JP2003200724A - 差動制限装置の検出法、該検出法を用いたタイヤ空気圧低下検出方法、装置ならびにタイヤ減圧判定のプログラム - Google Patents
差動制限装置の検出法、該検出法を用いたタイヤ空気圧低下検出方法、装置ならびにタイヤ減圧判定のプログラムInfo
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Abstract
る差動制限装置の検出法を提供する。 【解決手段】 車両に装着したタイヤから得られる回転
情報を用いて求められる車両の横方向加速度または車両
の旋回半径と所定の判定値との関係から、車両に差動制
限装置が装着されているか否かを検出する。
Description
法、該検出法を用いたタイヤ空気圧低下検出方法、装置
ならびにタイヤ減圧判定のプログラムに関する。さらに
詳しくは、差動制限装置(LSD:リミット・スリップ
・ディファレンシャル)を装着しているか否かを検出す
るとともに、車両のタイヤの内圧低下を適確に判定する
ことができる差動制限装置の検出法、該検出法を用いた
タイヤ空気圧低下検出方法、装置ならびにタイヤの空気
圧低下検出プログラムに関する。
より、タイヤの空気圧が低下すると、タイヤの動荷重半
径が小さくなり、正常な空気圧のタイヤと比較して、回
転速度や回転角速度が速くなることが知られている。そ
して、タイヤの回転角速度の相対的な差から内圧低下を
検出する方法が種々提案されている(特開平10−10
0620号公報、特開平9−66714号公報、特開平
8−164720号公報および特開平8−145654
号公報など参照)。これらの技術のうち、特開平10−
100620号公報記載のタイヤ空気圧低下検出装置
(DWS)では、車両がコーナーを走行しているとき
に、減圧車輪が従動輪にあると判別した場合、駆動輪の
回転角速度から旋回半径を導出したのち、該旋回半径か
らコーナー走行時における横方向加速度(以下、横Gと
いう)を算出し、ついで所定のしきい値により誤差が含
まれない横Gに基づいて判定値を算出している。
ングなどの走行性能の向上のため、駆動軸のディファレ
ンシャルギアに差動制限装置を装着したものがある。差
動制限装置は、その機構上、差動トルクが設定をこえる
まで差動が制限され、駆動輪が左右等速で回転する。こ
のため、装着車では、差動制限装置の影響で旋回外側の
回転角速度が本来の回転角速度より遅くなり、旋回半径
が大きめに計算されてしまう。その結果、判定値に誤差
が生じるため、内圧低下を適確に判定することができな
い。また、駆動輪が減圧した場合、LSDの働きによっ
て左右輪の作動が制限されるため、空気圧の差によって
出るべき左右輪の回転差が通常より小さくなる。そのた
め、LSDが装着されている車両の駆動輪の減圧しきい
値は、LSDが装着されていない車両のしきい値よりも
小さく設定されなければならない。
な影響を与える。したがって、LSDが標準装着である
車両ならば、LSD装着を前提として設計すればよい。
しかし、オプション装着の場合は、LSDを装着すると
きにLSD対策用のDWSが組み込まれたマイコンを車
両に装着し、LSD未装着車にはLSDを考慮していな
いDWSが組み込まれたマイコンを車両に装着する。
着されることが多い。しかしながら、LSDの装着/未
装着でABSマイコンを使い分けることは作業工程上難
しい。
置を装着しているか否かを検出するとともに、車両のタ
イヤの内圧低下を適確に判定することができる差動制限
装置の検出法、該検出法を用いたタイヤ空気圧低下検出
方法、装置ならびにタイヤ減圧判定のプログラムを提供
することを目的とする。
検出法は、車両に装着したタイヤから得られる回転情報
を用いて求められる車両の横方向加速度または車両の旋
回半径と所定の判定値との関係から、車両に差動制限装
置が装着されているか否かを検出することを特徴とす
る。
は、車両に装着したタイヤから得られる回転情報に基づ
いてタイヤの内圧低下を検出するタイヤ空気圧低下検出
方法であって、前記各タイヤの回転情報を検出する工程
と、各タイヤの回転情報を記憶する工程と、前記車両の
横方向加速度または車両の旋回半径を演算する工程と、
該横方向加速度または旋回半径と所定の判定値との関係
から、車両に差動制限装置が装着されているか否かを検
出する工程と、当該検出に基づいて減圧判定のしきい値
を選定し、タイヤの空気圧低下を判定する工程とを含む
ことを特徴とする。
は、車両に装着したタイヤから得られる回転情報に基づ
いてタイヤの内圧低下を検出するタイヤ空気圧低下検出
装置であって、前記各タイヤの回転情報を検出する回転
情報検出手段と、該各タイヤの回転情報を記憶する記憶
手段と、前記車両の横方向加速度または車両の旋回半径
を演算する第1演算手段と、該横方向加速度または旋回
半径と所定の判定値との関係から、車両に差動制限装置
が装着されているか否かを検出する装着検出手段と、当
該検出に基づいて減圧判定のしきい値を選定し、タイヤ
の空気圧低下を判定する減圧判定手段とを備えてなるこ
とを特徴とする。
ムは、タイヤの空気圧低下を判定するためにコンピュー
タを、車両の各タイヤの回転情報を記憶する記憶手段、
前記車両の横方向加速度または車両の旋回半径を演算す
る第1演算手段、該横方向加速度または旋回半径と所定
の判定値との関係から、車両に差動制限装置が装着され
ているか否かを検出する装着検出手段、当該検出に基づ
いて減圧判定のしきい値を選定し、タイヤの空気圧低下
を判定する減圧判定手段として機能させることを特徴と
する。
明の差動制限装置の検出法、該検出法を用いたタイヤ空
気圧低下検出方法、装置ならびにタイヤ減圧判定のプロ
グラムを説明する。
にかかわるタイヤ空気圧低下検出装置は、たとえば4輪
車両に備えられた4つのタイヤFL、FR、RLおよび
RR(以下、総称してWiという。ここで、i=1〜
4、1:前左タイヤ、2:前右タイヤ、3:後左タイ
ヤ、4:後右タイヤ)の空気圧が低下しているか否かを
検出するもので、タイヤWiにそれぞれ関連して設けら
れた通常の回転情報検出手段1を備えている。
ックアップなどを用いて回転パルスを発生させてパルス
の数から車輪速度(回転速度)を測定する車輪速センサ
またはダイナモのように回転を利用して発電を行ない、
この電圧から車輪速度を測定するものを含む角速度セン
サなどを用いることができる。前記回転情報検出手段1
の出力はABSなどのコンピュータである制御ユニット
2に与えられる。制御ユニット2には、空気圧が低下し
たタイヤWiを知らせるための液晶表示素子、プラズマ
表示素子またはCRTなどで構成された表示器3、およ
びドライバーによって操作することができる初期化スイ
ッチ4が接続されている。本実施の形態にかかわる4輪
車両は、FR(フロントエンジン・リアドライブ)車で
あり、駆動軸5のディファレンシャルギア6に差動制限
装置7を装着している。なお、8は従動軸である。
に、外部装置との信号の受け渡しに必要なI/Oインタ
ーフェイス2aと、演算処理の中枢として機能するCP
U2bと、該CPU2bの制御動作プログラムが格納さ
れたROM2cと、前記CPU2bが制御動作を行なう
際にデータなどが一時的に書き込まれたり、その書き込
まれたデータなどが読み出されるRAM2dとから構成
されている。
転情報を検出する回転情報検出手段1と、該各タイヤW
iの回転情報を記憶する記憶手段と、前記車両の横方向
加速度または車両の旋回半径を演算する第1演算手段
と、該横方向加速度または旋回半径と所定の判定値との
関係から得られる1次式の傾きの大小により、差動制限
装置が装着されているか否かを検出する装着検出手段
と、当該検出に基づいて減圧判定のしきい値を選定し、
タイヤの空気圧低下を判定する減圧判定手段とを備えて
いる。
の回転数に対応したパルス信号(以下、車輪速パルスと
いう)が出力される。またCPU2bでは、回転情報検
出手段1から出力された車輪速パルスに基づき、所定の
サンプリング周期ΔT(sec)、たとえばΔT=1秒ごと
に各タイヤWiの回転角速度Fiが算出される。
き(初期差異)が含まれて製造されるため、各タイヤW
iの有効転がり半径(一回転により進んだ距離を2πで
割った値)は、すべてのタイヤWiがたとえ正常内圧で
あっても、同一とは限らない。そのため、各タイヤWi
の回転角速度Fiはばらつくことになる。そこで、初期
差異によるばらつきを打ち消すために補正した回転角速
度F1iを算出する。具体的には、 F11=F1 F12=mF2 F13=F3 F14=nF4 と補正される。前記補正係数m、nは、たとえば車両が
直線走行していることを条件として回転角速度Fiを算
出し、この算出された回転角速度Fiに基づいて、m=
F1/F2、n=F3/F4として得られる。そして、前記
F1iに基づき、各車輪のタイヤの車輪速度Viを算出
する。
判定のプログラムは、制御ユニット2を、車両の各タイ
ヤWiの回転情報を記憶する記憶手段、前記車両の横方
向加速度または車両の旋回半径を演算する第1演算手
段、該横方向加速度または旋回半径と所定の判定値との
関係から、車両に差動制限装置が装着されているか否か
を検出する装着検出手段、当該検出に基づいて減圧判定
のしきい値を選定し、タイヤの空気圧低下を判定する減
圧判定手段として機能させる。
の減圧判定値(DEL)は、とくに限定される式を用い
て得られるものではなく、たとえばつぎの式を用いて、
4輪の車輪の各対角線上に位置する2輪の回転情報の和
の平均値の差を4輪の回転情報の平均値で除して得られ
る値として求められる。またはこの式と同等の式を用い
て得られる値とすることもできる。
F3)/2}/{(F1+F2+F3+F4)/4}×
100(%)
と判定値との関係から得られる1次式の傾きの大小によ
り、差動制限装置が装着されているか否かを検出する。
る。たとえば車両が左コーナーを走行している場合にお
いて、コーナー内側の駆動輪タイヤRLはスリップしや
すいため、旋回半径を正確に計算するには不適切である
ことから、従動輪タイヤFL、FRの速度V1、V2だ
けを算出する。これにより、旋回半径Rが算出される。
(m)である。
つぎの式により算出される。 横G=V2/(R×9.8) なお、分母に9.8が導入されているのは、横方向加速
度をg換算するためである。
ある一定の力で拘束する。したがって、車両が旋回して
いるときには、従動輪に比べて駆動輪の左右輪比が小さ
くなる。
場合でも、旋回による車輪速度の差が相殺され、DEL
はほぼゼロに近い値になる。
中は駆動輪がある一定の力で拘束されるため、DELの
式では相殺されず、値が大きくなる。
にLSDが装着されているか否かを判別することができ
る。
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
トラック(ピックアップトラック:排気量4.7リット
ル)(以下、LSD装着車という)とLSDを装着して
いない後輪駆動の小型無蓋トラック(以下、LSD未装
着車という)を用意した。
の2車を正常空気圧のもとにそれぞれ80km/hでオ
ーバルコースを走行させた。これにより、LSD装着車
とLSD未装着車について、検出した車輪速度から横G
と判定値(DEL)を演算することにより、図3、4か
らつぎのような関係式を得ることができた。
(RR)の空気圧が40%減圧したときの判定値が正常
空気圧のときの判定値よりも約30%低下することがわ
かっている。そこで、LSDの検出法を用いたDWS
に、車両がLSD装着車と判断され、かつ駆動輪タイヤ
が減圧していると判断されたときには、警報のためのし
きい値(警報しきい値)を30%低下させるプログラム
を組み込んだ。
0%減圧したときに相当する警報しきい値を0.1に設
定する。そして、定数Aの値が1.5以上のときで、か
つ駆動輪タイヤが40%減圧したと判断されたときの警
報しきい値は0.07に変更する。
装着車に通常の(LSDの検出法を用いない)DWSを
搭載した(比較例)。このときの警報しきい値はともに
0.1である。
SD未装着車について、オーバルコースで約1時間の学
習走行を行なったのち、駆動輪タイヤ(RR)の空気圧
を40%減らして20分間走行し、警報するかどうかの
試験を行なった。その結果を、表1に示す。なお、空気
低下警報の判定には、直線部のデータのみを使用し、旋
回部のデータはLSDが装着されているかどうかの判断
のみに使用した。
LSDが装着されているかどうかの検出が可能になるの
で、LSDの装着/未装着で使用する定数や減圧判定ロ
ジックの切り替えができる。これにより、タイヤの内圧
低下を適確に判定することができるため、車両の性能や
安全性を高めることができる。
形態を示すブロック図である。
的構成を示すブロック図である。
を示す図である。
示す図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 車両に装着したタイヤから得られる回転
情報を用いて求められる車両の横方向加速度または車両
の旋回半径と所定の判定値との関係から、車両に差動制
限装置が装着されているか否かを検出する差動制限装置
の検出法。 - 【請求項2】 前記判定値が、4輪の車輪の各対角線上
に位置する2輪の車輪速度の和の平均値の差を4輪の車
輪速度の平均値で割る式またはこの式と同等の式を用い
て得られる値である請求項1記載の差動制限装置の検出
法。 - 【請求項3】 前記横方向加速度または旋回半径と判定
値との関係から得られる1次式の傾きの大小により、差
動制限装置が装着されているか否かを検出する請求項2
記載の差動制限装置の検出法。 - 【請求項4】 車両に装着したタイヤから得られる回転
情報に基づいてタイヤの内圧低下を検出するタイヤ空気
圧低下検出方法であって、前記各タイヤの回転情報を検
出する工程と、各タイヤの回転情報を記憶する工程と、
前記車両の横方向加速度または車両の旋回半径を演算す
る工程と、該横方向加速度または旋回半径と所定の判定
値との関係から、車両に差動制限装置が装着されている
か否かを検出する工程と、当該検出に基づいて減圧判定
のしきい値を選定し、タイヤの空気圧低下を判定する工
程とを含むタイヤ空気圧低下検出方法。 - 【請求項5】 前記判定値が、4輪の車輪の各対角線上
に位置する2輪の回転情報の和の平均値の差を4輪の車
輪速度の平均値で割る式またはこの式と同等の式を用い
て得られる値である請求項4記載のタイヤ空気圧低下検
出方法。 - 【請求項6】 前記横方向加速度または旋回半径と判定
値との関係から得られる1次式の傾きの大小により、差
動制限装置が装着されているか否かを検出する請求項5
記載のタイヤ空気圧低下検出方法。 - 【請求項7】 車両に装着したタイヤから得られる回転
情報に基づいてタイヤの内圧低下を検出するタイヤ空気
圧低下検出装置であって、前記各タイヤの回転情報を検
出する回転情報検出手段と、該各タイヤの回転情報を記
憶する記憶手段と、前記車両の横方向加速度または車両
の旋回半径を演算する第1演算手段と、該横方向加速度
または旋回半径と所定の判定値との関係から、車両に差
動制限装置が装着されているか否かを検出する装着検出
手段と、当該検出に基づいて減圧判定のしきい値を選定
し、タイヤの空気圧低下を判定する減圧判定手段とを備
えてなるタイヤ空気圧低下検出装置。 - 【請求項8】 前記判定値が、4輪の車輪の各対角線上
に位置する2輪の車輪速度の和の平均値の差を4輪の車
輪速度の平均値で割る式またはこの式と同等の式を用い
て得られる値である請求項7記載のタイヤ空気圧低下検
出装置。 - 【請求項9】 前記横方向加速度または旋回半径と判定
値との関係から得られる1次式の傾きの大小により、差
動制限装置が装着されているか否かを検出する請求項8
記載のタイヤ空気圧低下検出装置。 - 【請求項10】 タイヤの空気圧低下を判定するために
コンピュータを、車両の各タイヤの回転情報を記憶する
記憶手段、前記車両の横方向加速度または車両の旋回半
径を演算する第1演算手段、該横方向加速度または旋回
半径と所定の判定値との関係から、車両に差動制限装置
が装着されているか否かを検出する装着検出手段、当該
検出に基づいて減圧判定のしきい値を選定し、タイヤの
空気圧低下を判定する減圧判定手段として機能させるた
めのタイヤ減圧判定のプログラム。 - 【請求項11】 前記判定値が、4輪の車輪の各対角線
上に位置する2輪の車輪速度の和の平均値の差を4輪の
車輪速度の平均値で割る式またはこの式と同等の式を用
いて得られる値である請求項10記載のタイヤ減圧判定
のプログラム。 - 【請求項12】 前記横方向加速度または旋回半径と判
定値との関係から得られる1次式の傾きの大小により、
差動制限装置が装着されているか否かを検出する請求項
11記載のタイヤ減圧判定のプログラム。
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