JP2003200711A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
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Abstract
の増加を、重量増加を招くことなく、かつ高い信頼性を
有して抑制する。 【解決手段】 タイヤ赤道Cにより区分される一方側の
トレッド半部分2aにおけるランド比Laを、他方側の
トレッド半部分2bにおけるランド比Lbよりも大とす
る。バンド層9のバンドプライ9Aは、一方側のトレッ
ド半部分2aにおけるコード配列密度Naを、前記他方
側のトレッド半部分2bにおけるコード配列密度Nbよ
りも小とした。
Description
有するタイヤにおいて、バンド層のコード配列密度を、
左右両側のトレッド半部分で相違させることにより車両
流れを改善した空気入りラジアルタイヤに関する。
行性能を高めるために、タイヤ赤道により区分される一
方側のトレッド半部分におけるトレッドパターンのラン
ド比を、他方側のトレッド半部分におけるトレッドパタ
ーンのランド比よりも大とした非対称パターンが多用さ
れつつある。
は、ランド比が高い側のトレッド半部分では、ランド比
が低い側のトレッド半部分に比べて、パターン剛性が必
然的に大となる。そのため、走行時、トレッド部が円錐
状に変形する傾向となり、それによって生じるコニシテ
ィーフォースによって車両流れが発生するという問題が
ある。
ジ厚さを、ランド比が高い側のトレッド半部分において
相対的に高めるなど、ゲージ厚さを非対称化することに
よってパターン剛性の均一化を図り、これによって前記
車両流れを抑制している。
によってゲージ厚さがバラツキやすいため、信頼性に劣
り、又タイヤ重量の増加を伴うという不利もある。
バンド層のコード配列密度を、一方他方のトレッド半部
分で互いに相違させることを基本として、ランド比に起
因するパターン剛性の差を、バンド層の拘束力の差によ
って相殺せしめ、重量増加を招くことなく、かつ高い信
頼性を有して車両流れを抑制しうる空気入りラジアルタ
イヤの提供を目的としている。
に、本願請求項1の発明は、トレッド部の内方かつカー
カスの外側に配されるベルト層と、このベルト層の外側
に配されるバンド層とを具え、かつトレッド部にタイヤ
赤道の両側でトレッドパターンを異ならせた非対称パタ
ーンを設けた空気入りラジアルタイヤであって、前記ト
レッド部は、タイヤ赤道により区分される一方側のトレ
ッド半部分におけるトレッドパターンのランド比La
を、他方側のトレッド半部分におけるトレッドパターン
のランド比Lbよりも大とするとともに、前記バンド層
は、バンドコードをタイヤ周方向に5度以下の角度で配
列したバンドプライからなり、しかもこのバンドプライ
は、前記一方側のトレッド半部分におけるバンドコード
のコード配列密度Naを、前記他方側のトレッド半部分
におけるバンドコードのコード配列密度Nbよりも小と
したことを特徴としている。
度Na、Nbの比Na/Nbは、前記ランド比Lb、L
aの比Lb/Laの0.8〜0.9倍の範囲であること
を特徴としている。
図示例とともに説明する。図1は、本発明の空気入りラ
ジアルタイヤが乗用車用タイヤである場合の子午線断面
図を示している。図1において、空気入りラジアルタイ
ヤ1(以下タイヤ1という)は、トレッド部2からサイ
ドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る
カーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6
の外側に配されるベルト層7と、このベルト層7のさら
に外側に配されるバンド層9とを具えている。
ヤ周方向に対して例えば75゜〜90゜の角度で配列し
たラジアル構造の1枚以上、本例では1枚のカーカスプ
ライ6Aから構成されている。カーカスコードとして、
本例ではポリエステルコードが採用されるが、これ以外
にもナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コー
ドや必要によりスチールコードをも採用しうる。
コア5、5間を跨るプライ本体部6aの両端に、前記ビ
ードコア5の廻りで内側から外側に折り返される折返し
部6bを一連に具え、このプライ本体部6aと折返し部
6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側
に先細状にのびるビード補強用のビードエーペックスゴ
ム8が配される。
周方向に対して例えば10〜45°の角度で配列した2
枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから構
成される。各ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコード
がプライ間相互で交差することにより、ベルト剛性を高
めトレッド部2の略全巾を補強している。前記ベルトコ
ードとして、本例ではスチールコードを採用している
が、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、芳香族ポリアミド等の高
モジュラスの有機繊維コードも必要に応じて用いうる。
を高める目的で、例えばナイロン等の有機繊維のバンド
コードを周方向に対して5度以下の角度で配列させた、
本例では1枚のバンドプライ9Aからなるバンド層9を
設けている。このバンドプライ9Aとして、本実施形態
では、前記ベルト層7の略全巾を覆うフルバンドプライ
が使用される。なおベルト層7の「略全巾を覆う」とは
前記ベルト層7の最大プライ巾WBの95%以上を覆う
ことを意味し、本例では、バンドプライ9Aが前記最大
プライ巾WBと実質的に等しい巾を有する場合を例示し
ている。
2には、図2に展開して示すように、タイヤ赤道Cの両
側でトレッドパターンを異ならせた非対称パターンを設
けている。
ち、タイヤ赤道Cにより区分される一方側(図2左側)
のトレッド半部分2aにおけるトレッドパターンのラン
ド比Laを、他方側(図2右側)のトレッド半部分2b
におけるトレッドパターンのランド比Lbよりも大(L
a>Lb)としている。
を埋めたと仮定した時のスリック状態のトレッド面のト
レッド半部分における表面積S1と、実際のタイヤにお
いて路面と接地可能な陸部分(ブロック及びリブ等)の
トレッド半部分における総面積S2との比S2/S1を
意味し、図2には、一方側のトレッド半部分2aのラン
ド比Laが0.78、他方側のトレッド半部分2bのラ
ンド比Lbが0.66のものを例示している。
のびる縦主溝、符号11は前記縦主溝1と交わる向きに
のびる横主溝、符号12は細溝或いはサイピングであっ
て、これらによってトレッド溝Gが構成され、又要求に
応じた種々の模様のトレッドパターンが形成される。
ランド比Laが高くパターン剛性の大きい一方側のトレ
ッド半部分2aを、旋回時に高い接地圧が要求されかつ
コーナリングパワーに重要な車両外側に、又ランド比L
bが低く排水性能に優れる他方側のトレッド半部分2b
を車両内方に向けて装着される。そして、これによって
ドライ路面とウエット路面との双方において、優れた操
縦安定性能が発揮される。
づくパターン剛性の相違によって、コニシティーフォー
スが大きくなるという問題がある。
9Aにおいて、前記一方側のトレッド半部分2aにおけ
るバンドコード20のコード配列密度Naを、前記他方
側のトレッド半部分2bにおけるバンドコード20のコ
ード配列密度Nbよりも小(Na<Nb)に形成してい
る。
側のトレッド半部分2aに配されるバンドプライ片9A
aと、他方側のトレッド半部分2bに配されるバンドプ
ライ片9Abとから構成される。
図3(A)、(B)に示すように、バンドコード20の
複数本を引き揃えたテープ状の帯状プライ21a、21
bを螺旋巻きすることにより形成される。このとき本例
では、帯状プライ21a、21bは、バンドコード20
の引き揃えピッチPa、Pbを実質的に同一、かつ帯状
プライ21aのプライ巾Waを、帯状プライ21bのプ
ライ巾Wbより小(Wa<Wb)としたものを使用して
いる。
1bを、そのプライ巾Wbと実質的に等しい螺旋ピッチ
Jbで密に螺旋巻きするとともに、帯状プライ21a
を、そのプライ巾Waより大な螺旋ピッチJaで間隔A
を有して螺旋巻きしている。これによって前記バンドプ
ライ片9Aaのコード配列密度Naを、バンドプライ片
9Abのコード配列密度Nbより小に設定している。
ライ巾Wa、Wbを8〜20mmの範囲、その差Wb−
Waを2〜4mmの範囲、及び前記間隔Aを1〜3mm
の範囲とすることが、取り扱い易さ、巻回効率、及び各
トレッド半部分内においてコード配列密度を均一化させ
る等の点で好ましい。特に前記間隔Aが3mmを越える
と、トレッドゴムとの間かつ前記間隔A内に空気溜まり
(所謂エアーアンダートレッド)が発生し易く、耐久性
を低下する恐れを招く。
の全巾内に配されるバンドコード20の本数を前記バン
ドプライ片の巾で割った値、即ち平均のコード配列密度
を意味する。
相違せしめ、他方側のバンドプライ片9Abのバンド拘
束力を、一方側のバンドプライ片9Aaのバンド拘束力
より高めている。従って、他方側でのベルト層7及びト
レッドゴムの動き並びに変形を抑制でき、前記パターン
剛性の相違に起因するトレッド部2の円錐状変形を抑
え、コニシティーフォースの発生を効果的に抑制でき
る。
によっても変化することがないため、コニシティーフォ
ースを抑制したタイヤを、バラツキ無く高い信頼性を有
して安定して製造することができる。又トレッドゴムの
ゲージ厚さの非対称な増加を不要とするため、タイヤ重
量の増加を招くことが無く、むしろコード配列密度Na
を相対的に減じることによって、タイヤの軽量化に貢献
できる。
ムのゲージ厚さは、タイヤ赤道Cの両側で実質的に対
称、即ちトレッド半部分2a、2bのゲージ厚さは実質
的に等しく設定している、
Na/Nbは、前記ランド比Lb、Laの比Lb/La
の0.8〜0.9倍の範囲とするのが好ましく、この範
囲を超えると、コニシティーフォースを充分に抑えるこ
とが難しくなる。
せる手段としては、他に、帯状プライ21a、21bの
バンドコード20の引き揃えピッチPa、Pb自体を、
Pa>Pbとして相違させ、各帯状プライ21a、21
bをプライ巾Wa、Wbと実質的に等しい螺旋ピッチJ
a、Jbで密に螺旋巻きしても良い。
引きした1本のバンドコード20を、夫々異なる螺旋ピ
ッチJa、Jb螺旋巻きすることにより、コード配列密
度Na、Nbを相違させたバンドプライ片9Aa、9A
bを形成しても良い。
いて詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定される
ことなく、種々の態様に変形して実施しうる。
イズ215/65R15のタイヤを表1の仕様に基づき
試作するとともに、各試供タイヤのコニシティー、タイ
ヤ重量、エアーアンダートレッド(AUT)の発生状況
を比較した。
フォースバリエイション試験機を用いてコニシティーフ
ォースを測定した。 (2)タイヤ重量;タイヤ1本当たりの重量を測定し、
比較例1を100とする指数で表示している。指数は小
さい方が良好である。 (3)エアーアンダートレッド(AUT) タイヤを解体し、エアーアンダートレッドの発生の有無
を確認した。
配列密度を、ランド比に応じて一方/他方のトレッド半
部分で互いに相違させているため、非対称パターンのタ
イヤにおけるコニシティの増加を、重量増加を招くこと
なく、かつ高い信頼性を有して抑制しうる。
プライの斜視図である。
ともに示す線図である。
Claims (2)
- 【請求項1】トレッド部の内方かつカーカスの外側に配
されるベルト層と、このベルト層の外側に配されるバン
ド層とを具え、かつトレッド部にタイヤ赤道の両側でト
レッドパターンを異ならせた非対称パターンを設けた空
気入りラジアルタイヤであって、 前記トレッド部は、タイヤ赤道により区分される一方側
のトレッド半部分におけるトレッドパターンのランド比
Laを、他方側のトレッド半部分におけるトレッドパタ
ーンのランド比Lbよりも大とするとともに、 前記バンド層は、バンドコードをタイヤ周方向に5度以
下の角度で配列したバンドプライからなり、しかもこの
バンドプライは、前記一方側のトレッド半部分における
バンドコードのコード配列密度Naを、前記他方側のト
レッド半部分におけるバンドコードのコード配列密度N
bよりも小としたことを特徴とする空気入りラジアルタ
イヤ。 - 【請求項2】前記コード配列密度Na、Nbの比Na/
Nbは、前記ランド比Lb、Laの比Lb/Laの0.
8〜0.9倍の範囲であることを特徴とする請求項1記
載の空気入りラジアルタイヤ。
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