反応さ
せることにより実施される。
【0025】イミン化合物(2)に対する金属塩の使用
量は、通常0.25〜0.75モル倍であって、好まし
くは0.45〜0.55モル倍程度の範囲である。
【0026】反応温度は、通常−80℃から溶媒の沸点
以下であり、好ましくは−50〜60℃の範囲である。
【0027】反応に用いる溶媒は、反応に対して不活性
な溶媒が用いられる。かかる溶媒としては、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ヘキ
サン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンな
どのエーテル系溶媒、ヘキサメチルホスホリックトリア
ミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒が挙げ
られる。これらの溶媒はそれぞれ単独もしくは二種以上
を混合して用いられ、その使用量は、一般式(2)で示
されるイミン化合物に対し、通常1〜200重量倍であ
って、好ましくは5〜30重量倍の範囲である。
【0028】反応後、必要に応じ不溶物をろ別し、溶媒
を留去することにより、目的物を取得することができ
る。精製の必要があれば、再結晶、昇華などの通常の操
作で目的物を取得することができる。
【0029】〔化合物(A)〕本発明において用いる化
合物(A)としては、下記(A1)〜(A3)の公知の有
機アルミニウム化合物であり、それらのいずれかまたは
それらの混合物が挙げられる。 (A1):一般式 (E1)a AlZ(3-a) で示され
る有機アルミニウム化合物、 (A2):一般式 {−Al(E2 )−O−}b で示さ
れる構造を有する環状のアルミノキサン、または (A3):一般式 E3 {−Al(E3 )−O−}c A
l(E3)2 で示される構造を有する線状のアルミノキ
サン (式中、E1 、E2 、E3 は、同一または相異なり、炭
素数1〜8の炭化水素基であり、Zは同一または相異な
り、水素原子又はハロゲン原子を表し、aは1〜3の整
数で、bは2以上の整数を、cは1以上の整数を表
す。)
【0030】一般式 (E1)a Al Z(3-a)で示さ
れる有機アルミニウム化合物(A1)の具体例として
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミ
ニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルア
ルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチ
ルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムク
ロライド、ジイソブチルアルミニウムハクロライド、ジ
ヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミ
ニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、
エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウ
ムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライ
ド、ヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルア
ルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイド
ライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピ
ルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウ
ムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド
等のジアルキルアルミニウムハイドライド等を例示する
ことができる。好ましくは、トリアルキルアルミニウム
であり、より好ましくは、トリエチルアルミニウム、ト
リイソブチルアルミニウムが挙げられる。
【0031】一般式 {−Al(E2 )−O−}b で示
される構造を有する環状のアルミノキサン(A2)、一
般式 E3 {−Al(E3 )−O−}c Al(E3) 2
で示される構造を有する線状のアルミノキサン(B3)
における、E2 、E3 の具体例としては、メチル基、エ
チル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマ
ルブチル基、イソブチル基、ノルマルペンチル基、ネオ
ペンチル基等のアルキル基を例示することができる。b
は2以上の整数であり、cは1以上の整数である。好ま
しくは、E2 及びE3 はメチル基、イソブチル基であ
り、bは2〜40の整数、cは1〜40の整数である。
【0032】上記のアルミノキサンは各種の方法で作ら
れる。その方法については特に制限はなく、公知の方法
に準じて作ればよい。例えば、トリアルキルアルミニウ
ム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を適当な有
機溶剤(ベンゼン、脂肪族炭化水素など)に溶かした溶
液を水と接触させて作る。また、トリアルキルアルミニ
ウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を結晶水
を含んでいる金属塩(例えば、硫酸銅水和物など)に接
触させて作る方法が例示できる。
【0033】〔化合物B〕本発明において化合物(B)
としては、(B1)一般式BQ1 Q2 Q3 で表されるホ
ウ素化合物、(B2)一般式Z+ (BQ1 Q2 Q3 Q4
- で表されるホウ素化合物、(B3)一般式(L−
H)+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるホウ素化合
物のいずれかを用いる。
【0034】一般式 BQ1 Q2 Q3 で表されるホウ素
化合物(B1)において、Bは3価の原子価状態のホウ
素原子であり、Q1 〜Q3 はハロゲン原子、1〜20個
の炭素原子を含む炭化水素基、1〜20個の炭素原子を
含むハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20個の炭化水
素置換シリル基、炭素数1〜20個のアルコキシ基また
は炭素数2〜20個の炭化水素2置換アミノ基であり、
それらは同じであっても異なっていても良い。好ましい
Q1 〜Q3としてはハロゲン原子、1〜20個の炭素原
子を含む炭化水素基、1〜20個の炭素原子を含むハロ
ゲン化炭化水素基が挙げられる。
【0035】ホウ素化合物(B1)の具体例としては、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス
(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、
トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボ
ラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボ
ラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボ
ラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン
等が挙げられるが、より好ましくは、トリス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボランが挙げられる。
【0036】一般式Z+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表
されるホウ素化合物(B2)において、Z+は無機また
は有機のカチオンであり、Bは3価の原子価状態のホウ
素原子であり、Q1 〜Q4 は上記の(B1)におけるQ
1 〜Q3 と同様である。
【0037】一般式 Z+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )-
表される化合物の具体例としては、無機のカチオンであ
るZ+ には、フェロセニウムカチオン、アルキル置換フ
ェロセニウムカチオン、銀陽イオンなどが、有機のカチ
オンであるZ+ には、トリフェニルメチルカチオンなど
が挙げられる。
【0038】(BQ1 Q2 Q3 Q4 )- には、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス
(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレー
ト、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェ
ニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオ
ロフェニル)ボレート、テトラキス(2,2,4ートリ
フルオロフェニル)ボレート、フェニルビス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビス
トリフルオロメチルフェニル)ボレートなどが挙げられ
る。
【0039】これらの具体的な組み合わせとしては、フ
ェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメ
チルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルメチルテトラキス(3,5−ビストリフル
オロメチルフェニル)ボレートなどを挙げることができ
るが、より好ましくは、トリフェニルメチルテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
【0040】また、一般式(L−H)+ (BQ1 Q2 Q
3 Q4 )- で表されるホウ素化合物(B3)において
は、Lは中性ルイス塩基であり、(L−H)+ はブレン
ステッド酸であり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子
であり、Q1 〜Q4 は上記の(B1)におけるQ1 〜Q
3 と同様のものが挙げられる。
【0041】一般式(L−H)+ (BQ1 Q2 Q3 Q4
- で表される化合物の具体例としては、ブレンステ
ッド酸である(L−H)+ には、トリアルキル置換アン
モニウム、N,N−ジアルキルアニリニウム、ジアルキ
ルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどが挙げ
られ、(BQ1 Q2 Q3 Q4 )- には、前述と同様のも
のが挙げられる。
【0042】これらの具体的な組み合わせとしては、ト
リエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマル
ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウム
テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニ
ル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエ
チルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニ
リニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5
−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソ
プロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニ
ルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ジメ
チルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレートなどを挙げることができるが、よ
り好ましくは、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N
−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボレートが挙げられる。
【0043】本発明においては、一般式(1)で表され
る遷移金属錯体及び化合物(B)、あるいは、一般式
(1)で表される遷移金属錯体、化合物(B)及び化合
物(C)を、重合時に任意の順序で投入し使用すること
ができるが、またそれらの任意の化合物の組合せを予め
接触させて得られた反応物を用いても良い。
【0044】各触媒成分の使用量は、化合物(A)/一
般式(1)で示される遷移金属錯体のモル比が0.1〜
10000で、好ましくは5〜2000、化合物(B)
/一般式(1)で示される遷移金属錯体のモル比が0.
01〜100で、好ましくは0.5〜10程度の範囲に
あるように、各成分を用いることが望ましい。
【0045】次に、上記で得られた重合触媒を用いてモ
ノマーを重合する方法について説明する。重合に使用す
るモノマーは、炭素数2〜20個からなるオレフィン、
ジオレフィン及びカルボン酸、エステル、アミノ基、等
の極性の置換基をもつオレフィン等のいずれをも用いる
ことができ、同時に2種類以上のモノマーを用いること
もできる。かかるモノマーを以下に例示するが、下記化
合物に限定されるものではない。かかるオレフィンの具
体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペ
ンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−
1、ノネン−1、デセン−1、5−メチル−2−ペンテ
ン−1、ビニルシクロヘキセン等が挙げられ、ジオレフ
ィン化合物としては、炭化水素化合物の共役ジエン、非
共役ジエンが挙げられ、かかる化合物の具体例として
は、非共役ジエン化合物の具体例として、1,5−ヘキ
サジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエ
ン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,
9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、
5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,
6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボル
ネン、5−メチル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエ
ン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロ
オクタジエン、5,8−エンドメチレンヘキサヒドロナ
フタレン等が例示され、共役ジエン化合物の具体例とし
ては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキ
サジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロオク
タジエン、1,3−シクロヘキサジエン等を例示するこ
とができ、極性の置換基をもつオレフィンの具体例とし
ては、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、
メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等が例示される。好ま
しくは、エチレンが挙げられる。
【0046】共重合体を構成するモノマーの具体例とし
ては、エチレンとプロピレン、エチレンとブテン−1、
エチレンとヘキセン−1、プロピレンとブテン−1等が
例示されるが、本発明は、上記化合物に限定されるもの
ではない。
【0047】重合方法も、特に限定されるべきものでは
ないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン
等の芳香族炭化水素、又はメチレンジクロライド等のハ
ロゲン化炭化水素を溶媒として用いる溶媒重合、又はス
ラリー重合、ガス状のモノマー中での気相重合等が可能
であり、また、連続重合、回分式重合のどちらでも可能
である。
【0048】重合温度は、通常、−50℃〜300℃程
度の範囲を取り得るが、特に、−20℃〜200℃程度
の範囲が好ましく、重合圧力は、常圧〜60kg/cm
2G(6MPa)程度が好ましい。重合時間は、一般的
に、目的とするポリマーの種類、反応装置により適宜決
定されるが、1分間〜20時間程度の範囲を取ることが
できる。また、本発明は共重合体の分子量を調節するた
めに水素等の連鎖移動剤を添加することもできる。
【0049】
【発明の効果】本発明のイミン化合物を配位子とする複
核遷移金属錯体は重合触媒などの触媒反応用途に有用で
ある。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】[実施例1] 配位子1の合成
【0052】化合物Bの合成 化合物A(9.3 g, 49 mmol)のエタノール溶液(70 ml)に
ヒドラジン水和物(9.5 ml, 95 mmol)を加え、95℃で2時
間撹拌した。生成する黄色の微結晶を濾取し、少量のエ
タノールで洗浄後、減圧下で乾燥することにより、化合
物Bを取得した。収率46% (4.6 g)。1 H NMR (250 MHz, CDCl3) d 1.78 (s, 6H), 3.91-3.94
(m, 4H), 4.10-4.14 (m,4H), 7.62 (dd, J = 7.7, 1.0
Hz, 2H), 7.78 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.98 (dd, J =
7.7, 1.0 Hz, 2H), 8.61 (s, 2H). 13C NMR (75 MHz, C
DCl3) d 24.92, 65.17, 108.5, 120.60, 120.67, 137.4
5, 147.15. Anal. Calcd. for C20H22N6O4: C, 58.53;
H, 5.40; N, 20.48. Found: C, 58.23; H, 5.50; N, 1
9.80.
【0053】化合物Cの合成 化合物B (0.82 g, 2.0 mmol)の酢酸−水混合溶液(40
+ 27 ml)を氷浴で冷却し、亜硝酸ナトリウム(1.25 g,
18 mmol)の水溶液(3.3 ml)をゆっくり滴下した。滴下終
了後30分間撹拌した後、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中
和し、生成した赤紫色不溶物を濾取し、多量の水で洗浄
後、減圧下乾燥することにより化合物Cを取得した。収
率96% (0.79 g)。1 H NMR (250 MHz, CDCl3) d 1.78 (s, 6H), 4.01-4.04
(m, 4H), 4.15-4.18 (m,4H), 7.84 (dd, J = 6.9, 1.0
Hz, 2H), 8.02 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 8.60 (dd, J =
6.9, 1.0 Hz, 2H). Anal. Calcd. for C20H20N6O4: C,
58.82; H, 4.94;N, 20.58. Found: C, 58.38; H, 4.99;
N, 20.49.
【0054】化合物Dの合成 化合物C (9.4 g, 23 mmol)のジオキサン溶液(200 ml)
にN−(1−シクロヘキセン−1−イル)モルフォリン
(5.8 g, 35 mmol)を滴下し、80℃で3時間撹拌した。室
温に冷却後、溶媒および低沸点有機物を減圧下で除き、
残留物をメタノール(200 ml)に溶解し、30%過酸化水素
水を加え室温で終夜撹拌した。メタノールを減圧下で除
いた後、ジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾
燥後、溶媒を減圧下で除くことにより橙色の油状物とし
て化合物Dを取得した。収率75% (7.9 g)。1 H NMR (250 MHz, CDCl3) 1.80 (s, 6H), 1.82 (s, 4
H), 3.08 (s, 4H), 3.92-3.95 (s, 4H), 4.11-4.14 (m,
4H), 7.63 (dd, J = 7.6, 1.1 Hz, 2H), 7.88 (t,J =
7.6 Hz, 2H), 7.93 (dd, J = 7.6, 1.1 Hz, 2H). 13C N
MR (75 Hz, CDCl3)d 25.7, 30.9, 119.6, 122.6, 124.
9, 125.3, 138.3, 152.6, 153.2, 157.8, 200.0, 207.
0.
【0055】化合物Eの合成 化合物D(1.7 g, 3.6 mmol)をテトラヒドロフラン(90 m
l)に溶解し、1N塩酸(90ml)を加え室温で3日間撹拌し
た。炭酸水素ナトリウムで中和した後、ジクロロメタン
で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を除
く事により化合物Eが得られた。収率58% (0.78 g)。1 H NMR (250 MHz, CDCl3) d 1.91 (s, 4H), 2.76 (s, 6
H), 3.21 (s, 4H), 8.05(t, J = 7.7 Hz, 2H), 8.13 (d
d, J = 7.7, 1.3 Hz, 2H), 8.30 (dd, J = 7.7,1.3 Hz,
2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d 18.8, 21.7, 26.1,
27.1, 121.3, 128.5, 137.9, 152.2, 155.8, 157.4, 20
0.0. Anal. Calcd. for C22H20N4O2: C,70.95; H, 5.4
1; N, 15.04. Found: C, 70.32; H, 5.59; N, 14.63.
【0056】配位子1の合成 化合物E (0.19 g, 0.50 mmol)のトルエン溶液(4 ml)に
2,6-ジイソプロピルアニリン(0.38 ml, 2.0 mmol)、触
媒量のp-トルエンスルホン酸を加え、脱水しながら8時
間加熱還流する。室温に戻した後、溶媒を減圧下で溜去
し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶媒; ジクロロメ
タン/酢酸エチル=5/1)により分離精製すること黄色
固体として配位子1が得られた。収率71% (0.24 g)。
【0057】[実施例2] 配位子2の合成
【0058】実施例1と同様の方法により化合物E (0.
37 g, 1.0 mmol)と 2,6-ジメチルアニリン(0.49 ml, 4.
0 mmol)から配位子2を合成した。収率69% (0.40 g)。1 H NMR (250 MHz, CDCl3) d 1.88 (s, 4H), 2.06 (2, 1
2H), 2.20 (s, 6H), 3.20 (s, 4H), 6.94 (t J = 7.3 H
z, 2H), 7.08 (d, J = 7.3 Hz, 4H), 8.01 (t, J= 7.9
Hz, 2H), 8.17 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 8.47 (d, J = 7.
9 Hz, 2H). 13CNMR (75 NHz, CDCl3) d 16.8, 17.93, 2
1.76, 27.06, 120.7, 123.0, 125.4, 126.2, 127.9, 13
7.3, 127.7, 148.6, 155.0, 155.5, 155.9, 167.0.
【0059】[実施例3] 錯体1の合成 配位子1(0.28 g, 0.40 mmol)と塩化鉄(II)四水和物(0.
16 g, 0.80 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(4 ml)を室
温で終夜撹拌すると紫色の溶液が生成した。不溶物を濾
過し濾液を濃縮すると紫色の固体として錯体1が得られ
た。粗収量0.32 g(84%)。テトラヒドロフラン/ジエチ
ルエーテルから再結晶することにより、紫色の針状結晶
が得られた。 Anal. Calcd. for C46H54Cl4Fe2N6: C, 58.50; H, 5.7
6; N, 8.90. Found: C, 56.56; H, 5.28; N, 9.07.
【0060】[実施例4] 錯体2の合成 実施例3と同様の方法により配位子2(0.12 g, 0.20 mm
ol)と塩化鉄(II)四水和物(80 mg, 0.40 mmol)から錯体
2が得られた。粗収量0.13 g (77%)。テトラヒドロフラ
ン/ジエチルエーテルから再結晶することにより紫色の
針状結晶が得られた。 Anal. Calcd. for C38H38Cl4Fe2N6: C, 54.84; H, 4.6
0; N, 10.10. Found: C,55.78; H, 5.11; N, 9.60.
【0061】[実施例5] (重合)ジャケット付きセパラブルフラスコ中に窒素下
で、トルエン100mlを仕込み、25℃で安定させた
後、エチレンを常圧下、バブリングさせた。ここに、ト
リイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(2.0m
l、1.0M、関東化学)、錯体1(0.5μmo
l)、およびトリフェニルカルベニウムテトラキスペン
タフルオロフェニルボレート(13.8mg)を加え
た。0.3℃の発熱が観測された。60分間後、エチレ
ンを止め、5%塩酸水溶液を加え重合を停止した。得ら
れた混合物をGC−MSにて分析したところ、ポリエチ
レンが検出された。
【0062】[実施例6] (重合)オートクレーブに窒素下で、トルエン2mlを
仕込み、40℃で安定させた後、エチレンを0.6MP
aまで加圧し安定させた。ここに、MMAOのヘキサン
溶液(310μl、1.62M、関東化学)および錯体
1(0.25μmol)を加え、30分間攪拌した。そ
の後、エチレンを止め、メタノールを加え重合を停止し
た。エチレンをパージした後、得られた混合物をGC−
MSにて分析したところ、ポリエチレンが検出された。
エチレン吸収量から活性は、2.4×106g/mol
と計算される。
【0063】[実施例7] (重合)オートクレーブに窒素下で、トルエン2mlを
仕込み、40℃で安定させた後、エチレンを0.6MP
aまで加圧し安定させた。ここに、トリイソブチルアル
ミニウムのヘキサン溶液(100μl、1.0M、関東
化学)および錯体1(0.25μmol)を加え、12
分間攪拌した。その後、エチレンを止め、メタノールを
加え重合を停止した。エチレンをパージした後、エチレ
ンをパージした後、得られた混合物をGC−MSにて分
析したところ、ポリエチレンが検出された。エチレン吸
収量から活性は、6.7×106g/molと計算され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東井 隆行 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4C063 AA03 BB02 CC29 DD12 EE10 4H050 AA01 AA03 AB40 WA27 WB14 WB21 4J028 AA01 AB00 AC38 AC42 AC45 AC46 AC47 BA01B BA02B BB01B BC12B BC13B BC14B BC15B BC16B BC17B BC25B EA01 EB02 EB03 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EB09 EB12 EB13 EB14 EB15 EB16 EB17 EB18 EB25 EC01 EC02 EC03 FA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、R1、R2、R3、R4 5、R6、R7、R8
    9、R10、R11、R12はそれぞれ任意に水素原子、ハロ
    ゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアル
    キル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコ
    キシ基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリー
    ル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール
    オキシ基、置換されていてもよい炭素数7〜20のアラ
    ルキル基、置換されていてもよい炭素数7〜20のアラ
    ルキルオキシ基、炭素数1〜20の炭化水素置換シリル
    基または炭素数1〜20の炭化水素置換アミノ基を示
    し、M 1、M2はそれぞれ任意に鉄、ルテニウム、オスミ
    ウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パ
    ラジウム、白金、バナジウム、クロムまたはマンガンで
    ある遷移金属を示し、X1、X2はそれぞれ任意にハロゲ
    ン原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキ
    ル基などのアニオン性配位子を示し、n、mはそれぞれ
    1、2または3の整数を示し、隣接するR3、R4
    5、R6、R7、R8、R9、R10は互いに結合して環を
    形成していてもよい。)で示される遷移金属錯体。
  2. 【請求項2】M1、M2が鉄またはコバルトである請求項
    1に記載の遷移金属錯体。
  3. 【請求項3】M1、M2が共に鉄である請求項1または2
    に記載の遷移金属錯体。
  4. 【請求項4】R1、R12が置換されていてもよいアリー
    ル基である請求項1から3のいずれかに記載の遷移金属
    錯体。
  5. 【請求項5】R6、R7がアルキレン基で環を形成してい
    る請求項1から4のいずれかに記載の遷移金属錯体。
  6. 【請求項6】下記の構造式で示される遷移金属錯体。 (式中、Arは2,6-ジメチルフェニル基もしくは2,
    6-ジイソプロプルフェニル基を示す)
  7. 【請求項7】一般式(2) (式中、R1、R2、R3、R4 5、R6、R7、R8
    9、R10、R11、R12は前記と同じ意味を表わす。)で
    示されるイミン化合物。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の遷移金属錯体、及び下記
    化合物(A)を組合せてなることを特徴とするオレフィ
    ン重合用触媒。 化合物(A): 下記化合物(A1)〜(A3)のいず
    れか、またはそれらの2または3種の混合物 (A1):一般式 (E1)a Al Z(3-a) で示される有機アルミニウム化合物、 (A2):一般式 {−Al(E2)−O−}b で示される構造を有する環状のアルミノキサン、 (A3):一般式 E3{−Al(E3)−O−}c Al
    (E3)2 で示される構造を有する線状のアルミノキサン (式中、E1 〜E3 は同一または相異なり、炭素数1〜
    8の炭化水素基であり、Zは同一または相異なり、水素
    原子又はハロゲン原子を表し、aは1〜3の整数で、b
    は2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。)
  9. 【請求項9】請求項8において、請求項2〜6のいずれ
    かに記載の遷移金属錯体を用いることを特徴とするオレ
    フィン重合用触媒。
  10. 【請求項10】請求項1に記載の遷移金属錯体、下記化
    合物(A)及び化合物(B)を組合せてなることを特徴
    とするオレフィン重合用触媒。 化合物(A): 下記化合物(A1)〜(A3)のいず
    れか、またはそれらの2または3種の混合物 (A1):一般式 (E1)a Al Z(3-a) で示される有機アルミニウム化合物、 (A2):一般式 {−Al(E2)−O−}b で示される構造を有する環状のアルミノキサン、 (A3):一般式 E3{−Al(E3)−O−}c Al
    (E3)2 で示される構造を有する線状のアルミノキサン (式中、E1 〜E3 は同一または相異なり、炭素数1〜
    8の炭化水素基であり、Zは同一または相異なり、水素
    原子又はハロゲン原子を表し、aは1〜3の整数で、b
    は2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。) 化合物(B): 下記化合物(B1)〜(B3)のいず
    れか (B1):一般式 BQ1 Q2 Q3 で表されるホウ素化合物、 (B2):一般式 Z+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるホウ素化合物、 (B3):一般式(L−H)+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )
    - で表されるホウ素化合物 (式中、Z+は無機または有機のカチオン、(L−H)+
    はブレンステッド酸、Bは3価の原子価状態のホウ素
    原子であり、Q1 〜Q4 は、同一または相異なり、ハロ
    ゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜2
    0のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素
    置換シリル基、炭素数1〜20のアルコキシ基または炭
    素数2〜20の炭化水素2置換アミノ基を示す。)。
  11. 【請求項11】請求項10において、請求項2〜6のい
    ずれかに記載の遷移金属錯体を用いることを特徴とする
    オレフィン重合用触媒。
  12. 【請求項12】請求項8、9、10または11に記載の
    オレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合す
    ることを特徴とするオレフィン系重合体の製造方法。
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