JP2003202084A - ダイヤフラム式止水弁 - Google Patents
ダイヤフラム式止水弁Info
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Abstract
器のフラッシュバルブ装置等への適用も可能なダイヤフ
ラム式止水弁を提供する。 【解決手段】弁座に着座して通路を遮断する中央部の閉
鎖部22と、外周部の固定部20と、それら閉鎖部22
と固定部20との間に位置して使用状態で折返し形状を
なし、閉鎖部22に軸心方向の変位能を与える可撓部2
8とを有するゴム製のダイヤフラム弁体16を備えたダ
イヤフラム式止水弁において、可撓部28の折返し形状
を伸ばした形状のハット形状でダイヤフラム弁体16を
成形し、しかる後成形品における可撓部28Aを折り返
して固定部20と閉鎖部22とを使用時の状態まで軸心
方向に接近させた形状に成形品を変形させ、その変形形
状でダイヤフラム弁体16をセットする。
Description
しくはダイヤフラム弁体を用いた止水弁に関する。
フラッシュバルブ装置においては図14に示す形態のピ
ストン式止水弁が多く用いられていた。同図において、
200はフラッシュバルブ装置に組み込まれた止水弁2
02の主体を成すピストン弁体で、このピストン弁体2
00が弁座204に着座することで通路206が遮断さ
れる。
ン210が装着されており、このUパッキン210によ
って、ピストン弁体200の図中上下摺動を確保しつ
つ、そのピストン弁体200とハウジング208との間
が水密にシールされている。
212が形成されている。ピストン弁体200は、この
背圧室212の圧力(水圧)により図中下向きに押圧さ
れ、通常は弁座204に着座した状態、即ち通路206
を閉じた状態にある。
06におけるピストン弁体200の上流側通路206a
と背圧室212とを連通させる孔径の小さな連通孔21
4が形成されており、この連通孔214を通じて、上流
側通路206aの水が背圧室212内部へと給水圧によ
り導かれるようになっている。
成されており、その中心孔216が起動弁218にて閉
鎖されている。ここで起動弁218はスプリング220
によって図中下向き、即ち閉弁方向に付勢されている。
尚図中228は流量調整栓である。
に押して操作棒224を前進させると、図14(B)(I)
に示しているように起動弁218における軸226が右
向きに押されて起動弁218が傾動する。ここにおいて
背圧室212が中心孔216を介して下流側通路206
bと通じた状態となり、背圧室212内部の水がその中
心孔216を通じて下流側通路206bへと流れ出す。
室212の下向きの押圧力が消失して、図14(B)(II)
に示しているようにピストン弁体200が給水圧により
上昇し、通路206を開く。即ち開弁する。ここにおい
て上流側通路206aの水が下流側通路206bへと勢
い良く流れ出る。
14を通じて背圧室212内部に流れ込んでそこに水が
充満し、これにより背圧室212の圧力が高まってピス
トン弁体200が再び図中下向きに押し出されて閉弁
し、止水が行われる。
合、ピストン弁体200の上下摺動に伴ってUパッキン
210が摩耗等により劣化し易く、而してUパッキン2
10が摩耗してシール漏れが生じるようになると、押ボ
タン222を押してピストン弁体200を開弁させてか
ら再びピストン弁体200が閉弁するまでの時間が著し
く短くなってしまって、当初の給水量(積算流量)が確
保できなくなってしまうといった特有の問題を内包して
いた。更にまたこのピストン式止水弁の場合、同図に示
しているように構造が複雑で必要な部品点数が多く、必
然的にそのコストも高くなってしまうといった問題があ
った。
ダイヤフラム弁体を用いたダイヤフラム式止水弁も多く
使用されている。図15はその一例を示している。同図
において、230は止水弁232の主体を成すゴム製の
ダイヤフラム弁体で、外周部の固定部234において固
定され、中央部の閉鎖部236において弁座204に着
座し、通路206を遮断するようになっている。
定部234と閉鎖部236との間には上向きの折返し形
状をなす可撓部238が形成されており、この可撓部2
38の可撓性に基づいて、閉鎖部236の図中上下方向
の変位能、即ち軸心方向の変位能が付与されている。こ
のダイヤフラム弁体230においても、上流側通路20
6aと背圧室212とを連通させる小孔径の連通孔24
0が形成されている。
された背圧室212は、水抜通路242を通じて下流側
通路206bと連通するようになっており、そしてその
水抜通路242がプランジャ弁体244にて開閉される
ようになっている。即ちプランジャ弁体244が弁座2
46に着座することで水抜通路242が遮断され、また
プランジャ弁体244が弁座246から図中上向きに離
れることによって水抜通路242が開放される。
は、プランジャ弁体244を弁座246から離して水抜
通路242を開放すると、背圧室212内部の水が水抜
通路242を通じて下流側通路206bへと流れ出す。
これによりダイヤフラム弁体230に対する背圧室21
2の下向きの押圧力が消失し、ここにおいてダイヤフラ
ム弁体230が給水圧により開弁し、上流側通路206
aの水が下流側通路206bへと流れ出す。
ると、上流側通路206aの水が連通孔240を通じて
背圧室212内部に流れ込み、これにより背圧室212
の圧力が高まってダイヤフラム弁体230が閉弁し、通
路206を遮断する。即ち止水を行う。
ては、ダイヤフラム弁体230が図15(B)に示すセ
ット状態の形状に成形されており、このためダイヤフラ
ム弁体230が給水圧によって図中上方に持ち上げられ
たとき、ダイヤフラム弁体230に自身の弾性力によっ
て下向きに大きな力が働く。ダイヤフラム弁体230
は、その弾性力に打ち勝つ給水圧によって開弁状態に保
持される。
の場合、プランジャ弁体244等の起動弁を閉じて水抜
通路242を遮断すると、その大きな自身の弾性力によ
りダイヤフラム弁体230が直ちに閉弁してしまう。即
ちセルフストップ式の水栓や小便器や大便器等のフラッ
シュバルブ装置への適用が困難であるといった問題があ
った。
ブ装置に適用するためには、従来直径が0.5〜0.7
mm程度の連通孔240の孔径を更に小さく(直径0.
2mm程度)することが必要となるが、そのような極め
て小さい孔径の連通孔240をダイヤフラム弁体230
に形成することは難しく、またたとえそのようにできた
としても、連通孔240の孔径が極めて小さいためにそ
こで目詰りを起し易く、而してそのような目詰りが生じ
ると、その連通孔240を通じて上流側通路206aの
水が背圧室212内部へと導入されなくなり、一旦開い
たダイヤフラム弁体230が閉弁せず、止水不良をもた
らす問題を発生する。
プランジャ弁体244等の起動弁を閉じてから主弁たる
ダイヤフラム弁体230が閉じるまでの時間が著しく短
いため、いわゆるウォータハンマ(水撃現象)が発生し
易いといった問題点もあった。
止水弁はこのような課題を解決するために案出されたも
のである。而して請求項1のものは、弁座に着座して通
路を遮断する中央部の閉鎖部と、外周部の固定部と、そ
れら閉鎖部と固定部との間に位置して使用状態で折返し
形状をなし、該折返し形状に基づいて該閉鎖部に軸心方
向の変位能を与える可撓部とを有する、弾性体で形成さ
れたダイヤフラム弁体を閉弁させることで止水を行うダ
イヤフラム式止水弁において、前記可撓部の折返し形状
を伸ばした形状で且つ前記固定部と閉鎖部とを軸心方向
に大きく離隔させたハット形状で前記ダイヤフラム弁体
を成形し、しかる後に該固定部と閉鎖部との間に位置す
る前記可撓部を折り返して該固定部と閉鎖部とが使用時
の状態まで軸心方向に接近した形状に該ダイヤフラム弁
体の成形品を変形させ、該変形形状でダイヤフラム弁体
をセットするようになしたことを特徴とする。
記折返し形状の可撓部が、使用状態において上向きの折
返し部と下向きの折返し部との2重の折返し部となして
あることを特徴とする。
において、前記ダイヤフラム弁体のリフトアップ時に該
ダイヤフラム弁体に当接して、該ダイヤフラム弁体のリ
フトアップのストロークを規定する調節部材が、該ダイ
ヤフラム弁体の軸心方向に位置調節可能に設けてあるこ
とを特徴とする。
において、前記止水弁が吐水操作後所定時間経過後に自
動止水するセルフストップ式の水栓の止水弁であること
を特徴とする。
において、前記止水弁が便器のフラッシュバルブ装置の
止水弁であることを特徴とする。
において、前記ダイヤフラム弁体における前記閉鎖部の
少なくとも弁座への当接部を含む一部若しくは全体の硬
度を、前記可撓部の硬度よりも高硬度となしてあること
を特徴とする。
において、前記ダイヤフラム弁体における前記閉鎖部の
少なくとも弁座への当接部を含む一部若しくは全体を、
前記可撓部と別材質で構成してあることを特徴とする。
記閉鎖部の前記弁座への当接部を含む一部若しくは全体
を前記可撓部と別体に構成した上、前記ダイヤフラム弁
体の開閉動作を案内するガイド部材に対し突起と孔との
係合により組み付けてあることを特徴とする。
で形成されたダイヤフラム弁体を、中央部の閉鎖部に軸
心方向の変位能を与えるための可撓部の折返し形状を伸
ばした形状で、即ち固定部と閉鎖部とを軸心方向に大き
く離隔した形状のハット形状で成形し、しかる後固定部
と閉鎖部との間の可撓部を折り返して使用時の折返し形
状となし、その変形形状でダイヤフラム弁体をセットす
るようになしたもので、本発明によれば、使用状態でダ
イヤフラム弁体が開弁したとき、即ちリフトアップした
とき、ダイヤフラム弁体自身の弾性力による閉弁方向の
力を効果的に小さくすることができる。
ける場合において、その連通孔の孔径を著しく小さくし
なくても、開弁状態にあるダイヤフラム弁体が閉弁する
までの時間を長くとることができ、即ちダイヤフラム弁
体を時間をかけてゆっくりと閉弁させることができ、従
来適用が困難であった小便器や大便器等のフラッシュバ
ルブ装置への適用も可能となる(請求項5)。また開弁
状態から閉弁するまでの間の時間を長くとることができ
るため、従来生じていたウォータハンマの発生を防止す
ることができるようになる。
ヤフラム式止水弁は、従来用いられているピストン式止
水弁に比べて耐久性に優れ、また構造が簡単であって必
要な部品点数も少なく、従って所要コストをピストン式
止水弁に比べて低減することができる。尚この点はダイ
ヤフラム式止水弁をフラッシュバルブ装置以外の各種機
器に適用した場合においても同様である。
に進んでこのようなフラッシュバルブ装置のみならず、
吐水開始の操作をしてから一定時間経って自動的に止水
するセルフストップ式の水栓における止水弁としても適
用可能となる(請求項4)。
めの連通孔の孔径を従来より著しく小さくしなくてもウ
ォータハンマ防止できるため、連通孔を小さくすること
によって目詰りが発生し、止水不良を引き起すといった
問題も解決することができる。
使用状態において上向きの折返し部と下向きの折返し部
とを有する2重の折返し形状とすることができ(請求項
2)、このようになした場合、ダイヤフラム弁体を閉弁
方向に戻す力を更に弱くすることができる外、閉鎖部の
軸心方向の変位ストロークをより大きくとることが可能
となる。即ちリフトアップしたときのダイヤフラム弁体
のストロークをより大きくとることができ、それ故開弁
状態にあるダイヤフラム弁体が閉弁するまでの時間を更
に長くとることが可能となる。
フトアップ時にダイヤフラム弁体に当接して、そのリフ
トアップのストロークを規定する調節部材を、ダイヤフ
ラム弁体の軸心方向に位置調節可能に設けておくことが
できる(請求項3)。このようになした場合、その調節
部材の軸心方向の位置を調節することで、ダイヤフラム
弁体のリフトアップ量を様々に調節することができ、従
ってダイヤフラム式止水弁を様々な水栓やフラッシュバ
ルブ装置その他各種機器に容易に適用することが可能と
なる。
ム弁体自身の弾性力による閉弁方向の力を小さくでき、
またこのことからダイヤフラム弁体のリフトアップ量を
大きくとることが可能である。これによりダイヤフラム
式止水弁をフラッシュバルブ装置やセルフストップ式の
水栓の止水弁として適用することが可能となる。
ラッシュバルブ装置やセルフストップ式の水栓等に適用
したとき、押ボタン操作等によって吐水開始の操作をし
たとき、ダイヤフラム弁体が瞬時に全ストロークリフト
アップすることが必要である。
イヤフラム弁体の可撓部を柔軟性の高い(硬度の低い)
ものとしておく必要がある。しかるにダイヤフラム弁体
全体を硬度の低い軟らかいものとしてしまうと、即ち弁
座に着座して通路を遮断する閉鎖部も硬度の低い軟らか
いものにしてしまうと、開閉動作を繰り返すうちに閉鎖
部が弁座に水圧で強く押し付けられることに起因してへ
たりを生じ、これによりシール性が低下したり、場合に
よって閉鎖部が破れたりする問題を生じることが判明し
た。
度としてしまうと、吐水開始時に瞬時にダイヤフラム弁
体が、具体的には閉鎖部が全ストロークリフトアップせ
ずに途中で止ってしまったり、或いは全ストロークリフ
トアップするまでに時間がかかってしまったりする不都
合が生ずる。
ラム弁体における閉鎖部の少なくとも弁座への当接部を
含む一部若しくは全体の硬度を可撓部の硬度よりも高硬
度となしたもので、この請求項6によれば、ダイヤフラ
ム弁体における可撓部を軟らかく、また閉鎖部における
弁座への当接部を硬く形成し、これによって可撓部にお
ける柔軟性と、閉鎖部における耐へたり性を含む耐久性
を効果的に高めることができる。
を全ストローク瞬時にリフトアップ即ち開弁動作させる
ことができる一方、開閉動作を繰り返した場合において
も閉鎖部がへたってシール性が低下したり、或いは場合
によって破れ等損傷するのを効果的に防止することがで
きる。
接部を含む一部若しくは全体を可撓部と別材質で構成し
たもので、このようにすることで、閉鎖部における弁座
への当接部を含む一部若しくは全体の硬度を可撓部の硬
度よりも高硬度となすことを容易に実現することができ
る。また硬度を特に変えない場合においても、閉鎖部の
弁座への当接部を含む一部若しくは全体を、可撓部に比
して特に耐へたり性ないし耐久性の高い材質で構成する
ことが可能となる。
部を含む一部若しくは全体を可撓部と別体に構成し、こ
れをダイヤフラム弁体の開閉動作を案内するガイド部材
に対し突起と孔との係合により組み付けるようになすこ
とができる。このようにした場合、その別体となした閉
鎖部の一部若しくは全体を、ダイヤフラム弁体の他部に
対し簡単に組み付けることができる(請求項8)。但し
場合によって別体となした閉鎖部の一部若しくは全体を
接着により他部に対し接合したり、或いはまた場合によ
って2色成形により他部と接合することも可能である。
説明する。図1,図2において、10はダイヤフラム式
止水弁12を含む弁装置で、14は弁装置10のボデー
である。16は通路18上に配設されたゴム製のダイヤ
フラム弁体で、平面形状が円形状をなしている。
固定部20とされており、その固定部20がボデー14
に固定されている。ダイヤフラム弁体16は、その中央
部が平板状の閉鎖部22とされており、この閉鎖部22
が、円筒部24の上端の弁座26に着座しまたはこれか
ら図中上方に離間、即ち上向きにリフトアップするよう
になっている。而してこの閉鎖部22が弁座26に着座
することで通路18が遮断され、また閉鎖部22が弁座
26から図中上向きに離間(リフトアップ)することで
通路18が開放される。
閉鎖部22との間に、使用状態で上向きに折返し形状を
なす薄肉の可撓部28が形成されており、この可撓部2
8の折返し形状に基づいて閉鎖部22に図中上下方向の
変位能が付与されている。
のガイド部材30が組み付けられている。ガイド部材3
0は、円筒部24内部に摺動可能に嵌入するガイド部3
2と、浅いカップ状をなすカップ部33とを有してお
り、全体がダイヤフラム弁体16の閉鎖部22と一体に
上下動するようになっている。而してガイド部32と円
筒部24との作用で、閉鎖部22が上下に変位する際の
案内が行われる。
4が形成されている。ダイヤフラム弁体16はこの背圧
室34の圧力(水圧)に基づく下向きの押圧力により、
通常は弁座26に当接して通路18を閉じた状態にあ
る。
けるダイヤフラム弁体16の上流側通路18aと背圧室
34とを連通させる小孔径の連通孔36が形成されてお
り、上流側通路18a内の水が、その連通孔36を通じ
て背圧室34内部へと導入されるようになっている。
通路18bへと流出させる水抜通路で、この水抜通路3
8上に、これを開閉するためのボール弁から成る起動弁
40が配設されている。ここで起動弁40はスプリング
42によって図中左向きに付勢されており、従って起動
弁40は通常は弁座44に着座した状態にある。即ち水
抜通路38を遮断した状態にある。
てこれを開弁させるピンで、軸48及び押ボタン50と
一体に構成されている。押ボタン50はスプリング52
によって図中左向きに付勢されており、そのスプリング
52の付勢力に抗して押ボタン50を図中右向きに押し
込むと、ピン46がスプリング42の付勢力に抗して起
動弁40を図中右向きに押し出し、弁座44から離間さ
せてこれを開弁させる。ここにおいて水抜通路38が開
放された状態となって、背圧室34内部の水が、水抜通
路38を通じて下流側通路18bへと流れ出す。
プ量、即ちリフトアップのストロークを規定する調節部
材で、その先端をダイヤフラム弁体16における閉鎖部
22、詳しくはカップ部33に当接させる軸部56と、
軸部56よりも大径の頭部58とを有している。頭部5
8には工具係合溝60が設けられるとともに外周面に雄
ねじ62が設けられ、この雄ねじ62がボデー14に形
成された雌ねじ孔64にねじ込まれている。この調節部
材54は、その全体を回転操作することで軸部56の先
端の位置を図中上下方向(ダイヤフラム弁体16の軸心
方向)に位置調節することができる。即ちダイヤフラム
弁体16のリフトアップのストロークを調節することが
できる。
3(I)の実線で示す形状で成形されたものを変形させ
て図1に示す使用状態にセットしたものである。詳しく
はダイヤフラム弁体16は、図3(I)に示すような可
撓部28の折返し形状が真直ぐに伸ばされた形状、即ち
固定部20と閉鎖部22とが使用時の状態に比べて軸心
方向に大きく離隔した形状のハット形状で成形されてい
る。
部分を、図3(II)に示しているように折り返して閉鎖
部22を固定部20に対し軸心方向に接近させ、使用時
の状態に変形させた上でこれをボデー14に組み付けセ
ットしてある。
使用時において閉鎖部22が弁座26から上向きに離間
した状態で、ダイヤフラム弁体16自身の有する弾性力
により閉鎖部22を弁座26側に戻す力が極めて弱いか
若しくは実質的に下向きの力が発生しないようにされて
いる。尚図3(I)の拡大図に示しているように、ダイ
ヤフラム弁体16にはその内部に補強用の基布92が埋
設されている。
作用する。図4はその作用を示したもので、図4(I)
に示しているように本例においてダイヤフラム弁体16
は、起動弁40が閉弁した状態の下では背圧室34の圧
力に基づく下向きの押圧力で弁座26に着座し、通路1
8を遮断した状態にある。
押ボタン50を図中右向きに押し込むと、起動弁40が
開弁して水抜通路38が開かれ、背圧室34内部の水が
水抜通路38を通じて下流側通路18bへと流れ出す。
イヤフラム弁体16への下向きの押圧力が消失し、ダイ
ヤフラム弁体16が上流側通路18aの給水圧によって
上向きに押し上げられる。そして通路18が開かれた状
態となって、上流側通路18aの水が下流側通路18b
へと流れ出る。図4(III)はこのときの状態を示して
いる。
れることによって起動弁40により再び遮断された状態
となり、その後上流側通路18aの水がダイヤフラム弁
体16に形成された連通孔36を通じて背圧室34内部
へと導入され、これにより背圧室34内部に水が再び充
満してその圧力が高まり、ダイヤフラム弁体16に対し
下向きの押圧力が作用する。そしてダイヤフラム弁体1
6が図4(I)に示す状態となって、通路18が再び遮
断された状態となる。即ちダイヤフラム弁体16が再び
閉弁し、水の供給が停止(止水)される。
6は図4(III)に示す開弁状態、即ちリフトアップ位
置から起動弁40の閉弁により水抜通路38が遮断され
た後においても直ちに閉弁状態とならず、閉弁開始して
から長い時間をかけてゆっくりと閉弁動作し、最終的に
閉鎖部22が弁座26に着座して閉弁完了する。本例に
おいて、ダイヤフラム弁体16には開弁状態において自
身の弾性力に基づく下向きの戻し力が実質的に作用して
いないため、ダイヤフラム弁体16は開弁位置から時間
をかけてゆっくりと閉弁することができるのである。
2を含む弁装置10をセルフストップ式水栓に適用した
例を示している。同図において66はそのセルフストッ
プ式水栓で、68は水栓本体、70はクランク脚、72
は水栓本体68に設けられた温度調節ハンドル、74は
吐水管、76はシャワー水供給部である。また77は吐
水管74先端の吐水口であり、78はシャワー水出口で
ある。
76とのそれぞれに上記ダイヤフラム式止水弁12を含
む弁装置10が設けてある。本例の場合、吐水管74側
に設けた弁装置10の押ボタン50を押込操作すると、
操作力を除いても一定時間吐水口77から吐水が行わ
れ、その後に自動的に吐水停止(自動止水)する。或い
はまたシャワー水供給部76側に設けた弁装置10の押
ボタン50を押込操作すると、その後操作力を除いても
一定時間シャワー水出口78からシャワー水が流出し、
その後自動的に吐水停止(自動止水)する。
合、吐水を吐水管74側からシャワー水供給部76側に
若しくはその逆に切り替えるための切替機構は特に設け
られていない。吐水管74側に設けられた弁装置10若
しくはシャワー水供給部76側に設けられた弁装置10
の何れか一方又は両方の押ボタン50を押込操作する
と、何れか一方から又は両方から吐水が行われ、その後
一定時間後に自動的に吐水停止(自動止水)する。
む弁装置10を、小便器のフラッシュバルブ装置80と
して構成した例である。このフラッシュバルブ装置80
の場合、押ボタン50を押し込むことで小便器への洗浄
水の給水が開始され、その後押ボタン50から手を放し
ても一定時間洗浄水が給水され、そして一定時間後にダ
イヤフラム弁体16が自動的に閉弁して給水停止(自動
止水)する。尚図6において、82は通路18の水流量
を調節する流量調整栓である。
2を含む弁装置10を、大便器のフラッシュバルブ装置
84として構成した例を示している。その基本的な構造
については上記と同様である。尚図7において、86は
水抜通路38を形成するために穿設した開口部を閉鎖す
るプラグである。
ダイヤフラム弁体16の連通孔36の孔径を著しく小さ
くしなくても、開弁状態にあるダイヤフラム弁体16が
閉弁するまでの時間を長くとることができる。即ちダイ
ヤフラム弁体16を時間をかけてゆっくりと閉弁させる
ことができる。これにより従来生じていたウォータハン
マの発生を防止することができる。
来のピストン式止水弁に比べて耐久性に優れ且つ構造が
簡単であり、必要な部品点数も少なく、小便器や大便器
のフラッシュバルブ装置80,84に適用した場合にお
いて、従来の止水弁に比べ所要コスト低減することがで
きる。
より著しく小さくしなくてもウォータハンマ防止できる
ため、連通孔36を小さくすることによって目詰りが発
生し止水不良を引き起すといった問題も解消することが
できる。
トアップのストロークを規定する調節部材54を軸心方
向に位置移動可能に設けているため、その位置移動によ
りダイヤフラム弁体16のリフトアップ量を様々に調節
することができ、従ってダイヤフラム式止水弁12を様
々な水栓やフラッシュバルブ装置その他各種機器に容易
に適用することができる。
のである。この例はダイヤフラム弁体16における可撓
部28を、使用状態において上向きの折返し部88と下
向きの折返し部90との2重の折返し構造となしてあ
る。但しダイヤフラム弁体16の成形時における成形品
形状は、図3(I)の実線に示すのと同様の形状であ
る。但しこの例では可撓部28の長さが長く、従って図
3(I)における成形時の可撓部28Aの長さが上記実
施例に比べてより長くしてある。
弁方向に戻す力を更に弱くすることができる外、閉鎖部
22の軸心方向の変位ストロークを大きく、即ちリフト
アップしたときのダイヤフラム弁体16のストロークを
大きくとることができ、それ故開弁状態にあるダイヤフ
ラム弁体16が閉弁するまでの時間を更に長くとること
ができる。
フラム弁体16は、閉鎖部22が弁座26に着座した状
態、即ち閉弁状態から開弁運動しようとするときにその
運動に対する抵抗力が働く。その抵抗力はゴム硬度が高
い程大となる。
フラム式止水弁12を、図5〜図7に示すセルフストッ
プ式水栓66やフラッシュバルブ装置80,84等に適
用したとき、押ボタン50の操作等によって吐水開始の
操作をしたときにダイヤフラム弁体16が瞬時(例えば
1秒以内)に全ストロークリフトアップすることが必要
であるが、ダイヤフラム弁体16の開弁運動時の抵抗が
ある程度大きいとこれが難しくなる。
時に開弁完了、即ち全ストロークリフトアップさせるた
めには、ダイヤフラム弁体16の可撓部28を柔軟性の
高い(硬度の低い)ものとしておく必要がある。
い軟らかいものにしてしまうと、開閉動作を繰り返すう
ちに閉鎖部22が弁座26に水圧で強く押し付けられる
ことに起因してへたりを生じ、これによりシール性が低
下したり、場合によって閉鎖部22が破れたりする問題
を生じる。
高硬度としてしまうと、吐水開始時に瞬時にダイヤフラ
ム弁体16が全ストロークリフトアップせずに途中で止
ってしまったり、或いは全ストロークリフトアップする
まで時間がかかってしまったりする不都合が生じる。
はその解決のための一例を示したもので、このダイヤフ
ラム弁体16にあっては、閉鎖部22がガイド部材30
におけるカップ部33側の第1層94と、弁座26に当
接する側の第2層96との積層構造となしてある。ここ
で第1層94はダイヤフラム弁体16における可撓部2
8及び固定部20と一体に成形されており、また第2層
96はこれとは別体に構成されている。
とともにここではゴム硬度が50度(JIS K 63
01(A形)に準拠)とされており、また第2層96はゴ
ム硬度が70度とされている。また第2層96は第1層
94に比べ相対的に厚肉に構成されている。
ており、また一方ガイド部材30におけるカップ部33
には対応する孔100が形成されており、その突起98
と孔100との弾性係合に基づいて、第2層96がガイ
ド部材30に一体移動状態に組み付けられている。即ち
第2層96がダイヤフラム弁体16における他部に対し
ガイド部材30を介し一体移動状態に組み付けられてい
る。
弁体16の場合、可撓部28が軟らかく、また閉鎖部2
2における弁座26への当接部を含む部分が硬く形成し
てあるため、吐水開始時においてダイヤフラム弁体16
を全ストローク瞬時にリフトアップ、即ち開弁動作させ
ることができる一方、開閉動作を繰り返した場合におい
ても閉鎖部22がへたってシール性が低下したり、或い
は場合によって破れ等損傷するのを効果的に防止するこ
とができる。
6を、これに一体に成形した突起98とガイド部材30
の孔100との弾性係合に基づいて組み付けるようにな
した場合、第2層96を別体となした場合においても容
易にこれをダイヤフラム弁体16の他部に組み付けて一
体移動させるようになすことができる。
ガイド部材30に孔100を形成してそれらを弾性係合
させるようにしているが、図12に示しているようにガ
イド部材30に突起98を、第2層96に孔100を形
成して、それらを弾性的に係合させることで両者を組み
付けるようになすこともできる。
ド部材30におけるガイド部32とカップ部33とを別
体に構成して、そのガイド部32に雄ねじ部102を、
またカップ部33に雌ねじ部104を設けてそれらをね
じ込結合するようになし、そしてガイド部32に設けた
挟持部106とカップ部33とによって、第2層96を
第1層94とともに挟み込み、以って別体に構成した第
2層96をガイド部材30に、即ちダイヤフラム弁体1
6における他部に一体移動状態に組み付けるようになし
た例である。尚、カップ部33側に雄ねじ部102を、
またガイド部32側に雌ねじ部104を設けてそれらを
ねじ込結合するようになしても良い。
4と、これとは別体をなす高硬度材から成る第2層96
との積層構造として、それらを物理的に結合するように
しているが、それらを接着により接合したり、或いはま
た場合によって2色成形により接合するようになすこと
もできる。
4と第2層96との2層積層構造としているが、場合に
よって3層以上の積層構造とすることもできるし、更に
はまた閉鎖部22全体を可撓部28と別材質且つ高硬度
材で構成して、それらを様々な手段で結合するようにな
すこともできる。また逆に、弁座26に当接する部分だ
けを部分的にリング状に別材質且つ高硬度材で構成する
といったことも可能である。
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
を含む弁装置を示す図である。
もに成形時の状態と使用時の状態とで示す図である。
である。
ップ式水栓に適用した例を示す図である。
ラッシュバルブ装置に適用した例を示す図である。
ラッシュバルブ装置に適用した例を示す図である。
をガイド部材とともに示す図である。
背景の説明図である。
体をガイド部材とともに示す図である。
分解して示す図である。
体をガイド部材とともに示す図である。
体をガイド部材とともに示す図である。
ルブ装置の例を示す図である。
ある。
Claims (8)
- 【請求項1】 弁座に着座して通路を遮断する中央部の
閉鎖部と、外周部の固定部と、それら閉鎖部と固定部と
の間に位置して使用状態で折返し形状をなし、該折返し
形状に基づいて該閉鎖部に軸心方向の変位能を与える可
撓部とを有する、弾性体で形成されたダイヤフラム弁体
を閉弁させることで止水を行うダイヤフラム式止水弁に
おいて、 前記可撓部の折返し形状を伸ばした形状で且つ前記固定
部と閉鎖部とを軸心方向に大きく離隔させたハット形状
で前記ダイヤフラム弁体を成形し、しかる後に該固定部
と閉鎖部との間に位置する前記可撓部を折り返して該固
定部と閉鎖部とが使用時の状態まで軸心方向に接近した
形状に該ダイヤフラム弁体の成形品を変形させ、該変形
形状でダイヤフラム弁体をセットするようになしたこと
を特徴とするダイヤフラム式止水弁。 - 【請求項2】 請求項1において、前記折返し形状の可
撓部が、使用状態において上向きの折返し部と下向きの
折返し部との2重の折返し部となしてあることを特徴と
するダイヤフラム式止水弁。 - 【請求項3】 請求項1,2の何れかにおいて、前記ダ
イヤフラム弁体のリフトアップ時に該ダイヤフラム弁体
に当接して、該ダイヤフラム弁体のリフトアップのスト
ロークを規定する調節部材が、該ダイヤフラム弁体の軸
心方向に位置調節可能に設けてあることを特徴とするダ
イヤフラム式止水弁。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記止
水弁が吐水操作後所定時間経過後に自動止水するセルフ
ストップ式の水栓の止水弁であることを特徴とするダイ
ヤフラム式止水弁。 - 【請求項5】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記止
水弁が便器のフラッシュバルブ装置の止水弁であること
を特徴とするダイヤフラム式止水弁。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記ダ
イヤフラム弁体における前記閉鎖部の少なくとも弁座へ
の当接部を含む一部若しくは全体の硬度を、前記可撓部
の硬度よりも高硬度となしてあることを特徴とするダイ
ヤフラム式止水弁。 - 【請求項7】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記ダ
イヤフラム弁体における前記閉鎖部の少なくとも弁座へ
の当接部を含む一部若しくは全体を、前記可撓部と別材
質で構成してあることを特徴とするダイヤフラム式止水
弁。 - 【請求項8】 請求項7において、前記閉鎖部の前記弁
座への当接部を含む一部若しくは全体を前記可撓部と別
体に構成した上、前記ダイヤフラム弁体の開閉動作を案
内するガイド部材に対し突起と孔との係合により組み付
けてあることを特徴とするダイヤフラム式止水弁。
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