JP2003201676A - 繊維シート及びその製造方法 - Google Patents

繊維シート及びその製造方法

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JP2003201676A JP2001400188A JP2001400188A JP2003201676A JP 2003201676 A JP2003201676 A JP 2003201676A JP 2001400188 A JP2001400188 A JP 2001400188A JP 2001400188 A JP2001400188 A JP 2001400188A JP 2003201676 A JP2003201676 A JP 2003201676A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 擬革や合成皮革或いは研磨材の基布等として
好適な、ミクロスポンジ構造を有しないか、または該構
造が少ない高硬度の繊維シート及びその製造方法を提供
すること。 【解決手段】 繊維基材に架橋ポリウレタン樹脂が含浸
されてなる繊維シート及び繊維基材に質架橋ポリウレタ
ン樹脂が含浸されてなる繊維シートを製造する方法にお
いて、繊維基材に架橋性ポリウレタン樹脂溶液を含浸さ
せ、湿式凝固後ポリウレタン樹脂をその軟化温度以上の
温度で乾燥および架橋させることを特徴とする繊維シー
トの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維シート及びその
製造方法に関し、詳しくは合成皮革、研磨用基材等に使
用される繊維シート及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂が含浸された繊維シー
トは、通常、不織布にポリウレタン樹脂溶液を含浸させ
る工程、水中で湿式凝固する工程に続き、水洗、絞り工
程および乾燥工程を経て製造される。このようにして製
造されるポリウレタン樹脂が含浸された繊維シートは、
ポリウレタン樹脂が多孔質(ミクロスポンジ構造)の複
合シートであり、合成皮革あるいは人工皮革として、ま
た近年は研磨用基材としても使用されている。
【0003】湿式凝固方法で得られた繊維シートはミク
ロスポンジ構造を有することから、一般的に柔らかく、
特に研磨用基材シートとして使用するには研磨性が低く
なる欠点がある。この欠点をカバーするために、製造
された繊維シートを、その基材の不織布を構成する繊維
の融点または軟化温度以下で、含浸させたポリウレタン
樹脂の軟化温度以上の高温(180〜250℃程度)
で、長時間の加熱処理を施し、ミクロスポンジ構造のポ
リウレタン樹脂を溶融させ、ポリウレタン樹脂を繊維の
周りに融着させる方法(特開昭62−140769号公
報)、不織布にポリウレタン樹脂を含浸し、これを水
中に短時間浸漬してポリウレタン樹脂を不完全凝固させ
た後、適度な条件で乾燥することによりミクロスポンジ
構造をなくす方法(特開平3−213573号公報)等
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法は、ポリ
ウレタン樹脂溶融のための温度が高く(180〜250
℃)、加熱時間も長く要することから、ポリウレタン樹
脂が劣化するという問題が生じ、安定した品質の製品を
生産するうえで支障となる。また、この方法でミクロス
ポンジをなくすことには限界がある。上記の方法は、
湿式凝固時に水中に短時間浸漬(水中に1時間以内、温
水に20分以内)して不完全凝固させることによりミク
ロスポンジの形成を抑え、その後、残存する溶媒(ジメ
チルホルムアミド)を75±5℃の低温で乾燥すること
により、乾燥工程で新たなミクロスポンジを形成させな
い方法である。しかし、実際には10分程度の水中浸漬
で完全凝固が起こり、ミクロスポンジが形成される場合
が多い。不完全凝固にするためには、水中の浸漬時間を
更に短くし、5分程度以下とすることにより可能である
が、その場合にはポリウレタン樹脂が完全に固まってい
ないことから、次の工程のロールプレス機による絞りに
より該樹脂層の凝集が起こるとともに、絞り時にロール
プレスを汚染することが多く、意図する繊維シートが得
られない。一方、不完全凝固からロールプレスせずにそ
のまま低温にて残存溶剤(ジメチルホルムアミド)を乾
燥すれば、ある程度、ミクロスポンジのないものも得ら
れるが、ロールプレスを施してないため、多量に含有す
る水およびジメチルホルムアミドを低温で除去するには
時間がかかり、効率が著しく低下する。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は、擬革や合成皮革或いは研磨材
の基布等として好適な、ミクロスポンジ構造を有しない
高硬度の繊維シート及びその製造方法を提供することで
ある。本発明者らは、上記目的を達成すべく検討を重ね
た結果、湿式凝固法で使用するポリウレタン樹脂として
従来のポリウレタン樹脂より軟化点の低いものを用い、
該樹脂の溶液に架橋剤を加え、乾燥工程でポリウレタン
樹脂の乾燥と架橋を平行して行うことによって、乾燥後
にさらに高温(該樹脂の軟化点以上の)加熱処理を行う
ことなく、ミクロスポンジ構造を実施的に有しない(非
多孔質)か、該構造が少ない繊維シートが得られ、この
シートは従来の繊維シートと同様の硬度を有することを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、繊維基材に架
橋ポリウレタン樹脂が含浸されてなることを特徴とする
繊維シートおよび繊維基材に架橋ポリウレタン樹脂が含
浸されてなる繊維シートを製造する方法において、繊維
基材に架橋性ポリウレタン樹脂溶液を含浸させ、湿式凝
固後ポリウレタン樹脂をその軟化温度以上の温度で乾燥
および架橋させることを特徴とする繊維シートの製造方
法である。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明をさらに詳細に説明す
る。先ず、本発明の繊維シートについて説明する。本発
明の繊維シートは、ポリウレタン樹脂が繊維基材の繊維
に含浸されたものであり、ポリウレタン樹脂は架橋され
ている。また、架橋ポリウレタン樹脂には実質的にミク
ロスポンジ構造は存在しない(非多孔質である)か、非
常に少ないものである。繊維基材に対する架橋ポリウレ
タン樹脂の付着量は、繊維シートの使用目的によって異
なり、一概にはいえないが、通常、30〜270重量%
程度である。また、繊維シートの硬度は、用途によって
異なり、特に限定されないが、硬度(JIS A硬度)
は90以上のものも可能である。
【0008】このような本発明の繊維シートの製造方法
は、特に制限されないが、例えば、従来の湿式凝固法で
ミクロスポンジ構造を有する繊維シートを製造する際に
ポリウレタン樹脂及びその架橋剤を含む架橋性ポリウレ
タン樹脂溶液を用い、乾燥工程でポリウレタン樹脂の軟
化温度以上の温度でポリウレタン樹脂を乾燥および架橋
させることで製造することができる。その際、ポリウレ
タン樹脂が自己架橋性のポリウレタン樹脂であるときに
は架橋剤は使用しなくてもよい。架橋方法としては熱架
橋、電子線架橋等が挙げられるが、特別の装置を必要と
しない点で熱架橋が好ましい。ポリウレタン樹脂の架橋
剤は、従来公知の該樹脂の架橋剤がいずれも使用でき、
特に制限されない。自己架橋性のポリウレタン樹脂につ
いても同様である。これらについては後述する。
【0009】本発明で使用される繊維基材としては、従
来から湿式凝固法でポリウレタン樹脂製の擬革や合成皮
革等の製造に使用されている繊維基材がいずれも使用可
能である。通常、織布、不織布等が用いられるが、ポリ
ウレタン樹脂の含浸性の面から不織布が好ましい。不織
布の繊維としては、ポリウレタン樹脂の軟化温度より高
い融点を有する合成繊維であれば特に限定されず、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナ
イロン6、ナイロン6,6等のポリアミド等の短繊維や
フィラメント糸等が用いられる。繊維基材の厚さは、本
発明の繊維シートの使用目的や製造工程等を考慮して決
めればよく、特に限定されない。例えば、2〜10mm
程度である。また、繊維の目付量も特に制限されず、通
常、300〜1500g/m2程度である。
【0010】本発明で使用されるポリウレタン樹脂は、
従来公知のポリウレタン樹脂がいずれも使用でき、特に
制限されないが、湿式凝固性、洗浄・絞り工程でのジメ
チルホルムアミド(溶剤)と水との置換容易性および乾
燥工程での樹脂融着性を考慮すると軟化温度が170℃
以下のものが好ましく、150℃以下のものがさらに好
ましい。また、ポリウレタン樹脂の未架橋時の20%モ
ジュラス(引張り応力)は、本発明の繊維シートの硬度
を考慮すると20MPa以上が好ましい。本発明の繊維
シートの硬度は特に限定されず、使用目的に応じた硬度
の繊維シートを提供することができる。例えば、硬度
(JIS A硬度)が90以上の高硬度の繊維シートの
提供も可能である。
【0011】ポリウレタン樹脂の製造には、通常、ポリ
オール成分として、ポリエステルポリオール、ポリエー
テルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が用い
られるが、本発明においては、特に芳香族環を有するポ
リオール成分の使用が、ポリウレタン樹脂と不織布の繊
維との密着性が向上し、湿式凝固性も向上するので好ま
しい。全ポリオール成分中の芳香族ポリオール成分の好
ましい含有量は10重量%以上である。また、ポリオー
ル成分中にはポリアミンを含んでもよく、さらに必要に
より鎖伸長剤を加えてもよい。ポリウレタン樹脂の製造
に使用されるポリイソシアネート成分として、例えば、
芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネー
ト、脂環族ポリイソシアネート、ポリイソシアネート多
量体等が挙げられる。
【0012】次に、本発明の繊維シートの製造方法につ
いて説明する。本発明の繊維シートの製造方法は、繊維
基材に架橋性ポリウレタン樹脂溶液を含浸させ、湿式凝
固後ポリウレタン樹脂をその軟化温度以上の温度で乾燥
および架橋させる方法である。本発明の方法で用いる繊
維基材は、前記のものと同じであり、ポリウレタン樹脂
の含浸性の面で不織布が好ましい。架橋性ポリウレタン
樹脂溶液を繊維基材の含浸液として使用し、湿式凝固後
にポリウレタン樹脂をその軟化点以上の温度で乾燥およ
び架橋させることにより、従来のようにポリウレタン樹
脂層を融着させるために乾燥後にさらに高温で再加熱処
理する必要もなく、また不完全凝固させる必要もなく、
ミクロスポンジ構造が実質的にない(非多孔質)か、少
ない高硬度の繊維シートを製造することができる。
【0013】本発明の繊維シートの製造方法は、繊維基
材とポリウレタン樹脂溶液とを用いた従来の湿式凝固法
による繊維シートの製造方法とは、ポリウレタン樹脂溶
液が、ポリウレタン樹脂の架橋剤を含有しているか、ま
たは自己架橋性のポリウレタン樹脂の溶液(本発明では
これらの溶液を架橋性ポリウレタン樹脂溶液と称す
る。)であり、湿式凝固の後にポリウレタン樹脂をその
軟化温度以上の温度で乾燥及び架橋させることである。
架橋方法は特に制限されず、熱架橋、電子線架橋等が挙
げられるが、特別の装置を必要としない点で熱架橋が好
ましい。
【0014】即ち、本発明の製造方法では、架橋性ポリ
ウレタン樹脂溶液を繊維基材に含浸させた後、水または
溶剤の水溶液中で完全にポリウレタン樹脂を凝固させ
る。次に、温水中での洗浄工程およびロールプレス等に
よる絞り工程を必要により数回繰り返した後、乾燥して
繊維シートを得る。乾燥温度は従来の湿式凝固法におけ
る一般的な乾燥工程の場合と同様であるが、乾燥ライン
の長さおよび使用する不織布の劣化等ならびに乾燥およ
び架橋によるミクロスポンジ構造の消失の促進を考慮す
ると170℃以下が好ましく、さらに好ましくは170
〜110℃の範囲の使用するポリウレタン樹脂の軟化温
度より高い範囲である。
【0015】本発明方法で使用されるポリウレタン樹脂
としては、架橋剤で架橋可能、または自己架橋可能なポ
リウレタン樹脂はいずれも使用でき、特に制限されな
い。好ましいポリウレタン樹脂は、通常の湿式凝固法に
よる繊維シートの製造に従来から用いられている該樹脂
よりも低い軟化温度、好ましくは170℃以下、さらに
好ましくは150℃以下の軟化温度を有するものであ
る。このようなポリウレタン樹脂を使用することによ
り、凝固・洗浄工程で形成されたポリウレタン樹脂のミ
クロスポンジ構造を、通常の乾燥工程でポリウレタン樹
脂の乾燥および熱融着により消失させ、ポリウレタン樹
脂を繊維の周りに付着させるとともに、最終的にポリウ
レタン樹脂に架橋構造を形成させることにより、高硬度
で且つ耐熱性の高い(磨耗による発熱でも溶融しない)
耐久性能に優れた繊維シートが得られる。また、軟化温
度が170℃以下のポリウレタン樹脂の使用は、湿式凝
固性ならびに絞り工程でのジメチルホルムアミドと水と
の置換容易性の点からも好ましい。また、ポリウレタン
樹脂は、製品の繊維シートの硬度を考慮すると、その未
架橋時の20%モジュラスが20MPa以上となるもの
が好ましい。本発明においては、繊維シートの硬度は特
に限定されず、使用目的に応じた硬度の繊維シートを製
造することができる。例えば、硬度(JIS A硬度)
が90以上の高硬度の繊維シートの製造も可能である。
【0016】本発明方法に使用される架橋性ポリウレタ
ン樹脂の例として、水との反応性の低いイソシアネート
を末端に有するポリウレタン樹脂(自己架橋性ポリウレ
タン樹脂)、水との反応性の低いイソシアネート架橋剤
とポリウレタン樹脂との組み合せが挙げられる。水との
反応性の低いイソシアネート架橋剤の例としては、ブロ
ックイソシアネートが挙げられる。
【0017】尚、本発明に使用するポリウレタン樹脂の
製造に使用するポリオール、ポリイソシアネート、ポリ
アミンや鎖伸長剤等の原材料は、生成するポリウレタン
樹脂が上記の物性を有するものである限り、特に制限さ
れるものではない。ポリウレタン樹脂のポリオール成分
としては、通常、ポリエステルポリオール、ポリエーテ
ルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が用いら
れるが、本発明においてはポリオール成分中に芳香族環
を有するポリオール成分を含有すると不織布の繊維との
密着性が向上し、湿式凝固性も向上するので好ましい。
ポリオール成分中の芳香族ポリオール成分の含有量は1
0重量%以上が好ましい。ポリイソシアネート成分とし
ては、通常、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイ
ソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、ポリイソシ
アネート多量体等が用いられる。
【0018】本発明方法に使用される架橋性ポリウレタ
ン樹脂溶液の溶剤としては、水溶性の有機溶剤がいずれ
も使用できるが、代表的な溶剤はジメチルホルムアミド
である。架橋性ポリウレタン樹脂溶液の固形分は、繊維
基材に付着させる固形分(ポリウレタン樹脂量)によっ
て異なるが、通常、5〜30重量%程度である。また繊
維基材に対する架橋ポリウレタン樹脂の付着量は、繊維
シートの使用目的によって異なり、一概にはいえない
が、通常、30〜270重量%程度である。
【0019】上記の方法で製造される繊維シートは、通
常、両表面層を切除し、繊維基材の厚さや繊維シートの
使用目的に応じて、通常、0.5〜5mm程度に薄切り
(スライス)される。本発明の繊維シートは通気を有
し、架橋ポリウレタン樹脂は繊維基材の繊維にミクロス
ポンジ構造のない非多孔質状態で付着している。
【0020】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中部又は%とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。尚、物性の測定は下記の
方法に従った。 (1)硬度(JIS A硬度) JIS K6301に準じてゴム硬度計(A型、高分子
計器社製)を用いて測定する。 (2)耐摩耗性 テーバー型摩耗試験機(東洋精機製)を用い、荷重50
0g(4.9N)、摩耗輪H−22、1000回試験後
の摩耗減量を測定する。
【0021】(3)20%モジュラス(引張応力) 離型紙上に厚さ30〜60μmのフィルムを作製し、幅
1.5cm、長さ6cmに切断し、2cm間隔の標線
を、引き上下をテープで引張り試験機のクランプに貼り
付け、引張り速度200mm/minで引張り、20%
伸長時の応力を測定する。 (4)軟化温度 上記のフィルムから切断した試験片(幅1.5cm、長
さ6cm)の一端を固定し、他端に450g/cm
2(4.4×10-2MPa)の荷重を付与し、これをギ
ャオーブンに入れ、毎分3℃で昇温させ、フィルムが著
しく延びたか、または切断したときの温度を測定し、こ
れを軟化温度とする。
【0022】実施例1 四つ口フラスコにポリブチレンアジペート(分子量(M
wt)1000;水酸基価(OHV)=112)140
g、ポリブチレンテレフタレート(Mwt1000;O
HV=112)60g、1,6−ヘキサンジオール20
g、1,4−ブタンジオール20gおよびジメチルホル
ムアミド593gを仕込み、均一に溶解させた後、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート156gを投入し70℃
で4時間反応させ、末端NCOのプレポリマーを得た。
次いで、反応液にメチルエチルケトオキシム3gを加え
て引き続き1時間反応させ末端NCOをオキシムブロッ
ク化し、樹脂濃度40%、粘度500dPa・s(20
℃)の自己架橋性ポリウレタン樹脂の溶液を得た。得ら
れたポリウレタン樹脂は、20%モジュラスが40MP
a、破断強度が60MPa、破断伸度が50%であり、
軟化温度は140℃であった。
【0023】次に、ポリエステル短繊維からなる厚さ
4.0mm、目付量750g/m2の不織布シートに、
上記の架橋性ポリウレタン樹脂溶液100gにジメチル
ホルムアミド166gを加えて希釈し、樹脂濃度を15
%に調合したものを1500g含浸させ、ジメチルホル
ムアミド水溶液(濃度10重量%) に約20分間浸漬し
て完全に湿式凝固させた。次いで、ロールニップで絞
り、余分なジメチルホルムアミド水溶液を除去し、50
〜60℃の温水槽にてロールニップで数回絞りながら、
完全にジメチルホルムをミクロスポンジ層から除去した
(約60分間の工程)。これを、最後に140℃の乾燥
機に約20分間入れ、完全乾燥と同時にポリウレタン樹
脂を架橋させた。ついで、この得られた架橋ポリウレタ
ン樹脂含浸シートを最表皮層及び中央部をスライス機で
切り剥がし、1.5mmの2枚の繊維シートを得た。
【0024】実施例2 四つ口フラスコにポリテトラメチレングリコール(Mw
t1000;OHV=112)100g、ポリブチレン
テレフタレート(Mwt500;OHV=224)10
0g、1,6−ヘキサンジオール30gおよびジメチル
ホルムアミド552gを仕込み均一に溶解させた後、ジ
フェニルメタンジイソシアネートを138g投入し70
℃で4時間反応させ、樹脂濃度40%、粘度700dP
a・s(20℃)のポリウレタン樹脂溶液を得た。得ら
れたポリウレタン樹脂は、20%モジュラスが35MP
a、破断強度が55MPa、破断伸度が80%であり、
軟化温度は130℃であった。
【0025】このポリウレタン樹脂溶液100gに架橋
剤(旭化成社製デュラネートTPA−B80E(ヘキサ
メチレンジイソシアネート系のオキシムブロックタイ
プ))10gおよびジメチルホルムアミド150gを仕
込み、樹脂濃度15%に調合した。この架橋性ポリウレ
タン樹脂溶液を使用して実施例1と同様の条件にて繊維
シートを得た。
【0026】実施例3 四つ口フラスコにポリブチレンアジペート(Mwt50
0;OHV=224)200g、1,6−ヘキサンジオ
ール60g、ネオペンチルグリコール20gおよびジメ
チルホルムアミド833gを仕込み均一に溶解させた
後、ジフェニルメタンジイソシアネート275gを投入
し70℃で4時間反応させ、樹脂濃度40%、粘度60
0dPa・s(20℃)のポリウレタン樹脂溶液を得
た。得られたポリウレタン樹脂は、20%モジュラスが
25MPa、破断強度が57MPa、破断伸度が200
%であり、軟化温度は120℃であった。
【0027】このポリウレタン樹脂溶液100gに架橋
剤(旭化成社製デュラネートTPA−B80E(ヘキサ
メチレンジイソシアネート系のオキシムブロックタイ
プ))20gおよびジメチルホルムアミド150gを仕
込み、樹脂濃度15%に調合した。この架橋性ポリウレ
タン樹脂溶液を使用して実施例1と同様の条件にて繊維
シートを得た。
【0028】実施例4 実施例2のポリウレタン樹脂溶液100gに架橋剤(D
egussa−Huels社製VESTANT−T18
90/100(IDDI三量体)20gおよびジメチル
ホルムアミド160gを仕込み、樹脂濃度15%の架橋
性ポリウレタン樹脂溶液を調合した。この架橋性ポリウ
レタン樹脂溶液を使用して実施例1と同様の条件にて繊
維シートを得た。
【0029】比較例1 四つ口フラスコにポリブチレンアジペート(Mwt20
00;OHV=56)100g、ポリエトラメチレング
リコール(Mwt2000;OHV=56)100g、
エチレングリコール40gおよびジメチルホルムアミド
791gを仕込み均一に溶解させた後、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート166.1gを投入し70℃で8時
間反応させ、樹脂濃度35%、粘度500dPa・s
(20℃)のポリウレタン樹脂溶液を得た。得られたポ
リウレタン樹脂は、20%モジュラスが20MPa、破
断強度が55MPa、破断伸度が250%であり、軟化
温度は210℃であった。このポリウレタン樹脂溶液を
使用して実施例1と同様の条件にて繊維シートを得た。
【0030】比較例2 四つ口フラスコにポリブチレンアジペート(Mwt20
00;OHV=112)100g、1,4−ブタンジオ
ール200gおよびジメチルホルムアミド1634gを
仕込み均一に溶解させた後、ジフェニルメタンジイソシ
アネート580gを投入し70℃で8時間反応させ、樹
脂濃度35%、粘度900dPa・s(20℃)のポリ
ウレタン樹脂溶液を得た。得られたポリウレタン樹脂
は、破断強度が45MPa、破断伸度が50%であり、
軟化温度は200℃であった。このポリウレタン樹脂溶
液を使用して実施例1と同様の条件にて繊維シートを得
た。
【0031】比較例3 四つ口フラスコにポリブチレンアジペート(Mwt50
0;OHV=224)200g、1,6−ヘキサンジオ
ール100gおよびジメチルホルムアミド918gを仕
込み均一に溶解させた後、ジフェニルメタンジイソシア
ネート312gを投入し70℃で8時間反応させ、樹脂
濃度40%、粘度950dPa・s(20℃)のポリウ
レタン樹脂溶液を得た。得られたポリウレタン樹脂は、
20%モジュラスが30MPa、破断強度が50MP
a、破断伸度が90%であり、軟化温度は160℃であ
った。このポリウレタン樹脂溶液を使用して実施例1と
同様の条件にて繊維シートを得た。上記各実施例および
比較例の繊維シートの性能を表1に示す。
【0032】
【0033】
【発明の効果】本発明により充分な硬度と耐摩耗性を有
した繊維シートが提供される。また、本発明によれば、
乾燥温度を高温にすることなく、不完全凝固させる必要
のない、ミクロスポンジ構造のない(非多孔質)架橋ポ
リウレタン樹脂が繊維に固着した上記繊維シートの製造
方法が提供される。本発明の繊維シートは、擬革または
合成皮革の基材や研磨剤の基材等として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村川 達三 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 Fターム(参考) 4F055 AA01 BA12 CA10 CA18 EA04 EA05 EA24 FA19 FA37 GA02 GA40 HA11 4F072 AA02 AB05 AD43 AG06 AH31 AH51 AJ04 AJ11 4L033 AA07 AA08 AB05 AB07 AC15 CA51 CA52

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材に架橋ポリウレタン樹脂が含浸
    されてなることを特徴とする繊維シート。
  2. 【請求項2】 繊維基材が不織布である請求項1に記載
    の繊維シート。
  3. 【請求項3】 繊維基材に架橋ポリウレタン樹脂が含浸
    されてなる繊維シートを製造する方法において、繊維基
    材に架橋性ポリウレタン樹脂溶液を含浸させ、湿式凝固
    後ポリウレタン樹脂をその軟化温度以上の温度で乾燥お
    よび架橋させることを特徴とする繊維シートの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 繊維基材が、不織布である請求項3に記
    載の繊維シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリウレタン樹脂は、軟化温度が170
    ℃以下である請求項3または4に記載の繊維シートの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 ポリウレタン樹脂は、ポリオール成分中
    に芳香族ポリオールを含む請求項3〜5のいずれか1項
    に記載の繊維シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリウレタン樹脂は、20%モジュラス
    が20MPa以上である請求項3〜6のいずれか1項に
    記載の繊維シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項3〜7のいずれか1項に記載の方
    法で得られる繊維シート。
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