JP2004051882A - インクジェット記録用水性インクとその製造方法、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用水性インクとその製造方法、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、色再現性、耐水性、耐光性、分散安定性及び吐出安定性に優れ、かつ低コストのインクジェット記録用水性インクとその製造方法と、それを用いるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することにある。
【解決手段】水、沸点が150℃以上の水溶性有機溶剤及び少なくとも色材及び樹脂からなる着色樹脂微粒子を含有するインクジェット記録用水性インクにおいて、SP値が20MPa1/2以下で、かつ沸点が150℃未満の有機溶剤含有量が、0.001質量%以上、1.0質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色再現性、耐水性、耐光性、分散安定性及び吐出安定性が良好で、かつ低コストのインクジェット記録用水性インクとその製造方法と、それを用いるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて記録媒体に付着させ、画像、文字等の記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易であるという利点を有している。また、近年の技術進歩により、染料インクによるインクジェットプリントが、その銀塩写真に迫る高画質や装置の低価格化に伴い、その普及を加速させている。
【0003】
染料は溶媒に可溶であり、色素分子は分子状態もしくはクラスター状態で着色している。従って、各分子の環境が似通っているために、その吸収スペクトルはシャープであり高純度で鮮明な発色を呈する。更に、粒子に起因する粒状パターンがなく、また、散乱光や反射光が発生しないため、透明感が高く色相も鮮明なインクジェット画像を得ることができ、また色材粒子が存在しないため耐擦過性に優れた特性を有している。
【0004】
しかしその一方で、光化学反応等により分子が破壊された場合には、分子数の減少がそのまま着色濃度に反映するために、耐光性、褪色性が悪いという欠点を有している。染料インクを用いたインクジェット記録画像は、高画質であるが、経時保存による画像品質の低下が大きく、画像保存性の観点で銀塩写真を凌駕する技術が未だ現れていないのが現状である。
【0005】
染料インクに対して、光による退色に強い画像を必要とする用途向けのインクとして、耐光性が良好である顔料を着色剤として用いる顔料インクが使用されている。しかしながら、顔料は染料と比べて顔料粒子として存在するため、光の散乱を受けやすく、透明感のない画像を与えるので、色再現性の点で染料には及ばない欠点があった。
【0006】
上述のように、染料インクは、光沢性、透明性、耐擦過性に優れた点を有しているものの、耐光性、褪色性、滲み耐性に劣り、逆に、顔料インクは、耐光性、褪色性、画像滲み耐性に優れているものの、光沢性、透明性、耐擦過性に劣るという相反する特性である。
【0007】
以上述べたような水溶性染料を用いた水性インクの問題点を解決する方策として、エマルジョン、ラテックス等の樹脂微粒子を添加することが古くから検討されている。特開昭55−18418号には、「ゴム、樹脂等の成分を乳化剤により微細粒子の形で水中に分散せしめた一種のコロイド溶液」であるラテックスを添加したインクジェット記録用の記録剤に関する提案がある。該特許提案のようにラテックスを添加して耐光堅牢性を改善したり、滲み防止効果を持たせるためには、染料の使用量以上のラテックスが必要となり分散安定性、吐出安定性を確保することは非常に困難で、更に得られる画像として、粒状性や光沢性の点で写真画像に匹敵する画像を得るには至っていないのが現状である。
【0008】
前記の水溶性染料を用いた水性インクの耐水性、耐光堅牢性の低い問題を解決するため、油溶性染料、疎水性染料等により水分散性樹脂を着色する方法の提案がインクジェット記録用インクとしてなされている。例えば、特開昭55−139471号、同58−45272号、特開平3−250069号、同8−253720号、同8−92513号、同8−183920号、特開2001−11347等には油溶性染料によって染色された乳化重合粒子または分散した重合粒子を用いたインクが提案されている。このような着色微粒子を用いた水性インクにおいては、粒子表面や粒子外に染料が存在すると、耐光性効果が減じられ、分散安定性、吐出安定性、耐光堅牢性等の諸性能を高めることは困難であり、更に得られる画像として、粒状性や光沢性の点で写真画像に匹敵する画像を得るには至っていないのが現状である。
【0009】
更に、特開2001−19880では、キレート染料を含浸させた着色微粒子が提案され、印字濃度、耐光性、色調等が改良されるとされているが、この方法では目的とする写真画像に匹敵する画像を得るには不十分である。また一方、特開2001−139607では、キレート染料を含浸したコアシェル型の二重構造からなる着色微粒子によるインクヘッドの目詰まり、密着性を改良する方法が提案されているが、インク保存性に課題を残し、かつ写真画像に匹敵する耐光性や色再現性を得るには満足のいくレベルではない。
【0010】
一方、顔料の微分散体を主体とした顔料インクにおいても、濃度がのらない、又、ブロンジング等の色再現性の問題が起こりやすくなる等の問題を軽減するため、又、更に耐光性向上、分散安定性、吐出安定性等を向上させる目的で、例えば、特開平8−269374号、特開平9−151342号、特開平10−88045号、特開平10−292143等に開示されたように、皮膜形成性樹脂により顔料の表面を被覆した高分子被覆顔料(着色微微粒子)に関する試みがなされている。
【0011】
更に、顔料を用いた高分子被覆顔料は、例えば、特開平8−71405号公報に記載の顔料粒子を高分子化合物で分散させ、高分子化合物を有機溶媒で溶解した後水中で転相乳化する方法、色材協会誌、70、503(1997)に記載の顔料粒子表面にモノマーを吸着させた後、重合させる方法、色材協会誌、69、743(1996)及び同72、748(1999)に記載の顔料粒子表面に重合開始剤を導入した後、モノマーと共に重合させる方法等により得ることができ、これらは顔料粒子表面に強固な高分子膜が形成されており、更に遊離の高分子化合物が顔料インク中に存在しないため、分散安定性の高い顔料インクを得ることができる。
【0012】
しかしながら、上記に記載の各方法で得られた着色微粒子は、インクの保存安定性や吐出安定性に未だ課題を残しており、また印字した画像においても、耐光性の課題を依然として有しており、更なる技術向上が求められている。
【0013】
以上述べてきたように、油溶性染料や顔料を用いた着色微粒子含有水性インクは、従来の水溶性染料、顔料分散体を用いた水性インクの問題点を克服し、高い記録品位を実現する可能性を秘めたものではあるが、更に、色再現性、耐水性、耐光性を向上すると共に、インクの分散安定性、吐出安定性に対し更なる改良が求められている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、色再現性、耐水性、耐光性、分散安定性及び吐出安定性に優れ、かつ低コストのインクジェット記録用水性インクとその製造方法と、それを用いるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の手段によって達成される。
【0016】
1.水、沸点が150℃以上の水溶性有機溶剤及び少なくとも色材及び樹脂からなる着色樹脂微粒子を含有するインクジェット記録用水性インクにおいて、SP値が20MPa1/2以下で、かつ沸点が150℃未満の有機溶剤含有量が、0.001質量%以上、1.0質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
【0017】
2.SP値が20MPa1/2以下の有機溶剤の総計が、3〜10質量%であることを特徴とする前記1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
【0018】
3.総固形分量が、20質量%以下であることを特徴とする前記1又は2項に記載のインクジェット記録用水性インク。
【0019】
4.前記着色樹脂微粒子の色材と樹脂との比率が、1/10〜2/1であることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
【0020】
5.前記着色樹脂微粒子のゼータ電位の絶対値が、20mV以上であることを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
【0021】
6.水、沸点が150℃以上の水溶性有機溶剤及び少なくとも色材及び樹脂からなる着色樹脂微粒子を含有するインクジェット記録用水性インクにおいて、SP値が20MPa1/2以下で、かつ沸点が100℃未満の有機溶剤含有量が、0.001質量%以上、1.0質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
【0022】
7.前記着色樹脂微粒子が含有する樹脂のガラス転移温度(Tg)が、50℃以下であることを特徴とする前記1〜6項のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
【0023】
8.前記着色樹脂微粒子が含有する樹脂の少なくとも1種が、スチレン単位を有することを特徴とする前記1〜7項のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
【0024】
9.前記1〜8項のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インクの製造方法であって、色材又はモノマーを沸点が150℃未満の有機溶剤に溶解、分散した後、150℃未満の有機溶剤を減圧除去して着色樹脂微粒子を調製することを特徴とするインクジェット記録用水性インクの製造方法。
【0025】
10.前記1〜8項のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インクを、記録ヘッドのノズルより噴射し、記録材料上に画像を形成することを特徴とするインクジェット記録装置。
【0026】
11.前記記録ヘッドの前面に、撥インク性膜を有し、該撥インク性膜がシリコーン樹脂であることを特徴とする前記10項に記載のインクジェット記録装置。
【0027】
12.前記記録ヘッドの前面に、撥インク性膜を有し、該撥インク性膜がフッ素樹脂であることを特徴とする前記10項に記載のインクジェット記録装置。
【0028】
13.前記1〜8項のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インクを用いて、光沢紙上に画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
【0029】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明においては、水、沸点が150℃以上の水溶性有機溶剤及び少なくとも色材及び樹脂からなる着色樹脂微粒子を含有するインクジェット記録用水性インクにおいて、SP値が20MPa1/2以下で、かつ沸点が150℃未満の有機溶剤含有量が、0.001質量%以上、1.0質量%以下であることが特徴である。
【0030】
本発明のインクジェット記録用水性インク(以下、本発明のインクとも称す)は、主に、水、沸点が150℃以上の水溶性有機溶剤及び少なくとも色材及び樹脂からなる着色樹脂微粒子を含有する。
【0031】
はじめに、着色微粒子について説明する。
本発明で用いることのできる樹脂(以下、ポリマーともいう)としては、一般に知られているポリマーから適宜選択して使用することが可能であるが、特に好ましいポリマーは、主な官能基としてアセタール基を含有するポリマー、炭酸エステル基を含有するポリマー、水酸基を含有するポリマー、および、エステル基を有するポリマーであり、特に最表部のシェル部分を構成するポリマーは、水酸基を有していることが好ましい。上記のポリマーは、置換基を有していてもよく、その置換基は直鎖状、分岐、あるいは環状構造をとっていてもよい。また、上記の官能基を有するポリマーは、各種のものが市販されているが、常法によって合成することもできる。また、これらの共重合体は、例えば、1つのポリマー分子中にエポキシ基を導入しておき、後に他のポリマーと縮重合させたり、光や放射線を用いてグラフト重合を行っても得られる。
【0032】
主な官能基としてアセタールを含有するポリマーとして好ましくは、ポリビニルブチラール樹脂を挙げることができる。例えば、電気化学工業株式会社製の#2000−L、#3000−1、#3000−2、#3000−4、#3000−K、#4000−1、#4000−2、#5000−A、#6000−C、#6000−EP、あるいは積水化学工業製のBL−1、BL−1H、BL−2、BL−2H、BL−5、BL−10、BL−S、BL−SH、BX−10、BX−L、BM−1、BM−2、BM−5、BM−S、BM−SH、BH−3、BH−6、BH−S、BX−1、BX−3、BX−5、KS−10、KS−1、KS−3、KS−5などがある。
【0033】
ポリビニルブチラール樹脂は、PVA(ポリビニルアルコール)の誘導体として得られるが、もとのPVAの水酸基のアセタール化は最大でも80mol%程度であり、通常は50mol%から、80mol%程度である。なお、ここで言うアセタールは狭義の1,1−ジエトキシエタン基を指すのではなく、オルトアルデヒドとの化合物一般を指す。水酸基については、特に規定はないが、最表部のシェル部分を構成するポリマーでは、水酸基を含有モノマーを5〜50mol%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜30mol%である。また、アセチル基の含有率に特に規定はないが、10mol%以下であることが好ましい。主な官能基としてアセタールを含有するポリマーとは、ポリマー中に含まれる酸素原子のうち、少なくとも30mol%以上がアセタール基を形成していることをいう。
【0034】
他に主な官能基としてアセタールを含有するポリマーとして、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製のユピタールシリーズなども使用可能である。
【0035】
主な官能基として炭酸エステルを含有するポリマーとしては、ポリカーボネート樹脂が挙げられる。たとえば、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製のユーピロンシリーズ、ノバレックスシリーズがある。ユーピロンシリーズはビスフェノールAを原料として作られており、測定法によってその値は異なるが各種の分子量のものを用いることができる。ノバレックスシリーズでは分子量が2〜3万、ガラス転移点150℃付近のものを用いることができるが、これらに限るものではない。
【0036】
主な官能基として炭酸エステル基を含有するポリマーとは、ポリマー中に含まれる酸素原子のうち、少なくとも30mol%以上が炭酸エステル基の形成に寄与していることをいう。
【0037】
主な官能基として水酸基を含有するポリマーとしては、たとえば、PVAがあげられる。PVAの有機溶剤への溶解度は小さいものが多いが、けん化価の小さいPVAであれば、有機溶剤への溶解度は上昇する。水溶性が高いPVAは水相中に添加しておき有機溶剤除去後に、ポリマーのサスペンションに吸着させるようにして使用することもできる。
【0038】
PVAとしては市販のものを用いることができ、たとえば、クラレのポバールPVA−102、PVA−117、PVA−CSA、PVA−617、PVA−505などのほか、特殊銘柄のサイズ剤用PVA、熱溶融成形用PVA、その他機能性ポリマーとして、KL−506、C−118、R−1130、M−205、MP−203、HL−12E、SK−5102、などを用いることができる。けん化度は50mol%以上のものが一般的であるが、LM−10HDのように40mol%程度であっても、これを用いることは可能である。このようなPVA以外でも主な官能基として水酸基を有するものが使用可能であるが、ポリマー中に含まれる酸素原子のうち少なくとも20mol%以上が水酸基を形成しているものが使用可能である。
【0039】
主な官能基としてエステル基を含有するポリマーとしては、たとえばメタクリル樹脂が挙げられる。旭化成製デルペットシリーズの560F、60N、80N、LP−1、SR8500、SR6500などを用いることができる。主な官能基としてエステル基を含有するポリマーとは、ポリマー中に含まれる酸素原子のうち、少なくとも30mol%以上がエステル基を形成していることをいう。
【0040】
また、本発明では、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合して調製できるビニル系樹脂も好ましく用いることができ、スチレン樹脂、アクリル系樹脂も好ましく用いることができる。用いることのできる樹脂としては、例えば、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の単量体をラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等の既存の方法で重合して用いることができるが、本発明においては、着色樹脂微粒子が含有する樹脂の少なくとも1種が、スチレン単位を有することが好ましい。
【0041】
これらのポリマーをそれぞれ1種ないし2種以上を混合して用いてもよい。また、これらのポリマーが質量比で50%以上含まれていれば、他のポリマーや無機物のフィラーが含有されていてもよい。
【0042】
これらのポリマーの共重合体を用いることも好ましいが、たとえば水酸基を含有するポリマーと、各種のポリマーを共重合させる方法として、水酸基をグリシジルメタクリレートのようなエポキシ基を有するモノマーと反応させ、その後、懸濁重合でメタクリル酸エステルモノマーと共重合させて得ることができる。
【0043】
本発明のインクにおいては、着色微粒子に用いられるポリマーは、該インク中に0.5〜50質量%配合されることが好ましく、0.5〜30質量%配合されることが更に好ましい。上記ポリマーの配合量が0.5質量%に満たないと、色材の保護能が十分でなく、50質量%を超えると、サスペンションのインクとしての保存安定性が低下したり、ノズル先端部でのインク蒸発に伴うインクの増粘やサスペンションの凝集が起こることによってプリンタヘッドの目詰りが起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0044】
本発明においては、上記樹脂の中で、ガラス転移温度が50℃以下であるものが好ましく、更に好ましくは、−10〜50℃である。
【0045】
本発明に係る着色微粒子は、各種の方法で調製することができる。例えば、モノマー中に油溶性色材を溶解させ、水中で乳化後、重合によりポリマー中に色材を封入する方法、ポリマーと色材を有機溶剤中に溶解し、水中で乳化した後有機溶剤を除去する方法、色材溶液に多孔質のポリマー微粒子を添加し、色材を微粒子に吸着、含浸させる方法等が挙げられ、更に、それらの着色微粒子をポリマーで被覆するシェル化法も用いることができるが、本発明においては着色微粒子がコアシェル構造を有していることが好ましい。
【0046】
ポリマーシェルを設ける方法としては、コアの水系サスペンションに水溶性のポリマー分散剤を添加し吸着させる方法、モノマーを徐々に滴下し、重合と同時にコア表面に沈着させる方法、あるいは、有機溶剤に溶解したポリマーを徐々に滴下し、析出と同時にコア表面に吸着させる方法などがある。更に一段階でコアシェル形成する方法も考えられる。例えば、コアとなるポリマーと染料をシェルとなるポリマーと共に加熱、溶解後、水中で懸濁して重合する方法や、その液を活性剤ミセルを含有する水中に徐々に滴下しながら乳化重合していく方法などがある。あるいは、重合後にコアとなりうるモノマーとシェルとなりうるモノマーに染料を溶解または分散し、懸濁重合あるいは乳化重合する方法がある。
【0047】
本発明に係る着色微粒子は、シェル化したものでなくても、シェル化したものでも、特に制限はないが、発明の効果から考えて、着色微粒子が、色材を含有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆したコアシェル構造であることが好ましい。その場合、シェルに用いられるポリマー量が、総ポリマー量の5質量%以上95質量%以下であることが好ましい。5質量%より少ないとシェルの厚みが不十分で、色材を多く含有するコアの一部が粒子表面に現れ易くなる。また、シェルのポリマーが多すぎると、コアポリマー量が相対的に減少し、色材保護機能の低下を起こし易い。さらに好ましくは10質量%以上90質量%以下である。
【0048】
本発明に係る着色微粒子においては、色材とポリマー(樹脂)の比率は、1/10〜2/1の範囲であることが好ましい。色材がポリマーに比して少なすぎると、吐出後の画像濃度が上がらず、また、色材の比率が高いとポリマーの保護能が十分に得られない。
【0049】
また、本発明においては、コア部分に疎水性高沸点有機溶媒を単独で、あるいはポリマーと併用して着色微粒子を形成することができる。単独で用いる場合には、上述の着色微粒子の調製及びポリマーシェルを設ける方法において、コア部分のポリマーを置き換えることで達成できる。また、ポリマーと併用する場合には、コアポリマーと同時に用いることで、着色微粒子を調製することができる。
【0050】
(コアシェル化の評価)
本発明においては、実際にコアシェル化されているかの評価が重要である。本発明においては、個々の粒子径が150nm以下と非常に微小であるため、分析方法は分解能の観点から限られる。このような目的に沿う分析方法としては、透過型電子顕微鏡(TEM)や飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)などが適用できる。TEMによりコアシェル化した着色微粒子を観察する場合、カーボン支持膜上に分散体を塗布、乾燥させ観察することができる。TEMの観察像は、通常モノクロであるため、コアシェル化されているかどうかを評価するために、着色微粒子を染色する必要がある。コアだけの着色微粒子を染色しそのTEM観察を行い、シェルを設けたものと比較する。さらに、シェルを設けた微粒子と設けていない微粒子を混合し、染色し、染色度合いの異なる微粒子の割合がシェルの有無に一致しているかの確認を行う。TOF−SIMSでは、粒子表面にシェルを設けることで表面近傍の染料がコアだけの時よりも減少していることを確認する。色材にコアシェルのポリマーに含有されていない元素がある場合、その元素をプローブとして色材含有量の少ないシェルが設けられたかを確認することができる。そのような元素がない場合、適当な染色剤を用いてシェル中の色材含有量がシェルを設けていないものと比較することができる。コアシェル粒子をエポキシ樹脂内に包埋し、ミクロトームで超薄切片を作製、染色を行うことでコアシェル化はより明瞭に観察できる。ポリマーや、染料にプローブとなりうる元素がある場合、TEMによってコアシェルの組成、染料のコアとシェルへの分布量を見積もることもできる。
【0051】
次いで、本発明に係る色材について説明する。
本発明においては、上記ポリマーによって封入される色材としてインクジェットで公知の各種染料又は顔料を用いることができるが、本発明においては、色材として染料を用いることが好ましく、本発明で用いることのできる染料として、特に制限はなく、油性染料、分散染料、直接染料、酸性染料及び塩基性染料等の例を挙げることができる。
【0052】
色相としてはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブルー、グリーン、レッドが好ましく用いられ、特に、イエロー油溶性染料、マゼンタ油溶性染料、シアン油溶性染料、ブラック油溶性染料を各々用いることが好ましい。油溶性染料の中には、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料も含まれる。油性染料としては、以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例としては、例えば、
オリエント化学工業株式会社製 Valifast Yellow 4120、Valifast Yellow 3150、Valifast Yellow 3108、Valifast Yellow 2310N、Valifast Yellow 1101、Valifast Red 3320、Valifast Red 3304、Valifast Red 1306、Valifast Blue 2610、Valifast Blue 2606、Valifast Blue 1603、Oil Yellow GG−S、OilYellow 3G、Oil Yellow 129、Oil Yellow107、Oil Yellow 105、Oil Scarlet 308、Oil Red RR、Oil Red OG、Oil Red 5B、OilPink 312、Oil Blue BOS、Oil Blue 613、Oil Blue 2N、Oil Black BY、Oil Black BS、Oil Black 860、Oil Black 5970、Oil Black 5906、Oil Black 5905、
日本化薬株式会社製 Kayaset Yellow SF−G、Kayaset Yellow K−CL、Kayaset Yellow GN、Kayaset Yellow A−G、Kayaset Yellow 2G、Kayaset Red SF−4G、Kayaset Red K−BL、Kayaset Red A−BR、KayasetMagenta312、Kayaset Blue K−FL、
有本化学工業株式会社製 FS Yellow 1015、FS Magenta 1404、FS Cyan 1522、FS Blue 1504、C.I.Solvent Yellow 88、Solvent Yellow 83、Solvent Yellow 82、Solvent Yellow 79、Solvent Yellow 56、Solvent Yellow 29、Solvent Yellow 19、Solvent Yellow 16、Solvent Yellow 14、Solvent Yellow 04、Solvent Yellow 03、Solvent Yellow 02、Solvent Yellow 01、C.I.Solvent Red 84:1、C.I.Solvent Red 84、C.I.Solvent Red 218、C.I.Solvent Red 132、C.I.Solvent Red 73、C.I.Solvent Red 72、C.I.Solvent Red 51、C.I.Solvent Red 43、C.I.Solvent Red 27、C.I.Solvent Red 24、Solvent Red 18、Solvent Red 01、Solvent Blue 70、Solvent Blue 67、Solvent Blue44、Solvent Blue 40、Solvent Blue 35、Solvent Blue 11、 Solvent Blue 02、Solvent Blue 01、Solvent Black 43、C.I.Solvent Black 70、C.I.Solvent Black 34、C.I.Solvent Black 29、C.I.Solvent Black 27、C.I.Solvent Black 22、C.I.Solvent Black 7、C.I.Solvent Black 3、C.I. Solvent Violet 3、C.I. Solvent Green 3及び7等が挙げられる。
【0053】
また、特開平9−277693号、同10−20559号、同10−30061号に示されるような、金属錯体色素も好ましく用いられ、好ましい構造としては下記一般式〔I〕で表されるものである。
【0054】
一般式〔I〕  M(Dye)(A)
式中、Mは金属イオンを表し、Dyeは金属と配位結合可能な色素を表す。Aは色素以外の配位子を表し、lは1ないし3、mは0、1、2、3を表す。mが0のときlは2または3を表し、その場合Dyeは同種でも異なっていてもよい。Mで表される金属イオンとしては、例えば、Al、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Pt、Pd、Zr及びZnのイオンが挙げられる。色調、各種耐久性からNi、Cu、Cr、Co、Zn、Feのイオンが特に好ましい。更に好ましくはNiイオンである。
【0055】
Aで表される色素以外の配位子としては、一価または二価の配位子を表し、例えば、ハロゲン化物イオンやカルボン酸誘導体、あるいは下記一般式〔A〕で表されるものを挙げることができる。
【0056】
【化1】
Figure 2004051882
【0057】
一般式〔A〕において、Rはシアノ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、またはヘテロ環基を表す。Rはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、またはヘテロ環基を表す。Xはシアノ基、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、またはアリールオキシカルボニル基を表す。
【0058】
Dyeで表される金属と配位結合可能な色素としては種々の色素構造が考えられるが、共役メチン色素、アゾメチン色素、アゾ色素骨格に配位基を有するものが好ましい。
【0059】
分散染料としては、以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例としては、C.I.ディスパーズイエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、204、224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119及び163;C.I.ディスパーズレッド54、60、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、73、87、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365及び0368;並びにC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等が挙げられる。
【0060】
また、染料として、下記一般式(1)〜(3)で表される染料も好ましく用いることができる。
【0061】
【化2】
Figure 2004051882
【0062】
上記一般式(1)〜(3)において、Xはハロゲン化銀カラー写真感光材料で用いられるカプラー残基を表し、好ましくは、アセトアニリド、5−ピラゾロン、イミダゾール、ピラゾロピロール、ピラゾロイミダゾール、ピラゾロトリアゾール、ピラゾロテトラゾール、ピラゾロピリミジン−7−オン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾロン、イソオキサゾロン、インダンジオン、ピラゾリジンジオン、オキサゾリジンジオン、ヒドロキシピリドン、ピラゾロピリドン、シクロヘキサジエノン、フェノール、ナフトールの誘導体を挙げることができる。nは0、1又は2を表す。
【0063】
Yは5〜6員の芳香族炭素環基又は複素環基を表し、好ましくは、ベンゼン、ピリジン、ピロール、チアゾール、オキサゾール、フラン、チオフェンの誘導体を表す。
【0064】
、R及びRは各々、水素原子、ハロゲン原子又は1価の置換基を表し、R、R及びが表す1価の置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基及びアミノ基等が挙げられる。
【0065】
上記各一般式の中でも、一般式(1)又は(3)で表される染料が好ましく、一般式(3)で表される染料がより好ましい。また、nは0の染料が好ましい。
【0066】
以下に、本発明に好ましく用いられる染料の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0067】
【化3】
Figure 2004051882
【0068】
【化4】
Figure 2004051882
【0069】
【化5】
Figure 2004051882
【0070】
【化6】
Figure 2004051882
【0071】
【化7】
Figure 2004051882
【0072】
【化8】
Figure 2004051882
【0073】
顔料としては以下に限定されるものではないが、好ましい具体例として、カーボンブラック顔料としては三菱化成社製No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B、コロンビア社製Raven 700、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、キャボット社製Regal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch1300、Monarch 1400、デグサ社製Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Printex 140V、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4、関西熱化学(株)社製マックスソーブ G−40、マックスソーブ G−15、マックスソーブ
G−08等を使用することが出来る。
【0074】
イエロー顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow3、C.I.Pigment Yellow 12、C.I.PigmentYellow 13、C.I.Pigment Yellow 14、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 73、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 75、C.I.Pigment Yellow 83、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.Pigment Yellow 95、C.I.Pigment Yellow 97、C.I.Pigment Yellow 98、C.I.Pigment Yellow 114、C.I.Pigment Yellow 128、C.I.Pigment Yellow 129、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 154、
マゼンタ顔料としては、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 57:1、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 123、C.I.Pigment Red 168、C.I.Pigment Red 184、C.I.Pigment Red
202、
シアン顔料としては、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:34、C.I.Pigment Blue 16、C.I.PigmentBlue 22、C.I.Pigment Blue 60、C.I.Vat
Blue 4、C.I.Vat Blue 60、等が挙げられる
本発明に係る着色微粒子は、各種の乳化法で製造することができる。
【0075】
本発明においては、着色微粒子の体積平均粒子径が、5〜100nmであることが好ましいが、上記で規定する平均粒子径を達成する方法として、特に制限はないが、例えば、分散剤の種類や使用量、あるいは以下に示す各乳化方法を適宜選択、あるいは組み合わせることにより達成することができる。
【0076】
乳化法としては、各種の方法を用いることができる。それらの例は、例えば、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の86ページの記載にまとめられている。本発明においては、特に、超音波、高速回転せん断、高圧による乳化分散装置を使用することが好ましい。
【0077】
超音波による乳化分散では、いわゆるバッチ式と連続式の2通りが使用可能である。バッチ式は、比較的少量のサンプル作製に適し、連続式は大量のサンプル作製に適する。連続式では、たとえば、UH−600SR(株式会社エスエムテー製)のような装置を用いることが可能である。このような連続式の場合、超音波の照射時間は、分散室容積/流速×循環回数で求めることができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞれの照射時間の合計としてもとめられる。超音波の照射時間は、実際上は3秒以上必要であり、それ以内で乳化が完了するのであれば、超音波乳化分散装置を必要としない。また、10000秒以上必要であると、工程の負荷が大きく、実際上は乳化剤の再選択などにより乳化分散時間を短くする必要がある。そのため10000秒以上は必要でない。さらに好ましくは、10秒以上、2000秒以内である。
【0078】
高速回転せん断による乳化分散装置としては、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の255〜256ページに記載されているような、ディスパーミキサーや、251ページに記載されているようなホモミキサー、256ページに記載されているようなウルトラミキサーなどが使用できる。これらの型式は、乳化分散時の液粘度によって使い分けることができる。これらの高速回転せん断による乳化分散機では、攪拌翼の回転数が重要である。ステーターとのクリアランスは通常0.5mm程度で、極端に狭くはできないので、せん断力は主として攪拌翼の周速に依存する。周速が5m/sec以上150m/sec以内であれば本発明の乳化・分散に使用できる。周速が遅い場合、乳化時間を延ばしても小粒径化が達成できない場合が多く、150m/secにするにはモーターの性能を極端に上げる必要があるからである。さらに好ましくは、20〜100m/secである。
【0079】
高圧による乳化分散では、LAB2000(エスエムテー社製)などが使用できるが、その乳化・分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。圧力は、10MPa以上、500MPa以下が好ましい。また、必要に応じて数回にわたり乳化・分散を行い、目的の粒径を得ることができる。圧力が低すぎる場合、何度乳化分散を行っても目的の粒径は達成できない場合が多く、また、圧力を500MPaにするためには、装置に大きな負荷がかかり実用的ではない。さらに好ましくは、50MPa以上、200MPa以下である。
【0080】
これらの乳化・分散装置は単独で用いてもよいが、必要に応じて組み合わせて使用することが可能である。コロイドミルや、フロージェットミキサなども単独では本発明の目的を達成できないが、上述した装置との組み合わせにより、単時間で乳化・分散を可能にするなど本発明の効果を高めることが可能である。
【0081】
また、本発明のインクは、上記の装置を用いるほか、いわゆる転相乳化によっても製造することができる。ここで、転相乳化は、上記ポリマーを、上記染料と共にエステル、ケトンなどの有機溶剤に溶解させ、必要に応じて中和剤を加えて該ポリマー中のカルボキシル基をイオン化し、次いで水相を加えた後、上記有機溶剤を留去して水系に転相することからなる。
【0082】
転相が完了した後、系を減圧下に加熱することにより、上記エステル、ケトン系溶剤を除去すると共に、所定量の水を除去して、所望の濃度を有する本発明の着色微粒子含有のインクが得られる。
【0083】
本発明においては、上記着色微粒子のゼータ電位の絶対値が、20mV以上であることが好ましく、より好ましくは20〜150mVである。ゼータ電位の測定は、例えば、ELS−800(大塚電子(株)製)等を用いて行うことができるが、好ましくは個々の着色微粒子についてのゼータ電位測定が可能な顕微鏡電気泳動法を用いることであり、例えば、マイクロテック社のZEECOM ZC−2000を挙げることができ、この装置を用いて、着色微粒子500個以上についてのゼータ電位を測定し、その算術平均値より求めることができる。
【0084】
本発明に係る着色微粒子は、インク中に総固形分量として20質量%以下であることが好ましく、3〜20質量%配合されることがより好ましく、3〜15質量%配合されることが特に好ましい。上記着色微粒子の配合量が3質量%に満たないと印字濃度が不十分であり、20質量%を超えるとサスペンションの経時安定性が低下し、凝集等による粒子径増大の傾向があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0085】
次いで、沸点が150℃以上の水溶性有機溶剤について説明する。
本発明に好ましく用いられる沸点150℃以上の水溶性有機溶剤の例としては、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
【0086】
また、本発明においては、SP値が20MPa1/2以下で、かつ沸点が150℃未満の有機溶剤の含有量を、0.001質量%以上、1.0質量%以下とすることが特徴の1つであり、好ましくはSP値が20MPa1/2以下で、かつ沸点が100℃未満の有機溶剤含有量が、0.001質量%以上、1.0質量%以下である。
【0087】
本発明でいう溶剤の溶解度パラメーター(SP値)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、Polymer HandBook(Second Edition)第IV章 Solubility Parameter Valuesに記載があり、その値を用いる。単位は(J/cm1/2であり、25℃における値を指す。なお、データの記載のないものについては、沸点から蒸発熱を求めて算出することができる(Polymer Hand Bookに記載あり)。
【0088】
以下に、本発明に係るSP値が20MPa1/2以下で、かつ沸点が150℃未満の有機溶剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、SP値の単位はMPa1/2である。
【0089】
ヘキサン:SP値14.9 沸点68.9℃
シクロヘキサン:SP値16.8 沸点80.7℃
ヘプタン:SP値15.1 沸点98.4℃
ベンゼン:SP値18.8 沸点80.1℃
トルエン:SP値18.2 沸点110.6℃
p−キシレン:SP値18.0 沸点138.0℃
ジエチルエーテル:SP値15.1 沸点34.6℃
ジイソプロピルエーテル:SP値14.1 沸点68.5℃
ジプロピルエーテル:SP値16.0 沸点90.1℃
ジオキサン:SP値19.2 沸点101.4℃
テトラヒドロフラン:SP値18.6 沸点65.0℃
ジエチルケトン:SP値18.0 沸点102.2℃
ジイソプロピルケトン:SP値16.4 沸点124.4℃
メチルエチルケトン:SP値19.0 沸点79.6℃
ギ酸エチル:SP値19.2 沸点53.0℃
ギ酸プロピル:SP値18.8 沸点81.0℃
酢酸メチル:SP値19.6 沸点56.8℃
酢酸エチル:SP値18.6 沸点77.1℃
酢酸プロピル:SP値18.0 沸点101.6℃
酢酸ブチル:SP値17.4 沸点126.1℃
1,2ジクロロプロパン:SP値18.4 沸点96.8℃
トリクロロエチレン:SP値18.8 沸点86.7℃
エチレングリコールジメチルエーテル:SP値17.0 沸点121.0℃
エチレングリコールジエチルエーテル:SP値17.6 沸点 82.0℃
本発明に係る着色微粒子の調製において、上記SP値が20MPa1/2以下で、かつ沸点が150℃未満の有機溶剤は、染料及び樹脂、モノマーを溶解するための溶剤として用いられ、着色微粒子を形成した後は取り除くことが好ましく、その観点からも沸点が100℃未満の有機溶剤であることがより好ましい。
【0090】
これらの溶剤の中でも、染料の溶解性、安全性、取り扱いの容易性、コスト等の諸特性を考慮し、より好ましいものは、酢酸エチル又はメチルエチルケトンであり、特に好ましくは酢酸エチルである。
【0091】
しかしながら、上記の各溶剤は水に対する溶解度が比較的高いため、完全に取り除くことは難しく、一部は最終的にはインク中に残留することになる。
【0092】
本発明者らは、鋭意検討を進めた結果、これら比較的低沸点の有機溶剤がインク中に残留することにより、着色微粒子の分散安定性を損ねていることを見いだし、本発明に至った。
【0093】
本発明において、上記有機溶剤の含有量を1.0質量%以下にする方法として、特に制限はなく、例えば、該有機溶剤の沸点以上の温度で長時間加熱する方法、減圧下で加熱除去する方法、他の溶剤を添加し、共沸現象を利用して除去する方法、疎水性の高い溶剤を添加し分液して除く方法等を挙げることができ、これらの方法は複数組み合わせておこなっても良い。しかしながら、これらの水と共存する有機溶剤を完全に除去することは難しく、例えば、残留量を0.001質量%以下とするには、多大のエネルギーと時間が必要となり、大幅な生産性の低下及びコスト増を招く結果となる。本発明者らの検討によれば、経済性及び残留溶剤による影響を考慮すると、沸点が150℃未満の有機溶剤の残留量としては、0.001〜1.0質量%の範囲であれば実用上使用に影響のない範囲であり、より好ましくは0.001〜0.2質量%であり、更に好ましくは0.001〜0.05質量%である。
【0094】
本発明に係るインクにおいては、インクジェット用インクの表面張力として、20mN/m以上、50mN/m以下であることが好ましく、より好ましくは20〜40mN/mである。本発明のインクジェット用インクの表面張力の調整手段としては、各種界面活性剤を用いて、その種類及び添加量を適宜調整することが好ましい。
【0095】
本発明に係るインクにおいては、インクのpHが、6.0以上11.0以下であることが好ましく、更に好ましくは8.0以上10.0以下である。本発明のインクジェット用インクで用いられるpH調整剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や、鉱酸が挙げられる。
【0096】
本発明に係るインクにおいては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤を、各々1種又は2種以上用いることができる。本発明で用いることのできる各界面活性剤として、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
【0097】
また、本発明においては、高分子界面活性剤も用いることができ、例えば、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
【0098】
本発明にインクジェット用インクには、水溶性高分子または水不溶性高分子分散液を含有していることができる。
【0099】
水溶性高分子としての好ましい例としては天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、若しくはアルブミンなどのたんぱく質類、アラビアゴム、若しくはトラガントゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸及びアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、若しくはアルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、若しくはエチルヒドロキシルセルロースなどのセルロース誘導体が挙げられる。
【0100】
更に、水溶性高分子の好ましい例として合成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルピロリドン類が挙げられる。
【0101】
水溶性高分子の分子量は、1,000以上、200,000以下が好ましい。更には、3,000以上、20,000以下がより好ましい。1,000未満では着色微粒子の成長及び凝集を抑制する効果が少なくなり、200,000を越えると粘度上昇、溶解不良等の問題が発生し易くなる。
【0102】
水溶性高分子の添加量は、染料に対して10質量%以上1,000質量%以下が好ましい。更には、50質量%以上200質量%以下がより好ましい。10質量%未満では着色微粒子の成長及び凝集を抑制する効果が少なくなり、1000質量%を越えると粘度上昇、溶解不良等の問題が発生し易くなる。
【0103】
また、本発明で用いることのできる水不溶性高分子分散液(以下、ラテックスともいう)として、特に制限はないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル共重合体およびアクリル変性フッ素授脂等のラテックスが挙げられる。ラテックスは、乳化剤を用いてポリマー粒子を分散させたものであっても、また乳化剤を用いないで分散させたものであってもよい。乳化剤としては界面活性剤が多く用いられるが、スルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を用いることも好ましい。
【0104】
また、本発明に係るインクでは、ソープフリーラテックスを用いることが特に好ましい。ソープフリーラテックスとは、乳化剤を使用していないラテックス、およびスルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を乳化剤として用いたラテックスのことを指す。
【0105】
近年、ラテックスのポリマー粒子として、粒子全体が均一であるポリマー粒子を分散したラテックス以外に、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェルタイプのポリマー粒子を分散したラテックスも存在するが、このタイプのラテックスも好ましく用いることができる。
【0106】
本発明のインクにおいて、ラテックス中のポリマー粒子の平均粒径は10nm以上、300nm以下であり、10nm以上、100nm以下であることがより好ましい。ラテックスの平均粒径が300nmを越えると、画像の光沢感の劣化が起こり、10nm未満であると耐水性、耐擦過性が不十分となる。ラテックス中のポリマー粒子の平均粒子径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。
【0107】
本発明のインクにおいて、ラテックスは固形分添加量としてインクの全質量に対して0.1質量%以上、20質量%以下となるように添加されるが、ラテックスの固形分添加量を0.5質量%以上、10%質量%以下とすることが特に好ましい。ラテックスの固形分添加量が0.1質量%未満では、耐水性に関して十分な効果を発揮させることが難しく、また20質量%を越えると、経時でインク粘度の上昇が起こったり、着色微粒子の分散粒径の増大が起こりやすくなる等インク保存性の点で問題が生じることが多い。
【0108】
本発明のインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
【0109】
本発明で用いられる記録媒体としては、普通紙、コート紙、インク液を吸収して膨潤するインク受容層を設けた膨潤型インクジェット用記録紙、多孔質のインク受容層を持った空隙型インクジェット用記録紙、また基紙の代わりにポリエチレンテレフタレートフィルムなどの樹脂支持体を用いたものも用いることができるが、記録媒体としては、光沢紙を用いることが好ましく、また多孔質インクジェット記録媒体を用いることが好ましく、この組み合わせにより本発明の効果を最も発揮することができる。
【0110】
多孔質インクジェット記録媒体としては、具体的には、空隙型インクジェット用記録紙又は空隙型インクジェット用フィルムを挙げることができ、これらはインク吸収能を有する空隙層が設けられている記録媒体であり、空隙層は、主に親水性バインダーと無機微粒子の軟凝集により形成されるものである。
【0111】
空隙層の設け方は、皮膜中に空隙を形成する方法として種々知られており、例えば、二種以上のポリマーを含有する均一な塗布液を支持体上に塗布し、乾燥過程でこれらのポリマーを互いに相分離させて空隙を形成する方法、固体微粒子及び親水性又は疎水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、インクジェット記録用紙を水或いは適当な有機溶媒を含有する液に浸漬して固体微粒子を溶解させて空隙を作製する方法、皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を含有する塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡させて皮膜中に空隙を形成する方法、多孔質固体微粒子と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、多孔質微粒子中や微粒子間に空隙を形成する方法、親水性バインダーに対して概ね等量以上の容積を有する固体微粒子及び/又は微粒子油滴と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布して固体微粒子の間に空隙を作製する方法などが挙げられるが、本発明のインクを用いる上では、いずれも方法で設けられても、良い結果を与える。
【0112】
本発明のインクジェット画像記録方法で用いることのできるインクジェットヘッドとしては、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(R)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
【0113】
本発明のインクジェット記録装置においては、記録ヘッドの前面に、撥インク性膜を有し、該撥インク性膜がシリコーン樹脂又はフッ素樹脂であることが好ましい。
【0114】
図1はインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。インクジェット記録装置1は、記録紙にインクを吐出し印刷を行うものであり、その印刷を行う部分の主要構成として、図1に示すように、記録紙2を印刷時に前方へ搬送させる搬送手段(図示省略)と、前記記録紙2にインクを吐出する記録ヘッド(ヘッド)3と、複数色毎の記録ヘッド3を収納するキャリッジ4と、前記記録ヘッド3のメンテナンスを行う、吸引キャップ16及びブレード17を有するメンテナンスユニット5と、印字時或いはメンテナンス時などにキャリッジ4を水平方向(矢印A)に沿って案内するガイドレール6と、前記キャリッジ4の待機所となる保湿キャップ8を有するホームポジション7と、これら各部の制御を行う制御部(図示省略)とを備えている。
【0115】
図2は記録ヘッドの一例を示す概略構成図である。記録ヘッド3は、ヘッド基板10に、インクを吐出するインク吐出本体部11と、該インク吐出本体部11近傍で温度を測る温度センサー(温度測定手段)12と、フレキシブルケーブルが接続され、これらインク吐出部本体部11と温度センサー12に信号の入出力を行うフレキシブルケーブル接続部13などを設置した構成となっている。そして、インク吐出本体部11前面を、インクを吐出するノズル14を有し、その表面を撥インク膜を有するノズルプレート15が覆ってノズル面を構成している。
【0116】
本発明において、記録ヘッド3のノズル面に、撥水層(撥インク膜)を形成するには、例えば、ポリエステル、ポリアミド、等のプラスチック、ガラス、セラミック及び金属等の素材から形成されたノズルプレートに撥水性(撥インク性)コーティングを施す。
【0117】
ノズルプレートに撥水性、撥インク性コーティングを施す方法については、例えば、共析メッキ法により撥水処理を施すことで作製される。マトリクスとして例えばニッケル、銅、銀、亜鉛、錫等、適宜金属を選び(好ましくはニッケルである)、該金属イオンと、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオロアルコキシブタジエン、ポリフルオロビニリデン等の撥水性高分子樹脂粒子又はこれを混合した樹脂粒子(ポリテトラフルオロエチレンが好ましい)を電荷により分散させた電解液中にノズルプレートを浸漬し、液を攪拌しながら共析メッキする。又、特公昭52−24821号、特開昭56−2862号にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂やシリコーン樹脂等インクをはじく特性を有する素材をコーティングする方法が、又、特開昭57−72866号、同60−255441号等に記載されたように撥インク膜としてテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)を使用することがそれぞれ記載されている。このFEPはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と同等の低い表面エネルギー(撥インク性)を有しながら、加熱溶融時の粘度がPTFEと比較して低く、水分散液を塗布して加熱溶融によって均一膜を形成する場合にPTFEよりも低温で短時間に均一膜が得られ、成膜加工性に優れている。又、特開2001−71509、にはFEP水分散液とシリカゾル粒子分散液を混合塗布して乾燥及び300から400℃で焼成する方法が、又、特表平10−505870号等に記載のフッ素含有ポリシロキサン化合物を用いる方法が記載されているが、本発明ではフッ素樹脂又はシリコーン樹脂を用いることで、本発明の効果をいかんなく発揮することができ好ましい。
【0118】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0119】
実施例1
《インクの調製》
〔マゼンタインク1の調製〕
下記各添加剤を順次混合、溶解して、染料インクであるマゼンタインク1を調製した。
【0120】
C.I.Direct Red227            3質量%
ジエチレングリコール                  29質量%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム         0.01質量%
水で100質量%に仕上げる
〔マゼンタインク2の調製〕
(マゼンタ顔料分散体の調製)
C.I.ピグメントレッド122             25質量%
ジョンクリル61(アクリル−スチレン系樹脂、ジョンソン社製)
固形分で18質量%
ジエチレングリコール                  15質量%
イオン交換水                      42質量%
上記各添加剤を混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、マゼンタ顔料分散体を得た。
【0121】
(マゼンタインクの調製)
マゼンタ顔料分散体                   15質量%
エチレングリコール                   20質量%
ジエチレングリコール                  10質量%
界面活性剤(オルフィンE1010 日信化学工業社)  0.1質量%
イオン交換水                    54.9質量%
以上の各組成物を混合、攪拌し、1μmフィルターでろ過し、本発明の水性顔料インクであるマゼンタインク2を調製した。該インク中の顔料の平均粒径は113nmであった。
【0122】
〔マゼンタインク3の調製:着色微粒子含有インク〕
(着色微粒子の調製)
5.0gのポリビニルブチラール(積水化学製BL−10、平均重合度250)、5.0gのマゼンタの染料1及び100gの酢酸エチルをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、攪拌して上記ポリビニルブチラール及びマゼンタ染料を完全に溶解させた。次いで、ラウリル硫酸ナトリウム1.0gを含む水溶液90gを滴下、撹拌した後、超音波分散機(UH−150型、株式会社エスエムテー製)を用いて、300秒間乳化した。次いで、乳化液を40℃に加温し、1.2×10Paに減圧しながら、2時間かけて酢酸エチルを除去し、マゼンタ染料を含浸するコア型の着色微粒子分散液を得た。
【0123】
次いで、コア型の着色微粒子分散液に、0.1gの過硫酸カリウムを加えて溶解し、ヒーターを付して70℃に加温した後、更に、3.75gのスチレン及び1.25gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートの混合液を滴下しながら7時間反応させてコアシェル型の着色微粒子分散液を得た。なお、着色微粒子の平均粒径は78nmであった。
【0124】
この着色微粒子の色材と樹脂の比率は1/1である。
【0125】
【化9】
Figure 2004051882
【0126】
Figure 2004051882
水を加えて、100質量%に仕上げて、マゼンタインク3を調製した。
【0127】
上記調製したマゼンタインク3の総固形分量は、70質量%である。
また、ガスクロマトグラフィーを用いて測定したSP値は18.6MPa1/2で、沸点が77.1℃の酢酸エチルの含有量は、0.01質量%であった。
【0128】
また、着色微粒子のゼータ電位を、ELS−800(大塚電子(株)製)を用いて測定した結果、−48mVであった。
【0129】
〔マゼンタインク4の調製:着色微粒子含有インク〕
上記マゼンタインク3の調製において、着色微粒子のコア型の着色微粒子分散液の調製の際に、酢酸エチルの除去条件として、40℃に加温し、1.2×10Paに減圧しながら、1時間かけて行った以外は同様にして、マゼンタインク4を調製した。
【0130】
調製したマゼンタインク4のガスクロマトグラフィーを用いて測定したSP値は18.6MPa1/2で、沸点が77.1℃の酢酸エチルの含有量は、0.30質量%であった。
【0131】
〔マゼンタインク5の調製:着色微粒子含有インク〕
上記マゼンタインク3の調製において、着色微粒子のコア型の着色微粒子分散液の調製の際に、酢酸エチルの除去条件として、40℃に加温し、1.2×10Paに減圧しながら、0.5時間かけて行った以外は同様にして、マゼンタインク5を調製した。
【0132】
調製したマゼンタインク5のガスクロマトグラフィーを用いて測定したSP値は18.6MPa1/2で、沸点が77.1℃の酢酸エチルの含有量は、1.28質量%であった。
【0133】
〔マゼンタインク6の調製:着色微粒子含有インク〕
上記マゼンタインク3の調製において、着色微粒子のコア型の着色微粒子分散液の調製の際に、酢酸エチルの除去条件として、40℃に加温し、1.2×10Paに減圧しながら、24時間かけて行った以外は同様にして、マゼンタインク6を調製した。
【0134】
調製したマゼンタインク6のガスクロマトグラフィーを用いて測定したSP値は18.6MPa1/2で、沸点が77.1℃の酢酸エチルの含有量は、0.0005質量%であった。
【0135】
〔マゼンタインク7の調製:着色微粒子含有インク〕
上記マゼンタインク3の調製において、ジエチレングリコールを5質量%、グリセリンを5質量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを20質量%に変更した以外は同様にして、マゼンタインク7を調製した。
【0136】
〔マゼンタインク8の調製:着色微粒子含有インク〕
上記マゼンタインク3の調製において、総固形分量が24質量%になるように仕上げ水の量を変更した以外は同様にして、マゼンタインク8を調製した。
【0137】
〔マゼンタインク9の調製:着色微粒子含有インク〕
上記マゼンタインク3の調製において、着色微粒子の調製条件として、マゼンタ染料1と樹脂の比率を2.5/1に変更した以外は同様にして、マゼンタインク9を調製した。
【0138】
〔マゼンタインク10の調製:着色微粒子含有インク〕
上記マゼンタインク3の調製において、着色微粒子の調製条件として、マゼンタ染料1と樹脂の比率を1/15に変更した以外は同様にして、マゼンタインク10を調製した。
【0139】
《マゼンタ画像の形成及び評価》
(画像形成)
上記調製した各マゼンタインクをインクカートリッジに収納した後、図1に記載の構成からなり、記録ヘッドのノズル面に、撥インク膜としてフッ素樹脂を有するインクジェットプリンター及びシリコーン樹脂を有するインクジェットプリンターを用いて画像を出力した。出力画像としては、出力濃度を0%から100%の間を16段階に分割したウェッジ画像(各濃度について3cm×3cmのパッチ状に出力)を、光沢紙であるコニカ(株)製インクジェットペーパー フォトライクQP上に印字した。
【0140】
(インク保存性の評価)
上記調製した各インクを容器に収納した後密封して、60℃で3週間保存して、インク液を目視観察し、下記の基準に従ってインク保存性の評価を行った。
【0141】
○:凝集沈殿物が全く認められない
△:凝集沈殿物が僅かに認められる
×:かなり粒子が凝集沈殿している
(吐出安定性の評価)
上記各インクを、上記インクジェットプリンターにより、10秒間連続吐出→一定時間休止→連続吐出の間欠動作を行った。この際、吐出休止後の最初で吐出方向の乱れが発生するか否かは休止時間の長さで決まるので、吐出休止時間の長さを段階的に変えることにより間欠吐出の安定性を測定し、以下の基準で評価した。尚、評価は環境温度23℃湿度55%RHで行った。
【0142】
○:21〜45秒休止しても安定に吐出した
△:6〜20秒休止しても安定に吐出した
×:5秒以下しか安定吐出しなかった
(色再現性の評価)
上記作成した各マゼンタ画像を、蛍光灯及び白熱灯下で目視観察を行い、以下の基準に則り色再現性の評価を行った。
【0143】
○:いずれの光源でも低濃度部から高濃度部まで鮮やかな色再現である
△:高濃度部では鮮やかだが、低濃度部では鮮やかさが足りないが許容の範囲にある
×:何れの光源でも鮮やかさが足りない
(耐水性の評価)
上記作成した各マゼンタ画像を、25℃の純水に1分間浸漬させたのち取り出し、乾燥させて、未処理サンプルに対する残存率を、下式により求め、下記に記載のランクに則り耐水性を評価した。
【0144】
耐水性(%)=(浸漬試料の主反射濃度/未処理試料の主反射濃度)×100
○:耐水性(%)が90%以上
△:耐水性(%)が65〜90%未満
×:耐水性(%)が65%未満
(耐光性の評価)
耐光性は、マゼンタウエッジ画像の反射濃度が約1.0のサンプル部を、キセノン・フェードメーターを用いて、70000lxで、240時間照射した後、反射濃度残存率{(キセノン・フェードメーター照射後の反射濃度/キセノン・フェードメーター照射前の反射濃度)×100(%)}を測定し、マゼンタ画像の反射濃度残存率を下記に示す基準に則り評価した。
【0145】
○:反射濃度残存率が90%以上
△:反射濃度残存率が65〜90%未満
×:反射濃度残存率が65%未満
以上により得られた結果を、表1に示す。
【0146】
【表1】
Figure 2004051882
【0147】
表1より明らかなように、本発明に係る構成からなるインクは、インク保存性、吐出安定性が良好で、かつ形成した画像の色再現性、耐水性及び耐光性に優れていることが分かる。
【0148】
また、表中には記載していないが、マゼンタインク6は、上記全ての項目において良好な結果を示したが、インク調製の際、酢酸エチルの含有量を、0.0005質量%とするために、長時間を要し、又除去に多大のエネルギーを費やし、コストパフォーマンスとしては著しく低い結果となった。
【0149】
実施例2
実施例1に記載の方法と同様にして、各色材を変更してイエローインク、シアンインク、ブラックインクを調製し、実施例1に記載の方法で各評価を行った結果、実施例1の結果と同様に、本発明の各インクは、比較例に対し、インク保存性、吐出安定性が良好で、かつ形成した画像の色再現性、耐水性及び耐光性に優れていることを確認することができた。
【0150】
【発明の効果】
本発明により、色再現性、耐水性、耐光性、分散安定性及び吐出安定性に優れ、かつ低コストのインクジェット記録用水性インクとその製造方法と、それを用いるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】記録ヘッドの一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
2 記録紙
3 記録ヘッド
4 キャリッジ
14 ノズル
15 ノズルプレート
151 撥インク性膜
16 吸引キャップ
17 ブレード

Claims (13)

  1. 水、沸点が150℃以上の水溶性有機溶剤及び少なくとも色材及び樹脂からなる着色樹脂微粒子を含有するインクジェット記録用水性インクにおいて、SP値が20MPa1/2以下で、かつ沸点が150℃未満の有機溶剤含有量が、0.001質量%以上、1.0質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
  2. SP値が20MPa1/2以下の有機溶剤の総計が、3〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用水性インク。
  3. 総固形分量が、20質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用水性インク。
  4. 前記着色樹脂微粒子の色材と樹脂との比率が、1/10〜2/1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  5. 前記着色樹脂微粒子のゼータ電位の絶対値が、20mV以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  6. 水、沸点が150℃以上の水溶性有機溶剤及び少なくとも色材及び樹脂からなる着色樹脂微粒子を含有するインクジェット記録用水性インクにおいて、SP値が20MPa1/2以下で、かつ沸点が100℃未満の有機溶剤含有量が、0.001質量%以上、1.0質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
  7. 前記着色樹脂微粒子が含有する樹脂のガラス転移温度(Tg)が、50℃以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  8. 前記着色樹脂微粒子が含有する樹脂の少なくとも1種が、スチレン単位を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インクの製造方法であって、色材又はモノマーを沸点が150℃未満の有機溶剤に溶解、分散した後、150℃未満の有機溶剤を減圧除去して着色樹脂微粒子を調製することを特徴とするインクジェット記録用水性インクの製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インクを、記録ヘッドのノズルより噴射し、記録材料上に画像を形成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 前記記録ヘッドの前面に、撥インク性膜を有し、該撥インク性膜がシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記記録ヘッドの前面に、撥インク性膜を有し、該撥インク性膜がフッ素樹脂であることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インクを用いて、光沢紙上に画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
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