JP2003197523A - 結晶性半導体膜の製造方法および半導体装置 - Google Patents

結晶性半導体膜の製造方法および半導体装置

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JP2003197523A
JP2003197523A JP2001394639A JP2001394639A JP2003197523A JP 2003197523 A JP2003197523 A JP 2003197523A JP 2001394639 A JP2001394639 A JP 2001394639A JP 2001394639 A JP2001394639 A JP 2001394639A JP 2003197523 A JP2003197523 A JP 2003197523A
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semiconductor film
laser light
pulsed laser
region
film
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JP2001394639A
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Kazuo Nakagawa
和男 中川
Masayuki Nakao
政之 中尾
Yotaro Hatamura
洋太郎 畑村
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性のばらつきが少なく、簡便な結晶性半導
体膜の製造方法および半導体装置を提供する。 【解決手段】 半導体装置は、非晶質ケイ素膜にレーザ
光を照射することによって形成される結晶性ケイ素膜か
らなる活性領域部を有する。結晶性ケイ素膜は、レーザ
光を非晶質ケイ素膜に対して斜め方向から照射しなが
ら、レーザ光を矢印A方向に走査することにより得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブマトリ
クス型の液晶表示装置、密着型イメージセンサ、3次元
ICなどに利用できる結晶性半導体膜の製造方法および
半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大型で高解像度の液晶表示装置、
高速で高解像度のイメージセンサ、3次元ICなどへの
実現に向けて、ガラスなどの絶縁性基板上や、絶縁膜上
に高性能な半導体素子を形成する試みがなされている。
これらの装置に用いられる半導体素子には、薄膜状のケ
イ素半導体を用いるのが一般的である。薄膜状の半導体
素子としては、非晶質ケイ素半導体(a−Si)からな
るものと、結晶性を有するケイ素半導体からなるものと
の2つに大別される。
【0003】非晶質ケイ素半導体は、作製温度が低く、
気相法で比較的容易に作製することができ、量産性に富
むため、最も一般的に用いられている。しかしながら、
導電性などの物性が結晶性を有するケイ素半導体に比べ
て劣るため、今後、より高速特性を得るためには、結晶
性を有するケイ素半導体からなる半導体装置の作製方法
の確立が強く求められていた。
【0004】これら結晶性を有する薄膜状のケイ素半導
体を得る方法としては、非晶質の半導体膜を成膜してお
き、レーザ光のエネルギーにより結晶性を持たせる方法
が一般に用いられている。この方法では、溶融固化過程
の結晶化現象を利用するため、小粒径ながら粒界が良好
に処理され、比較的高品質な結晶性ケイ素膜が得られ
る。しかしながら、現在最も一般的に使用されているエ
キシマレーザを例にとると、いまだ十分な安定性のもの
が得られておらず、半導体装置の性能面でも十分ではな
い。特にレーザ光の照射パワーを上げると、全体的に結
晶性は向上するが、ばらつきが大きくなるといった問題
がある。
【0005】また、特表2000−505241号公報
に記載の結晶性を有する薄膜状のケイ素半導体は、レー
ザ光が照射され溶融した領域が、周りの非照射領域(非
溶融領域)から固化され、方向性をもって結晶化される
現象を利用して、結晶の成長方向を制御している(SL
S(Sequential Lateral Solidification )法)。具体
的には、パルスレーザを非晶質ケイ素膜に走査照射する
際の走査ピッチを小さくすることで、走査方向に沿って
方向性を持った結晶を成長させている。さらには、マス
クの形状の工夫や、ケイ素膜をアイランド化しレーザ照
射する際のアイランド形状の工夫などを行うことによ
り、比較的小面積ではあるが結晶粒界のない単結晶に近
い領域を作ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の方法(SLS法)では、作製された半導体膜
は優れた結晶性を有してはいるが、レーザ光の走査ピッ
チを小さくする必要がある。このため、結晶の成長方向
では結晶粒界が非常に少ないが、結晶の成長方向に直交
する方向では多くの結晶粒界が存在することとなる。従
って、このような半導体膜を用いた半導体装置におい
て、特性のばらつきが生じることとなる。
【0007】また、レーザ光の走査ピッチが小さいた
め、レーザ光を照射する工程の処理能力が低くなる。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、特性のばらつきが少な
く、簡便な結晶性半導体膜の製造方法および半導体装置
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の結晶性半導体膜
の製造方法は、上記の課題を解決するために、パルスレ
ーザ光を非晶質の半導体膜に対して斜め方向から照射し
ながら、該パルスレーザ光を一方向に走査させて非晶質
の半導体膜を順次結晶化することにより形成することを
特徴としている。
【0010】上記の構成によれば、パルスレーザ光を非
晶質の半導体膜に対して斜め方向から照射しながら、例
えば非晶質の半導体膜を移動させたり、あるいは、パル
スレーザ光の照射装置(レーザ照射装置)においてパル
スレーザ光の照射角度を変化させたりすることにより、
パルスレーザ光を、一方向に走査させて非晶質の半導体
膜を順次結晶化する。
【0011】ここで、非晶質の半導体膜に斜め方向から
パルスレーザ光を照射する場合、例えば、パルスレーザ
光の走査方向において前側のレーザ端と非晶質の半導体
膜との交点においてパルスレーザ光の焦点が合うように
すると、非晶質の半導体膜上のパルスレーザ光の他端で
は、焦点は合わないこととなる。
【0012】このように、非晶質の半導体膜に斜め方向
からパルスレーザ光を照射することで、非晶質の半導体
膜上のパルスレーザ光において焦点のずれを生じさせる
ことにより、パルスレーザ光の照射領域内において、温
度勾配をつけることができる。
【0013】従って、非晶質の半導体膜の溶融状態は左
右非対称となる。このため、隣接する非溶融領域、即
ち、前段のパルスで結晶化された領域の結晶性を反映し
て (引き継いで)結晶化できる領域の一部を、パルスレ
ーザ光を非晶質の半導体膜に対して垂直に照射する場合
と比較して、広くすることができる。
【0014】上記の結晶性半導体膜の製造方法は、パル
スレーザ光の走査ピッチは、非晶質の半導体膜において
パルスレーザ光の照射時に溶融する溶融領域が、隣接し
ている非溶融領域の結晶性を反映して再結晶化できる長
さ以下とすることが好ましい。
【0015】上記の構成によれば、前段のパルスで結晶
化された領域の結晶性を反映して結晶化することができ
る。即ち、前段のパルスで結晶化された領域の結晶性を
反映して結晶化することができない領域(ランダムな核
発生領域)の発生を防止することができる。
【0016】上記の結晶性半導体膜の製造方法は、パル
スレーザ光の走査方向は、パルスレーザ光が非晶質の半
導体膜に入射するときの該非晶質の半導体膜からの角度
が鋭角となる鋭角側から鈍角となる鈍角側へ向かう方向
であることが好ましい。
【0017】上記の構成によれば、隣接する非溶融領域
の結晶性を反映して結晶化できる範囲広い鋭角側から狭
い鈍角側へと走査をすることができる。従って、走査ピ
ッチを大きくすることができる。
【0018】上記の結晶性半導体膜の製造方法は、非晶
質の半導体膜と平行方向におけるパルスレーザ光の断面
の形状は略長方形であり、パルスレーザ光の走査方向
は、長方形の長辺に垂直であることが好ましい。
【0019】上記の構成によれば、長方形の長辺を長く
することにより、より広範囲にわたる領域に対して一度
にパルスレーザ光を照射することができ、結晶性半導体
膜の製造工程において、パルスレーザ光の照射時間を短
縮することができる。
【0020】上記の結晶性半導体膜の製造方法は、パル
スレーザ光の強度プロファイルは、少なくともパルスレ
ーザ光の走査方向に対して後ろ側の強度プロファイル
が、一定強度から0まで急激に低下する矩形波形状であ
ることが好ましい。
【0021】非晶質の半導体膜においては、走査方向に
対して常にビーム照射の後ろ側で前段のパルスで結晶化
された領域からの結晶成長が生じる。このため、走査方
向に対して、パルスレーザ光を走査ピッチ以上の長さに
照射する場合、走査方向に対して後ろ側の強度プロファ
イルが重要となる。
【0022】例えば、この領域の強度プロファイルが、
一般的なガウシアン形状のようになだらかに低下する場
合、前段のパルスで結晶化された領域から徐々にレーザ
エネルギーが上がっていく状態となるため、結晶化に求
められるレーザエネルギーが前段のパルスで得られた結
晶化された領域近傍では得られない。これにより、結晶
化に求められるよりも低いパワー領域が必ず存在するた
め、前段のパルスで結晶化された領域の結晶性を引き継
ぐことができず、その領域は結晶性の悪い領域となって
残ることとなる。
【0023】しかしながら、上記の構成によれば、結晶
化に求められるレーザエネルギーが前段のパルスで得ら
れた結晶化された領域近傍で得ることができる。これに
より、前段のパルスで結晶化された領域の結晶性を引き
継ぐことができる。
【0024】また、このような強度プロファイルは、例
えばパルスレーザ光の走査方向に対して、パルスレーザ
光の少なくとも後ろ側の一部を機械的にマスクした構成
のレーザ照射装置を用いることにより実現することがで
きる。このように、強度プロファイルは、レーザ照射装
置の光学系を大幅に変更することなく、また、難しい調
整も不要なまま簡便に実現することができる。このと
き、強度が連続的に0まで低下する範囲をマスクし、実
質的にその範囲の強度を0とすることで、上記の強度プ
ロファイルを簡便に得ることができる。
【0025】上記の結晶性半導体膜の製造方法は、パル
スレーザ光の強度が、非晶質の半導体膜のうちパルスレ
ーザ光が照射された領域全体が溶融する強度以上に設定
されていることが好ましい。
【0026】例えば、パルスレーザ光の強度が小さい場
合、非晶質の半導体膜は十分に溶融されないまま結晶化
する。即ち、前段のパルスで結晶化した隣接領域の結晶
性を十分に反映して結晶化することができない。
【0027】しかしながら、上記の構成によれば、前段
のパルスで結晶化した隣接領域の結晶性を十分に反映し
て結晶化することができる。
【0028】上記の結晶性半導体膜の製造方法は、パル
スレーザ光が、波長が400nm以下のエキシマレーザ
光であることが好ましい。
【0029】上記の構成によれば、非晶質の半導体膜に
対する吸収係数がきわめて高い。従って、例えば非晶質
の半導体膜を形成する基板に熱的ダメージを与えること
なく、非晶質の半導体膜のみを瞬時に加熱することがで
きる。
【0030】また、エキシマレーザ光は、発振出力が大
きく、このため、大面積基板の処理を行うのに適してい
る。中でも、例えば波長308nmのXeClエキシマ
レーザ光は出力が大きいため、基板照射時のビームサイ
ズを大きくすることができ、これにより、特に、大面積
基板の処理を行うのに適している。さらに、出力が比較
的安定しており、例えば半導体装置の大量生産に適して
いる。
【0031】上記の結晶性半導体膜の製造方法は、エキ
シマレーザ光の、非晶質の半導体膜表面に対するエネル
ギー密度が200mJ/cm2 以上、かつ、600mJ
/cm2 以下であることが好ましい。
【0032】上記の構成によれば、エキシマレーザ光が
照射された非晶質の半導体膜全体が溶融することができ
る。従って、前段のパルスのエキシマレーザ光による結
晶化領域の結晶性を十分に反映して非晶質の半導体膜が
結晶化することができる。
【0033】上記の結晶性半導体膜の製造方法は、半導
体膜が、ケイ素からなることが好ましい。
【0034】上記の構成によれば、非晶質のケイ素膜か
ら結晶性のケイ素膜を作製することができ、結晶性半導
体膜の製造工程において、パルスレーザ光を照射する工
程の処理能力の向上を図ることができる。
【0035】本発明の半導体装置は、上記の課題を解決
するために、上記記載の製造方法により得られ、活性領
域を構成する結晶性半導体膜を有することを特徴として
いる。
【0036】上記の構成によれば、大きな走査ピッチに
て、簡便に結晶性半導体膜を形成することができ、特性
のばらつきの少ない半導体装置を提供することができ
る。また、集積度の高い高性能な半導体装置を簡便な製
造工程によって得ることができる。
【0037】本発明の半導体装置は、上記の課題を解決
するために、非晶質の半導体膜にパルスレーザ光を照射
することによって形成される結晶性半導体膜を有する半
導体装置において、結晶性半導体膜は、パルスレーザ光
を該非晶質の半導体膜に対して斜め方向から照射しなが
ら、パルスレーザ光を一方向に走査させて非晶質の半導
体膜を順次結晶化することにより形成されることを特徴
としている。
【0038】上記の構成によれば、特性のばらつきの少
ない安定した半導体装置を提供することができる。ま
た、歩留まりの向上を図ることができ、これにより、1
つの半導体装置あたりの低コスト化を図ることができ
る。
【0039】また、例えば、この半導体装置を液晶表示
装置に用いる場合、アクティブマトリクス基板に要求さ
れる画素スイッチングのTFTにおけるスイッチング特
性の向上、および、周辺駆動回路部を構成するTFTに
要求される高性能化・高集積化を同時に満足することが
できる。これにより、同一基板上にアクティブマトリク
ス部と周辺駆動回路部とを有するドライバモノリシック
型アクティブマトリクス基板を実現することができ、モ
ジュールのコンパクト化、高性能化、および低コスト化
を図ることができる。
【0040】上記の半導体装置は、パルスレーザ光の走
査方向が、パルスレーザ光が非晶質の半導体膜に入射す
るときの非晶質の半導体膜からの角度が鋭角となる鋭角
側から鈍角となる鈍角側へ向かう方向であることが好ま
しい。
【0041】上記の構成によれば、隣接する非溶融領域
の結晶性を反映して結晶化できる範囲広い鋭角側から狭
い鈍角側へと走査をすることができる。従って、半導体
装置の製造工程において、非晶質の半導体膜へのパルス
レーザ光の走査ピッチを大きくすることができる。この
結果、結晶の成長方向に直交する方向における結晶粒界
を少なくすることができる。
【0042】上記の半導体装置は、半導体膜が、ケイ素
からなることが好ましい。
【0043】上記の構成によれば、非晶質のケイ素膜か
ら結晶性のケイ素膜を作製することができる。これによ
り、半導体膜において結晶粒界が少なく、信頼性の高い
半導体装置を提供することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。本実施の形態に係る半導体装置は、N型TFTを用
いたアクティブマトリクス型の液晶表示装置などに適用
される。ここで、上記TFTは、液晶表示装置のドライ
バ回路や画素部分、薄膜集積回路を構成する素子として
利用することができる。
【0045】図3(e)は、本実施の形態に係る半導体
装置の要部の構成を示す断面図である。図3(e)に示
すように、基板1上に、下地膜2、活性領域部3、ゲー
ト絶縁膜4、層間絶縁膜5、ゲート電極7およびソース
・ドレイン電極配線6が配されている。スイッチング素
子としての薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Tran
sistor、以下TFTと称する)1が形成されている。
【0046】活性領域部3、ゲート絶縁膜4、層間絶縁
膜5、ゲート電極7およびソース・ドレイン電極配線6
などで以って、スイッチング素子であるTFT(Thin F
ilmTransistor)10が構成されている。ソース・ドレ
イン電極配線6は、コンタクトホール9を介して活性領
域部3と接続されている。
【0047】基板1は、ガラスなどからなり、絶縁性を
有する支持基板である。基板1上には下地膜2が配され
ている。下地膜2は、酸化ケイ素からなり、基板1から
の不純物の拡散を防ぐ。
【0048】活性領域部3は結晶性ケイ素からなり、ソ
ース・ドレイン領域3aとチャネル領域3bとからな
る。ゲート絶縁膜4は酸化ケイ素からなる。
【0049】層間絶縁膜5は、酸化ケイ素あるいは窒化
ケイ素などからなる。層間絶縁膜5が酸化ケイ素からな
る場合、段差被覆性に優れた層間絶縁膜5を得ることが
できる。また、層間絶縁膜5が窒化ケイ素からなる場
合、活性領域部3/ゲート絶縁膜4の界面へ水素原子を
供給し、TFT特性を劣化させる不対結合手を低減する
ことができる。
【0050】ソース・ドレイン電極配線6は、金属材
料、例えば窒化チタンとアルミニウムとの二層膜からな
る。窒化チタン膜は、その上に形成されているアルミニ
ウムが活性領域部3に拡散することを防止することがで
きる。また、ゲート電極7はアルミニウムからなる。
【0051】ここで、本実施の形態に係る半導体装置の
製造工程の一例を、図3(a)〜(e)を用いて説明す
る。
【0052】まず、基板1上に、例えばスパッタリング
法を用いて、下地膜2を厚さ300〜500nm程度成
膜する。そして、プラズマCVD(Chemical Vapor Dep
osition )法により、下地膜2上に、厚さ20〜60n
m、例えば40nmの真性(I型)の非晶質ケイ素(a
−Si)膜23を成膜する(図3(a))。
【0053】次に、非晶質ケイ素膜23にパルスレーザ
光20を斜め方向から照射する(図3(b))。このと
き、パルスレーザ光20として、例えばXeClエキシ
マレーザ(波長308nm、パルス幅40nsec)を
用いる。パルスレーザ光20の照射条件としては、照射
時における基板1の加熱温度を200〜450℃、例え
ば400℃とし、エネルギー密度を200〜450mJ
/cm2 、例えば350mJ/cm2 とする。このパル
スレーザ光20の照射については後述する。
【0054】次いで、上記パルスレーザ光20が照射さ
れた非晶質ケイ素膜23のうち、不要な部分を除去して
結晶性ケイ素膜13とし、素子間分離を行う(図3
(c))。
【0055】そして、結晶性ケイ素膜13を覆うよう
に、後にゲート絶縁膜4となる厚さ20〜150nm、
例えば100nmのゲート絶縁膜4を成膜する。ゲート
絶縁膜4は、TEOS(Tetra Ethoxy Ortho Silicate
)を酸素と共に基板温度150〜600℃、好ましく
は300〜450℃でRFプラズマCVD法により、分
解・堆積することにより成膜する。あるいは、TEOS
をオゾンガスと共に減圧CVD法もしくは常圧CVD法
により、基板温度350〜600℃、好ましくは400
〜550℃で成膜する。
【0056】その後、ゲート絶縁膜4自身のバルク特性
および活性領域部3/ゲート絶縁膜4の界面特性を向上
するために、不活性ガス下で、400〜600℃で1〜
4時間のアニールを行う。
【0057】続いて、スパッタリング法により、アルミ
ニウム膜を厚さ400〜800nm、例えば600nm
で成膜する。そして、このアルミニウム膜をパターニン
グしてゲート電極7を形成する。
【0058】次に、イオンドーピング法により、ゲート
電極7をマスクとして活性領域部3に不純物(リン)を
注入する。ドーピングガスとしては、フォスフィン(P
3)を用い、加速電圧を60〜90kV、例えば80
kVとし、ドーズ量を1×1015〜8×1015cm-2
例えば2×1015cm-2とする。
【0059】この工程により、不純物が注入された領域
は、後にTFT10のソース・ドレイン領域3aとな
り、ゲート電極7にマスクされ、不純物が注入されない
領域は後にTFT10のチャネル領域3bとなる。
【0060】その後、レーザ光の照射によってアニール
を行い、イオン注入をした不純物の活性化を行うと同時
に、上記不純物導入工程で結晶性が劣化した部分の結晶
性を改善させる(図3(d))。このとき使用するレー
ザ光としては、XeClエキシマレーザ(波長308n
m、パルス幅40nsec)を用い、エネルギー密度1
50〜400mJ/cm2 、好ましくは、200〜25
0mJ/cm2 で照射する。こうして形成されたN型不
純物(リン)領域のシート抵抗は、200〜800Ω/
□であった。
【0061】続いて、層間絶縁膜5を形成する。酸化ケ
イ素からなる層間絶縁膜5を形成するには、TEOSを
酸素と共にRFプラズマCVD法を用いて分解・堆積す
ることにより成膜、あるいは、TEOSをオゾンガスと
共に減圧CVD法もしくは常圧CVD法により成膜す
る。また、窒化ケイ素からなる層間絶縁膜5を形成する
には、SiH4 とNH3 とを原料ガスとし、窒化ケイ素
をプラズマCVD法を用いて成膜する。
【0062】次いで、ゲート絶縁膜4および層間絶縁膜
5にコンタクトホール9となる開口部を形成して、窒化
チタンとアルミニウムとの二層膜によってソース・ドレ
イン電極配線6を形成する。
【0063】そして、TFT10を液晶表示装置などの
画素スイッチング用のTFTとして用いる場合、一方の
ドレイン電極にはITOなど透明導電膜からなる画素電
極を設ければよい。また、TFT10を薄膜集積回路な
どに用いる場合、ゲート電極7上にもコンタクトホール
を形成し、必要とする配線を施せばよい。
【0064】最後に、1気圧の水素雰囲気で350℃、
1時間のアニールを行い、TFT10とする (図3
(e))。また、さらに必要に応じてTFT10上に窒
化ケイ素膜からなる保護膜を設けてもかまわない。
【0065】なお、図3(b)に示すパルスレーザ光2
0としては、特に限定されるものではなく、例えば波長
248nmのKrFエキシマレーザや、波長198nm
のArFエキシマレーザを用いてもかまわない。また、
波長は可視領域となるが、YAGレーザを用いてもかま
わない。
【0066】以下、上述したパルスレーザ光20(以
下、レーザ光と称する)の照射について説明する。
【0067】まず、レーザ光を照射するレーザ照射装置
について、図4に基づいて説明する。
【0068】図4に示すように、レーザ照射装置は、レ
ーザ発振器41、ミラー42…、ホモジナイザー43、
および遮蔽板44を備えている。
【0069】レーザ発振器41から出射されたレーザ光
はミラー42…で反射されて、ホモジナイザー43へと
導かれる。このホモジナイザー43において、レーザ光
は、その断面形状が長方形とされる。その後そのレーザ
光は、遮蔽板44において形状が変形された後、基板1
上の非晶質ケイ素膜(図3では非晶質ケイ素膜23)に
斜め方向から照射される。これにより、非晶質ケイ素膜
は結晶性ケイ素膜(図3では活性領域部3)となる。こ
こで、遮蔽板44と基板1との間隔は数mm程度とす
る。
【0070】そして、基板1を矢印B方向に移動させる
ことにより、レーザ光の走査(走査方向としては、矢印
B方向とは逆方向ということになる)が行われる。この
ときのパルス間の基板1の移動距離が走査ピッチとな
り、ここでは基板1の移動速度によって、走査ピッチは
制御される。
【0071】なお、レーザ光の走査は基板1を移動させ
るのではなく、レーザ照射装置側、例えば基板1へのレ
ーザ照射角度を変えることでレーザの走査を行ってもか
まわない。
【0072】ホモジナイザー43は、基板1表面に照射
されるレーザ光の形状が、略300mm×0. 2mmの
長尺形状となるように成型されている。また、遮蔽板4
4においてレーザ光の断面形状における短辺方向の裾部
分がカットされるため、基板1表面におけるレーザ光の
形状が、300mm×0. 05mmの略長方形となる。
【0073】この遮蔽板44によるレーザ光の強度プロ
ファイルの変化を図5に示す。ホモジナイザー43によ
って長尺形状とされたレーザ光は、図5(a)に示すよ
うなガウシアン形状となっている。ここで遮蔽板44を
通すことにより、このような形状のレーザ光のうち、ト
ップ付近のエネルギーの高い領域のみを選択することが
でき、レーザ光は、図5(b)に示すようなエネルギー
の低い領域、即ち裾部分をカットしたトップハット形状
(長方形、矩形波形状)のプロファイルとなる。
【0074】このように、非晶質ケイ素膜23と平行方
向におけるレーザ光の断面の形状は略長方形であり、レ
ーザ光の走査方向は、長方形の長辺に垂直であることが
好ましい。
【0075】従って、長方形の長辺を長くすることによ
り、より広範囲にわたる領域に対して一度にレーザ光を
照射することができ、結晶性ケイ素膜である活性領域部
3(図3(e)参照)の製造工程において、レーザ光の
照射時間を短縮することができる。
【0076】また、レーザ光の強度プロファイルは、図
5(b)に示すように、少なくともレーザ光の走査方向
に対して後ろ側の強度プロファイルが、一定強度から0
まで急激に低下する矩形波形状であることが好ましい。
【0077】非晶質ケイ素膜23においては、走査方向
に対して常に後ろ側で前段のパルスで結晶化された領域
からの結晶成長が生じる。このため、走査方向に対し
て、レーザ光を走査ピッチ以上の長さに照射する場合、
走査方向に対して後ろ側の強度プロファイルが重要とな
る。
【0078】例えば、この領域の強度プロファイルが、
図5(a)に示すような一般的なガウシアン形状のよう
になだらかに低下する場合、前段のパルスで結晶化され
た領域から徐々にレーザエネルギーが上がっていく状態
となるため、結晶化に求められるレーザエネルギーが前
段のパルスで得られた結晶化された領域近傍では得られ
ない。これにより、結晶化に求められるよりも低いパワ
ー領域が必ず存在するため、前段のパルスで結晶化され
た領域の結晶性を引き継ぐことができず、その領域は結
晶性の悪い領域となって残ることとなる。
【0079】しかしながら、図5(b)に示すような強
度プロファイルとすることにより、結晶化に求められる
レーザエネルギーが前段のパルスで得られた結晶化され
た領域近傍で得ることができる。これにより、前段のパ
ルスで結晶化された領域の結晶性を反映する(引き継
ぐ)ことができる。
【0080】また、このような強度プロファイルは、例
えばレーザ光の走査方向に対して、レーザ光の少なくと
も後ろ側の一部を機械的にマスクした構成のレーザ照射
装置を用いることにより実現することができる。このよ
うに、強度プロファイルは、レーザ照射装置の光学系を
大幅に変更することなく、また、難しい調整も不要なま
ま簡便に実現することができる。このとき、強度が連続
的に0まで低下する範囲をマスクし、実質的にその範囲
の強度を0とすることで、上記の強度プロファイルを簡
便に得ることができる。
【0081】また、上記のレーザ光は、波長が400n
m以下のエキシマレーザ光であることが好ましい。
【0082】これにより、非晶質ケイ素膜23に対する
吸収係数がきわめて高くなり、基板1に熱的ダメージを
与えることなく、非晶質ケイ素膜23のみを瞬時に加熱
することができる。
【0083】また、エキシマレーザ光は、発振出力が大
きく、このため、大面積基板の処理を行うのに適してい
る。中でも、例えば波長308nmのXeClエキシマ
レーザ光は出力が大きいため、基板1照射時のビームサ
イズを大きくすることができ、これにより、特に、大面
積基板の処理を行うのに適している。さらに、出力が比
較的安定しており、例えば半導体装置の大量生産に適し
ている。
【0084】さらに、上記エキシマレーザ光の、非晶質
半導体膜23表面に対するエネルギー密度は200mJ
/cm2 以上、かつ、600mJ/cm2 以下であるこ
とが好ましい。
【0085】これにより、エキシマレーザ光が照射され
た非晶質半導体膜23全体が溶融することができる。従
って、前段のパルスのエキシマレーザ光による結晶化領
域の結晶性を十分に反映して、結晶化することができ
る。
【0086】次に、非晶質ケイ素膜レーザ光を照射した
ときの結晶化について、図1・図2に基づいて説明す
る。
【0087】図1(a)に示すように、基板1上の非晶
質ケイ素膜23にレーザ光20を斜め方向から照射す
る。このとき、非晶質ケイ素膜23において、レーザ光
20が照射された領域を23a、レーザ光20が照射さ
れていない領域を23bとする(図3(b)参照)。ま
た、レーザ光20の走査方向、即ち、非晶質ケイ素膜2
3の結晶化の進行方向は矢印A方向である。
【0088】ここで、レーザ光20は平行光ではない。
即ち、上記ホモジナイザー43(図4参照)を通過した
段階で、そこから所定の距離を隔てた位置で集光される
ような光となっている。
【0089】この場合、基板1上の非晶質ケイ素膜23
に斜め方向からレーザ光20を照射する場合、例えば、
レーザ光20の走査方向において前側のレーザ端(レー
ザ光20の端部)と非晶質ケイ素膜23との交点におい
てレーザ光20の焦点が合うようにすると、非晶質ケイ
素膜23上のレーザ光20の他端では、焦点は合わな
い。
【0090】このように、基板1上の非晶質ケイ素膜2
3に斜め方向からレーザ光20を照射することで、非晶
質ケイ素膜23上のレーザ光20において焦点のずれを
生じさせることにより、レーザ光20の照射領域内にお
いて、温度勾配をつけることができる。
【0091】従って、レーザ光20が照射された非晶質
ケイ素膜23の溶融状態は温度勾配と共に異なり、左右
非対称となる。
【0092】このように、レーザ光20を非晶質ケイ素
膜23に対して斜め方向から照射することにより、レー
ザ光20を非晶質ケイ素膜23に対して垂直方向から照
射するよりも、非晶質ケイ素膜23の結晶化領域を広く
することができる。
【0093】また、レーザ光20を非晶質ケイ素膜23
に対して斜め方向から照射することにより、レーザ光2
0が照射された非晶質ケイ素膜23の溶融状態は左右非
対称、即ち、走査方向の前後の領域で同じではない。こ
のため、溶融している非晶質ケイ素膜23において、隣
接している非溶融領域の結晶性を反映して結晶化できる
範囲は、レーザ光20の非晶質ケイ素膜23表面からの
角度が鋭角をなす鋭角側(走査方向の後ろ側)とレーザ
光20の非晶質ケイ素膜23からの角度が鈍角をなす鈍
角側(走査方向の前側)とで広さが異なる。
【0094】即ち、鋭角側では矢印C方向に結晶化が進
み、鈍角側では矢印D方向に結晶化が進むが、鋭角側の
結晶化領域の範囲の方が、鈍角側の結晶化領域の範囲よ
りも広くなる。
【0095】従って、走査方向を鋭角側から鈍角側への
方向(矢印A方向)とすることにより、略鋭角側の結晶
化が進む幅を走査ピッチとすることができる。ここで、
図1(b)に示す走査ピッチWは1. 5μmとする。こ
れにより、走査ピッチを長くとることができ、レーザ光
20を照射する工程の処理能力の向上を図ることができ
る。
【0096】また、例えばレーザ光20の幅(走査方向
の長さ)を50μmとする。このとき、非晶質ケイ素膜
23の任意の一点において、33回のレーザ光20が照
射されることとなる。図1(b)に示すように、レーザ
光20を1回照射するたびに走査ピッチWずつずらして
レーザ光20を照射する。そしてこのとき、矢印C方向
に結晶化が進んだ領域は、前段のパルスのレーザ光20
によって結晶化された非溶融領域の結晶性を反映して結
晶化されている。
【0097】何回目か(2回目以降)のレーザ光の照射
が終わった後の非晶質ケイ素膜23の結晶の様子を図2
(b)に示す。その最後のレーザ光が照射された領域は
照射領域30であり、図1(b)に示す矢印D方向に結
晶化された領域は領域35bである。その最後のレーザ
光も含めてすべてのレーザ光の照射において、前段のパ
ルスのレーザ光の照射により結晶化された、隣接する非
溶融領域の結晶性を反映して結晶化された領域は領域3
5aである。
【0098】図2(b)に示すように、領域35aは、
前段のパルスのレーザ光の照射により結晶化された、隣
接する非溶融領域の結晶性を反映して結晶化されている
ため、ライン状の結晶粒が成長する。この結晶粒界は、
セコエッチングを行うことで顕在化されるが、このまま
の状態で目視では観察できない。
【0099】また、少なくともこのような領域35aを
用いて、図2(a)に示す活性領域部3を形成する、即
ち、領域35aを後にTFT10の活性領域部3(ソー
ス・ドレイン領域3a、チャネル領域3b)となる島状
の結晶性ケイ素膜13を形成することにより、半導体装
置の特性の安定化を図ることができる。このとき、レー
ザ光の走査方向とチャネル領域3bのキャリア伝導方向
とが平行となるように配置する。
【0100】なお、上記活性領域部3(結晶性ケイ素膜
13)は、液晶表示装置だけでなく、例えば、密着型イ
メージセンサ、ドライバ内蔵型のサーマルヘッド、有機
系ELなどを発光素子としたドライバ内蔵型の光書き込
み素子や表示素子、3次元ICなどにも用いることがで
きる。これにより、これらの素子の高速・高解像度化な
どの高性能化を図ることができる。さらに、MOS型ト
ランジスタにも限定されることなく、結晶性半導体を素
子材としたバイポーラトランジスタや静電誘導トランジ
スタをはじめとして多くの半導体プロセス全般に適用す
ることができる。
【0101】以上のように、半導体装置は、非晶質ケイ
素膜23にレーザ光を照射することによって形成される
結晶性ケイ素膜からなる活性領域部3を有する半導体装
置において、結晶性ケイ素膜は、レーザ光を非晶質ケイ
素膜23に対して斜め方向から照射しながら、レーザ光
を一方向に走査させて非晶質ケイ素膜23を順次結晶化
することにより形成される。
【0102】これにより、特性のばらつきの少ない安定
した半導体装置を提供することができる。また、歩留ま
りの向上を図ることができ、これにより、1つの半導体
装置あたりの低コスト化を図ることができる。
【0103】また、例えば、この半導体装置を液晶表示
装置に用いる場合、アクティブマトリクス基板に要求さ
れる画素スイッチングのTFTにおけるスイッチング特
性の向上、および、周辺駆動回路部を構成するTFTに
要求される高性能化・高集積化を同時に満足することが
できる。これにより、同一基板上にアクティブマトリク
ス部と周辺駆動回路部とを有するドライバモノリシック
型アクティブマトリクス基板を実現することができ、モ
ジュールのコンパクト化、高性能化、および低コスト化
を図ることができる。
【0104】
【発明の効果】以上のように、本発明の結晶性半導体膜
の製造方法は、パルスレーザ光を非晶質の半導体膜に対
して斜め方向から照射しながら、パルスレーザ光を一方
向に走査させて非晶質の半導体膜を順次結晶化すること
により形成する構成である。
【0105】これにより、非晶質の半導体膜上のパルス
レーザ光において焦点のずれを生じさせることとなり、
非晶質の半導体膜上のパルスレーザ光の照射領域内にお
いて、温度勾配をつけることができる。
【0106】従って、非晶質の半導体膜の溶融状態は左
右非対称となる。このため、隣接する非溶融領域、即
ち、前段のパルスで結晶化された領域の結晶性を反映し
て結晶化できる領域の一部を、パルスレーザ光を非晶質
の半導体膜に対して垂直に照射する場合と比較して、広
くすることができるといった効果を奏する。
【0107】本発明の結晶性半導体膜の製造方法は、パ
ルスレーザ光の走査ピッチは、非晶質の半導体膜におい
てパルスレーザ光の照射時に溶融する溶融領域が隣接し
ている非溶融領域の結晶性を反映して再結晶化できる長
さ以下とする構成である。
【0108】これにより、前段のパルスで結晶化された
領域の結晶性を反映して結晶化することができる。即
ち、前段のパルスで結晶化された領域の結晶性を反映し
て結晶化することができない領域(ランダムな核発生領
域)の発生を防止することができるといった効果を奏す
る。
【0109】本発明の結晶性半導体膜の製造方法は、パ
ルスレーザ光の走査方向が、パルスレーザ光が非晶質の
半導体膜に入射するときの該非晶質の半導体膜からの角
度が鋭角となる鋭角側から鈍角となる鈍角側へ向かう方
向である構成である。
【0110】これにより、隣接する非溶融領域の結晶性
を反映して結晶化できる範囲広い鋭角側から狭い鈍角側
へと走査をすることができる。従って、走査ピッチを大
きくすることができるといった効果を奏する。
【0111】本発明の結晶性半導体膜の製造方法は、非
晶質の半導体膜と平行方向におけるパルスレーザ光の断
面の形状は略長方形であり、パルスレーザ光の走査方向
は、長方形の長辺に垂直である構成である。
【0112】これにより、より広範囲にわたる領域に対
して一度にパルスレーザ光を照射することができ、結晶
性半導体膜の製造工程において、パルスレーザ光の照射
時間を短縮することができるといった効果を奏する。
【0113】本発明の結晶性半導体膜の製造方法は、パ
ルスレーザ光の強度プロファイルは、少なくともパルス
レーザ光の走査方向に対して後ろ側の強度プロファイル
が、一定強度から0まで急激に低下する矩形波形状であ
る構成である。
【0114】これにより、結晶化に求められるレーザエ
ネルギーが前段のパルスで得られた結晶化された領域近
傍で得ることができる。これにより、前段のパルスで結
晶化された領域の結晶性を反映することができるといっ
た効果を奏する。
【0115】本発明の結晶性半導体膜の製造方法は、パ
ルスレーザ光の強度が、非晶質の半導体膜のうちパルス
レーザ光が照射された領域全体が溶融する強度以上に設
定されている構成である。
【0116】これにより、前段のパルスで結晶化した隣
接領域の結晶性を十分に反映して結晶化することができ
るといった効果を奏する。
【0117】本発明の結晶性半導体膜の製造方法は、パ
ルスレーザ光が、波長が400nm以下のエキシマレー
ザ光である構成である。
【0118】これにより、例えば非晶質の半導体膜を形
成する基板に熱的ダメージを与えることなく、非晶質の
半導体膜のみを瞬時に加熱することができるといった効
果を奏する。
【0119】また、エキシマレーザ光は、発振出力が大
きく、このため、大面積基板の処理を行うのに適してい
る。中でも、例えば波長308nmのXeClエキシマ
レーザ光は出力が大きいため、基板照射時のビームサイ
ズを大きくすることができ、これにより、特に、大面積
基板の処理を行うのに適している。さらに、出力が比較
的安定しており、例えば半導体装置の大量生産に適して
いる。
【0120】本発明の結晶性半導体膜の製造方法は、エ
キシマレーザ光の、非晶質の半導体膜表面に対するエネ
ルギー密度が200mJ/cm2 以上、かつ、600m
J/cm2 以下である構成である。
【0121】これにより、エキシマレーザ光が照射され
た非晶質の半導体膜全体が溶融することができる。従っ
て、前段のパルスのエキシマレーザ光による結晶化領域
の結晶性を十分に反映して非晶質の半導体膜が結晶化す
ることができるといった効果を奏する。
【0122】本発明の結晶性半導体膜の製造方法は、半
導体膜が、ケイ素からなる構成である。
【0123】これにより、非晶質のケイ素膜から結晶性
のケイ素膜を作製することができ、結晶性半導体膜の製
造工程において、パルスレーザ光を照射する工程の処理
能力の向上を図ることができるといった効果を奏する。
【0124】本発明の半導体装置は、上記記載の製造方
法により得られ、活性領域を構成する結晶性半導体膜を
有する構成である。
【0125】これにより、大きな走査ピッチにて、簡便
に結晶性半導体膜を形成することができ、特性のばらつ
きの少ない半導体装置を提供することができる。また、
集積度の高い高性能な半導体装置を簡便な製造工程によ
って得ることができるといった効果を奏する。
【0126】本発明の半導体装置は、結晶性半導体膜
は、パルスレーザ光を該非晶質の半導体膜に対して斜め
方向から照射しながら、パルスレーザ光を一方向に走査
させて非晶質の半導体膜を順次結晶化することにより形
成される構成である。
【0127】これにより、特性のばらつきの少ない安定
した半導体装置を提供することができる。また、歩留ま
りの向上を図ることができ、これにより、1つの半導体
装置あたりの低コスト化を図ることができるといった効
果を奏する。
【0128】本発明の半導体装置は、パルスレーザ光の
走査方向が、パルスレーザ光が非晶質の半導体膜に入射
するときの非晶質の半導体膜からの角度が鋭角となる鋭
角側から鈍角となる鈍角側へ向かう方向である構成であ
る。
【0129】これにより、隣接する非溶融領域の結晶性
を反映して結晶化できる範囲広い鋭角側から狭い鈍角側
へと走査をすることができる。従って、半導体装置の製
造工程において、非晶質の半導体膜へのパルスレーザ光
の走査ピッチを大きくすることができる。この結果、結
晶の成長方向に直交する方向における結晶粒界を少なく
することができるといった効果を奏する。
【0130】本発明の半導体装置は、半導体膜が、ケイ
素からなる構成である。
【0131】これにより、半導体膜において結晶粒界が
少なく、信頼性の高い半導体装置を提供することができ
るといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の一形態に係る半導体
装置に用いられる結晶性ケイ素膜の製造工程の一部を示
す説明図であり、(b)は、(a)に示す工程における
ケイ素膜の結晶化を示す説明図である。
【図2】(a)は、活性領域部の構成を示す説明図であ
り、(b)は、結晶性ケイ素膜における結晶粒界を示す
説明図である。
【図3】(a)〜(e)は、上記半導体装置の製造工程
の一例を示す工程フロー図である。
【図4】レーザ照射装置の概略の構成を示す説明図であ
る。
【図5】(a)は、遮蔽板を用いない場合のレーザ光の
強度プロファイルを示す説明図であり、(b)は、遮蔽
板を用いた場合のレーザ光の強度プロファイルを示す説
明図である。
【符号の説明】 1 基板 3 活性領域部 (活性領域) 3a ソース・ドレイン領域 3b チャネル領域 6 ソース・ドレイン電極配線 7 ゲート電極 10 TFT 13 結晶性ケイ素膜(結晶性半導体膜) 20 パルスレーザ光 (レーザ光) 23 非晶質ケイ素膜(非晶質の半導体膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 和男 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 中尾 政之 千葉県松戸市新松戸4−272−D805 (72)発明者 畑村 洋太郎 東京都文京区小日向2丁目12番11号 Fターム(参考) 2H092 GA29 JA24 JA34 JA37 JA41 JA46 KA05 KB25 MA05 MA08 MA30 NA25 5F052 AA02 BA01 BA02 BA12 BA18 BB07 CA04 DA02 DB03 FA01 JA01 5F110 AA30 BB02 BB10 CC02 DD02 DD13 EE03 EE44 FF02 FF30 FF32 FF36 GG02 GG13 GG25 GG35 GG45 HJ01 HJ04 HJ12 HJ23 HL01 HL03 HL11 NN02 NN03 NN23 NN24 NN35 NN72 PP03 PP05 PP06 PP23 PP24 QQ11 QQ23 QQ24

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルスレーザ光を非晶質の半導体膜に対し
    て斜め方向から照射しながら、該パルスレーザ光を一方
    向に走査させて非晶質の半導体膜を順次結晶化すること
    により形成することを特徴とする結晶性半導体膜の製造
    方法。
  2. 【請求項2】上記パルスレーザ光の走査ピッチは、非晶
    質の半導体膜においてパルスレーザ光の照射時に溶融す
    る溶融領域が、隣接している非溶融領域の結晶性を反映
    して再結晶化できる長さ以下とすることを特徴とする請
    求項1に記載の結晶性半導体膜の製造方法。
  3. 【請求項3】上記パルスレーザ光の走査方向は、パルス
    レーザ光が非晶質の半導体膜に入射するときの該非晶質
    の半導体膜からの角度が鋭角となる鋭角側から鈍角とな
    る鈍角側へ向かう方向であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の結晶性半導体膜の製造方法。
  4. 【請求項4】非晶質の半導体膜と平行方向における上記
    パルスレーザ光の断面の形状は略長方形であり、上記パ
    ルスレーザ光の走査方向は、上記長方形の長辺に垂直で
    あることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載の結晶性半導体膜の製造方法。
  5. 【請求項5】上記パルスレーザ光の強度プロファイル
    は、少なくとも上記パルスレーザ光の走査方向に対して
    後ろ側の強度プロファイルが、一定強度から0まで急激
    に低下する矩形波形状であることを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれか1項に記載の結晶性半導体膜の製造
    方法。
  6. 【請求項6】上記パルスレーザ光の強度は、非晶質の半
    導体膜のうちパルスレーザ光が照射された領域全体が溶
    融する強度以上に設定されていることを特徴とする請求
    項1ないし5のいずれか1項に記載の結晶性半導体膜の
    製造方法。
  7. 【請求項7】上記パルスレーザ光は、波長が400nm
    以下のエキシマレーザ光であることを特徴とする請求項
    6に記載の結晶性半導体膜の製造方法。
  8. 【請求項8】上記エキシマレーザ光は、上記非晶質の半
    導体膜表面に対するエネルギー密度が200mJ/cm
    2 以上、かつ、600mJ/cm2 以下であることを特
    徴とする請求項7に記載の結晶性半導体膜の製造方法。
  9. 【請求項9】上記半導体膜は、ケイ素からなることを特
    徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の結晶
    性半導体膜の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9のいずれか1項に記載
    の製造方法により得られ、活性領域を構成する結晶性半
    導体膜を有することを特徴とする半導体装置。
  11. 【請求項11】非晶質の半導体膜にパルスレーザ光を照
    射することによって形成される結晶性半導体膜を有する
    半導体装置において、 上記結晶性半導体膜は、パルスレーザ光を該非晶質の半
    導体膜に対して斜め方向から照射しながら、該パルスレ
    ーザ光を一方向に走査させて非晶質の半導体膜を順次結
    晶化することにより形成されることを特徴とする半導体
    装置。
  12. 【請求項12】上記パルスレーザ光の走査方向は、パル
    スレーザ光が非晶質の半導体膜に入射するときの該非晶
    質の半導体膜からの角度が鋭角となる鋭角側から鈍角と
    なる鈍角側へ向かう方向であることを特徴とする請求項
    11に記載の半導体装置。
  13. 【請求項13】上記半導体膜は、ケイ素からなることを
    特徴とする請求項11または12に記載の半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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