JP2003212610A - ガラスパネルのゲッター加熱方法とその加熱装置 - Google Patents

ガラスパネルのゲッター加熱方法とその加熱装置

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JP2003212610A
JP2003212610A JP2002016402A JP2002016402A JP2003212610A JP 2003212610 A JP2003212610 A JP 2003212610A JP 2002016402 A JP2002016402 A JP 2002016402A JP 2002016402 A JP2002016402 A JP 2002016402A JP 2003212610 A JP2003212610 A JP 2003212610A
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heating
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cooling
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Hideo Yoshizawa
英夫 吉沢
Hiroaki Kato
浩昭 加藤
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複層ガラスのゲッターを局部的に加熱して活性
化するに際し、局部加熱に起因する温度差の発生を抑え
て、複層ガラスにおける熱応力の発生を極力抑制するこ
とのできるゲッター加熱方法とゲッター加熱装置。 【解決手段】複層ガラスPのゲッターGを加熱手段10
により局部的に加熱して活性化するゲッター加熱方法
で、ゲッターGの加熱に伴って昇温する複層ガラスPの
昇温部分をその外表面側から積極的に冷却しながら、加
熱手段10によりゲッターGを加熱する方法と、複層ガ
ラスPのゲッターGを局部的に加熱して活性化する加熱
手段10を備えたゲッター加熱装置で、ゲッター加熱装
置8が、加熱手段10によるゲッターGの加熱に伴って
昇温する複層ガラスPの昇温部分をその外表面側から積
極的に冷却する冷却手段14を備えている装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複層ガラスにおけ
る間隙部内の気体を吸着するために、前記複層ガラスに
配設されたゲッターを加熱手段により局部的に加熱して
活性化する複層ガラスのゲッター加熱方法とその加熱装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】複層ガラスのゲッターを加熱して活性化
する方法としては、従来から複層ガラス全体を加熱する
方法が知られているが、ゲッター以外の不必要な部分も
一緒に加熱することになるため、加熱効率がきわめて悪
いという欠点がある。そこで、近年では、例えば、ヒー
タやランプなどの加熱手段を備えたゲッター加熱装置を
使用して、複層ガラスの外側からゲッターを局部的に加
熱する方法などが実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、複層ガラスの
ゲッターは、複層ガラスの間隙部に接触するように収納
されているので、複層ガラスの外側から加熱手段により
ゲッターを局部的に加熱する方法では、ゲッターを覆っ
ている複層ガラスの一部をも加熱せざるを得ず、いずれ
にせよ、ゲッターを局部的に加熱する従来の方法では、
複層ガラスの一部が局部的に昇温することになる。
【0004】ところが、ガラスは比較的熱伝導性が悪い
ため、複層ガラスの一部が局部的に昇温すると、その昇
温部分と周辺部との間の温度差が大きくなって、複層ガ
ラスにおける昇温部分の近傍内部に熱応力が発生し、昇
温部分の周辺部には、その熱応力に起因して引張り応力
が発生する。ガラスは圧縮応力に対して比較的強いが、
引張り応力に対して比較的弱いため、例えば、その昇温
部分が複層ガラスを構成する板ガラスであると、昇温部
分の周辺部に発生した引張り応力によって、板ガラスの
縁部が損傷したり、板ガラスの縁部からクラックが発生
するなどのおそれがある。
【0005】本発明は、このような問題点に着目したも
ので、その目的は、複層ガラスのゲッターを局部的に加
熱して活性化するに際し、局部加熱に起因する温度差の
発生を抑えて、複層ガラスにおける熱応力の発生を極力
抑制することのできるゲッター加熱方法とゲッター加熱
装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の特徴構
成は、図2〜図6に例示するごとく、複層ガラスPにお
ける間隙部V内の気体を吸着するために、前記複層ガラ
スPに配設されたゲッターGを加熱手段10により局部
的に加熱して活性化する複層ガラスのゲッター加熱方法
であって、前記ゲッターGの加熱に伴って昇温する複層
ガラスPの昇温部分を、その複層ガラスPの外表面側か
ら積極的に冷却しながら、前記加熱手段10により前記
ゲッターGを加熱するところにある。
【0007】請求項1の発明の特徴構成によれば、複層
ガラスに配設されたゲッターを加熱手段により局部的に
加熱して活性化する複層ガラスのゲッター加熱方法であ
って、ゲッターの加熱に伴って昇温する複層ガラスの昇
温部分を、その複層ガラスの外表面側から積極的に冷却
しながら、加熱手段によりゲッターを加熱するので、ゲ
ッターの局部加熱によって加熱効率の向上を図ることが
でき、しかも、その局部加熱により昇温する複層ガラス
の昇温部分を外表面側から積極的に冷却しながら局部加
熱を実行することで、ゲッターの局部加熱に伴う温度差
の発生を抑制することができる。したがって、その温度
差に起因する熱応力の発生、さらには、熱応力に起因す
る引張り応力の発生を抑制することができ、複層ガラス
においてゲッターを局部的に加熱して活性化するにもか
かわらず、複層ガラスにおける損傷やクラックの発生を
抑制することができる。
【0008】請求項2の発明の特徴構成は、図2〜図6
に例示するごとく、ゲッター加熱方法であって、前記複
層ガラスPの昇温部分の外表面に冷却用流体Aを吹き付
けて冷却するところにある。
【0009】請求項2の発明の特徴構成によれば、上述
したゲッター加熱方法であって、複層ガラスの昇温部分
の外表面に冷却用流体を吹き付けて冷却するので、大掛
かりな冷却装置などを必要とせずに比較的簡単な装置で
実施することができ、しかも、冷却用流体は、複層ガラ
スの外表面に沿って流れるため、昇温部分を含む外表面
を効率良く冷却することができる。
【0010】請求項3の発明の特徴構成は、図2〜図6
に例示するごとく、ゲッター加熱方法であって、前記冷
却用流体Aが気体であるところにある。
【0011】請求項3の発明の特徴構成によれば、上述
したゲッター加熱方法であって、冷却用流体が気体であ
るから、例えば、冷却用流体として水などの液体を使用
する場合と比較して、その後の冷却用流体の処理がきわ
めて容易で、特に冷却用流体として空気を使用する場合
には、そのまま大気中へ放出することもできて後処理が
不要となる。
【0012】請求項4の発明の特徴構成は、図2〜図6
に例示するごとく、複層ガラスPにおける間隙部V内の
気体を吸着するために、前記複層ガラスPに配設された
ゲッターGを局部的に加熱して活性化する加熱手段10
を備えた複層ガラスのゲッター加熱装置であって、その
ゲッター加熱装置8が、前記加熱手段10によるゲッタ
ーGの加熱に伴って昇温する複層ガラスPの昇温部分
を、その複層ガラスPの外表面側から積極的に冷却する
冷却手段14を備えているところにある。
【0013】請求項4の発明の特徴構成によれば、複層
ガラスに配設されたゲッターを局部的に加熱して活性化
する加熱手段を備えた複層ガラスのゲッター加熱装置で
あって、そのゲッター加熱装置が、加熱手段によるゲッ
ターの加熱に伴って昇温する複層ガラスの昇温部分を、
その複層ガラスの外表面側から積極的に冷却する冷却手
段を備えているので、加熱手段によりゲッターを局部加
熱することによって加熱効率の向上を図ることができる
とともに、局部加熱により昇温する複層ガラスの昇温部
分を外表面側から冷却手段により積極的に冷却しなが
ら、加熱手段により局部加熱を実行することになり、ゲ
ッターの局部加熱に伴う温度差の発生を抑制することが
できる。したがって、その温度差に起因する熱応力の発
生、さらには、熱応力に起因する引張り応力の発生を抑
制することができ、複層ガラスにおいてゲッターを局部
的に加熱して活性化するにもかかわらず、複層ガラスに
おける損傷やクラックの発生を抑制することができる。
【0014】請求項5の発明の特徴構成は、図2〜図6
に例示するごとく、ゲッター加熱装置であって、前記冷
却手段14が、前記複層ガラスPの昇温部分の外表面に
冷却用流体Aを吹き付けるノズル11と、そのノズル1
1に冷却用流体Aを供給する流体供給手段12により構
成されているところにある。
【0015】請求項5の発明の特徴構成によれば、上述
したゲッター加熱装置であって、冷却手段が、複層ガラ
スの昇温部分の外表面に冷却用流体を吹き付けるノズル
と、そのノズルに冷却用流体を供給する流体供給手段に
より構成されているので、ノズルと流体供給手段などか
らなる比較的簡単な装置で必要な冷却作用を期待するこ
とができ、装置の簡略化と低廉化を図ることができ、し
かも、冷却用流体は、複層ガラスの外表面に沿って流れ
るため、昇温部分を含む外表面を効率良く冷却すること
ができる。
【0016】請求項6の発明の特徴構成は、図2〜図6
に例示するごとく、ゲッター加熱装置であって、前記冷
却用流体Aが気体であるところにある。
【0017】請求項6の発明の特徴構成によれば、上述
したゲッター加熱装置であって、冷却用流体が気体であ
るから、例えば、冷却用流体として水などの液体を使用
する場合と比較して、流体供給手段などの装置類が簡略
となり、かつ、その後の冷却用流体の処理も容易で、特
に冷却用流体として空気を使用する場合には、そのまま
大気中へ放出することもできて後処理が不要となり、さ
らに装置類の簡略化を図ることができる。
【0018】請求項7の発明の特徴構成は、図2〜図6
に例示するごとく、ゲッター加熱装置であって、前記加
熱手段10が、前記複層ガラスPの外側から加熱用の光
束Lを照射して加熱する照射式加熱手段であるところに
ある。
【0019】請求項7の発明の特徴構成によれば、上述
したゲッター加熱装置であって、加熱手段が、複層ガラ
スの外側から加熱用の光束を照射して加熱する照射式加
熱手段であるから、他の加熱手段と比較して優れた効果
が期待できる。例えば、ヒータ付きのゲッターを使用し
たり、ゲッターに直接電流を流して加熱する場合には、
加熱用給電線の取り扱いが煩雑となり、かつ、その加熱
用給電線を複層ガラスの外側にまで延出させて配線する
必要があるため、配線による気密不良が発生しやすい欠
点があり、また、高周波誘導コイルを使用してゲッター
内部に誘導電流を発生させて加熱する場合には、金属製
の網入り板ガラスにより複層ガラスを構成すると、金属
製の網も同時に加熱されて板ガラスにクラックが入るお
それがあるため、網入り板ガラスを使用できないという
制約を受ける。それに対し、照射式加熱手段であれば、
複層ガラスに対して給電線などを配線する必要がなく取
り扱いも容易で、使用する板ガラスに関しても、照射側
の板ガラスさえ透明な板ガラスであれば、他方の板ガラ
スについては網入り板ガラスやスリガラスを使用するこ
とも可能となり、しかも、照射式加熱手段からの加熱用
の光束によってゲッターを効率良く局部加熱することが
できる。
【0020】なお、上述のように、図面との対照を便利
にするために符号を記したが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明による複層ガラスのゲッタ
ー加熱方法とその加熱装置につき、その実施の形態を図
面に基づいて説明する。ゲッター加熱装置の使用対象と
なる複層ガラスとしては、例えば、真空複層ガラスがあ
り、真空複層ガラスPは、図1に示すように、一対の透
明な板ガラス1,2において、両板ガラス1,2の面
が、その間にステンレス鋼(SUS304)やインコネ
ル718などからなる多数のスペーサ3を介在させ、そ
れによって、両板ガラス1,2の間に間隙部Vを有する
状態で互いに対向するように配置され、両板ガラス1,
2の周縁部が、両板ガラス1,2よりも溶融温度が低
く、かつ、気体透過度の低い低融点ガラス4で接合さ
れ、両板ガラス1,2の間隙部Vが、減圧状態で密閉さ
れて構成されている。
【0022】両板ガラス1,2の間隙部Vは、1.33
Pa(1.0×10-2Torr)以下に減圧され、一方
の板ガラス1には、間隙部V内の気体を排気して減圧す
るため、図2に示すように、断面が円形の減圧用の吸引
孔5が穿設されている。この吸引孔5は、円柱形状のゲ
ッターGを収納するためのゲッター収納空間を兼用する
もので、吸引孔5内にゲッターGが収納されて配設さ
れ、吸引孔5の開口に透明な板ガラスからなる蓋体6が
位置されて、その蓋体6が、上述の低融点ガラス4より
も融点が高くて、蓋体6や板ガラス1よりも融点の低い
低融点ガラス7によって板ガラス1に接着固定されて、
吸引孔5の開口が密閉状態で封止されている。
【0023】このような真空複層ガラスPにおいて、ゲ
ッターGを加熱するのに使用されるゲッター加熱装置8
は、図2に示すように、板ガラス1の上面に載置可能な
装置本体9を備え、その装置本体9には、ゲッターGを
局部的に加熱して活性化するための照射式加熱手段10
が設けられている。この実施形態において、照射式加熱
手段10は、レーザ発生装置あるいは各種のランプなど
であり、ゲッター加熱用の光束Lを照射して真空複層ガ
ラスPに配設されたゲッターGを局部的に加熱するよう
に構成されている。さらに、ゲッター加熱装置8の装置
本体9には、真空複層ガラスPを構成する板ガラス1や
蓋体6の外表面に対して、その外表面側から冷却用流体
の一例である空気Aを吹き付けて冷却するためのノズル
11が設けられ、そのノズル11には、冷却用の空気A
を供給するための流体供給手段の一例であるファン12
がフレキシブルパイプ13を介して接続されて、これら
ノズル11やファン12などにより、真空複層ガラスP
の昇温部分を局部的に冷却する冷却手段14が構成され
ている。
【0024】真空複層ガラスPは、両板ガラス1,2の
間に所定の間隔で多数のスペーサ3を介在させ、かつ、
両板ガラス1,2の周縁部にペースト状の低融点ガラス
4を介在させた状態で、加熱炉内において焼成すること
により、溶融した低融点ガラス4によって両板ガラス
1,2の周縁部が接合される。その後、板ガラス1の吸
引孔5内にゲッターGを収納した状態で、減圧加熱装置
を使用して間隙部Vを加熱しながら吸引孔5から間隙部
V内の気体を吸引排気するベーキング処理を実行し、さ
らに、間隙部V内を1.33Pa以下にまで減圧すると
ともに、低融点ガラス7を加熱して溶融させ、蓋体6を
板ガラス1に接着して真空複層ガラスPを製造する。
【0025】そのようにして製造された真空複層ガラス
Pにおいて、吸引孔5内のゲッターGを加熱して活性化
するには、図2に示すように、蓋体6側を上にして板ガ
ラス1上にゲッター加熱装置8を載置する。その際、照
射式加熱手段10が、ゲッターGの真上に位置するよう
に載置し、その照射式加熱手段10から光束Lを照射し
て、ゲッターGを局部的に加熱する。例えば、板ガラス
1,2が3mm、吸引孔5の直径が12mmの場合であ
れば、直径が10mmで高さが2mmの円柱状のゲッタ
ーGを挿入し、直径が20mmで厚さが1mmの蓋体6
により閉鎖し、直径8mm程度の光束Lを照射すること
になり、蓋体6とゲッターGとは、その中央部が8mm
の直径の範囲内において局部的に加熱される。
【0026】ゲッターGは熱伝導性が良いため、短時間
のうちに全体が加熱されて活性化され、間隙部V内の気
体と接触して、その気体に含まれる水分、CO、C
2 、N 2 、H2 、O2 などのガス、つまり、酸化ガ
ス、硫化ガス、炭化ガス、有機ガスなどの各種のガスを
吸着して除去する。それに対し、蓋体6はガラス製で熱
伝導性が悪いため、その中央部のみが局部的に加熱され
るだけで、周縁部は短時間のうちに加熱されず、したが
って、蓋体6を接着している低融点ガラス7が再溶融さ
れることはない。その反面、蓋体6の局部加熱により、
蓋体6に熱応力が発生するおそれがあるが、照射式加熱
手段10からの光束Lの照射と相前後して、冷却手段1
4のノズル11から蓋体6に向けて冷却用空気Aが吹き
付けられて、蓋体6を含む昇温部分が冷却されるので、
蓋体6内における熱応力の発生が抑制される。
【0027】また、同じゲッター加熱装置8を用いて、
図3に示すように、真空複層ガラスPの裏側からゲッタ
ーGを加熱することもできる。その場合には、ゲッター
Gの加熱と同時に、上方に位置する板ガラス2も局部的
に加熱されるが、ノズル11から吹き付けられる冷却用
空気Aにより板ガラス2の昇温部分が冷却されて、板ガ
ラス2内における熱応力の発生が抑制される。さらに、
必要な場合には、図3において仮想線で示すように、真
空複層ガラスPの下方にも別のノズル11を配置して、
冷却用空気Aにより下方に位置する蓋体6も同時に冷却
するように構成することができる。
【0028】以上、減圧用の吸引孔5内に収納したゲッ
ターGを加熱する場合について説明したが、ゲッターG
の収納に関しては種々の構成があり、いかなる構成であ
っても適用可能である。例えば、図4に示すように、両
板ガラス1,2のうち、一方の板ガラス1にのみ専用の
ゲッター収納空間15が設けられている場合、あるい
は、図5に示すように、両板ガラス1,2にわたって専
用のゲッター収納空間16が設けられている場合には、
いずれか一方の板ガラス1,2の上面にゲッター加熱装
置8を載置し、ノズル11からの冷却用空気Aで板ガラ
ス1,2の外表面を冷却しながら、ゲッターGを加熱に
より活性化して間隙部V内の各種ガスを吸着して除去す
る。
【0029】さらに、多量のゲッターGを必要とする場
合には、図6に示すように、板ガラス1と蓋体6との間
に円環状のガラス製スペーサ17を介在させて低融点ガ
ラス7により接着し、板ガラス1とガラス製スペーサ1
7とにわたって設けられたゲッター収納空間18にゲッ
ターGを収納し、ノズル11からの冷却用空気Aで蓋体
6などを冷却しながらゲッターGを加熱することにな
る。なお、図4〜図6に示した実施形態、さらには、図
2に示した実施形態においても、図3に示したように、
真空複層ガラスPの下方にも別のノズル11を配置し
て、真空複層ガラスPの下方も同時に冷却するように構
成することができる。その他、図示はしないが、板ガラ
ス1に穿設した減圧用の吸引孔にガラス管を連通接続
し、そのガラス管内にゲッターGを収納した構成の真空
複層ガラスPにおいても適用可能である。
【0030】〔別実施形態〕 (1)先の実施形態では、ゲッターGを加熱する加熱手
段10の一例として照射式加熱手段を示したが、照射式
加熱手段に代えて、各種の加熱手段を使用することがで
きる。例えば、高周波誘導コイルにより磁界を発生さ
せ、ゲッターGの内部に誘導電流を発生させて加熱した
り、ヒータ付きのゲッターGを使用してそのヒータによ
り加熱することもでき、また、ゲッターGに直接電流を
流して加熱することもできる。
【0031】(2)先の実施形態では、真空複層ガラス
Pの昇温部分を冷却する冷却用流体Aの一例として空気
を示したが、空気以外の各種の気体は勿論のこと、水な
どのような液体を使用して真空複層ガラスPの昇温部分
を冷却するように構成することもできる。また、流体供
給手段12の一例としてファンを示したが、コンプレッ
サやポンプをはじめとして、例えば、冷却用の流体を収
納するボンベを使用し、そのボンベから冷却用の流体を
供給するように構成することもできる。
【0032】(3)先の実施形態では、複層ガラスPの
一例として真空複層ガラスを示したが、両板ガラス1,
2の間隙部Vに放電ガスを封入したプラズマディスプレ
イパネルなどにおいて、その間隙部Vから不必要なガス
を吸着して除去する場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空複層ガラスの一部切欠き斜視図
【図2】ゲッター加熱装置によるゲッター加熱状態を示
す断面図
【図3】別の実施形態におけるゲッター加熱状態を示す
断面図
【図4】別の実施形態におけるゲッター加熱状態を示す
断面図
【図5】別の実施形態におけるゲッター加熱状態を示す
断面図
【図6】別の実施形態におけるゲッター加熱状態を示す
断面図
【符号の説明】
8 ゲッター加熱装置 10 加熱手段の一例である照射式加熱手段 11 ノズル 12 流体供給手段 14 冷却手段 A 冷却用流体 G ゲッター L 加熱用の光束 P 複層ガラス V 間隙部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年3月11日(2003.3.1
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ガラスパネルのゲッター加熱方法と
その加熱装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスパネルにお
ける間隙部内の気体を吸着するために、前記ガラスパネ
に配設されたゲッターを加熱手段により局部的に加熱
して活性化するガラスパネルのゲッター加熱方法とその
加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスパネルのゲッターを加熱して活性
化する方法としては、従来からガラスパネル全体を加熱
する方法が知られているが、ゲッター以外の不必要な部
分も一緒に加熱することになるため、加熱効率がきわめ
て悪いという欠点がある。そこで、近年では、例えば、
ヒータやランプなどの加熱手段を備えたゲッター加熱装
置を使用して、ガラスパネルの外側からゲッターを局部
的に加熱する方法などが実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ガラスパネル
のゲッターは、ガラスパネルの間隙部に接触するように
収納されているので、ガラスパネルの外側から加熱手段
によりゲッターを局部的に加熱する方法では、ゲッター
を覆っているガラスパネルの一部をも加熱せざるを得
ず、いずれにせよ、ゲッターを局部的に加熱する従来の
方法では、ガラスパネルの一部が局部的に昇温すること
になる。
【0004】ところが、ガラスは比較的熱伝導性が悪い
ため、ガラスパネルの一部が局部的に昇温すると、その
昇温部分と周辺部との間の温度差が大きくなって、ガラ
スパネルにおける昇温部分の近傍内部に熱応力が発生
し、昇温部分の周辺部には、その熱応力に起因して引張
り応力が発生する。ガラスは圧縮応力に対して比較的強
いが、引張り応力に対して比較的弱いため、例えば、そ
の昇温部分がガラスパネルを構成する板ガラスである
と、昇温部分の周辺部に発生した引張り応力によって、
板ガラスの縁部が損傷したり、板ガラスの縁部からクラ
ックが発生するなどのおそれがある。
【0005】本発明は、このような問題点に着目したも
ので、その目的は、ガラスパネルのゲッターを局部的に
加熱して活性化するに際し、局部加熱に起因する温度差
の発生を抑えて、ガラスパネルにおける熱応力の発生を
極力抑制することのできるゲッター加熱方法とゲッター
加熱装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の特徴構
成は、図2〜図6に例示するごとく、ガラスパネルPに
おける間隙部V内の気体を吸着するために、前記ガラス
パネルPに配設されたゲッターGを加熱手段10により
局部的に加熱して活性化するガラスパネルのゲッター加
熱方法であって、前記ゲッターGの加熱に伴って昇温す
ガラスパネルPの昇温部分を、そのガラスパネルPの
外表面側から積極的に冷却しながら、前記加熱手段10
により前記ゲッターGを加熱するところにある。
【0007】請求項1の発明の特徴構成によれば、ガラ
スパネルに配設されたゲッターを加熱手段により局部的
に加熱して活性化するガラスパネルのゲッター加熱方法
であって、ゲッターの加熱に伴って昇温するガラスパネ
の昇温部分を、そのガラスパネルの外表面側から積極
的に冷却しながら、加熱手段によりゲッターを加熱する
ので、ゲッターの局部加熱によって加熱効率の向上を図
ることができ、しかも、その局部加熱により昇温する
ラスパネルの昇温部分を外表面側から積極的に冷却しな
がら局部加熱を実行することで、ゲッターの局部加熱に
伴う温度差の発生を抑制することができる。したがっ
て、その温度差に起因する熱応力の発生、さらには、熱
応力に起因する引張り応力の発生を抑制することがで
き、ガラスパネルにおいてゲッターを局部的に加熱して
活性化するにもかかわらず、ガラスパネルにおける損傷
やクラックの発生を抑制することができる。
【0008】請求項2の発明の特徴構成は、図2〜図6
に例示するごとく、ゲッター加熱方法であって、前記
ラスパネルPの昇温部分の外表面に冷却用流体Aを吹き
付けて冷却するところにある。
【0009】請求項2の発明の特徴構成によれば、上述
したゲッター加熱方法であって、ガラスパネルの昇温部
分の外表面に冷却用流体を吹き付けて冷却するので、大
掛かりな冷却装置などを必要とせずに比較的簡単な装置
で実施することができ、しかも、冷却用流体は、ガラス
パネルの外表面に沿って流れるため、昇温部分を含む外
表面を効率良く冷却することができる。
【0010】請求項3の発明の特徴構成は、図2〜図6
に例示するごとく、ゲッター加熱方法であって、前記冷
却用流体Aが気体であるところにある。
【0011】請求項3の発明の特徴構成によれば、上述
したゲッター加熱方法であって、冷却用流体が気体であ
るから、例えば、冷却用流体として水などの液体を使用
する場合と比較して、その後の冷却用流体の処理がきわ
めて容易で、特に冷却用流体として空気を使用する場合
には、そのまま大気中へ放出することもできて後処理が
不要となる。
【0012】請求項4の発明の特徴構成は、図2〜図6
に例示するごとく、ガラスパネルPにおける間隙部V内
の気体を吸着するために、前記ガラスパネルPに配設さ
れたゲッターGを局部的に加熱して活性化する加熱手段
10を備えたガラスパネルのゲッター加熱装置であっ
て、そのゲッター加熱装置8が、前記加熱手段10によ
るゲッターGの加熱に伴って昇温するガラスパネルPの
昇温部分を、そのガラスパネルPの外表面側から積極的
に冷却する冷却手段14を備えているところにある。
【0013】請求項4の発明の特徴構成によれば、ガラ
スパネルに配設されたゲッターを局部的に加熱して活性
化する加熱手段を備えたガラスパネルのゲッター加熱装
置であって、そのゲッター加熱装置が、加熱手段による
ゲッターの加熱に伴って昇温するガラスパネルの昇温部
分を、そのガラスパネルの外表面側から積極的に冷却す
る冷却手段を備えているので、加熱手段によりゲッター
を局部加熱することによって加熱効率の向上を図ること
ができるとともに、局部加熱により昇温するガラスパネ
の昇温部分を外表面側から冷却手段により積極的に冷
却しながら、加熱手段により局部加熱を実行することに
なり、ゲッターの局部加熱に伴う温度差の発生を抑制す
ることができる。したがって、その温度差に起因する熱
応力の発生、さらには、熱応力に起因する引張り応力の
発生を抑制することができ、ガラスパネルにおいてゲッ
ターを局部的に加熱して活性化するにもかかわらず、
ラスパネルにおける損傷やクラックの発生を抑制するこ
とができる。
【0014】請求項5の発明の特徴構成は、図2〜図6
に例示するごとく、ゲッター加熱装置であって、前記冷
却手段14が、前記ガラスパネルPの昇温部分の外表面
に冷却用流体Aを吹き付けるノズル11と、そのノズル
11に冷却用流体Aを供給する流体供給手段12により
構成されているところにある。
【0015】請求項5の発明の特徴構成によれば、上述
したゲッター加熱装置であって、冷却手段が、ガラスパ
ネルの昇温部分の外表面に冷却用流体を吹き付けるノズ
ルと、そのノズルに冷却用流体を供給する流体供給手段
により構成されているので、ノズルと流体供給手段など
からなる比較的簡単な装置で必要な冷却作用を期待する
ことができ、装置の簡略化と低廉化を図ることができ、
しかも、冷却用流体は、ガラスパネルの外表面に沿って
流れるため、昇温部分を含む外表面を効率良く冷却する
ことができる。
【0016】請求項6の発明の特徴構成は、図2〜図6
に例示するごとく、ゲッター加熱装置であって、前記冷
却用流体Aが気体であるところにある。
【0017】請求項6の発明の特徴構成によれば、上述
したゲッター加熱装置であって、冷却用流体が気体であ
るから、例えば、冷却用流体として水などの液体を使用
する場合と比較して、流体供給手段などの装置類が簡略
となり、かつ、その後の冷却用流体の処理も容易で、特
に冷却用流体として空気を使用する場合には、そのまま
大気中へ放出することもできて後処理が不要となり、さ
らに装置類の簡略化を図ることができる。
【0018】請求項7の発明の特徴構成は、図2〜図6
に例示するごとく、ゲッター加熱装置であって、前記加
熱手段10が、前記ガラスパネルPの外側から加熱用の
光束Lを照射して加熱する照射式加熱手段であるところ
にある。
【0019】請求項7の発明の特徴構成によれば、上述
したゲッター加熱装置であって、加熱手段が、ガラスパ
ネルの外側から加熱用の光束を照射して加熱する照射式
加熱手段であるから、他の加熱手段と比較して優れた効
果が期待できる。例えば、ヒータ付きのゲッターを使用
したり、ゲッターに直接電流を流して加熱する場合に
は、加熱用給電線の取り扱いが煩雑となり、かつ、その
加熱用給電線をガラスパネルの外側にまで延出させて配
線する必要があるため、配線による気密不良が発生しや
すい欠点があり、また、高周波誘導コイルを使用してゲ
ッター内部に誘導電流を発生させて加熱する場合には、
金属製の網入り板ガラスによりガラスパネルを構成する
と、金属製の網も同時に加熱されて板ガラスにクラック
が入るおそれがあるため、網入り板ガラスを使用できな
いという制約を受ける。それに対し、照射式加熱手段で
あれば、ガラスパネルに対して給電線などを配線する必
要がなく取り扱いも容易で、使用する板ガラスに関して
も、照射側の板ガラスさえ透明な板ガラスであれば、他
方の板ガラスについては網入り板ガラスやスリガラスを
使用することも可能となり、しかも、照射式加熱手段か
らの加熱用の光束によってゲッターを効率良く局部加熱
することができる。
【0020】なお、上述のように、図面との対照を便利
にするために符号を記したが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明によるガラスパネルのゲッ
ター加熱方法とその加熱装置につき、その実施の形態を
図面に基づいて説明する。ゲッター加熱装置の使用対象
となるガラスパネルとしては、例えば、真空複層ガラス
があり、真空複層ガラスPは、図1に示すように、一対
の透明な板ガラス1,2において、両板ガラス1,2の
面が、その間にステンレス鋼(SUS304)やインコ
ネル718などからなる多数のスペーサ3を介在させ、
それによって、両板ガラス1,2の間に間隙部Vを有す
る状態で互いに対向するように配置され、両板ガラス
1,2の周縁部が、両板ガラス1,2よりも溶融温度が
低く、かつ、気体透過度の低い低融点ガラス4で接合さ
れ、両板ガラス1,2の間隙部Vが、減圧状態で密閉さ
れて構成されている。
【0022】両板ガラス1,2の間隙部Vは、1.33
Pa(1.0×10-2Torr)以下に減圧され、一方
の板ガラス1には、間隙部V内の気体を排気して減圧す
るため、図2に示すように、断面が円形の減圧用の吸引
孔5が穿設されている。この吸引孔5は、円柱形状のゲ
ッターGを収納するためのゲッター収納空間を兼用する
もので、吸引孔5内にゲッターGが収納されて配設さ
れ、吸引孔5の開口に透明な板ガラスからなる蓋体6が
位置されて、その蓋体6が、上述の低融点ガラス4より
も融点が高くて、蓋体6や板ガラス1よりも融点の低い
低融点ガラス7によって板ガラス1に接着固定されて、
吸引孔5の開口が密閉状態で封止されている。
【0023】このような真空複層ガラスPにおいて、ゲ
ッターGを加熱するのに使用されるゲッター加熱装置8
は、図2に示すように、板ガラス1の上面に載置可能な
装置本体9を備え、その装置本体9には、ゲッターGを
局部的に加熱して活性化するための照射式加熱手段10
が設けられている。この実施形態において、照射式加熱
手段10は、レーザ発生装置あるいは各種のランプなど
であり、ゲッター加熱用の光束Lを照射して真空複層ガ
ラスPに配設されたゲッターGを局部的に加熱するよう
に構成されている。さらに、ゲッター加熱装置8の装置
本体9には、真空複層ガラスPを構成する板ガラス1や
蓋体6の外表面に対して、その外表面側から冷却用流体
の一例である空気Aを吹き付けて冷却するためのノズル
11が設けられ、そのノズル11には、冷却用の空気A
を供給するための流体供給手段の一例であるファン12
がフレキシブルパイプ13を介して接続されて、これら
ノズル11やファン12などにより、真空複層ガラスP
の昇温部分を局部的に冷却する冷却手段14が構成され
ている。
【0024】真空複層ガラスPは、両板ガラス1,2の
間に所定の間隔で多数のスペーサ3を介在させ、かつ、
両板ガラス1,2の周縁部にペースト状の低融点ガラス
4を介在させた状態で、加熱炉内において焼成すること
により、溶融した低融点ガラス4によって両板ガラス
1,2の周縁部が接合される。その後、板ガラス1の吸
引孔5内にゲッターGを収納した状態で、減圧加熱装置
を使用して間隙部Vを加熱しながら吸引孔5から間隙部
V内の気体を吸引排気するベーキング処理を実行し、さ
らに、間隙部V内を1.33Pa以下にまで減圧すると
ともに、低融点ガラス7を加熱して溶融させ、蓋体6を
板ガラス1に接着して真空複層ガラスPを製造する。
【0025】そのようにして製造された真空複層ガラス
Pにおいて、吸引孔5内のゲッターGを加熱して活性化
するには、図2に示すように、蓋体6側を上にして板ガ
ラス1上にゲッター加熱装置8を載置する。その際、照
射式加熱手段10が、ゲッターGの真上に位置するよう
に載置し、その照射式加熱手段10から光束Lを照射し
て、ゲッターGを局部的に加熱する。例えば、板ガラス
1,2が3mm、吸引孔5の直径が12mmの場合であ
れば、直径が10mmで高さが2mmの円柱状のゲッタ
ーGを挿入し、直径が20mmで厚さが1mmの蓋体6
により閉鎖し、直径8mm程度の光束Lを照射すること
になり、蓋体6とゲッターGとは、その中央部が8mm
の直径の範囲内において局部的に加熱される。
【0026】ゲッターGは熱伝導性が良いため、短時間
のうちに全体が加熱されて活性化され、間隙部V内の気
体と接触して、その気体に含まれる水分、CO、C
2、N2、H2、O2などのガス、つまり、酸化ガス、硫
化ガス、炭化ガス、有機ガスなどの各種のガスを吸着し
て除去する。それに対し、蓋体6はガラス製で熱伝導性
が悪いため、その中央部のみが局部的に加熱されるだけ
で、周縁部は短時間のうちに加熱されず、したがって、
蓋体6を接着している低融点ガラス7が再溶融されるこ
とはない。その反面、蓋体6の局部加熱により、蓋体6
に熱応力が発生するおそれがあるが、照射式加熱手段1
0からの光束Lの照射と相前後して、冷却手段14のノ
ズル11から蓋体6に向けて冷却用空気Aが吹き付けら
れて、蓋体6を含む昇温部分が冷却されるので、蓋体6
内における熱応力の発生が抑制される。
【0027】また、同じゲッター加熱装置8を用いて、
図3に示すように、真空複層ガラスPの裏側からゲッタ
ーGを加熱することもできる。その場合には、ゲッター
Gの加熱と同時に、上方に位置する板ガラス2も局部的
に加熱されるが、ノズル11から吹き付けられる冷却用
空気Aにより板ガラス2の昇温部分が冷却されて、板ガ
ラス2内における熱応力の発生が抑制される。さらに、
必要な場合には、図3において仮想線で示すように、真
空複層ガラスPの下方にも別のノズル11を配置して、
冷却用空気Aにより下方に位置する蓋体6も同時に冷却
するように構成することができる。
【0028】以上、減圧用の吸引孔5内に収納したゲッ
ターGを加熱する場合について説明したが、ゲッターG
の収納に関しては種々の構成があり、いかなる構成であ
っても適用可能である。例えば、図4に示すように、両
板ガラス1,2のうち、一方の板ガラス1にのみ専用の
ゲッター収納空間15が設けられている場合、あるい
は、図5に示すように、両板ガラス1,2にわたって専
用のゲッター収納空間16が設けられている場合には、
いずれか一方の板ガラス1,2の上面にゲッター加熱装
置8を載置し、ノズル11からの冷却用空気Aで板ガラ
ス1,2の外表面を冷却しながら、ゲッターGを加熱に
より活性化して間隙部V内の各種ガスを吸着して除去す
る。
【0029】さらに、多量のゲッターGを必要とする場
合には、図6に示すように、板ガラス1と蓋体6との間
に円環状のガラス製スペーサ17を介在させて低融点ガ
ラス7により接着し、板ガラス1とガラス製スペーサ1
7とにわたって設けられたゲッター収納空間18にゲッ
ターGを収納し、ノズル11からの冷却用空気Aで蓋体
6などを冷却しながらゲッターGを加熱することにな
る。なお、図4〜図6に示した実施形態、さらには、図
2に示した実施形態においても、図3に示したように、
真空複層ガラスPの下方にも別のノズル11を配置し
て、真空複層ガラスPの下方も同時に冷却するように構
成することができる。その他、図示はしないが、板ガラ
ス1に穿設した減圧用の吸引孔にガラス管を連通接続
し、そのガラス管内にゲッターGを収納した構成の真空
複層ガラスPにおいても適用可能である。
【0030】〔別実施形態〕 (1)先の実施形態では、ゲッターGを加熱する加熱手
段10の一例として照射式加熱手段を示したが、照射式
加熱手段に代えて、各種の加熱手段を使用することがで
きる。例えば、高周波誘導コイルにより磁界を発生さ
せ、ゲッターGの内部に誘導電流を発生させて加熱した
り、ヒータ付きのゲッターGを使用してそのヒータによ
り加熱することもでき、また、ゲッターGに直接電流を
流して加熱することもできる。
【0031】(2)先の実施形態では、真空複層ガラス
Pの昇温部分を冷却する冷却用流体Aの一例として空気
を示したが、空気以外の各種の気体は勿論のこと、水な
どのような液体を使用して真空複層ガラスPの昇温部分
を冷却するように構成することもできる。また、流体供
給手段12の一例としてファンを示したが、コンプレッ
サやポンプをはじめとして、例えば、冷却用の流体を収
納するボンベを使用し、そのボンベから冷却用の流体を
供給するように構成することもできる。
【0032】(3)先の実施形態では、ガラスパネル
の一例として真空複層ガラスを示したが、両板ガラス
1,2の間隙部Vに放電ガスを封入したプラズマディス
プレイパネルなどにおいて、その間隙部Vから不必要な
ガスを吸着して除去する場合にも適用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空複層ガラスの一部切欠き斜視図
【図2】ゲッター加熱装置によるゲッター加熱状態を示
す断面図
【図3】別の実施形態におけるゲッター加熱状態を示す
断面図
【図4】別の実施形態におけるゲッター加熱状態を示す
断面図
【図5】別の実施形態におけるゲッター加熱状態を示す
断面図
【図6】別の実施形態におけるゲッター加熱状態を示す
断面図
【符号の説明】 8 ゲッター加熱装置 10 加熱手段の一例である照射式加熱手段 11 ノズル 12 流体供給手段 14 冷却手段 A 冷却用流体 G ゲッター L 加熱用の光束 P ガラスパネル V 間隙部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G061 AA11 AA23 BA01 CA02 CB02 CB06 CD02 CD23 CD25 DA26 DA43 DA51 DA61 DA67

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複層ガラスにおける間隙部内の気体を吸
    着するために、前記複層ガラスに配設されたゲッターを
    加熱手段により局部的に加熱して活性化する複層ガラス
    のゲッター加熱方法であって、 前記ゲッターの加熱に伴って昇温する複層ガラスの昇温
    部分を、その複層ガラスの外表面側から積極的に冷却し
    ながら、前記加熱手段により前記ゲッターを加熱する複
    層ガラスのゲッター加熱方法。
  2. 【請求項2】 前記複層ガラスの昇温部分の外表面に冷
    却用流体を吹き付けて冷却する請求項1に記載の複層ガ
    ラスのゲッター加熱方法。
  3. 【請求項3】 前記冷却用流体が気体である請求項2に
    記載の複層ガラスのゲッター加熱方法。
  4. 【請求項4】 複層ガラスにおける間隙部内の気体を吸
    着するために、前記複層ガラスに配設されたゲッターを
    局部的に加熱して活性化する加熱手段を備えた複層ガラ
    スのゲッター加熱装置であって、 そのゲッター加熱装置が、前記加熱手段によるゲッター
    の加熱に伴って昇温する複層ガラスの昇温部分を、その
    複層ガラスの外表面側から積極的に冷却する冷却手段を
    備えている複層ガラスのゲッター加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記冷却手段が、前記複層ガラスの昇温
    部分の外表面に冷却用流体を吹き付けるノズルと、その
    ノズルに冷却用流体を供給する流体供給手段により構成
    されている請求項4に記載の複層ガラスのゲッター加熱
    装置。
  6. 【請求項6】 前記冷却用流体が気体である請求項5に
    記載の複層ガラスのゲッター加熱装置。
  7. 【請求項7】 前記加熱手段が、前記複層ガラスの外側
    から加熱用の光束を照射して加熱する照射式加熱手段で
    ある請求項4〜6のいずれか1項に記載の複層ガラスの
    ゲッター加熱装置。
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