JP2003201362A - 多孔質ポリイミドフィルムおよび多孔質ポリイミド回路基板 - Google Patents
多孔質ポリイミドフィルムおよび多孔質ポリイミド回路基板Info
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- H01L2224/42—Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/47—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
- H01L2224/48—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
- H01L2224/4805—Shape
- H01L2224/4809—Loop shape
- H01L2224/48091—Arched
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- Laminated Bodies (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 誘電率,誘電正接が小さく、機械的強度が高
く、配線切断等を防止でき、信頼性が高い構造の高周波
用多孔質ポリイミドフィルムおよび高周波用多孔質ポリ
イミド回路基板を提供する。 【解決手段】 芳香族テトラカルボン酸二無水物として
sBPDA(3,3'−4,4'−ビフェニルテトラカル
ボン酸無水物)系ポリイミドを用いた多孔質ポリイミド
フィルムにおいて、芳香族ジアミンとしてPPD(パラ
フェニレンジアミン)またはPPDとDDE(4,4'−
ジアミノジフェニルエーテル)の混合系を採用し、PP
D組成比がモル%で100〜70%である多孔質ポリイ
ミドフィルム2と、銅箔1とからなる銅箔付き多孔質ポ
リイミドフィルム3。銅と線熱膨張係数を合わせた高周
波用多孔質ポリイミドフィルムが得られる。
く、配線切断等を防止でき、信頼性が高い構造の高周波
用多孔質ポリイミドフィルムおよび高周波用多孔質ポリ
イミド回路基板を提供する。 【解決手段】 芳香族テトラカルボン酸二無水物として
sBPDA(3,3'−4,4'−ビフェニルテトラカル
ボン酸無水物)系ポリイミドを用いた多孔質ポリイミド
フィルムにおいて、芳香族ジアミンとしてPPD(パラ
フェニレンジアミン)またはPPDとDDE(4,4'−
ジアミノジフェニルエーテル)の混合系を採用し、PP
D組成比がモル%で100〜70%である多孔質ポリイ
ミドフィルム2と、銅箔1とからなる銅箔付き多孔質ポ
リイミドフィルム3。銅と線熱膨張係数を合わせた高周
波用多孔質ポリイミドフィルムが得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波用多孔質ポ
リイミドフィルムおよび高周波用多孔質ポリイミド回路
基板に係り、特に、電子機器などのプリント配線基板や
衛星通信,移動体無線,ミリ波レーダ用基板に好適な高
周波用多孔質ポリイミド回路基板に関する。
リイミドフィルムおよび高周波用多孔質ポリイミド回路
基板に係り、特に、電子機器などのプリント配線基板や
衛星通信,移動体無線,ミリ波レーダ用基板に好適な高
周波用多孔質ポリイミド回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクスや通信機器に使用され
る周波数は、近年ギガヘルツの領域にシフトしている。
このような高周波領域では、伝送損失が大きくなるの
で、回路基板に使用される材料には、低誘電率,低誘電
正接が求められる。
る周波数は、近年ギガヘルツの領域にシフトしている。
このような高周波領域では、伝送損失が大きくなるの
で、回路基板に使用される材料には、低誘電率,低誘電
正接が求められる。
【0003】Cu配線材料と熱膨張係数がよく一致する
ポリイミドなどの材料の誘電特性は、その分子構造によ
り決定される各材料に固有の値を持ち、この誘電特性を
制御するには、限界がある。
ポリイミドなどの材料の誘電特性は、その分子構造によ
り決定される各材料に固有の値を持ち、この誘電特性を
制御するには、限界がある。
【0004】そこで、低誘電率(=1)の空気を材料に含
ませ多孔質化し、ポリイミドなどの誘電特性を制御した
多孔質材料が多く報告されている。
ませ多孔質化し、ポリイミドなどの誘電特性を制御した
多孔質材料が多く報告されている。
【0005】特開2000−154273号公報は、超
臨界炭酸ガスによりナノ孔すなわち直径がnmの孔を形
成し400m2/g以上の高表面積を有する多孔質材料
を用いて低誘電特性を得ている。
臨界炭酸ガスによりナノ孔すなわち直径がnmの孔を形
成し400m2/g以上の高表面積を有する多孔質材料
を用いて低誘電特性を得ている。
【0006】特開平2001−123953号公報は、
スキン層を設け、特開2001−126534号公報
は、フィルム層(多孔質化していない層)を積層し、強度
を高めた低誘電材料を得ている。
スキン層を設け、特開2001−126534号公報
は、フィルム層(多孔質化していない層)を積層し、強度
を高めた低誘電材料を得ている。
【0007】特開平9−046012号公報は、多孔質
フィルムとCuとを低誘電特性を備えたエポキシ系接着
剤で接合した多孔質材料を得ている。
フィルムとCuとを低誘電特性を備えたエポキシ系接着
剤で接合した多孔質材料を得ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
には、まだ不十分な点がいくつかある。多孔質化すると
フィルムの強度が低下する。また、特開2000−31
9442号公報に記載されているように、多孔質層が連
続孔を有している場合、エッチングにより回路パターン
を形成する際に、連続孔から多孔質層にエッチング液が
浸透し、Cuなどの配線材料をフィルム側からもエッチ
ングするので、設計通りの配線を形成することが困難と
なる。この従来例においては、Cu配線材料とフィルム
との熱膨張係数の違いに対する配慮が無い。
には、まだ不十分な点がいくつかある。多孔質化すると
フィルムの強度が低下する。また、特開2000−31
9442号公報に記載されているように、多孔質層が連
続孔を有している場合、エッチングにより回路パターン
を形成する際に、連続孔から多孔質層にエッチング液が
浸透し、Cuなどの配線材料をフィルム側からもエッチ
ングするので、設計通りの配線を形成することが困難と
なる。この従来例においては、Cu配線材料とフィルム
との熱膨張係数の違いに対する配慮が無い。
【0009】ポリイミドフィルムにナノ孔を均一に分散
させるか、スキン層およびフィルム層を積層すると、強
度を高めることができる。しかし、一旦浸入したエッチ
ング液をフィルム層やスキン層に存在するナノ孔から取
り除くことは、困難となる。また、ポリイミドフィルム
にスキン層やフィルム層を積層した場合、エッチング時
にフィルム側からの配線のエッチングを防ぐことができ
る。しかし、ポリテトラフルオロエチレン,ポリエチレ
ンなどを用いると、Cu配線材料とフィルムとの熱膨張
係数が一致しないので、配線の切断等の問題が生じる。
させるか、スキン層およびフィルム層を積層すると、強
度を高めることができる。しかし、一旦浸入したエッチ
ング液をフィルム層やスキン層に存在するナノ孔から取
り除くことは、困難となる。また、ポリイミドフィルム
にスキン層やフィルム層を積層した場合、エッチング時
にフィルム側からの配線のエッチングを防ぐことができ
る。しかし、ポリテトラフルオロエチレン,ポリエチレ
ンなどを用いると、Cu配線材料とフィルムとの熱膨張
係数が一致しないので、配線の切断等の問題が生じる。
【0010】本発明の目的は、誘電率,誘電正接が小さ
く、機械的強度が高く、配線切断等を防止でき、信頼性
が高い構造の高周波用多孔質ポリイミドフィルムおよび
高周波用多孔質ポリイミド回路基板を提供することであ
る。
く、機械的強度が高く、配線切断等を防止でき、信頼性
が高い構造の高周波用多孔質ポリイミドフィルムおよび
高周波用多孔質ポリイミド回路基板を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、式a記載の構造であり、Rが下記式b,
cの構造からなる多孔質ポリイミドフィルムにおいて、
b/(b+c)が0.8〜1.0である多孔質ポリイミドフ
ィルムを提案する。
成するために、式a記載の構造であり、Rが下記式b,
cの構造からなる多孔質ポリイミドフィルムにおいて、
b/(b+c)が0.8〜1.0である多孔質ポリイミドフ
ィルムを提案する。
【0012】
【化7】
【0013】
【化8】
【0014】
【化9】
本発明は、また、式a記載の構造であり、Rが式b,c
の構造からなる多孔質ポリイミドフィルムにおいて、b
/(b+c)が0.5〜0.9のフィルム層とb/(b+c)が
0.7〜1.0の多孔質フィルム層とが2層以上積層され
た積層フィルムであって、前記積層フィルムの熱膨張係
数が10〜30ppm/℃である多孔質ポリイミドフィ
ルムを提案する。
の構造からなる多孔質ポリイミドフィルムにおいて、b
/(b+c)が0.5〜0.9のフィルム層とb/(b+c)が
0.7〜1.0の多孔質フィルム層とが2層以上積層され
た積層フィルムであって、前記積層フィルムの熱膨張係
数が10〜30ppm/℃である多孔質ポリイミドフィ
ルムを提案する。
【0015】上記多孔質ポリイミドフィルムにおいて、
誘電率が2.5以下,誘電正接が0.004以下である
と、高周波特性が良い。
誘電率が2.5以下,誘電正接が0.004以下である
と、高周波特性が良い。
【0016】また、引張強度が80MPa以上という特
性が得られる。
性が得られる。
【0017】多孔質ポリイミドフィルムは、窒素吸着法
で測定すると、比表面積が20m2/g以下、または、
窒素吸着法で測定すると、細孔容積が0.05m1/g
以下である。
で測定すると、比表面積が20m2/g以下、または、
窒素吸着法で測定すると、細孔容積が0.05m1/g
以下である。
【0018】本発明は、上記目的を達成するために、上
記いずれかの多孔質ポリイミドフィルムを銅箔上に積層
して形成された銅箔付き多孔質ポリイミド積層板を提案
する。
記いずれかの多孔質ポリイミドフィルムを銅箔上に積層
して形成された銅箔付き多孔質ポリイミド積層板を提案
する。
【0019】本発明は、また、上記いずれかの多孔質ポ
リイミドフィルムに銅配線パターンを形成した銅張り多
孔質ポリイミド回路基板を提案する。
リイミドフィルムに銅配線パターンを形成した銅張り多
孔質ポリイミド回路基板を提案する。
【0020】この銅張り多孔質ポリイミド回路基板は、
高周波電子部品に適用できる。
高周波電子部品に適用できる。
【0021】発明者らは、鋭意検討の結果、ポリイミド
の分子構造を最適化すると、上記目的を達成できること
を見出した。本発明の多孔質ポリイミドフィルムは、低
誘電率,低誘電正接,高強度である。また、本発明によ
れば、銅配線を用いる場合、銅と線熱膨張係数を合わせ
た高周波用多孔質ポリイミドフィルムが得られる。
の分子構造を最適化すると、上記目的を達成できること
を見出した。本発明の多孔質ポリイミドフィルムは、低
誘電率,低誘電正接,高強度である。また、本発明によ
れば、銅配線を用いる場合、銅と線熱膨張係数を合わせ
た高周波用多孔質ポリイミドフィルムが得られる。
【0022】本発明の第1の多孔質ポリイミドフィルム
は、式a記載の構造であり、Rが下記式b,cの構造か
らなる多孔質ポリイミドフィルムにおいて、b/(b+
c)が0.8〜1.0である。第1の多孔質ポリイミドフ
ィルムは、芳香族テトラカルボン酸二無水物としてsB
PDA(3,3'−4,4'−ビフェニルテトラカルボン
酸無水物)を用い、芳香族ジアミンとしてPPD(パラフ
ェニレンジアミン)およびDDE(4,4'−ジアミノジ
フェニルエーテル)を用いる。
は、式a記載の構造であり、Rが下記式b,cの構造か
らなる多孔質ポリイミドフィルムにおいて、b/(b+
c)が0.8〜1.0である。第1の多孔質ポリイミドフ
ィルムは、芳香族テトラカルボン酸二無水物としてsB
PDA(3,3'−4,4'−ビフェニルテトラカルボン
酸無水物)を用い、芳香族ジアミンとしてPPD(パラフ
ェニレンジアミン)およびDDE(4,4'−ジアミノジ
フェニルエーテル)を用いる。
【0023】本発明の第2の多孔質ポリイミドフィルム
は、式a記載の構造であり、Rが下記式b,cの構造か
らなる多孔質ポリイミドフィルムにおいて、b/(b+
c)が0.5〜0.9のフィルム層とb/(b+c)が0.7
〜1.0の多孔質フィルム層とが2層以上積層されてい
る。また、積層フィルムの熱膨張係数は10〜30pp
m/℃である。第2の多孔質ポリイミドフィルムは、芳
香族テトラカルボン酸二無水物としてsBPDAを用
い、芳香族ジアミンとしてPPDおよびDDEを用い
る。
は、式a記載の構造であり、Rが下記式b,cの構造か
らなる多孔質ポリイミドフィルムにおいて、b/(b+
c)が0.5〜0.9のフィルム層とb/(b+c)が0.7
〜1.0の多孔質フィルム層とが2層以上積層されてい
る。また、積層フィルムの熱膨張係数は10〜30pp
m/℃である。第2の多孔質ポリイミドフィルムは、芳
香族テトラカルボン酸二無水物としてsBPDAを用
い、芳香族ジアミンとしてPPDおよびDDEを用い
る。
【0024】ポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸二
無水物と芳香族ジアミンとからポリアミック酸を経由
し、イミド化して合成される。芳香族テトラカルボン酸
二無水物および芳香族ジアミンの組み合わせは、多数あ
る。これら物質の組み合わせにより、合成されるポリイ
ミドのパッキング係数は異なる。
無水物と芳香族ジアミンとからポリアミック酸を経由
し、イミド化して合成される。芳香族テトラカルボン酸
二無水物および芳香族ジアミンの組み合わせは、多数あ
る。これら物質の組み合わせにより、合成されるポリイ
ミドのパッキング係数は異なる。
【0025】ここでパッキング係数(K)とは、Polymer.
Sci.USSR,12,556(1970)にSlonimskiiやAskadskiiによっ
て提案されたものであり、分子鎖の固有体積(Vint)を
密度から求まる実際のモル体積(Vtrue)で割った値とし
て K=Vint/Vtrue=NAΣΔVi/(M/d) NA:アボガドロ数 ΔVi:構成原子の真の体積 M:分子量 d:密度 のように定義される。
Sci.USSR,12,556(1970)にSlonimskiiやAskadskiiによっ
て提案されたものであり、分子鎖の固有体積(Vint)を
密度から求まる実際のモル体積(Vtrue)で割った値とし
て K=Vint/Vtrue=NAΣΔVi/(M/d) NA:アボガドロ数 ΔVi:構成原子の真の体積 M:分子量 d:密度 のように定義される。
【0026】パッキング係数を大きくすれば、機械的強
度が向上する。
度が向上する。
【0027】多孔質化すると、多孔質化しないフィルム
と比較して、ポリイミドフィルムの機械的強度が低下
し、誘電率,誘電正接は、小さくなる。多孔質化しない
状態で、ポリイミドフィルムの誘電率,誘電正接を小さ
くし、機械的強度は可能な限り高くしておかなければ、
空孔率を大きくした際に、高周波用多孔質フィルムとし
て使用できない。
と比較して、ポリイミドフィルムの機械的強度が低下
し、誘電率,誘電正接は、小さくなる。多孔質化しない
状態で、ポリイミドフィルムの誘電率,誘電正接を小さ
くし、機械的強度は可能な限り高くしておかなければ、
空孔率を大きくした際に、高周波用多孔質フィルムとし
て使用できない。
【0028】したがって、芳香族ジアミンおよび芳香族
テトラカルボン酸二無水物の組み合わせを最適化するこ
とが有効であり、本発明によれば、低誘電特性と高強度
とを併せ持つ高周波用多孔質ポリイミドフィルムを得る
ことができる。
テトラカルボン酸二無水物の組み合わせを最適化するこ
とが有効であり、本発明によれば、低誘電特性と高強度
とを併せ持つ高周波用多孔質ポリイミドフィルムを得る
ことができる。
【0029】本発明においては、芳香族テトラカルボン
酸二無水物としてsBPDA系ポリイミドを用いた高周
波用多孔質フィルムにおいて、芳香族ジアミンとしてP
PDまたはPPDとDDEの混合系を採用し、PPD組
成比がモル%で100〜70%とする。
酸二無水物としてsBPDA系ポリイミドを用いた高周
波用多孔質フィルムにおいて、芳香族ジアミンとしてP
PDまたはPPDとDDEの混合系を採用し、PPD組
成比がモル%で100〜70%とする。
【0030】芳香族ジアミンにPPDを用いると、パッ
キング係数の大きなポリイミドが得られる。パッキング
係数が大きいと、配向分極を抑制し、誘電率および誘電
正接が小さいフィルムを得ることができる。PPDに対
するDDE比が大きくなると、パッキング係数が小さく
なる。多孔質化する場合PPDモル%が100〜70%
であれば、誘電特性および耐電圧が良好であり、強度も
十分である。
キング係数の大きなポリイミドが得られる。パッキング
係数が大きいと、配向分極を抑制し、誘電率および誘電
正接が小さいフィルムを得ることができる。PPDに対
するDDE比が大きくなると、パッキング係数が小さく
なる。多孔質化する場合PPDモル%が100〜70%
であれば、誘電特性および耐電圧が良好であり、強度も
十分である。
【0031】ポリイミドの熱膨張係数は、芳香族ジアミ
ンおよび芳香族テトラカルボン酸二無水物の組み合わせ
方により大きく異なる。芳香族テトラカルボン酸二無水
物としてsBPDAを用い、芳香族ジアミンとしてPP
DとDDEを用いた場合、ポリイミドの熱膨張係数の大
きさは、40〜10ppm/℃であり、PPDモル%が
大きいほど熱膨張係数は、小さくなる。一般には、PP
Dモル%が70〜85%の場合に、Cuとよく一致した
熱膨張係数を得ることができる。
ンおよび芳香族テトラカルボン酸二無水物の組み合わせ
方により大きく異なる。芳香族テトラカルボン酸二無水
物としてsBPDAを用い、芳香族ジアミンとしてPP
DとDDEを用いた場合、ポリイミドの熱膨張係数の大
きさは、40〜10ppm/℃であり、PPDモル%が
大きいほど熱膨張係数は、小さくなる。一般には、PP
Dモル%が70〜85%の場合に、Cuとよく一致した
熱膨張係数を得ることができる。
【0032】発明者らは、多孔質化した場合、熱膨張係
数がどのように変化するかについて、鋭意検討した結
果、多孔質化しない同組成のフィルムよりも熱膨張係数
が小さくなることを見出した。芳香族テトラカルボン酸
二無水物としてsBPDAを用い、芳香族ジアミンとし
てPPDおよびDDEを用いた場合、多孔質化していな
いフィルムと比べて、多孔質化したフィルムでは、熱膨
張係数が50〜30%小さくなる。例えば、PPDモル
%が85%の場合、多孔質化していないフィルムで18
ppm/℃であった熱膨張係数が、多孔質化すると、1
1ppm/℃まで小さくなる。
数がどのように変化するかについて、鋭意検討した結
果、多孔質化しない同組成のフィルムよりも熱膨張係数
が小さくなることを見出した。芳香族テトラカルボン酸
二無水物としてsBPDAを用い、芳香族ジアミンとし
てPPDおよびDDEを用いた場合、多孔質化していな
いフィルムと比べて、多孔質化したフィルムでは、熱膨
張係数が50〜30%小さくなる。例えば、PPDモル
%が85%の場合、多孔質化していないフィルムで18
ppm/℃であった熱膨張係数が、多孔質化すると、1
1ppm/℃まで小さくなる。
【0033】この熱膨張係数の低下で、Cuよりも熱膨
張係数が小さくなり、熱処理後のフィルムにはCuとの
間に応力が生じ、Cu側に凹型のそりが生じる。そりを
防止するには、Cuと熱膨張係数を一致させればよい。
張係数が小さくなり、熱処理後のフィルムにはCuとの
間に応力が生じ、Cu側に凹型のそりが生じる。そりを
防止するには、Cuと熱膨張係数を一致させればよい。
【0034】多孔質化したフィルムの場合、熱膨張係数
は、PPDモル%が50〜70%である方がCuの熱膨
張係数とよく一致する。
は、PPDモル%が50〜70%である方がCuの熱膨
張係数とよく一致する。
【0035】一方、高強度低誘電フィルムには、上記の
ように、PPDモル%が大きいほど有利であり、熱膨張
係数,強度,誘電特性等をすべて満足したフィルムの設
計が困難となる。
ように、PPDモル%が大きいほど有利であり、熱膨張
係数,強度,誘電特性等をすべて満足したフィルムの設
計が困難となる。
【0036】そこで、本発明は、高強度低誘電特性が得
られる多孔質フィルムに、Cuと多孔質フィルム間で生
じる応力を調整できるように熱膨張係数を制御したフィ
ルム層を積層しフィルムのそりを防止した。
られる多孔質フィルムに、Cuと多孔質フィルム間で生
じる応力を調整できるように熱膨張係数を制御したフィ
ルム層を積層しフィルムのそりを防止した。
【0037】すなわち、式a記載の構造であり、Rが式
b,cの構造からなる多孔質ポリイミドフィルムにおい
て、式a〜c記載の構造からなる高周波用ポリイミド多
孔質基板において、Cuの熱膨張係数より若干異なる熱
膨張係数を有するフィルム層に、高強度,高耐電圧であ
って低誘電特性を有するb/(b+c)が0.5〜0.9の
多孔質フィルム層を積層する。
b,cの構造からなる多孔質ポリイミドフィルムにおい
て、式a〜c記載の構造からなる高周波用ポリイミド多
孔質基板において、Cuの熱膨張係数より若干異なる熱
膨張係数を有するフィルム層に、高強度,高耐電圧であ
って低誘電特性を有するb/(b+c)が0.5〜0.9の
多孔質フィルム層を積層する。
【0038】b/(b+c)はフィルム層が0.5〜0.
9、多孔質層がb/(b+c)が0.5〜0.9とするが、
好ましくはb/(b+c)が0.7〜0.9のフィルム層
に、b/(b+c)が0.75〜1.0の多孔質フィルム層
を積層する。さらに、特に好ましくは、b/(b+c)が
0.6〜0.85であってCuの熱膨張係数より若干大き
な熱膨張係数を有するフィルム層に、Cuより熱膨張係
数が小さいが、高強度,高耐電圧であって低誘電特性を
有するb/(b+c)が0.8〜1.0の多孔質フィルム層
を積層する。
9、多孔質層がb/(b+c)が0.5〜0.9とするが、
好ましくはb/(b+c)が0.7〜0.9のフィルム層
に、b/(b+c)が0.75〜1.0の多孔質フィルム層
を積層する。さらに、特に好ましくは、b/(b+c)が
0.6〜0.85であってCuの熱膨張係数より若干大き
な熱膨張係数を有するフィルム層に、Cuより熱膨張係
数が小さいが、高強度,高耐電圧であって低誘電特性を
有するb/(b+c)が0.8〜1.0の多孔質フィルム層
を積層する。
【0039】このように構成された多孔質フィルムは、
フィルム全体の熱膨張係数を10〜30ppm/℃とす
ると、フィルムに生じる応力を緩和できる。その結果、
より信頼性が高く、高強度,高耐電圧,低誘電特性を有
する多孔質ポリイミドフィルムを作成できた。
フィルム全体の熱膨張係数を10〜30ppm/℃とす
ると、フィルムに生じる応力を緩和できる。その結果、
より信頼性が高く、高強度,高耐電圧,低誘電特性を有
する多孔質ポリイミドフィルムを作成できた。
【0040】
【発明の実施の形態】次に、図1〜図10を参照して、
本発明による多孔質ポリイミドフィルムおよび多孔質ポ
リイミド回路基板の実施形態を説明する。
本発明による多孔質ポリイミドフィルムおよび多孔質ポ
リイミド回路基板の実施形態を説明する。
【0041】本発明では、芳香族テトラカルボン酸二無
水物としてsBPDAを用い、芳香族ジアミンとしてP
PDおよびDDEを用いる。
水物としてsBPDAを用い、芳香族ジアミンとしてP
PDおよびDDEを用いる。
【0042】溶媒としては、ポリマーを溶解するもので
あれば、特に限定されず、例えば、N−メチルピロリド
ン,γ−ブチロラクトン等がある。
あれば、特に限定されず、例えば、N−メチルピロリド
ン,γ−ブチロラクトン等がある。
【0043】多孔質層の形成方法には、湿式凝固法,乾
式凝固法,延伸法など種々の製膜方法がある。そのうち
で、湿式凝固法によれば、連続気泡多孔質膜が得られ好
ましい。
式凝固法,延伸法など種々の製膜方法がある。そのうち
で、湿式凝固法によれば、連続気泡多孔質膜が得られ好
ましい。
【0044】湿式凝固法では、一般に、溶剤に樹脂と添
加剤等を溶解した製膜原液(ドープ)を調製し、これを基
材に塗布(キャスト)したものを凝固液に浸漬して溶剤置
換させ、樹脂を凝固(ゲル化)させ、その後、凝固液等を
乾燥除去し、多孔質層を得る。多孔質化していないフィ
ルム層や多孔質層を銅箔上に直接形成させることもでき
る。
加剤等を溶解した製膜原液(ドープ)を調製し、これを基
材に塗布(キャスト)したものを凝固液に浸漬して溶剤置
換させ、樹脂を凝固(ゲル化)させ、その後、凝固液等を
乾燥除去し、多孔質層を得る。多孔質化していないフィ
ルム層や多孔質層を銅箔上に直接形成させることもでき
る。
【0045】なお、湿式凝固法におけるドープは、好ま
しくは−20〜40℃の温度範囲で塗布される。また、
凝固液としては、用いる樹脂を溶解せずに上記溶剤と相
溶性を有するものであれば、限定されない。水と、メタ
ノール,エタノール,イソプロピルアルコール等のアル
コール類と、これらの混合液とが用いられ、特に水がよ
く用いられる。浸漬時の凝固液の温度は特に限定されな
い。好ましくは、0〜50℃の温度範囲である。
しくは−20〜40℃の温度範囲で塗布される。また、
凝固液としては、用いる樹脂を溶解せずに上記溶剤と相
溶性を有するものであれば、限定されない。水と、メタ
ノール,エタノール,イソプロピルアルコール等のアル
コール類と、これらの混合液とが用いられ、特に水がよ
く用いられる。浸漬時の凝固液の温度は特に限定されな
い。好ましくは、0〜50℃の温度範囲である。
【0046】製膜原液のポリマー濃度は、5重量%から
25重量%の範囲が好ましく、特に、より優れた強度を
有する多孔質成型体を得るには、7重量%以上であり、
高空孔率を有する多孔質成型体を得るには、20重量%
以下がより好ましい。濃度が高すぎると、粘度が高くな
りすぎて取り扱いが困難になるし、濃度が低すぎると、
多孔質膜を形成できないからである。
25重量%の範囲が好ましく、特に、より優れた強度を
有する多孔質成型体を得るには、7重量%以上であり、
高空孔率を有する多孔質成型体を得るには、20重量%
以下がより好ましい。濃度が高すぎると、粘度が高くな
りすぎて取り扱いが困難になるし、濃度が低すぎると、
多孔質膜を形成できないからである。
【0047】孔径形状や孔径制御のために硝酸リチウム
のような無機物やポリビニルピロリドンのような有機物
を添加することもできる。添加物の濃度は、溶液中に1
重量%から10重量%まで添加するのが好ましい。硝酸
リチウムを添加すると、溶剤と凝固液との置換速度が速
く、スポンジ構造の中にフィンガーボイド構造(指状に
ボイドを有する構造)を形成できる。ポリビニルピロリ
ドンのような凝固スピードを遅くする添加剤を加える
と、スポンジ構造が均一に広がった多孔質層が得られ
る。
のような無機物やポリビニルピロリドンのような有機物
を添加することもできる。添加物の濃度は、溶液中に1
重量%から10重量%まで添加するのが好ましい。硝酸
リチウムを添加すると、溶剤と凝固液との置換速度が速
く、スポンジ構造の中にフィンガーボイド構造(指状に
ボイドを有する構造)を形成できる。ポリビニルピロリ
ドンのような凝固スピードを遅くする添加剤を加える
と、スポンジ構造が均一に広がった多孔質層が得られ
る。
【0048】ドープは一定の厚みに塗布し、水等の凝固
液中に浸積して凝固させたり、水蒸気雰囲気下に放置し
て凝固した後、水中に浸積するなどして、脱溶剤され、
多孔質層となる。多孔質層の形成後、凝固液から取り出
し、乾燥する。乾燥温度は、特に制限されない。200
℃以下での乾燥が望ましい。
液中に浸積して凝固させたり、水蒸気雰囲気下に放置し
て凝固した後、水中に浸積するなどして、脱溶剤され、
多孔質層となる。多孔質層の形成後、凝固液から取り出
し、乾燥する。乾燥温度は、特に制限されない。200
℃以下での乾燥が望ましい。
【0049】形成した多孔質層,フィルム層は、最終的
に200〜500℃で熱処理して、前駆体(ポリアミド
酸)を加熱閉環させてポリイミド化する。
に200〜500℃で熱処理して、前駆体(ポリアミド
酸)を加熱閉環させてポリイミド化する。
【0050】本発明によれば、50〜85%のような高
い空孔率を有する多孔質成型体を銅箔上に形成できる。
い空孔率を有する多孔質成型体を銅箔上に形成できる。
【0051】なお、下記手順で配線を形成し、空孔率,
孔径,厚み,誘電率および誘電特性,吸水率を測定し、
引張試験を実行した。
孔径,厚み,誘電率および誘電特性,吸水率を測定し、
引張試験を実行した。
【0052】東京応化工業社製のフィルムレジストを1
00℃,4kg/mm2の圧力で銅箔に貼り付け、高圧
水銀灯で30mJ/cm2で露光し、1%Na2CO3
で現像した。次に、和光純薬製FeCl3エッチング液
に浸漬し、配線を形成した。形成した配線の様子は、S
EMで観察し、配線の形成状態を判断した。なお、配線
の形成以外の試験は、和光純薬製FeCl3エッチング
液を用い、銅箔を除去した多孔質フィルムを用いた。
00℃,4kg/mm2の圧力で銅箔に貼り付け、高圧
水銀灯で30mJ/cm2で露光し、1%Na2CO3
で現像した。次に、和光純薬製FeCl3エッチング液
に浸漬し、配線を形成した。形成した配線の様子は、S
EMで観察し、配線の形成状態を判断した。なお、配線
の形成以外の試験は、和光純薬製FeCl3エッチング
液を用い、銅箔を除去した多孔質フィルムを用いた。
【0053】多孔質体の片面の面積S(cm2),厚みd
(cm),重量m(g)と多孔質化していない形成材料の比
重r(g/cm3)とから、下式により 空孔率(体積%)=[1−((m/r)/(S×d))]×100 空孔率を算出した。
(cm),重量m(g)と多孔質化していない形成材料の比
重r(g/cm3)とから、下式により 空孔率(体積%)=[1−((m/r)/(S×d))]×100 空孔率を算出した。
【0054】多孔質体の断面の走査電子顕微鏡写真に基
づいて孔径を測定した。5/100mm精度のノギスに
より厚みを測定した。
づいて孔径を測定した。5/100mm精度のノギスに
より厚みを測定した。
【0055】アジレントテクノロジー社製ネットワーク
アナライザに関東電子応用開発社製共振器を接続し、1
0GHzの誘電率および誘電特性を測定した。
アナライザに関東電子応用開発社製共振器を接続し、1
0GHzの誘電率および誘電特性を測定した。
【0056】TAインスツルメント社製TGAを用い、
サンプルを150℃で10分間処理し冷却した後、30
℃75%の水蒸気を導入し、重量変化を測定して、吸水
率を測定した。
サンプルを150℃で10分間処理し冷却した後、30
℃75%の水蒸気を導入し、重量変化を測定して、吸水
率を測定した。
【0057】2*10cmにサンプルを切り出し、5m
/minの速度で引張試験を実行した。
/minの速度で引張試験を実行した。
【0058】
【実施形態1】図1は、本発明による多孔質ポリイミド
ワィルムを用いた銅箔付き配線用基板の構成を示す。
ワィルムを用いた銅箔付き配線用基板の構成を示す。
【0059】窒素フローが可能なグローブボックスにお
いて、所定の比率で混合した芳香族ジアミンであるPP
DおよびDDEをN−メチルピロリドンに加え、室温で
撹絆した。次いで、芳香族ジアミン1モルに対し、酸無
水物であるsBPDAを1モル加え、1時間ほど窒素フ
ロー中で撹絆し、10wt%のポリアミド酸溶液を得
た。
いて、所定の比率で混合した芳香族ジアミンであるPP
DおよびDDEをN−メチルピロリドンに加え、室温で
撹絆した。次いで、芳香族ジアミン1モルに対し、酸無
水物であるsBPDAを1モル加え、1時間ほど窒素フ
ロー中で撹絆し、10wt%のポリアミド酸溶液を得
た。
【0060】得られたポリアミド酸溶液を厚さ18μm
の銅箔1に塗布し、水が入った凝固槽中に浸漬して水と
接触させゲル化(凝固)させた。これを取り出し、120
℃で十分に乾燥させ、さらに400℃で30分間処理し
イミド化させ、多孔質ポリイミドフィルム2を銅箔1上
に形成し、銅箔付き多孔質ポリイミドフィルム3を作成
した。なお、空孔率は、濃度を調整して制御し、空孔径
は、凝固槽の温度により制御し、空孔率が約40%,6
5%、空孔径が約0.2μmであって、PPDモル%が
異なるサンプルを作成した。
の銅箔1に塗布し、水が入った凝固槽中に浸漬して水と
接触させゲル化(凝固)させた。これを取り出し、120
℃で十分に乾燥させ、さらに400℃で30分間処理し
イミド化させ、多孔質ポリイミドフィルム2を銅箔1上
に形成し、銅箔付き多孔質ポリイミドフィルム3を作成
した。なお、空孔率は、濃度を調整して制御し、空孔径
は、凝固槽の温度により制御し、空孔率が約40%,6
5%、空孔径が約0.2μmであって、PPDモル%が
異なるサンプルを作成した。
【0061】図2は、図1の実施形態により作成した各
種サンプルの評価結果を示す図である。この評価による
と、PPDモル%が100〜80%であれば、誘電特性
が良好であり、引張強度が80MPa以上であり、耐電
圧が100V/μm以上と高い。
種サンプルの評価結果を示す図である。この評価による
と、PPDモル%が100〜80%であれば、誘電特性
が良好であり、引張強度が80MPa以上であり、耐電
圧が100V/μm以上と高い。
【0062】また、フォトリソグラフィにより、作成し
たフィルムに配線を形成したら、ラインおよびスペース
が30μmのラインを形成できた。
たフィルムに配線を形成したら、ラインおよびスペース
が30μmのラインを形成できた。
【0063】したがって、PPDモル%を100〜80
%とすると、耐電圧,機械的強度が高く、誘電特性が良
好な高周波用多孔質ポリイミドフィルムおよびそれを用
いた配線基板を作成できる。
%とすると、耐電圧,機械的強度が高く、誘電特性が良
好な高周波用多孔質ポリイミドフィルムおよびそれを用
いた配線基板を作成できる。
【0064】
【実施形態2】図3は、本発明による銅箔付きフィルム
層積層多孔質ポリイミドフィルムの実施形態の構造を示
す図である。
層積層多孔質ポリイミドフィルムの実施形態の構造を示
す図である。
【0065】窒素フローが可能なグローブボックス中
で、K.J.Olioier,J.Polymer Sci.,A−1,3,1373(196
5)に記載された方法に従い、PPD比が所定の重量%と
なるように、N−メチルピロリドン中にPPDおよびD
DEを加える。次に、芳香族ジアミンに対して、酸無水
物であるsBPDAを等モル加え、窒素フロー中で約1
時間撹絆し、10wt%のポリアミド酸溶液を得た。こ
れを厚さ18μmの銅箔1に塗布してフィルム層5を形
成した。この段階では、フィルム層5は、イミド化して
いない。
で、K.J.Olioier,J.Polymer Sci.,A−1,3,1373(196
5)に記載された方法に従い、PPD比が所定の重量%と
なるように、N−メチルピロリドン中にPPDおよびD
DEを加える。次に、芳香族ジアミンに対して、酸無水
物であるsBPDAを等モル加え、窒素フロー中で約1
時間撹絆し、10wt%のポリアミド酸溶液を得た。こ
れを厚さ18μmの銅箔1に塗布してフィルム層5を形
成した。この段階では、フィルム層5は、イミド化して
いない。
【0066】実施形態1と同様な手順により、多孔質層
を形成する際に熱処理し、フィルム層5,多孔質層2と
もにイミド化し、フィルム層5上に厚さ約45μmの多
孔質ポリイミドフィルム2を得た。
を形成する際に熱処理し、フィルム層5,多孔質層2と
もにイミド化し、フィルム層5上に厚さ約45μmの多
孔質ポリイミドフィルム2を得た。
【0067】なお、空孔率は、濃度を調整して制御し、
空孔径は、凝固槽の温度で制御し、空孔率約60%,空
孔径約0.2μmでPPD比が異なる多孔質フィルム2
およびフィルム層5が積層した銅箔付きフィルム層積層
多孔質ポリイミドフィルム4を作成した。
空孔径は、凝固槽の温度で制御し、空孔率約60%,空
孔径約0.2μmでPPD比が異なる多孔質フィルム2
およびフィルム層5が積層した銅箔付きフィルム層積層
多孔質ポリイミドフィルム4を作成した。
【0068】作成した銅箔付きフィルム層積層多孔質ポ
リイミドフィルム4を用いて、フォトリソグラフィによ
り銅箔をエッチングし、配線を形成した。
リイミドフィルム4を用いて、フォトリソグラフィによ
り銅箔をエッチングし、配線を形成した。
【0069】図4は、図3の実施形態2により作成した
各種サンプルの評価結果を示す図である。この評価によ
ると、フィルム層のPPDモル%が50〜70%、多孔
質層のPPDモル%が80〜100モル%であれば、誘
電特性が良好であり、引張強度が80MPa以上であ
り、耐電圧が100V/μm以上と高い。また、フィル
ム層のPPDモル%が50〜70%,多孔質層のPPD
モル%が80〜100%であれば、熱膨張係数は、10
〜30ppm/℃であり、積層フィルムがカールするこ
とはなかった。
各種サンプルの評価結果を示す図である。この評価によ
ると、フィルム層のPPDモル%が50〜70%、多孔
質層のPPDモル%が80〜100モル%であれば、誘
電特性が良好であり、引張強度が80MPa以上であ
り、耐電圧が100V/μm以上と高い。また、フィル
ム層のPPDモル%が50〜70%,多孔質層のPPD
モル%が80〜100%であれば、熱膨張係数は、10
〜30ppm/℃であり、積層フィルムがカールするこ
とはなかった。
【0070】図5は、図3の実施形態2の配線形成手順
を示す図である。
を示す図である。
【0071】多孔質ポリイミド6,フィルム層7,銅箔
8からなる多孔質ポリイミドフィルムを用いた配線用基
板の銅箔面に、ステップ1のように東京応化工業製フィ
ルムレジスト(HR−130)を100℃,3kg/cm
2でラミネートし、銅箔8上にレジストフィルム9を積
層した。
8からなる多孔質ポリイミドフィルムを用いた配線用基
板の銅箔面に、ステップ1のように東京応化工業製フィ
ルムレジスト(HR−130)を100℃,3kg/cm
2でラミネートし、銅箔8上にレジストフィルム9を積
層した。
【0072】次いで、40μmのライン/スペースで配
線を描いたマスクを装着し、超高圧水銀ランプで30m
J/cm2で露光し、0.5%Na2CO3水溶液をス
プレーして現像し、ステップ2のように、銅箔8上にレ
ジストフィルム9を加工し、マスクを形成した。
線を描いたマスクを装着し、超高圧水銀ランプで30m
J/cm2で露光し、0.5%Na2CO3水溶液をス
プレーして現像し、ステップ2のように、銅箔8上にレ
ジストフィルム9を加工し、マスクを形成した。
【0073】次に、スプレーを用いて、和光純薬製Fe
Cl3/HClエッチング液をマスク面に吹き付け、ス
テップ3に示すように、銅箔をエッチングした。エッチ
ング後、配線基板を流水で1分間洗浄し、希HClに2
分間浸漬し、さらに流水で1分間洗浄した。
Cl3/HClエッチング液をマスク面に吹き付け、ス
テップ3に示すように、銅箔をエッチングした。エッチ
ング後、配線基板を流水で1分間洗浄し、希HClに2
分間浸漬し、さらに流水で1分間洗浄した。
【0074】その後、2%NaOH水溶液に浸漬し、レ
ジストフィルムを剥離させた。レジストフィルム剥離後
に流水で2分間洗浄し、120℃で60分間乾燥しステ
ップ4のような配線形成した基板を得た。
ジストフィルムを剥離させた。レジストフィルム剥離後
に流水で2分間洗浄し、120℃で60分間乾燥しステ
ップ4のような配線形成した基板を得た。
【0075】以上のように、多孔質ポリイミドフィルム
を用いた配線用基板の銅箔をフォトリソグラフィにより
エッチングし、ライン/スペースが40/40μmの配
線を形成した。さらに、同様の手法により形成した5m
mライン幅を用いてピール強度を測定した。結果は、
1.2kN/m2という結果が得られた。多孔質層と銅
箔とを直接接合する場合、銅箔の接触面積が小さくな
り、ピール強度が低下する恐れがあるが、フィルム層を
介して銅箔と接合しているので、1.2kN/m2とい
う高い強度を維持できた。
を用いた配線用基板の銅箔をフォトリソグラフィにより
エッチングし、ライン/スペースが40/40μmの配
線を形成した。さらに、同様の手法により形成した5m
mライン幅を用いてピール強度を測定した。結果は、
1.2kN/m2という結果が得られた。多孔質層と銅
箔とを直接接合する場合、銅箔の接触面積が小さくな
り、ピール強度が低下する恐れがあるが、フィルム層を
介して銅箔と接合しているので、1.2kN/m2とい
う高い強度を維持できた。
【0076】また、配線を形成したサンプルについて、
温度を−50と150℃との間で上下させる熱サイクル
試験を3000サイクル実行した。その結果、熱膨張係
数を調整したフィルム層のPPDモル%が50〜90
%、多孔質層のPPDモル%が70〜100%のサンプ
ルでは、配線切断および剥離等の不良が発生することは
なかった。
温度を−50と150℃との間で上下させる熱サイクル
試験を3000サイクル実行した。その結果、熱膨張係
数を調整したフィルム層のPPDモル%が50〜90
%、多孔質層のPPDモル%が70〜100%のサンプ
ルでは、配線切断および剥離等の不良が発生することは
なかった。
【0077】以上の実験によれば、フィルム層のPPD
モル%が50〜90%、多孔質層のPPDモル%が70
〜100%のポリイミドフィルムを採用すると、引張強
度が100MPa以上、耐電圧が100V/μm以上で
あって、配線の切断および剥離等の不良発生を防止で
き、信頼性が高い配線基板が得られた。
モル%が50〜90%、多孔質層のPPDモル%が70
〜100%のポリイミドフィルムを採用すると、引張強
度が100MPa以上、耐電圧が100V/μm以上で
あって、配線の切断および剥離等の不良発生を防止で
き、信頼性が高い配線基板が得られた。
【0078】
【比較例】図6は、スキン層を形成した多孔質ポリイミ
ドフィルムと本発明による多孔質ポリイミドフィルムと
の洗浄のしやすさを比べるためのサンプルの構造を示す
図である。
ドフィルムと本発明による多孔質ポリイミドフィルムと
の洗浄のしやすさを比べるためのサンプルの構造を示す
図である。
【0079】実施形態1と同様の操作で、図6(A)に示
すように、銅箔10上にPPDモル%が80%,空孔径
が0.2μmであって、空孔率が40および65%の多
孔質ポリイミドフィルム11を作成した。
すように、銅箔10上にPPDモル%が80%,空孔径
が0.2μmであって、空孔率が40および65%の多
孔質ポリイミドフィルム11を作成した。
【0080】一方、熱処理条件を変えて、図6(B)に示
すように、銅箔10上に多孔質ポリイミドフィルム11
を形成し、多孔質ポリイミドフィルム11上にスキン層
12を作成した。
すように、銅箔10上に多孔質ポリイミドフィルム11
を形成し、多孔質ポリイミドフィルム11上にスキン層
12を作成した。
【0081】作成した銅箔付きフィルムは、和光純薬製
造のFeCl3系エッチング液を用いて銅箔をエッチン
グした後、希HClおよび流水を用いて洗浄し、120
℃で30分間乾燥した。
造のFeCl3系エッチング液を用いて銅箔をエッチン
グした後、希HClおよび流水を用いて洗浄し、120
℃で30分間乾燥した。
【0082】図7は、窒素吸着法を用いて、スキン層を
形成した多孔質ポリイミドフィルムと本発明による多孔
質ポリイミドフィルムとのサンプルの表面積および細孔
容積を測定した結果を示す図である。10GHzにおけ
る誘電正接は、空洞共振器を用いて測定されている。
形成した多孔質ポリイミドフィルムと本発明による多孔
質ポリイミドフィルムとのサンプルの表面積および細孔
容積を測定した結果を示す図である。10GHzにおけ
る誘電正接は、空洞共振器を用いて測定されている。
【0083】スキン層を有するサンプルは、表面積およ
び細孔容積が、スキン層無しのサンプルに比べて、大き
な値となった。窒素吸着法により測定される表面積およ
び細孔容積は、ナノ孔に起因した細孔である。したがっ
て、この差は、ナノ孔の量の差に相当する。
び細孔容積が、スキン層無しのサンプルに比べて、大き
な値となった。窒素吸着法により測定される表面積およ
び細孔容積は、ナノ孔に起因した細孔である。したがっ
て、この差は、ナノ孔の量の差に相当する。
【0084】ナノ孔の多いスキン層を有するサンプルで
は、ナノ孔に浸入したエッチング液が洗浄されずに残っ
たために、誘電正接が大きくなっている。これに対し
て、ナノ孔が少ないスキン層無しのサンプルでは、誘電
正接の値が小さく、十分に洗浄されている。
は、ナノ孔に浸入したエッチング液が洗浄されずに残っ
たために、誘電正接が大きくなっている。これに対し
て、ナノ孔が少ないスキン層無しのサンプルでは、誘電
正接の値が小さく、十分に洗浄されている。
【0085】以上の結果により、窒素吸着法で測定され
た比表面積が20m2/g以下、または、窒素吸着法で
測定された細孔容積が0.05m1/g以下であれば、
エッチング液の洗浄が十分に可能であり、現行の製造ラ
インにより配線を形成できる多孔質ポリイミド回路基板
が得られる。
た比表面積が20m2/g以下、または、窒素吸着法で
測定された細孔容積が0.05m1/g以下であれば、
エッチング液の洗浄が十分に可能であり、現行の製造ラ
インにより配線を形成できる多孔質ポリイミド回路基板
が得られる。
【0086】
【実施形態3】図8は、本発明による多孔質ポリイミド
回路基板を用いる携帯電話機の内蔵アンテナの概略構造
を示す図である。
回路基板を用いる携帯電話機の内蔵アンテナの概略構造
を示す図である。
【0087】携帯電話機(携帯通信機)は、よく知られて
いるように、受話器,液晶表示部,各種機能キー,数字
キー,送話器,伸縮可能なロッドアンテナなどを本体ケ
ースに備える。
いるように、受話器,液晶表示部,各種機能キー,数字
キー,送話器,伸縮可能なロッドアンテナなどを本体ケ
ースに備える。
【0088】本体ケース内には、周知の制御回路基板,
バッテリ,インターフェース基板,受信回路基板,送信
回路基板、RF回路基板等が収容されている。RF回路
基板は、RFパッケージング内に収容される。
バッテリ,インターフェース基板,受信回路基板,送信
回路基板、RF回路基板等が収容されている。RF回路
基板は、RFパッケージング内に収容される。
【0089】RFパッケージング13は、図8に示すよ
うに、鉄板等の導電材の板材を直方体状に接合して構成
されている。図示しないが、RFパッケージング13
は、メッキされた給電部を有し、この給電部が同軸ケー
ブル等により上記制御回路基板に接続されている。
うに、鉄板等の導電材の板材を直方体状に接合して構成
されている。図示しないが、RFパッケージング13
は、メッキされた給電部を有し、この給電部が同軸ケー
ブル等により上記制御回路基板に接続されている。
【0090】アンテナ板14は、多孔質ポリイミドフィ
ルム15とアンテナパターン16とからなり、エポキシ
樹脂を用いて、RFパッケージング13に貼り付けられ
ている。アンテナ板14は、熱圧着などのプロセスによ
り、同軸ケーブルで給電部17に接続され、RFパッケ
ージング13の表面との間に静電容量を確保し、内蔵ア
ンテナとなっている。アンテナ板14は、同軸ケーブル
により、制御回路基板に接続されている。
ルム15とアンテナパターン16とからなり、エポキシ
樹脂を用いて、RFパッケージング13に貼り付けられ
ている。アンテナ板14は、熱圧着などのプロセスによ
り、同軸ケーブルで給電部17に接続され、RFパッケ
ージング13の表面との間に静電容量を確保し、内蔵ア
ンテナとなっている。アンテナ板14は、同軸ケーブル
により、制御回路基板に接続されている。
【0091】本実施形態3においては、RFパッケージ
ング13とアンテナ板14とにより内蔵アンテナが構成
される。この内蔵アンテナは、低誘電特性を有する多孔
質ポリイミドを誘電体層として用いているので、高周波
における損失が小さい。すなわち、低誘電特性を有する
多孔質ポリイミド配線板は、高周波回路において伝送損
失を低減でき、携帯通信機器の内蔵アンテナに適用する
と、低電力化が可能となる。
ング13とアンテナ板14とにより内蔵アンテナが構成
される。この内蔵アンテナは、低誘電特性を有する多孔
質ポリイミドを誘電体層として用いているので、高周波
における損失が小さい。すなわち、低誘電特性を有する
多孔質ポリイミド配線板は、高周波回路において伝送損
失を低減でき、携帯通信機器の内蔵アンテナに適用する
と、低電力化が可能となる。
【0092】
【実施形態4】図9は、本発明による多孔質ポリイミド
配線板を用いる高周波送受信装置の実施形態の概略構造
を示す断面図である。
配線板を用いる高周波送受信装置の実施形態の概略構造
を示す断面図である。
【0093】本発明による多孔質ポリイミド配線板は、
自動車の車載レーダのアンテナに適用できる。多孔質ポ
リイミド配線板は、高周波特にミリ波を使用する回路に
おいて、伝送損失を低減することが望まれている。本発
明による多孔質ポリイミド配線板は、低誘電特性を有す
るので、車載レーダのアンテナ板に適用すると、低電力
化,高信頼性化に寄与する。
自動車の車載レーダのアンテナに適用できる。多孔質ポ
リイミド配線板は、高周波特にミリ波を使用する回路に
おいて、伝送損失を低減することが望まれている。本発
明による多孔質ポリイミド配線板は、低誘電特性を有す
るので、車載レーダのアンテナ板に適用すると、低電力
化,高信頼性化に寄与する。
【0094】金属ベースプレート18の上面に、多孔質
ポリイミドからなるアンテナ基板19を接着し、金属ベ
ースプレート18の下面には、送受信回路を構成する回
路基板20とmonolithic microwave integrated circui
tsMMIC半導体チップ21とを接着してある。
ポリイミドからなるアンテナ基板19を接着し、金属ベ
ースプレート18の下面には、送受信回路を構成する回
路基板20とmonolithic microwave integrated circui
tsMMIC半導体チップ21とを接着してある。
【0095】回路基板20の表面に設けられた回路パタ
ーン導体27とアンテナ基板19の表面に設けられたア
ンテナパターン導体24とは、同軸線路の中心導体23
により接続されている。
ーン導体27とアンテナ基板19の表面に設けられたア
ンテナパターン導体24とは、同軸線路の中心導体23
により接続されている。
【0096】MMICは、パッケージされていないの
で、送受信回路は、送受信回路の金属カバー22により
気密封止されている。送受信回路カバー22の一部分に
電源やIF信号用の外部端子29が設けられている。こ
れらの外部端子29は、絶縁物25,26により、それ
ぞれ、金属ベースプレート18および金属カバー22か
ら電気的に絶縁されている。外部端子29および送受信
回路と回路パターン導体および半導体チップ21とは、
ボンディングワイヤ28により接続されている。なお、
半導体チップ21は、回路基板20上に直接接続される
フリップチップ実装構造でもよい。また、金属ベースプ
レート18と金属カバー22とは、プラスチック等の非
金属で形成し、その表面を金属メッキや蒸着膜等により
覆ったものでもよい。
で、送受信回路は、送受信回路の金属カバー22により
気密封止されている。送受信回路カバー22の一部分に
電源やIF信号用の外部端子29が設けられている。こ
れらの外部端子29は、絶縁物25,26により、それ
ぞれ、金属ベースプレート18および金属カバー22か
ら電気的に絶縁されている。外部端子29および送受信
回路と回路パターン導体および半導体チップ21とは、
ボンディングワイヤ28により接続されている。なお、
半導体チップ21は、回路基板20上に直接接続される
フリップチップ実装構造でもよい。また、金属ベースプ
レート18と金属カバー22とは、プラスチック等の非
金属で形成し、その表面を金属メッキや蒸着膜等により
覆ったものでもよい。
【0097】図10は、図9の高周波送受信装置を裏面
から見た構造を示す図である。点線は、表面に接着され
たアンテナ基板19を示している。
から見た構造を示す図である。点線は、表面に接着され
たアンテナ基板19を示している。
【0098】本実施形態4においては、高周波送受信装
置のアンテナ基板に低誘電特性を示す多孔質ポリイミド
を誘電体層として用いているので、損失が小さいミリ波
用アンテナ板を製造できる。
置のアンテナ基板に低誘電特性を示す多孔質ポリイミド
を誘電体層として用いているので、損失が小さいミリ波
用アンテナ板を製造できる。
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、式I〜III記載の構造
からなるポリイミドフィルムにおいて、b/(b+c)が
0.8〜1.0であり、芳香族テトラカルボン酸二無水物
としてsBPDAを用い、芳香族ジアミンとしてPPD
およびDDEを用いる高周波用多孔質ポリイミドフィル
ムが提供される。
からなるポリイミドフィルムにおいて、b/(b+c)が
0.8〜1.0であり、芳香族テトラカルボン酸二無水物
としてsBPDAを用い、芳香族ジアミンとしてPPD
およびDDEを用いる高周波用多孔質ポリイミドフィル
ムが提供される。
【0100】また、空孔率が40〜85%で、式I〜II
I記載の構造からなる多孔質ポリイミドフィルムにおい
て、b/(b+c)が0.5〜0.9であって、空孔率が0
〜10%のフィルム層に、b/(b+c)が0.70〜1.
0の多孔質フィルム層が積層されている。また、フィル
ム層の線熱膨張係数は、10〜30ppm/℃である。
第2の多孔質ポリイミドフィルムは、芳香族テトラカル
ボン酸二無水物としてsBPDAを用い、芳香族ジアミ
ンとしてPPDおよびDDEを用いる高周波用多孔質ポ
リイミドフィルムが提供される。
I記載の構造からなる多孔質ポリイミドフィルムにおい
て、b/(b+c)が0.5〜0.9であって、空孔率が0
〜10%のフィルム層に、b/(b+c)が0.70〜1.
0の多孔質フィルム層が積層されている。また、フィル
ム層の線熱膨張係数は、10〜30ppm/℃である。
第2の多孔質ポリイミドフィルムは、芳香族テトラカル
ボン酸二無水物としてsBPDAを用い、芳香族ジアミ
ンとしてPPDおよびDDEを用いる高周波用多孔質ポ
リイミドフィルムが提供される。
【0101】したがって、誘電率,誘電正接が小さく、
機械的強度が高く、配線切断等を防止でき、信頼性が高
い構造の高周波用多孔質ポリイミドフィルムおよび高周
波用多孔質ポリイミド回路基板が得られる。
機械的強度が高く、配線切断等を防止でき、信頼性が高
い構造の高周波用多孔質ポリイミドフィルムおよび高周
波用多孔質ポリイミド回路基板が得られる。
【0102】また、銅配線を用いる場合、銅と線熱膨張
係数を合わせた高周波用多孔質ポリイミドフィルムが得
られる。
係数を合わせた高周波用多孔質ポリイミドフィルムが得
られる。
【図1】本発明による銅箔付き多孔質ポリイミドフィル
ムの実施形態の構造を示す図である。
ムの実施形態の構造を示す図である。
【図2】図1の実施形態により作成した各種サンプルの
評価結果を示す図である。
評価結果を示す図である。
【図3】本発明による銅箔付きフィルム層積層多孔質ポ
リイミドフィルムの実施形態の構造を示す図である。
リイミドフィルムの実施形態の構造を示す図である。
【図4】図3の実施形態2により作成した各種サンプル
の評価結果を示す図である。
の評価結果を示す図である。
【図5】図3の実施形態2の配線形成手順を示す図であ
る。
る。
【図6】スキン層を形成した多孔質ポリイミドフィルム
と本発明による多孔質ポリイミドフィルムとの洗浄のし
やすさを比べるためのサンプルの構造を示す図である。
と本発明による多孔質ポリイミドフィルムとの洗浄のし
やすさを比べるためのサンプルの構造を示す図である。
【図7】窒素吸着法を用いて、スキン層を形成した多孔
質ポリイミドフィルムと本発明による多孔質ポリイミド
フィルムとのサンプルの表面積および細孔容積を測定し
た結果を示す図である。
質ポリイミドフィルムと本発明による多孔質ポリイミド
フィルムとのサンプルの表面積および細孔容積を測定し
た結果を示す図である。
【図8】本発明による多孔質ポリイミド回路基板を用い
る携帯電話機の内蔵アンテナの概略構造を示す図であ
る。
る携帯電話機の内蔵アンテナの概略構造を示す図であ
る。
【図9】本発明による多孔質ポリイミド配線板を用いる
高周波送受信装置の実施形態の概略構造を示す断面図で
ある。
高周波送受信装置の実施形態の概略構造を示す断面図で
ある。
【図10】図9の高周波送受信装置を裏面から見た構造
を示す図である。
を示す図である。
1 銅箔
2 多孔質ポリイミドフィルム
3 銅箔付き多孔質ポリイミドフィルム
4 銅箔付きフィルム層積層多孔質ポリイミドフィルム
5 フィルム層
6 多孔質ポリイミド
7 フィルム層
8 銅箔
9 レジストフィルム
10 銅箔
11 多孔質ポリイミド
12 スキン層
13 RFパッケージング
14 アンテナ板
15 多孔質ポリイミドフィルム
16 アンテナパターン
17 給電部
18 ベースプレート
19 アンテナ基板
20 回路基板
21 半導体チップ(MMIC)
22 送受信回路カバー
23 中心導体
24 アンテナパターン導体
25 絶縁物
26 絶縁物
27 回路パターン導体
28 ボンディングワイヤ
29 IF信号用の外部端子
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
H01L 23/14 H05K 1/03 610N
H05K 1/03 610 C08L 79:08 Z
// C08L 79:08 H01L 23/14 R
(72)発明者 山田 真治
茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株
式会社日立製作所日立研究所内
(72)発明者 川島 敏行
大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東
電工株式会社内
(72)発明者 田原 伸治
大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東
電工株式会社
(72)発明者 池田 健一
大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東
電工株式会社内
Fターム(参考) 4F074 AA74 AH03 CB43 DA08 DA20
DA22 DA24 DA47 DA54
4F100 AB17C AB33C AK49A AK49B
BA01 BA02 BA03 BA04 BA05
BA10A BA10C BA16 DJ00A
DJ00B EH46 EJ42 GB43
JA02A JA02B JG05 JG05A
JG05B JK01 JK02A JK02B
YY00A YY00B
4J043 PA04 PA08 PA19 QB15 QB26
QB31 RA35 SA06 SB02 SB03
TA22 TB01 UA121 UA131
UA132 UA672 UB121 UB402
VA011 VA021 VA022 VA041
VA062 YA06 ZA43 ZB50
Claims (8)
- 【請求項1】 式a記載の構造であり、Rが下記式b,
cの構造からなる多孔質ポリイミドフィルムにおいて、 b/(b+c)が0.8〜1.0であることを特徴とする多
孔質ポリイミドフィルム。 【化1】 【化2】 【化3】 - 【請求項2】 式a記載の構造であり、Rが下記式b,
cの構造からなる多孔質ポリイミドフィルムにおいて、 b/(b+c)が0.5〜0.9のフィルム層とb/(b+c)
が0.7〜1.0の多孔質フィルム層とが2層以上積層さ
れた積層フィルムであって、 前記積層フィルムの熱膨張係数が10〜30ppm/℃
であることを特徴とする多孔質ポリイミドフィルム。 【化4】 【化5】 【化6】 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の多孔質ポリイ
ミドフィルムにおいて、 誘電率が2.5以下,誘電正接が0.004以下であるこ
とを特徴とする多孔質ポリイミドフィルム。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか一項に記載
の多孔質ポリイミドフィルムにおいて、 引張強度が80MPa以上であることを特徴とする多孔
質ポリイミドフィルム。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか一項に記載
の多孔質ポリイミドフィルムにおいて、 窒素吸着法で測定した比表面積が20m2/g以下、ま
たは窒素吸着法で測定した細孔容積が0.05m1/g
以下であることを特徴とする多孔質ポリイミドフィル
ム。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の多
孔質ポリイミドフィルムを銅箔上に積層して形成された
銅箔付き多孔質ポリイミド積層板。 - 【請求項7】 請求項請求項1〜6のいずれか一項に記
載の多孔質ポリイミドフィルムに銅配線パターンを形成
した銅張り多孔質ポリイミド回路基板。 - 【請求項8】 請求項7に記載の銅張り多孔質ポリイミ
ド回路基板を用いた電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002002688A JP2003201362A (ja) | 2002-01-09 | 2002-01-09 | 多孔質ポリイミドフィルムおよび多孔質ポリイミド回路基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002002688A JP2003201362A (ja) | 2002-01-09 | 2002-01-09 | 多孔質ポリイミドフィルムおよび多孔質ポリイミド回路基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003201362A true JP2003201362A (ja) | 2003-07-18 |
Family
ID=27642477
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002002688A Pending JP2003201362A (ja) | 2002-01-09 | 2002-01-09 | 多孔質ポリイミドフィルムおよび多孔質ポリイミド回路基板 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003201362A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN100445322C (zh) * | 2006-08-21 | 2008-12-24 | 浙江大学 | 一种超低介电常数聚酰亚胺膜及其制备方法 |
EP2413674A2 (en) | 2010-07-30 | 2012-02-01 | Nitto Denko Corporation | Printed circuit board and method of manufacturing the same |
JP2017148986A (ja) * | 2016-02-23 | 2017-08-31 | 東京応化工業株式会社 | 配線基板用積層体、配線基板、及び配線基板用積層体の製造方法 |
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WO2024122550A1 (ja) * | 2022-12-09 | 2024-06-13 | 日東電工株式会社 | 低誘電基板材およびその製造方法 |
-
2002
- 2002-01-09 JP JP2002002688A patent/JP2003201362A/ja active Pending
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