JP2011216665A - 結晶性半導体膜の形成方法、および、半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

結晶性半導体膜の形成方法、および、半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶粒界の方向とチャネル領域の方向とが直交しているトランジスタの性能を向上させるとともに、各トランジスタの特性のバラツキを少なくする。
【解決手段】本発明の結晶性半導体膜の形成方法は、基板11上にアモルファスシリコン膜(非晶質半導体膜)12を形成する工程と、第1のレーザ光20aおよび基板11のうちの少なくとも一方を移動させながら、アモルファスシリコン膜12に対して第1のレーザ光20aを照射し、その移動方向に沿って半導体膜の結晶を成長させてアモルファスシリコン膜12から多結晶シリコン膜(結晶性半導体膜)13を得る工程と、多結晶シリコン膜13に対して、第1のレーザ光20aよりもエネルギー量の小さい第2のレーザ光30aを照射して、半導体膜の厚さ方向に対して結晶を成長させて、再結晶化後の多結晶シリコン膜(結晶性半導体膜)14を得る工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置に含まれる半導体膜の形成方法、および、この形成方法を用いて半導体装置を製造する方法に関する。
近年、フラットパネルディスプレイとして、液晶表示パネル等の需要が急速に伸びている。液晶表示パネルは、CRT(Cathode Ray Tube)に比べて消費電力が少なく、小型化がしやすいため、テレビを始め、携帯電話、携帯型ゲーム機、車載用ナビゲーション装置などに幅広く利用されている。
また、液晶表示パネルに比べてより消費電力が少ない有機EL(Electro Luminescence)表示パネルの開発も進められており、一部の製品では既に実用化されている。
これらの液晶表示パネルや有機EL表示パネルの中でも、応答速度が速く、多階調表示が容易なアクティブマトリクス型の表示パネルが広く使用されている。
アクティブマトリクス型の表示パネルには、通常複数の画素がマトリクス状に配列されており、各画素にはスイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下「TFT」と略する)が設けられている。
TFTには、一般に薄膜状の半導体が用いられる。薄膜状の半導体には大別して非晶質なもの(例えば、アモルファスシリコン)と結晶性のもの(例えば、多結晶シリコン)とがある。非晶質半導体膜は低い温度で、しかも気相法で比較的容易に作製できることから量産性に優れ、これまで広く用いられてきたが、高性能の半導体素子に用いるには結晶性のものに比べ導電性の点などで不十分であった。そこで高性能の半導体素子には、結晶性の半導体膜を用いることが望ましい。
これは結晶という原子配列のそろった部分におけるキャリアの移動度が、非晶質部分におけるそれより数百倍大きくなるためである。しかし多結晶の場合は、結晶粒界においてキャリアの散乱が生じるため、より結晶粒を大きくしチャネル領域において単結晶となることが望まれる。
結晶性半導体膜を得る方法としては、成膜した非晶質半導体膜にレーザ光を照射し、レーザ光のエネルギーにより結晶化する方法が一般的に用いられていた。この方法は、非晶質半導体膜の溶融・固化による結晶化現象を用いたものであり、比較的高品質な結晶性半導体膜が得られるが、アクティブマトリクス型の表示パネルのスイッチング素子などのようにより高性能な半導体素子に用いるには未だ満足できるものではなかった。
そこで、半導体膜の結晶化の方法として、非晶質半導体膜を一方向に移動させながら非晶質半導体膜にレーザ光をパルス照射し、既に結晶化した領域の結晶性を反映させなら移動方向に結晶を成長させる方法(連続横方向結晶成長方法;SLS法)が提案されている。つまり、SLS法によれば、結晶粒界がレーザビームの走査方向に伸びて、帯状の結晶粒を形成することができる。
図8および図9には、SLS法によりアモルファスシリコン層(a−Si)が結晶化される様子を示している。図8の(a)から(d)に示すように、ベースコート膜106で覆われた絶縁性基板101上に形成されたアモルファスシリコン層102に対して、レーザ照射手段120を矢印A方向に走査すると、レーザ光が照射された領域の半導体層は矢印A方向に沿って結晶が成長し、多結晶シリコン層(p−Si)になる。これにより、図9に示すような、矢印A方向に沿った結晶粒界を有する多結晶シリコン層が得られる。
特許文献1には、このSLS法を用いて、矩形マスクやレーザに対して非晶質半導体膜を一定の距離だけ移動させ(シフトさせ)て、レーザ照射するという作業を繰り返すことによって、TFTのチャネル領域に規則的な結晶構造を形成する方法が提案されている。
特許第3204986号公報(平成13年(2001年)9月4日発行)
しかしながら、レーザビームの走査方向に対してチャネル領域の方向が垂直なTFTは、その方向が平行なTFTと比較して、キャリア移動度が低いために性能が劣り、また、閾値電圧などの特性のバラツキも大きくなってしまうという問題がある。図10の(a)には、結晶粒界の方向とチャネル領域の方向(キャリアが流れる方向)とが平行なTFT110aを示し、図10の(b)には、結晶粒界の方向とチャネル領域の方向とが直交しているTFT110bを示す。なお、これらの図では結晶粒界を実線で表しているが、実際には結晶粒界を目視で観察することはできない。結晶粒界を観察するにはセコエッチングすればよい。
そのため、上記のようなSLS法を利用して、規則的な結晶構造を有する結晶性半導体膜を形成したとしても、結晶粒界の方向とチャネル領域の方向とが直交しているTFTと、平行なTFTとが混在すると、TFTごとのバラツキが生じ、高性能なデバイスを得ることができない。また、各TFTの性能を高め、かつ、特性のバラツキを減らすことを目的として、結晶粒界の方向とチャネル領域の方向とが平行なTFTのみで回路を構成すると、回路設計に大きな制約ができてしまう。このような制約は、将来的なデバイスのさらなる微細化に向けた障害となる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、半導体デバイスの性能をより向上させるとともに、各デバイス間の特性のバラツキを少なくすることのできる結晶性半導体膜の形成方法および半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる結晶性半導体膜の形成方法は、上記の課題を解決するために、基板上に結晶性半導体膜を形成する方法であって、上記基板上に非晶質半導体膜を形成する工程と、第1のレーザ光および上記基板のうちの少なくとも一方を移動させながら、上記非晶質半導体膜に対して上記第1のレーザ光を照射し、上記第1のレーザ光または上記基板の移動方向に沿って半導体膜の結晶を成長させて、上記非晶質半導体膜から結晶性半導体膜を得る工程と、上記結晶性半導体膜に対して、上記第1のレーザ光よりもエネルギー量の小さい第2のレーザ光を照射して、上記結晶性半導体膜の厚さ方向に対して結晶を成長させる工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の結晶性半導体膜の形成方法では、SLS法による半導体膜の結晶化技術を用いて、まず、第1のレーザ光を、該第1のレーザ光および基板のうちの少なくとも一方を移動させながら非晶質半導体膜に対して照射して、移動方向に沿って(すなわち、横方向に)半導体膜の結晶を成長させる。
その後、この横方向に成長した結晶粒界を有する半導体膜に対して、上記第1のレーザ光よりもエネルギー量の小さい第2のレーザ光を照射する。このような第2のレーザ光を照射することで、横方向の結晶粒界を有する半導体膜は部分的に溶融され、半導体膜の厚さ方向(すなわち、縦方向)に対して結晶が成長する。
以上の工程によって得られる結晶性半導体膜においては、主として横方向に成長した結晶粒界中に、部分的に縦方向に成長した結晶粒界が含まれる。そのため、このような結晶性半導体膜においては、SLS法で発生するランダムな結晶粒界のエネルギー障壁が小さくなる。
これにより、結晶性半導体膜におけるキャリア移動度を高めることができる。特に、結晶粒界の方向に対して垂直な方向のキャリア移動度をより大きく高めることができる。そのため、例えば、上記の方法によって得られる結晶性半導体膜をトランジスタのチャネル領域に使用した場合に、結晶粒界の方向に関係なくトランジスタのチャネル領域を配置することができる。
以上のように、本発明の方法によって形成された結晶性半導体膜を半導体デバイスに使用すれば、半導体デバイスの性能を向上させることができるとともに、個々のデバイス間の特性のバラツキを小さくすることができる。したがって、上記の方法を利用すれば、半導体デバイスの高性能化および高精細化を実現することができる。
本発明の結晶性半導体膜の形成方法において、上記第2のレーザ光の波長は、上記第1のレーザ光の波長よりも短いことが好ましい。
第1のレーザ光を用いてSLS法により結晶化された半導体膜は結晶性が高く、表面粗さが小さいためレーザ光の吸収率が低くなる。そこで、上記のように第2のレーザ光に第1のレーザ光よりも波長の短いレーザ光を用いることで、効率的に結晶性半導体の溶融再結晶化を行うことができるという効果が得られる。
本発明の結晶性半導体膜の形成方法において、上記第2のレーザ光は、エキシマレーザであることが好ましい。
上記の方法によれば、エキシマレーザは、波長が比較的短く、また、レーザの発振出力も比較的安定しているため、SLS法で結晶化された半導体膜の溶融再結晶化を効率的に行うことができる。
本発明の結晶性半導体膜の形成方法において、上記第2のレーザ光の照射は、窒素雰囲気中で行われることが好ましい。
上記の方法によれば、第2のレーザ光による照射を行った後においても、第1のレーザ光の照射を用いたSLS法による結晶化の利点である半導体膜表面の平坦性を維持することができる。
本発明の結晶性半導体膜の形成方法において、上記第1のレーザ光を照射する工程は、第1のレーザ光を走査しながら照射する第1レーザ光照射手段を用いて行ってもよい。
本発明の結晶性半導体膜の形成方法において、上記第2のレーザ光を照射する工程は、第1のレーザ光を照射するレーザ照射手段を用いて行ってもよい。
上記の方法によれば、同一のレーザ照射手段(レーザ加工装置)を使用して、第1のレーザ光の照射と第2のレーザ光の照射を連続的に行うことで、生産性を高めることができる。
本発明にかかる半導体デバイスの製造方法は、上記の課題を解決するために、上記の何れかの結晶性半導体膜の形成方法を用いて、上記半導体デバイスを構成する半導体膜を形成することを特徴とする。
上記の方法によれば、半導体デバイスに含まれる結晶性半導体膜の性能を向上させることができるとともに、個々のデバイス間の特性のバラツキを小さくすることができる。したがって、上記の方法によれば、半導体デバイスの高性能化および高精細化を実現することができる。
本発明の半導体デバイスの製造方法において、上記半導体デバイスは、トランジスタであってもよい。
上記の方法によれば、トランジスタのチャネル領域におけるキャリア移動度を高めることができ、かつ、得られる個々のトランジスタの特性のバラツキを小さくすることができる。
また、上記の方法でトランジスタを製造した場合、特に、結晶粒界の方向とチャネル領域の方向とが直交しているトランジスタにおいて、キャリア移動度を大きく高めることができる。そのため、結晶粒界の方向とチャネル領域の方向とが直交しているトランジスタと、結晶粒界の方向とチャネル領域の方向とが平行なトランジスタとの特性の差を小さくすることができる。したがって、上記の方法を用いて基板上にトランジスタを形成すれば、結晶粒界の方向を考慮して各トランジスタを配置する必要がなくなるため、回路設計の自由度を高めることができる。
本発明の半導体デバイスの製造方法は、上記トランジスタのチャネル領域の方向に対して、上記第1のレーザ光を45°の方向で走査しながら上記第1のレーザ光を上記非晶質半導体膜に対して照射してもよい。
上記の方法によれば、結晶方向とチャネル領域の方向とが45°の関係を有するトランジスタを製造することができる。結晶粒界とチャネル領域の方向の関係が垂直なトランジスタと平行なトランジスタとの特性の差を完全になくすことは難しい。したがって上記方法によれば、結晶方向とチャネル領域の方向とが45°の関係を有するトランジスタのみで回路を構成することができるため、回路設計の自由度をさらに高めることができる。
本発明の結晶性半導体膜の形成方法および半導体デバイスの製造方法によれば、半導体デバイスの性能をより向上させるとともに、各デバイス間の特性のバラツキを少なくすることができる。
本発明の一実施の形態にかかる半導体基板の製造方法を工程順に示す断面図である。 図1の製造方法において、第1のレーザ光が照射される様子を模式的に示す平面図である。 図1の製造方法において、第2のレーザ光が照射される様子を模式的に示す平面図である。 図1に示す半導体基板の製造方法に使用されるレーザ加工装置の構成を示す模式図である。 本発明の一実施の形態にかかるトランジスタの製造方法によって製造されたトランジスタの構成を示す断面図である。 (a)は、本発明の半導体膜の結晶化方法を用いて製造されたトランジスタであって、チャネル領域の方向と結晶粒界の方向とが平行なトランジスタを示す模式図であり、(b)は、本発明の半導体膜の結晶化方法を用いて製造されたトランジスタであって、チャネル領域の方向と結晶粒界の方向とが直交しているトランジスタを示す模式図であり、(c)は、本発明の半導体膜の結晶化方法を用いて製造されたトランジスタであって、チャネル領域の方向と結晶粒界の方向とが約45°となっているトランジスタを示す模式図である。 (a)は、従来のSLS法を用いて製造されたトランジスタのI−V特性を示すグラフであり、(b)は、本発明の製造方法によって製造されたトランジスタのI−V特性を示すグラフである。 従来のSLS法による半導体膜の結晶化方法を工程順に示す断面図である。 従来のSLS法による半導体膜の結晶化方法を模式的に示す平面図である。 (a)は、従来のSLS法による半導体膜の結晶化方法を用いて製造されたトランジスタであって、チャネル領域の方向と結晶粒界の方向とが平行なトランジスタを示す模式図であり、(b)は、従来のSLS法による半導体膜の結晶化方法を用いて製造されたトランジスタであって、チャネル領域の方向と結晶粒界の方向とが直交しているトランジスタを示す模式図である。
本発明の一実施形態について図1から図7に基づいて説明すると以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施の形態では、本発明の結晶性半導体膜の形成方法の一例として、基板上に結晶性半導体膜が形成された半導体基板の製造方法について説明する。
本発明は、基板上に半導体膜が形成された半導体基板において、非晶質半導体膜を結晶化させる技術を提供するものであり、特に、当該結晶化させるに際し、横方向だけではなく縦方向(半導体膜の厚さ方向(図1の(g)に示すb方向))にも結晶を成長させ、結晶性半導体膜の結晶粒界のエネルギー障壁を小さくする技術を提供するものである。
具体的には、非晶質半導体膜(アモルファスシリコン膜)に第1のレーザ光を照射して該非晶質半導体膜において横方向に結晶成長させるステップと、該第1のレーザ光より低いエネルギーの第2のレーザ光を照射して、半導体膜の深さ方向に対して該半導体膜を部分溶融させて縦方向に結晶成長させるステップと、を含むことを特徴とする。
本発明では、SLS法を用いて、非晶質半導体膜に対して第1のレーザ光を照射して横方向に結晶を成長させる。SLS法については、上記従来の技術で述べたとおりである。ここで、横方向とは、半導体膜の面と実質的に平行な方向をいう。すなわち、半導体膜において、結晶成長する方向としては、主として半導体膜の面方向と半導体膜の厚さ方向とが挙げられるが、このうち面方向(図1の(d)に示すa方向)のことを意味する。
図1には、本実施の形態にかかる半導体基板10の製造方法を各工程順に(a)から(g)で示す。
本方法ではまず、図1の(a)に示すように、基板11上にベースコート膜16を成膜した後、アモルファスシリコン膜(非晶質半導体膜)12を成膜する。基板11としては絶縁性であることが好ましく、ガラス基板や石英基板等を用いることができるが、安価である点および大面積基板を容易に製造できる点でガラス基板を用いることが好適である。
アモルファスシリコン膜12は膜厚が10nm〜100nmとなるように、プラズマエンハンスド化学気相堆積(PECVD)、触媒化学気相堆積(Cat−CVD)、蒸着、又はスパッタリングなどにより堆積される。
本実施の形態では、非晶質半導体としてアモルファスシリコンを例に挙げているが、非晶質半導体膜の材料としては、半導体特性を示す従来公知のものであれば特に限定されない。但し、結晶成長長さを長くすることにより種々の特性が顕著に向上するアモルファスシリコン膜とすることが好ましい。また、非晶質半導体膜の材質は、シリコンのみからなる材質に限られることはなく、ゲルマニウムなどの他の元素を含んだシリコンを主成分とする材質であってもよい。
また、基板11上にアモルファスシリコン膜12を形成する方法に特に限定はなく、プラズマCVD法や減圧CVD法、スパッタリング法など従来公知の方法を用いることができる。また、アモルファスシリコン膜12の膜厚についても、上記のような数値範囲のものに限定はされず、その用途に応じて適宜変更することができる。
そして、上記のような構成の半導体基板10に対して、第1レーザ光照射部(第1レーザ光照射手段)20を用いて第1のレーザ光20aを照射する。ここで、図1の(a)に示すように、第1レーザ光照射部20は、半導体基板10の面に沿って矢印Aの方向に走査される。
図1の(a)から(d)には、半導体基板10の上方において、第1レーザ光照射部20を左から右へ移動させながら第1のレーザ光20aをパルス照射する様子を示す。また、図2は、この様子を第1レーザ光照射部20の上から見た場合の平面図である。
これらの図に示すように、第1のレーザ光20aが照射された半導体基板10上では、アモルファスシリコン膜12は、第1レーザ光照射部20の移動方向に沿って結晶が成長した多結晶シリコン膜13となる。図1の(d)では、結晶の成長方向を矢印aで示す。なお、図2では、多結晶シリコン膜13の結晶粒界を細線で表しているが、実際には結晶粒界を目視で観察することはできない。結晶粒界を観察するにはセコエッチングすればよい。
ここで、第1のレーザ光20aは、1回の照射において固体状態にある半導体膜を溶融させる照射面積あたりのエネルギー量、具体的には半導体膜を全膜厚において融点以上の温度に加熱することのできるエネルギー量を有することが好ましい。このエネルギー量は、半導体膜の材質の種類、半導体膜の膜厚、結晶化領域の面積などにより変化し、一義的に定めることはできないため、適宜適当なエネルギー量を有するレーザ光を用いることが望ましい。第1のレーザ光20aとして具体的には、例えば、波長が可視域のYAGレーザ光を使用することが可能である。
また、本実施の形態において、第1のレーザ光20aを用いた横方向の結晶化は、上記従来技術において説明したSLS法により行うことができる。例えば、アモルファスシリコン膜12の膜厚が約50nmである場合、SLS法に必要なレーザのエネルギー量は600〜1500mJ/cmである。
ここで、SLS法について簡単に説明しておく。SLS法による結晶成長の様子を図2に示す。図2に示すように、矢印A方向に第1のレーザ光照射部20が移動すると、この方向に結晶が成長する。
まず、第1のレーザ光20aが照射されるとその領域12bの半導体膜は溶融する(図1の(a)参照)。そして、照射が終わると、冷却されて溶融した半導体は照射領域12bの両端から中央に向かって次第に固化・結晶化する。このとき、照射領域12bに隣接して結晶化領域13がある場合には、この結晶化領域13の結晶性が溶融状態から結晶化する半導体に反映されて結晶が成長する(図1の(b)参照)。次に、図2の矢印A方向に所定距離移動した領域にレーザ光が照射され(図1の(c)参照)、この領域の半導体が溶融する。そして、上記と同様にして隣接する結晶化領域13の結晶性を反映しながら結晶が成長していく。この工程を繰り返すことにより、図2に示すように、第1レーザ光照射部20の移動方向(図のA方向)に結晶が成長する。なお、後述する第2のレーザ光30a照射後の結晶化領域14と区別するために、結晶化領域13を第1の結晶化領域とも呼ぶ。
上記SLS法による結晶化の工程の後、本実施の形態の半導体基板10の製造方法では、第1のレーザ光20aよりも低エネルギーの第2のレーザ光30aを、多結晶シリコン膜(第1の結晶化領域)13に対して照射する。この工程について、図1の(e)から(g)、および図3を参照しながら、以下に説明する。
図1の(e)に示すように、第1のレーザ光20aの照射が終了した後、半導体基板10の多結晶シリコン膜(第1の結晶化領域)13に対して、第2レーザ光照射部(第2レーザ光照射手段)30を用いて第2のレーザ光30aが照射される。ここで、図1の(e)および図3に示すように、第2レーザ光照射部30は、半導体基板10の面に沿って矢印Bの方向に走査される。なお、この矢印Bの方向は、図1の(a)に示す矢印Aの方向と同じ方向であってもよいし、異なる方向であってもよい。
図1の(e)から(g)には、半導体基板10の上方において、第2レーザ光照射部30を左から右へ移動させながら第2のレーザ光30aをパルス照射する様子を示す。また、図3には、この様子を第2レーザ光照射部30の上から見た場合の平面図である。
これらの図に示すように、第2のレーザ光30aが照射された半導体基板10上の領域13bでは、多結晶シリコン膜(第1の結晶化領域)13に対して再結晶化処理が行われ、シリコン膜の厚さ方向に沿って結晶が成長した多結晶シリコン膜14(第2の結晶化領域)となる。図1の(g)では、結晶の成長方向を矢印bで示す。
この第2のレーザ光30aによるレーザ照射においては、多結晶シリコン膜(第1の結晶化領域)13を完全溶融させない程度にレーザエネルギーを低減させ、シリコン膜を部分溶融させる。すなわち、第2のレーザ光30aのエネルギー量は、第1のレーザ光20aのエネルギー量よりも小さい。例えば、第1のレーザ光20aとして使用するレーザのエネルギー量が600〜1500mJ/cmである場合、第2のレーザ光30aとして使用するレーザのエネルギー量は300〜450mJ/cmであり、上記第1のレーザ光20aのエネルギー量の1/2〜1/3倍である。
上記のような第1のレーザ光20aに比べて低エネルギーの第2のレーザ光30aを照射することにより、第1のレーザ光20aによるSLS法で形成された多結晶シリコンの結晶を核として、多結晶シリコン膜が縦方向(図1の(g)のb方向)に成長する。
このような縦方向の結晶成長により、SLS法で発生するランダムな結晶粒界のエネルギー障壁が小さくなる。図3には、再結晶化される前の多結晶シリコン膜13および再結晶化後の多結晶シリコン膜14の結晶粒界を模式的に示す。なお、このような結晶粒界は、目視で観察することはできない。結晶粒界を観察するにはセコエッチングすればよい。
ここで、上記第2のレーザ光30aは、多結晶シリコン膜13を再結晶化させるものであることから、ポリシリコン膜に効率よく吸収されるために波長の短いレーザ光とすることが望ましい。すなわち、第2のレーザ光30aは、紫外域の波長を有することが好ましい。
より具体的には、第2のレーザ光30aは、波長400nm以下のエキシマレーザ光が好適である。これは、波長400nm以下のレーザ光は、半導体膜、特にケイ素膜に対する吸収係数が非常に高いため、絶縁性の基板11に熱的衝撃を与えることなく半導体膜のみを瞬時に加熱できるためである。また、エキシマレーザ光は発振出力が大きいため、照射面積を広くすることができるからである。
このようなエキシマレーザ光としては、例えば、波長308nmのXeClエキシマレーザ光、波長248nmのKrFエキシマレーザ光、波長198nmのArFエキシマレーザ光などが挙げられ、この中でも、大きな発振出力が安定して得られることからXeClエキシマレーザ光が最も好ましい。
また、第2のレーザ光30aの波長は、第1のレーザ光20aの波長よりを短いことが好ましい。これにより、SLS法で結晶化された半導体膜の溶融再結晶化を効率的に行うことができるという効果が得られる。具体的には、第1のレーザ光20aの波長が515nmである場合、第2のレーザ光30aの波長は308nmである。
また、第2のレーザ光30aを照射する際(すなわち、図1の(e)から(g)の工程を行う際)には、窒素(N)雰囲気中で処理が行われることが好ましい。これにより、SLS法の利点である、半導体膜表面の平坦性を保つことができる。
以上のような本実施の形態の製造方法によって基板11上に形成された多結晶シリコン膜14は、その結晶粒界のエネルギー障壁が小さくなっている。そのため、このような結晶構造を有する多結晶シリコン膜14をトランジスタなど半導体デバイスの活性領域(チャネル領域)に使用すれば、デバイスの性能を向上させることができる。例えば、トランジスタにおいては、そのオン特性を向上させることができるとともに、トランジスタ毎の閾値電圧のバラツキを小さくすることができる。
ここで、本実施の形態において、半導体膜を結晶化するのに用いる装置について、図4を用いて説明する。図4は、図1に示すようなアモルファスシリコン膜12を結晶化するためのレーザ加工装置50(レーザ照射手段)の模式図を示しており、レーザ発振器52、可変減衰器53、フィールドレンズ54、マスク55、結像レンズ56、サンプルステージ57およびいくつかのミラーを含んでいる。これらの部材は、コントローラ51により制御されている。このレーザ加工装置50を用いることにより、ステージ57上の半導体基板10に放射パルスを供給することができる。なお、上記の各部材のうち、レーザ発振器52、可変減衰器53、フィールドレンズ54、マスク55、および結像レンズ56が、第1レーザ光照射部20および第2レーザ光照射部30に相当する。
これらの機器を用いて結像レンズを光軸方向に位置移動させることによって半導体膜でのフォーカスの程度を調節し、レーザエネルギーを減衰させることができる。もしくは、サンプルステージの上下方向の位置を変更させることにより、同様な効果がもたらされる。これにより、1台のレーザ加工装置50において、第1のレーザ光20aの照射と第2のレーザ光30aの照射とを切り替えることができる。
なお、上記のレーザ加工装置50において、半導体膜に照射するレーザ光の照射領域は、レーザ光照射部20および30の相対的移動方向(移動方向Aおよび移動方向B)に短く、この移動方向に垂直な方向に長い長方形とするのが望ましい(図2および図3参照)。レーザ照射領域における上記移動方向の長さは、レーザ光のパルス照射間に移動するレーザ照射手段の距離以上であればよい。したがって、限られたレーザ光のビームエネルギーを有効に使用するためには、レーザ光の照射領域を、レーザ照射領域の移動方向の長さをできる限り短くする一方、移動方向に垂直な方向の長さをできる限り長くするのがよい。
上述した本実施の形態の製造方法で製造された半導体基板は、種々の半導体デバイスの半導体材料として用いられる。その中でも特に、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;「TFT」)の半導体部材として好適に用いられる。
ここで、TFTのソース/ドレイン領域及びチャネル領域には、前記半導体基板のうち2種類のレーザ光照射により多結晶化した領域(すなわち、第2の結晶化領域14)を用いる。このようなTFTは、集積回路やアクティブマトリクス型の液晶表示装置、密着型イメージセンサ、三次元ICなどに広く使用でき、これら各種装置の高速化、高解像度化などの高性能化が可能となる。
ここで、上記した半導体基板の製造方法を用いて薄膜トランジスタ(TFT)を製造する方法について、その一実施形態を説明する。図5には、この方法によって製造されたTFTの断面構成を示す。
図5に示すように、TFT60の構造は、「トップゲート構造」または「正スタガ構造」と呼ばれるもので、チャネル領域となる半導体膜(多結晶シリコン膜)の上層にゲート電極を備えるものである。但し、本発明の製造方法によって製造されるTFTの構造は、上記のトップゲート構造には限定されず、例えば「ボトムゲート構造」を有するTFTであってもよい。
TFT60は、ベースコート膜68を成膜されたガラス基板61(ベース基材)上に形成された多結晶シリコン膜62と、多結晶シリコン膜62を覆うように形成されたゲート絶縁膜63(酸化シリコン膜、窒化シリコン膜など)と、ゲート絶縁膜63上に形成されたゲート電極64(Al、Mo、Ti、またはそれらの合金などを材料とする)と、ゲート電極64を覆うように形成された層間絶縁膜67(酸化シリコン膜、窒化シリコン膜など)とを有している。
ここで、多結晶シリコン膜62において、ゲート絶縁膜63を介してゲート電極64と対向する領域は、チャネル領域62aとして機能する。また、多結晶シリコン膜62のチャネル領域以外の領域は、不純物が高濃度にドープされたn層であり、ソース領域62bおよびドレイン領域62cとして機能する。また、ここでは図示しないが、ホットキャリアによる電気特性の劣化を防ぐために、ソース領域62bのチャネル領域側およびドレイン領域62cのチャネル領域側に、不純物が低濃度にドープされたLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成されている。
層間絶縁膜67上に設けられているソース電極65(Al、Mo、Ti、またはそれらの合金などを材料とする)は、層間絶縁膜67およびゲート絶縁膜63を貫通するコンタクトホールを介して多結晶シリコン膜62のソース領域62bに電気的に接続されている。同様に、層間絶縁膜67上に設けられているドレイン電極66(Al、Mo、Ti、またはそれらの合金などを材料とする)は、層間絶縁膜67およびゲート絶縁膜63を貫通するコンタクトホールを介して多結晶シリコン膜62のドレイン領域62cに電気的に接続されている。
以上が、TFT60の基本的な構造である。本発明では、上記のような構造を有するTFTを製造するにあたって、多結晶シリコン膜62の成膜工程において、上述した本発明の結晶性半導体膜の形成方法を用いる。具体的には、非晶質半導体膜(アモルファスシリコン膜)に第1のレーザ光を照射して該非晶質半導体膜において横方向に結晶成長させるステップと、該第1のレーザ光より低いエネルギーの第2のレーザ光を照射して、半導体膜の深さ方向に対して該半導体膜を部分溶融させて縦方向に結晶成長させるステップと、を含む方法よって、多結晶シリコン膜62を成膜する。
その後に行われる多結晶シリコン膜62のパターニング工程、および、不純物のドーピング工程については、従来のポリシリコンTFTの製造方法と同じ方法を用いることができる。また、TFTを構成している半導体膜以外の部材の形成方法についても、従来のポリシリコンTFTの製造方法と同じ方法を用いることができる。
図6には、本発明の方法を用いて製造されたTFTの多結晶シリコン膜62とゲート電極64の構成を示す。なお、図6の(a)は、多結晶シリコン膜62のチャネル領域の方向と結晶粒界の方向(すなわち、第1のレーザ光20aの走査方向)とが略平行なトランジスタ60aを示し、図6の(b)は、多結晶シリコン膜62のチャネル領域の方向と結晶粒界の方向(すなわち、第1のレーザ光20aの走査方向)とが略直交しているトランジスタ60bを示し、図6の(c)は、多結晶シリコン膜62のチャネル領域の方向と結晶粒界の方向(すなわち、第1のレーザ光20aの走査方向)とが約45°になっているトランジスタ60cを示す。図6の(a)〜(c)では、第1のレーザ光20aの走査方向を、それぞれ矢印A1、A2、A3で示している。
本発明の方法を用いて製造されたTFTは、第1のレーザ光より低いエネルギーの第2のレーザ光を半導体膜に照射して、該半導体膜の厚さ方向に対して該半導体膜を部分溶融させて縦方向に結晶成長させた多結晶シリコン膜62にチャネル領域が形成されている。そのため、結晶粒界の方向とチャネル領域の方向とが直交している場合にもエネルギー障壁が小さくなり、キャリア移動度の低下を抑えることができる。
これにより、図6の(a)に示すようなチャネル領域の方向と結晶粒界の方向とが平行なトランジスタの性能と、図6の(b)に示すようなチャネル領域の方向と結晶粒界の方向とが直交しているトランジスタの性能との差を小さくすることができる。したがって、図6の(a)〜(c)に示すように、チャネル領域の方向と結晶粒界の方向とが様々に異なるトランジスタが混在するようなデバイスの場合にも、キャリア移動度や閾値電圧などの各トランジスタの特性のバラツキを少なくすることができる。
図7には、従来のSLS法を用いて製造されたトランジスタのI−V特性(図7の(a))と、本発明の製造方法によって製造されたトランジスタのI−V特性(図7の(b))とを比較して示す。これらの図に示すグラフは、各方法によって製造されたトランジスタのゲート電圧:Vとドレイン電流(チャネル電流):Iとの関係を示している。
図7の(a)と(b)とを比較すれば分かるように、本発明の製造方法によって製造されたトランジスタは、従来のSLS法を用いて製造されたトランジスタに比べて、個々のトランジスタ間のI−V特性のバラツキが小さくなっている。特に、図7の(a)および(b)に示すように、各トランジスタのドレイン電流IaおよびIbのバラツキをそれぞれσ_Iaおよびσ_Ibで表すと、σ_Ia>σ_Ibとなっている。
以上より、本発明の製造方法によって製造されたトランジスタは、従来のSLS法のみを用いて半導体膜の結晶化が行われたトランジスタと比較して、トランジスタの特性のバラツキを小さくすることができる。
また、図7の(a)と(b)とを比較すると、オン電流の平均値が、図7の(b)に示す本発明のトランジスタのほうが高くなっている(Ia<Ib)。このことから、本発明のトランジスタの製造方法によれば、トランジスタのオン特性を向上させることもできることがわかる。
以上のように、一つのデバイス上に複数のトランジスタを製造する場合、本発明を用いれば、各トランジスタのチャネル領域の方向がそろっていなくても各トランジスタの性能に大きな差が生じないため、トランジスタの配置に制約がなく、自由度の高い回路設計が可能となる。
但し、結晶方向とチャネル領域の方向とが約45°のトランジスタは、回路設計の自由度がより高くなる。これは以下のような理由による。
一般的に、トランジスタのチャネル領域の方向はソースやゲート等の配線に対し、垂直または平行の2種類(すなわち、互いに90°ずれた位置関係にある2種類)で、それ以外を使用することはあまりない。そのため、上記のような2種類の位置関係のトランジスタを、図6の(a)または(b)のように、0°または90°の方向で第1のレーザ光を走査することで形成した場合、結晶方向とチャネル領域の方向とが平行または垂直の2種類のトランジスタが得られる。これに対して、図6の(c)のように、約45°の方向で第1のレーザ光を走査した場合、得られる上記2種類のトランジスタは、ともに結晶方向とチャネル領域の方向とが約45°の関係を有するトランジスタとなる。つまり、図6の(c)のように、形成されるトランジスタのチャネル領域の方向に対して、第1のレーザ光の走査方向が約45°となるように、該第1のレーザ光をアモルファスシリコン膜(非晶質半導体膜)に対して照射すれば、得られる上記2種類のトランジスタは、結晶方向とチャネル領域の方向とが約45°の関係を有するトランジスタのみとなる。これにより、得られる各トランジスタの特性のバラツキをより少なくすることが可能となり、回路設計の自由度をさらに高めることができる。
このことから、図6の(a)〜(c)に示す各トランジスタの中で、図6の(c)に示すようなチャネル領域の方向と結晶粒界の方向とが約45°になっているトランジスタがより好ましい。
したがって、本発明の半導体デバイスの製造方法においては、製造されるトランジスタのチャネル領域の方向に対して、第1のレーザ光を約45°の方向で走査しながら第1のレーザ光をアモルファスシリコン膜(非晶質半導体膜)に対して照射することが好ましい。これにより、図6の(c)に示すトランジスタ60cを製造することができる。
以上のように、本発明の半導体デバイスの製造方法によれば、半導体デバイスに含まれる結晶性半導体膜の性能を向上させることができるとともに、個々のデバイス間の特性のバラツキを小さくすることができる。
特に、本発明の方法でトランジスタを製造した場合、結晶粒界の方向とチャネル領域の方向とが直交しているトランジスタにおいて、キャリア移動度を大きく高めることができる。そのため、結晶粒界の方向とチャネル領域の方向とが直交しているトランジスタと、結晶粒界の方向とチャネル領域の方向とが平行なトランジスタとの特性の差を小さくすることができる。したがって、上記の方法を用いて基板上にトランジスタを形成すれば、結晶粒界の方向を考慮して各トランジスタを配置する必要がなくなるため、回路設計の自由度を高めることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された種々の技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明を用いれば、得られる半導体デバイスの性能を向上させることができる。従って、本発明の方法は、より高性能化および高精細化が求められる液晶表示パネルや有機EL表示パネルなどのアクティブマトリクス型の表示パネルの製造にも適用できる。
10 半導体基板
11 基板
12 アモルファスシリコン膜(非晶質半導体膜)
13 多結晶シリコン膜(結晶性半導体膜)
14 再結晶化後の多結晶シリコン膜(結晶性半導体膜)
16 ベースコート膜
20 第1レーザ光照射部(第1レーザ光照射手段)
20a 第1のレーザ光
30 第2レーザ光照射部(第2レーザ光照射手段)
30a 第2のレーザ光

Claims (9)

  1. 基板上に結晶性半導体膜を形成する方法であって、
    上記基板上に非晶質半導体膜を形成する工程と、
    第1のレーザ光および上記基板のうちの少なくとも一方を移動させながら、上記非晶質半導体膜に対して上記第1のレーザ光を照射し、上記第1のレーザ光または上記基板の移動方向に沿って半導体膜の結晶を成長させて、上記非晶質半導体膜から結晶性半導体膜を得る工程と、
    上記結晶性半導体膜に対して、上記第1のレーザ光よりもエネルギー量の小さい第2のレーザ光を照射して、上記結晶性半導体膜の厚さ方向に対して結晶を成長させる工程と、
    を含むことを特徴とする結晶性半導体膜の形成方法。
  2. 上記第2のレーザ光の波長は、上記第1のレーザ光の波長よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の結晶性半導体膜の形成方法。
  3. 上記第2のレーザ光は、エキシマレーザであることを特徴とする請求項1または2に記載の結晶性半導体膜の形成方法。
  4. 上記第2のレーザ光の照射は、窒素雰囲気中で行われることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の結晶性半導体膜の形成方法。
  5. 上記第1のレーザ光を照射する工程は、第1のレーザ光を走査しながら照射する第1レーザ光照射手段を用いて行われることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の結晶性半導体膜の形成方法。
  6. 上記第2のレーザ光を照射する工程は、第1のレーザ光を照射するレーザ照射手段を用いて行われることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の結晶性半導体膜の形成方法。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の結晶性半導体膜の形成方法を用いて、半導体デバイスを構成する半導体膜を形成することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  8. 上記半導体デバイスは、トランジスタであることを特徴とする請求項7に記載の半導体デバイスの製造方法。
  9. 上記トランジスタのチャネル領域の方向に対して、上記第1のレーザ光を約45°の方向で走査しながら上記第1のレーザ光を上記非晶質半導体膜に対して照射することを特徴とする請求項8に記載の半導体デバイスの製造方法。
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