JP2003238872A - インクジェット用水性インク及び画像形成方法 - Google Patents
インクジェット用水性インク及び画像形成方法Info
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- JP2003238872A JP2003238872A JP2002266638A JP2002266638A JP2003238872A JP 2003238872 A JP2003238872 A JP 2003238872A JP 2002266638 A JP2002266638 A JP 2002266638A JP 2002266638 A JP2002266638 A JP 2002266638A JP 2003238872 A JP2003238872 A JP 2003238872A
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Abstract
定性に優れた着色微粒子分散体を用いた安定性の良好な
インクジェット用水性インクと、これを用いた色再現性
及び安定性に優れた画像形成方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 色材を有するコア粒子と、該コア粒子を
覆う樹脂を有するシェル部とからなる着色微粒子を含有
し、該シェル部の樹脂が分子内にヒドロキシル基を有す
るモノマーユニットを0.1質量%以上、50質量%未
満含有することを特徴とするインクジェット用水性イン
ク。
Description
た、コア/シェルタイプの色材含有着色微粒子を含むイ
ンクジェット用水性インクと、これを用いた色再現性及
び安定性に優れた画像形成方法に関する。
記具等に用いられる記録材料、インキング材料にも脱溶
剤化、水性化が求められてきている。特にインクジェッ
ト記録に用いられる水性の記録材料としては水溶性染料
の水溶液を主体としたもの、顔料の微分散体を主体とし
たものが広く用いられている。
として酸性染料、直接染料、一部の食品用染料等に分類
される水溶性染料の水溶液に、保湿剤としてグリコール
類、アルカノールアミン類、表面張力の調整のための界
面活性剤、更に必要に応じて増粘剤等を添加したものが
用いられている。これら水溶性染料を用いた水性インク
は、筆先、あるいはプリンターでの目詰まりに対する高
い信頼性から、最も一般的に用いられているが、記録紙
上でにじみやすく、使用用途の限定、記録品位の低下を
余儀なくされている。即ち、記録紙に単に浸透し、乾燥
固着しているだけの水溶性染料は「染着」しているとは
いい難く、耐光堅牢度は非常に低い。
性、耐光堅牢性が低いという問題を解決するために油溶
性染料ないし疎水性染料により水分散性樹脂を着色する
提案がインクジェット記録用インクとしてなされてい
る。例えば特開昭55−139471号、特開昭58−
45272号、特開平3−250069号、特開平8−
253720号、特開平8−92513号、特開平8−
183920号、特開2001−11347号等には油
溶性染料によって染色された乳化重合粒子または分散し
た重合粒子を用いたインクジェット用インクが提案され
ている。
分散性樹脂を着色するのみでなく、色材及びこれを被覆
した樹脂からなる着色微粒子、又、着色材と樹脂からな
る色材粒子を更に皮膜形成性樹脂で被覆した着色微粒子
を用いる試みもなされている。
においては、粒子表面や粒子外に染料が存在すると耐光
性向上等の効果が減じられることや、インクジェット用
インクに必要な分散安定性、吐出安定性等の諸性能を高
めることが難しいという問題点がある。
ンクにおいては、濃度がのらない、又、ブロンジング等
の色再現性の問題が起こりやすくなる等の問題を軽減す
るため、又、更に耐光性向上、分散安定性、吐出安定性
等を向上させる目的で、皮膜形成性樹脂により顔料の表
面を被覆する試みがなされている(例えば、特許文献1
〜4参照。)。
の色材微小粒子を被覆した着色微粒子は、従来の顔料を
用いた水性インクの種々の問題点を克服し、高い記録品
位を実現する可能性を秘めたものではあるものの、製造
後の分散安定性に問題があったり、更には、製造時に工
夫が要る等、製造安定性に問題があるほか、水性媒体中
での分散安定性が充分でなく、結果としてインクとして
の安定性、又吐出安定性等充分なレベルに達していない
のが現状である。
は、製造安定性が高く、分散安定性に優れた着色微粒子
分散体を用いた安定性の良好なインクジェット用水性イ
ンクと、これを用いた色再現性及び安定性に優れた画像
形成方法を提供することにある。
下の手段により達成される。
を覆う樹脂を有するシェル部とからなる着色微粒子を含
有し、該シェル部の樹脂が分子内にヒドロキシル基を有
するモノマーユニットを0.1質量%以上、50質量%
未満含有することを特徴とするインクジェット用水性イ
ンク。
a値で3〜7の範囲にある解離性基を有するモノマーユ
ニットを含まないことを特徴とする前記1項記載のイン
クジェット用水性インク。
モノマーユニットが、少なくともヒドロキシエチルメタ
アクリレートを含有することを特徴とする前記1又は2
項に記載のインクジェット用水性インク。
00nm以下であることを特徴とする前記1〜3項のい
ずれか1項に記載のインクジェット用水性インク。
分散物に、分子内にヒドロキシル基を有する重合性不飽
和モノマーを0.1質量%以上、50質量%未満含有す
る重合性不飽和モノマー混合物を添加して重合すること
により、前記コア粒子をポリマーで覆って形成すること
を特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載のイン
クジェット用水性インク。
性インクを、デジタル信号に基づきインクジェットヘッ
ドから液滴として吐出させてインク受容体に付着させる
ことを特徴とする画像形成方法。
た特許明細書、又、更に本発明者等による、特願200
1−146067又は同2001−170833等にお
いては、顔料や染料等の色材を含有した樹脂着色微粒
子、顔料等の色材粒子を樹脂で被覆した着色微粒子、或
いは、顔料や染料等を含有した樹脂からなる着色微粒子
(色材粒子)に更に別の樹脂で被覆を行った複合着色微
粒子等が開示されており、又、これらの着色微粒子を含
有した水性インクについても開示されているが、この様
な着色微粒子又は樹脂被覆を有する複合着色微粒子を用
いることにより、前記の顔料インク又は染料インクの従
来の欠点を克服した堅牢生が高く、色再現に優れたイン
クを得られることが記述されている。
た着色微粒子(色材粒子)、又は、顔料そのもの或いは
顔料や染料等を含有する樹脂粒子からなる色材粒子を別
の樹脂で被覆した前記複合着色微粒子等において、最表
面となる樹脂或いは最表面の被覆層を形成する樹脂は、
該樹脂着色微粒子の製造方法に依存するものの、樹着色
微粒子分散体の分散安定性が充分でない、又、該着色微
粒子を製造する際の安定性が低く、結果として充分な安
定性を有する着色微粒子分散体が得られない等の問題点
があった。これらの問題に対し、我々は、ある特定の表
面組成を有する樹脂を用いて、被覆を行うことで、即ち
被覆に用いるポリマーを特定の組成とすることで、前記
着色微粒子の安定性が大きく改善され充分な安定性を有
する着色微粒子の水性分散体が得られることを見いだし
た。
する色材粒子(顔料または染料コア)の水性分散物にお
いて、分子内にヒドロキシル基を有するモノマーユニッ
トを0.1質量%以上、50質量%未満含む樹脂によ
り、顔料または染料を含有する色材粒子を被覆すること
で、ポリマー樹脂被覆を有する着色微粒子分散体そのも
のの分散安定性が充分でない、あるいは、樹脂被覆着色
微粒子を製造する際の安定性がない等の欠点を克服する
ことができたものである。特に、本発明に係る色剤粒子
としては、染料が好ましい。
多価アルコール等の親水性有機溶媒等を含んでいてもよ
いが、おおよそ水の含有量が40質量%以上、好ましく
は70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上の水
を主体とする親水性媒体からなる系をさし、最も好まし
いのは水である。水性分散物とは該水性媒体を媒体とす
る分散物である。
性を確保するには、例えば、粒子周りに、電気二重層等
を形成出来るような解離性の基を有する界面活性剤等を
吸着させる他、粒子そのものに解離性の基を結合させ、
即ち、前記pKa値で3〜7の範囲にあるようなカルボ
ン酸等の基を有する重合性モノマーを用いたり、この様
な基を有する単量体を用いてポリマー樹脂を形成し、前
記電気二重層を形成させる等の方法が用いられる。特に
後者の方法において水性媒体中で形成される電気二重層
は界面活性剤のように外部の攪乱因子、例えば、水性分
散液中の他の成分等による影響が少ないため、安定性向
上効果が大きいが、着色粒子では色材が疎水性のために
含浸性が低下しやすく適用は容易でない。
水性分散物においては、この様な基が過剰に存在すると
むしろ安定性を損なうこと、むしろ非解離性のヒドロキ
シル基等によって着色微粒子周囲に形成される水和圏の
影響が安定性の向上には大きいと考えられることを見い
だし、上記発明をなすに至った。但し、ヒドロキシル基
を有するモノマーユニットは多すぎても、安定性向上効
果はむしろ悪化し、これは、表面に存在するヒドロキシ
ル基の密度が大きすぎると、表面のヒドロキシル基同士
の水素結合等が優勢となり、水和圏の安定性を逆に損な
うと考えられるので、ヒドロキシル基を有するモノマー
ユニットは0.1質量%以上、50質量%未満の範囲で
含有されることが必要である。
脂被覆として、該樹脂を構成するヒドロキシル基を有す
るモノマーユニットを0.1質量%以上、50質量%未
満有していることが必要である。なお、本発明でいうシ
ェル部の樹脂が、分子内にpKa値で3〜7の範囲にあ
る解離性基を有するモノマーユニットを含有しないと
は、そのようなモノマーユニットを全く含有しないもの
だけを意味していることではなく、不純物程度の量を含
有することも包含し、本発明でいう不純物程度の含有量
とは、具体的には3質量%以下、好ましくは1質量%以
下を意味する。
ロキシル基を有するモノマーユニットに対し3質量%を
超えると、解離性基による安定化効果以上に、該解離性
基同士あるいは該解離性基と色材微粒子の水性分散液中
における他の成分との相互作用が大きくなるためと考え
られるが、分散液の安定性は悪化し、製造中に凝集を起
こしたり、また該着色微粒子水性分散液をインクに用い
ると、インクの保存中にやはり凝集を引き起こすためと
考えられるが、インクの安定性に問題を生じる。
ヒドロキシル基を有するモノマーユニットを有する樹脂
としては分子内にヒドロキシル基を含有する重合性不飽
和モノマーを重合させ形成されたユニットを有する樹脂
が好ましく、特に、分子内にヒドロキシル基を含有する
重合性不飽和モノマーとしては、アクリル酸或いはメタ
クリル酸のヒドロキシル基を含有するアルキル類とのエ
ステル類が好ましく、例えばヒドロキシエチル等の様な
ヒドロキシアルキルのエステルから選ばれるモノマーで
あることが好ましく、特に好ましいのは、該アクリル酸
或いはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルから
選ばれるモノマーが少なくとも1種のヒドロキシエチル
メタアクリレートを含有することである。
粒子の表面乃至表面層を構成する樹脂の組成が前記の構
成を有していればよいが、好ましくは、顔料等の色材粒
子を樹脂で被覆した着色微粒子、或いは、顔料や染料等
を含有した樹脂からなる着色微粒子(色材粒子)に更に
別の樹脂で被覆を行ったコア/シェル構造を有する着色
微粒子であり、該着色微粒子のシェルを構成する樹脂が
前記の構成を有していることが好ましい。
着色微粒子は、最初に着色剤を含有するポリマーコアを
作製した後、ポリマーシェルを設ける方法と、コア及び
シェルを同時に設ける手法が考えられる。
を設ける場合)色材として染料を用いた場合コアとなる
染料含有ポリマーは、各種の手法で調製することができ
る。例えばモノマー中に油溶性染料を溶解させ、水中で
乳化後、重合によりポリマー中に染料を封入する方法、
ポリマーと染料を有機溶剤中に溶解し、水中で乳化後有
機溶剤を除去する方法、染料溶液に多孔質のポリマー微
粒子を添加し、染料を微粒子に吸着、含浸させる手法な
どがある。又顔料を用いる場合、コアとして顔料そのも
のを使用してもよい。それにポリマーシェルを設ける手
法としては、コアとなるポリマーの水系サスペンション
に水溶性のポリマー分散剤を添加し吸着させる手法、モ
ノマーを徐々に滴下し、重合と同時にコア表面に沈着さ
せる方法、あるいは、有機溶剤に溶解したポリマーを徐
々に滴下し、析出と同時にコア表面に吸着させる方法な
どがある。例えば、本発明において、ヒドロキシエチル
メタアクリレート及び不飽和二重結合を有する重合性モ
ノマーをコアとなるポリマーの水系サスペンジョンに徐
々に滴下し重合させコア表面に沈着させる方法である。
後水系で分散しポリマー被覆顔料を作製したり、さらに
これを微粒子コアとして上記の方法によりシェル化を行
うことも可能である。
水系サスペンションにモノマーを徐々に滴下し、重合と
同時にコア表面に沈着させる方法が特に好ましい。
ける手法)コアとなるポリマーと染料乃至顔料を、重合
後にシェルとなるモノマーに溶解または分散し、水中で
懸濁後重合する手法や、その液を活性剤ミセルを含有す
る水中に徐々に滴下しながら乳化重合していく手法など
もある。モノマーがコア、ポリマーがシェルとなっても
よい。あるいは、重合後にコアとなりうるモノマーとシ
ェルとなりうるモノマー混合液に染料乃至顔料を溶解ま
たは分散し、懸濁重合あるいは乳化重合する手法もあ
る。
化されているかを評価することは重要である。本発明に
おいては、個々の粒子径が200nm以下と非常に微小
であるため、分析手法は分解能の観点から限られる。こ
のような目的に沿う分析手法としては、TEMやTOF
−SIMSなどが適用できる。TEMによりコアシェル
化した微粒子を観察する場合、カーボン支持膜上に分散
液を塗布、乾燥させ観察することができる。TEMの観
察像は、有機物であるポリマーの種類のみではコントラ
スト差が小さい場合があるため、コアシェル化されてい
るかどうかを評価するために、微粒子を、4酸化オスミ
ウム、4酸化ルテニウム、クロロスルホン酸/酢酸ウラ
ニル、硫化銀等を用いて染色することが好ましい。コア
だけの微粒子を染色しそのTEM観察を行い、シェルを
設けたものと比較する。さらに、シェルを設けた微粒子
と設けていない微粒子を混合後、染色し、染色度合いの
異なる微粒子の割合がシェルの有無に一致しているかの
確認を行う。
は、粒子表面にシェルを設けることで表面近傍の色材量
がコアだけの時よりも減少していることを確認する。色
材にコアシェルのポリマーに含有されていない元素があ
る場合、その元素をプローブとして色材含有量の少ない
シェルが設けられたかを確認することができる。
IMSによって、個々の微粒子表面について、先ず質量
数1〜1,000のイオンの総量を測定し、その中で染
料に含有されるコアシェルのポリマーに含有されていな
い元素に由来するイオンの総量との比から求めることが
できる。この方法によりシェルとコア/シェル化を行っ
ていないコア、それぞれの色材含有率を比較することに
よりそれぞれの色素含有率(濃度)を測定できる。TO
F−SIMSでは、表面から深さ方向に数nmの元素分
析ができるため本発明の様なコア/シェル微粒子の分析
が可能である。
を用いてシェル中の色材含有量がシェルを設けていない
ものと比較することができる。
胞し、ミクロトームで約1μmの厚みの切片を作製、染
色を行うことでコアシェル化はより明瞭に観察できる。
上記のように、ポリマーや、色材にプローブとなりうる
元素がある場合、TOF−SIMSやTEMによってコ
アシェルの組成、色材のコアとシェルへの分布量を見積
もることもできる。
と、適当な乳化法の選定が重要である。処方は用いる色
材、ポリマーによって異なるが、水中のサスペンション
であるので、コアを構成するポリマーよりシェルを構成
するポリマーの方が一般的に親水性が高いことが必要で
ある。また、シェルを構成するポリマーに含有される色
材は、前記のようにコアを構成するポリマー中より少な
いことが好ましく、色材もシェルを構成するポリマーよ
りも親水性の低いことが必要である。親水性、疎水性
は、例えば溶解性パラメータ(SP)を用いて見積もる
ことができる。溶解性パラメータは、その値や、測定、
計算法がPOLYMER HANDBOOK第4版(J
OHN WILEY & SONS,INC.)675
ページからの記載が参考になる。
数平均分子量が500〜100,000、特に1,00
0〜30,000であることが、印刷後の製膜性、その
耐久性及びサスペンションの形成性の点から好ましい。
能であるが、用いるポリマーのうち、少なくとも1種以
上はTgが10℃以上であるものを用いる方が好まし
い。
全てのポリマーを使用可能であるが、特に好ましいポリ
マーは、主な官能基としてアセタール基を含有するポリ
マー、炭酸エステル基を含有するポリマー、水酸基を含
有するポリマーおよびエステル基を有するポリマーであ
る。上記のポリマーは、置換基を有していてもよく、そ
の置換基は直鎖状、分岐、あるいは環状構造をとってい
てもよい。また、上記の官能基を有するポリマーは、各
種のものが市販されているが、常法によって合成するこ
ともできる。また、これらの共重合体は、例えば1つの
ポリマー分子中にエポキシ基を導入しておき、後に他の
ポリマーと縮重合させたり、光や放射線を用いてグラフ
ト重合を行っても得られる。
ましいポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、アク
リル重合体、スチレン−アクリル重合体、ポリビニルブ
チラール、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエス
テルなどを挙げることができる。また、シェル部の形成
に用いられる好ましいポリマーとしては、ラジカル重合
や縮合反応などにより形成されるポリマーであり、例え
ば、ポリスチレン、アクリル重合体、スチレン−アクリ
ル重合体、ポリウレタンなどを挙げることができる。
において、ポリマーコアは、主として色材を包含し、そ
の堅牢性や色調を保持するのに寄与するが、一方ポリマ
ーシェルは色材を包含した微粒子のインクサスペンショ
ンとしての安定性を増す事に寄与し、さらにメディア上
での色材の定着を促進、凝集を防止し、画質の向上に寄
与する。また、色材の堅牢性、色調の保持にも貢献す
る。
ア/シェル化を行っていないコアにおける色材含有率
(濃度)の0.8以下であることが好ましく、更に好ま
しくは0.5以下である。
F−SIMSのような質量分析装置で測定する事がで
き、TOF−SIMSでは、個々の微粒子表面につい
て、先ず質量数1〜1000のイオンの総量を測定し、
その中で染料に起因するイオンの総量から、色材含有率
を求めることができる。シェルとコア/シェル化を行っ
ていないコア、それぞれの色材含有率を比較する。TO
F−SIMSでは、表面から深さ方向に数nmの元素分
析ができるため本発明の様なコア/シェル微粒子の分析
が可能である。
水系インクに用いられる色材含有コア/シェル着色微粒
子は、体積平均粒子径が5nm以下になると単位体積あ
たりの表面積が非常に大きくなるため、色材をコアシェ
ルポリマー中に封入する効果が小さくなる。一方、20
0nmを越えるほど大きな粒子では、ヘッドに詰まりや
すく、またインク中での沈降が起き易く、停滞安定性が
劣化する。従って着色微粒子の平均粒子径は5〜200
nmであることが好ましく、10〜150nmがより好
ましく、平均粒子径が150nmを越えると、水性イン
クとした場合、光沢メディアに記録した画像では光沢感
の劣化が起こり、トランスペアレンシーメディアに記録
した画像では著しい透明感の劣化が起こる。また、顔料
分散体の平均粒径が10nm未満になると顔料分散体の
安定性が悪くなり易く、インクの保存安定性が劣化し易
くなる。10〜100nmが最も好ましい。
EM)写真の投影面積(少なくとも100粒子以上に対
して求める)の平均値から得られた円換算平均粒径を、
球形換算して求められる。体積平均粒子径とその標準偏
差を求め、標準偏差を体積平均粒子径で割ることで変動
係数を求められる。或いは、動的光散乱法を利用して変
動係数を求めることも出来る。例えば、大塚電子製レー
ザー粒径解析システムや、マルバーン社製ゼータサイザ
ーを用いて求める事が出来る。
粒子径で割った値であるが、この値が大きいほど粒子径
の分布が広い事を意味する。体積平均粒子径の変動係数
が80%以上であると、粒径分布が非常に広くなり、コ
アシェルの厚みが不均一となり易く、粒子間の表面物性
にばらつきが生じ易くなる。表面物性のばらつきは粒子
の凝集を招きやすく、インクジェットヘッドの詰まりを
起こし易い。また、粒子の凝集はメディア上で、色材の
光散乱を招き易く、画質の低下も招き易くする。変動係
数は50%以下が好ましく、30%以下がさらに好まし
い。
リマー量が総ポリマー量の5質量%以上95質量%以下
であることが好ましい。5質量%より少ないとシェルの
厚みが不十分で、色材を多く含有するコアの一部が粒子
表面に現れ易くなる。また、シェルのポリマーが多すぎ
ると、コアの色材保護能低下を起こし易い。さらに好ま
しくは10質量%以上90質量%以下である。
に対して20質量%以上1,000質量%以下であるこ
とが好ましい。色材量がポリマーに比して少なすぎる
と、吐出後の画像濃度が上がらず、また、色材質量が多
すぎるとポリマーの保護能が十分に得られない。
材について説明する。本発明に用いられる色材の色相と
してはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブル
ー、グリーン、レッドが好ましく用いられ、特に好まし
くはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各染料で
ある。油溶性染料は通常カルボン酸やスルホン酸等の水
溶性基を有さない有機溶剤に可溶で水に不溶な染料であ
るが、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油
溶性を示す染料も含まれる。例えば、酸性染料、直接染
料、反応性染料と長鎖アミンとの造塩染料が知られてい
る。油溶性染料としては、以下に限定されるものではな
いが、特に好ましい具体例としては、例えば、オリエン
ト化学工業株式会社製のValifast Yello
w 4120、Valifast Yellow 31
50、Valifast Yellow 3108、V
alifast Yellow 2310N、Vali
fast Yellow 1101、Valifast
Red 3320、Valifast Red 33
04、Valifast Red 1306、Vali
fast Blue 2610、Valifast B
lue2606、Valifast Blue 160
3、Oil YellowGG−S、Oil Yell
ow 3G、Oil Yellow 129、Oil
Yellow 107、Oil Yellow 10
5、Oil Scarlet 308、Oil Red
RR、Oil Red OG、Oil Red 5
B、Oil Pink 312、Oil Blue B
OS、Oil Blue 613、Oil Blue
2N、Oil Black BY、OilBlack
BS、Oil Black 860、Oil Blac
k 5970、Oil Black 5906、Oil
Black 5905、日本化薬株式会社製のKay
aset Yellow SF−G、Kayaset
Yellow K−CL、Kayaset Yello
w GN、KayasetYellow A−G、Ka
yaset Yellow 2G、Kayaset R
ed SF−4G、Kayaset Red K−B
L、KayasetRed A−BR、Kayaset
Magenta312、KayasetBlue K
−FL、有本化学工業株式会社製のFS Yellow
1015、FS Magenta 1404、FS
Cyan 1522、FS Blue 1504 、
C.I.Solvent Yellow 88、83、
82、79、56、29、19、16、14、04、0
3、02、01、C.I.Solvent Red 8
4:1、C.I.Solvent Red 84、21
8、132、73、72、51、43、27、24、1
8、01、C.I.Solvent Blue 70、
67、44、40、35、11、02、01、C.I.
Solvent Black 43、70、34、2
9、27、22、7、3、C.I.Solvent V
iolet 3、C.I.SolventGreen
3及び7等が挙げられる。また、特開平9−27769
3号、同10−20559号、同10−30061に示
されるような、金属錯体色素も好ましく用いられ、好ま
しい構造としては下記一般式(1)で表されるものであ
る。
可能な色素を表す。Aは色素以外の配位子を表し、lは
1ないし3、mは0、1、2、3を表す。mが0のとき
lは2または3を表し、その場合Dyeは同種でも異な
っていてもよい。
表の第I〜VIII族に属する金属、例えばAl、Co、C
r、Cu、Fe、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、P
t、Pd、Zr及びZnのイオンが挙げられる。色調、
各種耐久性からNi、Cu、Cr、Co、Zn、Feの
イオンが特に好ましい。特に好ましくはNiイオンであ
る。
素としては種々の色素構造が考えられるが、共役メチン
色素、アゾメチン色素、アゾ色素骨格に配位基を有する
ものが好ましい。
でき、分散染料としては、以下に限定されるものではな
いが、特に好ましい具体例としては、C.I.ディスパ
ーズイエロー5、42、54、64、79、82、8
3、93、99、100、119、122、124、1
26、160、184:1、186、198、199、
204、224及び237;C.I.ディスパーズオレ
ンジ13、29、31:1、33、49、54、55、
66、73、118、119及び163;C.I.ディ
スパーズレッド54、60、72、73、86、88、
91、92、93、111、126、127、134、
135、143、145、152、153、154、1
59、164、167:1、177、181、204、
206、207、221、239、240、258、2
77、278、283、311、323、343、34
8、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレ
ット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、7
3、87、113、128、143、148、154、
158、165、165:1、165:2、176、1
83、185、197、198、201、214、22
4、225、257、266、267、287、35
4、358、365及び368並びにC.I.ディスパ
ーズグリーン6:1及び9等が挙げられる。
いが、特に好ましい具体例として、カーボンブラック顔
料としては、三菱化成社製のNo.2300、No.9
00、MCF−88、No.33、No.40、No.
45、No.52、MA7、MA8、MA100、N
o.2200B、コロンビア社製のRaven 70
0、Raven 5750、Raven 5250、R
aven 5000、Raven 3500、Rave
n 1255、キャボット社製のRegal 400
R、Regal 330R、Regal 660R、M
ogul L、Monarch 700、Monarc
h 800、Monarch 880、Monarch
900、Monarch 1000、Monarch
1100、Monarch 1300、Monarc
h 1400、デグサ社製のColorBlack F
W1、Color Black FW2、Color
Black FW2V、Color Black FW
18、Color BlackFW200、Color
Black S150、Color BlackS1
60、Color Black S170、Print
ex 35、Printex U、Printex
V、Printex 140U、Printex 14
0V、Special Black 6、Specia
l Black5、Special Black 4
A、Special Black 4、関西熱化学
(株)社製のマックスソーブ G−40、マックスソー
ブ G−15、マックスソーブ G−08等を使用する
ことが出来る。
ent Yellow 1、C.I.Pigment
Yellow 2、C.I.Pigment Yell
ow3、C.I.Pigment Yellow 1
2、C.I.PigmentYellow 13、C.
I.Pigment Yellow 14、C.I.P
igment Yellow 16、C.I.Pigm
ent Yellow 17、C.I.Pigment
Yellow 73、C.I.Pigment Ye
llow 74、C.I.Pigment Yello
w 75、C.I.Pigment Yellow 8
3、C.I.Pigment Yellow 93、
C.I.Pigment Yellow 95、C.
I.Pigment Yellow 97、C.I.P
igment Yellow 98、C.I.Pigm
ent Yellow 114、C.I.Pigmen
tYellow 128、C.I.Pigment Y
ellow 129、C.I.Pigment Yel
low 151、C.I.Pigment Yello
w 154、マゼンタ顔料としては、C.I.Pigm
ent Red 5、C.I.Pigment Red
7、C.I.Pigment Red 12、C.
I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.
Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pi
gment Red 57(Ca)、C.I.Pigm
ent Red 57:1、C.I.Pigment
Red 112、C.I.Pigment Red 1
23、C.I.Pigment Red 168、C.
I.Pigment Red 184、C.I.Pig
ment Red202、シアン顔料としては、C.
I.Pigment Blue 1、C.I.Pigm
ent Blue 2、C.I.Pigment Bl
ue 3、C.I.Pigment Blue 15:
3、C.I.Pigment Blue 15:34、
C.I.Pigment Blue 16、C.I.P
igmentBlue 22、C.I.Pigment
Blue 60、C.I.VatBlue 4、C.
I.Vat Blue 60、等が挙げられる本発明の
コア/シェルの形態を有する着色微粒子は、ポリマー量
として本発明の水系インク中に0.5〜50質量%配合
されることが好ましく、0.5〜30質量%配合される
ことが更に好ましい。上記ポリマーの配合量が0.5質
量%に満たないと、色材の保護能が十分でなく、50質
量%を超えると、サスペンションのインクとしての保存
安定性が低下したり、ノズル先端部でのインク蒸発に伴
うインクの増粘やサスペンションの凝集が起こることに
よってプリンタヘッドの目詰りが起こる場合があるの
で、上記範囲内とすることが好ましい。
は、該インク中に1〜30質量%配合されることが好ま
しく、1.5〜25質量%配合されることが更に好まし
い。上記色材の配合量が1質量%に満たないと印字濃度
が不十分であり、30質量%を超えるとサスペンション
の経時安定性が低下し、凝集等による粒径増大の傾向が
あるので、上記範囲内とすることが好ましい。
材を封入したポリマーのサスペンションからなり、該サ
スペンションには従来公知の各種添加剤、例えば多価ア
ルコール類のような湿潤剤、分散剤、シリコーン系等の
消泡剤、クロロメチルフェノール系等の防黴剤及び/又
はEDTA等のキレート剤、又、亜硫酸塩等の酸素吸収
剤等が含有されていてもよい。
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルカ
ルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトー
ル、エチルカルビトールアセテート、ジエチルカルビト
ール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール及び
そのエーテル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリ
ドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、トリエタノ
ールアミン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の
含窒素化合物類、ジメチルサルフォキサイドの一種又は
二種以上を使用することができる。これらの湿潤剤の配
合量に特に制限はないが、上記水性インク中に好ましく
は0.1〜50質量%配合することができ、更に好まし
くは0.1〜30質量%配合することができる。
るものではないが、そのHLB値が8〜18であること
が、分散剤としての効果が発現し、サスペンションの粒
子径の増大抑制効果がある点から好ましい。
る。そのような市販品としては、例えば花王(株)製の
分散剤デモールSNB、MS、N、SSL、ST、P
(商品名)が挙げられる。
明の水性インク中に、0.01〜10質量%配合される
ことが好ましい。該化合物の配合量が0.01質量%に
満たないとサスペンションの小粒径化が困難であり、1
0質量%を超えるとサスペンションの粒径が増大したり
サスペンション安定性が低下し、ゲル化するおそれがあ
るので、上記範囲内とすることが好ましい。
く、市販品を使用することができる。そのような市販品
としては、例えば信越シリコーン社製のKF96、6
6、69、KS68、604、607A、602、60
3、KM73、73A、73E、72、72A、72
C、72F、82F、70、71、75、80、83
A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品
名)等が挙げられる。これら化合物の配合量に特に制限
はないが、本発明の水性インク中に、0.001〜2質
量%配合されることが好ましい。該化合物の配合量が
0.001質量%に満たないとインク調製時に泡が発生
し易く、又、インク内での小泡の除去が難しく、2質量
%を超えると泡の発生は抑えられるものの、印字の際、
インク内でハジキが発生し印字品質の低下が起こる場合
があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
られる乳化方法について説明する。本発明のインクは、
例えばコアとなる色材粒子の製造において、又、直接顔
料粒子とポリマーからコアシェル着色微粒子を製造する
際等、各種の乳化法を用いることができる。乳化法とし
ては、各種の方法を用いることができる。それらの例
は、例えば、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展
開 シー エム シー」の86ページの記載にまとめら
れている。本発明においては、特に、超音波、高速回転
せん断、高圧による乳化分散装置を使用することが好ま
しい。
チ式と連続式の2通りが使用可能である。バッチ式は、
比較的少量のサンプル作製に適し、連続式は大量のサン
プル作製に適する。連続式では、たとえば、UH−60
0SR(株式会社エスエムテー製)のような装置を用い
ることが可能である。このような連続式の場合、超音波
の照射時間は、分散室容積/流速×循環回数で求めるこ
とができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞ
れの照射時間の合計としてもとめられる。超音波の照射
時間は実際上は10000秒以下である。また、100
00秒以上必要であると、工程の負荷が大きく、実際上
は乳化剤の再選択などにより乳化分散時間を短くする必
要がある。そのため10000秒以上は必要でない。さ
らに好ましくは、10秒以上、2000秒以内である。
は、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー
エム シー」の255〜256ページに記載されてい
るような、ディスパーミキサーや、251ページに記載
されているようなホモミキサー、256ページに記載さ
れているようなウルトラミキサーなどが使用できる。こ
れらの型式は、乳化分散時の液粘度によって使い分ける
ことができる。これらの高速回転せん断による乳化分散
機では、攪拌翼の回転数が重要である。ステーターを有
する装置の場合、攪拌翼とステーターとのクリアランス
は通常0.5mm程度で、極端に狭くはできないので、
せん断力は主として攪拌翼の周速に依存する。周速が5
m/S以上150m/S以内であれば本発明の乳化・分
散に使用できる。周速が遅い場合、乳化時間を延ばして
も小粒径化が達成できない場合が多く、150m/Sに
するにはモーターの性能を極端に上げる必要があるから
である。さらに好ましくは、20〜100m/sであ
る。
(エスエムテー社製)などが使用できるが、その乳化・
分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。圧力は
10 4kPa〜5×105kPaの範囲が好ましい。ま
た、必要に応じて数回乳化・分散を行い、目的の粒径を
得ることができる。圧力が低すぎる場合、何度乳化分散
を行っても目的の粒径は達成できない場合が多く、ま
た、圧力を5×105kPaにするためには、装置に大
きな負荷がかかり実用的ではない。さらに好ましくは5
×104kPa〜2×105kPaの範囲である。
よいが、必要に応じて組み合わせて使用することが可能
である。コロイドミルや、フロージェットミキサなども
単独では本発明の目的を達成できないが、本発明の装置
との組み合わせにより、短時間で乳化・分散を可能にす
るなど本発明の効果を高めることが可能である。
を吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェッ
トヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式
でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方
式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビテ
ィー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、
シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例え
ば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(R)
型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
を用いた画像形成方法においては、例えば、インクジェ
ット記録用水系インクを装填したプリンター等により、
デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインク
を液滴として吐出させインク受容体に付着させること
で、例えばインクジェット画像記録媒体上にインクジェ
ット記録画像が形成されたインクジェットプリントが得
られる。
えば、普通紙、コート紙、キャストコート紙、光沢紙、
光沢フィルム、OHPフィルムのいずれも使用すること
ができ、なかでも例えば多孔質層が形成されている所謂
空隙層を有する被記録媒体であれば好ましい。上述した
支持体の素材或いは形状に特に限定されるものではな
く、例えばシート状に形成されたもの以外に立体的な構
造を有するものであってもよい。
録用のインクとして以外に、例えば、一般の万年筆、ボ
ールペン、サインペン等の筆記具用のインクとしても使
用可能である。本発明のサスペンションを乾燥し、微粒
の粉体を得ることもできる。得られた粉体は、電子写真
のトナーなどにも使用可能である。
有水性インクを更に詳細に説明する。しかしながら、本
発明は、かかる実施例により限定されるものでないこと
はいうまでもない。
均重合度350)、5gのC.I.Solvent B
lue 70及び50gの酢酸エチルをセパラブルフラ
スコに入れ、フラスコ内をN2置換後、攪拌して上記ポ
リマー及び染料を完全溶解させた。ラウリル硫酸ナトリ
ウム2gを含む水溶液100gを滴下後、超音波分散機
(UH−150型、株式会社エスエムテー製)を用い
て、300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチル
を除去し、染料を含浸する着色微粒子を得た。この分散
液に0.15gの過硫酸カリウムを加えて溶解し、ヒー
ターを付して70℃に加温後、更に2gのスチレン及び
1gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートの混合液を
滴下しながら7時間反応させてコアシェル型の着色微粒
子(平均粒子径:83nm)を得た。この着色微粒子は
表面にカルボキシル基を含んでいない。粒子径は、大塚
電子製レーザー粒径解析システムを用いて行った体積平
均粒子径である。
子 5gのポリビニルブチラール(積水化学製BL−S、平
均重合度350)、5gのC.I.Solvent B
lue 70及び50gの酢酸エチルをセパラブルフラ
スコに入れ、フラスコ内をN2置換後、攪拌して上記ポ
リマー及び染料を完全溶解させた。ラウリル硫酸ナトリ
ウム2gを含む水溶液90gを滴下して撹拌した後、超
音波分散機(UH−150型、株式会社エスエムテー
製)を用いて、300秒間乳化した。その後、減圧下で
酢酸エチルを除去して着色微粒子を得た。0.1gの過
硫酸カリウムを加えて溶解し、ヒーターを付して70℃
に加温後、更に2gのスチレン及び0.5gのポリエチ
レングリコールメタクリレート(平均付加ユニット数:
4)の混合液を滴下しながら7時間反応させてコアシェ
ル型の着色微粒子(平均粒子径:98nm)を得た。
子 C.I.Pigment Red 122を10g、重
合性界面活性剤ラテムル(花王株式会社)5g、イオン
交換水50gを加え、平均粒子径が0.5mmのジルコ
ニアビーズ250gをを用いてメディア分散機(システ
ムゼータ;(株)アシザワ製)で4時間分散した。分散
液に0.1gの過硫酸カリウムを加えて溶解し、80℃
に加温後、3gのスチレン及び2gの2−ヒドロキシエ
チルメタアクリレートの混合液を滴下しながら7時間反
応させて樹脂でシェル化した顔料着色微粒子(平均粒子
径:193nm)を得た。
ヒドロキシエチルメタアクリレートの量を2.5gにし
た以外は全く同様の処方で比較例1の顔料着色微粒子
(平均粒径:95nm)を合成した。
ェル化に用いるモノマーのうち、2−ヒドロキシエチル
メタアクリレートを用いないで、スチレンのみ5g用い
た以外は全く同様にして比較例2の顔料着色微粒子(平
均粒径:250nm)を合成した。
ェル化に用いるモノマーのうち、スチレンは用いない
で、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのみ5g用い
た以外は全く同様にして比較例3の顔料着色微粒子(平
均粒径:260nm)を合成した。
比較例1)を染料の含有量が仕上がりインクとして、2
質量%になる量を秤量し、エチレングリコール15%、
グリセリン15%、サーフィノール465(日信化学工
業社製)0.3%、残りが純水になるように調整し、更
に2μmのメンブランフィルターによって濾過し、ゴミ
及び粗大粒子を除去して表1に示すようなインクジェッ
ト用インク1〜5を得た。各インクについて分散安定
性、インク保存性を評価するために60℃のオーブンに
インクを7日間保存した前後の粒子径を前記同様大塚電
子製レーザー粒径解析システムを用いて測定し粒子径変
化率を、又、保存後のインクを0.8μmメンブランフ
ィルターで濾過し濾過性を評価した。
クを市販のエプソン製インクジェットプリンター(PM
−800)を用いてコニカフォトジェットペーパー P
hotolike QP 光沢紙(コニカ株式会社製)
にプリントし、出射安定性及び得られた画像の耐水性に
ついて評価した。
保管し、粒子径変化率が5%未満のものを◎、5%ない
し10%未満のものを○(許容レベル)、10%以上の
ものを×(不可レベル)とした。
後に、インクを5ml採取し0.8μmのセルロースア
セテートメンブランフィルターで濾過を行い、全量濾過
できたものを◎、半量以上濾過できたものを○(許容レ
ベル)、半量未満しか濾過ができなかったものを×(不
可レベル)とした。
10分以上ノズル欠が出ないものを○(許容レベル)、
それ未満のものを×(不可レベル)とした。
た各プリント上に水を滴下し1分後指で擦ってプリント
に乱れが生じたか否かを目視にて判定した。実質的に全
く変化が見られないものを◎、乱れていても画像が識別
できるものを○(許容レベル)、識別できない程に画像
が乱れたものを×(不可レベル)とした。
較例2、3)を顔料の含有量がインクの仕上がり量に対
して3質量%になる量を秤量し、エチレングリコール1
5質量%、グリセリン15質量%、トリエチレングリコ
ールモノブチルエーテル3質量%、サーフィノール46
5を0.3質量%、残りが純水になるように調整し、更
に2μmのメンブランフィルターによって濾過し、ゴミ
及び粗大粒子を除去して表2に示すようにインクジェッ
ト用インク6〜9を得た。試験1と同様にそれぞれのイ
ンクを60℃で7日間保存した際の粒子径変化率、保存
後のインクの濾過性、又、インクの吐出安定性につい
て、更に、各インクを用いてプリントした画像について
耐水性を評価した結果を表2に示す。
安定性に優れた着色微粒子分散体を用いた安定性の良好
なインクジェット用水性インクと、これを用いた色再現
性及び安定性に優れた画像形成方法を提供することがで
きた。
Claims (6)
- 【請求項1】 色材を有するコア粒子と、該コア粒子を
覆う樹脂を有するシェル部とからなる着色微粒子を含有
し、該シェル部の樹脂が分子内にヒドロキシル基を有す
るモノマーユニットを0.1質量%以上、50質量%未
満含有することを特徴とするインクジェット用水性イン
ク。 - 【請求項2】 前記シェル部の樹脂が、分子内にpKa
値で3〜7の範囲にある解離性基を有するモノマーユニ
ットを含まないことを特徴とする請求項1記載のインク
ジェット用水性インク。 - 【請求項3】 前記分子内にヒドロキシル基を有するモ
ノマーユニットが、少なくともヒドロキシエチルメタア
クリレートを含有することを特徴とする請求項1又は2
に記載のインクジェット用水性インク。 - 【請求項4】 前記着色微粒子の体積平均粒径が、10
0nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいず
れか1項に記載のインクジェット用水性インク。 - 【請求項5】 前記着色微粒子は、前記コア粒子の水分
散物に、分子内にヒドロキシル基を有する重合性不飽和
モノマーを0.1質量%以上、50質量%未満含有する
重合性不飽和モノマー混合物を添加して重合することに
より、前記コア粒子をポリマーで覆って形成することを
特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク
ジェット用水性インク。 - 【請求項6】 請求項1に記載のインクジェット用水性
インクを、デジタル信号に基づきインクジェットヘッド
から液滴として吐出させてインク受容体に付着させるこ
とを特徴とする画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002266638A JP2003238872A (ja) | 2001-09-17 | 2002-09-12 | インクジェット用水性インク及び画像形成方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001281321 | 2001-09-17 | ||
JP2001-281321 | 2001-09-17 | ||
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JP2001379785 | 2001-12-13 | ||
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003238872A true JP2003238872A (ja) | 2003-08-27 |
Family
ID=27792005
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002266638A Pending JP2003238872A (ja) | 2001-09-17 | 2002-09-12 | インクジェット用水性インク及び画像形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003238872A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005023098A (ja) * | 2003-06-30 | 2005-01-27 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 処理顔料およびインキ |
CN100381514C (zh) * | 2004-09-21 | 2008-04-16 | 富士施乐株式会社 | 喷墨用油墨组、喷墨用油墨罐、喷墨记录方法和喷墨记录装置 |
JP2012028377A (ja) * | 2010-07-20 | 2012-02-09 | Hitachi Displays Ltd | 有機el表示装置 |
-
2002
- 2002-09-12 JP JP2002266638A patent/JP2003238872A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4534437B2 (ja) * | 2003-06-30 | 2010-09-01 | 東洋インキ製造株式会社 | 処理顔料およびインキ |
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