JP2003206430A - 着色微粒子の水分散体、水性インク及び画像形成方法 - Google Patents
着色微粒子の水分散体、水性インク及び画像形成方法Info
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- JP2003206430A JP2003206430A JP2002005884A JP2002005884A JP2003206430A JP 2003206430 A JP2003206430 A JP 2003206430A JP 2002005884 A JP2002005884 A JP 2002005884A JP 2002005884 A JP2002005884 A JP 2002005884A JP 2003206430 A JP2003206430 A JP 2003206430A
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Abstract
のよい、画像の耐光性の改良されたインクジェットイン
クに用いる着色微粒子の水分散体を提供することにあ
り、該着色微粒子の水分散体を用いた水性インク、ま
た、該インクを用いた画像形成方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 色材と樹脂からなる着色微粒子の水分散
体において、2種以上の樹脂及び色材を同時に含有する
ことを特徴とする着色微粒子の水分散体。
Description
安定性のよい、画像の堅牢性に優れたインクジェットイ
ンク用着色微粒子の水分散体、水性インク、画像形成方
法に関する。
記具等に用いられる記録材料、インキング材料にも脱溶
剤化、水性化が求められてきている。特にインクジェッ
ト記録に用いられる水性の記録材料としては水溶性染料
の水溶液を主体としたもの、顔料の微分散体を主体とし
たものが広く用いられている。
として酸性染料、直接染料、一部の食品用染料等に分類
される水溶性染料の水溶液に、保湿剤としてグリコール
類、アルカノールアミン類、表面張力の調整のための界
面活性剤、更に必要に応じて増粘剤等を添加したものが
用いられている。これら水溶性染料を用いた水性インク
は、筆先、あるいはプリンターでの目詰まりに対する高
い信頼性から、最も一般的に用いられているが、記録紙
上でにじみやすく、使用用途の限定、記録品位の低下を
余儀なくされている。即ち、記録紙に単に浸透し、乾燥
固着しているだけの水溶性染料は「染着」しているとは
いい難く、耐光堅牢度は非常に低い。
性、耐光堅牢性が低いという問題を解決するために油溶
性染料ないし疎水性染料により水分散性樹脂を着色する
提案が、例えば特開昭55−139471号、特開昭5
8−45272号、特開平3−250069号、特開平
8−253720号、特開平8−92513号、特開平
8−183920号、特開2001−11347号等に
なされている。
分散性樹脂を着色するのみでなく、色材及びこれを被覆
した樹脂からなる着色微粒子、又、着色材と樹脂からな
る色材粒子を更に皮膜形成性樹脂で被覆した着色微粒子
を用いる試みもなされている。
ンクにおいても、濃度がのらない、又、ブロンジング等
の色再現性の問題が起こりやすくなる等の問題を軽減す
るため、又、更に耐光性向上、分散安定性、吐出安定性
等を向上させる目的で、例えば、特開平8−26937
4号、特開平9−151342号、特開平10−880
45号、特開平10−292143等に開示されたよう
に、皮膜形成性樹脂により顔料の表面を被覆する試みが
なされている。
性染料による水分散性樹脂を着色した粒子や顔料等の色
材の微小粒子を樹脂と混合した粒子或いはこれらの粒子
を更に樹脂により被覆した着色微粒子は、従来の顔料を
用いた水性インクの種々の問題点を克服し、高い記録品
位を実現する可能性を秘めたものではあるものの、粒子
表面や粒子外に染料が存在すると耐光性向上等の効果が
減じられることや、インクジェット用インクに必要な分
散安定性、吐出安定性等の諸性能を高めることが難しか
ったり、また、製造後の分散安定性に問題があり、製造
時に工夫を要する等の問題があるなどの問題を抱えてい
る。
は分散安定性がよく保存性に優れ、吐出安定性のよい、
画像の耐光性の改良されたインクジェットインクに用い
る着色微粒子の水分散体を提供することにあり、該着色
微粒子の水分散体を用いた水性インク、また、該インク
を用いた画像形成方法を提供することにある。
の手段によって達成される。
散体において、2種以上の樹脂及び色材を同時に含有す
ることを特徴とする着色微粒子の水分散体。
4.0以内であることを特徴とする前記1に記載の着色
微粒子の水分散体。
種がポリビニルブチラールであることを特徴とする前記
1に記載の着色微粒子の水分散体。
の水分散体であって、2種以上の樹脂及び色材を同時に
含有する着色微粒子がコアで用いられていることを特徴
とする前記1に記載の着色微粒子の水分散体。
色微粒子の水分散体を含むことを特徴とする水性イン
ク。
下である前記5に記載の水性インク。
特徴とする前記5または6に記載の水性インク。
ヘッドより前記7のインクを液滴として吐出させインク
受容媒体に付着させることを特徴とする画像形成方法。
に用いられる安定な着色微粒子の水分散体を作製するた
めの樹脂の性質としては、染料や顔料等色材との相溶
性、親和性が高いことは勿論のこと、色調、保存性を良
くするための相互作用が強いこと、分散系を保つために
適度な疎水性を有し、且つ、分散安定性を向上するため
の適度な親水性を同時に有し、更に、耐光性を上げるた
めにはガラス転移点(Tg)が高いことなど(但し分散
安定性を上げるためには低Tgである方がよい)多様な
性質が要求される。従来、染料や顔料という色材と共に
用いられてきた複合樹脂粒子においては、例えば、染料
に対して相溶性の高い樹脂を用いることが色調のよい着
色微粒子を得る上では重要であるが、染料に対する溶解
性と共に、上記のような多様な要求を単一の樹脂で満足
させることは事実上不可能である。本発明者等は、イン
クに用いられるこういった着色微粒子に要求される多様
な性質を最適化し、それぞれ、高度に実現するには、単
一の性質をもった1種類の樹脂を用いるのではなく、複
数の異なる樹脂を用いてそれぞれの性質に応じてこれら
の樹脂成分を内部、外部に分布させることにより、例え
ば分散安定性を向上しつつ、同時に、色調や、インクと
しての耐光性を向上させる等、1つの樹脂を用いた場合
にはトレードオフとなるような各要求を制御できること
を見出した。
て用いた樹脂粒子の場合、樹脂粒子の内部へのまた外部
へのそれぞれの樹脂成分の分布はlogP値により制御
できる。即ちlogP値が小さい樹脂は水に対する親和
性が大きいため樹脂粒子の水分散体の場合には、粒子の
外側に近い部位に分布し、逆にlogP値が大きいと疎
水性が高くなり内部に分布しやすい。これらの差が余り
大きいと一つの粒子内に収まることができず、相分離し
分散性が保てないが、2種以上、複数の樹脂のlogP
値の互いの差を一定範囲内とすることで複数の樹脂同士
の多様性を生かしながら、分散安定性を保つことができ
ると考えられる。従って、被覆効果と分散安定性の高い
例えばポリビニルブチラールの様な樹脂を外側に、ポリ
ビニルブチラールよりもlogP値の大きい、染料と親
和性が高く耐光性改良効果の高い樹脂を内側に分布させ
るのが特に良い。
異なる2種以上の樹脂と染料または顔料のような色材を
同時に含有する着色微粒子の水分散体を形成することに
よって、本発明の効果は発揮される。
の尺度を表すパラメータであり、数値が大きいほど疎水
性であることを示し、逆に数値が小さいほど親水性であ
ることを示している。logP値は広く知られた化合物
のパラメータであり、常法によって測定することができ
るし、計算によっても、近似値を求めることもできる。
のlogP値の差が4.0以下であり、好ましくは3.
5以下である。樹脂の種類が異なるということは、構造
的に異なった部分を有し、マクロな或いはミクロなレベ
ルで、染料分子との相互作用が異なっている、或いは、
分子量が異なっていて、熱力学的な性質や、染料分子と
の或いは樹脂成分同士での相互作用のレベルで異なって
いると考えられるものをいう。従って、同じ樹脂同士で
も、一部が、変性されているもの、また共重合体であっ
ても各モノマー成分の組成比が異なっているもの、更に
モノマー単位(共重合体でもよいが)が構造的に同じで
あっても分子量分布が明らかに異なり、例えば軟化点
や、融点、更には溶解性等の熱力学的な性質、また、化
学的な親和性等が異なっているものなども異なった樹脂
と考えられる。本発明はこの様にやや異なった樹脂を混
合しても用いることに特徴があり、余り近い性質を有す
るものを混合しても本発明の効果は得られない。また、
logP値の差が4.0より大きくなると、ポリマー同
士が分離を起こし、甚だしい場合には、凝集を起こして
好ましくない。
P値値は完全にn−オクタノールと水への2つの溶媒系
における物質の以下の式で定義できる分配係数と一致す
るものではなく、計算値と、測定値にやや差がある場合
もあり、実際は異なった樹脂であって、ミクロな或いは
マクロな性質が異なっているものも同じ値となる場合も
あり、logPで幾つ以上というのは正確ではないが、
logPでみたとき、概ね0.1程度は異なっているも
のが好ましい。
水性を表すパラメータであり、通常n−オクタノールと
水への2つの溶媒系における物質の以下の式で定義でき
る分配係数より求めることが出来る。
溶解度 Sw:25℃で純水中での該有機化合物の溶解度 これらは化学領域増刊122号「薬物の構造活性相関」
(南江堂)73〜103頁に詳しく記載されている。近
年logPを計算により求める方法が提案されており、
分子軌道計算をベースにするものや基本的にはC.Ha
nschのデータを利用するフラグメント法、また、H
PLCによる方法等幾つかの方法がある。
グラムは富士通株式会社のCACheという分子計算パ
ッケージの中のProject Leaderであり、
A.K.Ghost、et al,J.Comput.
Chem.9:80(1988)のフラグメント法をベ
ースにしている方法である。
(ポリマー)としてはその数平均分子量が500〜10
0,000、特に1,000〜30,000であること
が、印刷後の製膜性、その耐久性及びサスペンションの
形成性の点から好ましい。
能であるが、用いるポリマーのうち、少なくとも1種以
上はTgが10℃以上であるものを用いる方が好まし
い。
べてのポリマーを使用可能であるが、好ましいポリマー
は、主な官能基としてアセタール基を含有するポリマ
ー、炭酸エステル基を含有するポリマー、水酸基を含有
するポリマーおよびエステル基を有するポリマーなどで
あり、特にアセタール基を含有するポリマー、中でもポ
リビニルブチラールが好ましい。
よく、その置換基は直鎖状、分岐、あるいは環状構造を
とっていてもよい。また、上記の官能基を有するポリマ
ーは、各種のものが市販されているが、常法によって合
成することもできる。また、これらの共重合体は、例え
ば1つのポリマー分子中にエポキシ基を導入しておき、
後に他のポリマーと縮重合させたり、光や放射線を用い
てグラフト重合を行っても得られる。
有するビニルモノマーのラジカル重合によって得られた
ポリマーも好ましく用いられる。エチレン、プロピレ
ン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビ
ニル、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル類、(メ
タ)アクリル酸等、アクリルアミド類等のラジカル重合
によって得られるポリマー、例えば、スチレン/アクリ
ル酸エチル、或いはアクリル酸ブチル等の共重合体ポリ
マー、また、スチレン/メタアクリル酸エチルヘキシル
等の共重合体ポリマー、更にはスチレン/メタクリル酸
エチルヘキシル/ヒドロキシエチルアクリレート等の共
重合体ポリマー等が例としてあげられる。
てはアセタール基を含有するポリマー(ポリビニルアセ
タール)であり、このうち特にポリビニルブチラールが
染料および顔料等の色材に対する溶解性や親和性等の相
互作用の点で好ましく、本発明において用いられる複数
の樹脂のうち1つはポリビニルブチラールであることが
好ましく、これらに加えて前記のポリマーのうち1つ以
上をポリビニルブチラールと異なった樹脂成分として混
合して用いることが好ましい。また同じポリビニルブチ
ラール樹脂同士であっても、平均重合度の異なるものや
分子量分布の異なるもの等を組み合わせてもよい。
においては、前記2種以上の樹脂成分が色材を包含して
おり、微粒子表面乃至表面層は比較的親水性を有する樹
脂で構成されるために着色微粒子の水分散体としての安
定性が保持され、樹脂の存在によって色材の堅牢性や色
調の向上がもたらされている。この着色微粒子の水分散
体はこれを用いてインクジェットインクを形成すること
ができるが、更に長期に亘って該着色微粒子分散体の凝
集を防止し、微粒子のインクサスペンションとしての安
定性を向上させ、メディアに印画したときの画像の色調
や光沢、更に耐光性等、画像に堅牢性を付与するため
に、該着色微粒子をコアとして、更に有機ポリマーから
なるシェルを形成するのが好ましい。
に溶解したポリマーを徐々に滴下し、析出と同時に該着
色微粒子コア表面に吸着させる方法などもあるが、本発
明においては、色材と2種以上の樹脂を含有したコアと
なる着色微粒子を形成した後、重合性不飽和二重結合を
有するモノマーを添加し活性剤の存在下、乳化重合を行
いシェルを形成する方法が好ましい。この方法で形成し
た場合においても、例えば色材として染料を用いた場合
等にみられるが、コア/シェル界面での幾分かの相の混
合がありシェルにおける色材含有率は必ずしも零とはな
らないが、混合は少ない方が好ましく、シェルにおける
色材含有率(濃度)は、コア/シェル化を行っていない
コアにおける色材含有率(濃度)の0.8以下であるこ
とが好ましく、更に好ましくは0.5以下である。
を形成する重合性不飽和二重結合を有するルモノマーと
しては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)
アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸等、アクリ
ルアミド類等から選ばれる化合物、特スチレンや(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリ
ル酸エステル類等が好ましいが、これらのモノマーに加
えて、分子内にヒドロキシル基を含有する重合性不飽和
モノマー、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート等の様なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
等のエステルをシェルを形成する原料モノマー全体の最
大50%、その他のエチレン性不飽和二重結合を有する
モノマーと混合して用いるのが好ましい。また、シェル
の安定性を増す等の理由から、アクリル酸、メタクリル
酸等のカルボン酸を含有するモノマー或いはスルホン酸
を含有するモノマー等、pKa値で3〜7の解離性基を
含有するエチレン性不飽和モノマーを10%以下、前記
ヒドロキシル基を含有するモノマーよりも少ない量で用
いてもよい。これらのヒドロキシル基を含有するモノマ
ー成分をシェル形成に用いることによって、当該コア/
シェル着色微粒子の水分散体の安定性は格段に向上す
る。
な2種以上の異なった樹脂(ポリマー)と染料(或いは
顔料)を有機溶剤中に溶解(或いは分散)し、水中で乳
化後有機溶剤を除去する方法により形成する。また、2
種以上の異なった樹脂(ポリマー)からなる多孔質の微
粒子を予め作製しておきこれを染料溶液に添加し、染料
を微粒子に吸着、含浸させる手法などもある。ポリマー
シェルを設ける手法としては、前記のようにコアとなる
着色微粒子の水分散体に分散剤を添加し、前記の重合性
不飽和二重結合を有するモノマーを徐々に滴下し、重合
と同時にコア表面に沈着させる方法を用いるのが好まし
い。本発明においては、例えばスチレンや、ブチルメタ
アクリレート及びヒドロキシエチルメタアクリレート等
の不飽和二重結合を有する重合性モノマーを、2種以上
の樹脂を混合して形成したコアとなるポリマーの水系サ
スペンションに徐々に滴下し重合させコア表面に沈着さ
せる方法が好ましい。
化されているかを評価することは重要である。本発明に
おいては、個々の粒子径が200nm以下と非常に微小
であるため、分析手法は分解能の観点から限られる。こ
のような目的に沿う分析手法としては、TEMやTOF
−SIMSなどが適用できる。TEMによりコアシェル
化した微粒子を観察する場合、カーボン支持膜上に分散
液を塗布、乾燥させ観察することができる。TEMの観
察像は、有機物であるポリマーの種類のみではコントラ
スト差が小さい場合があるため、コアシェル化されてい
るかどうかを評価するために、微粒子を、4酸化オスミ
ウム、4酸化ルテニウム、クロロスルホン酸/酢酸ウラ
ニル、硫化銀等を用いて染色することが好ましい。コア
だけの微粒子を染色しそのTEM観察を行い、シェルを
設けたものと比較する。さらに、シェルを設けた微粒子
と設けていない微粒子を混合後、染色し、染色度合いの
異なる微粒子の割合がシェルの有無に一致しているかの
確認を行う。
は、粒子表面にシェルを設けることで表面近傍の色材量
がコアだけの時よりも減少していることを確認する。色
材にコアシェルのポリマーに含有されていない元素があ
る場合、その元素をプローブとして色材含有量の少ない
シェルが設けられたかを確認することができる。
を用いてシェル中の色材含有量をシェルを設けていない
ものと比較することができる。例えば、コアシェル粒子
をエポキシ樹脂内に埋胞し、ミクロトームで超薄い切片
を作製、染色を行うことでコアシェル化をより明瞭に観
察できる。上記のように、ポリマーや、色材にプローブ
となりうる元素がある場合、TOF−SIMSやTEM
によってコアシェルの組成、色材のコアとシェルへの分
布量を見積もることもできる。
径を得るには、処方の最適化と、適当な乳化法の選定が
重要である。処方は用いる色材、ポリマーによって異な
るが、水中のサスペンションであるので、コアを構成す
るポリマーよりシェルを構成するポリマーの方が一般的
に親水性が高いことが必要である。また、シェルを構成
するポリマーに含有される色材は、前記のようにコアを
構成するポリマー中より少ないことが好ましく、色材も
シェルを構成するポリマーよりも親水性の低いことが必
要である。親水性、疎水性は、例えば溶解性パラメータ
(SP)を用いても見積もることができる。溶解性パラ
メータは、その値や、測定、計算法がPOLYMER
HANDBOOK 第4版(JOHN WILEY &
SONS,INC.)675ページからの記載が参考
になる。
水性インクに用いられる色材含有コア/シェル着色微粒
子は、体積平均粒子径が5nm以下になると単位体積あ
たりの表面積が非常に大きくなるため、色材をコアシェ
ルポリマー中に封入する効果が小さくなる。一方、20
0nmを越えるほど大きな粒子では、ヘッドに詰まりや
すく、またインク中での沈降が起き易く、停滞安定性が
劣化する。従って着色微粒子の平均粒子径は5〜200
nmであることが好ましく、10〜150nmがより好
ましく、平均粒子径が150nmを越えると、水性イン
クとした場合、光沢メディアに記録した画像では光沢感
の劣化が起こり、トランスペアレンシーメディアに記録
した画像では著しい透明感の劣化が起こる。また、着色
微粒子の平均粒径が10nm未満になると着色微粒子の
安定性が悪くなり易く、インクの保存安定性が劣化し易
くなる。10〜100nmが最も好ましい。
EM)写真の投影面積(少なくとも100粒子以上に対
して求める)の平均値から得られた円換算平均粒径を、
球形換算して求められる。体積平均粒子径とその標準偏
差を求め、標準偏差を体積平均粒子径で割ることで変動
係数を求められる。或いは、動的光散乱法を利用して変
動係数を求めることも出来る。例えば、大塚電子製レー
ザー粒径解析システムや、マルバーン社製ゼータサイザ
ーを用いて求める事が出来る。
粒子径で割った値であるが、この値が大きいほど粒子径
の分布が広い事を意味する。体積平均粒子径の変動係数
が80%以上であると、粒径分布が非常に広くなり、コ
アシェルの厚みが不均一となり易く、粒子間の表面物性
にばらつきが生じ易くなる。表面物性のばらつきは粒子
の凝集を招きやすく、インクジェットヘッドの詰まりを
起こし易い。また、粒子の凝集はメディア上で、色材の
光散乱を招き易く、画質の低下も招き易くする。変動係
数は50%以下が好ましく、30%以下がさらに好まし
い。
リマー量が総ポリマー量の5質量%以上95質量%以下
であることが好ましい。5質量%より少ないとシェルの
厚みが不十分で、色材を多く含有するコアの一部が粒子
表面に現れ易くなる。また、シェルのポリマーが多すぎ
ると、コアの色材保護能低下を起こし易い。さらに好ま
しくは10質量%以上90質量%以下である。
に対して20質量%以上1,000質量%以下であるこ
とが好ましい。色材量がポリマーに比して少なすぎる
と、吐出後の画像濃度が上がらず、また、色材質量が多
すぎるとポリマーの保護能が十分に得られない。
材について説明する。本発明に用いられる色材の色相と
してはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブル
ー、グリーン、レッドが好ましく用いられ、特に好まし
くはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各染料で
ある。油溶性染料は通常カルボン酸やスルホン酸等の水
溶性基を有さない有機溶剤に可溶で水に不溶な染料であ
るが、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油
溶性を示す染料も含まれる。例えば、酸性染料、直接染
料、反応性染料と長鎖アミンとの造塩染料が知られてい
る。油溶性染料としては、以下に限定されるものではな
いが、特に好ましい具体例としては、例えば、オリエン
ト化学工業株式会社製Valifast Yellow
4120、Valifast Yellow 315
0、Valifast Yellow 3108、Va
lifast Yellow 2310N、Valif
ast Yellow 1101、Valifast
Red 3320、Valifast Red 330
4、Valifast Red 1306、Valif
ast Blue 2610、Valifast Bl
ue2606、Valifast Blue 160
3、Oil Yellow GG−S、Oil Yel
low 3G、Oil Yellow 129、Oil
Yellow 107、Oil Yellow 10
5、Oil Scarlet 308、Oil Red
RR、Oil Red OG、Oil Red5B、
Oil Pink 312、Oil Blue BO
S、Oil Blue 613、Oil Blue 2
N、Oil Black BY、OilBlack B
S、Oil Black 860、Oil Black
5970、Oil Black 5906、Oil
Black 5905、日本化薬株式会社製Kayas
et Yellow SF−G、Kayaset Ye
llow K−CL、Kayaset Yellow
GN、Kayaset Yellow A−G、Kay
aset Yellow 2G、KayasetRed
SF−4G、Kayaset Red K−BL、K
ayaset Red A−BR、Kayaset M
agenta312、Kayaset Blue K−
FL、有本化学工業株式会社製FS Yellow 1
015、FS Magenta 1404、FS Cy
an 1522、FS Blue1504 、C.I.
Solvent Yellow 88、83、82、7
9、56、29、19、16、14、04、03、0
2、01、C.I.Solvent Red 84:
1、C.I.Solvent Red 84、218、
132、73、72、51、43、27、24、18、
01、C.I.Solvent Blue 70、6
7、44、40、35、11、02、01、C.I.S
olvent Black 43、70、34、29、
27、22、7、3、C.I.Solvent Vio
let 3、C.I.Solvent Green 3
及び7等が挙げられる。また、特開平9−277693
号、同10−20559号、同10−30061に示さ
れるような、金属錯体色素も好ましく用いられ、好まし
い構造としては下記一般式(1)で表されるものであ
る。
可能な色素を表す。Aは色素以外の配位子を表し、lは
1ないし3、mは0、1,2,3を表す。mが0のとき
lは2または3を表し、その場合Dyeは同種でも異な
っていてもよい。
表の第I〜VIII族に属する金属、例えばAl、Co、C
r、Cu、Fe、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、P
t、Pd、Zr及びZnのイオンが挙げられる。色調、
各種耐久性からNi、Cu、Cr、Co、Zn、Feの
イオンが特に好ましい。特に好ましくはNiイオンであ
る。
素としては種々の色素構造が考えられるが、共役メチン
色素、アゾメチン色素、アゾ色素骨格に配位基を有する
ものが好ましい。
でき、分散染料としては、以下に限定されるものではな
いが、特に好ましい具体例としては、C.I.ディスパ
ーズイエロー5、42、54、64、79、82、8
3、93、99、100、119、122、124、1
26、160、184:1、186、198、199、
204、224及び237;C.I.ディスパーズオレ
ンジ13、29、31:1、33、49、54、55、
66、73、118、119及び163;C.I.ディ
スパーズレッド54、60、72、73、86、88、
91、92、93、111、126、127、134、
135、143、145、152、153、154、1
59、164、167:1、177、181、204、
206、207、221、239、240、258、2
77、278、283、311、323、343、34
8、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレ
ット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、7
3、87、113、128、143、148、154、
158、165、165:1、165:2、176、1
83、185、197、198、201、214、22
4、225、257、266、267、287、35
4、358、365及び368並びにC.I.ディスパ
ーズグリーン6:1及び9等が挙げられる。
いが、特に好ましい具体例として、カーボンブラック顔
料としては三菱化成社製No.2300,No.90
0,MCF−88,No.33,No.40,No.4
5,No.52,MA7,MA8,MA100,No.
2200B、コロンビア社製Raven 700,Ra
ven 5750,Raven 5250,Raven
5000,Raven3500,Raven 125
5、キャボット社製Regal 400R,Regal
330R,Regal 660R,Mogul L,
Monarch700,Monarch 800,Mo
narch 880,Monarch900,Mona
rch 1000,Monarch 1100,Mon
arch 1300,Monarch 1400、デグ
サ社製Color Black FW1,Color
Black FW2,Color Black FW2
V,Color Black FW18,Color
Black FW200,Color Black S
150,Color Black S160,Colo
r Black S170,Printex 35,P
rintexU,Printex V,Printex
140U,Printex 140V,Specia
l Black 6,Special Black
5,Special Black 4A,Specia
l Black 4、関西熱化学(株)社製マックスソ
ーブ G−40、マックスソーブ G−15、マックス
ソーブ G−08等を使用することが出来る。
ent Yellow 1,C.I.Pigment
Yellow 2,C.I.Pigment Yell
ow3,C.I.Pigment Yellow 1
2,C.I.PigmentYellow 13,C.
I.Pigment Yellow 14,C.I.P
igment Yellow 16,C.I.Pigm
ent Yellow 17,C.I.Pigment
Yellow 73,C.I.Pigment Ye
llow 74,C.I.Pigment Yello
w 75,C.I.Pigment Yellow 8
3,C.I.Pigment Yellow 93,
C.I.Pigment Yellow 95,C.
I.Pigment Yellow 97,C.I.P
igment Yellow 98,C.I.Pigm
ent Yellow 114,C.I.Pigmen
tYellow 128,C.I.Pigment Y
ellow 129,C.I.Pigment Yel
low 151,C.I.Pigment Yello
w 154,マゼンタ顔料としては、C.I.Pigm
ent Red 5,C.I.Pigment Red
7,C.I.Pigment Red 12,C.
I.Pigment Red 48(Ca),C.I.
Pigment Red 48(Mn),C.I.Pi
gment Red 57(Ca),C.I.Pigm
ent Red 57:1,C.I.Pigment
Red 112,C.I.Pigment Red 1
23,C.I.Pigment Red 168,C.
I.Pigment Red 184,C.I.Pig
ment Red202,シアン顔料としては、C.
I.Pigment Blue 1,C.I.Pigm
ent Blue 2,C.I.Pigment Bl
ue 3,C.I.Pigment Blue 15:
3,C.I.Pigment Blue 15:34,
C.I.Pigment Blue 16,C.I.P
igmentBlue 22,C.I.Pigment
Blue 60,C.I.VatBlue 4,C.
I.Vat Blue 60,等が挙げられる。
更に好ましいコア/シェルの形態を有する着色微粒子
は、ポリマー量として本発明の水性インク中に0.5〜
50質量%配合されることが好ましく、0.5〜30質
量%配合されることが更に好ましい。上記ポリマーの配
合量が0.5質量%に満たないと、色材の保護能が十分
でなく、50質量%を超えると、サスペンションの水性
インクとしての保存安定性が低下したり、ノズル先端部
でのインク蒸発に伴うインクの増粘やサスペンションの
凝集が起こることによってプリンタヘッドの目詰りが起
こる場合があるので、上記範囲内とすることが好まし
い。
は、該インク中に1〜30質量%配合されることが好ま
しく、1.5〜25質量%配合されることが更に好まし
い。上記色材の配合量が1質量%に満たないと印字濃度
が不十分であり、30質量%を超えるとサスペンション
の経時安定性が低下し、凝集等による粒径増大の傾向が
あるので、上記範囲内とすることが好ましい。
色材を封入したポリマーのサスペンションからなり、該
サスペンションには従来公知の各種添加剤、例えば多価
アルコール類のような湿潤剤、無機塩、界面活性剤、防
腐剤、防黴剤、pH調整剤、シリコーン系等の消泡剤、
粘度調整剤又はEDTA等のキレート剤、又、亜硫酸塩
等の酸素吸収剤等を必要に応じて添加してもよい。
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルカ
ルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトー
ル、エチルカルビトールアセテート、ジエチルカルビト
ール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール及び
そのエーテル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリ
ドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、トリエタノ
ールアミン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の
含窒素化合物類、ジメチルサルフォキサイドの一種又は
二種以上を使用することができる。これらの湿潤剤の配
合量に特に制限はないが、上記水性インク中に好ましく
は0.1〜50質量%配合することができ、更に好まし
くは0.1〜30質量%配合することができる。
をよくするために、インク中に無機塩を添加してもかま
わない。無機塩としてはたとえば塩化ナトリウム、硫酸
ナトリウム、塩化マグネシウム、硫化マグネシウム等が
挙げられる。本発明を実施する場合、これらに限定され
るものではない。
として用いられ、特に制限されるものではないが、その
HLB値が8〜18であることが、乳化剤或いは分散剤
としての効果が発現し、サスペンションの粒子径の増大
抑制効果がある点から好ましい。
ン性、両性、非イオン性のいずれも用いることが出来
る。好ましくはノニオン性界面活性剤である。
ミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム
塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリ
ニウム塩等が挙げられる。
鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−
N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸
塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチ
ド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルス
ルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オ
レフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫
酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級ア
ルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第
2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサ
ルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル
塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン
酸エステル塩等が挙げられる。
イン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミ
ダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級
アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル(たとえばエマルゲン911)、ポリオキ
シエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラ
ノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテル(たとえばニューポールPE−6
2)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコ
ール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
テル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン
脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ア
ルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセ
チレンアルコール等が挙げられる。その他に、界面活性
剤としては、例えば花王(株)製の分散剤デモールSN
B、MS、N、SSL、ST、P(商品名)もあげられ
る。
又は2種類以上を混合して用いることが出来、インク全
量に対して、0.001〜1.0質量%の範囲で添加す
ることにより、インクの表面張力を任意に調整すること
が出来る。本発明を実施する場合、これらに限定される
ものではない。インクの長期保存安定性を保つため、防
腐剤、防黴剤をインク中に添加してもかまわない。
性樹脂を用いることができ、吐出安定性の観点から好ま
しい。水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチ
レン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合
体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイ
ン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン
−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アク
リル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリ
ル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共
重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニ
ルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることがで
きる。高分子界面活性剤の例として、その他に、アクリ
ル/スチレン系樹脂であるジョンクリル等(ジョンソン
社)が挙げられる。これらの高分子界面活性剤は、2種
以上併用することも可能である。
量に対する添加量としては、0.1〜10質量%が好ま
しく、より好ましくは0.3〜5質量%である。配合量
が0.01質量%に満たないとサスペンションの小粒径
化が困難であり、10質量%を超えるとサスペンション
の粒径が増大したりサスペンション安定性が低下し、ゲ
ル化するおそれがある。
化合物(たとえばPreventol CMK、クロロ
メチルフェノール等)、メチレンジチオシアナート、含
ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリ
ン−3−オン(たとえばPROXEL GXL)などが
挙げられるが、本発明を実施する場合、これらに限定さ
れるものではない。
pH調整剤を添加してもかまわない。pH調整剤として
は、塩酸や酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等を水など薄めたりそのまま使用したりでき
る。
く、市販品を使用することができる。そのような市販品
としては、例えば信越シリコーン社製のKF96、6
6、69、KS68、604、607A、602、60
3、KM73、73A、73E、72、72A、72
C、72F、82F、70、71、75、80、83
A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品
名)等が挙げられる。これら化合物の配合量に特に制限
はないが、本発明の水性インク中に、0.001〜2質
量%配合されることが好ましい。該化合物の配合量が
0.001質量%に満たないとインク調製時に泡が発生
し易く、又、インク内での小泡の除去が難しく、2質量
%を超えると泡の発生は抑えられるものの、印字の際、
インク内でハジキが発生し印字品質の低下が起こる場合
があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
られる乳化方法について説明する。本発明のインクは、
例えばコアとなる色材粒子の製造において、又、直接顔
料粒子とポリマーからコアシェル着色微粒子を製造する
際等、各種の乳化法を用いることができる。乳化法とし
ては、各種の方法を用いることができる。それらの例
は、例えば、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展
開 シー エム シー」の86ページの記載にまとめら
れている。本発明においては、特に、超音波、高速回転
せん断、高圧による乳化分散装置を使用することが好ま
しい。
チ式と連続式の2通りが使用可能である。バッチ式は、
比較的少量のサンプル作製に適し、連続式は大量のサン
プル作製に適する。連続式では、たとえば、UH−60
0SR(株式会社エスエムテー製)のような装置を用い
ることが可能である。このような連続式の場合、超音波
の照射時間は、分散室容積/流速×循環回数で求めるこ
とができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞ
れの照射時間の合計としてもとめられる。超音波の照射
時間は実際上は10000秒以下である。また、100
00秒以上必要であると、工程の負荷が大きく、実際上
は乳化剤の再選択などにより乳化分散時間を短くする必
要がある。そのため10000秒以上は必要でない。さ
らに好ましくは、10秒以上、2000秒以内である。
は、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー
エム シー」の255〜256ページに記載されてい
るような、ディスパーミキサーや、251ページに記載
されているようなホモミキサー、256ページに記載さ
れているようなウルトラミキサーなどが使用できる。こ
れらの型式は、乳化分散時の液粘度によって使い分ける
ことができる。これらの高速回転せん断による乳化分散
機では、攪拌翼の回転数が重要である。ステーターを有
する装置の場合、攪拌翼とステーターとのクリアランス
は通常0.5mm程度で、極端に狭くはできないので、
せん断力は主として攪拌翼の周速に依存する。周速が5
m/S以上150m/S以内であれば本発明の乳化・分
散に使用できる。周速が遅い場合、乳化時間を延ばして
も小粒径化が達成できない場合が多く、150m/Sに
するにはモーターの性能を極端に上げる必要があるから
である。さらに好ましくは、20〜100m/sであ
る。
(エスエムテー社製)などが使用できるが、その乳化・
分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。圧力は
10 4kPa〜5×105kPaの範囲が好ましい。ま
た、必要に応じて数回乳化・分散を行い、目的の粒径を
得ることができる。圧力が低すぎる場合、何度乳化分散
を行っても目的の粒径は達成できない場合が多く、ま
た、圧力を5×105kPaにするためには、装置に大
きな負荷がかかり実用的ではない。さらに好ましくは5
×104kPa〜2×105kPaの範囲である。
よいが、必要に応じて組み合わせて使用することが可能
である。コロイドミルや、フロージェットミキサなども
単独では本発明の目的を達成できないが、本発明の装置
との組み合わせにより、短時間で乳化・分散を可能にす
るなど本発明の効果を高めることが可能である。
を吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェッ
トヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式
でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方
式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビテ
ィー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、
シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例え
ば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(R)
型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
を用いた画像形成方法においては、例えば、インクジェ
ット記録用水性インクを装填したプリンター等により、
デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインク
を液滴として吐出させインク受容体に付着させること
で、例えばインクジェット画像記録媒体上にインクジェ
ット記録画像が形成されたインクジェットプリントが得
られる。
えば、普通紙、コート紙、キャストコート紙、光沢紙、
光沢フィルム、OHPフィルムのいずれも使用すること
ができ、なかでも例えば多孔質層が形成されている所謂
空隙層を有する被記録媒体であれば好ましい。上述した
支持体の素材或いは形状に特に限定されるものではな
く、例えばシート状に形成されたもの以外に立体的な構
造を有するものであってもよい。
録用のインクとして以外に、例えば、一般の万年筆、ボ
ールペン、サインペン等の筆記具用のインクとしても使
用可能である。本発明のサスペンションを乾燥し、微粒
の粉体を得ることもできる。得られた粉体は、電子写真
のトナーなどにも使用可能である。
水分散体、該水分散体を有する水性インクを更に詳細に
説明する。しかしながら、本発明は、かかる実施例に制
限されるものでないことはいうまでもない。
粒子 樹脂1として、2gのポリビニルブチラール(電気化学
社製 3000K、平均重合度800)、樹脂2とし
て、3gのポリビニルブチラール(積水化学製BL−
S、平均重合度350)、6gのC.I.Solven
t Yellow162及び50gの酢酸エチルをセパ
ラブルフラスコに入れ、攪拌して上記ポリマー及び染料
を完全に溶解させた。
を含む水溶液100gを滴下後、超音波分散機(株式会
社エスエムテー製 UH−150型)を用いて300秒
間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、染
料を含有する着色微粒子を得た。フラスコ内をN2置換
後、この分散液に0.1gの過硫酸カリウムを加えて溶
解し、ヒーターを付して70℃に加温後、更に2gのス
チレン及び1gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート
の混合液を滴下しながら7時間反応させてコア/シェル
型の着色微粒子の水分散体を得た。平均粒子径は89n
mであった。尚、粒子径は、大塚電子製レーザー粒径解
析システムを用いて行った体積平均粒子径である。
粒子 樹脂1として、3gのポリビニルブチラール(積水化学
製 BL−S、平均重合度350)、樹脂2として、2
gのスチレン/エチルヘキシルメタクリレート=1/1
共重合体(平均重合度5万)、5gのC.I.Solv
ent Yellow 162、及び50gの酢酸エチ
ルをセパラブルフラスコに入れ、攪拌して上記ポリマー
及び染料を完全溶解させた。ラウリル硫酸ナトリウム
0.1gを含む水溶液90gを滴下して撹拌した後、超
音波分散機(株式会社エスエムテー製 UH−150
型)を用いて300秒間乳化した。その後、減圧下で酢
酸エチルを除去して着色微粒子を得た。フラスコ内をN
2置換後、0.1gの過硫酸カリウムを加えて溶解し、
ヒーターを付して70℃に加温後、更に2gのスチレン
及び1gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートの混合
液を滴下しながら7時間反応させてコア/シェル型の着
色微粒子の水分散体を得た。平均粒径は81nmであっ
た。
粒子 オリエント化学社製 Oil Black 860を1
0g、樹脂1として、モノマーの組成比がスチレン/n
−ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタク
リレート=60/20/20の共重合樹脂を6g、及び
樹脂2として、ポリビニルブチラール(積水化学製 B
L−S、平均重合度350)を4g、20mlのメチル
エチルケトン(MEK)に溶解させた後、ジョンクリル
52(アクリル/スチレン系樹脂 ジョンソン社製)を
3g含むイオン交換水50gを加えてクリアミックスW
モーションCLM−0.8W(エムテクニック社製)で
300秒間乳化し分散体を得た。さらに45℃でメチル
エチルケトンを減圧留去して着色微粒子を得た。得られ
た着色微粒子をセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内
をN2置換後、0.1gの過硫酸カリウムを加えて溶解
し、ヒーターを付して70℃に加温後、更に2gのスチ
レン及び1gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートの
混合液を滴下しながら7時間反応させてコア/シェル型
の着色微粒子の水分散体を得た。平均粒径は98nmで
あった。
樹脂として5gのポリビニルブチラール(積水化学製B
L−S、平均重合度350)のみを用いた以外は全く同
様の処方で比較の着色微粒子の水分散体を得た。平均粒
径は115nmであった。
樹脂1として、3gのポリメタクリル酸メチル(平均分
子量10万)、樹脂2として、2gのポリメタクリル酸
オクタデシルを用いた以外は全く同様の処方で比較の着
色微粒子の水分散体を得た。平均粒径は257nmであ
った。
(表1に示す)は富士通株式会社のCACheという分
子計算パッケージ中のProject Leader計
算プログラムにより算出した。
体(合成例1〜3、比較合成例1、2)を色材(染料)
含有量が2%、エチレングリコールが15%、グリセリ
ンが15%、サルフィノール465が0.3%、残りは
純水になるように混合・調整した後、更に0.8μmの
メンブランフィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒
子を除去してインクジェット用水性インク1〜5を得
た。分散安定性、インク保存性を評価するために粒径変
動、濾過性を評価した。
インクジェットプリンター(型番PM−800)により
コニカフォトジェットペーパー Photolike
QP光沢紙(コニカ株式会社製)にプリントし、吐出安
定性、耐光性を評価した。
耐光性等の評価については以下の基準で行った。
瓶に密封し、60℃の温度下で1週間保管し、粒径変動
が5%未満のものを◎、5%ないし10%未満のものを
○(許容レベル)、それ以上のものを×(不可レベル)
とした。尚、粒子径は、前記の大塚電子製レーザー粒径
解析システムを用いて保管前後で測定したものである。
保管した後に、5mlを採取し0.8μmのセルロース
アセテートメンブランフィルター濾過を行い、全量濾過
できたものを◎、半量以上濾過できたものを○(許容レ
ベル)、それ以上のものを×(不可レベル)とした。
ットプリンター(型番PM−800)で連続出射して1
0分以上ノズル欠が出ないものを○(許容レベル)、そ
れ未満のものを×(不可レベル)とした。
インクを用いて濃度を段階的に変化させたサンプルを作
製し、耐光性の試験機として低温XeウェザーメータX
L75(スガ試験機製)を用いて行った。濃度変化はX
−Rite900(日本平板機材製)を用いて測定し
た。プリント濃度1近辺での濃度変化を測定した。濃度
が不足しているサンプルは最高濃度の部分の濃度変化を
測定した。1週間試験後、もとの濃度から70%以上残
存しているものを◎、70%未満、50%以上残存して
いるものを○(許容レベル)、それ以下のものを×(不
可レベル)とした。
子の水分散体を用いたインク1〜3は粒径変動、濾過性
に優れ、分散安定性、保存安定性、吐出安定性に全く問
題がなく、耐光性に優れたインクであることが分かる。
一方、単一樹脂を用いた本発明外のインク4は樹脂が単
独であるために分散安定性に劣り耐光性も劣る結果であ
った。2種の樹脂を用いたが適切なlogP範囲を逸脱
した5は分散液作製時、インク化時に染料が析出した
他、強制劣化での粒径増大も大きく安定性の劣り、かつ
吐出安定性、耐光性も劣る結果であった。
吐出安定性のよい耐光性に優れたインクジェット用水性
インクが得られた。
Claims (8)
- 【請求項1】 色材と樹脂からなる着色微粒子の水分散
体において、2種以上の樹脂及び色材を同時に含有する
ことを特徴とする着色微粒子の水分散体。 - 【請求項2】 2種以上の樹脂のlogP値の差が4.
0以内であることを特徴とする請求項1に記載の着色微
粒子の水分散体。 - 【請求項3】 2種以上の樹脂のうち、少なくとも1種
がポリビニルブチラールであることを特徴とする請求項
1に記載の着色微粒子の水分散体。 - 【請求項4】 コア/シェル構造を有する着色微粒子の
水分散体であって、2種以上の樹脂及び色材を同時に含
有する着色微粒子がコアで用いられていることを特徴と
する請求項1に記載の着色微粒子の水分散体。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の着
色微粒子の水分散体を含むことを特徴とする水性イン
ク。 - 【請求項6】 着色微粒子の平均粒径が100nm以下
である請求項5に記載の水性インク。 - 【請求項7】 インクジェット用インクであることを特
徴とする請求項5または6に記載の水性インク。 - 【請求項8】 デジタル信号に基づきインクジェットヘ
ッドより請求項7のインクを液滴として吐出させインク
受容媒体に付着させることを特徴とする画像形成方法。
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JP2002005884A JP4492021B2 (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | インクジェット用水性インク及び画像形成方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006070265A (ja) * | 2004-08-06 | 2006-03-16 | Kao Corp | インクジェット記録用水系インク |
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