JP2003201714A - 鋼管類圧入引抜き装置 - Google Patents

鋼管類圧入引抜き装置

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JP2003201714A
JP2003201714A JP2002101574A JP2002101574A JP2003201714A JP 2003201714 A JP2003201714 A JP 2003201714A JP 2002101574 A JP2002101574 A JP 2002101574A JP 2002101574 A JP2002101574 A JP 2002101574A JP 2003201714 A JP2003201714 A JP 2003201714A
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press
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JP2002101574A
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English (en)
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Masayoshi Kusuura
正義 楠浦
Katsuisa Koizumi
勝勇 小泉
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HIRABAYASHI SEISAKUSHO KK
Hirabayashi Seisakusho KK
Original Assignee
HIRABAYASHI SEISAKUSHO KK
Hirabayashi Seisakusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 つば無しの鋼管類の取扱いが可能で、かつ容
易に先端つば付き鋼管の取扱いも可能な鋼管類圧入引抜
き装置を提供する。 【解決手段】 ベースと、このベース上にて昇降可能に
設けられた昇降フレーム32と、この昇降フレーム32
と一体昇降可能に設けられ、かつこの昇降フレーム32
を上下に貫く軸を中心として上記昇降フレーム32に対
して相対回転可能に設けられた鋼管類締付け保持のため
のチャック部36とを備えた鋼管類圧入引抜き装置1に
おいて、開閉可能なC形に形成され、開状態下では、こ
のC形の対向する両自由端間が先端つば付き鋼管P
鋼管部の外径よりも大きく開き、閉状態下では、このC
形の内周部にて鋼管部を締付け保持可能に形成され、か
つ上記チャック部36の内側に嵌入して、このチャック
部36に少なくとも一回転方向に関して一体回転可能に
形成されたスペーサ11を取外し可能に付加してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築、土木の基礎
工事において大口径鋼管杭、コンクリート杭等の鋼管類
に加え、先端つば付き鋼管の圧入、引抜きに使用する鋼
管類圧入引抜き装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図37および38に示す鋼管類圧
入引抜き装置30が公知である。この鋼管類圧入引抜き
装置30は、鋼管類Pを貫通させる開口部Oを有す
るベース31と、上記鋼管類Pを貫通させる開口部O
を有し、ベース31に対して昇降可能に設けられた昇
降フレーム32と、この昇降フレーム32とともに昇降
可能に、かつこの昇降フレーム32が形成する開口部O
内にて、この開口部O に垂直な軸を中心として回転
可能に設けられた大外歯車33と、互いにピン結合され
た三つの円弧状部材34A,34Bおよび34Cからな
り、中央の円弧状部材34Bが大外歯車33と一体的な
部材に固定されたC形バンド34および、このC形バン
ド34の両自由端間に介設された油圧シリンダ35を有
するチャック部36とを備えている。
【0003】そして、鋼管類圧入作業の際は、まず、油
圧シリンダ35を伸長させてC形バンド34を開いた状
態にしておいて、図示しないクレーンにより吊下げた鋼
管類Pが上方からC形バンド34の開口部、即ち昇降
フレーム32の開口部Oを経て、ベース31の開口部
内へと降下させられ、この降下終了を待って、油圧
シリンダ35が収縮し、鋼管類PがC形バンド34に
より締付けられて、保持され、そのセッティングが行わ
れる。その後、大外歯車33とともにC形バンド34が
回転させられると同時に、昇降フレーム32が下降させ
られ、これとともに大外歯車33およびC形バンド34
が下降させられ、鋼管類Pが昇降フレーム32の上下
動の1ストローク分だけ地中に圧入させられる。
【0004】この1ストローク分の圧入が終了すると、
C形バンド34が、油圧シリンダ35の伸長とともに開
き、鋼管類Pから離れ、昇降フレーム32が上昇させ
られ、初期の状態に戻り、その後、以上の動作の繰返し
により鋼管類Pが地中に圧入されてゆく。なお、図3
8から分かるように、C形バンド34は、開いた状態
で、鋼管類P から離れれば十分であり、C形バンド3
4が開かれたときの内径とC形バンド34が閉じられて
狭まり、鋼管類Pを締付け、保持しているときの内径
との差はごく僅かである。
【0005】ところで、近年、単なる円筒形状の鋼管
類、即ちつば無しの鋼管類に比して、無排土施工および
支持力増大他、種々の点で優れた先端つば付き鋼管が鋼
管杭として開発され、この先端つば付き鋼管がこれまで
の杭工法の諸問題を解決する有効な手段として期待され
ている。後述するように、この先端つば付き鋼管は、円
筒状の鋼管部の先端部にスパイラル状のつばを溶着して
形成され、このつばの部分の外径は上記鋼管部の外径の
1.5〜2倍程度となっている。
【0006】このように、この先端つば付き鋼管は、鋼
管部に対して先端のつばの部分がかなり大きく、開閉時
の作動量が小さい上記C形バンド34を用いた鋼管類圧
入引抜き装置30に適用することはできない。即ち、C
形バンド34の内径を上記鋼管部の外径に合わせて形成
すると、上述したセッティング時に、上記つばの部分を
C形バンド34の上方から下方に降下させることができ
ず、C形バンド34の内径を上記つばの部分の外形に合
わせて形成すると、作動量の小さいC形バンド34で上
記つばの部分に比してかなり小径の上記鋼管部を締付
け、保持することができなくなる。
【0007】そこで、先に先端つば付き鋼管を圧入位置
に立てておいて、鋼管類圧入引抜き装置30をこの先端
つば付き鋼管の上方から降下させて、最終的に鋼管類圧
入引抜き装置30に先端つば付き鋼管をセッティングす
ることも考えられるが、この場合、必要な装置が大掛か
りとなるだけでなく、危険を伴うことになる。これに対
して、C形バンド34を取外し可能に形成することによ
り、上記セッティングをすることが考えられるが、鋼管
類圧入引抜き装置30の構造が複雑になり、かつ上記セ
ッティング時に多大な手間を要するという問題がある。
このため、従来は、図39に示すように、杭打ち機41
を用い、この杭打ち機41に上下動可能に設けられた回
転駆動手段42を圧入位置に立てた先端つば付き鋼管P
の上端部に連結し、先端つば付き鋼管Pを上記回転
駆動手段42により回転させることり地中に圧入する工
法が採用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記先端つば付き鋼管
を圧入する上記杭打ち機41の場合、その全体高さ
が高く大きくなり、回転駆動手段42の支持部が捩じり
に対して弱く、先端つば付き鋼管Pに大トルクを伝え
ることができないという問題がある。また、この高さが
大きいため、杭打ち機41が倒れ易くなり、危険性が大
きいという問題がある。本発明は、斯る従来の問題点を
なくすことを課題としてなされたもので、つば無しの鋼
管類の取扱いが可能で、かつ容易に先端つば付き鋼管の
取扱いも可能な鋼管類圧入引抜き装置を提供しようとす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1発明は、鋼管類を貫通させる開口部を有するベ
ースと、上記鋼管類を貫通させる開口部を有し、かつ上
記ベース上にて昇降可能に設けられた昇降フレームと、
この昇降フレームと一体昇降可能に上記開口部に設けら
れ、かつこの開口部を上下に貫く軸を中心として上記昇
降フレームに対して相対回転可能に設けられた鋼管類締
付け保持のためのチャック部とを備えた鋼管類圧入引抜
き装置において、開閉可能なC形に形成され、開状態下
では、このC形の対向する両自由端間が先端つば付き鋼
管の鋼管部の外径よりも大きく開き、閉状態下では、こ
のC形の内周部にて鋼管部を締付け保持可能に形成さ
れ、かつ上記チャック部の内側に嵌入して、このチャッ
ク部に少なくとも一回転方向に関して一体回転可能に形
成されたスペーサを取外し可能に付加した構成とした。
【0010】第2発明は、第1発明の構成に加えて、上
記スペーサが、上記鋼管類の周囲を締付けた状態で、上
記チャック部の内側に嵌入して、上記チャック部に付加
されたものである構成とした。
【0011】第3発明は、第1発明の構成に加えて、上
記スペーサが、上記チャック部の内側を貫いて垂直に保
持された上記鋼管類と上記チャック部との間に配置され
て、上記チャック部に付加されたものである構成とし
た。
【0012】第4発明は、第1〜第3発明のいずれかの
構成に加えて、上記スペーサの内周面に、上記鋼管部に
おけるスパイラル状の溶接ビードの盛り上がり部を嵌入
させるスパイラル溝を形成した構成とした。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に
したがって説明する。図1および2は、本発明の第1実
施形態に係る鋼管類圧入引抜き装置1を示し、図37お
よび38に示す鋼管類圧入引抜き装置30と互いに共通
する部分については、同一番号を付して説明を省略す
る。この鋼管類圧入引抜き装置1には、C形バンド34
と筒状の鋼管部Sの先端につばFをスパイラル状に取付
けた先端つば付き鋼管Pとの間に介在させるC形状の
スペーサ11が設けられており、このスペーサ11は、
互いにピン結合された三つの円弧状部材11A,11B
および11Cを備えている。円弧状部材11A,11
B,11Cの各々の上面には、この各々の外周から張り
出し、下向きに折れ曲った断面形状の、即ち断面L形の
突片12Aを有する雄側係止部材12が設けられ、スペ
ーサ11の両自由端、即ち両側の円弧状部材11Aおよ
び11Cの端部には貫通孔13が設けられている。
【0014】この貫通孔13には、ターンバックル14
の両端部に突設されたピン14Aが嵌入し、ターンバッ
クル14の中間部の雌ねじ部材14Bを回転させて、タ
ーンバックル14を収縮させることにより、スペーサ1
1の内径を縮小させ得るようになっている。また、C形
バンド34の円弧状部材34A,34Bおよび34Cの
各々の上面には、上記突片12Aと同様なL形の断面形
状の凹所15Aを有する雌側係止部材15が設けられて
いる。
【0015】なお、この断面L形の凹所15Aは、先端
つば付き鋼管Pの中心軸に垂直な平面で切った断面が
円弧形状になっており、この円弧形状の一端にストッパ
15Bが設けられている。そして、チャック部36に対
してスペーサ11が回転することにより、上述した突片
12Aはこの凹所15Aの他端開口部から嵌入して、上
記一端のストッパ15Bに当って停止する。さらに、C
形バンド34の円弧状部材34A,34Bおよび34C
の各々の上面における上記凹所15Aの上記他端開口部
の入口部に、ピンシャフト16が嵌入、取外し可能なピ
ンシャフト孔17が形成されている。
【0016】次に、上記構成からなる鋼管類圧入引抜き
装置1を用いた場合における先端つば付き鋼管Pの圧
入の施工手順について、図3〜16を参照しつつ、説明
する。まず、先端つば付き鋼管Pとスペーサ11とを
一体化する必要があり、そのために第1ステップで、図
3,4および5に示すように、架台19Aおよび19B
の一方の架台19A上にチャック部36から外したスペ
ーサ11を置き、上向きに開いた状態にしておく。第2
ステップで、図6および7に示すように、例えばクレー
ンにより吊持した先端つば付き鋼管Pを架台19A上
のスペーサ11と架台19B上に降ろし、載置する。
【0017】第3ステップで、図8および9に示すよう
に、スペーサ11を閉じ、その両自由端の貫通孔13に
ピン14Aを嵌入させて、この両自由端間にターンバッ
クル14を取付ける。そして、雌ねじ部材14Bを回転
させることによりターンバックル14を収縮させて、ス
ペーサ11が先端つば付き鋼管Pの回りをしっかりと
締付けた状態にする。これにより、スペーサ11と先端
つば付き鋼管Pとが一体化された状態になる。第4ス
テップで、図10に示すように、スペーサ11と一体と
なった先端つば付き鋼管Pを架台19Aおよび19B
からクレーンにより吊上げ、鋼管類圧入引抜き装置1の
上方まで移動させる。
【0018】第5ステップで、図11に示すように、ス
ペーサ11とともに先端つば付き鋼管Pを開いた状態
にあるチャック部36内に向けて降下させてゆき、スペ
ーサ11がチャック部36内に達すると、上記降下を一
端停止させる。第6ステップで、図12に示すように、
油圧シリンダ35を収縮させることによりC形バンド3
4を閉じ、C形バンド34とスペーサ11との間の隙間
をできるだけ小さくする。即ち、C形バンド34により
スペーサ11を締付けない程度に、できるだけC形バン
ド34を閉じる。そして、図13に示すように、このC
形バンド34内にて、スペーサ11を矢印Iで示すよう
に、回転させて、突片12Aを凹所15A内に嵌入させ
る。そして、このスペーサ11の回転は、突片12Aが
上記一端のストッパ15Bに当ることにより停止し、こ
の回転が停止した後、図14に示すように、ピンシャフ
ト孔17内にピンシャフト16を嵌入させるとともに、
スペーサ11からターンバックル14を外す。この状態
で、C形バンド34とスペーサ11とは一体的に回転す
るようになる。また、この状態で、C形バンド34と一
体的にスペーサ11も開閉するようになっており、C形
バンド34を開くことによりスペーサ11を開き、締付
け状態にあった先端つば付き鋼管Pを開放する。
【0019】第7ステップで、図15に示すように、ス
ペーサ11から開放された先端つば付き鋼管Pのみを
地面に着地する迄降下させる。第8ステップで、図16
に示すように、吊持されていた先端つば付き鋼管P
クレーンから開放した後、C形バンド34を閉じること
によりスペーサ11を閉じ、スペーサ11により先端つ
ば付き鋼管Pを締付け保持した状態にする。この結
果、先端つば付き鋼管Pはスペーサ11を介して、C
形バンド34により締付けられ、保持された状態とな
り、上述した従来の鋼管類圧入引抜き装置30により鋼
管類を圧入する場合と同様にして先端つば付き鋼管P
の圧入が行われる。即ち、C形バンド34を上記矢印I
とは逆の方向に回転させつつ、昇降フレーム32を1ス
トローク分だけ下降させ、C形バンド34の回転を停止
させるとともに広げ、昇降フレーム32を元の位置迄上
昇させ、その後、C形バンド34を閉じ、以下上記同様
の動作を繰返すことにより、先端つば付き鋼管Pが地
中に圧入されてゆく。
【0020】ところで、図17および18に示すよう
に、先端つば付き鋼管Pの鋼管部Sには、通常、スパ
イラル溶接鋼管が用いられ、スパイラル状の溶接ビード
の盛り上がり部21が生じている。このため、図19お
よび20に示すように、スペーサ11の内周面にこの盛
り上がり部21と同様なスパイラル溝22を形成してお
くのが好ましく、これにより、先端つば付き鋼管P
圧入時に盛り上がり部21がスパイラル溝22内に収ま
り、スペーサ11と先端つば付き鋼管Pとの間のスリ
ップを防止し、確実に先端つば付き鋼管Pを回転させ
得るようになる。
【0021】なお、図14に示す状態下で、ピンシャフ
ト孔17からピンシャフト16を取外し、チャック部3
6内にて、スペーサ11を上述した矢印Iとは逆の方向
に回転させることにより、チャック部36からスペーサ
11を外せる状態となる。いずれにせよ、鋼管類圧入引
抜き装置1は、スペーサ11を取付けた状態であるか否
かに拘わらず、先端つばのない単なる筒状の鋼管類の圧
入にも適用できる。また、上記施工手順は限定するもの
でなく、例えば、雄側係止部材12の雌側係止部材15
への嵌め込みは先端つば付き鋼管Pの着地後に行って
もよい。さらに、上記の装置とは逆に、スペーサ11に
雌側係止部材15を設け、C形バンド34に雄側係止部
材12を設けてもよい。その他、本発明は、ピンシャフ
ト16およびピンシャフト孔17を設けたものに限定す
るものではなく、これらについては必ずしも設けなくて
もよい。これらを設けない場合、スペーサ11とC形バ
ンド34とは一回転方向においてのみ、一体回転可能と
なる。
【0022】図21〜34は、本発明の第2実施形態に
係る鋼管類圧入引抜き装置101を示し、上述した鋼管
類圧入引抜き装置1およびそのスペーサ11を示す図1
〜図16における部分と互いに共通する部分について
は、同一番号を付して説明を省略する。この鋼管類圧入
引抜き装置101は、ベース31上に対向配置された一
対の下部クランプ102を備えている。この下部クラン
プ102は、ベース31上に直接取り付けられた外筒体
103と、先端部に円弧状の保持部材104を有し、外
筒体103内に摺動可能に嵌入した内筒体105と、外
筒体103内に配置され、シリンダーチューブとピスト
ンロッドの内にいずれか一方が外筒体103内にピン結
合され、他方が内筒体105内にピン結合された伸縮手
段、例えば油圧シリンダ106とからなっている(図2
6および27参照)。
【0023】次に、上述した下部クランプ102の働き
とともに、鋼管類圧入引抜き装置101を用いた場合に
おける先端つば付き鋼管Pの圧入の施工手順につい
て、図23〜35を参照しつつ、説明する。鋼管類圧入
引抜き装置101が所定位置に設置され、圧入作業の準
備が完了すると、まず第1ステップで、図23に示すよ
うに、圧入しようとする先端つば付き鋼管Pをクレー
ンにより吊上げ、鋼管類圧入引抜き装置101の上方ま
で移動させる。なお、この段階では、鋼管類圧入引抜き
装置101には、スペーサ11は配置されておらず、昇
降フレーム32は上昇位置にあり、C形バンド34は開
いた状態となっており、油圧シリンダ106は収縮し、
保持部材104は後退位置にある。なお、先端つば付き
鋼管Pの上端部には、略円錐形のガイドキャップ10
7が取り付けられている。なお、このガイドキャップ1
07の働きについては、後述する。
【0024】第2ステップで、図24〜26に示すよう
に、クレーンにより吊持された先端つば付き鋼管P
降下させ、着地した状態にする。図26に示すように、
保持部材104が後退位置にあるときには、対向する一
対の保持部材104,104間の間隔は先端つば付き鋼
管PのつばFの外径よりも十分に大きく、各保持部材
104とつばFとは干渉することはない。
【0025】第3ステップで、図27および28に示す
ように、油圧シリンダ106が伸長して、前進した保持
部材104により先端つば付き鋼管Pの鋼管部Sが両
側から強固に挟持されて、鋼管類圧入引抜き装置101
と同心位置にセンタリングされて垂直に自立した状態に
保たれる。そして、この後、先端つば付き鋼管Pがク
レーンにより吊持された状態は、解除される。先端つば
付き鋼管Pは、保持部材104によりしっかりと保持
されている故、上記センタリングされた位置にて、倒れ
ることなく垂直状態を維持する。
【0026】第4ステップで、図29に示すように、ク
レーンにより上述したスペーサ11を吊持し、鋼管類圧
入引抜き装置101に保持された先端つば付き鋼管P
の上方に移送し、ここから降下させて先端つば付き鋼管
の外周に位置させる。このとき、スペーサ11は、
その両自由端の貫通孔13にピン14Aを嵌入させて、
この両自由端間にターンバックル14を取付けた状態
で、かつターンバックル14を伸長させることにより、
その内径を鋼管部Sの外径よりも大きくした状態に保た
れている。
【0027】また、スペーサ11を降下させてゆく際、
スペーサ11がガイドキャップ107によりガイドされ
て円滑に先端つば付き鋼管Pの外周に位置することが
可能となっている。なお、ガイドキャップ107を設け
るのに代えて、スペーサ11の内周面の下部を下方に向
かって末広がり形状に、即ち漏斗形状に形成して、これ
によりスペーサ11の先端つば付き鋼管Pの外周部へ
の降下の際にガイドするようにしてもよい。
【0028】第5ステップで、図30および31に示す
ように、先端つば付き鋼管Pの外方に遊嵌したスペー
サ11をさらに降下させて、鋼管類圧入引抜き装置10
1の昇降フレーム32の段部に載置し、鋼管類圧入引抜
き装置101内の一定の高さにするとともに、C形バン
ド34の内方に位置させる。この時点では、上述したよ
うに、スペーサ11の内径は鋼管部Sの外径よりも大き
く、スペーサ11の外径はC形バンド34の内径よりも
小さく、スペーサ11と鋼管部Sとの間には、クリアラ
ンスC、スペーサ11とC形バンド34との間にはク
リアランスCが存在している(図31参照)。また、
先端つば付き鋼管Pは、鋼管類圧入引抜き装置101
のベース31に対して一定の位置関係で不動の状態に固
定されている。
【0029】第6ステップで、ターンバックル14とと
もにスペーサ11の両自由端の貫通孔13からピン14
Aを外し、上記両自由端の拘束を解き、図31において
矢印Iで示す方向にスペーサ11を回転させることによ
り、図32および33に示すように、スペーサ11上の
各雌側係止部材12とC形バンド34上の各雄側係止部
材15とを係合させる。その後、C形バンド34の円弧
状部材11A,11B,11Cの各々に穿設されたピン
シャフト孔17にピンシャフト16を嵌入させて各雌側
係止部材12と各雄側係止部材15との係合状態を固定
する。
【0030】第7ステップで、油圧シリンダ35を収縮
させることにより、図34に示すように、内側開口部の
断面積が縮小するようにC形バンド34とともにスペー
サ11を閉じてゆき、スペーサ11を介してC形バンド
34により鋼管部Sを締付ける。その後、油圧シリンダ
106を収縮させ、保持部材104を後退させることに
より下部クランプ102を鋼管部Sから引き離して、ベ
ース31に対して先端つば付き鋼管Pが自由に回転で
きる状態にする。
【0031】この結果、鋼管類圧入引抜き装置101に
より、スペーサ11を介して、C形バンド34により締
付けられ、保持された先端つば付き鋼管Pは、上述し
た従来の鋼管類圧入引抜き装置30により鋼管類を圧入
する場合と同様にして先端つば付き鋼管Pの圧入が行
われる。即ち、C形バンド34を上記矢印Iとは逆の方
向に回転させつつ、昇降フレーム32を1ストローク分
だけ下降させ、C形バンド34の回転を停止させるとと
もに広げ、昇降フレーム32を元の位置迄上昇させ、そ
の後、C形バンド34を閉じ、以下上記同様の動作を繰
返すことにより、先端つば付き鋼管Pが地中に圧入さ
れてゆく。
【0032】なお、上述した施工手順によれば、上端部
にガイドキャップ107が取り付けられた先端つば付き
鋼管Pの上端部にガイドキャップ107を取り付け、
このガイドキャップ107の上方からスペーサ11を降
下させたが、この他、図35および36に示すように、
ガイドキャップ107を用いずに、先端つば付き鋼管P
の側方からスペーサ11を移送して、このスペーサ1
1を先端つば付き鋼管Pの外周部に位置させるように
してもよい。
【0033】即ち、ピン14Aおよびターンバックル1
4を外され、両自由端の間隔が大きくなるように開かれ
た二点鎖線で示すスペーサ11を先端つば付き鋼管P
の鋼管部Sに、その側方から近接させ(図36参照)、
その後、先端つば付き鋼管P を取巻くように両自由端
の間隔が小さくなるようにスペーサ11を閉じる。さら
に、この両自由端の各貫通孔13にピン14Aを嵌入さ
せ、これにターンバックル14を取り付け、先端つば付
き鋼管Pの周囲にスペーサ11を遊嵌状態にする。こ
の図35は、上述した第4ステップを示す図29に対応
し、先端つば付き鋼管Pの周囲に、その側方からスペ
ーサ11を位置させる場合についても、以後の施工手順
は上述した第5ステップ以降の施工手順と同様である。
【0034】ところで、鋼管類圧入引抜き装置101の
場合においても、上述した図19および20に示すスパ
イラル溝22を有するスペーサ11を適用することがで
きるのは言うまでもない。また、鋼管類圧入引抜き装置
1の場合と同様に、鋼管類圧入引抜き装置101につい
ても、スペーサ11を取付けた状態であるか否かに拘わ
らず、先端つばのない単なる筒状の鋼管類の圧入にも適
用できる。
【0035】さらに、上述した鋼管類圧入引抜き装置1
01とは逆に、スペーサ11に雌側係止部材15を設
け、C形バンド34に雄側係止部材12を設けてもよ
い。その他、鋼管類圧入引抜き装置1の場合と同様に、
鋼管類圧入引抜き装置101についても、ピンシャフト
16およびピンシャフト孔17を設けたものに限定する
ものではなく、これらについては必ずしも設けなくても
よい。これらを設けない場合、スペーサ11とC形バン
ド34とは一回転方向においてのみ、一体回転可能とな
る。なお、図2および22では、各貫通孔13にピン1
4Aが嵌入し、これらにターンバックル14が取り付け
られた状態が示されているが、鋼管類圧入作業に際して
は、予めピン14Aおよびターンバックル14は取外さ
れて、チャック部36のC形バンド34と一体的に開閉
可能な状態にされることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、第一発
明によれば、鋼管類を貫通させる開口部を有するベース
と、上記鋼管類を貫通させる開口部を有し、かつ上記ベ
ース上にて昇降可能に設けられた昇降フレームと、この
昇降フレームと一体昇降可能に上記開口部に設けられ、
かつこの開口部を上下に貫く軸を中心として上記昇降フ
レームに対して相対回転可能に設けられた鋼管類締付け
保持のためのチャック部とを備えた鋼管類圧入引抜き装
置において、開閉可能なC形に形成され、開状態下で
は、このC形の対向する両自由端間が先端つば付き鋼管
の鋼管部の外径よりも大きく開き、閉状態下では、この
C形の内周部にて鋼管部を締付け保持可能に形成され、
かつ上記チャック部の内側に嵌入して、このチャック部
に少なくとも一回転方向に関して一体回転可能に形成さ
れたスペーサを取外し可能に付加した構成としてある。
このため、つば無しの鋼管類の取扱いが可能で、かつ容
易かつ安全に先端つば付き鋼管の取扱いも可能となり、
圧入時に、先端つば付き鋼管に対して強力な回転駆動力
を作用させることが可能になるという効果を奏する。
【0037】また、第2発明によれば、第1発明の構成
に加えて、上記スペーサが、上記鋼管類の周囲を締付け
た状態で、上記上記チャック部の内側に嵌入して、上記
チャック部に付加されたものである構成とし、第3発明
によれば、第1発明の構成に加えて、上記スペーサが、
上記チャック部の内側を貫いて垂直に保持された上記鋼
管類と上記チャック部との間に配置されて、上記チャッ
ク部に付加されたものである構成としてある。このた
め、上記スペーサが、上記鋼管類が鋼管類圧入引抜き装
置に配置される前後の何れであるかに拘わらず、上記チ
ャック部に付加されて適用される。
【0038】さらに、第4発明は、第1〜第3発明のい
ずれかの構成に加えて、上記スペーサの内周面に、上記
鋼管部におけるスパイラル状の溶接ビードの盛り上がり
部を嵌入させるスパイラル溝を形成した構成としてあ
る。このため、上述した効果に加えて、スペーサから先
端つば付き鋼管に対して、スリップを生じることなく、
確実に強力な力を作用させることが可能になるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る鋼管類圧入引抜
き装置の正面図である。
【図2】 図1に示す鋼管類圧入引抜き装置の平面図で
ある。
【図3】 図1に示す鋼管類圧入引抜き装置による先端
つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第1の状態を
示す正面図である。
【図4】 図3に示す架台の部分の側面図である。
【図5】 図3に示す架台の部分の側面図である。
【図6】 図1に示す鋼管類圧入引抜き装置による先端
つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第2の状態を
示す正面図である。
【図7】 図6に示す状態の側面図である。
【図8】 図1に示す鋼管類圧入引抜き装置による先端
つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第3の状態を
示す正面図である。
【図9】 図8に示す状態の側面図である。
【図10】 図1に示す鋼管類圧入引抜き装置による先
端つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第4の状態
を示す正面図である。
【図11】 図1に示す鋼管類圧入引抜き装置による先
端つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第5の状態
を示す正面図である。
【図12】 図1に示す鋼管類圧入引抜き装置による先
端つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第6の状態
を示す正面図である。
【図13】 上記第6の状態における一体化前のスペー
サおよびC形バンドを示す平面図である。
【図14】 上記第6の状態における一体化後のスペー
サおよびC形バンドを示す平面図である。
【図15】 図1に示す鋼管類圧入引抜き装置による先
端つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第7の状態
を示す正面図である。
【図16】 図1に示す鋼管類圧入引抜き装置による先
端つば付き鋼管の圧入時の施工手順における最終の第8
の状態を示す正面図である。
【図17】 本発明が適用される先端つば付き鋼管のス
パイラル溶接された鋼管部の一部を示す正面図である。
【図18】 図17のXVIII−XVIII線断面図である。
【図19】 本発明に係る鋼管類圧入引抜き装置におけ
る別のスペーサを示す平面図である。
【図20】 図19のXX−XX線断面図である。
【図21】 本発明の第2実施形態に係る鋼管類圧入引
抜き装置の正面図である。
【図22】 図21に示す鋼管類圧入引抜き装置の平面
図である。
【図23】 図21に示す鋼管類圧入引抜き装置による
先端つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第1の状
態を示す正面図である。
【図24】 図21に示す鋼管類圧入引抜き装置による
先端つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第2の状
態を示す正面図である。
【図25】 図24に示す鋼管類圧入引抜き装置の中心
を通る垂直面で切ったときの断面図である。
【図26】 図25のXXVI−XXVI線断面で、主に下部ク
ランプの状態を示す図である。
【図27】 図21に示す鋼管類圧入引抜き装置による
先端つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第3の状
態を示す装置の中心を通る垂直面で切ったときの断面図
である。
【図28】 図27のXXVIII−XXVIII線断面で、主に下
部クランプの状態を示す図である。
【図29】 図21に示す鋼管類圧入引抜き装置による
先端つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第4の状
態を示す正面図である。
【図30】 図21に示す鋼管類圧入引抜き装置による
先端つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第5の状
態を示す装置の中心を通る垂直面で切ったときの断面図
である。
【図31】 図30に示す鋼管類圧入引抜き装置におけ
るスペーサの状態を示す部分平面図である。
【図32】 図21に示す鋼管類圧入引抜き装置による
先端つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第6の状
態を示す装置の中心を通る垂直面で切ったときの断面図
である。
【図33】 図32に示す鋼管類圧入引抜き装置におけ
るスペーサの状態を示す部分平面図である。
【図34】 図21に示す鋼管類圧入引抜き装置による
先端つば付き鋼管の圧入時の施工手順における第7の状
態を示す装置の中心を通る垂直面で切ったときの断面図
である。
【図35】 図21に示す鋼管類圧入引抜き装置による
先端つば付き鋼管の圧入時の施工手順における上記第4
の状態に対応する別の態様を示す正面図である。
【図36】 図35において二点鎖線で示すスペーサの
状態を示す部分平面図である。
【図37】 従来の鋼管類圧入引抜き装置の正面図であ
る。
【図38】 図21に示す鋼管類圧入引抜き装置の平面
図である。
【図39】 先端つば付き鋼管の圧入作業をする杭打ち
機を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼管類圧入引抜き装置 11 スペーサ 11A,11B,11C 円弧状部材 12 雄側係止
部材 14 ターンバックル 15 雌側係止
部材 31 ベース 32 昇降フレ
ーム 34 C形バンド 35 油圧シリ
ンダ 36 チャック部 P 先端つば
付き鋼管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管類を貫通させる開口部を有するベー
    スと、上記鋼管類を貫通させる開口部を有し、かつ上記
    ベース上にて昇降可能に設けられた昇降フレームと、こ
    の昇降フレームと一体昇降可能に上記開口部に設けら
    れ、かつこの開口部を上下に貫く軸を中心として上記昇
    降フレームに対して相対回転可能に設けられた鋼管類締
    付け保持のためのチャック部とを備えた鋼管類圧入引抜
    き装置において、開閉可能なC形に形成され、開状態下
    では、このC形の対向する両自由端間が先端つば付き鋼
    管の鋼管部の外径よりも大きく開き、閉状態下では、こ
    のC形の内周部にて鋼管部を締付け保持可能に形成さ
    れ、かつ上記チャック部の内側に嵌入して、このチャッ
    ク部に少なくとも一回転方向に関して一体回転可能に形
    成されたスペーサを取外し可能に付加したことを特徴と
    する鋼管類圧入引抜き装置。
  2. 【請求項2】 上記スペーサが、上記鋼管類の周囲を締
    付けた状態で、上記チャック部の内側に嵌入して、上記
    チャック部に付加されたものであることを特徴とする請
    求項1に記載の鋼管類圧入引抜き装置。
  3. 【請求項3】 上記スペーサが、上記チャック部の内側
    を貫いて垂直に保持された上記鋼管類と上記チャック部
    との間に配置されて、上記チャック部に付加されたもの
    であることを特徴とする請求項1に記載の鋼管類圧入引
    抜き装置。
  4. 【請求項4】 上記スペーサの内周面に、上記鋼管部に
    おけるスパイラル状の溶接ビードの盛り上がり部を嵌入
    させるスパイラル溝を形成したことを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の鋼管類圧入引抜き装置。
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