JP2004123862A - 着色微粒子分散体、その評価方法、インクジェット用水性インク及び画像形成方法 - Google Patents

着色微粒子分散体、その評価方法、インクジェット用水性インク及び画像形成方法 Download PDF

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Hiroyuki Yasukawa
安川 裕之
Toshio Watanabe
渡辺 敏夫
Tadahiro Nagasawa
長澤 忠広
Isao Kobayashi
小林 功
Naoko Sato
佐藤 直子
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Abstract

【課題】インク吐出の安定性がよく、プリント濃度、耐光性に優れた着色微粒子分散体からなるインクジェット用水性インク及びその画像形成方法、及び着色微粒子分散体の簡易な評価方法を提供すること。
【解決手段】色材と樹脂を含有する着色微粒子分散体において、着色微粒子分散体について展開溶媒を水とする薄層クロマトグラフィーを行ったとき、色材部分のRf値が0以上、0.2以下であることを特徴とする着色微粒子分散体。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は着色微粒子分散体、その評価方法、インクジェット用水性インク及びその画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンター、印刷機、マーカー、筆記具等に用いられる記録材料、インキング材料にも脱溶剤化、水性化が求められてきている。特にインクジェット記録に用いられる水性の記録材料としては水溶性染料の水溶液を主体としたもの、顔料の微分散体を主体としたものが広く用いられている。
【0003】
水溶性染料を用いた水性インクとしては主として酸性染料、直接染料、一部の食品用染料等に分類される水溶性染料の水溶液に、保湿剤としてグリコール類、アルカノールアミン類、表面張力の調整のための界面活性剤、更に必要に応じて増粘剤等を添加したものが用いられている。これら水溶性染料を用いた水性インクは、筆先、あるいはプリンターでの目詰まりに対する高い信頼性から、最も一般的に用いられているが、記録紙上でにじみやすく、使用用途の限定、記録品位の低下を余儀なくされている。即ち、記録紙に単に浸透し、乾燥固着しているだけの水溶性染料は「染着」しているとはいい難く、耐光堅牢度は非常に低い。
【0004】
又、水溶性染料を用いた水性インクの耐水性、耐光堅牢性が低いという問題を解決するために油溶性染料ないし疎水性染料により水分散性樹脂を着色する提案が、例えば、特開昭55−139471号公報、同58−45272号公報、特開平3−250069号公報、同8−253720号公報、同8−92513号公報、同8−183920号公報、特開2001−11347号公報等になされている。
【0005】
又、油溶性染料、疎水性染料により水分散性樹脂を着色するのみでなく、色材及びこれを被覆した樹脂からなる着色微粒子、又、着色材と樹脂からなる色材粒子を更に皮膜形成性樹脂で被覆した着色微粒子を用いる試みもなされている。
【0006】
一方、顔料の微分散体を主体とした顔料インクにおいても、濃度がのらない、又、ブロンジング等の色再現性の問題が起こりやすくなる等の問題を軽減するため、又、更に耐光性向上、分散安定性、吐出安定性等を向上させる目的で、例えば、特開平8−269374号公報、同9−151342号公報、同10−88045号公報、同10−292143号公報等に開示されたように、皮膜形成性樹脂により顔料の表面を被覆する試みがなされている。
【0007】
しかしながら、これらの油溶性染料や疎水性染料による水分散性樹脂を着色した粒子や顔料等の色材の微小粒子を樹脂と混合した粒子或いはこれらの粒子を更に樹脂により被覆した着色微粒子を作製する場合、染料や顔料等の色材及び樹脂の有機溶剤に対する溶解性または親和性等が不十分なために高濃度の色材を含有する微粒子分散体を安定に製造できない場合が多く、溶解或いは分散しても染料が析出し易かったり、又、顔料と樹脂とが混和しにくかったり、又、染料或いは顔料等の色材が粒子表面に存在する(樹脂で完全に被覆されない)等のために、着色微粒子そのものの分散安定性が損なわれ、インクジェット用インクに必要な分散安定性、吐出安定性等の諸性能を高めることが難しかったり、耐光性の向上等の効果が減じられたりという問題があった。
【0008】
色材と樹脂を混合し水に分散させ着色微粒子分散体を形成し、これをインクジェット用水性インクとして用いる技術が幾つか提案されている。
【0009】
これらのうち、樹脂に特徴のあるものとして、親水性重合連鎖部分と疎水性重合連鎖部分からなる共重合体樹脂を用いるもの(例えば、特許文献1参照。)が、特開2000−191968号公報には、ビニルポリマー重合性不飽和酸モノマー、水酸基含有モノマー、スチレンマクロマー等を用いるもの(例えば、特許文献2参照。)が、更にシクロヘキセンジカルボン酸を含むポリエステル樹脂を用いるもの(例えば、特許文献3参照。)が開示されている。
【0010】
しかしながら、前記の着色微粒子は、粒径が100nm前後で大きいことや、インク保存性、吐出安定性、又、プリント濃度が低い、発色や耐光性等の面で充分でないなど性能面で未だ充分なものは得られていない。
【0011】
特開2002−47440号公報、同2002−88294号公報、同2002−97395号公報等には50nm以下の小粒径着色微粒子が記載されているが分散安定性が十分でなく保存性が低く、プリントしたときに2次凝集したり、微粒子の効果が不十分である。特開2002−80746号公報及び同2002−80772号公報には高沸点の有機溶媒に溶解した油溶性染料を水性媒体中に分散した組成物が開示されているが、これらはゼラチンのような媒質がないと不安定でありインク吐出の安定性がない。
【0012】
また、特開平9−157508号公報には、ポリエステル樹脂と油性染料とを溶解、乳化させた後、エチレン性不飽和単量体を更に重合させて得られた、コア・シェル構造を有する複合着色微粒子の水分散体についても記載されている。しかしながら、上記のコア・シェル構造を有する着色微粒子は、粒径が大きく、分散安定性に問題があり、実用的ではなかった。
【0013】
このように着色微粒子分散体からなるインクジェット用水性インクにおいては、インク吐出の安定性がなく、プリント濃度が低く、また耐光性の面でも問題を有している。
【0014】
【特許文献1】
特開2001−98194号公報
【0015】
【特許文献2】
特開2000−191968号公報
【0016】
【特許文献3】
特開平9−157508号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的はインク吐出の安定性がよく、プリント濃度、耐光性に優れた着色微粒子分散体からなるインクジェット用水性インク及びその画像形成方法を提供することであり、更に着色微粒子分散体の簡易な評価方法を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
【0019】
1)色材と樹脂を含有する着色微粒子分散体において、着色微粒子分散体について展開溶媒を水とする薄層クロマトグラフィーを行ったとき、色材部分のRf値が0以上、0.2以下であることを特徴とする着色微粒子分散体。
【0020】
2)色材が染料であり、着色微粒子がコア・シェル構造を持つことを特徴とする前記1)に記載の着色微粒子分散体。
【0021】
3)コア・シェル構造を形成する着色微粒子のシェル部がアニオン性基またはノニオン性基を有する樹脂を含有することを特徴とする前記2)に記載の着色微粒子分散体。
【0022】
4)展開溶媒を水とする薄層クロマトグラフィーにより評価することを特徴とする着色微粒子分散体の評価方法。
【0023】
5)前記1)〜3)のいずれか1項に記載の着色微粒子分散体を含むことを特徴とするインクジェット用水性インク。
【0024】
6)着色微粒子のピーク粒径が50nm以下であることを特徴とする前記5)に記載のインクジェット用水性インク。
【0025】
7)デジタル信号に基づきインクジェットヘッドにより前記5)または6)に記載のインクジェット用水性インクを液滴として吐出させ、インクジェット記録媒体に付着させることを特徴とする画像形成方法。
【0026】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者等は、色材と樹脂を含有する着色微粒子分散体、特にコア・シェル型着色微粒子分散体において、該着色微粒子分散体について、水を展開溶媒とする薄層クロマトグラフィーを行ったときに、色材部分のRf値が0〜0.2のものは、該着色微粒子分散体からインクジェット用水性インクを作製し、インクジェット記録媒体に出射、記録したとき、インク吐出の安定性、プリント濃度及び耐光性に優れていることを見出した。これはコア樹脂中に色材が十分被覆されているためと考えられ、Rf値が大きいということは被覆が完全でないことを意味し、被覆の不完全さゆえにインク吐出が悪くなり、プリント濃度も上がらず、また被覆されていない色材のために耐光性も悪くなると考えられる。
【0027】
本発明に係る樹脂(ポリマー)について説明する。
本発明に係る樹脂としては、一般に知られている樹脂(ポリマー)を使用可能であるが、好ましい樹脂(ポリマー)は、重合性エチレン性不飽和二重結合を有するビニルモノマーのラジカル重合によって得られたポリマーが好ましく用いられる。
【0028】
本発明に好ましく用いられる重合性エチレン性不飽和二重結合を有するビニルモノマーのラジカル重合によって得られたポリマーとしては、例えば、アクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル等の共重合体等が好ましい。
【0029】
上記のポリマーを与える、具体的なモノマーとしては、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、2−フェノキシエチルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等、アセトアセトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジルの大豆油脂肪酸変性品(ブレンマーG−FA:日本油脂社製)等が挙げられる。
【0030】
より好ましい組み合わせとしては、スチレン、またはメタクリル酸メチルを主成分としてアセトアセトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジルの大豆油脂肪酸変性品(ブレンマーG−FA:日本油脂社製)、及びアクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の長鎖(メタ)アクリル酸エステルから選ばれるもの少なくとも一種を加え、更に物性改良のために、必要に応じてアクリロニトリル、ジビニルベンゼン、ジエチレングリコールジメタクリレート等を加えて作られる共重合体を挙げることができる。
【0031】
上記のポリマーは、置換基を有していてもよく、その置換基は直鎖状、分岐、あるいは環状構造をとっていてもよい。また、上記の官能基を有するポリマーは、各種のものが市販されているが、常法によって合成することもできる。また、これらの共重合体は、例えば、1つのポリマー分子中にエポキシ基を導入しておき、後に他のポリマーと縮重合させたり、光や放射線を用いてグラフト重合を行っても得られる。
【0032】
本発明に係る樹脂の重量平均分子量は、2,000〜50,000の範囲に入っていることが必要であるが、好ましくは2,000〜30,000であり、更に好ましくは2,000〜15,000である。
【0033】
樹脂(ポリマー)のTgとしては各種用いることが可能であるが、用いるポリマーのうち、少なくとも1種以上はTgが10℃以上であるものを用いる方が好ましい。また、本発明の着色微粒子分散体の分散安定性向上の観点からは、樹脂Tgは0〜100℃の範囲が好ましい。
【0034】
なお上記樹脂の溶解性パラメータ(SP値)としては、16〜20(MPa)1/2が好ましい。
【0035】
溶解性パラメータは有機溶剤に対する非電解質の溶け易さを評価する際によく用いられる、Hildebrandの溶解性パラメータにより得られる値である。この溶解性パラメータについては、J.H.Hildebrand,J.M.Prausnitz.R.L.Scott著“Regular and Related Solutions”,Van Nostrand−Reinhold,Princeton(1970年)、「高分子データハンドブック基礎編」高分子学会を参照。各種溶剤の溶解性パラメータの値はA.F.M.Barton,“Handbook of Solrbility Parameters and Other Cohesion Parameters”,CRCPress,Boca Raton/Florida(1983年)、「高分子データハンドブック基礎編」高分子学会に記載されている。
【0036】
本発明の着色微粒子分散体について説明する。
本発明の着色微粒子水分散体は、上記のような樹脂(複数用いてもよいが)と染料(或いは顔料)とを有機溶剤中に溶解(或いは分散)し、水中で乳化後有機溶剤を除去する方法により形成することによって得られる。或いは、例えば、乳化重合により予め樹脂微粒子水分散体を形成し、この樹脂微粒子水分散体に染料を溶解した有機溶媒溶液を混合し、あとから樹脂微粒子中に染料を含浸する等の方法等、種々の方法により得ることができる。
【0037】
この様な着色微粒子水分散体は、これを用いてインクジェットインクを形成することができるが、更に長期に亘って該着色微粒子分散体の凝集を防止し、微粒子のインクサスペンションとしての安定性を向上させ、メディアに印画したときの画像の色調や光沢、更に耐光性等、画像に堅牢性を付与するために、該着色微粒子をコアとして、更に有機ポリマーからなるシェルを形成するのが好ましい。
【0038】
シェルを形成する方法としては、有機溶剤に溶解したポリマーを徐々に滴下し、析出と同時に該着色微粒子コア表面に吸着させる方法などもあるが、本発明においては、色材と樹脂を含有したコアとなる着色微粒子を形成した後、重合性不飽和二重結合を有するモノマーを添加し活性剤の存在下、乳化重合を行い、重合と同時にコア表面に沈着させシェルを形成する方法が好ましい。この方法で形成した場合においても、例えば、色材として染料を用いた場合等にみられるが、コア・シェル界面での幾分かの相の混合がありシェルにおける色材含有率は必ずしも零とはならないが、混合は少ない方が好ましく、シェルにおける色材含有率(濃度)は、コア・シェル化を行っていないコアにおける色材含有率(濃度)の0.8以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5以下である。
【0039】
色材粒子をシェルとして被覆するポリマーを形成する重合性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸等、アクリルアミド類等から選ばれる化合物、特にスチレンや(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類等が好ましいが、これらのモノマーに加えて、分子内にヒドロキシル基を含有する重合性不飽和モノマー、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の様なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等のエステルをシェルを形成する原料モノマー全体の最大50%、その他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーと混合して用いるのが好ましい。また、シェルの安定性を増す等の理由から、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸を含有するモノマー或いはスルホン酸を含有するモノマー等、pKa値で3〜7の解離性基を含有するエチレン性不飽和モノマーを10%以下用いてもよい。これらのヒドロキシル基を有するモノマー成分(具体的には、アクリル酸やメタクリル酸等の水和層形成基を有するモノマー等である)をシェル形成に用いることによって、当該コア・シェル着色微粒子の水分散体の安定性は格段に向上する。
【0040】
また、水和層を形成する基は、反応性乳化剤の形でも添加でき、重合反応時に共重合することにより、より強固で、安定なシェル形成を行うことが出来る。
【0041】
本発明に用いられる反応性乳化剤としては、例えば、ノニオン系では、アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50(以上、第一工業製薬(株)社製)、アデカリアソープNE−10、NE−20、NE−30(以上、旭電化(株)社製)等が挙げられ、アニオン系としては、アクアロンHS−10、HS−20、HS−1025、アクアロンKH−05、KH−10(以上、第一工業製薬(株)社製)、ラテムルS−180(花王(株)社製)、アデカリアソープSE−10N、SE−20N(旭電化(株)社製)等が挙げられる。
【0042】
実際にコア・シェル化されているかを評価することは重要である。本発明においては、個々の粒子径が200nm以下と非常に微小であるため、分析手法は分解能の観点から限られる。このような目的に沿う分析手法としては、TEMやTOF−SIMSなどが適用できる。TEMによりコア・シェル化した微粒子を観察する場合、カーボン支持膜上に分散液を塗布、乾燥させ観察することができる。TEMの観察像は、有機物であるポリマーの種類のみではコントラスト差が小さい場合があるため、コア・シェル化されているかどうかを評価するために、微粒子を、4酸化オスミウム、4酸化ルテニウム、クロロスルホン酸/酢酸ウラニル、硫化銀等を用いて染色することが好ましい。コアだけの微粒子を染色しそのTEM観察を行い、シェルを設けたものと比較する。更に、シェルを設けた微粒子と設けていない微粒子を混合後、染色し、染色度合いの異なる微粒子の割合がシェルの有無に一致しているかの確認を行う。
【0043】
TOF−SIMSような質量分析装置では、粒子表面にシェルを設けることで表面近傍の色材量がコアだけの時よりも減少していることを確認する。色材にコア・シェルのポリマーに含有されていない元素がある場合、その元素をプローブとして色材含有量の少ないシェルが設けられたかを確認することができる。
【0044】
そのような元素がない場合、適当な染色剤を用いてシェル中の色材含有量をシェルを設けていないものと比較することができる。例えば、コア・シェル粒子をエポキシ樹脂内に埋胞し、ミクロトームで超薄い切片を作製、染色を行うことでコア・シェル化をより明瞭に観察できる。上記のように、ポリマーや色材にプローブとなりうる元素がある場合、TOF−SIMSやTEMによってコア・シェルの組成、色材のコアとシェルへの分布量を見積もることもできる。
【0045】
本発明の薄層クロマトグラフィーについては、実験化学講座 続2、395〜440頁(丸善(株))に吸着剤を始めとして、詳しく説明されている。TLCプレートとしては市販のものがいずれも用いることが出来るが、好ましくはシリカゲルプレートであり、より好ましくはMerk社製TLCプレートシリカゲル60F254である。展開溶媒としては、着色微粒子分散物を溶解しない極性溶媒が好ましく、もっとも好ましくは水である。
【0046】
本発明の薄層クロマトグラムによるRf値が0以上、0.2以下であることが必要であり、好ましくは0以上、0.1以下、更に好ましくは0である。
【0047】
本発明の着色微粒子分散体において、適切な粒子径を得るには、処方の最適化と、適当な乳化法の選定が重要である。処方とは用いる色材、ポリマーによって異なるが、水中のサスペンションであるので、コアを構成するポリマーよりシェルを構成するポリマーの方が一般的に親水性が高いことが必要である。また、シェルを構成するポリマーに含有される色材は、前記のようにコアを構成するポリマー中より少ないことが好ましく、色材もシェルを構成するポリマーよりも親水性の低いことが必要である。親水性、疎水性は溶解性パラメータ(SP)を用いて見積もることができる。
【0048】
本発明の着色微粒子分散体を用いた水性インクに用いられる色材含有コア・シェル着色微粒子は、体積平均粒子径が5nm以下になると単位体積あたりの表面積が非常に大きくなるため、色材をコア・シェルポリマー中に封入する効果が小さくなる。一方、200nmを越えるほど大きな粒子では、ヘッドに詰まりやすく、またインク中での沈降が起き易く、停滞安定性が劣化する。従って着色微粒子の体積平均粒子径は5〜100nmが好ましい。
【0049】
着色微粒子の体積平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)写真の投影面積(少なくとも100粒子以上に対して求める)の平均値から得られた円換算平均粒径を、球形換算して求められる。体積平均粒子径とその標準偏差を求め、標準偏差を体積平均粒子径で割ることで変動係数を求められる。或いは、動的光散乱法を利用して変動係数を求めることも出来る。例えば、大塚電子製レーザー粒径解析システムや、マルバーン(Malvern)社製ゼータサイザー(Zetasizer)1000HSを用いて求める事が出来る。
【0050】
また、本発明に記載の効果を好ましく奏する着色微粒子分散体を得る観点から、着色微粒子の体積平均粒径は小さいことが好ましいが、5〜100nmの範囲のような、微粒子になるにつれ、体積平均粒径は少量の大粒子(例えば、60〜100nm程度)により数値変動を受けやすいので、画質評価の観点からは、下記に示すピーク粒径で評価することが好ましい。
【0051】
本発明に係るピーク粒径について説明する。
本発明の着色微粒子分散体を、後述する、本発明の水性インクに適用する場合には、請求項5に記載のように、着色微粒子のピーク粒径が50nm以下であることが好ましく、更に好ましくは30〜50nmの範囲であり、特に好ましくは5〜30nmの範囲である。ここで、着色微粒子のピーク粒径は、Malvern社製のZetasizer 1000HSで体積平均粒径分布を求め、その分布曲線の頂点に対応する粒径のことであるり、前記粒径分布をもとに算出することが出来る。
【0052】
粒子径の変動係数は、粒子径の標準偏差を粒子径で割った値であるが、この値が大きいほど粒子径の分布が広い事を意味する。体積平均粒子径の変動係数が80%以上であると、粒径分布が非常に広くなり、コア・シェルの厚みが不均一となり易く、粒子間の表面物性にばらつきが生じ易くなる。表面物性のばらつきは粒子の凝集を招きやすく、インクジェットヘッドの詰まりを起こし易い。また、粒子の凝集はメディア上で、色材の光散乱を招き易く、画質の低下も招き易くする。変動係数は50%以下が好ましい。
【0053】
本発明においては、シェルに用いられるポリマー量が総ポリマー量の5質量%以上、95質量%以下であることが好ましい。5質量%より少ないとシェルの厚みが不十分で、色材を多く含有するコアの一部が粒子表面に現れ易くなる。また、シェルのポリマーが多すぎると、コアの色材保護能低下を起こし易い。更に好ましくは10質量%以上、90質量%以下である。
【0054】
染料、顔料等の色材の総量は総ポリマー量に対して20質量%以上、1,000質量%以下であることが好ましい。色材量がポリマーに比して少なすぎると、吐出後の画像濃度が上がらず、また、色材質量が多すぎるとポリマーの保護能が十分に得られない。
【0055】
上記の相溶状態の形成向上の観点から、後述する着色微粒子分散体において、コア・シェル構造を形成する着色微粒子のシェル部のポリマーの溶解性パラメータa(SP値)とコア部のコアポリマーの溶解性パラメータbとの絶対値|a−b|が2(MPa)1/2以下であることが好ましいが、更に好ましくは1(MPa)1/2以下である。また、上記のように、絶対値|a−b|が2(MPa)1/2以下であるように調整することにより、コア・シェル化する際、新たな粒子の発現がなく、更に安定な粒子が得られる。
【0056】
ポリマーによって封入される色材について説明する。
本発明に用いられる色材の色相としてはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブルー、グリーン、レッドが好ましく用いられ、特に好ましくはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各染料である。油溶性染料は通常カルボン酸やスルホン酸等の水溶性基を有さない有機溶剤に可溶で水に不溶な染料であるが、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料も含まれる。例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料と長鎖アミンとの造塩染料が知られている。油溶性染料としては、以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例としては、例えば、オリエント化学工業株式会社製Valifast Yelow 4120、Valifast Yellow 3150、ValifastYellow 3108、Valifast Yellow 2310N、Valifast Yellow 1101、Valifast Red 3320、Valifast Red 3304、Valifast Red 1306、Valifast Blue 2610、Valifast Blue 2606、Valifast Blue 1603、Oil Yellow GG−S、Oil Yellow 3G、Oil Yellow 129、Oil Yellow 107、Oil Yellow 105、Oil Scaret308、Oil Red RR、Oil Red OG、Oil Re 5B、Oil Pink 312、Oil Blue BOS、Oil Blue 613、Oil Blue 2N、Oil Black BY、Oil Black BS、Oil Black 860、Oil Black 5970、Oil Black 5906、Oil Black 5905、日本化薬株式会社製Kayaset Yellow SF−G、Kayaset YellowK−CL、Kayaset Yellow GN、Kayaset Yellow A−G、Kayaset Yellow 2G、Kayaset RedSF−4G、Kayaset Red K−BL、Kayaset Red A−BR、Kayaset Magenta312、Kayaset BlueK−FL、有本化学工業株式会社製FS Yellow 1015、FS Magenta 1404、FS Cyan 1522、FS Blue 1504 、C.I.Solvent Yellow 88、83、82、79、56、29、19、16、14、04、03、02、01、C.I.SolventRed 84:1、C.I.Solvent Red 84、218、132、73、72、51、43、27、24、18、01、C.I.SolventBlue 70、67、44、40、35、11、02、01、C.I.Solvent Black 43、70、34、29、27、22、7、3、C.I.Solvent Violet 3、C.I.Solvent Green3及び7、Plast Yellow DY352、Plast Red 8375、三井化学社製MS Yellow HD−180、MS Red G、MS Magenta HM−1450H、MS Blue HM−1384、住友化学社製ES Red 3001、ES Red 3002、ES Red3003、TS Red 305、ES Yellow 1001、ES Yellow 1002、TS Yellow 118、ES Orange 2001、ES Blue 6001、TS Turq Blue 618、Bayer社製MACROLEX Yellow 6G、Ceres Blue GNNEOPAN Yellow O75、Ceres Blue GN、MACROLEX Red Violet R等が挙げられる。また、特開平9−277693号公報、同10−20559号公報、同10−30061号公報に示されるような、金属錯体色素も好ましく用いられ、好ましい構造としては下記一般式(2)で表されるものである。
【0057】
一般式(2)
M(Dye)(A)
式中、Mは金属イオンを表し、Dyeは金属と配位結合可能な色素を表す。Aは色素以外の配位子を表し、lは1ないし3、mは0、1、2、3を表す。mが0の時、lは2または3を表し、その場合Dyeは同種でも異なってもよい。
【0058】
Mで表される金属イオンとしては、周期表の第1〜17族に属する金属、例えば、Al、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Pt、Pd、Zr及びZn等のイオンが挙げられる。色調、各種耐久性からNi、Cu、Cr、Co、Zn、Feのイオンが特に好ましい。特に好ましくは、Niイオンである。Dyeで表される金属と配位結合可能な色素としては種々の色素構造が考えられるが、共役メチン色素、アゾメチン色素、アゾ色素骨格に配位基を有するものが好ましい。
【0059】
油溶性染料として分散染料を用いることができ、分散染料としては、以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例としては、C.I.ディスパーズイエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、204、224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119及び163;C.I.ディスパーズレッド54、60、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、73、87、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365及び368並びにC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等が挙げられる。
【0060】
その他、油溶性染料として、フェノール、ナフトール類、又、ピラゾロン、ピラゾロトリアゾール等の環状メチレン化合物、或いは開鎖メチレン化合物等のいわゆるカプラーにp−フェニレンジアミン類或いはp−ジアミノピリジン類等、アミノ化合物を酸化カップリングさせ得られるアゾメチン色素、インドアニリン色素等も好ましい。特にマゼンタ染料として、ピラゾロトリアゾール環を有するアゾメチン色素は好ましい。
【0061】
顔料としては以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例として、カーボンブラック顔料としては三菱化成社製No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B、コロンビア社製Raven 700、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven3500、Raven 1255、キャボット社製Regal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Monarch700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400、デグサ社製Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Printex 140V、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4、関西熱化学(株)社製マックスソーブ G−40、マックスソーブ G−15、マックスソーブ G−08等を使用することが出来る。
【0062】
イエロー顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow3、C.I.Pigment Yellow 12、C.I.PigmentYellow 13、C.I.Pigment Yellow 14、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 73、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 78、C.I.Pigment Yellow 83、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.Pigment Yellow 95、C.I.Pigment Yellow 97、C.I.Pigment Yellow 98、C.I.Pigment Yellow 114、C.I.Pigment Yellow 128、C.I.Pigment Yellow 129、C.I.Pigment Yellow 138、C.I.Pigment Yellow 154、
マゼンタ顔料としては、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 57:1、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 123、C.I.Pigment Red 168、C.I.Pigment Red 184、C.I.Pigment Red
202、
シアン顔料としては、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:34、C.I.Pigment Blue 16、C.I.PigmentBlue 22、C.I.Pigment Blue 60、C.I.Vat
Blue 4、C.I.Vat Blue 60、等が挙げられる。
【0063】
本発明に係わる着色微粒子分散体、また、更に好ましいコア・シェルの形態を有する着色微粒子はポリマー量として本発明の水性インク中に0.5〜50質量%配合されることが好ましく、0.5〜30質量%配合されることが更に好ましい。上記ポリマーの配合量が0.5質量%に満たないと、色材の保護能が十分でなく、50質量%を超えると、サスペンションの水性インクとしての保存安定性が低下したり、ノズル先端部でのインク蒸発に伴うインクの増粘やサスペンションの凝集が起こることによってプリンターヘッドの目詰りが起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0064】
一方、上記染料及び顔料等の色材としては、該インク中に1〜30質量%配合されることが好ましく、1.5〜25質量%配合されることが更に好ましい。上記色材の配合量が1質量%に満たないと印字濃度が不十分であり、30質量%を超えるとサスペンションの経時安定性が低下し、凝集等による粒径増大の傾向があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0065】
また、本発明においては、2種以上の色材を同時に樹脂中に含有させた着色微粒子水分散体を用いてもよいが、その場合、以下にあげる色材中から、異なる2種以上を選択して使用すればよい。特に、色材同士の溶解性パラメータ(SP)値の差が4.0(MPa)1/2以内である2種以上を選択することが特に好ましい。
【0066】
本発明のインクジェット用水性インクについて説明する。
本発明のインクジェット用水性インクは水を媒体とし、上記色材を封入したポリマーのサスペンジョンからなり、該サスペンションには従来公知の各種添加剤、例えば、多価アルコール類のような湿潤剤、無機塩、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、シリコーン系等の消泡剤、粘度調整剤又はEDTA等のキレート剤、又、亜硫酸塩等の酸素吸収剤等を必要に応じて添加してもよい。
【0067】
ここで、上記湿潤剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ジエチルカルビトール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール及びそのエーテル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、トリエタノールアミン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物類、ジメチルサルフォキサイドの一種又は二種以上を使用することができる。これらの湿潤剤の配合量に特に制限はないが、上記インクジェット用水性インク中に、好ましくは0.1〜50質量%配合することができ、更に好ましくは0.1〜30質量%配合することができる。
【0068】
又、インクの粘度を安定に保つため、発色をよくするために、インク中に無機塩を添加しても構わない。無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫化マグネシウム等が挙げられる。本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。
【0069】
また、乳化剤、分散剤としては特に制限されるものではないが、そのHLB値が8〜18であることが、効果の発現の点からみて或いはサスペンションの粒子径の増大抑制効果がある点から好ましい。
【0070】
界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれも用いることが出来る。乳化剤或いは分散剤として、好ましくは陰イオン性界面活性剤又は高分子界面活性剤であり、陰イオン性界面活性剤が特によい。又、インクの表面張力調整用の活性剤としては、好ましくはノニオン性界面活性剤である。
【0071】
陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
【0072】
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。
【0073】
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0074】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、エマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(例えば、ニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。その他に、界面活性剤としては、例えば、花王(株)製の分散剤デモールSNB、MS、N、SSL、ST、P(商品名)も挙げられる。
【0075】
これらの界面活性剤を使用する場合、単独又は2種類以上を混合して用いることが出来、インク全量に対して、0.001〜1.0質量%の範囲で添加することにより、インクの表面張力を任意に調整することが出来る。本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。インクの長期保存安定性を保つため、防腐剤、防黴剤をインク中に添加してもかまわない。
【0076】
又、高分子界面活性剤として、以下の水溶性樹脂を用いることができ、吐出安定性の観点から好ましい。水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレ−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。高分子界面活性剤の例として、その他に、アクリル−スチレン系樹脂であるジョンクリル等(ジョンソン社)が挙げられる。これらの高分子界面活性剤は、2種以上併用することも可能である。
【0077】
上記の各高分子界面活性剤の分散インク全量に対する添加量としては、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%である。配合量が0.01質量%に満たないとサスペンションの小粒径化が困難であり、10質量%を超えるとサスペンションの粒径が増大したりサスペンション安定性が低下し、ゲル化するおそれがある。
【0078】
防腐剤・防黴剤としては、芳香族ハロゲン化合物(例えば、Preventol CMK、クロロメチルフェノール等)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(例えば、PROXEL GXL)などが挙げられるが、本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。
【0079】
インク中を安定に保つために、インク中にpH調整剤を添加しても構わない。pH調整剤としては、塩酸や酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を水など薄めたりそのまま使用したりできる。
【0080】
また、上記消泡剤としては、特に制限なく、市販品を使用することができる。そのような市販品としては、例えば、信越シリコーン社製のKF96、66、69、KS68、604、607A、602、603、KM73、73A、73E、72、72A、72C、72F、82F、70、71、75、80、83A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品名)等が挙げられる。これら化合物の配合量に特に制限はないが、本発明のインクジェット用水性インク中に、0.001〜2質量%配合されることが好ましい。該化合物の配合量が0.001質量%に満たないとインク調製時に泡が発生し易く、又、インク内での小泡の除去が難しく、2質量%を超えると泡の発生は抑えられるものの、印字の際、インク内でハジキが発生し印字品質の低下が起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0081】
次に、本発明のインクジェット用水性インクの製造において用いられる乳化方法について説明する。本発明のインクは、例えば、コアとなる色材粒子の製造において、又、直接顔料粒子とポリマーからコア・シェル着色微粒子を製造する際等、各種の乳化法を用いることができる。乳化法としては、各種の方法を用いることができる。それらの例は、例えば、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の86ページの記載にまとめられている。本発明においては、特に、染料コアの形成には超音波、高速回転せん断、高圧による乳化分散装置を使用することが好ましい。又、顔料用にはメディア分散機が好ましい。
【0082】
超音波による乳化分散では、いわゆるバッチ式と連続式の2通りが使用可能である。バッチ式は、比較的少量のサンプル作製に適し、連続式は大量のサンプル作製に適する。連続式では、例えば、UH−600SR(株式会社エスエムテー製)のような装置を用いることが可能である。このような連続式の場合、超音波の照射時間は、分散室容積/流速×循環回数で求めることができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞれの照射時間の合計としてもとめられる。超音波の照射時間は実際上は10000秒以下である。また、10000秒以上必要であると、工程の負荷が大きく、実際上は乳化剤の再選択などにより乳化分散時間を短くする必要がある。そのため10000秒以上は必要でない。更に好ましくは10秒以上、2000秒以内である。
【0083】
高速回転せん断による乳化分散装置としては、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の255〜256ページに記載されているような、ディスパーミキサーや、251ページに記載されているようなホモミキサー、256ページに記載されているようなウルトラミキサーなどが使用できる。これらの型式は、乳化分散時の液粘度によって使い分けることができる。これらの高速回転せん断による乳化分散機では、攪拌翼の回転数が重要である。ステーターを有する装置の場合、攪拌翼とステーターとのクリアランスは通常0.5mm程度で、極端に狭くはできないので、せん断力は主として攪拌翼の周速に依存する。周速が5m/S以上、150m/S以内であれば、本発明の乳化・分散に使用できる。周速が遅い場合、乳化時間を延ばしても小粒径化が達成できない場合が多く、150m/Sにするにはモーターの性能を極端に上げる必要があるからである。更に好ましくは20〜100m/Sである。
【0084】
高圧による乳化分散では、LAB2000(エスエムテー社製)などが使用できるが、その乳化・分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。圧力は10〜5×10kPaの範囲が好ましい。また、必要に応じて数回乳化・分散を行い、目的の粒径を得ることができる。圧力が低すぎる場合、何度乳化分散を行っても目的の粒径は達成できない場合が多く、また、圧力を5×10kPaにするためには、装置に大きな負荷がかかり実用的ではない。更に好ましくは5×10〜2×10kPaの範囲である。
【0085】
これらの乳化・分散装置は単独で用いてもよいが、必要に応じて組み合わせて使用することが可能である。コロイドミルや、フロージェットミキサなども単独では本発明の目的を達成できないが、本発明の装置との組み合わせにより、短時間で乳化・分散を可能にするなど本発明の効果を高めることが可能である。
【0086】
本発明のインクジェット記用水性インクを吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェットヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又、吐出方式としては電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(R)型等)等など何れの吐出方式を用いてもよい。
【0087】
本発明の画像形成方法においては、例えば、インクジェット用水性インクを装填したプリンター等により、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインクを液滴として吐出させインク受容層に付着させることで、例えば、インクジェット記録媒体上にインクジェット記録画像が形成されたインクジェットプリントが得られる。
【0088】
インクジェット記録媒体としては、例えば、普通紙、コート紙、キャストコート紙、光沢紙、光沢フィルム、OHPフィルムのいずれも使用することができ、中でも、例えば、多孔質層が形成されている、いわゆる空隙層を有する記録媒体であれば好ましい。上述した支持体の素材或いは形状に特に限定されるものではなく、例えば、シート状に形成されたもの以外に立体的な構造を有するものであってもよい。
【0089】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0090】
実施例1
《樹脂P−1〜P−6の合成》
3リットルの四つ口フラスコに滴下装置、温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置及び還流冷却管を付し、酢酸エチル1000gを加熱還流した。表1に記載の組成割合でモノマー総量が1000gとなるように秤量し、更に、N,N′−アゾビスイソバレロニトリル1gを加えたモノマー混合液を2時間かけて滴下し、加熱環流条件下にて5時間反応させた後、溶剤を減圧留去し、表1に記載の樹脂P−1〜P−6を各々得た。
【0091】
【表1】
Figure 2004123862
【0092】
因みに、表1に記載のモノマー(単量体ともいう)を示す、略号の詳細は下記の通りである。
【0093】
ST  :スチレン
MMA :メタクリル酸メチル
SMA :メタクリル酸ステアリル
EHA :アクリル酸2−エチルヘキシル
BA  :アクリル酸ブチル
AAEM:メタクリル酸2−アセトアセトキシエチル(日本合成化学製)
GFA :グリシジルメタクリレートと大豆油脂脂肪酸との反応物モノマー(日本油脂製ブレンマーG−FA)
《着色微粒子分散体CP−7の調製》:コア・シェル型
工程(1):着色剤含有ポリマー(a)の調製:コアポリマー
クレアミックスCLM−0.8S(エムテクニク(株)社製)のポットに、染料として12gのFSB1504、樹脂として12gの樹脂P−3及び120gの酢酸エチルを入れ、攪拌して染料及び樹脂を完全溶解させた。
【0094】
次いで、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(SDS)3gを含む水溶液270gを添加後、回転数20000rpmで5分間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、着色剤含有ポリマー(a)を調製した。
【0095】
工程(2):シェルポリマーの調製
上記で調製した、着色剤含有ポリマー(a)を含むセパラブルフラスコ内を窒素ガスで置換後、ヒーターを付して80℃に加温後、シェルポリマー作製用として3.5gのスチレン、1.5gのメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを秤量し、0.3gのN,N′−アゾビスイソバレロニトリルの混合液を調製、次いで、前記混合液を1時間で滴下し、更に6時間反応させて、コア・シェル型粒子構造を有する着色微粒子分散体CP−7を得た。
【0096】
《着色微粒子分散体CP−2〜4、6、8〜12の調製》:コア・シェル型
着色微粒子分散体CP−7の調製において、染料(使用量12g)、樹脂(使用量12g)、界面活性剤、シェルモノマー組成(トータルモノマー量は5g)、開始剤(使用量0.3g)を表2に記載のように設定した以外は同様にして、コア・シェル型粒子構造を有する着色微粒子分散体CP−2〜4、6、8〜12を各々調製した。
【0097】
《着色微粒子分散体CP−1、5の調製》:コア型
表2に示す如く、コアポリマーの調製のみを行った。
【0098】
得られた着色微粒子のピーク粒径は、Malvern社製のZetasizer 1000HSで体積平均粒径分布を求め、それをもとに算出した。また、透過型電子顕微鏡(TEM)観察から得られたデータも、前記ピーク粒径と一致することを確認した。
【0099】
《着色微粒子分散物の薄層クロマトグラフィー評価》
得られた着色微粒子分散物の薄層クロマトグラフィーによる評価を、Merk社製TLCプレートシリカゲル60F254により行った。得られた着色微粒子分散物をそのままキャピラリーにて吸い上げ、TLCプレートにスポットし、水を展開相として薄層クロマトグラムを得た。結果をRf値で評価した。
【0100】
得られた着色微粒子分散体CP−1〜CP−12の組成、物性データ等を表2に示す。
【0101】
【表2】
Figure 2004123862
【0102】
SDS  :ラウリル硫酸ナトリウム
KH−10:アクアロンKH−10(第一工業製薬製)
HEMA :メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
AIVN :N,N′−アゾビスイソバレロニトリル
KPS  :過硫酸カリウム
また、表2に記載の染料は、下記の通りである。
【0103】
FSY1015:FS Yellow 1015(有本化学製)
DY1352  :Plast Yellow DY−352(有本化学製)
PR8375 :Plast Red 8375(有本化学製)
MRG    :MS Red G(三井化学製)
FSB−1504:FS Blue 1504(有本化学製)
OB860  :Oil Black 860(オリエント化学製)
《インクジェット用水性インクI−1〜I−12の調製》
上記で製造した着色微粒子分散体CP−1〜CP−12の各々の分散液を表3に記載の量を秤量し、更に表3に記載の溶剤、界面活性剤、防腐剤ProxelGXが0.1%、残りが純水になるように混合して、各々100gづつインクI−1〜I−12を調製した。得られたインクを各々0.8μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去し、水性のインクジェット用水性インクI−1〜I−12を得た。
【0104】
【表3】
Figure 2004123862
【0105】
EG   :エチレングリコール
Gly  :グリセリン
E1010:オルフィンE1010(日信化学製)
〔性能評価〕
着色微粒子分散体の分散安定性、該分散体を含むインクの保存性を評価するために、得られたインクジェット用水性インクI−1〜I−12の各々を下記に記載の強制劣化条件(60℃、168時間)で保存し、粒径変化率(%)、濾過性を評価した。得られた結果を表4に示す。
【0106】
《粒径変化率(%)》
調製した各インクを60℃、168時間で保管した後に、(加熱保管後の平均粒径/加熱保管前の平均粒径)×100(%)を粒径変化率として求めた。
【0107】
《濾過性》
インクを60℃、168時間で保管した後に、各インクから5mlを採取し0.8μmのセルロースアセテートメンブランフィルターによる濾過を行い、全量濾過できたものを◎、半量以上濾過できたものを○(許容レベル)、半量に満たない量しか濾過できなかったものを×(不可レベル)とした。
【0108】
次に、上記で調製した、インクジェット用水性インクI−1〜I−12を各々純正カラーインクカートリッジ(エプソン製)に詰め、インクジェットプリンター(エプソン社製、型番CL−750)によりインクジェットペーパー Photolike QP 光沢紙(コニカ(株)製)に、濃度を0%〜100%まで10段階に変化させた画像サンプル(ウェッジ)を、プリントドライバをオフにした状態でプリントし、下記に示すように出射安定性及び得られた画像の最高濃度、耐光性を評価した。
【0109】
《出射安定性》
前記インクジェットプリンターで、A4大のページに1cm×10cmのウェッジチャートを間隔を空けて10個有する画像をプリンターで連続10枚プリントして状態を観察し、下記のようにランク評価した。
【0110】
A:出射状態に変化が見られない(良好)
B:斜め出射が見られるが、インク欠がない(許容)
C:インク欠が概ね10%程度発生
D:インク欠が概ね数十%発生
本発明では、ランクB以上が実用可である。
【0111】
《最高濃度》
X−Rite900(日本平板機材製)により測色した各色濃度を記載した。
【0112】
《耐光性》
試験機として、低温XeウェザーメータXL75(スガ試験機製)を用いて行った(照度70000lx)。反射濃度残存率はX−Rite900(日本平板機材製)を用いて、プリント濃度1近辺での濃度変化を測定した。濃度が不足しているサンプルは最高濃度の部分の濃度変化を測定した。耐光性のレベルは以下のように、ランク評価した。
【0113】
A:反射濃度残存率が85%以上
B:反射濃度残存率が70〜85%未満
C:反射濃度残存率が50〜70%未満
D:反射濃度残存率が50%未満
本発明では、Bランク以上が実用可である。
【0114】
得られた結果を表4に示す。
【0115】
【表4】
Figure 2004123862
【0116】
表4から、比較に比べて、本発明の着色微粒子分散体を用いて調製したインクジェット用水性インクは、粒径変化率が少なく、且つ濾過性に優れたインクであり、プリント時に目詰まり等のトラブルが極めて起きにくい優れた物性を有するインクジェット用水性インクであることが分かる。
【0117】
また、前記インクジェット用水性インクはプリンターによる画像形成に用いられたときには、前記の濾過性を反映してインクジェットノズルからの吐出安定性に優れ、得られた画像の最高濃度が高く、且つ耐光性にも優れていることが明らかである。
【0118】
この結果は、着色微粒子分散体において、シェルポリマーによる被覆の完成度が高いことに由来するものと本発明者等は考えている。
【0119】
【発明の効果】
本発明の着色微粒子分散体を選択することにより、粒径変化率が少なく、且つ濾過性に優れ、その為インクジェットノズルからの吐出安定性に優れ、更に画像の最高濃度が高く、且つ耐光性にも優れたインクジェット用水性インクを提供することができた。

Claims (7)

  1. 色材と樹脂を含有する着色微粒子分散体において、着色微粒子分散体について展開溶媒を水とする薄層クロマトグラフィーを行ったとき、色材部分のRf値が0以上、0.2以下であることを特徴とする着色微粒子分散体。
  2. 色材が染料であり、着色微粒子がコア・シェル構造を持つことを特徴とする請求項1に記載の着色微粒子分散体。
  3. コア・シェル構造を形成する着色微粒子のシェル部がアニオン性基またはノニオン性基を有する樹脂を含有することを特徴とする請求項2に記載の着色微粒子分散体。
  4. 展開溶媒を水とする薄層クロマトグラフィーにより評価することを特徴とする着色微粒子分散体の評価方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色微粒子分散体を含むことを特徴とするインクジェット用水性インク。
  6. 着色微粒子のピーク粒径が50nm以下であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット用水性インク。
  7. デジタル信号に基づきインクジェットヘッドにより請求項5または6に記載のインクジェット用水性インクを液滴として吐出させ、インクジェット記録媒体に付着させることを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006028460A (ja) * 2004-07-21 2006-02-02 Seiko Epson Corp マイクロカプセル化顔料、マイクロカプセル化顔料の製造方法、水性分散液、および、インクジェット記録用インク組成物
JP2011515567A (ja) * 2008-03-25 2011-05-19 ゼロックス コーポレイション シリカでカプセル化された有機ナノ顔料と同顔料の作製法

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