JP2004059614A - インクジェット用インク及びそれを用いたインクジェット画像形成方法及びインクジェット記録物 - Google Patents

インクジェット用インク及びそれを用いたインクジェット画像形成方法及びインクジェット記録物 Download PDF

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JP2004059614A
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Masaki Nakamura
中村 正樹
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Abstract

【課題】本発明の目的は、低温低湿時の吐出安定性、光沢性及び画像ベタツキ性が改良されたインクジェット用インク、インクジェット画像形成方法及びインクジェット記録物を提供することにある。
【解決手段】染料を含有した樹脂からなる着色微粒子、染料を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び染料を含有した樹脂の表面を樹脂で被覆した着色微粒子と、水性溶媒と水とを含有し、記録媒体上に出射して画像形成するインクジェット用インクにおいて、該着色微粒子の平均粒径をA(nm)、該記録媒体上に形成された画像部の表面粗さをB(nm)、該記録媒体の白地(非印字部)の表面粗さをC(nm)としたとき、(1):A>B−C、及び(2):0.5<B/C<2.0の条件を共に満たすことを特徴とするインクジェット用インク。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット用インク及びそれを用いたインクジェット画像形成方法及びインクジェット記録物に関し、詳しくは低温低湿時の吐出安定性、光沢性及び画像ベタツキ性が改良されたインクジェット用インク及びそれを用いたインクジェット画像形成方法及びインクジェット記録物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて記録媒体に付着させ、画像、文字等の記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易であるという利点を有している。
【0003】
また、近年の技術進歩により、染料インクによるインクジェットプリントが、その銀塩写真に迫る高画質や装置の低価格化に伴い、その普及を加速させている。
【0004】
染料は溶媒に可溶であり、色素分子は分子状態もしくはクラスター状態で着色している。従って、各分子の環境が似通っているために、その吸収スペクトルはシャープであり高純度で鮮明な発色を呈する。更に、粒子に起因する粒状パターンがなく、また、散乱光や反射光が発生しないため、透明感が高く色相も鮮明なインクジェット画像を得ることができ、さらにプリンターでの目詰まりに対する高い信頼性から、最も一般的に用いられている。
【0005】
しかしその一方で、光化学反応等により分子が破壊された場合には、分子数の減少がそのまま着色濃度に反映するために、耐光性が悪いという欠点を有している。染料インクを用いたインクジェット記録画像は、高画質であるが、染料の水溶液であるが故に、記録媒体上で滲みやすく、使用用途の限定、記録品位の低下を余儀なくされている。また、後述の顔料を用いたインクに比較すると、色材の記録媒体中への浸透により、高い濃度が得にくいという問題がある。
【0006】
染料インクに対して、光による退色に強い画像を必要とする用途向けのインクとして、耐光性が良好である顔料を着色剤として用いる顔料インクが使用されている。しかしながら、顔料は染料と比べて顔料粒子として存在するため、光の散乱を受けやすく、透明感のない画像を与えるので、色再現性の点で染料には及ばない欠点があった。
【0007】
以上述べたような水溶性染料を用いた水性インクの問題点を解決する方策として、エマルジョン、ラテックス等の樹脂微粒子を添加することが古くから検討されている。特開昭55−18418号には、「ゴム、樹脂等の成分を乳化剤により微細粒子の形で水中に分散せしめた一種のコロイド溶液」であるラテックスを添加したインクジェット記録用の記録剤に関する提案がある。該特許提案のようにラテックスを添加して耐光堅牢性を改善したり、滲み防止効果を持たせるためには、染料の使用量以上のラテックスが必要となり分散安定性、吐出安定性を確保することは非常に困難で、更に得られる画像として、粒状性や光沢性の点で写真画像に匹敵する画像を得るには至っていないのが現状である。
【0008】
前記した水溶性染料を用いた水性インクの画像濃度、耐光堅牢性の低い問題を解決するために油溶性染料ないし疎水性染料により水分散性樹脂を着色する提案がインクジェット記録用インクとしてなされている。例えば特開昭55−139471号、特開昭58−45272号、特開平3−250069号、特開平8−253720号、特開平8−92513号、特開平8−183920号、特開2001−11347等には油溶性染料によって染色された乳化重合粒子または分散した重合粒子を用いたインクが提案されている。このような着色微粒子を用いた水性インクにおいては、光沢のある画像を得るためには、使用する着色微粒子の粒子径をできるだけ小粒径化して、画像を平滑化することが重要となる。しかしながら、着色微粒子の粒径をナノオーダーまで小さくすると、表面エネルギーの増加に伴い、分散安定性が急速に劣化するため、粗大化した凝集粒子による画像の荒れを引き起こし、光沢を逆に低下してしまうという問題があった。更に、微粒子化により、低温低湿下で印字した際に、着色微粒子表面を被覆している樹脂が、記録ヘッド表面に樹脂膜を形成しやすくなるため、記録ヘッドの目詰まりを起こしやすくなり、安定した出射が困難となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温低湿時の吐出安定性、光沢性及び画像ベタツキ性が改良されたインクジェット用インク及びそれを用いたインクジェット画像形成方法及びインクジェット記録物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
【0011】
1.染料を含有した樹脂からなる着色微粒子、染料を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び染料を含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子から選ばれる少なくとも1種の着色微粒子と、水性溶媒と水とを含有し、記録媒体上に出射して画像形成するインクジェット用インクにおいて、該着色微粒子の平均粒径をA(nm)、該記録媒体上に形成された画像部の表面粗さをB(nm)、該記録媒体の白地(非印字部)の表面粗さをC(nm)としたとき、下記式(1)及び(2)の条件を共に満たすことを特徴とするインクジェット用インク。
【0012】
式(1)
A>B−C
式(2)
0.5<B/C<2.0
2.前記記録媒体が、多孔質インク吸収層を有する記録媒体であることを特徴とする前記1項に記載のインクジェット用インク。
【0013】
3.前記式(2)で表されるB/Cが、0.7以上、1.5未満であることを特徴とする前記1又は2項に記載のインクジェット用インク。
【0014】
4.前記着色微粒子の体積平均粒径が、10nm以上、200nm以下であることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
【0015】
5.前記水性溶媒の少なくとも1種が、アルキレングリコールモノエーテル類及びアルカンジオール類から選ばれる溶媒であることを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
【0016】
6.前記着色微粒子が、コアシェル構造を有していることを特徴とする前記1〜5項のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
【0017】
7.pHが6.0以上、11.0以下であることを特徴とする前記1〜6項のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
【0018】
8.染料を含有した樹脂からなる着色微粒子、染料を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び染料を含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子から選ばれる少なくとも1種の着色微粒子と、水性溶媒と水とを含有するインクジェット用インクを、多孔質性インク吸収層を有する記録媒体上に出射して画像を形成するインクジェット画像形成方法において、該着色微粒子の平均粒径をA(nm)、該記録媒体上に形成された画像部の表面粗さをB(nm)、該記録媒体の白地(非印字部)の表面粗さをC(nm)としたとき、前記式(1)及び(2)の条件を共に満たすことを特徴とするインクジェット画像形成方法。
【0019】
9.染料を含有した樹脂からなる着色微粒子、染料を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び染料を含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子から選ばれる少なくとも1種の着色微粒子と、水性溶媒と水とを含有するインクジェット用インクを、多孔質性インク吸収層を有する記録媒体上に出射して得られるインクジェット記録物において、該着色微粒子の平均粒径をA(nm)、該記録媒体上に形成された画像部の表面粗さをB(nm)、該記録媒体の白地(非印字部)の表面粗さをC(nm)としたとき、前記式(1)及び(2)の条件を共に満たすことを特徴とするインクジェット記録物。
【0020】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、染料を含有した樹脂からなる着色微粒子、染料を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び染料を含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子から選ばれる少なくとも1種の着色微粒子と、水性溶媒と水とを含有し、記録媒体上に出射して画像形成するインクジェット用インク(以下、単にインクともいう)において、該着色微粒子の平均粒径をA(nm)、該記録媒体上に形成された画像部の表面粗さをB(nm)、該記録媒体の白地(非印字部)の表面粗さをC(nm)としたとき、前記式(1)及び(2)の条件を共に満たすことにより、本発明の課題が達成されることを見いだし、本発明に至った次第である。
【0021】
すなわち、着色微粒子を用いたインクの光沢を向上する方法に関し検討を進め、着色微粒子の平均粒径と形成された画像の表面粗さの関係を解析した結果、両者の関係を特定の条件となるインクを用いることにより、画像のべたつき感、接着性を損なわずに、光沢のある画像を得ることができ、更に低温低湿下においてもノズル詰まり等の問題を起こさず、安定した出射を行えることを見いだしたものである。上記の各特性が改良できた理由に関しては、未だ明確ではないが、着色微粒子の平均粒径と形成された画像の表面粗さの関係が特定の条件にあるインクは、色材を含有あるいは被覆している樹脂に、インクに含まれる水性溶媒が適度に含浸されるため、形成した画像のベタツキ性を起こさずに、また記録ヘッド表面での樹脂の皮膜形成を阻害し、結果としてインクの流動性を確保している物と推測している。
【0022】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明のインクジェット用インクは、染料を含有した樹脂からなる着色微粒子、染料を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び染料を含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子から選ばれる少なくとも1種の着色微粒子と、水性溶媒と水とを含有し、記録媒体上に出射して画像形成する時、該着色微粒子の平均粒径をA(nm)、該記録媒体上に形成された画像部の表面粗さをB(nm)、該記録媒体の白地(非印字部)の表面粗さをC(nm)としたとき、下記式(1)及び(2)の条件を共に満たすことが特徴である。
【0023】
式(1)
A>B−C
式(2)
0.5<B/C<2.0
更に、本発明においては、式(2)で表されるB/Cが、0.7以上、1.5未満であることが好ましい。
【0024】
Aで表される着色微粒子の平均粒径(nm)は体積平均粒径を表し、例えば、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができ、具体的粒径測定装置としては、例えば、島津製作所製のレーザー回折式粒径測定装置SLAD1100、粒径測定機(HORIBA LA−920)、マルバーン製ゼータサイザー1000等を挙げることができる。
【0025】
また、記録媒体上に形成された画像部の表面粗さB(nm)及び記録媒体の白地(非印字部)の表面粗さC(nm)は、以下の方法により求めることができる。
【0026】
本発明でいう表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)ともいい、JIS表面粗さのJIS−B−0601により定義される。すなわち、中心線平均粗さ(Ra)とは、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さL(本発明では0.1mm)の部分を抜き取り、カットオフ値0.025mmとして、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線をY=f(X)より求められる。
【0027】
具体的な中心線平均粗さ(Ra)の測定方法としては、25℃、65%RH環境下で測定試料同士が重ね合わされない条件で24時間調湿したのち、該環境下で測定した。ここで示す重ね合わされない条件とは、例えば、支持体のエッジ部分を高くした状態で巻き取る方法や支持体と支持体の間に紙をはさんで重ねる方法、厚紙等で枠を作製しその四隅を固定する方法のいずれかである。用いることのできる測定装置としては、例えば、東京精密(株)製のサーフコム1500A、WYKO社製のRSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システム等を挙げることができる。
【0028】
本発明において、上記式(1)及び(2)で規定する条件は、特に制限はないが、着色微粒子の平均粒径、着色微粒子で用いる樹脂の種類、インク溶媒の組成等を、適宜選択あるいは組み合わせることにより、達成することができる。
【0029】
はじめに、着色微粒子について説明する。
本発明に用いられる樹脂(ポリマー)としては、その数平均分子量が500〜100,000、特に1,000〜30,000であることが、印刷後の製膜性、その耐久性及びサスペンションの形成性の点から好ましい。
【0030】
ポリマーのTgとしては、各種用いることが可能であるが、用いるポリマーのうち、少なくとも1種以上はTgが10℃以上であるものを用いる方が好ましい。
【0031】
本発明に用いられるポリマーとしては、一般に知られているポリマーを使用可能であるが、重合性エチレン性不飽和二重結合を有するビニルモノマーのラジカル重合によって得られたポリマーが好ましく用いられ、例えば、アクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル等の共重合体等が挙げられる。
【0032】
上記のポリマーを与える、具体的なモノマーとしては、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、2−フェノキシエチルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等、アセトアセトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジルの大豆油脂肪酸変性品(ブレンマーG−FA:日本油脂社製)等が挙げられる。
【0033】
より好ましい組み合わせとしては、スチレン、またはメタクリル酸メチルを主成分としてアセトアセトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジルの大豆油脂肪酸変性品(ブレンマーG−FA:日本油脂社製)、及びアクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の長鎖(メタ)アクリル酸エステルから選ばれるもの少なくとも一種を加え、更に物性改良のために必要に応じてアクリロニトリル、ジビニルベンゼン、ジエチレングリコールジメタクリレート等を加えて作られる共重合体を挙げることができる。
【0034】
上記のポリマーは、置換基を有していてもよく、その置換基は直鎖状、分岐、あるいは環状構造をとっていてもよい。また、上記の官能基を有するポリマーは、各種のものが市販されているが、常法によって合成することもできる。また、これらの共重合体は、例えば1つのポリマー分子中にエポキシ基を導入しておき、後に他のポリマーと縮重合させたり、光や放射線を用いてグラフト重合を行っても得られる。
【0035】
本発明に係る着色微粒子は、上記のような樹脂(複数用いてもよいが)と染料とを、有機溶剤中に溶解し、水中で乳化後有機溶剤を除去する方法により形成することによって得られる。或いは、例えば、乳化重合により予め樹脂微粒子水分散体を形成し、この樹脂微粒子水分散体に、染料を溶解した有機溶媒溶液を混合し、あとから樹脂微粒子中に染料を含浸する等の方法等、種々の方法により得ることができる。
【0036】
この様な着色微粒子は、これを用いてインクジェットインクを形成することができるが、更に長期に亘って該着色微粒子分散体の凝集を防止し、微粒子のインクサスペンションとしての安定性を向上させ、記録媒体に印画したときの画像の色調や光沢、耐光性等の画像に堅牢性を付与するため、あるいはベタツキ感の低減に対し、本発明においては、着色微粒子をコアとして、更に有機ポリマーからなるシェルを形成する、いわゆるコアシェル構造を有していることが好ましい。
【0037】
シェルを形成する方法としては、有機溶剤に溶解したポリマーを徐々に滴下し、析出と同時に該着色微粒子コア表面に吸着させる方法などもあるが、本発明においては、色材と樹脂を含有したコアとなる着色微粒子を形成した後、重合性不飽和二重結合を有するモノマーを添加し活性剤の存在下、乳化重合を行い、重合と同時にコア表面に沈着させシェルを形成する方法が好ましい。この方法で形成した場合においても、例えば色材として染料を用いた場合等にみられるが、コア/シェル界面での幾分かの相の混合がありシェルにおける色材含有率は必ずしも零とはならないが、混合は少ない方が好ましく、シェルにおける色材含有率(濃度)は、コア/シェル化を行っていないコアにおける色材含有率(濃度)の0.8以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5以下である。
【0038】
色材粒子をシェルとして被覆するポリマーを形成する重合性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸等、アクリルアミド類等から選ばれる化合物、特スチレンや(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類等が好ましいが、これらのモノマーに加えて、分子内にヒドロキシル基を含有する重合性不飽和モノマー、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の様なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等のエステルをシェルを形成する原料モノマー全体の最大50%、その他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーと混合して用いるのが好ましい。また、シェルの安定性を増す等の理由から、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸を含有するモノマー或いはスルホン酸を含有するモノマー等、pKa値で3〜7の解離性基を含有するエチレン性不飽和モノマーを10%以下、前記ヒドロキシル基を含有するモノマーよりも少ない量で用いてもよい。これらのヒドロキシル基を含有するモノマー成分をシェル形成に用いることによって、当該コア/シェル着色微粒子の水分散体の安定性は格段に向上する。
【0039】
更に、酢酸エチルに50質量%以上溶解するものがコアポリマーとして好ましい。
【0040】
(コアシェル化の評価)
実際にコアシェル化されているかを評価することは重要である。本発明においては、個々の粒子径が200nm以下と非常に微小であるため、分析手法は分解能の観点から限られる。このような目的に沿う分析手法としては、TEMやTOF−SIMSなどが適用できる。TEMによりコアシェル化した微粒子を観察する場合、カーボン支持膜上に分散液を塗布、乾燥させ観察することができる。TEMの観察像は、有機物であるポリマーの種類のみではコントラスト差が小さい場合があるため、コアシェル化されているかどうかを評価するために、微粒子を、4酸化オスミウム、4酸化ルテニウム、クロロスルホン酸/酢酸ウラニル、硫化銀等を用いて染色することが好ましい。コアだけの微粒子を染色しそのTEM観察を行い、シェルを設けたものと比較する。さらに、シェルを設けた微粒子と設けていない微粒子を混合後、染色し、染色度合いの異なる微粒子の割合がシェルの有無に一致しているかの確認を行う。
【0041】
TOF−SIMSような質量分析装置では、粒子表面にシェルを設けることで表面近傍の色材量がコアだけの時よりも減少していることを確認する。色材にコアシェルのポリマーに含有されていない元素がある場合、その元素をプローブとして色材含有量の少ないシェルが設けられたかを確認することができる。
【0042】
そのような元素がない場合、適当な染色剤を用いてシェル中の色材含有量をシェルを設けていないものと比較することができる。例えば、コアシェル粒子をエポキシ樹脂内に埋胞し、ミクロトームで超薄い切片を作製、染色を行うことでコアシェル化をより明瞭に観察できる。上記のように、ポリマーや、色材にプローブとなりうる元素がある場合、TOF−SIMSやTEMによってコアシェルの組成、色材のコアとシェルへの分布量を見積もることもできる。
【0043】
本発明の着色微粒子において、必要な粒子径を得るには、処方の最適化と、適当な乳化法の選定が重要である。処方は用いる色材、ポリマーによって異なるが、水中のサスペンションであるので、コアを構成するポリマーよりシェルを構成するポリマーの方が一般的に親水性が高いことが必要である。また、シェルを構成するポリマーに含有される色材は、前記のようにコアを構成するポリマー中より少ないことが好ましく、色材もシェルを構成するポリマーよりも親水性の低いことが必要である。親水性、疎水性は、例えば前記の溶解性パラメーター(SP)を用いて見積もることができる。
【0044】
本発明に係るインクに用いられる着色微粒子の平均粒径は、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、より好ましくは10nm以上、120nm以下であり、更に好ましくは10nm以上、80nm以下であり、特に好ましくは10nm以上、50nm以下である。
【0045】
本発明に用いられる色材の色相としてはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブルー、グリーン、レッドが好ましく用いられ、特に好ましくはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各染料である。油溶性染料は通常カルボン酸やスルホン酸等の水溶性基を有さない有機溶剤に可溶で水に不溶な染料であるが、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料も含まれる。例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料と長鎖アミンとの造塩染料が知られている。油溶性染料としては、以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例としては、例えば、オリエント化学工業株式会社製Valifast Yellow 4120、Valifast Yellow 3150、Valifast Yellow 3108、Valifast Yellow 2310N、Valifast Yellow 1101、Valifast Red 3320、Valifast Red 3304、Valifast Red 1306、Valifast Blue 2610、Valifast Blue 2606、Valifast Blue 1603、Oil Yellow GG−S、Oil Yellow 3G、Oil Yellow 129、OilYellow 107、Oil Yellow 105、Oil Scarlet 308、Oil Red RR、Oil Red OG、Oil Red5B、Oil Pink 312、Oil Blue BOS、Oil Blue 613、Oil Blue 2N、Oil Black BY、Oil Black BS、Oil Black 860、Oil Black 5970、Oil Black 5906、Oil Black 5905、日本化薬株式会社製Kayaset Yellow SF−G、Kayaset Yellow K−CL、Kayaset Yellow GN、Kayaset Yellow A−G、Kayaset Yellow 2G、Kayaset Red SF−4G、Kayaset Red K−BL、Kayaset Red A−BR、Kayaset Magenta312、Kayaset Blue K−FL、Kayaset Pink FN、Kayaset RedA−5B、有本化学工業株式会社製FS Yellow 1015、FS Magenta 1404、FS Cyan 1522、FS Blue 1504、C.I.Solvent Yellow 88、83、82、79、56、29、19、16、14、04、03、02、01、C.I.Solvent Red 84:1、C.I.Solvent Red 84、218、132、73、72、51、43、27、24、18、01、C.I.Solvent Blue 70、67、44、40、35、11、02、01、C.I.Solvent Black 43、70、34、29、27、22、7、3、C.I.Solvent Violet 3、C.I.Solvent Green 3及び7、Plast Yellow DY352、Plast Red 8375、三井化学社製MS Yellow HD−180、MS Red G、MSMagenta HM−1450H、MS Blue HM−1384、住友化学社製ES Red 3001、ES Red 3002、ES Red 3003、TS Red 305、ES Yellow 1001、ES Yellow 1002、TS Yellow 118、ES Orange 2001、ES Blue 6001、TS Turq Blue 618、Bayer社製MACROLEX Yellow 6G、Ceres Blue GNNEOPAN Yellow O75、Ceres Blue GN、MACROLEX Red Violet R等が挙げられる。また、特開平9−277693号、同10−20559号、同10−30061号に示されるような、金属錯体色素も好ましく用いらる。
【0046】
油溶性染料として分散染料を用いることができ、分散染料としては、以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例としては、C.I.ディスパーズイエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、204、224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119及び163;C.I.ディスパーズレッド54、60、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、73、87、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365及び368並びにC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等が挙げられる。
【0047】
その他、油溶性染料として、フェノール、ナフトール類、又、ピラゾロン、ピラゾロトリアゾール等の環状メチレン化合物、或いは、開鎖メチレン化合物等のいわゆるカプラーに、p−フェニレンジアミン類或いはp−ジアミノピリジン類等、アミノ化合物を酸化カップリングさせ得られるアゾメチン色素、インドアニリン色素等も好ましい。特にマゼンタ染料として、ピラゾロトリアゾール環を有するアゾメチン色素は好ましい。
【0048】
本発明に係る着色微粒子、また、更に好ましいコア/シェルの形態を有する着色微粒子は、ポリマー量として本発明の水性インク中に0.5〜50質量%配合されることが好ましく、0.5〜30質量%配合されることが更に好ましい。上記ポリマーの配合量が0.5質量%に満たないと、色材の保護能が十分でなく、50質量%を超えると、サスペンションの水性インクとしての保存安定性が低下したり、ノズル先端部でのインク蒸発に伴うインクの増粘やサスペンションの凝集が起こることによってプリンタヘッドの目詰りが起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0049】
一方、上記色材は、該インク中に1〜30質量%配合されることが好ましく、1.5〜25質量%配合されることが更に好ましい。上記色材の配合量が1質量%に満たないと印字濃度が不十分であり、30質量%を超えるとサスペンションの経時安定性が低下し、凝集等による粒径増大の傾向があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0050】
本発明に係るインクにおいては、媒体として水と共に水性溶媒を用いるが、水性溶媒としては、水溶性の有機溶媒が好ましく、具体的には、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、スルホン酸塩類(例えば1−ブタンスルホン酸ナトリウム塩等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等を挙げることができるが、本発明においては、水性溶媒の少なくとも1種が、アルキレングリコールモノエステル類またはアルカンジオール類であることが好ましく、より好ましくは、アルキレングリコールモノエステル類としては、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルであり、アルカンジオール類としては1,2−ヘキサンジオール、あるいは1,2−ペンタンジオールであり、特に好ましくは、トリエチレングリコールモノブチルエーテルあるいは1,2−ヘキサンジオールである。
【0051】
本発明に係るインクは、水性溶媒と水を媒体とし、上記色材を封入したポリマーのサスペンジョンからなり、該サスペンションには従来公知の各種添加剤、例えば、無機塩、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、シリコーン系等の消泡剤、粘度調整剤又はEDTA等のキレート剤、又、亜硫酸塩等の酸素吸収剤等を必要に応じて添加してもよい。
【0052】
又、インクの粘度を安定に保つため、発色をよくするために、インク中に無機塩を添加してもかまわない。無機塩としてはたとえば塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫化マグネシウム等が挙げられる。本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。
【0053】
また、乳化剤、分散剤としては特に制限されるものではないが、そのHLB値が8〜18であることが、効果の発現の点からみて或いはサスペンションの粒子径の増大抑制効果がある点から好ましい。
【0054】
界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれも用いることが出来る。
【0055】
乳化剤或いは分散剤として、好ましくは陰イオン性界面活性剤又は高分子界面活性剤であり、陰イオン性界面活性剤が特によい。
【0056】
又、インクの表面張力調整用の活性剤としては好ましくはノニオン性界面活性剤である。
【0057】
陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
【0058】
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。
【0059】
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0060】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、エマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(例えば、ニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。その他に、界面活性剤としては、例えば花王(株)製の分散剤デモールSNB、MS、N、SSL、ST、P(商品名)もあげられる。
【0061】
これらの界面活性剤を使用する場合、単独又は2種類以上を混合して用いることが出来、インク全量に対して、0.001〜1.0質量%の範囲で添加することにより、インクの表面張力を任意に調整することが出来る。本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。インクの長期保存安定性を保つため、防腐剤、防黴剤をインク中に添加してもかまわない。
【0062】
又、高分子界面活性剤として、以下の水溶性樹脂を用いることができ、吐出安定性の観点から好ましい。水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。高分子界面活性剤の例として、その他に、アクリル−スチレン系樹脂であるジョンクリル等(ジョンソン社)が挙げられる。これらの高分子界面活性剤は、2種以上併用することも可能である。
【0063】
上記の各高分子界面活性剤の分散インク全量に対する添加量としては、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%である。配合量が0.01質量%に満たないとサスペンションの小粒径化が困難であり、10質量%を超えるとサスペンションの粒径が増大したりサスペンション安定性が低下し、ゲル化するおそれがある。
【0064】
防腐剤・防黴剤としては、芳香族ハロゲン化合物(たとえばPreventol CMK、クロロメチルフェノール等)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(たとえばPROXEL GXL)などが挙げられるが、本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。
【0065】
また、上記消泡剤としては、特に制限なく、市販品を使用することができる。そのような市販品としては、例えば信越シリコーン社製のKF96、66、69、KS68、604、607A、602、603、KM73、73A、73E、72、72A、72C、72F、82F、70、71、75、80、83A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品名)等が挙げられる。これら化合物の配合量に特に制限はないが、本発明の水性インク中に、0.001〜2質量%配合されることが好ましい。該化合物の配合量が0.001質量%に満たないとインク調製時に泡が発生し易く、又、インク内での小泡の除去が難しく、2質量%を超えると泡の発生は抑えられるものの、印字の際、インク内でハジキが発生し印字品質の低下が起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0066】
本発明に係るインクにおいては、インクジェット用インクの表面張力として、25mN/m以上、50mN/m以下であることが好ましく、より好ましくは30〜40mN/mである。本発明のインクジェット用インクの表面張力の調整手段としては、各種界面活性剤を用いて、その種類及び添加量を適宜調整することが好ましい。
【0067】
本発明に係るインクにおいては、インクのpHが、6.0以上11.0以下であることが好ましく、更に好ましくは8.0以上10.0以下である。本発明のインクジェット用インクで用いられるpH調整剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や、鉱酸が挙げられる。
【0068】
本発明に係るインクにおいては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤を、各々1種又は2種以上用いることができる。本発明で用いることのできる各界面活性剤として、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
【0069】
次に、本発明のインクの製造において用いられる乳化方法について説明する。本発明のインクは、例えば、コアとなる色材粒子の製造において、又、直接顔料粒子とポリマーからコアシェル着色微粒子を製造する際等、各種の乳化法を用いることができる。乳化法としては、各種の方法を用いることができる。それらの例は、例えば、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の86ページの記載にまとめられている。本発明においては、特に、染料コアの形成には超音波、高速回転せん断、高圧による乳化分散装置を使用することが好ましい。又、顔料用にはメディア分散機が好ましい。
【0070】
超音波による乳化分散では、いわゆるバッチ式と連続式の2通りが使用可能である。バッチ式は、比較的少量のサンプル作製に適し、連続式は大量のサンプル作製に適する。連続式では、たとえば、UH−600SR(株式会社エスエムテー製)のような装置を用いることが可能である。このような連続式の場合、超音波の照射時間は、分散室容積/流速×循環回数で求めることができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞれの照射時間の合計としてもとめられる。超音波の照射時間は実際上は10000秒以下である。また、10000秒以上必要であると、工程の負荷が大きく、実際上は乳化剤の再選択などにより乳化分散時間を短くする必要がある。そのため10000秒以上は必要でない。さらに好ましくは、10秒以上、2000秒以内である。
【0071】
高速回転せん断による乳化分散装置としては、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の255〜256ページに記載されているような、ディスパーミキサーや、251ページに記載されているようなホモミキサー、256ページに記載されているようなウルトラミキサーなどが使用できる。これらの型式は、乳化分散時の液粘度によって使い分けることができる。これらの高速回転せん断による乳化分散機では、攪拌翼の回転数が重要である。ステーターを有する装置の場合、攪拌翼とステーターとのクリアランスは通常0.5mm程度で、極端に狭くはできないので、せん断力は主として攪拌翼の周速に依存する。周速が5m/s以上150m/s以内であれば本発明の乳化・分散に使用できる。周速が遅い場合、乳化時間を延ばしても小粒径化が達成できない場合が多く、150m/sにするにはモーターの性能を極端に上げる必要があるからである。さらに好ましくは、20〜100m/sである。
【0072】
高圧による乳化分散では、LAB2000(エスエムテー社製)などが使用できるが、その乳化・分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。圧力は10kPa〜5×10kPaの範囲が好ましい。また、必要に応じて数回乳化・分散を行い、目的の粒径を得ることができる。圧力が低すぎる場合、何度乳化分散を行っても目的の粒径は達成できない場合が多く、また、圧力を5×10kPaにするためには、装置に大きな負荷がかかり実用的ではない。さらに好ましくは5×10kPa〜2×10kPaの範囲である。
【0073】
これらの乳化・分散装置は単独で用いてもよいが、必要に応じて組み合わせて使用することが可能である。コロイドミルや、フロージェットミキサなども単独では本発明の目的を達成できないが、本発明の装置との組み合わせにより、短時間で乳化・分散を可能にするなど本発明の効果を高めることが可能である。
【0074】
次いで、本発明で用いることのできる記録媒体について説明する。
本発明で用いられる記録媒体としては、普通紙、コート紙、インク液を吸収して膨潤するインク受容層を設けた膨潤型インクジェット用記録紙、多孔質のインク受容層を持った空隙型インクジェット用記録紙、また基紙の代わりにポリエチレンテレフタレートフィルムなどの樹脂支持体を用いたものも用いることができるが、本発明においては、空隙型の多孔質インク吸収層を有する記録媒体を用いることが好ましく、この組み合わせにより本発明の効果を最も発揮することができる。
【0075】
多孔質インクジェット記録媒体としては、具体的には、空隙型インクジェット用記録紙又は空隙型インクジェット用フィルムを挙げることができ、これらはインク吸収能を有する空隙層が設けられている記録媒体であり、空隙層は、主に親水性バインダーと無機微粒子の軟凝集により形成されるものである。
【0076】
空隙層の設け方は、皮膜中に空隙を形成する方法として種々知られており、例えば、二種以上のポリマーを含有する均一な塗布液を支持体上に塗布し、乾燥過程でこれらのポリマーを互いに相分離させて空隙を形成する方法、固体微粒子及び親水性又は疎水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、インクジェット記録用紙を水或いは適当な有機溶媒を含有する液に浸漬して固体微粒子を溶解させて空隙を作製する方法、皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を含有する塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡させて皮膜中に空隙を形成する方法、多孔質固体微粒子と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、多孔質微粒子中や微粒子間に空隙を形成する方法、親水性バインダーに対して概ね等量以上の容積を有する固体微粒子及び/又は微粒子油滴と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布して固体微粒子の間に空隙を作製する方法などが挙げられるが、本発明のインクを用いる上では、いずれも方法で設けられても、良い結果を与える。
【0077】
本発明に係るインクを吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェットヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(R)型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
【0078】
【実施例】
以下に、合成例、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。
【0079】
〔樹脂の合成〕
3リットルの四つ口フラスコに滴下装置、温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置及び還流冷却管を付し、酢酸エチル1000gを加熱還流した。表1記載の組成割合のモノマーを総量が1000gとなるように秤量し、更にN,N′−アゾビスイソバレロニトリル(AIVN)1gを前記モノマーに加えた混合液を2時間かけて滴下し、同温度にて5時間反応させた後、溶剤を減圧留去して表1記載の樹脂P−1〜P−8を得た。
【0080】
【表1】
Figure 2004059614
【0081】
表1中に記載のモノマーの詳細は、以下の通りである。
St:スチレン
SMA:メタクリル酸ステアリル
EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
AAEM:メタクリル酸2−アセトアセトキシエチル(日本合成化学製)
GFA:グリシジルメタクリレートと大豆油脂肪酸との反応物モノマー(日本油脂製ブレンマーG−FA)
BL−1:ポリビニルブチラール(積水化学社製)
MLAA:マレイン酸
FM−0711:シリコーンマクロマー(チッソ製)
BMA:n−ブチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
〔着色微粒子の製造〕
クレアミックスCLM−0.8S(エムテクニク(株)社製)のポットに12gのFSB1015(染料)、12gの樹脂P−1及び120gの酢酸エチルを入れ、攪拌して染料を完全溶解させた。ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)3g(界面活性剤)を含む水溶液270gを添加後、回転速度20000rpmで5分間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、コア型の着色微粒子を得た。
【0082】
コア型の着色微粒子を3頭のセパラブルフラスコに移し、フラスコ内をN置換後、ヒーターを付して80℃に加温後、4.5gのスチレン(ST)、1.5gのメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)(シェルモノマーモル比:75/25)及び0.3gのN,N′−アゾビスイソバレロニトリル(AIVN)(開始剤)の混合液を1時間で滴下し、更に6時間反応させて表2に記載のコアシェル型の着色微粒子1を得た。
【0083】
次いで、着色微粒子1の作製において、表2に示すように染料の種類(使用量12g)、コア部の樹脂の種類(使用量12g)、シェル部の有無等の条件を変更した以外は同様にして、着色微粒子2〜12を調製した。
【0084】
上記各着色微粒子の調製に用いた染料の詳細は、以下の通りである。
FSB1504:FS Blue 1504(有本化学製)
PR8375:Plast Red 8375(有本化学製)
MRG:MS Red G(三井化学製)
FSY1015:FS Yellow 1015(有本化学製)
OB860:Oil Black 860(オリエント化学製)
【0085】
【表2】
Figure 2004059614
【0086】
〔インクの調製〕
上記調製した各着色微粒子を用いて、溶剤の種類、界面活性剤(E1010 日信化学社製)、インクpHを表3に記載の組み合わせとなるようにし、更に防腐剤としてProxel GX(Avecia社製)0.1質量%を加えて、残りが純水になるように調整して、各100gのインク1〜16を調製した。更に、各インクは0.8μmのメンブレンフィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒子の除去を行った。なお、着色微粒子の添加量は、色材濃度として3質量%となるように適宜調整した。
【0087】
表3に記載の各溶媒の詳細は、以下の通りである。
EG:エチレングリコール
Gly:グリセリン
TEGBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
HxDO:1,2−ヘキサンジオール
【0088】
【表3】
Figure 2004059614
【0089】
〔画像の印字及び各特性の評価〕
上記調製した各インクを用いて、以下の測定及び評価を行った。
【0090】
(画像の印字)
各インクを黒インク用カートリッジに詰めて、これをインクジェットプリンターCL−750(セイコーエプソン社製)に装填して、インクジェットペーパーフォトライクQP厚手DX(コニカ(株)製)に、濃度を0%から100%まで10段階に変化させた画像サンプル(ウェッジ)と帯状のテストチャートを、プリントモードとして「フォトプリント紙」で印字を行って、画像1〜16を得た。
【0091】
(着色微粒子の平均粒径及び画像部、白地の表面粗さの測定)
下記の方法に従って、着色微粒子の平均粒径(A)と画像部(B)、非印字部(C)の表面粗さの測定を行い、前記式(1)、(2)にしたがって、B−C、B/Cの値を求めた。
【0092】
〈着色微粒子の粒径A(nm)の測定〉
各インクを、ペレックスOT−Pの0.1%水溶液で1000倍に希釈した後、マルバーン社製のゼータサイザー1000HSを用いて、着色微粒子の平均粒径(体積平均粒子径)を測定した。
【0093】
〈画像部及び白地の表面粗さの測定:B、Cの測定〉
上記印字した各試料を、25℃、65%RH環境下で試料同士が重ね合わされない条件で24時間調湿したのち、同環境下で画像部と白地部の表面粗さを測定した。測定装置としては、東京精密(株)製のサーフコム1500Aを用いて、うねりのカットオフ値0.025mm、測定長0.1mmで行った。
【0094】
(低温低湿吐出安定性の評価)
20℃、30%RHの環境下で、上記各インクをインクジェットプリンターにより、10秒間連続吐出→一定時間休止→連続吐出の間欠動作を行った。この際、吐出休止後の最初で吐出方向の乱れが発生するか否かは休止時間の長さで決まるので、吐出休止時間の長さを段階的に変えることにより間欠吐出の安定性を測定し、以下の基準で評価した。
【0095】
◎:46秒以上休止しても安定に吐出した
○:21〜45秒休止しても安定に吐出した
△:6〜20秒休止しても安定に吐出した
×:5秒以下しか安定吐出しなかった
(光沢感の評価)
得られた画像の印字及び非印字部の光沢感について、目視評価にて、以下に示す基準に則り評価を行った。
【0096】
◎:印字部及び非印字部に光沢感があり、かつ印字部と非印字部との光沢感の差が全く気にならない
○:印字部及び非印字部に光沢感があり、かつ印字部と非印字部との光沢感の差が気にならない
△:非印字部の光沢感が少ない、やや印字部と非印字部との光沢感の差が気になる
×:非印字部に光沢感が全くなく、印字部と非印字部との光沢感の差が著しい
(画像ベタツキ耐性の評価)
各画像を各2枚ずつ印字した後、30秒後に画像面同士を密着させ、30℃、50%RHの環境下で平置きにし、表面に0.1N/cmの荷重を均一に与えた状態で1週間放置した。次いで、各試料を剥離し、画像部が接着した面積を測定し、下記の基準に則り画像ベタツキ耐性の評価を行った。
【0097】
○:接着面比率が、10%未満である
△:接着面比率が、10〜30%未満である
×:接着面比率が、30%以上である
以上により得られた結果を、表4に示す。
【0098】
【表4】
Figure 2004059614
【0099】
表4より明らかなように、本発明で規定する前記式(1)、(2)の条件を共に満足する特性を有するインクは、低温低湿下での吐出安定性に優れ、かつ光沢感及び画像ベタツキ耐性が良好であることが分かる。
【0100】
【発明の効果】
本発明により、低温低湿時の吐出安定性、光沢性及び画像ベタツキ性が改良されたインクジェット用インク及びそれを用いたインクジェット画像形成方法及びインクジェット記録物を提供することができた。

Claims (9)

  1. 染料を含有した樹脂からなる着色微粒子、染料を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び染料を含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子から選ばれる少なくとも1種の着色微粒子と、水性溶媒と水とを含有し、記録媒体上に出射して画像形成するインクジェット用インクにおいて、該着色微粒子の平均粒径をA(nm)、該記録媒体上に形成された画像部の表面粗さをB(nm)、該記録媒体の白地(非印字部)の表面粗さをC(nm)としたとき、下記式(1)及び(2)の条件を共に満たすことを特徴とするインクジェット用インク。
    式(1)
    A>B−C
    式(2)
    0.5<B/C<2.0
  2. 前記記録媒体が、多孔質インク吸収層を有する記録媒体であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記式(2)で表されるB/Cが、0.7以上、1.5未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
  4. 前記着色微粒子の体積平均粒径が、10nm以上、200nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  5. 前記水性溶媒の少なくとも1種が、アルキレングリコールモノエーテル類及びアルカンジオール類から選ばれる溶媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  6. 前記着色微粒子が、コアシェル構造を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  7. pHが6.0以上、11.0以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  8. 染料を含有した樹脂からなる着色微粒子、染料を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び染料を含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子から選ばれる少なくとも1種の着色微粒子と、水性溶媒と水とを含有するインクジェット用インクを、多孔質性インク吸収層を有する記録媒体上に出射して画像を形成するインクジェット画像形成方法において、該着色微粒子の平均粒径をA(nm)、該記録媒体上に形成された画像部の表面粗さをB(nm)、該記録媒体の白地(非印字部)の表面粗さをC(nm)としたとき、前記式(1)及び(2)の条件を共に満たすことを特徴とするインクジェット画像形成方法。
  9. 染料を含有した樹脂からなる着色微粒子、染料を被覆した樹脂からなる着色微粒子及び染料を含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆した着色微粒子から選ばれる少なくとも1種の着色微粒子と、水性溶媒と水とを含有するインクジェット用インクを、多孔質性インク吸収層を有する記録媒体上に出射して得られるインクジェット記録物において、該着色微粒子の平均粒径をA(nm)、該記録媒体上に形成された画像部の表面粗さをB(nm)、該記録媒体の白地(非印字部)の表面粗さをC(nm)としたとき、前記式(1)及び(2)の条件を共に満たすことを特徴とするインクジェット記録物。
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