JP2003313473A - インクジェット記録用水性インク及びインクジェット記録用水性インクセット - Google Patents

インクジェット記録用水性インク及びインクジェット記録用水性インクセット

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JP2003313473A
JP2003313473A JP2002119146A JP2002119146A JP2003313473A JP 2003313473 A JP2003313473 A JP 2003313473A JP 2002119146 A JP2002119146 A JP 2002119146A JP 2002119146 A JP2002119146 A JP 2002119146A JP 2003313473 A JP2003313473 A JP 2003313473A
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ink
fine particles
colored fine
water
polymer
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JP2002119146A
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English (en)
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Atsushi Asatake
敦 朝武
Hidetaka Ninomiya
英隆 二宮
Masaki Nakamura
正樹 中村
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、耐擦過性、酸化性ガス耐性
及びアルバム保存性に優れたインクジェット記録用水性
インク及びインクジェット記録用水性インクセットを提
供することにある。 【解決手段】 色材と樹脂とを含有した着色微粒子を含
有するインクジェット記録用水性インクにおいて、針状
比率(粒子の最大長/最小幅)が1.2〜3.0の着色
微粒子を20個数%以上含有することを特徴とするイン
クジェット記録用水性インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用水性インク及びインクジェット記録用水性インクセ
ットに関し、詳しくは、耐擦過性、アルバム保存性並び
に酸化性ガス耐性が改良されたインクジェット記録用水
性インク及びインクジェット記録用水性インクセットに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて記録媒体(以下、
記録メディアともいう)に付着させ、画像、文字等の記
録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が
容易であるという利点を有している。
【0003】また、近年の技術進歩により、染料インク
によるインクジェットプリントが、その銀塩写真に迫る
高画質や装置の低価格化に伴い、その普及を加速させて
いる。
【0004】染料は溶媒に可溶であり、色素分子は分子
状態もしくはクラスター状態で着色している。従って、
各分子の環境が似通っているために、その吸収スペクト
ルはシャープであり高純度で鮮明な発色を呈する。更
に、粒子に起因する粒状パターンがなく、また、散乱光
や反射光が発生しないため、透明感が高く色相も鮮明な
インクジェット画像を得ることができ、また色材粒子が
存在しないため耐擦過性に優れた特性を有している。
【0005】しかしその一方で、光化学反応等により分
子が破壊された場合には、分子数の減少がそのまま着色
濃度に反映するために、耐光性、褪色性が悪いという欠
点を有している。染料インクを用いたインクジェット記
録画像は、高画質であるが、経時保存による画像品質の
低下が大きく、画像保存性の観点で銀塩写真を凌駕する
技術が未だ現れていないのが現状である。
【0006】染料インクに対して、光による退色に強い
画像を必要とする用途向けのインクとして、耐光性が良
好である顔料を着色剤として用いる顔料インクが使用さ
れている。しかしながら、顔料は染料と比べて顔料粒子
として存在するため、光の散乱を受けやすく、透明感の
ない画像を与えるので、色再現性の点で染料には及ばな
い欠点があった。
【0007】上述のように、染料インクは、光沢性、透
明性、耐擦過性に優れた点を有しているものの、耐光
性、褪色性、滲み耐性に劣り、逆に、顔料インクは、耐
光性、褪色性、画像滲み耐性に優れているものの、光沢
性、透明性、耐擦過性に劣るという相反する特性であ
る。
【0008】前記の水溶性染料を用いた水性インクの優
れた色再現性、透明性を維持しつつ、耐水性、耐光堅牢
性の低い問題を解決するため、油溶性染料、疎水性染料
等により水分散性樹脂を着色する方法の提案がインクジ
ェット記録用水性インクとしてなされている。
【0009】例えば、特開2001−11347、特開
2001−19880では、染料と金属イオンとの配位
化合物を含有する着色微粒子から構成されるインクが提
案されており、優れた耐光性を実現している。また、特
開2001−240763、同2001−31660
5、同2001−335734では、特定構造の油溶性
染料を含有する着色微粒子から構成されるインクが提案
されており、良好な色再現性、画像保存性、安定な出射
特性を実現している。
【0010】しかしながら、本発明者らが上記特許の記
載内容に従い追試を行ったところ、これらのインクを用
いた場合、上記の効果は得られるものの、耐擦過性及び
画像保存性(特には、アルバム保存性、酸化性ガス耐
性)に関しては、要求される品質に対しては未だ不十分
な性能であることが判明した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
鑑みてなされたものであり、その目的は、耐擦過性、酸
化性ガス耐性及びアルバム保存性に優れたインクジェッ
ト記録用水性インク及びインクジェット記録用水性イン
クセットを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記の構成により達成された。
【0013】1.色材と樹脂とを含有した着色微粒子を
含有するインクジェット記録用水性インクにおいて、針
状比率(粒子の最大長/最小幅)が1.2〜3.0の着
色微粒子を20個数%以上含有することを特徴とするイ
ンクジェット記録用水性インク。
【0014】2.前記色材が、油溶性染料であることを
特徴とする前記1項記載のインクジェット記録用水性イ
ンク。
【0015】3.前記着色微粒子の体積平均粒子径が、
5〜100nmであることを特徴とする前記1又は2項
に記載のインクジェット記録用水性インク。
【0016】4.前記着色微粒子が、コアシェル構造を
有していることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1
項に記載のインクジェット記録用水性インク。
【0017】5.色材と樹脂とを含有した着色微粒子を
含有するイエローインク、マゼンタインク、シアンイン
ク及びブラックインクより構成されるインクジェット記
録用水性インクセットにおいて、少なくとも1色のイン
クが、針状比率(粒子の最大長/最小幅)が1.2〜
3.0の着色微粒子を20個数%以上含有することを特
徴とするインクジェット記録用水性インクセット。
【0018】6.少なくともマゼンタインクとシアンイ
ンクが、濃度の異なる2種類のインクにより構成されて
いることを特徴とする前記5項に記載のインクジェット
記録用水性インクセット。
【0019】本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討し
た結果、インクジェット記録用水性インク(以降、単に
インクともいう)中に含まれる着色微粒子の形状が、耐
擦過性、画像保存性に大きく影響していることを見いだ
した。すなわち、インク中に含まれる着色微粒子の形状
が真円に近いと、耐擦過性やアルバム耐性、酸化性ガス
耐性といった画像保存性が劣化しやすいことが判明し、
着色微粒子形状として、真円から外れる形状、すなわち
本発明で規定する針状比率(粒子の最大長/最小幅)が
1.2〜3.0の着色微粒子を20個数%以上含有する
ことにより、上記性能が改良されることを見いだし、本
発明に至った次第である。
【0020】本発明の構成による効果発現の理由に関し
ては、以下のように推定している。インクを構成する着
色微粒子は、印字の際に記録メディア表面あるいは内部
で、粒子同士および粒子とメディアとの間で固着し、定
着されるものと考えられる。しかしながら、従来のイン
クを用いた場合、その着色微粒子の真円度が高いため、
粒子同士あるいは粒子とメディアとの間の接触面積が小
さく、固着力が弱くなりやすい。そのため、外部から力
が加わると容易に結合が壊れ、メディア表面より脱着し
てしまうと推定している。
【0021】一方、本発明で規定する針状比率からなる
真円から外れている着色微粒子を用いた場合には、粒子
同士あるいは粒子とメディアとの間の接触面積が増大す
るため、その間の結合力が強くなり、容易に脱着しなく
なることが考えられる。
【0022】また、これは本発明者らも予想しなかった
ことであるが、着色微粒子が真円から外れることによ
り、酸化性のガスによる褪色を抑制できることが判明し
た。これはあくまでも推測であるが、以下のように考え
ている。すなわち、着色微粒子が真円から外れるため粒
子同士あるいは粒子とメディアとの間の接触面積が増大
する。そのため外気との接触面積が小さくなり、外気中
に含まれる酸化性ガスとの接触機会が抑制され、そのた
め褪色しにくくなるものと考えられる。
【0023】請求項1、5に係る発明においては、イン
クジェット記録用水性インク又はインクジェット記録用
水性インクセットが、針状比率(粒子の最大長/最小
幅)が1.2〜3.0の着色微粒子を20個数%以上含
有することが特徴である。
【0024】本発明でいう針状比率は、下記に記載の方
法で求めることができる。具体的には、着色微粒子を含
むインクを、色材濃度として0.01%になるように適
当な溶媒で希釈した後、グロー放電により親水化された
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に滴下し乾燥さ
せる。
【0025】着色微粒子が搭載されたフィルムは、真空
蒸着装置にてフィルム面に対して30°の角度から厚さ
として3nmのPt−Cを電子ビームにより斜め蒸着し
た後、観察に使用することが好ましい。
【0026】その他、電子顕微鏡観察技法、および試料
作製方法の詳細については「日本電子顕微鏡学会関東支
部編/医学・生物学電子顕微鏡観察法」(丸善)、「日
本電子顕微鏡学会関東支部編/電子顕微鏡生物試料作製
法」(丸善)をそれぞれ参考にすることができる。
【0027】作製された試料は、電界放射型走査電子顕
微鏡(以下FE−SEMと称す)を用いて加速電圧2〜
4kV、倍率として5000〜20000倍にて、着色
微粒子の二次電子像を観察し、適当な記録媒体への画像
保存を行う。
【0028】上記処理のためには、電子顕微鏡本体から
の画像信号をAD変換し直接メモリ上にデジタル情報と
して記録可能な装置を用いるのが便利であるが、ポラロ
イド(登録商標)フィルムなどに記録されたアナログ画
像もスキャナなどでデジタル画像に変換し、シェーディ
ング補正、コントラスト・エッジ強調などを必要に応じ
施すことにより使用することができる。
【0029】適当な媒体に記録された画像は、画像1枚
を少なくとも1024画素×1024画素、好ましくは
2048画素×2048画素以上に分解し、コンピュー
タによる画像処理を行うことが好ましい。
【0030】上記記載の画像処理の手順としては、ま
ず、ヒストグラムを作製し、2値化処理によって着色微
粒子に相当する箇所を抽出する。やむを得ず凝集した粒
子は適当なアルゴリズムまたはマニュアル操作にて切断
し、輪郭抽出を行う。その後、各粒子の最大長(MX
LNG)および2本の平行線で挟んだ際の最小幅すなわ
ちフェレ径最小幅(WIDTH)を少なくとも1000
個の着色微粒子に関して各々測定し、各粒子ごとに下記
式にて針状比率を求める。
【0031】 針状比率=(MX LNG)/(WIDTH) 上記手順で計測を行う際には、あらかじめ、標準試料を
用いて、1画素あたりの長さ補正(スケール補正)およ
び計測系の2次元ひずみの補正を十分に行うことが好ま
しい。標準試料としては、米国ダウケミカル社より市販
されるユニフォーム・ラテックス・パーティクルス(D
ULP)が適当であり、0.1ないし0.3μmの粒径
に対して10%未満の変動係数を有するポリスチレン粒
子が好ましく、具体的には粒子径0.212μm、標準
偏差0.0029μmというロットが入手可能である。
【0032】画像処理技術の詳細は「田中弘編 画像処
理応用技術(工業調査会)」を参考にすることができ、
画像処理プログラムまたは装置としては上記操作が可能
なのであれば特に限定はされないが、一例としてニレコ
社製Luzex−IIIが挙げられる。
【0033】本発明のインクジェット記録用水性インク
においては、針状比率(着色微粒子の最大長/最小幅)
が1.2〜3.0の着色微粒子を20個数%以上含有し
ていることが特徴であるが、好ましくは40〜100個
数%、より好ましくは60〜100個数%である。ま
た、着色微粒子の針状比率の平均値は、1.2〜3.0
であることが特徴であるが、好ましくは1.2〜2.5
である。
【0034】上記規定する針状比率を有する着色微粒子
を用いることにより、耐擦過性、アルバム保存性及び酸
化性ガス耐性に優れた画像を得ることができる。
【0035】本発明において、上記で規定する針状比率
を有する着色微粒子を得る方法としては、特に制限はな
いが、例えば、着色微粒子調製時の製造条件を最適化す
ることにより、所望の針状比率を有する着色微粒子を得
ることができる。
【0036】次いで、本発明のインクジェット記録用水
性インクとインクジェット記録用水性インクセットの詳
細について説明する。
【0037】本発明で用いることのできる樹脂(以下、
ポリマーともいう)としては、一般に知られているポリ
マーから適宜選択して使用することが可能であるが、特
に好ましいポリマーは、主な官能基としてアセタール基
を含有するポリマー、炭酸エステル基を含有するポリマ
ー、水酸基を含有するポリマー、および、エステル基を
有するポリマーであり、特に最表部のシェル部分を構成
するポリマーは、水酸基を有していることが好ましい。
上記のポリマーは、置換基を有していてもよく、その置
換基は直鎖状、分岐、あるいは環状構造をとっていても
よい。また、上記の官能基を有するポリマーは、各種の
ものが市販されているが、常法によって合成することも
できる。また、これらの共重合体は、例えば、1つのポ
リマー分子中にエポキシ基を導入しておき、後に他のポ
リマーと縮重合させたり、光や放射線を用いてグラフト
重合を行っても得られる。
【0038】主な官能基としてアセタールを含有するポ
リマーとして好ましくは、ポリビニルブチラール樹脂を
挙げることができる。例えば、電気化学工業株式会社製
の#2000−L、#3000−1、#3000−2、
#3000−4、#3000−K、#4000−1、#
4000−2、#5000−A、#6000−C、#6
000−EP、あるいは積水化学工業製のBL−1、B
L−1H、BL−2、BL−2H、BL−5、BL−1
0、BL−S、BL−SH、BX−10、BX−L、B
M−1、BM−2、BM−5、BM−S、BM−SH、
BH−3、BH−6、BH−S、BX−1、BX−3、
BX−5、KS−10、KS−1、KS−3、KS−5
などがある。
【0039】ポリビニルブチラール樹脂は、PVA(ポ
リビニルアルコール)の誘導体として得られるが、もと
のPVAの水酸基のアセタール化は最大でも80mol
%程度であり、通常は50mol%から、80mol%
程度である。なお、ここで言うアセタールは狭義の1,
1−ジエトキシエタン基を指すのではなく、オルトアル
デヒドとの化合物一般を指す。水酸基については、特に
規定はないが、最表部のシェル部分を構成するポリマー
では、水酸基を含有するモノマーが5〜50mol%で
あることが好ましく、さらに好ましくは10〜30mo
l%である。また、アセチル基の含有率に特に規定はな
いが、10mol%以下であることが好ましい。主な官
能基としてアセタールを含有するポリマーとは、ポリマ
ー中に含まれる酸素原子のうち、少なくとも30mol
%以上がアセタール基を形成していることをいう。
【0040】他に主な官能基としてアセタールを含有す
るポリマーとして、三菱エンジニアリングプラスチック
ス株式会社製のユピタールシリーズなども使用可能であ
る。
【0041】主な官能基として炭酸エステルを含有する
ポリマーとしては、ポリカーボネート樹脂が挙げられ
る。たとえば、三菱エンジニアリングプラスチックス株
式会社製のユーピロンシリーズ、ノバレックスシリーズ
がある。ユーピロンシリーズはビスフェノールAを原料
として作られており、測定法によってその値は異なるが
各種の分子量のものを用いることができる。ノバレック
スシリーズでは分子量が2〜3万、ガラス転移点150
℃付近のものを用いることができるが、これらに限るも
のではない。
【0042】主な官能基として炭酸エステル基を含有す
るポリマーとは、ポリマー中に含まれる酸素原子のう
ち、少なくとも30mol%以上が炭酸エステル基の形
成に寄与していることをいう。
【0043】主な官能基として水酸基を含有するポリマ
ーとしては、たとえば、PVAがあげられる。PVAの
有機溶剤への溶解度は小さいものが多いが、けん化価の
小さいPVAであれば、有機溶剤への溶解度は上昇す
る。水溶性が高いPVAは水相中に添加しておき有機溶
剤除去後に、ポリマーのサスペンションに吸着させるよ
うにして使用することもできる。
【0044】PVAとしては市販のものを用いることが
でき、たとえば、クラレのポバールPVA−102、P
VA−117、PVA−CSA、PVA−617、PV
A−505などのほか、特殊銘柄のサイズ剤用PVA、
熱溶融成形用PVA、その他機能性ポリマーとして、K
L−506、C−118、R−1130、M−205、
MP−203、HL−12E、SK−5102、などを
用いることができる。けん化度は50mol%以上のも
のが一般的であるが、LM−10HDのように40mo
l%程度であっても、これを用いることは可能である。
このようなPVA以外でも主な官能基として水酸基を有
するものが使用可能であるが、ポリマー中に含まれる酸
素原子のうち少なくとも20mol%以上が水酸基を形
成しているものが使用可能である。
【0045】主な官能基としてエステル基を含有するポ
リマーとしては、たとえばメタクリル樹脂が挙げられ
る。旭化成製デルペットシリーズの560F、60N、
80N、LP−1、SR8500、SR6500などを
用いることができる。主な官能基としてエステル基を含
有するポリマーとは、ポリマー中に含まれる酸素原子の
うち、少なくとも30mol%以上がエステル基を形成
していることをいう。
【0046】また、本発明では、エチレン性不飽和結合
を有するモノマーを重合して調製できるビニル系樹脂も
好ましく用いることができ、スチレン樹脂、アクリル系
樹脂も好ましく用いることができる。用いることのでき
る樹脂としては、例えば、スチレン、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキ
シル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の単量体
をラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等の既存
の方法で重合して用いることができる。
【0047】これらのポリマーをそれぞれ1種ないし2
種以上を混合して用いてもよい。また、これらのポリマ
ーが質量比で50%以上含まれていれば、他のポリマー
や無機物のフィラーが含有されていてもよい。
【0048】これらのポリマーの共重合体を用いること
も好ましいが、たとえば水酸基を含有するポリマーと、
各種のポリマーを共重合させる方法として、水酸基をグ
リシジルメタクリレートのようなエポキシ基を有するモ
ノマーと反応させ、その後、懸濁重合でメタクリル酸エ
ステルモノマーと共重合させ、得ることができる。
【0049】本発明のインクにおいては、着色微粒子に
用いられるポリマーは、該インク中に0.5〜50質量
%配合されることが好ましく、0.5〜30質量%配合
されることが更に好ましい。上記ポリマーの配合量が
0.5質量%に満たないと、色材の保護能が十分でな
く、50質量%を超えると、サスペンションのインクと
しての保存安定性が低下したり、ノズル先端部でのイン
ク蒸発に伴うインクの増粘やサスペンションの凝集が起
こることによってプリンタヘッドの目詰りが起こる場合
があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0050】次いで、本発明に係る着色微粒子について
説明する。本発明に係る着色微粒子は、各種の方法で調
製することができる。例えば、モノマー中に油溶性色材
を溶解させ、水中で乳化後、重合によりポリマー中に色
材を封入する方法、ポリマーと色材を有機溶剤中に溶解
し、水中で乳化した後有機溶剤を除去する方法、色材溶
液に多孔質のポリマー微粒子を添加し、色材を微粒子に
吸着、含浸させる方法等が挙げられ、更に、それらの着
色微粒子をポリマーで被覆するシェル化法も用いること
ができるが、請求項4に係る発明においては着色微粒子
がコアシェル構造を有していることが好ましい。
【0051】ポリマーシェルを設ける方法としては、コ
アの水系サスペンションに水溶性のポリマー分散剤を添
加し吸着させる方法、モノマーを徐々に滴下し、重合と
同時にコア表面に沈着させる方法、あるいは、有機溶剤
に溶解したポリマーを徐々に滴下し、析出と同時にコア
表面に吸着させる方法などがある。更に一段階でコアシ
ェル形成する方法も考えられる。例えば、コアとなるポ
リマーと染料をシェルとなるポリマーと共に加熱、溶解
後、水中で懸濁して重合する方法や、その液を活性剤ミ
セルを含有する水中に徐々に滴下しながら乳化重合して
いく方法などがある。あるいは、重合後にコアとなりう
るモノマーとシェルとなりうるモノマーに染料を溶解ま
たは分散し、懸濁重合あるいは乳化重合する方法があ
る。
【0052】本発明に係る着色微粒子は、シェル化した
ものでなくても、シェル化したものでも、特に制限はな
いが、発明の効果から考えて、着色微粒子が、色材を含
有した樹脂の表面を更に樹脂で被覆したコアシェル構造
であることが好ましい。その場合、シェルに用いられる
ポリマー量が、総ポリマー量の5質量%以上95質量%
以下であることが好ましい。5質量%より少ないとシェ
ルの厚みが不十分で、色材を多く含有するコアの一部が
粒子表面に現れ易くなる。また、シェルのポリマーが多
すぎると、コアポリマー量が相対的に減少し、色材保護
機能の低下を起こし易い。さらに好ましくは10質量%
以上90質量%以下である。
【0053】色材は、総ポリマー量に対して20質量%
以上1000質量%以下であることが好ましい。色材が
ポリマーに比して少なすぎると、吐出後の画像濃度が上
がらず、また、色材の比率が高いとポリマーの保護能が
十分に得られない。
【0054】また、本発明においては、コア部分に疎水
性高沸点有機溶媒を単独で、あるいはポリマーと併用し
て着色微粒子を形成することができる。単独で用いる場
合には、上述の着色微粒子の調製及びポリマーシェルを
設ける方法において、コア部分のポリマーを置き換える
ことで達成できる。また、ポリマーと併用する場合に
は、コアポリマーと同時に用いることで、着色微粒子を
調製することができる。
【0055】(コアシェル化の評価)本発明において
は、実際にコアシェル化されているかの評価が重要であ
る。本発明においては、個々の粒子径が150nm以下
と非常に微小であるため、分析方法は分解能の観点から
限られる。このような目的に沿う分析方法としては、透
過型電子顕微鏡(TEM)や飛行時間型二次イオン質量
分析装置(TOF−SIMS)などが適用できる。TE
Mによりコアシェル化した着色微粒子を観察する場合、
カーボン支持膜上に分散体を塗布、乾燥させ観察するこ
とができる。TEMの観察像は、通常モノクロであるた
め、コアシェル化されているかどうかを評価するため
に、着色微粒子を染色する必要がある。コアだけの着色
微粒子を染色しそのTEM観察を行い、シェルを設けた
ものと比較する。さらに、シェルを設けた微粒子と設け
ていない微粒子を混合し、染色し、染色度合いの異なる
微粒子の割合がシェルの有無に一致しているかの確認を
行う。TOF−SIMSでは、粒子表面にシェルを設け
ることで表面近傍の染料がコアだけの時よりも減少して
いることを確認する。色材にコアシェルのポリマーに含
有されていない元素がある場合、その元素をプローブと
して色材含有量の少ないシェルが設けられたかを確認す
ることができる。そのような元素がない場合、適当な染
色剤を用いてシェル中の色材含有量がシェルを設けてい
ないものと比較することができる。コアシェル粒子をエ
ポキシ樹脂内に包埋し、ミクロトームで超薄切片を作
製、染色を行うことでコアシェル化はより明瞭に観察で
きる。ポリマーや、染料にプローブとなりうる元素があ
る場合、TEMによってコアシェルの組成、染料のコア
とシェルへの分布量を見積もることもできる。
【0056】請求項3に係る発明においては、着色微粒
子の体積平均粒子径は、5〜100nmであることが好
ましく、より好ましくは5〜80nm、特に好ましくは
5〜50nmであり、本発明で規定する体積平均粒子径
とすることにより、本発明の効果をいかんなく発揮する
ことができ好ましい。
【0057】体積平均粒子径の測定は、例えば、光散乱
法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販
の粒径測定機器により求めることができ、具体的粒径測
定装置としては、例えば、島津製作所製のレーザー回折
式粒径測定装置SLAD1100、粒径測定機(HOR
IBA LA−920)、マルバーン社製ゼータサイザ
ー1000等を挙げることができる。
【0058】次いで、本発明に係る色材について説明す
る。本発明においては、上記ポリマーによって封入され
る色材としてインクジェットで公知の各種染料又は顔料
を用いることができるが、本発明においては、色材とし
て染料を用いることが好ましく、本発明で用いることの
できる染料として、特に制限はなく、油性染料、分散染
料、直接染料、酸性染料及び塩基性染料等の例を挙げる
ことができるが、請求項2に係る発明においては、油溶
性染料を用いることが好ましい。
【0059】色相としてはイエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラック、ブルー、グリーン、レッドが好ましく用
いられ、特に、イエロー油溶性染料、マゼンタ油溶性染
料、シアン油溶性染料、ブラック油溶性染料を各々用い
ることが好ましい。油溶性染料の中には、水溶性染料を
長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料も含
まれる。油性染料としては、以下に限定されるものでは
ないが、特に好ましい具体例としては、例えば、オリエ
ント化学工業株式会社製 Valifast Yell
ow 4120、Valifast Yellow 3
150、Valifast Yellow 3108、
Valifast Yellow 2310N、Val
ifast Yellow 1101、Valifas
t Red 3320、Valifast Red 3
304、Valifast Red 1306、Val
ifast Blue 2610、Valifast
Blue 2606、Valifast Blue 1
603、Oil Yellow GG−S、OilYe
llow 3G、Oil Yellow 129、Oi
l Yellow107、Oil Yellow 10
5、Oil Scarlet 308、Oil Red
RR、Oil Red OG、Oil Red 5
B、OilPink 312、Oil Blue BO
S、Oil Blue 613、Oil Blue 2
N、Oil Black BY、Oil Black
BS、Oil Black 860、Oil Blac
k 5970、Oil Black 5906、Oil
Black 5905、日本化薬株式会社製 Kay
aset Yellow SF−G、Kayaset
Yellow K−CL、Kayaset Yello
w GN、Kayaset Yellow A−G、K
ayaset Yellow 2G、Kayaset
Red SF−4G、Kayaset Red K−B
L、Kayaset Red A−BR、Kayase
tMagenta312、Kayaset Blue
K−FL、有本化学工業株式会社製 FS Yello
w 1015、FS Magenta 1404、FS
Cyan 1522、FS Blue 1504、
C.I.Solvent Yellow 88、Sol
vent Yellow 83、Solvent Ye
llow 82、Solvent Yellow 7
9、Solvent Yellow 56、Solve
nt Yellow 29、Solvent Yell
ow 19、Solvent Yellow 16、S
olvent Yellow 14、Solvent
Yellow 04、Solvent Yellow
03、Solvent Yellow 02、Solv
ent Yellow 01、C.I.Solvent
Red84:1、C.I.Solvent Red
84、C.I.SolventRed 218、C.
I.Solvent Red 132、C.I.Sol
vent Red 73、C.I.Solvent R
ed 72、C.I.Solvent Red 51、
C.I.Solvent Red 43、C.I.So
lvent Red 27、C.I.Solvent
Red 24、Solvent Red 18、Sol
vent Red 01、SolventBlue 7
0、Solvent Blue 67、Solvent
Blue44、Solvent Blue 40、S
olvent Blue 35、Solvent Bl
ue 11、 Solvent Blue 02、So
lvent Blue 01、Solvent Bla
ck 43、C.I.Solvent Black 7
0、C.I.Solvent Black 34、C.
I.Solvent Black 29、C.I.So
lvent Black 27、C.I.Solven
t Black 22、C.I.Solvent Bl
ack 7、C.I.Solvent Black
3、C.I.Solvent Violet 3、C.
I. Solvent Green3及び7等が挙げら
れる。
【0060】また、特開平9−277693号、同10
−20559号、同10−30061号に示されるよう
な、金属錯体色素も好ましく用いられ、好ましい構造と
しては下記一般式〔I〕で表されるものである。
【0061】一般式〔I〕 M(Dye)l(A)m
中、Mは金属イオンを表し、Dyeは金属と配位結合可
能な色素を表す。Aは色素以外の配位子を表し、lは1
ないし3、mは0、1、2、3を表す。mが0のときl
は2または3を表し、その場合Dyeは同種でも異なっ
ていてもよい。Mで表される金属イオンとしては、例え
ば、Al、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Mo、N
i、Sn、Ti、Pt、Pd、Zr及びZnのイオンが
挙げられる。色調、各種耐久性からNi、Cu、Cr、
Co、Zn、Feのイオンが特に好ましい。更に好まし
くはNiイオンである。
【0062】Aで表される色素以外の配位子としては、
一価または二価の配位子を表し、例えば、ハロゲン化物
イオンやカルボン酸誘導体、あるいは下記一般式〔A〕
で表されるものを挙げることができる。
【0063】
【化1】
【0064】一般式〔A〕において、RAはシアノ基、
アシル基、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキ
ルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
またはヘテロ環基を表す。RBはアルキル基、シクロア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
アラルキル基、またはヘテロ環基を表す。Xはシアノ
基、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキ
シカルボニル基、またはアリールオキシカルボニル基を
表す。
【0065】Dyeで表される金属と配位結合可能な色
素としては種々の色素構造が考えられるが、共役メチン
色素、アゾメチン色素、アゾ色素骨格に配位基を有する
ものが好ましい。
【0066】分散染料としては、以下に限定されるもの
ではないが、特に好ましい具体例としては、C.I.デ
ィスパーズイエロー5、42、54、64、79、8
2、83、93、99、100、119、122、12
4、126、160、184:1、186、198、1
99、204、224及び237;C.I.ディスパー
ズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、
55、66、73、118、119及び163;C.
I.ディスパーズレッド54、60、72、73、8
6、88、91、92、93、111、126、12
7、134、135、143、145、152、15
3、154、159、164、167:1、177、1
81、204、206、207、221、239、24
0、258、277、278、283、311、32
3、343、348、356及び362;C.I.ディ
スパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブル
ー56、60、73、87、113、128、143、
148、154、158、165、165:1、16
5:2、176、183、185、197、198、2
01、214、224、225、257、266、26
7、287、354、358、365及び0368;並
びにC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等が挙
げられる。
【0067】また、染料として、下記一般式(1)〜
(3)で表される染料も好ましく用いることができる。
【0068】
【化2】
【0069】上記一般式(1)〜(3)において、X1
はハロゲン化銀カラー写真感光材料で用いられるカプラ
ー残基を表し、好ましくは、アセトアニリド、5−ピラ
ゾロン、イミダゾール、ピラゾロピロール、ピラゾロイ
ミダゾール、ピラゾロトリアゾール、ピラゾロテトラゾ
ール、ピラゾロピリミジン−7−オン、バルビツール
酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、
チオヒダントイン、オキサゾロン、イソオキサゾロン、
インダンジオン、ピラゾリジンジオン、オキサゾリジン
ジオン、ヒドロキシピリドン、ピラゾロピリドン、シク
ロヘキサジエノン、フェノール、ナフトールの誘導体を
挙げることができる。nは0、1又は2を表す。
【0070】Yは5〜6員の芳香族炭素環基又は複素環
基を表し、好ましくは、ベンゼン、ピリジン、ピロー
ル、チアゾール、オキサゾール、フラン、チオフェンの
誘導体を表す。
【0071】R1、R2及びR3は各々、水素原子、ハロ
ゲン原子又は1価の置換基を表し、R1、R2及び3が表
す1価の置換基としては、例えば、アルキル基、シクロ
アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミ
ド基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル
基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基
及びアミノ基等が挙げられる。
【0072】上記各一般式の中でも、一般式(1)又は
(3)で表される染料が好ましく、一般式(3)で表さ
れる染料がより好ましい。また、nは0の染料が好まし
い。
【0073】以下に、本発明に好ましく用いられる染料
の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0074】
【化3】
【0075】
【化4】
【0076】
【化5】
【0077】
【化6】
【0078】
【化7】
【0079】
【化8】
【0080】顔料としては以下に限定されるものではな
いが、好ましい具体例として、カーボンブラック顔料と
しては三菱化成社製No.2300、No.900、M
CF−88、No.33、No.40、No.45、N
o.52、MA7、MA8、MA100、No.220
0B、コロンビア社製Raven 700、Raven
5750、Raven 5250、Raven 50
00、Raven 3500、Raven 1255、
キャボット社製Regal 400R、Regal 3
30R、Regal 660R、Mogul L、Mo
narch 700、Monarch 800、Mon
arch 880、Monarch 900、Mona
rch 1000、Monarch 1100、Mon
arch1300、Monarch 1400、デグサ
社製Color BlackFW1、Color Bl
ack FW2、Color Black FW2V、
Color Black FW18、Color Bl
ack FW200、Color Black S15
0、Color Black S160、Color
Black S170、Printex 35、Pri
ntex U、Printex V、Printex
140U、Printex 140V、Special
Black 6、Special Black 5、
Special Black 4A、Special
Black 4、関西熱化学(株)社製マックスソーブ
G−40、マックスソーブ G−15、マックスソー
ブG−08等を使用することが出来る。
【0081】イエロー顔料としては、C.I.Pigm
ent Yellow 1、C.I.Pigment
Yellow 2、C.I.Pigment Yell
ow3、C.I.Pigment Yellow 1
2、C.I.PigmentYellow 13、C.
I.Pigment Yellow 14、C.I.P
igment Yellow 16、C.I.Pigm
ent Yellow 17、C.I.Pigment
Yellow 73、C.I.Pigment Ye
llow 74、C.I.Pigment Yello
w 75、C.I.Pigment Yellow 8
3、C.I.Pigment Yellow 93、
C.I.Pigment Yellow 95、C.
I.Pigment Yellow 97、C.I.P
igment Yellow 98、C.I.Pigm
ent Yellow 114、C.I.Pigmen
tYellow 128、C.I.Pigment Y
ellow 129、C.I.Pigment Yel
low 151、C.I.Pigment Yello
w 154、マゼンタ顔料としては、C.I.Pigm
ent Red 5、C.I.Pigment Red
7、C.I.Pigment Red 12、C.
I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.
Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pi
gment Red 57(Ca)、C.I.Pigm
ent Red 57:1、C.I.Pigment
Red 112、C.I.Pigment Red 1
23、C.I.Pigment Red 168、C.
I.Pigment Red 184、C.I.Pig
ment Red202、シアン顔料としては、C.
I.Pigment Blue 1、C.I.Pigm
ent Blue 2、C.I.Pigment Bl
ue 3、C.I.Pigment Blue 15:
3、C.I.Pigment Blue 15:34、
C.I.Pigment Blue 16、C.I.P
igmentBlue 22、C.I.Pigment
Blue 60、C.I.VatBlue 4、C.
I.Vat Blue 60、等が挙げられる本発明に
係る着色微粒子は、インク中に固形分量として3〜20
質量%配合されることが好ましく、3〜15質量%配合
されることが更に好ましい。上記着色微粒子の配合量が
3質量%に満たないと印字濃度が不十分であり、20質
量%を超えるとサスペンションの経時安定性が低下し、
凝集等による粒子径増大の傾向があるので、上記範囲内
とすることが好ましい。
【0082】本発明で用いることのできる水性溶媒とし
ては、特に制限はないが、下記一般式〔II〕で表される
化合物を用いることが好ましい。
【0083】一般式〔II〕 A−B 式中、Aは親水性置換基を含む基を表し、Bは疎水性基
を表す。
【0084】ここでAで表される基は、親水性置換基を
含む基であり、親水性置換基としてはヒドロキシ基、カ
ルボキシル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホン
酸基、2−ケト−1−ピロリジニル基等が挙げられる。
中でもヒドロキシ基が好ましい。
【0085】Bは疎水性基を表し、好ましくは炭素原子
数3〜10の脂肪族あるいは芳香族炭化水素基である。
さらにBは炭素原子数4〜8の脂肪族基であることが好
ましい。
【0086】前記一般式〔II〕で表される化合物は一般
的な界面活性剤と類似の構造を有している。一般的な界
面活性剤は水溶液中で、低濃度でミセルを形成する特徴
を示す。
【0087】一般式〔II〕で表される化合物は、このよ
うなミセル形成能力を有していないことが好ましい。こ
れはミセル形成能を有する場合、分子間の相互作用が強
いため、1%を超え濃度が上昇すると、インクの粘度を
著しく増加させてしまう欠点があるためである。
【0088】本発明で用いることのできる水性溶媒とし
ては、水溶性の有機溶媒が好ましく、具体的には、アル
コール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノー
ル、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノー
ル、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノー
ル、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオー
ル、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類
(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロ
ピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエー
テル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジ
エタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モ
ルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、
ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラ
エチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチ
ルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジア
ミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル
−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリド
ン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチル
スルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン
等)、スルホン酸塩類(例えば1−ブタンスルホン酸ナ
トリウム塩等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等を
挙げることができるが、水性溶媒の少なくとも1種が、
多価アルコールエーテル類または多価アルコール類であ
ることが好ましく、より好ましくは、多価アルコールエ
ーテル類としては、エチレングリコールモノブチルエー
テル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルであ
り、多価アルコール類としては1,2−ヘキサンジオー
ル、あるいは1,2−ペンタンジオールであり、特に好
ましくは、トリエチレングリコールモノブチルエーテル
あるいは1,2−ヘキサンジオールである。
【0089】本発明において、水性溶媒の含有量として
は、インク総質量に対し10質量%以上60質量%以下
であることが好ましく、より好ましくは20〜50質量
%である。
【0090】本発明のインクは、水を媒体とし、上記色
材を封入したポリマーのサスペンションからなり、該サ
スペンションには、前述の水性溶媒の他に、従来公知の
各種添加剤、例えば、分散剤、シリコーン系等の消泡
剤、クロロメチルフェノール系等の防黴剤及び/又はE
DTA等のキレート剤、又、亜硫酸塩等の酸素吸収剤等
が含有されていてもよい。
【0091】分散剤としては、特に制限されるものでは
ないが、そのHLB値が8〜18であることが、分散剤
としての効果が発現し、サスペンションの粒子径の増大
抑制効果がある点から好ましい。
【0092】分散剤として市販品も使用することができ
る。そのような市販品としては、例えば花王(株)製の
分散剤デモールSNB、MS、N、SSL、ST、P
(商品名)が挙げられる。
【0093】分散剤の配合量に特に制限はないが、本発
明のインクジェット用インク中に、0.01〜10質量
%配合されることが好ましい。該化合物の配合量が0.
01質量%に満たないとサスペンションの小粒径化が困
難であり、10質量%を超えるとサスペンションの粒子
径が増大したりサスペンション安定性が低下し、ゲル化
するおそれがあるので、上記範囲内とすることが好まし
い。
【0094】また、上記消泡剤としては、特に制限な
く、市販品を使用することができる。そのような市販品
としては、例えば信越シリコーン社製のKF96、6
6、69、KS68、604、607A、602、60
3、KM73、73A、73E、72、72A、72
C、72F、82F、70、71、75、80、83
A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品
名)等が挙げられる。これら化合物の配合量に特に制限
はないが、本発明の着色微粒子含有のインク中に、0.
001〜2質量%配合されることが好ましい。該化合物
の配合量が0.001質量%に満たないとインク調製時
に泡が発生し易く、又、インク内での小泡の除去が難し
く、2質量%を超えると泡の発生は抑えられるものの、
印字の際、インク内でハジキが発生し印字品質の低下が
起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好まし
い。
【0095】次に、本発明のインクの製造方法について
説明する。本発明のインクは、各種の乳化法で製造する
ことができる。
【0096】本発明においては、着色微粒子の体積平均
粒子径が、5〜100nmであることが好ましいが、上
記で規定する平均粒子径を達成する方法として、特に制
限はないが、例えば前記に記載の分散剤の種類や使用
量、あるいは以下に示す各乳化方法を適宜選択、あるい
は組み合わせることにより達成することができる。
【0097】乳化法としては、各種の方法を用いること
ができる。それらの例は、例えば、「機能性乳化剤・乳
化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の86ペ
ージの記載にまとめられている。本発明においては、特
に、超音波、高速回転せん断、高圧による乳化分散装置
を使用することが好ましい。
【0098】超音波による乳化分散では、いわゆるバッ
チ式と連続式の2通りが使用可能である。バッチ式は、
比較的少量のサンプル作製に適し、連続式は大量のサン
プル作製に適する。連続式では、たとえば、UH−60
0SR(株式会社エスエムテー製)のような装置を用い
ることが可能である。このような連続式の場合、超音波
の照射時間は、分散室容積/流速×循環回数で求めるこ
とができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞ
れの照射時間の合計としてもとめられる。超音波の照射
時間は、実際上は3秒以上必要であり、それ以内で乳化
が完了するのであれば、超音波乳化分散装置を必要とし
ない。また、10000秒以上必要であると、工程の負
荷が大きく、実際上は乳化剤の再選択などにより乳化分
散時間を短くする必要がある。そのため10000秒以
上は必要でない。さらに好ましくは、10秒以上、20
00秒以内である。
【0099】高速回転せん断による乳化分散装置として
は、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー
エム シー」の255〜256ページに記載されてい
るような、ディスパーミキサーや、251ページに記載
されているようなホモミキサー、256ページに記載さ
れているようなウルトラミキサーなどが使用できる。こ
れらの型式は、乳化分散時の液粘度によって使い分ける
ことができる。これらの高速回転せん断による乳化分散
機では、攪拌翼の回転数が重要である。ステーターとの
クリアランスは通常0.5mm程度で、極端に狭くはで
きないので、せん断力は主として攪拌翼の周速に依存す
る。周速が5m/sec以上150m/sec以内であ
れば本発明の乳化・分散に使用できる。周速が遅い場
合、乳化時間を延ばしても小粒径化が達成できない場合
が多く、150m/secにするにはモーターの性能を
極端に上げる必要があるからである。さらに好ましく
は、20〜100m/secである。
【0100】高圧による乳化分散では、LAB2000
(エスエムテー社製)などが使用できるが、その乳化・
分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。圧力
は、10MPa以上500MPa以下が好ましい。ま
た、必要に応じて数回にわたり乳化・分散を行い、目的
の粒子径を得ることができる。圧力が低すぎる場合、何
度乳化分散を行っても目的の粒子径は達成できない場合
が多く、また、圧力を500MPaにするためには、装
置に大きな負荷がかかり実用的ではない。さらに好まし
くは、50MPa以上200MPa以下である。
【0101】これらの乳化・分散装置は単独で用いても
よいが、必要に応じて組み合わせて使用することが可能
である。コロイドミルや、フロージェットミキサなども
単独では本発明の目的を達成できないが、上述した装置
との組み合わせにより、単時間で乳化・分散を可能にす
るなど本発明の効果を高めることが可能である。
【0102】また、本発明のインクは、上記の装置を用
いるほか、いわゆる転相乳化によっても製造することが
できる。ここで、転相乳化は、上記ポリマーを、上記染
料と共にエステル、ケトンなどの有機溶剤に溶解させ、
必要に応じて中和剤を加えて該ポリマー中のカルボキシ
ル基をイオン化し、次いで水相を加えた後、上記有機溶
剤を留去して水系に転相することからなる。
【0103】転相が完了した後、系を減圧下に加熱する
ことにより、上記エステル、ケトン系溶剤を除去すると
共に、所定量の水を除去して、所望の濃度を有する本発
明の着色微粒子含有のインクが得られる。
【0104】本発明のインクにおいては、インクジェッ
ト用インクの表面張力として、25mN/m以上、50
mN/m以下であることが好ましく、より好ましくは3
0〜40mN/mである。本発明のインクジェット用イ
ンクの表面張力の調整手段としては、各種界面活性剤を
用いて、その種類及び添加量を適宜調整することが好ま
しい。
【0105】本発明のインクにおいては、インクのpH
が、6.0以上11.0以下であることが好ましく、更
に好ましくは8.0以上10.0以下である。本発明の
インクジェット用インクで用いられるpH調整剤として
は、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化
ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアル
カリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や、鉱酸
が挙げられる。
【0106】本発明のインクにおいては、アニオン界面
活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤を、
各々1種又は2種以上用いることができる。本発明で用
いることのできる各界面活性剤として、特に制限はない
が、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性
界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチ
レングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプ
ロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性
剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等の
カチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界
面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いる
ことができる。
【0107】また、本発明においては、高分子界面活性
剤も用いることができ、例えば、スチレン−アクリル酸
−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−ア
クリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸
アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重
合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ス
チレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナ
フタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マ
レイン酸共重合体等を挙げることができる。
【0108】本発明にインクジェット用インクには、水
溶性高分子または水不溶性高分子分散液を含有している
ことができる。
【0109】水溶性高分子としての好ましい例としては
天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、
ゼラチン、ガゼイン、若しくはアルブミンなどのたんぱ
く質類、アラビアゴム、若しくはトラガントゴムなどの
天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸
及びアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギ
ン酸トリエタノールアミン、若しくはアルギン酸アンモ
ニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、若しくはエチルヒドロキシルセルロースなどのセル
ロース誘導体が挙げられる。
【0110】更に、水溶性高分子の好ましい例として合
成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビ
ニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アク
リルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリル
ニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共
重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重
合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重
合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メ
タクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−
α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはス
チレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸
エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチ
レン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸
共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビ
ニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル
−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレ
ン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合
体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−ア
クリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれ
らの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例と
しては、ポリビニルピロリドン類が挙げられる。
【0111】水溶性高分子の分子量は、1,000以上
200,000以下が好ましい。更には、3,000以
上20,000以下がより好ましい。1,000未満で
は着色微粒子の成長及び凝集を抑制する効果が少なくな
り、200,000を越えると粘度上昇、溶解不良等の
問題が発生し易くなる。
【0112】水溶性高分子の添加量は、染料に対して1
0質量%以上1,000質量%以下が好ましい。更に
は、50質量%以上200質量%以下がより好ましい。
10質量%未満では着色微粒子の成長及び凝集を抑制す
る効果が少なくなり、1000質量%を越えると粘度上
昇、溶解不良等の問題が発生し易くなる。
【0113】また、本発明で用いることのできる水不溶
性高分子分散液(以下、ラテックスともいう)として、
特に制限はないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重
合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、
シリコン−アクリル共重合体およびアクリル変性フッ素
授脂等のラテックスが挙げられる。ラテックスは、乳化
剤を用いてポリマー粒子を分散させたものであっても、
また乳化剤を用いないで分散させたものであってもよ
い。乳化剤としては界面活性剤が多く用いられるが、ス
ルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポ
リマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリ
マー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量
体とから得られるポリマー)を用いることも好ましい。
【0114】また本発明のインクでは、ソープフリーラ
テックスを用いることが特に好ましい。ソープフリーラ
テックスとは、乳化剤を使用していないラテックス、お
よびスルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有
するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合してい
るポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持
つ単量体とから得られるポリマー)を乳化剤として用い
たラテックスのことを指す。
【0115】近年ラテックスのポリマー粒子として、粒
子全体が均一であるポリマー粒子を分散したラテックス
以外に、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・
シェルタイプのポリマー粒子を分散したラテックスも存
在するが、このタイプのラテックスも好ましく用いるこ
とができる。
【0116】本発明のインクにおいて、ラテックス中の
ポリマー粒子の平均粒子径は10nm以上、300nm
以下であり、10nm以上、100nm以下であること
がより好ましい。ラテックスの平均粒子径が300nm
を越えると、画像の光沢感の劣化が起こり、10nm未
満であると耐水性、耐擦過性が不十分となる。ラテック
ス中のポリマー粒子の平均粒子径は、光散乱法、電気泳
動法、レーザードップラー法を用いた市販の粒径測定機
器により求めることができる。
【0117】本発明のインクにおいて、ラテックスは固
形分添加量としてインクの全質量に対して0.1質量%
以上、20質量%以下となるように添加されるが、ラテ
ックスの固形分添加量を0.5質量%以上、10%質量
%以下とすることが特に好ましい。ラテックスの固形分
添加量が0.1質量%未満では、耐水性に関して十分な
効果を発揮させることが難しく、また20質量%を越え
ると、経時でインク粘度の上昇が起こったり、着色微粒
子の分散粒径の増大が起こりやすくなる等インク保存性
の点で問題が生じることが多い。
【0118】本発明のインクでは、上記説明した以外
に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやイン
クカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その
他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例
えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等
を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフ
ィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェー
ト、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74
193号、同57−87988号及び同62−2614
76号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192
号、同57−87989号、同60−72785号、同
61−146591号、特開平1−95091号及び同
3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開
昭59−42993号、同59−52689号、同62
−280069号、同61−242871号および特開
平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等
を挙げることができる。
【0119】請求項6に係る発明では、少なくともマゼ
ンタインクとシアンインクが2種以上の色材濃度が異な
る独立したインク、いわゆる濃淡インクからなることが
好ましい。これは低濃度の水性インクを用いることによ
り粒状感を減少させ、いわゆる「ざらつき」のない高画
質画像を形成することができる。
【0120】この濃度が異なる水性インクセットの濃度
比は任意な値としてよいが、滑らかな階調再現を行うた
めには、高濃度インクと低濃度インクとの比〔(低濃度
インクの濃度)/(高濃度インクの濃度)〕が0.1〜
1.0の間にあることが好ましく、0.2〜0.5の間
にあることが更に好ましく、0.25〜0.4の間にあ
ることが特に好ましい。
【0121】次いで、本発明で用いることのできる記録
媒体について説明する。本発明で用いられる記録媒体と
しては、普通紙、コート紙、インク液を吸収して膨潤す
るインク受容層を設けた膨潤型インクジェット用記録
紙、多孔質のインク受容層を持った空隙型インクジェッ
ト用記録紙、また基紙の代わりにポリエチレンテレフタ
レートフィルムなどの樹脂支持体を用いたものも用いる
ことができるが、本発明においては、空隙型の多孔質イ
ンクジェット記録媒体を用いることが好ましく、この組
み合わせにより本発明の効果を最も発揮することができ
る。
【0122】多孔質インクジェット記録媒体としては、
具体的には、空隙型インクジェット用記録紙又は空隙型
インクジェット用フィルムを挙げることができ、これら
はインク吸収能を有する空隙層が設けられている記録媒
体であり、空隙層は、主に親水性バインダーと無機微粒
子の軟凝集により形成されるものである。
【0123】空隙層の設け方は、皮膜中に空隙を形成す
る方法として種々知られており、例えば、二種以上のポ
リマーを含有する均一な塗布液を支持体上に塗布し、乾
燥過程でこれらのポリマーを互いに相分離させて空隙を
形成する方法、固体微粒子及び親水性又は疎水性バイン
ダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、
インクジェット記録用紙を水或いは適当な有機溶媒を含
有する液に浸漬して固体微粒子を溶解させて空隙を作製
する方法、皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を
含有する塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡
させて皮膜中に空隙を形成する方法、多孔質固体微粒子
と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布
し、多孔質微粒子中や微粒子間に空隙を形成する方法、
親水性バインダーに対して概ね等量以上の容積を有する
固体微粒子及び/又は微粒子油滴と親水性バインダーを
含有する塗布液を支持体上に塗布して固体微粒子の間に
空隙を作製する方法などが挙げられるが、本発明のイン
クを用いる上では、いずれも方法で設けられても、良い
結果を与えるが、連続高速プリントに適応するには、記
録媒体のインク吸収速度が速い方が適しており、この点
から本発明においては、空隙型を特に好ましく用いるこ
とができる。
【0124】本発明においては、画像記録後の加熱およ
び/または加圧処理により、インクセットに含有される
着色微粒子を構成する樹脂を、溶融、圧縮により皮膜化
することが好ましい。加熱処理は、インクセットに含有
される着色微粒子を構成する樹脂を溶融、皮膜化するこ
とにより、耐光性および光沢の改良を目的に行う。加熱
処理においては、インクセットに含有される着色微粒子
を構成する樹脂をほぼ完全に溶融、皮膜化するのに必要
な熱量又は圧力、あるいは熱と圧力を同時に付与するこ
とが望ましく、一方、処理時間の短縮に対しては短時間
で加熱、加圧処理することが望ましく、画質に実質的に
差が見られない範囲であれば、インクセットに含有され
る着色微粒子を構成する樹脂の溶融、皮膜化処理は完遂
しなくてもよい。
【0125】短時間で必要な熱量を付与するためには、
できる限り高温の熱源を用いて加熱することが望ましい
が、過度に高温にすると支持体の破損、激しいカール発
生、あるいは画像表面の荒れ、ローラー汚染が生じるこ
とがあり、100〜200℃の範囲が好ましく、100
〜150℃の範囲が更に好ましい。また、加圧する圧力
としては、9.8×104〜4.9×106Paの範囲が
好ましい。
【0126】加熱方法は、プリンターに内蔵された加熱
器で行っても、別の加熱器で行ってもよい。加熱手段と
しては、加熱ローラー又は加熱ベルトを用いることが、
ムラの発生を防止し、小スペースで、かつ連続処理をす
るのに適している。また、電子写真の加熱定着器を転用
することは、コスト的に有利である。例えば、発熱体を
内蔵した加熱ローラーと圧着ローラーとの間に記録媒体
を通すことによって加熱、加圧する方法、2つの加熱ロ
ーラーに記録媒体をはさんで加熱処理する方法、あるい
は1対の加熱ローラー間に定着ベルトを設けて加熱処理
する方法がある。
【0127】加熱ローラーは中空状のローラーからな
り、駆動手段により回転する。ローラー内には熱源とし
て、例えば、ハロゲンランプヒーター、セラミックヒー
ター、ニクロム線等からなる発熱体を内蔵する。ローラ
ーは熱伝導性の高い材料が好ましく、特に金属ローラー
であることが好ましい。ローラー表面は汚染を防ぐため
にフッ素樹脂コートされていることが好ましい。その
他、耐熱シリコンを被覆したシリコンゴムローラーを用
いることができる。
【0128】加熱ローラーを用いる場合の記録媒体の搬
送速度は1〜15mm/秒の範囲が好ましい。これは、
高速処理化の観点以外に、画質向上の観点からも好まし
いことが判った。更に、高い質感、光沢を得るために
は、加熱と同時もしくはその直後に加圧することが好ま
しい。加圧する圧力としては、9.8×104〜4.9
×106Paの範囲が好ましい。これは加圧により皮膜
化が促進されるためである。
【0129】図1に、本発明で用いることのできる加熱
ローラーを有するインクジェット記録装置の一例を示
す。また、図2には本発明で用いることのできる加熱ベ
ルトを有するインクジェット記録装置の他の一例を示
す。
【0130】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。
【0131】実施例1 《ポリマーの合成》 〔合成例1:ポリマーP−1の合成〕15.0gのn−
ブチルアクリレート、10.0gのグリシジルメタクリ
レートと大豆油脂肪酸との反応物モノマー、25.0g
のスチレン、及び150gの酢酸エチルをセパラブルフ
ラスコに入れ、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、攪
拌して上記各モノマーを完全溶解させた。これに0.5
gのAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加
し、ヒーターを付して4時間加熱還流して、目的とする
ポリマーP−1の酢酸エチル溶液を得た。
【0132】この他のポリマーについても、表1に記載
のモノマー組成で、上記合成例に準じて合成した。な
お、表1中に記載の化合物略称の詳細は、以下の通りで
ある。
【0133】BA:n−ブチルアクリレート GFA:グリシジルメタクリレートと大豆油脂肪酸との
反応物モノマー(日本油脂製ブレンマーG−FA) St:スチレン SMA:ステアリルメタクリレート AAEM:2−アセトアセトキシエチルメタクリレート
(日本合成化学製) MMA:メチルメタクリレート HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート AN−6:スチレンマクロマー(東亞合成製) EHA:2−エチルヘキシルアクリレート BMA:n−ブチルメタクリレート PFDA:1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシ
ルアクリレート AA:アクリル酸 PEGMA:ポリエチレングリコールメタクリレート MAA:メタクリル酸 FM−0711:シリコーンマクロマー(チッソ製) LMA:ラウリルメタクリレート EtSH:エチルメルカプタン なお、ポリマーP−4、5及び6に関しては、備考欄に
記載した公開特許公報中の記載に準じて合成した。
【0134】
【表1】
【0135】《着色微粒子分散体の調製》 〔調製例1:着色微粒子分散体5の調製〕40.0gの
上記合成例1で合成したポリマーP−1溶液、10.0
gのマゼンタ染料(例示化合物DM−4)、及び120
gの酢酸エチルをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ
内を窒素ガスで置換した後、攪拌して上記マゼンタ染料
を完全溶解させた。次いで、ラウリル硫酸ナトリウム
1.5gを含む水溶液230gを滴下して撹拌した後、
クリアミックスWモーションCLM−0.8W(エムテ
クニック製)を用いて、300秒間乳化した。その後、
減圧下で酢酸エチルを除去し、マゼンタ染料を含浸する
コア型着色微粒子分散体を調製した。更に、0.5gの
過硫酸カリウムを加えて溶解し、ヒーターを付して70
℃に加温した後、7.5gのスチレン及び2.5gの2
−ヒドロキシエチルメタクリレートの混合液を滴下しな
がら5時間反応させてコアシェル型の着色微粒子分散体
5を得た。得られた着色微粒子分散体中の着色微粒子の
平均粒子径は46nmであった。なお、平均粒子径は、
大塚電子製レーザー粒径解析システムを用いて行った体
積平均粒子径である。
【0136】その他の着色微粒子分散体についても、表
2に記載の組成で上記調製例1に準じて調製した。な
お、表2中に記載の化合物略称の詳細は、以下の通りで
ある。
【0137】DA:FSY1015とOY129の1:
1の混合物 P−A:St/HEMA=75/25 P−B:St/HEMA=80/20 P−C:St/HEMA/EHA=40/25/35 SDS:ラウリル硫酸スルホン酸ナトリウム塩 KH−05:アクアロンKH−05(第一工業製薬製) BL−S、BL−10:ポリビニルブチラール樹脂(積
水化学製) #3000−K:ポリビニルブチラール樹脂(電気化学
工業製) DY352:Plast Yellow DY−352
(有本化学製) K−FL:Kayaset K−FL(日本化薬製) FSB1504:FS Blue 1540(有本化学
製) OB860:Oil Black 860(オリエント
化学製) また、表2に記載の着色微粒子分散体1〜4に関して
は、備考欄に記載した公開特許公報中に記載されている
方法に準じて調製した。
【0138】
【表2】
【0139】《インクの調製》上記調製した各着色微粒
子分散体を用い、インク101〜117を調製した。各
着色微粒子分散体に、純水および表3に記載のインク溶
媒および界面活性剤を表3に記載の濃度(質量%)とな
るように添加した。各着色微粒子分散体は、インクの吸
光度が表3に記載の値となるように、添加量を適宜調整
した。なお、インク中の色材濃度が不足し、インクの吸
光度を所望の値に調整できない場合には、着色微粒子分
散体から、水を減圧除去して調製した。ここで、吸光度
は、各インクを2,000倍に希釈し、分光光度計にて
測定した極大吸収波長の吸光度を、2,000倍した値
を表している。
【0140】また、表3中には、各インク中の着色微粒
子について、前述の方法により針状比率を測定し、針状
比率が1.2〜3.0の範囲に入る粒子個数比率を、針
状係数比率として記載した。この値が20個数%以上で
あるインクが、本発明の範囲である。
【0141】表3中に記載の化合物略称の詳細は、以下
の通りである。 DEG:ジエチレングリコール gly:グリセリン TEGBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル EG:エチレングリコール PG:プロピレングリコール TriPG:トリプロピレングリコール HDO:1,2−ヘキサンジオール IPA:2−プロパノール E20C:エマール20C(花王製) E1010:オルフィンE1010(日信化学製)
【0142】
【表3】
【0143】《画像の作成及び評価》 (評価画像の作成)前記調製した各インクの中から、表
4に記載のインクをそれぞれカラーインクジェットプリ
ンターCL−700(エプソン製)用の純正ブラックイ
ンクカートリッジに詰め替え、記録媒体としては、コニ
カ(株)製インクジェットペーパーフォトライクQP
(以下、フォトライクQPと略す)を用い、出力濃度を
0%から100%の間を16段階に分割したウェッジ画
像(各濃度について3cm×3cmのパッチ状に出力)
を出力し、下記の各評価に用いた。
【0144】なお、画像作成にあたっては他色が混合し
ないよう、ドライバー上でブラックインクカートリッジ
のみ使用するように設定して出力した。
【0145】(アルバム保存性の評価)フォトライクQ
P上に作成した各画像試料を、市販の保護シート付きの
アルバムに収納し、40℃、80%RHの条件下で4週
間保存した後、保護シートを剥離した後の画像の剥がれ
と、保護シートへの染料の転写の程度を目視観察し、以
下の基準に則り評価した。
【0146】4:画像の剥がれ・染料の転写がほとんど
見られない 3:一部の染料が保護シート上に転写しているが、画像
の剥がれは見られない 2:染料の転写が見られ、また一部の画像部分が剥がれ
てしまっている 1:かなりの画像部分において画像の剥がれが見られる 上記評価ランクにおいて、4、3が実用上好ましいラン
クと判断した。
【0147】(耐擦過性の評価)耐擦過性については、
上記で作成した最大出力部分のウェッジ画像を用いて評
価した。画像を消しゴム(MONOトンボ鉛筆社製)で
10回擦った時の、画像濃度低下の有無を目視にて判断
した。
【0148】◎:画像部の濃度低下を認識できず、消し
ゴムの消しかすも染色されていない ○:画像部の濃度低下は認識できないが、消しゴムの消
しかすが着色している △:画像部の濃度低下をかすかに認識でき、消しゴムの
消しかすも着色している ×:画像部の濃度低下をはっきりと認識できる 上記評価ランクにおいて、◎、○が実用上好ましいラン
クと判断した。
【0149】以上により得られた各評価結果を表4に示
す。
【0150】
【表4】
【0151】表4より明らかなように、本発明のインク
はいずれも十分なアルバム保存性及耐擦過性を有してい
ることが分かる。これに対し、比較のインクではアルバ
ム保存性あるいは耐擦過性のいずれも満足するものはな
く、不十分な性能しか得られなかった。
【0152】実施例2 《インクセットの調製》前記実施例1で調製した各イン
クの中から、表5に記載のインクの組み合わせでインク
セット202〜205を調製した。
【0153】なお、表5に記載のインクセット201
は、PM890C(エプソン製)用の水溶性染料からな
る純正インク〔Y1:純正インクY、M1:純正インク
M(濃インク)、M2:純正インクLM(淡インク)、
C1:純正インクC(濃インク)、C2:純正インクL
C(淡インク)、K1:純正インクK〕をそのまま用い
た。
【0154】《画像の作成及び評価》 (評価画像の作成)前記調製した各インクセットの各色
インクを、カラーインクジェットプリンターPM890
C(エプソン製)の純正カラーインクカートリッジに詰
め、記録媒体としフォトライクQP上に、各インクセッ
トを用いて出力濃度を0%から100%の間を16段階
に分割したグレー・ウェッジ画像(各濃度について3c
m×3cmのパッチ状に出力)を出力し、以下の評価を
行った。
【0155】(酸化性ガス耐性の評価)酸化性ガス耐性
の評価は、各形成画像を、オフィス(室温25℃)の壁
に外部直射日光が画像に直接当たらないように貼り付
け、外気を強制的、かつ連続的に流入し暴露する環境下
で4か月間保存した後、光学濃度変化を測定し、下式に
従い濃度低下率を測定した。
【0156】濃度低下率=(1−保存処理後の光学濃度
/保存処理前の光学濃度)×100(%) なお、測定に際しては、シアン画像の濃度低下がもっと
も大きいので、反射濃度が1.0付近の出力画像につい
てシアン濃度の低下を評価対象とし、以下に記載の基準
に則り評価を行った。
【0157】a:4か月間保存した後の濃度低下率が5
%未満 b:4か月間保存した後の濃度低下率が5%以上、10
%未満 c:4か月間保存した後の濃度低下率が10%以上、1
5%未満 d:4か月間保存した後の濃度低下率が15%以上 上記評価ランクにおいて、a、bが実用上好ましいラン
クと判断した。
【0158】以上により得られた酸化性ガス耐性の評価
結果を表5に示す。
【0159】
【表5】
【0160】表5より明らかなように、本発明の試料は
いずれも十分な酸化性ガス耐性を示した。これに対し、
比較試料は、いずれも大きく褪色しており、不十分な性
能であった。また、これらの各カラー印字画像につい
て、実施例1に記載の方法に従って、アルバム保存性及
び擦過耐性の評価を行った結果、比較インクセット20
1についてはいずれの特性も問題はなかったが、比較イ
ンクセット202についてはいずれの性能も同時に満足
することができなかった。これに対し、本発明のいずれ
の試料も、アルバム保存性及び擦過耐性を満足すること
ができた。
【0161】
【発明の効果】本発明により、耐擦過性、酸化性ガス耐
性及びアルバム保存性に優れたインクジェット記録用水
性インク及びインクジェット記録用水性インクセットを
提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる加熱ローラーを有するイン
クジェット記録装置の一例を示す概略構成図。
【図2】本発明で用いられる加熱ベルトを有するインク
ジェット記録装置の他の一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
1 記録媒体 1a たるみ部 2 記録媒体の搬送手段 21 搬送ローラー対 3 記録ヘッド 34 記録媒体保持部 4 加熱加圧手段 41 加熱ローラー 42 圧着ローラー 43 発熱体 44 加熱ベルト 45 下部ベルト 46 従動ローラー 5 温度センサ 6 記録媒体の切断手段 61、62 カッタ 7 たるみ形成手段 71 第1のローラー対 72 第2のローラー対
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 HA45 HA46 2H086 BA01 BA52 BA53 BA56 BA59 BA60 BA62 4J039 AD06 AD07 AD09 AE06 BD04 BE01 BE02 BE07 BE12 CA03 EA15 EA16 EA17 EA19 EA34 EA36 EA40 EA46 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材と樹脂とを含有した着色微粒子を含
    有するインクジェット記録用水性インクにおいて、針状
    比率(粒子の最大長/最小幅)が1.2〜3.0の着色
    微粒子を20個数%以上含有することを特徴とするイン
    クジェット記録用水性インク。
  2. 【請求項2】 前記色材が、油溶性染料であることを特
    徴とする請求項1記載のインクジェット記録用水性イン
    ク。
  3. 【請求項3】 前記着色微粒子の体積平均粒子径が、5
    〜100nmであることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のインクジェット記録用水性インク。
  4. 【請求項4】 前記着色微粒子が、コアシェル構造を有
    していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載のインクジェット記録用水性インク。
  5. 【請求項5】 色材と樹脂とを含有した着色微粒子を含
    有するイエローインク、マゼンタインク、シアンインク
    及びブラックインクより構成されるインクジェット記録
    用水性インクセットにおいて、少なくとも1色のインク
    が、針状比率(粒子の最大長/最小幅)が1.2〜3.
    0の着色微粒子を20個数%以上含有することを特徴と
    するインクジェット記録用水性インクセット。
  6. 【請求項6】 少なくともマゼンタインクとシアンイン
    クが、濃度の異なる2種類のインクにより構成されてい
    ることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記
    録用水性インクセット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8931868B2 (en) 2013-03-01 2015-01-13 Seiko Epson Corporation Ink jet recording apparatus
JP2015010143A (ja) * 2013-06-27 2015-01-19 株式会社ミマキエンジニアリング インクジェット印刷用インク、インクジェット印刷用インクの製造方法、及びインクジェット印刷方法
JP2017125095A (ja) * 2016-01-12 2017-07-20 株式会社リコー インクジェット用インク及びインクジェット記録方法

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