JP3357798B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP3357798B2 JP25788396A JP25788396A JP3357798B2 JP 3357798 B2 JP3357798 B2 JP 3357798B2 JP 25788396 A JP25788396 A JP 25788396A JP 25788396 A JP25788396 A JP 25788396A JP 3357798 B2 JP3357798 B2 JP 3357798B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置および
その製造方法に関し、さらに詳しく言えば、結晶性ケイ
素膜を活性領域とする半導体素子を用いた液晶表示装置
用、密着型イメージセンサ用、三次元IC用などのアク
ティブマトリクス基板により構成される半導体装置およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大型で高解像度の液晶表示装置
や、低コスト化のためドライバー回路を同一基板上に形
成したモノリシック型の液晶表示装置、高速で高解像度
の密着型イメージセンサー、三次元ICなどへの実現に
向けて、ガラス等の絶縁基板上や、絶縁膜上に高性能な
薄膜トランジスタ(以下、TFTという)等の半導体素
子を形成する試みがなされている。これらの装置に用い
られる半導体素子には、薄膜状のケイ素半導体を用いる
のが一般的である。薄膜状のケイ素半導体としては、非
晶質ケイ素半導体(a―Si)からなるものと、結晶性
を有するケイ素半導体からなるものの2つに大別され
る。
【0003】非晶質ケイ素半導体は作製温度が低く、気
相法で比較的容易に作製することが可能で量産性に富む
ため、最も一般的に用いられているが、導電性等の物性
が結晶性を有するケイ素半導体に比べて劣るため、今後
より高速特性を得るためには、結晶性を有するケイ素半
導体からなる半導体装置の作製方法の確立が強く求めら
れていた。尚、結晶性を有するケイ素半導体としては、
多結晶ケイ素、微結晶ケイ素、結晶成分を含む非晶質ケ
イ素等が知られている。
【0004】これら結晶性を有する薄膜状のケイ素半導
体を得る方法としては、 (1)成膜時に結晶性を有する膜を直接成膜する。
【0005】(2)非晶質の半導体膜を成膜しておき、
熱エネルギーを加えることにより結晶性を有せしめる。
【0006】(3)非晶質の半導体膜を成膜しておき、
レーザー光のエネルギーにより結晶性を有せしめる。
【0007】といった主に3つの方法が知られている。
【0008】しかしながら、上記(1)の方法では、成
膜工程と同時に結晶化が進行するので、大粒径の結晶性
ケイ素を得ることが難しく、それにはケイ素膜の膜厚を
大きくすることが不可欠となる。しかし、膜厚を大きく
しても基本的には膜厚と同程度の結晶粒径しか得られ
ず、この方法により良好な結晶性を有するケイ素膜を作
製することは原理的に不可能である。また、成膜温度が
600℃以上と高いので、安価なガラス基板が使用でき
ないというコストの問題もある。
【0009】また上記(2)の方法は、結晶化に際し6
00℃以上の高温にて数十時間にわたる加熱処理が必要
であるため、生産性に非常に乏しい。また、固相結晶化
現象を利用するため、結晶粒は基板面に平行に拡がり数
μmの粒径を持つものさえ現れるが、成長した結晶粒同
士がぶつかり合って粒界が形成されるため、その粒界は
キャリアに対するトラップ準位として働き、TFTの移
動度を低下させる大きな原因となっている。さらに、そ
れぞれの結晶粒は双晶構造を示し、一つの結晶粒内にお
いても所謂双晶欠陥と呼ばれる結晶欠陥が多量に存在し
ている。
【0010】このため、現在は上記(3)の方法が主流
となっている。上記(3)の方法では熔融固化過程を利
用し結晶化するので、個々の結晶粒内の結晶性は非常に
良好である。また、照射光の波長を選ぶことで、アニー
ルの対象であるケイ素膜のみを効率的に加熱し、下層の
ガラス基板への熱的損傷を防ぐことかできると共に、上
記(2)の方法のような長時間にわたる処理が必要でな
い。装置面でも高出力のエキシマレーザーアニール装置
などが開発され、大面積基板に対しても対応可能になり
つつある。上記(3)の方法を利用して半導体素子を作
製する方法が、特開平7―92501号公報で提案され
ている。この公報では、各半導体素子をストライプ状に
配置してレーザー光照射を行い、各半導体素子の活性領
域を結晶化している。
【0011】上記(3)の方法は、上述のように、絶縁
膜上のケイ素膜の結晶化法としては、最も優れている
が、均一性において大きな課題を残している。すなわ
ち、光源となるレーザー発信器として、大面積基板を一
括照射行うだけの出力を有するものは未だ開発されてお
らず、現在は基板面に対して面積100〜200mm2
程度のビームを順次走査することで対応している。した
がって、当然のことながら、順次走査に伴う結晶性の不
均一性が大きな問題となる。言うまでもなく、結晶性の
ばらつきは、その素子特性にそのまま反映され、素子間
の特性ばらつきを生じさせる原因となる。
【0012】実際には図9のような方法にてパルスレー
ザー光の走査照射を行っている。図9において、横軸X
がレーザー走査方向を示し、縦軸Yがレーザー光の光エ
ネルギーを任意目盛で示している。その走査ピッチは9
06で表している。図9はレーザー光のエネルギー分布
を断面より見たものであり、個々のパルスレーザー光の
エネルギー分布(プロファイル)は、一般的にはビーム
幅907を有するエネルギー分布曲線901から905
に示すようなガウシアン形状を有する。パルスレーザー
はエネルギー分布曲線901から902、903、90
4、905の順番にケイ素膜に照射される。ここで、ケ
イ素膜のある任意の位置a、b、c、dにおいては、最
初にエネルギー分布曲線902のビームが照射され、続
いてエネルギー分布曲線903、904と合計3回のレ
ーザー光照射が行われる。すなわち、図9においてはビ
ームのオーバーラップ量を約67%に設定してある。こ
のように、それぞれのビームの一部が重なるようにして
レーザー光走査を行うのは、ケイ素膜の任意の点におけ
る結晶性の均一性を高めるためにである。
【0013】さて、レーザー光照射により結晶化される
結晶性ケイ素膜において、その結晶性を最も大きく左右
するのは、最も最初に照射されるレーザーパルスであ
る。なぜなら、非晶質ケイ素膜を結晶化すると、その融
点は初期に比べ約200℃程度上昇すると共にレーザー
光に対する吸収係数が低下する。2回目以降に照射され
るレーザーパルスは、非晶質ケイ素膜ではなく、1回目
のレーザーパルスにて結晶化された結晶性ケイ素膜を再
結晶化することになり、その効果は1回目に比べ大きく
減少するため、2回目以降のレーザーパルスは、1回目
ほどは大きく寄与しない。
【0014】図9の位置a、b、c、dでは、まずエネ
ルギー分布曲線902のレーザーパルスが照射され、非
晶質ケイ素膜は結晶化され結晶性ケイ素膜となる。その
後、エネルギー分布曲線903、904のレーザーパル
スが引き続き照射される。最初のエネルギー分布曲線9
02をもつレーザーパルスが照射される際、位置a、
b、c、dのそれぞれに与えられるエネルギーは、それ
ぞれの位置より縦軸方向に引かれた矢印の大きさで示さ
れ、位置aで最も小さく、位置dで最も大きい。その結
果、位置aでの結晶性は位置dに比べて悪くなる。同様
に位置b、cでも結晶性の不均一性が生じる。これを修
復するため、引き続いてエネルギー分布曲線903、9
04をもつレーザーパルスが照射されるのであるが、上
述のように十分な修復はできず、位置a、b、c、dの
それぞれでは、最初のエネルギー分布曲線902をもつ
レーザーパルスにより生じた結晶性の不均一性を後々ま
で引きずる。これが、レーザーパルスにより順次走査さ
れ結晶化された結晶性ケイ素膜の不均一性を生じさせる
主な原因であり、素子特性のばらつきを生じさせ、液晶
表示装置においては縞状の表示むらなど表示不良が現れ
る。
【0015】特開平7ー92501号公報は、TFTを
直線上に配置し、それぞれの直線に対して、レーザー光
を位置制御して照射するものである。すなわち、それぞ
れの直線上に配置された素子領域が、1回のレーザー光
照射により結晶化されるようにし、その位置精度を保ち
ながら順次走査する。したがって、各TFTにはそれぞ
れ1回ずつのレーザー光照射が行われ、順次走査の際の
レーザー光の重なり部分が、素子領域には係らないよう
に構成されている。すなわち、図9で説明したようなレ
ーザー光の重なりを作らず、各レーザーパルス単独に
て、さらにそのビームプロファイルにおけるピークトッ
プ部の比較的フラットな領域を用いて、それぞれの素子
を結晶化する訳である。よって、基板上の素子全てを結
晶化するためには使用するレーザーパルス数は、素子が
直線上に配列されたそのライン数と一致する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このような方法にて得
られる複数のTFT素子は、原理上は非常に均一性が高
いが、未だ前記公報の技術を利用できる装置は開発され
ていない。なぜなら、前記公報における位置制御は、ス
テージ精度の問題およびレーザー光自体の揺らぎなどの
問題を含み、現実には非常に困難であるからである。さ
らに、例えそのような装置が開発されたとしても、装置
自体が非常に高価となり、また、今までに比べて位置合
わせの余分な時間を費やす上、位置精度を上げるために
ステージ送り速度が低下し、生産性が大きく低下すると
共に高コスト化の要因となる。
【0017】さらに、もう一つの大きな問題点として、
結晶性に起因する表面ラフネスの問題がある。レーザー
光照射により溶融固化により結晶化された結晶性ケイ素
膜においては、その融点1414℃以上まで瞬時に加熱
され、数十nsec.程度の冷却時間にて室温付近まで
冷却され固化される。この際、あまりにも固化速度が速
いので、ケイ素膜は過冷却状態となり、一瞬にして固化
される結果、一般的に結晶粒径は100〜200nm程
度と非常に小さくなると共に、結晶粒がぶつかり合った
点、すなわち結晶粒界は山状に盛り上がる。この現象
は、特に3つの結晶粒かぶつかり合った三極点で顕著で
あり、結晶性が良好な程(結晶粒径が大きくなる程)大
きくなる。
【0018】図10に、実際に強光照射により結晶化さ
れた結晶性ケイ素膜の表面状態の原子間力顕微鏡(AF
M)像をもとにスケッチした図を示す。図10におい
て、X−Y方向のフルスケールは2.0μmであり、Z
方向のフルスケールは50nmである。このような結晶
性ケイ素膜を一方の電極とし容量成分を作製した場合、
勿論その表面ラフネスにより、容量は設計値より大きく
なる方向へとずれることになる。図9のように、レーザ
ー走査により結晶性がばらついた場合には、その表面ラ
フネスもばらつき、結果として容量値もばらつくことに
なる。液晶表示装置において、画素TFTに接続された
補助容量の値がばらつくと、画面上にフリッカーなどの
表示むらを引き起こす原因となる。
【0019】本発明は、結晶性ケイ素膜を用いた複数の
TFTを有するアクティブマトリクス基板などの半導体
装置において、上述のレーザー光順次走査により結晶化
される際の問題点を全て解決し、低コスト化が図れる簡
便なプロセスにて、均一性が良好な半導体装置およびレ
ーザー光走査を起因とする縞状不良のない高表示レベル
の液晶表示装置を実現するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、パルスレ
ーザー光を順次走査し結晶化された結晶性ケイ素膜にお
いて、基板内におけるその均一性を向上し、均一な素子
特性を有する複数のTFTを形成し、かつまた、液晶表
示装置において、そのTFT活性領域結晶化時のレーザ
ー光走査照射に起因する横縞などの表示不良をなくす実
験、半導体装置およびその製造方法の研究開発に日夜明
け暮れた。その結果、ついに、前記目的を達成すること
ができた。
【0021】本発明は、より大型でより高解像度のアク
ティブマトリクス液晶表示装置や、同―基板上に駆動用
のドライバーを作り込むドライバモノリシック型アクテ
ィブマトリクス液晶表示装置などを実現するために、パ
ルスレーザー光の順次走査により結晶化された結晶性ケ
イ素膜をTFT活性領域に用いた際に生じる問題点を解
決するものである。特に、結晶性ケイ素膜を画素TFT
に用いるアクティブマトリクス液晶表示装置において、
レーザー光走査に起因する縞状不良の発生を防ぐことを
目的とする。具体的には、本発明は以下の特徴を有す
る。
【0022】本発明の半導体装置は、絶縁表面を有する
基板上に構成された、複数の画素電極を駆動する薄膜ト
ランジスタを有する半導体装置において、該複数の薄膜
トランジスタのチャネル領域は、パルスレーザー光の順
次走査照射により結晶化された結晶性ケイ素膜よりな
り、前記パルスレーザー光の走査方向におけるチャネル
領域が配列された間隔Pと、前記パルスレーザー光の順
次走査間隔Sとが、概略P=nS(n:0を除く整数)
となるよう構成されたことを特徴とする。
【0023】本発明の半導体装置は、絶縁表面を有する
基板上に構成された、複数の画素電極を駆動する薄膜ト
ランジスタおよび該薄膜トランジスタの画素液晶容量と
並列に接続されてなる補助容量を有する半導体装置にお
いて、該複数の薄膜トランジスタのチャネル領域、およ
び前記補助容量の一方の電極部は、共にパルスレーザー
光の順次走査照射により結晶化された結晶性ケイ素膜よ
りなり、前記パルスレーザー光の走査方向におけるチャ
ネル領域が配列された間隔Pと、補助容量の電極部が配
列された間隔とが同一であり、前記間隔Pと、前記パル
スレーザー光の順次走査間隔Sとが、概略P=nS
(n:1以上の整数)となるよう構成されたことを特徴
とする。
【0024】本発明の半導体装置は、絶縁表面を有する
基板上に構成された、複数の画素電極を駆動する薄膜ト
ランジスタおよび該薄膜トランジスタを駆動するドライ
バー回路を構成する複数の薄膜トランジスタを同一基板
上に有する半導体装置において、前記画素駆動用の複数
の薄膜トランジスタおよびドライバー回路を構成する複
数の薄膜トランジスタのチャネル領域は、共にパルスレ
ーザー光の順次走査照射により結晶化された結晶性ケイ
素膜よりなり、前記パルスレーザー光の走査方向におけ
るチャネル領域が配列された間隔Pと、前記パルスレー
ザー光の順次走査間隔Sとが、概略P=nS(n:1以
上の整数)となるよう構成されたことを特徴とする。
【0025】本発明の半導体装置は、前記面素駆動用の
複数の薄膜トランジスタのチャネル領域が配列された間
隔Pgと、ドライバー回路を構成する複数の薄膜トラン
ジスタのチャネル領域が配列された間隔Pdとが異な
り、前記パルスレーザー光の順次走査間隔Sが、概略P
g=nS(n:1以上の整数)、且つPd=mS(m:
1以上の整数)となるよう構成されたことを特徴とす
る。
【0026】本発明の半導体装置は、前記レーザー光の
走査方向におけるチャネル領域が配列された間隔Pと、
結晶性ケイ素膜結晶化時のパルスレーザー光の順次走査
間隔Sとの比P/Sが、少なくともn−0.1<P/S
<n+0.1(n:1以上の整数)の範囲内となるよう
構成されることを特徴とする。
【0027】また、本発明の半導体装置は、前記請求項
5記載の半導体装置において、前記レーザー光の走査方
向におけるチャネル領域が配列された間隔Pと、結晶性
ケイ素膜結晶化時のパルスレーザー光の順次走査間隔S
との比P/Sが、n−0.05<P/S<n+0.05
(n:1以上の整数)の範囲内となるよう構成されたこ
とを特徴とする。
【0028】また、本発明の半導体装置は、前記パルス
レーザー光の走査方向におけるチャネル領域が配列され
た間隔Pと、結晶性ケイ素膜の結晶化時のレーザー光の
順次走査間隔Sとが、概略同一(P=S)となるよう構
成されることを特徴とする。特に、前記比P/Sは、少
なくとも0.9<P/S<1.1の範囲内となるように
するのが望ましい。さらに、前記比P/Sが、0.95
<P/S<1.05の範囲内となるようにするのが好ま
しい。
【0029】本発明の半導体装置の製造方法は、絶縁表
面を有する基板上にケイ素膜を形成する工程と、該ケイ
素膜に走査ピッチSの順次走査によりパルスレーザー光
を照射し、結晶化する工程と、該パルスレーザーの走査
方向に対して、概略前記走査ピッチSの整数倍となる間
隔Pにて、複数の薄膜トランジスタのチャネル領域をパ
ターニング形成する工程とを有することを特徴とする。
【0030】本発明の半導体装置の製造方法は、絶縁表
面を有する基板上にケイ素膜を形成する工程と、該ケイ
素膜を、複数の薄膜トランジスタのチャネル領域となる
ようパターニング形成することで、該複数の薄膜トラン
ジスタのチャネル領域を、後のレーザー走査方向に対し
一定の間隔Pにて配置する工程と、該複数の薄膜トラン
ジスタのチャネル領域に対して、その間隔Pの整数分の
1となるような走査ピッチSにて、パルスレーザーを定
められた方向に順次走査し、該チャネル領域を結晶化す
る工程とを有することを特徴とする。
【0031】本発明の半導体装置の製造方法は、絶縁表
面を有する基板上に形成されるケイ素膜が非晶質ケイ素
膜であり、該非晶質ケイ素膜を加熱することにより、固
相状態で結晶化する工程と、パルスレーザーの順次走査
により再結晶化する工程とを有することを特徴とする。
【0032】上述した半導体装置の製造方法において、
前記非晶質ケイ素膜を固相状態で結晶化する工程は、非
晶質ケイ素膜にその結晶化を助長する触媒元素を導入し
た後、行われることが好ましい。特に、非晶質ケイ素膜
の結晶化を助長する触媒元素として、Ni、Co、P
d、Pt、Cu、Ag、Au、ln、Sn、Al、Sb
から選ばれた一種または複数種類の元素を用いるのが望
ましい。前記種類の触媒元素の中でも、特にNi元素を
少なくとも用いるのが好ましい。
【0033】本発明の半導体装置の製造方法は、非晶質
ケイ素膜にその結晶化を助長する触媒元素を選択的に導
入し、加熱処理により該触媒元素が選択的に導入された
領域から、その周辺部へと横方向に結晶成長させること
により行われることを特徴とする。
【0034】上述した半導体装置の製造方法において、
前記ケイ素膜における横方向への結晶成長方向と、薄膜
トランジスタにおけるキャリアの移動方向とが、概略平
行となるよう構成されることが好ましい。
【0035】上述した半導体装置の製造方法は、該ケイ
素膜を、後に複数の薄膜トランジスタのチャネル領域と
なるよう、一定の間隔Pにてパターニング形成する際、
該薄膜トランジスタと接続されてなる補助容量成分の一
方の電極部も、レーザー走査方向に対して間隔Pにて、
同時にパターニング形成することを特徴とする。
【0036】本発明の半導体装置の製造方法は、前記ケ
イ素膜結晶化時のレーザー光の順次走査間隔Sと、順次
走査方向におけるケイ素膜表面でのレーザー光のビーム
幅Wとの比S/Wが、少なくとも0.2以下、すなわち
順次走査時のレーザー光のオーバーラップ照射領域が8
0%以上となるようにして、前記レーザー光照射工程が
行われることを特徴とする。
【0037】本発明の半導体装置の製造方法は、前記ケ
イ素膜結晶化時のレーザー光の順次走査間隔Sと、順次
走査方向におけるケイ素膜表面でのレーザー光のビーム
幅Wとの比S/Wが、さらに0.1以下、すなわち順次
走査時のレーザー光のオーバーラップ照射領域が90%
以上となるようにして、前記レーザー光照射工程が行わ
れることを特徴とする。
【0038】本発明の半導体装置の製造方法は、前記パ
ルスレーザー光は、そのビーム形状が照射面(ケイ素膜
表面)において長尺形状となるように設計されており、
該ビーム形状の長尺方向に対して垂直方向に順次走査す
ることで、前記複数の薄膜トランジスタのチャネル領域
を結晶化することを特徴とする。
【0039】また、上述した半導体装置の製造方法にお
いて、複数の薄膜トランジスタのチャネル領域を結晶化
するためのパルスレーザー光として、波長400nm以
下のレーザー光を用いることが望ましく、特に波長30
8nmのXeClエキシマレーザー光を用いることが好
ましい。
【0040】本発明の概要は、複数のTFTを有する半
導体装置において、パルスレーザー光の順次走査方向に
おけるTFTチャネル領域が配列された間隔Pと、TF
Tチャネル領域結晶化時のレーザー光の順次走査間隔S
とを、概略P=nS(n:0を除く整数)となるよう構
成することである。このように構成することで、レーザ
ー光走査方向に沿った各TFTチャネル領域は、順次走
査される各レーザーパルスにおいて、そのプロファイル
分布内の同様のエネルギー域で結晶化される。すなわ
ち、上述の図9において、ある素子が位置aなら全ての
素子が位置aの状態で、また、ある素子が位置dの場合
には全ての素子が位置dの状態で結晶化される。したが
って、本発明は、均一な結晶性ケイ素膜を得ることによ
り上記問題点を解決するのではなく、レーザー光走査に
より得られる結晶性ケイ素膜の不均一性を認め、その周
期性を利用して上記問題点を解決する。また、本発明
は、特開平7―92501号公報に記載の技術とは根本
的に異なり、レーザーパルスの精密な位置制御を必要と
しない。すなわち、該公報では各レーザーパルス内の最
もよい領域を用いて、それぞれの素子を結晶化する。そ
れに対して、本発明においては、それぞれの素子が各レ
ーザーパルスのどの領域を用いて結晶化されるかは全く
わからないが、各素子は各レーザーパルスの同様のエネ
ルギー域により結晶化される。したがって、図9の位置
aで結晶化されたものは、図9の位置dで結晶化された
ものより素子特性が悪くなるが、基板全体の素子にわた
って全て悪くなるため、均一性は良好となる。実際に本
発明を用い、画素TFTの間隔Pに対してP=nSとな
る順次走査ピッチSにてレーザー光走査を行い、液晶表
示装置を作製した場合、レーザー光走査起因により縞状
の表示不良を無くすことができ、本発明の有効性が証明
できた。
【0041】本発明を液晶表示用のアクティブマトリク
ス基板に適用した場合、画素TFTのチャネル部と共
に、該TFTに接続されてなる画素液晶容量と並列な補
助容量の一方の電極部も、レーザー光走査方向において
同様の間隔Pにて配列され、概略P=nS(n:1以上
の整数)となるレーザー光順次走査間隔Sにて結晶化さ
れるよう構成した。液晶表示装置においては、各面素T
FTヘのゲートパルスがオフされた際、MOS−TFT
の寄生容量との容量カップリングにより、画素液晶容量
に印加された電圧の電圧降下現象が生じる。この電圧降
下現象を小さくするために、通常、画素液晶容量と並列
に補助容量Csを設け、対向基板側の電圧を前記電圧降
下分だけシフトさせることで調整する。この補助容量C
sは、TFTのチャネル領域と同一層のケイ素膜を下部
電極として、該TFTのゲート絶縁膜と同―層によりそ
の容量成分が形成し、該TFTのゲート電極と同―層に
よりその上部電極を構成すれば、最も少ない面積で大き
な容量を形成でき、液晶表示パネルの開口率を上げるこ
とができる。
【0042】このとき、下部電極である結晶性ケイ素膜
は、TFTチャネル領域と同様、パルスレーザー光の順
次走査により結晶化され、その表面には凹凸が生じてい
る。従来、結晶性ケイ素膜の表面ラフネスのため、各補
助容量Cs容量値がばらつき、電圧降下量がばらついて
いたため、対向基板側の電圧では一部のものしか調整で
きず、最適値からずれたところではフリッカーなどの表
示むらが出現していた。本発明では、それぞれの補助容
量Csの下部電極は、各レーザーパルスの同様のエネル
ギー域により結晶化されるため、各補助容量Csの下部
電極の表面ラフネスは基板間では異なるものの、基板内
ではそのばらつきが±1nm以下とほぼ同様の平均面粗
さの値を示す。したがって、液晶表示装置における画面
内での各補助容量Csの容量値は、ほぼ―定値となり、
電圧降下量もまた一定となって、フリッカーなどの表示
不良を無くすことができる。また、本発明の性質上、パ
ネル内の均一性は良好であるが、パネル間では補助容量
Csの容量値は異なり、電圧降下量も異なる可能性があ
る。このような場合には、パネルによって対向基板側の
電圧を最適化することで対応可能であり、何ら問題は無
い。
【0043】また、マトリクス状に配列された画素TF
Tに加え、該TFTを駆動するドライバー回路を同―基
板上に有するドライバモノリシック型のアクティブマト
リクス半導体装置においては、画素TFTと共にそのド
ライバー回路を構成する複数のTFTのチャネル領域
も、パルスレーザー光の走査方向に対して間隔Pにて規
則的に配列され、概略P=nS(n:1以上の整数)と
なるような順次走査間隔Sにて結晶化されるよう構成し
た。これにより、ドライバー回路を構成する複数数のT
FTのチャネル領域は、全て同様な状態にて結晶化され
るため、TFT素子全体にわたって優れた特性均一性が
得られる。その結果、画素TFTを駆動するドライバー
回路の特性が安定し、液晶表示装置においてドライバー
回路の特性のばらつきに起因する表示むらなどの不良を
低減することができる。本発明では、特開平7―925
01号公報に記載の技術のように、画素TFTとドライ
バーTFTを共に同―ライン上に配置する必要はない。
すなわち、本発明は、画面内の画素TFTとドライバー
回路を構成する個々のTFTとが、異なるライン上にあ
ったとしても、画素TFT群全体において、またドライ
バー回路を構成する個々のTFT群全体において、それ
ぞれパルスレーザー光の走査方向に対して間隔Pにて規
則的に配列されていれば良い。すなわち、本発明では、
画素TFT群そしてドライバーTFT群に対して、それ
ぞれ独立に良好な均一性を実現するものである。
【0044】また、これらの理由により、本発明は、パ
ルスレーザー光の走査方向における画素TFTのチャネ
ル領域が配列された間隔Pgと、該方向におけるドライ
バー回路TFTのチャネル領域が配列された間隔Pdと
が異なるような場合にも適用可能である。すなわち、結
晶化時の該レーザー光の順次走査間隔Sが、概略Pg=
nS(n:1以上の整数)、且つPd=mS(m:1以
上の整数)となるようにすることで、画素TFTの特性
均一性とドライバーTFTの特性均一性をそれぞれ独立
に満足することができる。したがって、ドライバーTF
Tを画素TFTと同―ライン上に且つ同―ライン数を配
置する特開平7―92501号公報に記載の技術に比
べ、画素TFTのレイアウトに関係なくドライバーTF
Tを配置できることで、素子レイアウトの設計マージン
か増え、ドライバー回路の高集積化を図ることができ
る。
【0045】本発明においては、パルスレーザー光の走
査方向におけるTFTチャネル領域が配列された間隔P
と、該レーザー光の順次走査間隔Sとの比P/Sが、少
なくともn−0.1<P/S<n+0.1(n:1以上
の整数)の範囲内とすることが望ましい。本発明の第1
の応用例である液晶表示用アクティブマトリクス基板で
は、特に隣接画素間のTFT特性の不均一性が問題とな
る。すなわち、パルスレーザー順次走査に伴う従来の問
題点は、液晶表示装置においては、レーザー走査方向に
垂直な輝線あるいは黒線となって現れる。本発明では、
TFT隣接間の特性ばらつきをできる限り緩和すること
で、上記線状の表示不良を低減することを目的とする。
本発明者らが調べたところ、少なくとも10ライン以上
の面素TFTにわたって、チャネル領域の結晶性が連続
的に変化している場合には、液晶表示装置において若干
の縞状の表示むらは見られるが、上記のような明確な線
状の表示不良は見られないことがわかった。チャネル領
域の結晶性が連続的に変化しているというのは、図9に
おいて位置a、b、c、dのように、結晶化されるレー
ザーの状態が徐々にずれていくことを意味しており、1
0ライン以上毎の画素TFTラインにおいて、レーザー
結晶化状態が徐々にずれていき1サイクルするという意
味である。よって、本発明における概略P=nSの範囲
として、少なくともn−0.1<P/S<n+0.1
(n:1以上の整数)の範囲内であれば、レーザー走査
起因による上記のはっきりとした線状の表示不良は無く
すことができ、高表示品位の液晶表示装置が得られる。
【0046】さらに、20ライン以上毎の画素TFTラ
インにおいて、レーザー結晶化状態が徐々にずれていき
1サイクルする場合には、液晶表示装置において上記範
囲ではまだ見られていた縞状の表示むらもほとんど見ら
れない。よって、本発明における概略P=nSのより最
適な範囲としては、n−0.05<P/S<n+0.0
5(n:1以上の整数)の範囲内であり、この範囲内で
あれば、液晶表示装置において、レーザー走査起因によ
る表示不良はほとんど見られず、より高表示品位の液晶
表示装置が得られる。
【0047】特に、本発明においては、パルスレーザー
光の走査方向におけるTFTチャネル領域が配列された
間隔Pと、該レーザー光の順次走査間隔Sとが、概略同
―(P=S)となるよう構成されることが最も望まし
い。なぜなら、この場合にレーザー結晶化状態のずれに
対する許容範囲が最大となり、本発明を用いたプロセス
において最も大きなプロセスマージンを確保できるから
である。この場合のP/Sの比の範囲としては、上述の
理由から、少なくとも0.9<P/S<1.1の範囲内
であれば良い。また、より最適な範囲としては、0.9
5<P/S<1.05の範囲内であることが望ましい。
【0048】本発明の半導体装置の第1の製造方法は、
非晶質ケイ素膜を形成し、該ケイ素膜に対してパルスレ
ーザー光を照射して、走査ピッチSにて順次走査するこ
とでケイ素膜を結晶化した後、パルスレーザーの走査方
向に対して、概略前記走査ピッチSの整数倍となるよう
な間隔Pにて、ケイ素膜を、複数のTFTのチャネル領
域となるようにパターニング形成する方法である。ま
た、第2の製造方法は、非晶質ケイ素膜を形成し、複数
のTFTのチャネル領域となるようパターニング形成す
ることで、該複数のTFTのチャネル領域を、後のレー
ザー走査方向に対し一定の間隔Pにて配置し、該複数の
TFTのチャネル領域に対して、その間隔Pの整数分の
1となるような走査ピッチSにて、パルスレーザーを定
められた方向に順次走査し、前記チャネル領域を結晶化
する方法である。すなわち、前者(第1の方法)は、T
FTのチャネル領域となるケイ素膜のパターニング工程
をレーザー照射工程前に行うものであり、後者(第2の
方法)は、ケイ素膜のパターニング工程をレーザー照射
工程後に行うものである。後者では、パターニングされ
た島状のケイ素膜に対してレーザー照射を行うため、ケ
イ素膜の結晶化時に、島状のケイ素膜の端部は中央部に
比べて熱の逃げが小さく、その結果、島状のケイ素膜の
端部で結晶粒が大きく成長する。よって、第1の方法に
比べて、第2の方法により作製されたTFTの方が、チ
ャネル内の良好な結晶性を反映して、そのTFT特性は
より良好なものとなる。具体的には、特にオン特性が向
上し、電界効果移動度で2割程度向上する。しかしなが
ら、第2の方法では、ケイ素膜の島状領域の端部での結
晶性が良好な反面、その表面凹凸も端部で大きくなって
おり、その結果、TFT素子の信頼性は第1の方法に比
べて劣る。したがって、目的とする半導体装置によっ
て、上記第1の方法と第2の方法を使い分けることが望
ましい。
【0049】レーザー照射に対するスタート膜として
は、上述の非晶質ケイ素膜以外に、固相結晶化した結晶
性ケイ素膜を用いることも有効な手段である。非晶質ケ
イ素膜を加熱処理により固相結晶化した結晶性ケイ素膜
は、結晶性が悪く、そのままではTFTのチャネル領域
としては不適であるが、均一性が良好なため、レーザー
結晶化時の種結晶を作っておくという意味では有効であ
る。結晶性ケイ素膜にレーザー光を照射した場合には、
その結晶情報をある程度残した状態で再結晶化される。
固相結晶化による結晶性ケイ素は、良好な均一性を有し
ているため、レーザー照射による再結晶化後も、その均
一性がある程度反映される。よって、本発明における半
導体装置の製造方法において、固相結晶化による結晶性
ケイ素膜に対して、レーザーを順次走査し、再結晶化す
ることで、本発明の目的とする素子特性の均一性をさら
に向上できる。
【0050】この固相結晶化工程としては、非晶質ケイ
素膜に、その結晶化を助長する触媒元素を導入した後、
行われることが望ましい。この方法により、加熱温度の
低温化および処理時間の短縮、そして結晶性の向上が図
れる。具体的には、非晶質ケイ素膜の表面にニッケルや
パラジウム等の金属元素を微量に導入させ、しかる後に
加熱することで、550℃、4時間程度の処理時間で結
晶化が終了する。これに対し、通常の触媒元素を用いな
い固相結晶化には、600℃以上で数十時間にわたる熱
処理が必要である。また、触媒元素により結晶化した結
晶性ケイ素膜は、通常の固相成長法で結晶化した結晶性
ケイ素膜の一つの粒内が双晶構造であるのに対して、そ
の粒内は何本もの柱状結晶ネットワークで構成されてお
り、それぞれの柱状結晶内部はほぼ単結晶状態となって
いる。
【0051】この触媒元素により結晶化された結晶性ケ
イ素膜は、レーザー照射による再結晶化工程と非常に相
性が良い。レーザー照射による再結晶化工程では、最初
の結晶性がある程度反映され、通常の固相結晶化による
結晶性ケイ素膜では、双晶構造を反映して、結晶欠陥の
多い結晶性ケイ素膜となる。これに対して、蝕媒元素に
よる固相結晶化ケイ素膜の場合は、レーザー照射により
再結晶化によって、それぞれの柱状結晶が結合し、広範
囲にわたって非常に結晶性が良好な結晶性ケイ素膜が得
られる。
【0052】さらに、非晶質ケイ素膜の一部に選択的に
蝕媒元素を導入し加熱することで、まず選択的に触媒元
素が導入された領域のみが結晶化し、その後、その導入
領域から横方向(基板と平行な方向)に結晶成長を行わ
せることかできる。この横方向の結晶成長領域の内部で
は、成長方向がほぼ一方向に揃った柱状結晶がひしめき
合っており、触媒元素が直接導入されランダムに結晶核
の発生が起こった領域に比べて、結晶性が良好な領域と
なっている。よって、この横方向結晶成長領域の結晶性
ケイ素膜をTFTのチャネル領域に用いることにより、
より半導体装置の高性能化が行える。このとき、該ケイ
素膜における横方向への結晶成長方向と、TFTにおけ
るキャリアの移動方向とが、概略平行となるように構成
すれば、原理的にはキャリアの移動方向に結晶粒界が存
在せず、キャリアの散乱確立が減少するため、より高移
動度なTFTを実現できる。
【0053】本発明に利用できる触媒元素の種類として
は、Ni、Co、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、l
n、Sn、Al、Sbを利用することができる。これら
から選ばれた一種または複数種類の元素であれば、微量
で結晶化助長の効果がある。それらの中でも、特にNi
を用いた場合に最も顕著な効果を得ることができる。こ
の理由については、未だよくわかっていないが、―応次
のようなモデルを考えている。触媒元素は単独では作用
せず、ケイ素膜と結合しシリサイド化することで結晶成
長に作用する。そのときの結晶構造が、非晶質ケイ素膜
結晶化時に―種の鋳型のように作用し、非晶質ケイ素膜
の結晶化を促すといったモデルである。Niは2つのS
iとNiSi2のシリサイドを形成する。NiSi2は螢
石型の結晶構造を示し、その結晶構造は、単結晶ケイ素
のダイヤモンド構造と非常に類似したものである。しか
も、NiSi2はその格子定数が5.406Åであり、
結晶シリコンのダイヤモンド構造での格子定数5.43
0Åに非常に近い値をもつ。よって、NiSi2は、非
晶質ケイ素膜を結晶化させるための鋳型としては最高の
ものであり、本発明における触媒元素としては、特にN
iを用いるのが最も望ましい。
【0054】本発明の製造方法においては、液晶表示用
アクティプマトリクス基板を作製する場合、ケイ素膜を
複数のTFTのチャネル領域となるよう一定の間隔Pに
てパターニング形成する際に、該TFTと接続されてな
る補助容量成分の一方の電極部もレーザー走査方向に対
して間隔Pにて同時にパターニング形成されることが望
ましい。これにより、工程数を増加することなく、補助
容量成分がTFTと同時に構成されると共に、レーザー
走査照射によるケイ素膜表面凹凸のための補助容量のば
らつきを低減することができ、液晶表示装置においてフ
リッカーなどの表示不良の発生を防ぐことができる。
【0055】また、本発明の製造方法においては、ケイ
素膜結晶化時のレーザー光の順次走査間隔Sと、走査方
向におけるケイ素膜表面での該レーザー光のビーム幅W
との比S/Wが、少なくとも0.2以下、すなわち順次
走査時のレーザー光のオーバーラップ照射領域が80%
以上となるようにして、該レーザー光照射工程が行われ
るように構成した。本発明は、特開平7―92501号
公報のようにTFTチャネル領域に対してレーザー光の
位置制御を行うものでないので、図9におけるレーザー
順次走査に対して、位置a、b、c、dのどの状態で結
晶化されるかは全く分からない。したがって、全ての素
子が均一に結晶化されるとは言え、最悪の状態で結晶化
された場合でも十分使用できる性能を保持する必要があ
る。一般にレーザー光のS/W比が小さいほど、すなわ
ちレーザー光のオーバーラップ量が大きいほど均―性は
向上する。本発明者らが調べたところ、レーザー光走査
時のS/W比、すなわちレーザー光のオーバーラップ照
射領域を変化させ、本発明による半導体装置を作製した
場合、S/Wが0.2、すなわちオーバーラップ量を8
0%に設定した際のパネル間(サンプル数24)でのT
FTの電界効果移動度のばらつきは±20%程度であっ
た。よって、この状態で、各パネルにおいて、最大の電
界効果移動度をもつものと最小の電界効果移動度をもつ
パネルとでは、ほぼ倍の値となっており、これ以上のば
らつきは、素子設計の面から許容できない。したがっ
て、本発明では、ケイ素膜結晶化時のレーザー光の順次
走査のS/W比が、少なくとも0.2以下、すなわちレ
ーザー光のオーバーラップ照射領域が80%以上である
必要がある。
【0056】上記範囲内で本発明による半導体装置を一
応は安定して作製できるが、さらにパネル間での素子特
性のばらつきを低減し、素子設計やその駆動関係におい
てマージンを大きくすることが要求される場合がある。
各パネル間における素子特性のばらつきとしては、素子
設計および駆動関係の両面から見て、±10%以内であ
れば誤差として見なされ、修正や変更などの対応を加え
る必要が全くなくなる。このときのレーザー光走査時の
S/W比、すなわちレーザー光のオーバーラップ量とし
ては、上記実験からS/W比が0.1以下、すなわちオ
ーバーラップ照射領域が90%以上であることがわかっ
た。また、この範囲内においては、均一性はほぼ飽和に
達しており、この範囲内では均一性は大きく変化しな
い。したがって、前記S/W比およびオーバーラップ量
の範囲が、本発明における最適範囲となる。
【0057】前記パルスレーザー光としては、そのビー
ム形状が照射面において長尺形状となるように設計され
たものを用い、該ビーム形状の長尺方向に対して垂直方
向に順次走査することで、TFTチャネル領域および容
量成分の電極部を結晶化することが望ましい。なぜな
ら、走査照射においては、走査方向に対して垂直方向の
均一性は比較的良好なため、その方向へとビームサイズ
を拡げることで、大型基板などに対して、より均一な処
理が可能となり、この工程の処理効率も高くなるからで
ある。
【0058】また、前記パルスレーザー光としては、波
長が400nm以下であれば、ケイ素膜がその波長域に
対して大きな吸収係数を持つため、そのエネルギーを効
率的にケイ素膜に与えられ、良好な結晶性ケイ素膜が得
られるとともに、下層のガラス基板などへの熱的ダメー
ジも非常に小さくて済む。さらに、これら波長400n
m以下のレーザー光の中でも、特に波長308nmのX
eClエキシマレーザー光は、発振出力が高く、安定性
が高いため、そのビームサイズをある程度拡げることが
でき、大面積基板のケイ素膜のアニール手段としては最
も適している。
【0059】
【発明の実施の形態】
(実施例1)本発明を用いた第1の実施例について説明
する。本実施例では、本発明を利用し、ガラス基板上に
液晶表示装置用のアクティブマトリクス基板を作製する
際の工程について説明を行う。本発明のアクティブマト
リクス基板においては、各画素電極をスイッチングする
ための素子としてN型TFTが形成されている。
【0060】以下において、図1は、本実施例の概要を
示す平面図である。図2は本実施例のアクティブマトリ
クス基板において、任意のTFTの作製工程を示す断面
図であり、(A)→(E)の順にしたがって作製工程が
順次進行する。図2(E)が、本実施例にて作製したア
クティブマトリクス基板での画素電極をスイッチングす
る画素TFT123の完成図である。
【0061】まず、図2(A)に示すように、ガラス基
板101上に例えばスパッタリング法によって厚さ30
0nm程度の酸化ケイ素からなる下地膜102を形成す
る。この下地膜102は、ガラス基板からの不純物の拡
散を防ぐために設けられる。次に、減圧CVD法やプラ
ズマCVD法などによって、厚さ20〜100nm、例
えば30nmの非晶質ケイ素(a―Si)膜103を成
膜する。プラズマCVD法により前記a―Si膜103
を成膜した場合には、その膜中に多量の水素を含有し、
後のレーザー照射時の膜剥がれの原因となるため、ここ
で450℃程度の温度で数時間熱処理を行い、膜中の水
素を放出しておく必要がある。
【0062】その後、図2(B)に示すように、レーザ
ー光108を照射し、a―Si膜103を結晶化する。
このときのレーザー光としては、XeClエキシマレー
ザー(波長308nm、パルス幅40sec)を用い
た。レーザー光108の照射条件は、照射時に基板を2
00〜500℃、例えば400℃に加熱し、エネルギー
密度200〜350mJ/cm2、例えば300mJ/
cm2とした。レーザー光108は、基板表面における
ビームサイズが150mm×lmmの長尺矩形状となる
ように、ホモジナイザーによって成型されており、その
長辺方向に対して垂直方向に、すなわち図1においてレ
ーザー走査方向127へ順次走査される。このときの順
次走査に伴う光ビームのオーバーラップ量は、95%と
設定した。したがって、図1における走査ピッチ128
は50μmとなり、a―Si膜103の任意の一点に対
して、それぞれ20回レーザー照射されることになる。
この工程により、a―Si膜103はその融点以上に加
熱され、溶融し固化することで良好な結晶性を有する結
晶性ケイ素膜103aとなる。
【0063】次に、前記結晶性ケイ素膜103aの不要
な部分をパターニングして除去することで、図2(C)
に示すような素子間分離を行って、後にTFTの活性領
域(ソース領域、ドレイン領域、チャネル領域)を構成
する島状の結晶性ケイ素膜109を形成する。このとき
基板101を上方より見ると、図1のように各TFTの
活性領域となる島状の結晶性ケイ素膜109が配置され
ている。レーザー走査方向127での各TFT活性領域
の島状の結晶性ケイ素膜109の配列間隔129は、1
00μmとして設計されている。よって、このTFTの
配列間隔129は、レーザー走査ピッチ128に対して
2倍の値となるようにしてある。
【0064】尚、図1には、画素TFT123におい
て、チャネル領域114、ソース領域115、ドレイン
領域116をそれぞれ表している。
【0065】次に、図2(D)に示すように、上記活性
領域となる島状の結晶性ケイ素膜109を覆うように厚
さ20〜150μm、ここでは100μmの酸化ケイ素
膜をゲート絶縁膜110として成膜する。酸化ケイ素膜
の形成には、ここではTEOS(Tetra Etho
xy Ortho Silicate)を原料とし、酸
素とともに基板温度150〜600℃、好ましくは30
0〜450℃で、RFプラズマCVD法で分解・堆積し
た。あるいはTEOSを原料としてオゾンガスとともに
減圧CVD法もしくは常圧CVD法によって、基板温度
を350〜600℃、好ましくは400〜550℃とし
て形成してもよい。
【0066】引き続いて、スパッタリング法によって、
厚さ300〜600nm、例えば400nmのアルミニ
ウムを成膜する。そして、アルミニウム膜をパターニン
グして、ゲート電極111を形成する。さらに、このア
ルミニウムの電極の表面を陽極酸化して、表面に酸化物
層112を形成する。この状態が図2(D)に相当す
る。陽極酸化は、酒石酸が1〜5%含まれたエチレング
リコール溶液中で行い、最初―定電流で220Vまで電
圧を上げ、その状態で1時間保持して終了させる。得ら
れた酸化物層112の厚さは200nmである。なお、
この酸化物層112は、後のイオンドーピング工程にお
いて、オフセットゲート領域を形成する厚さとなるの
で、オフセットゲート領域の長さを上記陽極酸化工程で
決めることができる。
【0067】次に、イオンドーピング法によって、ゲー
ト電極111とその周囲の酸化物層112をマスクとし
て活性領域に不純物(リン)を注入する。ドーピングガ
スとして、フォスフィン(PH3)を用い、加速電圧を
60〜90kV、例えば80kV、ドーズ量を1×10
15〜8×1015cm-2、例えば2×1015cm-2とす
る。この工程により、不純物が注入された領域は後にT
FTのソース領域115、ドレイン領域116となり、
ゲート電極111およびその周囲の酸化物層112にマ
スクされ不純物が注入されない領域は、後にTFTのチ
ャネル領域114となる。
【0068】その後、図2(D)に示すように、レーザ
ー光113の照射によってアニールを行い、イオン注入
した不純物の活性化を行うと同時に、上記の不純物導入
工程で結晶性が劣化した部分の結晶性を改善させる。こ
の際、使用するレーザーとしてはXeClエキシマレー
ザー(波長308nm、パルス幅40nsec)を用
い、エネルギー密度150〜400mJ/cm2、好ま
しくは200〜250mJ/cm2で照射を行った。こ
うして形成されたN型不純物(リン)を導入したソース
領域115、ドレイン領域116のシート抵抗は、20
0〜800Ω/口であった。
【0069】そして、図2(E)に示すように、厚さ6
00nm程度の酸化ケイ素膜を層間絶縁膜117として
形成する。該酸化ケイ素膜は、TEOSを原料として、
これと酸素とのプラズマCVD法、もしくはオゾンとの
減圧CVD法あるいは常圧CVD法によって形成すれ
ば、段差被覆性に優れた良好な層間絶縁膜が得られる。
【0070】次に、層間絶縁膜117にコンタクトホー
ルを形成して、ソース電極118とドレイン電極119
を形成する。ソース電極118は、金属材料、例えば、
窒化チタンとアルミニウムの二層膜によって形成する。
窒化チタン膜は、アルミニウムが半導体層に拡散するの
を防止する目的のバリア膜として設けられる。画素電極
はITOなど透明導電膜により形成される。
【0071】そして最後に、1気圧の水素雰囲気で35
0℃、1時間程度のアニールを行い、図2(E)に示す
N型TFT123を完成させる。該アニール処理によ
り、TFT123の活性領域/ゲート絶縁膜の界面へ水
素原子を供給し、TFT特性を劣化させる不対結合手を
低減する効果がある。なお、さらにTFT123を保護
する目的で、必要な箇所のみSiH4とNH3を原料ガス
としたプラズマCVD法により形成された窒化ケイ素膜
でカバーしてもよい。
【0072】以上の実施例にしたがって作製した各TF
Tは、全パネルにおいて、電界効果移動度で40〜80
cm2/Vs、閾値電圧1.5〜3Vという良好な特性
を示した。また、パネル間では前記範囲内でTFT特性
がばらついていたが、パネル内のTFTの均一性は電界
効果移動度で±8%程度、閾値電圧で±0.2V程度と
非常に良好であった。その結果、本実施例にて作製した
アクティブマトリクス基板を用い、液晶表示パネルを作
製し、全面表示を行った結果、TFT特性の不均一性に
起因する表示むらは大きく低減され、高表示品位の液晶
表示装置が実現できた。
【0073】(実施例2)本発明を用いた第2の実施例
について説明する。本実施例においても、本発明を利用
し、ガラス基板上に液晶表示装置用のアクティブマトリ
クス基板を作製する際の工程について、説明を行う。本
実施例のアクティブマトリクス基板においては、各面素
電極をスイッチングするための素子としてN型TFTが
形成され、そのドレイン領域側には画素液晶容量と並列
に補助容量Csが設けられている。
【0074】以下において、図3は本実施例の概要を示
す平面図である。また、図4は、本実施例の任意の画素
TFTおよび補助容量Csの作製工程の概要を示す断面
図であり、(A)→(E)の順にしたがって作製工程が
順次進行する。図4(E)に示されるのが本実施例にて
作製した画素TFTおよびその補助容量Csの完成図で
あり、N型TFT223、補助容量224を示す。
【0075】まず、図4(A)に示すように、ガラス基
板201上に例えばスパッタリング法によって厚さ30
0nm程度の酸化ケイ素からなる下地膜202を形成す
る。この下地膜202は、ガラス基板からの不純物の拡
散を防ぐために設けられる。
【0076】次に、減圧CVD法やプラズマCVD法な
どによって、厚さ20〜100nm、例えば30nmの
非晶質ケイ素(a―Si)膜203を成膜する。
【0077】次に、前記a―Si膜203の不要な部分
をパターニングして除去することで、図4(B)に示す
ような素子間分離を行って、後にTFTの活性領域(ソ
ース領域、ドレイン領域、チャネル領域)および補助容
量Csの下部電極を構成する島状のa―Si膜209を
形成する。
【0078】続いて、同じく図4(B)に示すように、
上記島状のa―Si膜209上にフォトレジストを塗布
し、露光・現像してマスク204とする。すなわち、マ
スク204により、後にTFTのチャネル領域214と
なる部分のみが覆われた状態となっている。そして、イ
オンドーピング法によって、フォトレジストよりなるマ
スク204をマスクとして、不純物(リン)206を注
入する。ドーピングガスとして、フォスフィン(P
3)を用い、加速電圧を5〜30kV、例えば15k
V、ドーズ量を1×1015〜8×1015cm-2、例えば
2×1015cm-2とする。この工程により、不純物が注
入された領域は後のTFT223のソース領域215と
なり、また別の領域はTFT223のドレイン領域と補
助容量Cs224の下部電極の連続領域216を形成す
る。フォトレジストよりなるマスク204にマスクされ
不純物206が注入されない領域は、上述のように後に
TFT223のチャネル領域214となる。
【0079】ここで、この状態を基板上方より見ると、
図3のようになっている。すなわち、各TFT223と
補助容量Cs224は同一ライン上に配列され、後の工
程であるレーザー照射の走査方向227の方向に対し
て、レーザー走査ピッチ229にて等間隔に配列されて
いる。このときの配列間隔229は、本実施例では実際
に100μmに設定した。
【0080】その後、フォトレジストのマスク204を
除去する。上記a―Si膜203がプラズマCVD法に
より形成された場合や、上記のイオンドーピング工程が
質量分離されずに行われている場合には、a―Si膜2
03中に多量の水素元素が含まれており、レーザー結晶
化工程前に脱水素処理を行う必要がある。この処理は4
50℃程度の温度で数時間アニール処理を行えばよい。
【0081】そして、図4(C)に示すように、レーザ
ー光208を照射し、島状のa―Si膜209を結晶化
する。このときのレーザー光としては、XeClエキシ
マレーザー(波長308nm、パルス幅40nsec)
を用いた。レーザー光208の照射条件は、照射時に基
板を200〜500℃、例えば400℃に加熱し、エネ
ルギー密度200〜350mJ/cm2、例えば300
mJ/cm2とした。レーザー光208は、図3に示す
横方向へ順次レーザー走査方向227に走査した。基板
面に照射されるレーザービームのサイズは、150mm
×lmmの長尺形状とし、その短辺方向を走査方向とし
た。レーザービームのオーバーラップ量を90%と設定
したため、各パルスショット間の基板送り距離であるレ
ーザー走査ピッチ228は、100μmとなり、a―S
i膜203の任意の一点に対して、それぞれ10回レー
ザー照射されたことになる。すなわち、レーザー走査方
向227での各TFT活性領域および補助容量Csの島
状のa−Si膜209の配列間隔229は、100μm
として設定されているので、レーザー走査ピッチ228
と同―の値となる。この工程により、a―Si膜203
はその融点以上に加熱され、溶融し固化することで良好
な結晶性を有する結晶性ケイ素膜203aとなると共
に、不純物206がドーピングされたソース領域215
と、ドレイン領域と補助容量Csの下部電極の連続領域
216では不純物が活性化され、低抵抗化される。その
結果、ソース領域215、連続領域216のシート抵抗
は200〜800Ω/口となった。
【0082】次に、図4(D)に示すように、島状の結
晶性ケイ素膜209を覆うように厚さ20〜150n
m、ここでは100nmの酸化ケイ素膜をゲート絶縁膜
210として成膜する。酸化ケイ素膜の形成には、ここ
ではTEOSを原料とし、酸素とともに基板温度300
〜400℃で、RFプラズマCVD法で分解・堆積し
た。成膜後、ゲート絶縁膜210自身のバルク特性およ
び結晶性ケイ素膜\ゲート絶縁膜の界面特性を向上する
ために、不活性ガス雰囲気下で400〜600℃で数時
問のアニールを行った。
【0083】引き続いて、スパッタリング法によって、
厚さ300〜600nm、例えば400nmのアルミニ
ウムを成膜する。そして、アルミニウム膜をパターニン
グして、ゲート電極211gと補助容量Cs224の上
部電極211cを形成する。ここで、作製目的のアクテ
ィブマトリクス基板において、ゲート電極211gは平
面的に見れば第n番目のゲートバスラインであり、補助
容量Csの上部電極211cは第n+1番目のゲートバ
スラインとして構成されている。
【0084】そして、図4(E)に示すように、厚さ5
00nm程度の酸化ケイ素膜を層間絶縁膜217として
形成する。該酸化ケイ素膜は、TEOSを原料として、
これと酸素とのプラズマCVD法、もしくはオゾンとの
減圧CVD法あるいは常圧CVD法によって形成すれ
ば、段差被覆性に優れた良好な層間絶縁膜が得られる。
【0085】次に、層間絶縁膜217にコンタクトホー
ルを形成して、ソース電極218とドレイン電極219
を形成する。ソース電極218は、金属材料、例えば、
窒化チタンとアルミニウムの二層膜によって形成する。
窒化チタン膜は、アルミニウムが半導体層に拡散するの
を防止する目的のバリア膜として設けられる。画素電極
はITOなど透明導電膜により形成される。
【0086】そして最後に、1気圧の水素雰囲気で35
0℃、1時間程度のアニールを行い、図4(E)に示す
TFT223および補助容量Cs224を完成させる。
このアニール処理により、TFT223の活性領域/ゲ
ート絶縁膜の界面へ水素原子を供給し、TFT特性を劣
化させる不対結合手を低減する効果がある。なお、さら
にTFT223を保護する目的で、必要な箇所のみプラ
ズマCVD法により形成された窒化ケイ素膜でカバーし
てもよい。
【0087】以上の実施例にしたがって作製したTFT
は、電界効果移動度で40〜80cm2/Vs、閾値電
圧1.5〜3Vという良好な特性を示した。また、パネ
ル間では前記範囲内でTFT特性がばらついていたが、
パネル内のTFTの均一性は電界効果移動度で±5%程
度、閾値電圧で±0.2V以下と非常に良好であった。
また、TFT223のチャネル領域214および補助容
量Cs224の下部電極216の表面ラフネスを原子間
力顕微鏡(AFM)にて測定したところ、平均面粗さR
aの値において、チャネル領域214では4〜7nm、
補助容量Csの下部電極216では6〜9nmであった
が、個々のパネル内においては、それぞれ同様な状態に
て結晶化されているため、チャネル領域214および補
助容量Csの下部電極216のそれぞれにおいて、その
ばらつきは±lnm以下と、ほぼ同様の平均面粗さRa
値を示した。
【0088】そして、実際に本実施例にて作製したアク
ティブマトリクス基板を用い、液晶表示パネルを作製
し、全面表示を行った結果、以前見られていた縞状の表
示むらは見られず、高表示品位の液晶表示装置が実現で
きた。
【0089】(実施例3)本発明を用いた第3の実施例
について説明する。本実施例では、ドライバモノリシッ
ク型のアクティブマトリクス基板の作製工程についての
説明を行う。本実施例において、アクティブマトリクス
部の画素TFTはN型TFTで構成されている。また、
この画素TFTと同一基板上にはドライバー回路部を構
成するTFT素子が形成されており、N型TFTとP型
TFTを相補型に構成したCMOS構造の回路を用いて
説明を行う。
【0090】図5は、本実施例で説明するドライバモノ
リシック型アクティブマトリクス基板の概要を示す平面
図である。図6は、ドライバー回路を構成する基板内の
任意のCMOS回路の作製工程の概要を示す平面図であ
る。図7は、図5のA―A'で切ったCMOS回路の作
製工程を示す断面図であり、(A)→(F)の順にした
がって工程が順次進行する。また、図8は、基板内の任
意の画素TFTの作製工程を示す断面図であり、図7に
示されるCMOS回路の作製工程と同時に、(A)→
(F)の順にしたがって工程が順次進行する。図7
(F)は、本実施例によるドライバモノリシック型アク
ティブマトリクス基板におけるCMOS回路の完成図を
示し、N型TFT325とP型TFT326により構成
される。また、図8(F)は、本実施例によるドライバ
モノリシック型アクティブマトリクス基板における画素
TFT(N型TFT)323の完成図を示す。
【0091】まず、図7(A)、図8(A)に示すよう
に、ガラス基板301上に例えばスパッタリング法によ
って厚さ300nm程度の酸化ケイ素からなる下地膜3
02を形成する。この下地膜302は、ガラス基板から
の不純物の拡散を防ぐために設けられる。次に、減圧C
VD法あるいはプラズマCVD法によって、厚さ20〜
100nm、例えば50nmの真性(I型)の非晶質ケ
イ素膜(a―Si膜)303を成膜する。
【0092】次に、a―Si膜303上に感光性樹脂
(フォトレジスト)を塗布し、露光・現像してマスク3
04とする。このとき、CMOS回路部においては、フ
ォトレジストマスク304のスルーホールにより、領域
300においてスリット状にa―Si膜303が露呈さ
れる。即ち、図7(A)の状態を上面から見ると、図6
のように領域300でa―Si膜303がスリット状に
露呈しており、他の部分はフォトレジストによリマスク
されている状態となっている。また、画素TFT部で
は、図8(A)に示すように、a―Si膜303上のフ
ォトレジストマスク304は全て除去されており、a―
Si膜303全面が露呈している。
【0093】次に、図7(A)、図8(A)に示すよう
に、基板301の表面にニッケル等の触媒元素膜305
を薄膜蒸着する。本実施例では、蒸着ソースと基板間の
距離を通常より大きくして、蒸着レートを低下させるこ
とで、ニッケルの等の触媒元素膜305の厚さが1nm
程度以下となるように制御した。このときの基板301
上におけるニッケル等の触媒元素膜305の面密度を実
際に測定すると、1×1013atoms/cm2程度で
あった。そして、図7のCMOS回路においては、フォ
トレジストマスク304を除去することで、マスク30
4上のニッケル等の触媒元素膜305がリフトオフさ
れ、領域300のa―Si膜303において、選択的に
ニッケル等の触媒元素の微量添加が行われたことにな
る。これに対し、図8に示す画素TFT部では、a―S
i膜303全面にニッケル等の触媒元素の微量添加が行
われている。そして、これを不活性雰囲気下、例えば加
熱温度550℃で8時間アニールして結晶化させる。
【0094】この際、図7(B)および図8(B)に示
すように、a―Si膜303の表面に添加されたニッケ
ル等の触媒元素を核として基板301に対して垂直方向
にa−Si膜303の結晶化が起こり、結晶性ケイ素膜
303bが形成される。この現象は、図7(B)のCM
OS回路部においては、ニッケル等の触媒元素が選択添
加された領域300においてのみ生じる。そして、領域
300の周辺領域では、図6および図7(B)におい
て、矢印307で示す結晶成長方向に、領域300から
横方向(基板と平行な方向)に結晶成長が行われ、横方
向結晶成長した結晶性ケイ素膜303cが形成される。
また、それ以外の領域303は、そのまま非晶質ケイ素
膜領域303dとして残る。なお、上記結晶成長に際
し、矢印307で示される基板と平行な方向の結晶成長
の距離は、40μm程度であった。
【0095】その後、図7(C)および図8(C)に示
すように、レーザー光308を照射し、a−Si膜30
3の再結晶化を行う。このときのレーザー光としては、
XeClエキシマレーザー(波長308nm、パルス幅
40nsec)を用いた。このときのレーザー光308
の照射条件は、照射時に基板を200〜500℃、例え
ば400℃に加熱し、エネルギー密度200〜350m
J/cm2、例えば320mJ/cm2とした。レーザー
光308は、基板表面におけるビームサイズが150m
m×lmmの長尺矩形状となるように、ホモジナイザー
によって成型されており、その長辺方向に対して垂直方
向に、すなわち図5においてレーザー走査方向327に
順次走査される。このときの順次走査に伴うビームのオ
ーバーラップ量は、95%と設定した。したがって、図
5におけるレーザー走査ピッチ328は50μmとな
り、a−Si膜303の任意の一点に対して、それぞれ
20回レーザー照射されることになる。この工程によ
り、結晶性ケイ素領域303bおよび303cはその融
点以上に加熱され、溶融し固化することで、一部を種結
晶として再結合し、さらに良好な結晶性ケイ素領域30
3b'、および303c'となる。また、a−Si膜30
3dは、結晶化され結晶性ケイ素膜303aとなる。
【0096】その後、CMOS回路部では、図6および
図7(D)に示すように、高品質結晶性ケイ素膜303
c'領域が、後のTFTの活性領域(素子領域)となる
島状の結晶性ケイ素膜309n、309pとなるよう
に、また、画素TFTでは、図8(D)に示すように、
高品質結晶性ケイ素膜303b'領域が、後のTFTの
活性領域となる島状の結晶性ケイ素膜309gとなるよ
うに、それ以外の結晶性ケイ素膜をパターニングにより
エッチング除去して素子間分離を行う。このとき基板3
01を上方より見ると、図5のように各TFTの活性領
域となる島状の結晶性ケイ素膜309がそれぞれ配置さ
れている。図5からわかるように、本実施例では、レー
ザー光の走査方向327での各TFTの活性領域となる
島状の結晶性ケイ素膜309の配置間隔は、ドライバー
回路部と画素部で異なるように配置されている。実際に
は、本実施例で説明中のCMOS回路のTFTの活性領
域となる島状の結晶性ケイ素膜309n、309pの配
置間隔330は、50μmとして設計されており、画素
TFTの活性領域となる島状の結晶性ケイ素膜309g
の配置間隔329は、100μmとして設計されてい
る。よって、本実施例では、レーザー走査ピッチ328
に対して、ドライバー回路(CMOS回路)部のTFT
の配列間隔330は同一となるように、そして、画素T
FTの配列間隔329は、その2倍の値となるように設
計してある。このように配置することで、画素TFTの
配列ピッチに対してドライバー回路のレイアウトが大き
く左右されず、どのような仕様のアクティブマトリクス
基板においても、集積度の高いドライバー回路を形成す
ることができる。尚、図5には、各々のTFT323、
325、326と、そのチャネル領域314、ソース領
域315、ドレイン領域316をそれぞれ表している。
【0097】次に、図7(E)および図8(E)に示す
ように、上記の活性領域となる結晶性ケイ素膜309n
および309p、309gを覆うように厚さ100nm
の酸化ケイ素膜をゲート絶縁膜310として成膜する。
酸化ケイ素膜の形成には、ここではTEOSを原料と
し、酸素とともに基板温度300〜400℃で、RFプ
ラズマCVD法で分解・堆積した。成膜後、ゲート絶縁
膜310自身のバルク特性および結晶性ケイ素膜\ゲー
ト絶縁膜の界面特性を向上するために、不活性ガス雰囲
気下で400〜600℃で数時間のアニールを行った。
【0098】引き続いて、図7(E)および図8(E)
に示すように、スパッタリング法によって厚さ400〜
800nm、例えば500nmのアルミニウム(0.1
〜0.2%のシリコンを含む)を成膜し、このアルミニ
ウム膜をパターニングして、ゲート電極311n、31
1p、311gを形成する。
【0099】次に、イオンドーピング法によって、活性
領域となる島状の結晶性ケイ素膜309n、309p、
309gにゲート電極311n、311p、311gを
マスクとして不純物(リン、およびホウ素)を注入す
る。ドーピングガスとして、フォスフィン(PH3)お
よびジボラン(B26)を用い、前者の場合は、加速電
圧を60〜90kV、例えば80kV、後者の場合は、
40kV〜80kV、例えば65kVとし、ドーズ量は
1×1015〜8×1015cm-2、例えばリンを2×10
15cm-2、ホウ素を5×1015cm-2とする。この工程
により、ゲート電極311n、311p、311gにマ
スクされ不純物が注入されない領域は後にTFTのチャ
ネル領域314n、314p、314gとなる。ドーピ
ングに際しては、ドーピングが不要な領域をフォトレジ
ストで覆うことによって、それぞれの元素を選択的にド
ーピングを行う。この結果、N型の不純物を導入したソ
ース領域315nとドレイン領域316n、P型の不純
物を導入したソース領域315pとドレイン領域316
pが形成され、図7(E)および(F)に示すように、
Nチャネル型TFT325とPチャネル型TFT326
とを形成することができる。この状態を基板上方より見
ると図6のようになっており、ここで活性領域となる島
状の結晶性ケイ素膜309nおよび309pにおいて、
結晶成長方向を示す矢印307とキャリアの移動方向
(ソース→ドレイン方向)は平行となるように配置して
ある。このような配置を採ることで、さらに高移動度を
有するTFTが得られる。また、図8(E)および
(F)に示す画素TFT323は、CMOS回路のN型
TFT325のN型不純物領域が形成されるのと同時
に、そのN型不純物が導入されたソース領域315gと
ドレイン領域316gが形成される。
【0100】その後、図7(E)および図8(E)に示
すように、レーザー光313の照射によってアニールを
行い、イオン注入した不純物の活性化を行う。レーザー
光としては、XeClエキシマレーザー(波長308n
m、パルス幅40nsec)を用い、レーザー光の照射
条件としては、エネルギー密度250mJ/cm2で―
か所につき4ショット照射した。
【0101】続いて、図7(F)および図8(F)に示
すように、厚さ600nmの酸化ケイ素膜を層間絶縁膜
317として、TEOSを原料としたプラズマCVD法
によって形成し、これにコンタクトホールを形成して、
金属材料、例えば、窒化チタンとアルミニウムの二層膜
によってTFTのソース電極とソースバス配線318、
ソース電極320、ソース・ドレイン電極321、ドレ
イン電極322を形成する。また、画素TFTにおいて
は、ITOなどの透明導電膜により画素電極を形成す
る。そして最後に、1気圧の水素雰囲気下で350℃、
1時間程度のアニールを行い、CMOS回路を構成する
N型TFT325とP型TFT326、および画素TF
T323を完成させる。
【0102】以上の実施例にしたがって作製したCMO
S構造回路において、それぞれのTFTの電界効果移動
度はN型TFTで120〜180cm2/Vs、P型T
FTで70〜100cm2/Vsと高く、閾値電圧はN
型TFTで0〜1V、P型TFTで−2〜−3Vと非常
に良好な特性を示した。また、画素TFTでは、電界効
果移動度は80〜140cm2/Vs、閾値電圧は1〜
2V程度であった。また、パネル間では前記範囲内でT
FT特性がばらついていたが、パネル内のTFTの均一
性は電界効果移動度で±5%程度、閾値電圧で±0.2
V以下と非常に良好であった。
【0103】そして、実際に本実施例にて作製したドラ
イバモノリシック型のアクティブマトリクス基板を用
い、液晶表示パネルを作製し、全面表示を行った結果、
レーザー順次走査に起因すると見られる縞状の表示むら
は見られず、高表示品位の液晶表示装置が実現できた。
【0104】以上、本発明に基づく実施例3例につき具
体的に説明したが、本発明は上述の実施例に限定される
ものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形
が可能である。
【0105】例えば、前述の3例の実施例においては、
XeClエキシマレーザーを用いて、a―Si膜を結晶
化、あるいは固相結晶成長ケイ素膜を再結晶化した。本
発明は、それ以外の様々なパルスレーザー光照射により
結晶化された場合にも勿論、同様の効果があり、波長2
48nmのKrFエキシマレーザーなどを用いた場合に
も同様に適用可能である。
【0106】また、上記第3実施例では、固相結晶成長
法としては、触媒元素を用い短時間で結晶化する方法を
用いたが、触媒元素を用いず通常の固相結晶成長法を用
いても同様の効果が得られる。また、上記第2および第
3実施例では、触媒元素であるニッケルを導入する方法
として、a―Si膜表面に蒸着法によりニッケル薄膜を
形成することにより、ニッケルの微量添加を行い、結晶
成長を行わす方法を採用した。しかし、a―Si膜成膜
前に、下地膜の表面にニッケルを導入し、a―Si膜下
層よりニッケルを拡散させ結晶成長を行わせる方法でも
よい。即ち、結晶成長はa―Si膜の上面側から行って
もよいし、下面側から行ってもよい。また、ニッケルの
導入方法としても、その他、様々な手法を用いることが
できる。例えば、ニッケル塩を溶かせた水溶液を塗布す
る方法や、ニッケル塩を溶かせたSOG(スピンオング
ラス)材料よりなるSiO2膜から拡散させる方法も有
効であるし、スパッタリング法やメッキ法により薄膜形
成する方法や、イオンドーピング法により直接導入する
方法なども利用できる。さらに、結晶化を助長する不純
物金属元素としては、ニッケル以外にコバルト、パラジ
ウム、白金、銅、銀、金、インジウム、スズ、アルミニ
ウム、アンチモンを用いても効果が得られる。
【0107】さらに、本発明の応用としては、液晶表示
用のアクティブマトリクス型基板以外に、例えば、密着
型イメージセンサー、ドライバー内蔵型のサーマルヘッ
ド、有機系EL等を発光素子としたドライバー内蔵型の
光書き込み素子や表示素子、三次元IC等が考えられ
る。本発明を用いることで、これらの素子の高速、高解
像度化等の高性能化が実現される。さらに本発明は、上
述の実施例で説明したMOS型トランジスタに限らず、
結晶性半導体を素子材としたバイポーラトランジスタや
静電誘導トランジスタをはじめとして幅広く半導体プロ
セス全般に応用することができる。
【0108】
【発明の効果】本発明を用いることにより、パルスレー
ザー光により結晶化された結晶性ケイ素膜を素子材料と
する半導体装置全般において、結晶化の不均一性に支配
されず、複数の素子間の特性安定化が図れ、高性能で且
つ信頼性、安定性の高い薄膜半導体装置を実現すること
ができる。特に液晶表示装置においては、レーザー順次
走査による結晶性の不均一性に左右されず、パネル内に
おいて個々のTFTの特性を均―化でき、レーザー順次
走査に起因する表示不良のない高表示レベルな液晶表示
装置が、簡便な製造プロセスにて得られる。さらに、周
辺駆動回路部を構成するTFTに要求される高性能化・
高集積化・特性均一化が図れ、同―基板上にアクティブ
マトリクス部と周辺駆動回路部を構成するフルドライバ
モノリシック型のアクティブマトリクス基板を実現で
き、モジュールのコンパクト化、高性能化、低コスト化
が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の概要を示す。
【図2】本発明の第1の実施例の作製工程を示す。
【図3】本発明の第2の実施例の概要を示す。
【図4】本発明の第2の実施例の作製工程を示す。
【図5】本発明の第3の実施例の概要を示す。
【図6】本発明の第3の実施例におけるCMOS回路の
概要を示す。
【図7】本発明の第3の実施例におけるCMOS回路の
作製工程を示す。
【図8】本発明の第3の実施例における画素TFTの作
製工程を示す。
【図9】パルスレーザー順次走査による結晶化工程の概
要を示す。
【図10】結晶性ケイ素膜表面の原子間力顕微鏡(AF
M)像をもとにスケッチした図を示す。
【符号の説明】
101、201、301 基板 102、202、302 下地膜 103、203、303 非晶質ケイ素(a−Si)
膜 204、304 マスク 305 触媒元素膜 206 不純物 307 矢印 108、208、308 レーザー光 109 309 島状の結晶性ケイ素膜 209 島状の非晶質ケイ素(a−Si)膜 110、210、310 ゲート絶縁膜 111、211、311 ゲート電極、 112 酸化物層 113、213、313 レーザー光 114、214、314 チャネル領域 115、215、315 ソース領域 116、 316 ドレイン領域 216 連続領域 117、217、317 層間絶縁膜 118、218、318 ソース電極 119、219、319 ドレイン電極 320、321、322 電極 123、223、323 TFT 224 補助容量Cs 325 N型TFT 326 P型TFT 127、227、327 レーザー走査方向 128、228、328 レーザー走査ピッチ 129、229、329 配列間隔 330 配列間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 H01L 21/20 G02F 1/1368

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁表面を有する基板上に構成された、
    複数の画素電極を駆動する薄膜トランジスタおよび該薄
    膜トランジスタの画素液晶容量と並列に接続されてなる
    補助容量を有する半導体装置において、 該複数の薄膜トランジスタのチャネル領域、および前記
    補助容量の一方の電極部は、共にパルスレーザー光の順
    次走査照射により結晶化された結晶性ケイ素膜よりな
    り、前記パルスレーザー光の走査方向におけるチャネル
    領域が配列された間隔Pと補助容量の電極部が配列され
    た間隔とが同一であり、前記間隔Pと、前記パルスレー
    ザー光の順次走査間隔Sとが、概略P=nS(n:1以
    上の整数)となるように構成することにより、基板内の
    各前記補助容量の一方の電極部の平均面粗さのばらつき
    は±1nm以下となることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 絶縁表面を有する基板上に構成された、
    複数の画素電極を駆動する薄膜トランジスタ、該薄膜ト
    ランジスタの画素液晶容量と並列に接続されてなる補助
    容量および該薄膜トランジスタを駆動するドライバー回
    路を構成する複数の薄膜トランジスタを同―基板上に有
    する半導体装置において、 前記画素駆動用の複数の薄膜トランジスタ、前記補助容
    量の一方の電極部およびドライバー回路を構成する複数
    の薄膜トランジスタのチャネル領域は、共にパルスレー
    ザー光の順次走査照射により結晶化された結晶性ケイ素
    膜よりなり、前記パルスレーザー光の走査方向における
    チャネル領域が配列された間隔Pと、前記パルスレーザ
    ー光の順次走査間隔Sとが、概略P=nS(n:1以上
    の整数)となるよう構成することにより、基板内の各前
    記補助容量の一方の電極部の平均面粗さのばらつきは±
    1nm以下となるとともに、 前記画素駆動用の複数の薄膜トランジスタのチャネル領
    域が配列された間隔Pgと、ドライバー回路を構成する
    複数の薄膜トランジスタのチャネル領域が配列された間
    隔Pdとが異なり、前記パルスレーザー光の順次走査間
    隔Sが、概略Pg=nS(n:1以上の整数)、且つP
    d=mS(m:1以上の整数)となるよう構成されたこ
    とを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1あるいは2記載の半導体装
    置において、 前記レーザー光の走査方向におけるチャネル領域が配列
    された間隔Pと、前記結晶性ケイ素膜結晶化時のレーザ
    ー光の順次走査間隔Sとの比P/Sが、n―0.1<P
    /S<n+0.1(n:1以上の整数)の範囲内となる
    よう構成されたことを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項3記載の半導体装置におい
    て、 前記レーザー光の走査方向におけるチャネル領域が配列
    された間隔Pと、前記結晶性ケイ素膜結晶化時のレーザ
    ー光の順次走査間隔Sとの比P/Sが、さらにn―0.
    05<P/S<n+0.05(nは以上の整数)の範囲
    内となるよう構成されたことを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1あるいは2記載の半導体装
    置において、 前記レーザー光の走査方向におけるチャネル領域が配列
    された間隔Pと、結晶性ケイ素膜結晶化時のレーザー光
    の順次走査間隔Sとが、概略同一(P=S)となるよう
    構成されたことを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 絶縁表面を有する基板上にケイ素膜を形
    成する工程と、 該ケイ素膜に対して走査ピッチSの順次走査によりパル
    スレーザー光を照射し、前記ケイ素膜を結晶化する工程
    と、 前記パルスレーザーの走査方向に対して、慨略前記走査
    ピッチSの整数倍となる間隔Pにて、複数の薄膜トラン
    ジスタのチャネル領域をパターニング形成する工程と、
    を有する半導体装置の製造方法において、 前記ケイ素膜を、後に複数の薄膜トランジスタのチャネ
    ル領域となるよう、一定の間隔Pにてパーニング形成
    する際、該薄膜トランジスタと接続されてなる補助容量
    の一方の電極も、レーザー走査方向に対して間隔Pに
    て、同時にパターニング形成することにより、基板内の
    各前記補助容量の一方の電極部の平均面粗さのばらつき
    は±1nm以下となることを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 絶縁表面を有する基板上にケイ素膜を形
    成する工程と、 該ケイ素膜を、複数の薄膜トランジスタのチャネル領域
    となるようパターニング形成することで、該複数の薄膜
    トランジスタのチャネル領域を、後のレーザー走査方向
    に対し一定の間隔Pにて配置する工程と、 該複数の薄膜トランジスタのチャネル領域に対して、そ
    の間隔Pの整数分の1となるような走査ピッチSにて、
    パルスレーザーを定められた方向に順次走査し、該チャ
    ネル領域を結晶化する工程と、を有する半導体装置の製
    造方法において、前記ケイ素膜を、後に複数の薄膜トラ
    ンジスタのチャネル領域となるよう、一定の間隔Pにて
    ーニング形成する際、該薄膜トランジスタと接続さ
    れてなる補助容量の一方の電極も、レーザー走査方向に
    対して間隔Pにて、同時にパターニング形成することに
    より、基板内の各前記補助容量の一方の電極部の平均面
    粗さのばらつきは±1nm以下となることを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記請求項6あるいは7記載の半導体装
    置の製造方法において、絶縁表面を有する基板上に形成
    されるケイ素膜が非晶質ケイ素膜であり、該非晶質ケイ
    素膜を加熱することにより、固相状態で結晶化する工程
    と、パルスレーザーの順次走査により再結晶化する工程
    とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記請求項8記載の半導体装置の製造方
    法において、前記非晶質ケイ素膜を固相状態で結晶化す
    る工程は、前記非晶質ケイ素膜にその結晶化を助長する
    触媒元素を選択的に導入し、加熱処理により該触媒元素
    が選択的に導入された領域から、その周辺部へと横方向
    に結晶成長させることにより行われることを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記請求項6あるいは7記載の半導体
    装置の製造方法おいて、前記ケイ素膜の結晶化時のレー
    ザー光の順次走査間隔Sと、順次走査方向におけるケイ
    素膜表面でのレーザー光のビーム幅Wとの比S/Wが、
    0.2以下、すなわち順次走査時のレーザー光のオーバ
    ーラップ照射領域が80%以上となるようにして、前記
    レーザー光照射工程が行われることを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記請求項10記載の半導体装置の製
    造方法において、前記ケイ素膜結晶化時のレーザー光の
    順次走査間隔Sと、前記順次走査方向におけるケイ素膜
    表面でのレーザー光のビーム幅Wとの比S/Wが、さら
    に0.1以下、すなわち順次走査時のレーザー光のオー
    バーラップ照射領域が90%以上となるようにして、前
    記レーザー光照射工程が行われることを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記請求項6、7あるいは11記載の
    半導体装置の製造方法において、 前記パルスレーザー光は、そのビーム形状が照射面(ケ
    イ素膜表面)において長尺形状となるように設計されて
    おり、該ビーム形状の長尺方向に対して垂直方向に順次
    走査することで、前記複数の薄膜トランジスタのチャネ
    ル領域を結晶化することを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
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