JP2003205001A - 医療廃棄物の処理方法及びその装置 - Google Patents

医療廃棄物の処理方法及びその装置

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JP2003205001A
JP2003205001A JP2002005337A JP2002005337A JP2003205001A JP 2003205001 A JP2003205001 A JP 2003205001A JP 2002005337 A JP2002005337 A JP 2002005337A JP 2002005337 A JP2002005337 A JP 2002005337A JP 2003205001 A JP2003205001 A JP 2003205001A
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waste
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hydrothermal
sterilization
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Shinya Yoshida
真也 吉田
Hiroaki Ohara
宏明 大原
Keiichi Miwa
敬一 三輪
Sugihiro Konishi
杉弘 小西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療廃棄物を、通常の産業廃棄物として処理
可能な状態にでき、しかも焼却処理時におけるダイオキ
シンなどの有害物の発生を抑制できる医療廃棄物の処理
方法及び処理装置を提供する。 【解決手段】 医療廃棄物を、金属及びガラス等の不燃
性廃棄物とプラスチック及び病理廃棄物等の可燃性廃棄
物とに分別し、不燃性廃棄物を温水を用いて滅菌及び殺
菌処理して取り出し、可燃性廃棄物を亜臨界水条件下の
水熱反応により水熱処理し、水熱処理により生成された
固相と液相とをそれぞれ分離して取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、病院等から排出さ
れる医療廃棄物を処理する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、病院等から排出される医療廃
棄物は、病原菌等が付着している可能性があるために特
別廃棄物に指定されており、その処理は特定の業者に委
託されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特別廃
棄物の処理は取り扱いが難しく、またコストが嵩みやす
いことから、医療廃棄物を、通常の産業廃棄物として処
理できる技術の開発が望まれている。
【0004】また、医療廃棄物としては、金属、ガラス
製品、プラスチック製品、及び病理廃棄物(血液や臓器
など)などを含み、このうち、プラスチック製品や病理
廃棄物等の可燃性廃棄物は最終的に焼却処理される場合
が多い。焼却処理を行う場合、廃棄物に含まれる塩素な
どより、排ガスとしてダイオキシンなどの有害物が発生
するおそれがある。
【0005】本発明は、上述する事情に鑑みてなされた
ものであり、医療廃棄物を、通常の産業廃棄物として処
理可能な状態にでき、しかも焼却処理時におけるダイオ
キシンなどの有害物の発生を抑制できる医療廃棄物の処
理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の医療廃棄物の処理方法は、医療廃棄物を、
金属及びガラス等の不燃性廃棄物とプラスチック及び病
理廃棄物等の可燃性廃棄物とに分別して処理する方法で
あって、前記不燃性廃棄物を温水を用いて滅菌及び殺菌
処理する滅菌・殺菌工程と、前記可燃性廃棄物を亜臨界
水条件下の水熱反応により水熱処理する水熱処理工程
と、前記水熱処理により生成された固相と液相とをそれ
ぞれ分離して取り出す固液分離工程とを有することを特
徴とする。
【0007】この処理方法によれば、医療廃棄物のう
ち、分別された不燃性廃棄物を温水を用いて滅菌及び殺
菌処理することにより、それらを通常の産業廃棄物(不
燃物)として扱うことが可能となる。また、分別された
可燃性廃棄物を亜臨界水条件下の水熱反応により水熱処
理することにより、それらを滅菌及び殺菌するととも
に、脱塩素化することが可能となる。そのため、固液分
離して取り出した固相を、ダイオキシンなどを発生させ
ることなく、通常の産業廃棄物(可燃物)として焼却処
理することが可能となる。
【0008】この場合において、前記水熱処理工程で
は、前記滅菌・殺菌工程で使用した温水を用いて前記水
熱処理を行うことにより、ランニングコストを抑えるこ
とができる。
【0009】また、上記の処理方法において、前記可燃
性廃棄物の含有成分に応じて、前記水熱処理により生成
された固相を、超臨界水条件下で分解処理する超臨界処
理工程を有するとよい。この場合、前記水熱処理におい
て難分解性でかつ焼却処理において有害となりやすい硫
黄などの成分を、超臨界処理によりイオン化して除去す
ることが可能となる。また、超臨界水条件下では、一般
に、塩の析出が激しく、装置の腐食が進みやすいもの
の、水熱処理の後に超臨界処理を行うことにより、水熱
処理において固相が脱塩素化され、超臨界水条件下にお
いて腐食が進み難い。
【0010】この場合において、超臨界処理工程では、
前記水熱処理により生成された固相に対して、前記水熱
処理で使用した水に代えて新たな水を加えるのが好まし
い。水熱処理により生成された液相は塩の水溶液を含む
ことから、この液相を新たな水に入れ替えることによ
り、超臨界処理における塩の析出を抑制し、装置の腐食
を抑えることができる。
【0011】本発明の医療廃棄物の処理装置は、医療廃
棄物を、金属及びガラス等の不燃性廃棄物とプラスチッ
ク及び病理廃棄物等の可燃性廃棄物とに分別して処理す
る装置であって、前記不燃性廃棄物を温水を用いて滅菌
及び殺菌処理する滅菌・殺菌装置と、前記可燃性廃棄物
を亜臨界水条件下の水熱反応により水熱処理する水熱処
理装置と、前記水熱処理により生成された固相と液相と
をそれぞれ分離して取り出す固液分離装置とを有するこ
とを特徴とする。
【0012】この処理装置によれば、上記の処理方法を
実施できることから、医療廃棄物を、通常の産業廃棄物
として処理可能な状態にできる。しかも、脱塩素化によ
り、焼却処理時におけるダイオキシンなどの有害物の発
生を抑制できる。
【0013】この場合において、前記水熱処理装置が前
記滅菌・殺菌工程で使用した温水を用いて前記水熱処理
を行うことにより、ランニングコストを抑えることがで
きる。
【0014】また、上記の処理装置において、前記可燃
性廃棄物の含有成分に応じて、前記水熱処理により生成
された固相を、超臨界水条件下で分解処理する超臨界処
理工程を有するとよい。この場合、前記水熱処理におい
て難分解性でかつ焼却処理において有害となりやすい硫
黄などの成分を、超臨界処理によりイオン化して除去す
ることが可能となる。また、超臨界水条件下では、一般
に、塩の析出が激しく、装置の腐食が進みやすいもの
の、水熱処理の後に超臨界処理を行うことにより、水熱
処理において固相が脱塩素化され、超臨界水条件下にお
いて腐食が進み難い。
【0015】この場合において、前記超臨界処理装置
は、前記水熱処理により生成された固相に対して、前記
水熱処理で使用した水に代えて新たな水を加えるのが好
ましい。水熱処理により生成された液相は塩の水溶液を
含むことから、この液相を新たな水に入れ替えることに
より、超臨界処理における塩の析出を抑制し、装置の腐
食を抑えることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の医療廃棄物の処理装置の一実施形態例
を説明するための概略構成図であり、図1中符号1は医
療廃棄物の処理装置である。医療廃棄物は、金属及びガ
ラス製品などの不燃性廃棄物と、それ以外(プラスチッ
ク製品、病理廃棄物(血液や臓器など)等)の可燃性廃
棄物とに分別されて処理装置1に投入される。
【0017】処理装置1は、前処理装置2、滅菌・殺菌
装置3、水熱処理装置4、固液分離装置5、脱塩処理装
置6、超臨界処理装置7、及び気液分離装置8を備えて
構成されている。
【0018】前処理装置2は、医療廃棄物を破砕する乾
式ミルなどの破砕手段を有している。破砕手段は、金属
及びガラス製品等の上記不燃性廃棄物を取り扱い容易と
なる大きさに、プラスチック製品や病理廃棄物等の上記
可燃性廃棄物をポンプで供給可能なスラリー状に破砕す
るものである。なお、投入段階で小サイズのものや血液
などの液体は必ずしも破砕手段に投入されなくてもよ
い。
【0019】滅菌・殺菌装置3は、医療廃棄物のうち、
不燃性廃棄物を温水を用いて滅菌及び殺菌処理するもの
である。不燃性廃棄物が投入される処理空間には、滅菌
・殺菌処理可能となる100℃を超える温水、例えば1
10〜200℃の温水(※←ご確認ください)が供給さ
れ、その処理空間は温水の温度に応じた飽和蒸気圧程度
の高圧状態に高められる。
【0020】水熱処理装置4は、反応室内に送られてき
た可燃性廃棄物を、亜臨界水条件下、具体的には例えば
200〜350℃及びその温度に応じた飽和蒸気圧程度
の条件下(※←ご確認ください)での水熱反応によって
組成分解するものである。この水熱処理装置4は、例え
ば、処理物としての可燃性廃棄物が通る通路とその周囲
の熱媒油用の通路との二重管構造とされる反応室、廃棄
物を昇圧して反応室に送る昇圧手段としてのポンプ、昇
圧された廃棄物の流量を制御するための流量制御装置、
熱媒油を循環させて反応室内を加熱する加熱装置(熱媒
油ポンプ、熱媒油ヒータ)等を含んで構成されている。
なお、水熱処理における熱源として、発電所等の余剰蒸
気を用いてもよい。
【0021】固液分離装置5は、水熱処理装置4からの
導出物を固液分離して固体分(固相)を回収するもので
ある。固液分離装置5としては、膜分離装置、デカンタ
ー、濾過装置などの公知のものが用いられる。
【0022】脱塩処理装置6は、例えばイオン交換膜や
加熱・凝縮槽等の脱塩手段を含み、水熱処理装置4から
の液相に含まれる特定のイオン(水溶化された塩)を選
択的に除去するものである。本例では、脱塩処理装置6
は、塩化物イオンを除去・回収可能に構成されており、
さらに、硫化物イオンも除去可能に構成されている。
【0023】超臨界処理装置7は、反応室内に送られて
きた処理物を、超臨界水条件下、具体的には例えば37
5〜420℃及びその温度に応じた飽和蒸気圧程度の条
件下(※←ご確認ください)で組成分解するものであ
り、可燃性廃棄物の含有成分に応じて、選択的に使用さ
れる。すなわち、超臨界処理装置7は、処理装置1に投
入される可燃性廃棄物に、水熱処理において難分解性で
かつ焼却処理において有害となりやすい硫黄などの難分
解性成分が多く含まれている場合に使用される。この超
臨界処理装置7の使用時には、水熱処理装置4からの導
出物が、固液分離装置5への導入前に、超臨界処理装置
7及び気液分離装置8を経由するようになっている。な
お、超臨界処理装置7は、上記水熱処理装置4と同様の
構成要素を含み、超高温・超高圧に耐えうるように構造
設計がなされている。
【0024】気液分離装置8は、超臨界処理装置7から
の導出物を気液分離し、分離された気体分(気相)を処
理ガスとして排出し、分離された液体分(固体分を含
む)を上記固液分離装置5に送るものである。気液分離
装置8は、例えば、処理物を加熱する加熱器、ろ過装置
(ろ過膜や逆浸透膜など)、及び凝縮器等を備えて構成
されている。
【0025】次に、上記構成の医療廃棄物の処理装置1
による処理方法に基づき、本発明の医療廃棄物の処理方
法を説明する。まず、処理対象である医療廃棄物を金属
及びガラス製品などの不燃性廃棄物と、それ以外(プラ
スチック製品、病理廃棄物など)の可燃性廃棄物とに分
別する。そして、必要に応じて前処理装置2に投入して
それらを破砕した後、不燃性廃棄物は滅菌・殺菌装置3
に、可燃性廃棄物は水熱処理装置4に投入する。
【0026】滅菌・殺菌装置3においては、100℃を
超える温水、例えば110〜200℃の温水により、不
燃性廃棄物(金属及びガラス)を滅菌・殺菌処理する。
処理時間は、例えば30分から1時間である。滅菌・殺
菌処理が終了すると、その処理物を装置3から取り出
し、通常の産業廃棄物(不燃性廃棄物)の処理工程に送
る。なお、滅菌・殺菌で使用した温水は、ポンプ等によ
り水熱処理装置4に送られる。
【0027】水熱処理装置4においては、亜臨界水条件
下、具体的には例えば200〜350℃及びその温度に
応じた飽和蒸気圧程度の条件下(※←ご確認ください)
で可燃性廃棄物(プラスチック製品、病理廃棄物)に対
して水熱反応処理を行い、可燃性廃棄物を滅菌及び殺菌
するとともに、脱塩素化する。処理時間は例えば5〜2
0分である。なお、水熱処理は、酸素に対して不活性な
雰囲気、例えば、アルゴン、窒素中で行われる。不活性
雰囲気下で水熱処理することにより、高圧・高温度環境
下においても可燃性廃棄物が酸化されにくく、脱塩素処
理が安定して行われる。
【0028】また、水熱処理は、滅菌・殺菌装置3から
送られる温水を利用して行う。すなわち、上記温水を水
熱処理装置4に投入された可燃性廃棄物に加え、その混
合物を上記温度に加熱することにより水熱処理を行う。
滅菌・殺菌工程で使用した温水を用いて水熱処理を行う
ことにより、ランニングコストを抑えることができる。
このとき、必要に応じて、上記混合物に中和剤としての
アルカリを添加する。アルカリを添加することにより、
可燃性廃棄物から出る酸(塩素)に基づく酸性度の上昇
を抑え、装置の腐食を抑えることができる。添加するア
ルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウムや炭酸ナト
リウムなどの一般的なものが用いられる。なお、水熱処
理において、炭酸ナトリウムは二酸化炭素などの不純物
を発生し、水酸化ナトリウムはそうした不純物を発生し
にくいことから、水酸化ナトリウムが好ましく用いられ
る。
【0029】次に、水熱処理装置4からの導出物(水熱
反応処理物)を固液分離装置5に導入する。この固液分
離装置5において、水熱反応処理物を固液分離して固体
分(固相)を回収し、それを通常の産業廃棄物(可燃
物)の処理工程に送る。また、液体分(液相)をポンプ
等によって脱塩処理装置6に送る。回収される固体分
は、固体炭化水素(炭化物)を含み、液体分は可燃性廃
棄物から出た塩素を含む。固体分が炭化水素を含むこと
から、回収した固体分を有機物質と無機物質とに分離
し、有機物質を燃料として利用してもよい。
【0030】脱塩処理装置6においては、固液分離装置
5により分離された液相(アルカリイオン、塩素イオ
ン、水溶性有機物を含む)に対して、膜処理等により塩
化物イオンを分離除去する。残りの液相は、無害である
ことが確認された後、放流される。
【0031】ところで、処理装置1に投入される可燃性
廃棄物に、水熱処理において難分解性でかつ焼却処理に
おいて有害となりやすい硫黄などの難分解性成分が多く
含まれている場合には、水熱処理装置4からの導出物
(水熱反応処理物)を超臨界処理装置7に導入する。
【0032】超臨界処理装置7においては、超臨界水条
件下、具体的には例えば375〜420℃及びその温度
に応じた飽和蒸気圧程度の条件下(※←ご確認くださ
い)で超臨界処理を行い、水熱反応処理物をさらに組成
分解する。これにより、硫黄などの上記難分解性成分が
イオン化される。なお、硫黄成分を分解する場合には、
処理温度を400℃程度に高めるのが好ましい。
【0033】また、超臨界処理を行う際、水熱処理によ
り生成された固相に対して、水熱処理で使用した水(液
相)に代えて新たな水を加える。すなわち、水熱処理装
置4からの導出部(水熱反応処理物)を固液分離し、分
離された固体分(固相)に新たに水を加える。水熱処理
により生成された液相は塩の水溶液を含むことから、こ
の液相を新たな水に入れ替えることにより、超臨界処理
における塩の析出が抑制される。
【0034】超臨界処理装置7からの導出物(固体分を
含む)は気液分離装置8に送られ、気液分離により分離
された気体分は処理ガスとして排出される。このとき排
出される処理ガスは、例えば二酸化炭素や窒素であり有
害成分をほとんど含まない。また、分離された液体分及
び固体分は固液分離装置5に導入され、固液分離され
る。このとき硫黄などの上記難分解性成分はイオン化さ
れていることから液体分として分離され、固体分(固
相)にはほとんど含まれない。したがって、その固体分
を焼却処理する場合にもNoxやSoxなどの有害性の物
質の発生が少ない。また、固液分離された液体分は、脱
塩処理装置6に送られる。この場合、脱塩処理装置6に
おいて、上記塩化物イオンに加え、硫黄イオンが分離除
去され、残りの液相は無害であることが確認された後、
放流される。
【0035】このように、本例の医療廃棄物の処理装置
1とこれを用いてなる処理方法にあっては、医療廃棄物
を可燃性廃棄物と不燃性廃棄物とに分別し、不燃性廃棄
物を温水を用いて滅菌及び殺菌処理することにより、そ
れらを通常の産業廃棄物(不燃物)として扱うことがで
きる。また、可燃性廃棄物を亜臨界水条件下の水熱反応
により水熱処理することにより、それらを滅菌及び殺菌
するとともに、脱塩素化することができる。そのため、
固液分離して取り出した固相を、ダイオキシンなどを発
生させることなく、通常の産業廃棄物(可燃物)として
焼却処理することができる。
【0036】また、本例では、可燃性廃棄物の含有成分
に応じて、水熱処理により生成された固相を、超臨界水
条件下で分解処理することにより、水熱処理において難
分解性でかつ焼却処理において有害となりやすい硫黄な
どの成分を、超臨界処理によりイオン化して除去するこ
とができる。そのため、焼却処理時におけるNoxやS
ox等のダイオキシン以外の有害物質の発生も抑制する
ことができる。
【0037】さらに、超臨界水条件下では、一般に、塩
の析出が激しく、装置の腐食が進みやすいものの、本例
では、水熱処理の後に超臨界処理を行うことことから、
水熱処理において固相が脱塩素化され、超臨界水条件下
において腐食が進み難い。しかも、この場合、超臨界処
理工程では、水熱処理により生成された固相に対して、
水を入れ替えることから、超臨界処理における塩の析出
を抑制し、装置の腐食を確実に抑えることができる。
【0038】なお、上記例では、不燃性廃棄物の滅菌・
殺菌処理と、可燃性廃棄物の水熱処理とを並行して行う
場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、
投入される医療廃棄物に応じて、いずれか一方だけを行
ってもよい。上記2つの処理を並行して行うことによ
り、温水の流用が効果的に行える。なお、この温水の流
量も必ずしも行わなくてもよく、水熱処理装置に滅菌・
殺菌装置以外の経路から温水を供給してもよい。また、
本発明の処理装置は、上記2つの処理を行う装置を個々
に備えることから、様々な医療廃棄物に柔軟に対応でき
るという利点を有する。また、本発明は、上記例におい
て示した処理温度や処理時間に限定されるものではな
く、投入される廃棄物の特性や量等に応じて処理条件は
変更されるものであることは言うまでもない。
【0039】以上、添付図面を参照しながら本発明に係
る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例
に限定されないことは言うまでもない。上述した例にお
いて示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例で
あって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計
要求等に基づき種々変更可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の医療廃棄
物の処理方法及び処理装置によれば、医療廃棄物を、通
常の産業廃棄物として処理可能な状態にでき、しかも焼
却処理時におけるダイオキシンなどの有害物の発生を抑
制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の医療廃棄物の処理装置の一実施形態
例を説明するための概略構成図である。
【符号の説明】
1…処理装置、2…前処理装置、3…滅菌・殺菌装置、
4…水熱処理装置、5…固液分離装置、6…脱塩処理装
置、7…超臨界処理装置、8…気液分離装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 3/00 ZAB B09B 3/00 ZAB 5/00 303A 303E 304Z 304P 5/00 Z Q (72)発明者 大原 宏明 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社機械・プラント開 発センター内 (72)発明者 三輪 敬一 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社機械・プラント開 発センター内 (72)発明者 小西 杉弘 東京都江東区豊洲三丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 Fターム(参考) 4C058 AA27 BB03 BB05 BB07 CC04 CC06 DD04 DD11 EE11 4C341 LL12 LL13 LL22 4D004 AA07 AA18 AA48 AB06 AC04 CA04 CA07 CA13 CA22 CA24 CA39 CA46 CB13 CB31 CB50 CC03 CC12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医療廃棄物を、金属及びガラス等の不燃
    性廃棄物とプラスチック及び病理廃棄物等の可燃性廃棄
    物とに分別して処理する方法であって、 前記不燃性廃棄物を温水を用いて滅菌及び殺菌処理する
    滅菌・殺菌工程と、前記可燃性廃棄物を亜臨界水条件下
    の水熱反応により水熱処理する水熱処理工程と、前記水
    熱処理により生成された固相と液相とをそれぞれ分離し
    て取り出す固液分離工程とを有することを特徴とする医
    療廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記水熱処理工程では、前記滅菌・殺菌
    工程で使用した温水を用いて前記水熱処理を行うことを
    特徴とする請求項1に記載の医療廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記可燃性廃棄物の含有成分に応じて、
    前記水熱処理により生成された固相を、超臨界水条件下
    で分解処理する超臨界処理工程を有することを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の医療廃棄物の処理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記超臨界処理工程では、前記水熱処理
    により生成された固相に対して、前記水熱処理で使用し
    た水に代えて新たな水を加えることを特徴とする請求項
    3に記載の医療廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 医療廃棄物を、金属及びガラス等の不燃
    性廃棄物とプラスチック及び病理廃棄物等の可燃性廃棄
    物とに分別して処理する装置であって、 前記不燃性廃棄物を温水を用いて滅菌及び殺菌処理する
    滅菌・殺菌装置と、前記可燃性廃棄物を亜臨界水条件下
    の水熱反応により水熱処理する水熱処理装置と、前記水
    熱処理により生成された固相と液相とをそれぞれ分離し
    て取り出す固液分離装置とを有することを特徴とする医
    療廃棄物の処理装置。
  6. 【請求項6】 前記水熱処理装置は、前記滅菌・殺菌装
    置で使用した温水を用いて前記水熱処理を行うことを特
    徴とする請求項5に記載の医療廃棄物の処理装置。
  7. 【請求項7】 前記可燃性廃棄物の含有成分に応じて、
    前記水熱処理により生成された固相を、超臨界水条件下
    で分解処理する超臨界処理装置を有することを特徴とす
    る請求項5または請求項6に記載の医療廃棄物の処理装
    置。
  8. 【請求項8】 前記超臨界処理装置は、前記水熱処理に
    より生成された固相に対して、前記水熱処理で使用した
    水に代えて新たな水を加えることを特徴とする請求項7
    に記載の医療廃棄物の処理装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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