JP2018166241A - 平面アンテナ及びその製造方法 - Google Patents

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恵一 岩波
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Abstract

【課題】本件発明の課題は、電波の周波数が高くても伝送損失を低減でき、ニッケルめっきや金めっきをしなくても電波送受信面の酸化を防止することができる平面アンテナ及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】平面アンテナ1は、樹脂基材1とその上に設けられ電波送受信面を有する導体回路3とを備えるものであり、樹脂基材2は表面改質された改質面2aを備え、導体回路3は、改質面2a上に設けられ改質面2aとの接触面3aを電波送受信面とし、接触面3aの算術平均粗さRaが2μm以下である。平面アンテナ1の製造方法は、樹脂基材2の表面に光照射を行うことにより表面改質された改質面2aを形成する工程と、成膜法によって改質面2a上に改質面2aとの接触面3aの算術平均粗さRaが2μm以下である導体回路3を形成する工程とを備える。【選択図】図1

Description

本件発明は、電波の送受信に用いられる平面アンテナ及びその製造方法に関する。
マイクロストリップアンテナ、パッチアンテナ等と称される平面アンテナとして、樹脂基材上に銅等の導体回路を設け、導体回路の樹脂基材との接触面とは反対側の面を電波送受信面として用いるものが知られている(例えば特許文献1参照)。電波送受信面は、大気に接していると銅が酸化して伝送損失が大きくなるため、ニッケルめっき及び金めっきによって被覆される。このような平面アンテナは、搭載される携帯電話やカーナビゲーションシステム等の電子機器の樹脂製の筐体内に収容されることが一般的である。
近年、通信周波数帯の高周波化に伴い、平面アンテナに用いる樹脂基材として誘電特性に優れたフッ素樹脂が広く用いられている。フッ素樹脂は金属との親和性に乏しいため、フッ素樹脂をガラスクロスの網目の隙間部分に含浸させたフッ素樹脂含浸ガラスクロスが樹脂基材として使用されている。
国際公開第2011/093154号
しかしながら、フッ素樹脂含浸ガラスクロス上に導体回路が形成された平面アンテナは、電波の周波数が高くなると大きな伝送損失が生じるという不都合がある。さらに、電波送受信面が銅よりも電気抵抗の高いニッケルで被覆されているために、被覆しない場合よりも伝送損失が大きくなる上にニッケルめっき及び金めっきによってコストが増大するという不都合がある。
本件発明の課題は、電波の周波数が高くても伝送損失を低減でき、ニッケルめっきや金めっきをしなくても電波送受信面の酸化を防止することができる平面アンテナ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本件発明者らは、樹脂基材としてフッ素樹脂含浸ガラスクロスを用いた平面アンテナでは、樹脂基材の表面に金属との接着を可能とする大きな凹凸(アンカー)が存在するため、電波の周波数が高くなると表皮効果の影響によって信号が導体回路のアンカー近傍を伝搬し、伝送損失が生じることを見出した。本件発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本件発明に至った。
すなわち、本件発明の平面アンテナは、樹脂基材と、当該樹脂基材上に設けられ電波送受信面を有する導体回路とを備える平面アンテナであって、当該樹脂基材は、表面改質された改質面を備え、当該導体回路は、当該改質面上に設けられ当該改質面との接触面を電波送受信面とし、当該接触面の算術平均粗さRaが2μm以下であることを特徴とする。
本件発明の平面アンテナにおいて、前記樹脂基材は、1MHzで測定したときの比誘電率が6以下であり且つ誘電正接が1×10−2以下である樹脂からなることが好ましい。
本件発明の平面アンテナにおいて、前記樹脂基材は、吸水率が0.1%以下である樹脂からなることが好ましい。
本件発明の平面アンテナにおいて、前記樹脂基材は、体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上である樹脂からなることが好ましい。
本件発明の平面アンテナにおいて、前記樹脂基材の厚さが0.01μm以上5mm以下であることが好ましい。
本件発明の平面アンテナにおいて、前記導体回路の厚さが0.03μm以上であることが好ましい。
本件発明の平面アンテナの製造方法は、樹脂基材と、当該樹脂基材上に設けられ電波送受信面を有する導体回路とを備える平面アンテナの製造方法であって、当該平面アンテナは、当該導体回路の当該樹脂基材との接触面を電波送受信面とするものであり、当該樹脂基材の表面に光照射を行うことにより表面改質された改質面を形成する工程と、成膜法によって当該改質面上に当該改質面との接触面の算術平均粗さRaが2μm以下である導体回路を形成する工程とを備えることを特徴とする。
本件発明の平面アンテナの製造方法において、前記光照射は、波長180〜1064nmの光を照射することによって行うものであることが好ましい。
本件発明の製造方法において、前記成膜法は、電気めっき法、無電解めっき法、化学蒸着法、物理蒸着法であることが好ましい。
本件発明の平面アンテナにおいて、導体回路は樹脂基材の改質面上に設けられていることにより樹脂基材との密着性を得ることができる。そして、導体回路の改質面との接触面は、算術平均粗さRaが2μm以下であって平滑性に優れている。そのため、本件発明の平面アンテナによれば、表皮効果が発現し得るほど電波の周波数が高くなったときでも、表皮効果の影響によって生じる伝送損失を低減することができる。さらに、電波送受信面が樹脂基材によって被覆されているため、めっきしなくても電波送受信面の酸化を防止することができる。
本件発明の平面アンテナの製造方法によれば、上記平面アンテナを製造することができる。
本実施形態の平面アンテナの模式的断面図である。 本実施形態の平面アンテナの製造方法の工程のフロー図である。
以下、本件発明に係る平面アンテナ及びその製造方法の実施の形態を説明する。
(平面アンテナ)
図1に示すように、本実施形態の平面アンテナ1は、樹脂基材2と、樹脂基材2上に設けられ電波送受信面を有する導体回路3とを備えている。樹脂基材2は、一方の側に表面改質された改質面2aを備えている。導体回路3は、改質面2a上に設けられ改質面2aとの接触面3aが電波送受信面となっている。そのため、平面アンテナ1は、樹脂基材2を透過して入射した電波を電波送受信面によって受信し、電波送受信面から電波を送信して当該電波は樹脂基材2を透過して外部へ放射する。さらに、平面アンテナ1は、例えばプリント配線板(図示せず)に電気的に接続して用いられ、導体回路3の接触面3aとは反対側の面3bが当該プリント配線板に接続される接続面となっている。尚、本実施形態では、導体回路3の接触面3aが電波の送信と受信とを兼用する電波送受信面であるとしているが、送信のみを行う電波送信面又は受信のみを行う電波受信面であってもよい。
樹脂基材:
樹脂基材2は、一方の側に表面改質された改質面2aを備えている。この改質面2aは、後述するように波長180〜1064nmの光が照射されることによって表面改質されたものであり、表面改質によってその上に成膜される導体回路3との密着性に優れている。
樹脂基材2は、1MHzで測定したときの比誘電率が6以下且つ誘電正接が1×10−2以下である樹脂からなることが好ましい。樹脂基材2としてこのような樹脂を用いることにより、誘電損失を低減し伝送損失を確実に低減できる。一方、樹脂基材2を構成する樹脂として比誘電率が6を上回るか或いは誘電正接が1×10−2を上回るものを用いた場合には、誘電損失が大きくなり伝送損失が大きくなることから好ましくない。さらに、樹脂基材2を構成する樹脂は、1MHzで測定したときの比誘電率が5以下であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましい。また、1MHzで測定したときの誘電正接が1×10−3以下であることがより好ましく、1×10−4以下であることがさらに好ましい。但し、比誘電率2未満、誘電正接1×10−5未満の樹脂は入手困難であるので、比誘電率2以上、誘電正接1×10−5以上である樹脂が好ましい。
樹脂基材2は、吸水率が0.1%以下である樹脂からなることが好ましい。樹脂基材2としてこのような樹脂を用いることにより、平面アンテナ1は、温度変化や湿度変化によらず安定して比誘電率6以下、誘電正接1×10−2以下に維持することができ、樹脂基材2による伝送損失を低減することができる。一方、樹脂基材2を構成する樹脂として吸水率が0.1%を上回るものを用いた場合には、比誘電率及び誘電正接の周波数変動が大きくなり、それに伴って樹脂基材2による伝送損失が大きくなることがあり好ましくない。さらに、樹脂基材2を構成する樹脂は、吸水率が0.05%以下であることがより好ましく、0.01%以下であることがさらに好ましい。但し、吸水率0.001%未満の樹脂は入手困難であるので、吸水率0.001%以上の樹脂が好ましい。
樹脂基材2は、体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上である樹脂からなることが好ましい。樹脂基材2としてこのような樹脂を用いることにより、平面アンテナ1は樹脂基材2による伝送損失を低減することができる。一方、樹脂基材2を構成する樹脂として1×10Ω・cm未満のものを用いた場合には、リーク電流が生じて伝送損失が大きくなることがあり好ましくない。さらに、樹脂基材2を構成する樹脂は、体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上であることがより好ましく、体積固有抵抗が1×1010Ω・cm以上であることがさらに好ましい。但し、体積固有抵抗1×1020Ω・cmを超える樹脂は入手困難であるので、体積固有抵抗1×1020Ω・cm以下の樹脂が好ましい。
上記条件のうち少なくとも比誘電率及び誘電正接の条件を満足する樹脂として、例えば、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリイミド(PI)等を挙げることができる。液晶ポリマーとして、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体、フェノール及びフタル酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体であり、2,6−ヒドロキシナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体を挙げることができる。
樹脂基材2は、表面が極めて平滑であって、算術平均粗さRaが例えば2μm以下である。尚、樹脂基材2は、無機フィラー、ガラスクロス等の補強材を含むと表面粗さが大きくなる傾向がある上に、補強材の固有誘電特性の影響によって樹脂基材2の誘電特性を低化させることがあるため、これらの補強材を含まない方が好ましい。
樹脂基材2は、絶縁性及び導体回路3の形成容易性の観点から、厚さが0.01μm以上5mm以下であることが好ましい。樹脂基材2の厚さが0.01μm未満であると、導体回路3の形成が困難となり好ましくない。一方、樹脂基材2の厚さが5mmを超えると、送受信される電波が樹脂基材2を透過する距離が長くなり伝送損失が大きくなるため好ましくない。樹脂基材2は、剛性を得られる厚さ(例えば0.02mm〜5mm程度)であるとき、平面アンテナ1が搭載される電子機器の筐体の一部(例えば、携帯電話の電池ケースの蓋)として利用してもよい。
導体回路:
導体回路3は、樹脂基材2の改質面2aとの接触面3aが電波送受信面として作用し、接触面3aの反対側の面3bがプリント配線板との接続面として作用する。導体回路3は、銅、銅合金、銀、銀合金、金、金合金等の良導体からなり、本実施形態では銅からなる。
導体回路3は、後述するように、電気めっき法、無電解めっき法、物理蒸着法等の成膜法によって改質面2a上に形成されるものであり、改質面2aとの接触面3aの算術平均粗さRaが2μm以下、好ましくは1μm以下となっている。樹脂基材としてフッ素樹脂含浸ガラスクロスを用いた従来技術の平面アンテナでは、高周波になるにつれて表皮効果の影響によって大きな伝送損失があったが、本実施形態の平面アンテナ1では、導体回路3の表面である接触面3aがこのような算術平均粗さRaを備えることにより、表皮効果の影響による伝送損失を低減することができる。但し、成膜法によって導体回路3を形成するとき、表面改質された改質面2aに対して成膜法を行ったとしても算術平均粗さRaが0.001μm未満の導体回路3を形成するのは困難であるので、算術平均粗さRaは0.001μm以上であることが好ましい。
さらに、図1からも理解できるように、電波送受信面として作用する導体回路3の接触面3aは、樹脂基材2によって被覆されているため酸化が防止される。そのため、平面アンテナ1は、電波送受信面の酸化に伴う伝送損失を防ぐことができる。さらに、このように電波送受信面が樹脂基材2によって被覆されているため、電波送受信面へのニッケルめっき及び金めっきが不要でありコストを低減することができる。尚、電波送受信面が樹脂基材2によって被覆されていることにより樹脂基材2による伝送損失が懸念されるが、従来技術の平面アンテナが樹脂製の筐体内に収容されているのが一般的であるとの同様に、樹脂基材2による伝送損失は問題にならない程度である。
導体回路3は、厚さが0.03μm以上100μm以下であることが好ましい。導体回路3は成膜法によって形成されるものであるので、導体回路3の厚さが0.03μm未満であると膜厚の均一性、成膜性に欠け好ましくない。一方、導体回路3の厚さが100μmを超えても膜厚の均一性は向上せず、むしろ膜厚が不均一になり好ましくない。導体回路3の厚さが不均一であると、パターン精度が低下し、結果的に電気的特性に影響を及ぼす。
(平面アンテナの製造方法)
本実施形態の平面アンテナ1は、樹脂基材2の表面に光照射を行うことにより表面改質された改質面2aを形成する工程(ステップ1)と、成膜法によって当該改質面上に当該改質面との接触面の算術平均粗さRaが2μm以下である導体回路を形成する工程(ステップ2)とを備える製造方法によって形成することができる。以下、図2を参照しながら、平面アンテナ1の製造方法の実施形態について説明する。ここでは、樹脂基材2としてシクロオレフィンポリマーを用い、導体回路3として銅を用いる平面アンテナ1の製造方法について説明する。
ステップ1:
ステップ1では、まず、樹脂基材2として例えば厚さが50μmのシクロオレフィンポリマーフィルムを用意する。そして、照射される光を吸収又は遮断する機能を有するマスク(図示せず)によって、樹脂基材2の一方の面を導体回路3が形成される領域を除いて被覆する。光照射をレーザーによって行う場合には、所望の領域のみに光照射することができるため、マスクによる被覆を省略することができる。
次に、大気雰囲気下で、樹脂基材2のマスクを設けた面に対して光照射を行うことにより、照射された領域を表面改質して改質面2aを形成する。光照射は、波長が180〜400nmである紫外線や、波長が400〜1064nmである可視光〜赤外線によって行うことができる。光照射はレーザーを用いてもよい。
照射される光の波長の下限を180nmとしているが、この波長未満では改質効果が得られないということではなく、一般的に使用可能な波長の下限として設定したものである。一方、照射される光の上限を1064nmとしているが、この波長を超えると改質効果が得られないことがあり好ましくない。
以下、紫外線照射による表面改質について説明する。照射雰囲気は、紫外線照射によってオゾン発生可能な酸素含有雰囲気(大気雰囲気を含む)を採用することが好ましい。樹脂基材2表面における紫外線の照射強度については、1〜500mW/cm、好ましくは9〜400mW/cmであることが好ましい。この範囲を外れると、表面改質を良好に行うことができないことがある。また、紫外線光源と樹脂基材2との間の照射距離は、5〜500mmであることが好ましい。照射距離が5mm未満であると広い面積での均一な照射性が損なわれることがあり好ましくない。一方、照射距離が500mmを超えると、紫外線光源への要求出力が大きくなり経済性が損なわれるため好ましくない。照射時間は、照射する紫外線の波長によっても異なるが、0.5〜30分、好ましくは1〜10分の時間を採用して、20〜200nmの厚さの改質処理層を得ることが好ましい。
樹脂基材2に対し紫外線を照射すると、雰囲気中の酸素がオゾン化して、オゾンの作用により樹脂基材2の表面層の化学結合が切断され、生成した活性酸素原子が切断された表面層の分子と結合し、OH基、COH基、COOH基等の酸素に富んだ官能基が生成されて改質面2aが形成される。このとき、紫外線の照射時間を長くするほど改質面2aの表面形状の粗さがnmオーダーで増大していくものの、紫外線照射後も樹脂基材2の平滑性は維持される。例えば、紫外線照射前の算術平均粗さRaが約40nmである樹脂基材2に対して紫外線照射を行い、算術平均粗さRaが50nmである改質面2aを得ることができる。
ステップ2:
ステップ2では、成膜法によって樹脂基材2の改質面2a上に導体回路3を形成する。成膜法として、電気めっき法、無電解めっき法、化学蒸着法、物理蒸着法等を採用できるが、本実施形態では無電解銅めっきによって導体回路3を形成する。
樹脂基材2の改質面2aに対して、図2に示すような前処理(アルカリ脱脂、コンディショニング、キャタライズ、アクセレレーター)を行った後、無電解銅めっきを行うことにより、導体回路3が形成される。本実施形態では、ホルマリンを還元剤とする無電解銅めっき浴でめっきを行うが、任意の浴を用いることができる。改質面2aが紫外線照射によって表面改質されているために、改質面2aとの密着性に優れた導体回路3を形成することができ、接触面3aの算術平面粗さRaを2μm以下とすることができる。
その理由は以下のように考えている。キャタライズ(触媒化処理)を行ったとき、キャタライザーの成分が樹脂基材2の改質面2aの改質処理層に入り込み、前記官能基と反応して改質処理層内で定着する。その後無電解銅めっきを行うと、析出した金属が改質処理層内で析出を開始して、樹脂基材2の表面にバルク金属層を形成する。無電解銅めっきによって形成された導体回路3は、改質面2aとの接触面3aにおいて、改質面2aの改質処理層内にアンカー効果を示す微細な析出金属が根を張ったような状態になっていて、その結果、改質面2aとの密着性に優れ、接触面3aの算術平均粗さRaが2μm以下である導体回路3を得ることができると考えられる。無電解銅めっきを終えた後、乾燥及び熱処理を行う。以上により、図1に示す平面アンテナ1を得ることができる。
本実施形態では、マスクによって樹脂基材2の表面を部分的に被覆し、光照射によって表面改質した後に無電解銅めっきを行って導体回路3を形成しているが、マスクを用いずに樹脂基材2の表面全体に光照射を行って表面改質し、無電解銅めっきによって銅皮膜を形成した後に、サブトラクティブ法によって銅皮膜を部分的に除去することにより導体回路3を形成してもよい。さらに、無電解銅めっきの後に電気銅めっきを行ってもよい。
また、本実施形態では、無電解めっき法によって導体回路3を形成する方法について説明したが、電気めっき法、化学蒸着法、物理蒸着法によっても、樹脂基材2の改質面2a上に接触面3aの算術平均粗さRaが2μm以下の導体回路3を形成することができる。例えば、物理蒸着法として真空下でアルゴンスパッタによって成膜を行うことにより導体回路3を形成してもよい。樹脂基材2の改質面2aが表面改質されていることにより、電気めっき法、化学蒸着法、物理蒸着法によって導体回路3を形成したときに、改質面2aとの密着性に優れ、接触面3aの算術平均粗さRaが2μm以下である導体回路3を得ることができる。
本件発明の平面アンテナによれば、電気抵抗の高いニッケル層を排除した上で、樹脂による導体回路の防食を実現できる。さらに、電波送受信面の表面粗度を平滑面に近づけることが可能となり、高周波数になるに伴って顕著になる表皮効果の影響による伝送損失を低減することができる。本件発明の平面アンテナは、携帯電話やカーナビゲーションシステム等の種々の電子機器や通信機器に適用可能である。
1…平面アンテナ
2…樹脂基材
2a…改質面
3…導体回路
3a…接触面

Claims (9)

  1. 樹脂基材と、当該樹脂基材上に設けられ電波送受信面を有する導体回路とを備える平面アンテナであって、
    当該樹脂基材は、表面改質された改質面を備え、
    当該導体回路は、当該改質面上に設けられ当該改質面との接触面を電波送受信面とし、当該接触面の算術平均粗さRaが2μm以下であることを特徴とする平面アンテナ。
  2. 前記樹脂基材は、1MHzで測定したときの比誘電率が6以下であり且つ誘電正接が1×10−2以下である樹脂からなる請求項1に記載の平面アンテナ。
  3. 前記樹脂基材は、吸水率が0.1%以下である樹脂からなる請求項1又は請求項2に記載の平面アンテナ。
  4. 前記樹脂基材は、体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上である樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載の平面アンテナ。
  5. 前記樹脂基材の厚さが0.01μm以上5mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の平面アンテナ。
  6. 前記導体回路の厚さが0.03μm以上である請求項1〜5のいずれかに記載の平面アンテナ。
  7. 樹脂基材と、当該樹脂基材上に設けられ電波送受信面を有する導体回路とを備える平面アンテナの製造方法であって、
    当該平面アンテナは、当該導体回路の当該樹脂基材との接触面を電波送受信面とするものであり、
    当該樹脂基材の表面に光照射を行うことにより表面改質された改質面を形成する工程と、
    成膜法によって当該改質面上に当該改質面との接触面の算術平均粗さRaが2μm以下である導体回路を形成する工程とを備えることを特徴とする平面アンテナの製造方法。
  8. 前記光照射は、波長180〜1064nmの光を照射することによって行うものである請求項7に記載の平面アンテナの製造方法。
  9. 前記成膜法は、電気めっき法、無電解めっき法、化学蒸着法、物理蒸着法である請求項8に記載の平面アンテナの製造方法。

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