JP3319963B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3319963B2 JP29354796A JP29354796A JP3319963B2 JP 3319963 B2 JP3319963 B2 JP 3319963B2 JP 29354796 A JP29354796 A JP 29354796A JP 29354796 A JP29354796 A JP 29354796A JP 3319963 B2 JP3319963 B2 JP 3319963B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
方法に関する。特に、本発明は、絶縁表面を有する基板
上に設けられたMOS型、その他構造の薄膜トランジス
タ(以下、TFTという)を用いた半導体装置に有効で
あり、アクティブマトリクス型の液晶表示装置、密着型
イメージセンサー、三次元ICなどに利用できる。
【0002】
【従来の技術】近年、大型で高解像度の液晶表示装置、
高速で高解像度の密着型イメージセンサー、三次元IC
などへの実現に向けて、ガラス等の絶縁基板上や、絶縁
膜上に高性能な半導体素子を形成する試みがなされてい
る。これらの装置に用いられる半導体素子には、ケイ素
半導体薄膜を用いるのが一般的である。ケイ素半導体薄
膜としては、非晶質ケイ素半導体(a−Si)からなる
ものと結晶性を有するケイ素半導体からなるものの2つ
に大別される。
【0003】非晶質ケイ素半導体は作製温度が低く、気
相法で比較的容易に作製することが可能で量産性に富む
ため、最も一般的に用いられているが、導電性等の物性
が結晶性を有するケイ素半導体に比べて劣るため、今後
より高速特性を得るためには、結晶性を有するケイ素半
導体からなる半導体装置の作製方法の確立が強く求めら
れていた。尚、結晶性を有するケイ素半導体としては、
多結晶ケイ素、微結晶ケイ素等が知られている。
【0004】これら結晶性を有する薄膜状のケイ素半導
体を得る方法としては、次の方法がある。
【0005】(1)成膜時に結晶性を有する膜を直接成
膜する。
【0006】(2)非晶質の半導体膜を成膜しておき、
熱エネルギーを加えることにより結晶性を有せしめる。
【0007】(3)非晶質の半導体膜を成膜しておき、
レーザー光など強光のエネルギーにより結晶性を有せし
める。
【0008】しかしながら、上記(1)の方法では、成
膜工程と同時に結晶化が進行するので、大粒径の結晶性
ケイ素を得ることが難しく、それにはケイ素膜の厚膜化
が不可欠となる。しかも、厚膜化したからといっても基
本的には膜厚と同程度の結晶粒径しか得られず、この方
法により良好な結晶性を有するケイ素膜を作製すること
は原理的にまず不可能である。
【0009】上記(2)の方法は、結晶化に際し600
℃以上の高温にて数十時間にわたる加熱処理が必要であ
るため、生産性に非常に乏しい。また、固相結晶化現象
を利用するため、結晶粒は基板面に平行に拡がり数μm
の粒径を持つものさえ現れるが、成長した結晶粒同士が
ぶつかり合って粒界が形成されるため、その粒界はキャ
リアに対するトラップ準位として働き、TFTの移動度
を低下させる大きな原因となっている。さらに、それぞ
れの結晶粒は双晶構造を示し、一つの結晶粒内において
も所謂双晶欠陥と呼ばれる結晶欠陥が多量に存在してい
る。
【0010】このため、現在は上記(3)の方法が主流
となっている。上記(3)の方法では溶融固化過程を利
用し結晶化するので個々の結晶粒内の結晶性は非常に良
好である。また、照射光の波長を選ぶことで、アニール
の対象であるケイ素膜のみを効率的に加熱し、下層のガ
ラス基板への熱的損傷を防ぐことができると共に、上記
(2)のような長時間にわたる処理が必要でない。装置
面でも高出力のエキシマレーザーアニール装置などが開
発され、大面積基板に対しても対応可能になりつつあ
る。この方法を利用して結晶性ケイ素薄膜を形成する方
法が、特開平7―135173号公報に示されている。
該公報では、非晶質ケイ素膜にシリコンイオンを注入し
た後、エキシマレーザーなどのパルスレーザーを照射
し、該非晶質ケイ素膜を結晶化している。また、特開平
6―163588号公報では、上記(3)の方法により
結晶化されたと思われる結晶性ケイ素膜に対して、研磨
剤を用いてその表面研磨を行い、結晶性ケイ素膜表面の
凹凸を低減している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】現在の技術において、
高性能な半導体装置を実現するためには、その活性領域
を構成するケイ素半導体薄膜の作製において、少なくと
も上記(3)の方法を用いるのが最良である。ところ
が、上記(3)の方法で得られる結晶性ケイ素膜では、
その表面ラフネスの大きさが大きな問題点となる。すな
わち、上記(3)の方法では、非晶質ケイ素膜は、強光
のエネルギーにより、その融点1414℃以上まで瞬時
に加熱され、数十nsec.程度の冷却時間にて室温付
近まで冷却され固化される。この際、あまりにも固化速
度が速いので、ケイ素膜は過冷却状態となり、一瞬にし
て固化される結果、一般的に結晶粒径は100〜200
nm程度と非常に小さくなると共に、結晶粒がぶつかり
合った点、すなわち結晶粒界は山状に盛り上がる。この
現象は、特に3つの結晶粒がぶつかり合った三極点で顕
著となる。この結晶成長に起因する山状に盛り上がった
部分を以後「リッジ」と呼ぶ。
【0012】上記の現象は、強光照射のスタート膜が非
晶質ケイ素膜の場合においてだけでなく、結晶性ケイ素
膜の場合においても同様に起こる。結晶性ケイ素膜の場
合は、強光照射により溶融した状態でも、幾分かの微結
晶成分は保持され、その成分が核となり、元の結晶の情
報を幾分か残した形で再結晶化される。したがって、上
述の非晶質ケイ素膜から結晶化した場合に比べ、結晶粒
径が大きくなると共に、個々のリッジの大きさも大きく
なり、リッジの発生密度は逆に減少する。
【0013】図6に、実際に強光照射により結晶化され
た結晶性ケイ素膜の表面状態の原子間力顕微鏡(AF
M)像を下にスケッチした図を示す。図6において、X
―Y方向のフルスケールは1μmであり、Z方向のフル
スケールは100nmである。このような結晶性ケイ素
膜により、MOS型薄膜トランジスタなど半導体装置の
活性領域を作製すると、結晶性ケイ素膜表面のリッジに
電界集中が起こる。すなわち、この結晶性ケイ素膜の上
に形成される絶縁膜の耐圧低下につながり、リーク電流
発生の原因となる。したがって、半導体装置としての信
頼性が大きく低下し、実用に耐える半導体装置を得るこ
とは非常に困難である。
【0014】さらに上記のケイ素膜のリッジは、MOS
型薄膜トランジスタにおいては、そのチャネル面となる
(結晶性ケイ素膜\ゲート酸化膜)の界面に存在するこ
とになり、ゲート酸化膜中及び界面の固定電荷を発生さ
せる要因ともなり、界面特性を悪化させる。また、キャ
リアに対する散乱中心となり、トランジスタの電界効果
移動度を低下させる。
【0015】また、液晶表示装置などのアクティブマト
リクス基板においては、一般的に液晶容量と並列に補助
容量が設けられている。画素TFTのチャネル部と共に
その補助容量成分の電極として、上記結晶性ケイ素膜を
用いた場合、リッジによる表面積率の変化のため、容量
は設計値からずれることになり、表示むらやフリッカー
などの表示不良を引き起こす原因となる。
【0016】上記の特開平6―163588号公報およ
び特開平7―135173号公報は、上記問題点に対し
ての一つの解決策として提案されているが、実際にはこ
れらの技術を用いても上記問題点の解決にはならない。
なぜなら、特開平6―163588号公報は、研磨剤に
より結晶性ケイ素膜の表面凹凸を化学的、機械的に研磨
するものであるが、結晶性ケイ素膜は半導体装置の活性
領域となる部分であり、MOS型薄膜トランジスタにお
いてはその表面はチャネル面を構成する訳であり、この
面に対してダメージを与えることは、好ましくない。上
記研磨工程においては、結晶性ケイ素膜表面はかなりの
研磨ダメージを受け、このようなケイ素膜を活性領域に
用い半導体装置を製造したとしても本発明の目的とする
高信頼性および高性能な半導体装置は全く得られない。
また、特開平7―135173号公報は、シリコン薄膜
にシリコンを注入してレーザー照射による結晶化を行う
ものであるが、この技術を用いても、上記メカニズムに
よりリッジが発生する以上、若干その大きさが低減され
る程度の効果しか無く、抜本的な解決策とはならない。
したがって、特開平7―135173号公報による方法
を用いて半導体薄膜を形成し、半導体装置を作製したと
しても、本発明の目的とする高信頼性を有する高性能な
装置を得ることはできない。
【0017】さて、MOS型薄膜トランジスタの高性能
化および信頼性の向上においては、上記の結晶性ケイ素
膜の結晶性および表面状態の改善に加えて、そのチャネ
ル面となる(結晶性ケイ素膜\ゲート絶縁膜)の界面特
性の向上が大きなポイントとなる。この界面特性は、結
晶性ケイ素膜表面における上記リッジも大きな影響を与
える―方、この界面でのサブオキサイド(低級酸化層)
やカーボンなどの不純物による影響も非常に大きい。し
たがって、(結晶性ケイ素膜\ゲート絶縁膜)の界面
は、できる限りクリーンな状態に保つことが必要であ
り、大気に曝すことなく連続的に形成することが最も望
ましい。
【0018】しかしながら、一般のトップゲート型薄膜
トランジスタでは、ゲート絶縁膜成膜前に下層の結晶性
ケイ素膜を素子間分離のためのパターニング工程を行う
必要があり、根本的に上記の連続形成は非常に難しい。
また、実際には結晶性ケイ素膜の結晶化工程もあるた
め、非晶質ケイ素膜の成膜、強光照射による結晶化、ゲ
ート絶縁膜の成膜を大気に曝すことなく連続的に行う必
要があり、装置面でも未開発の技術で、実現できたとし
ても非常に高価な装置となる。一般的には、TFTの活
性領域となる結晶性ケイ素膜を成膜後、感光性樹脂(フ
ォトレジスト)を塗布し、露光・現像した後、不要な領
域をエッチングにより除去し、フォトレジストを剥離し
てから、ゲート絶縁膜が成膜される。したがって、結晶
性ケイ素を成膜後、TFTにとって最も大切な活性領域
表面、すなわちチャネル面が大気に曝され汚染されるだ
けでなく、このチャネル面に直接フォトレジストが接触
することからフォトレジストに起因する汚染や、パター
ニング工程に伴う剥離液やエッチングなどから来る汚染
も加わり、界面特性をさらに悪化・不安定化させること
になる。
【0019】本発明は、TFTなどの半導体装置に使用
される半導体薄膜において、上述の問題点を全て解決
し、高信頼性を有する高性能半導体装置や高表示品位の
液晶表示装置などを実現するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、より大型でよ
り高解像度のアクティブマトリクス液晶表示装置や、同
一基板上に液晶駆動用のドライバを作り込むドライバモ
ノリシック型アクティブマトリクス液晶表示装置、高速
で高解像度の密着型イメージセンサー、三次元ICなど
を実現するために、高信頼性を有する高性能半導体素子
を供給することを目的とする。すなわち、本発明は、上
述のようにレーザー光などの強光照射により得られる高
品質な結晶性ケイ素膜における従来の問題点、およびM
OS型薄膜トランジスタにおける(結晶性ケイ素膜\ゲ
ート絶縁膜)界面の問題点を同時に解決するものであ
る。
【0021】本発明者らは、何とか上述の問題点を解決
し、高表示品位の液晶表示装置や薄膜集積回路などに応
用可能な、結晶性ケイ素膜を活性領域とした高信頼性で
高性能なMOS型TFT素子を実現できないかと、日夜
研究に明け暮れた。その結果、ついに、下記特徴を有す
る本発明を用いることにより、上記問題点が解決でき、
目的が連成できることがわかった。
【0022】具体的には、本発明は以下の特徴を有す
る。
【0023】(1)絶縁表面を有する基板上に形成され
た結晶性を有するケイ素膜を用い、該ケイ素膜に活性領
域が構成されたMOS型半導体装置であって、前記活性
領域は、ケイ素膜の最表面が薄膜エッチングされた後、
大気中に曝すことなく、上層の絶縁膜でカバーされ形成
されたことを特徴とする。
【0024】(2)前記絶縁膜は、MOS型薄膜トラン
ジスタのゲート絶縁膜を構成し、前記活性領域の表面
は、MOS型薄膜トランジスタのチャネル面であること
を特徴とする。
【0025】(3)絶縁表面を有する基板上に複数の画
素電極を駆動するMOS型薄膜トランジスタを有し、該
各薄膜トランジスタには画素電極による液晶容量と並列
に補助容量成分が接続されてなる半導体装置において、
前記各薄膜トランジスタの活性領域と前記補助容量成分
の下部電極は、同一層の結晶性ケイ素膜により構成さ
れ、かつ前記薄膜トランジスタのゲート絶縁膜と補助容
量成分の絶縁膜は同一層の絶縁膜により構成されてお
り、前記結晶性ケイ素膜は、その最表面が薄膜エッチン
グされた後、大気中に曝すことなく、前記絶縁膜により
カバーされ形成されたことを特徴とする。
【0026】(4)前記(1)(3)において、活性領
域を構成するケイ素膜は、非晶質ケイ素膜にエキシマレ
ーザーなどの強光を照射し、その熔融固化過程において
結晶化させてなるものであることを特徴とする。
【0027】(5)前記(1)(3)において、活性領
域を構成するケイ素膜は、非晶質ケイ素膜にその結晶化
を助長する触媒元素を導入し、加熱処理による固相結晶
成長工程にて結晶化させた結晶性ケイ素膜に対し、さら
にエキシマレーザーなどの強光を照射し、再結晶化させ
たものであることを特徴とする。
【0028】ここで、前記固相結晶成長工程にて結晶化
された結晶性ケイ素膜は、非晶質ケイ素膜に、その結晶
化を助長する触媒元素を選択的に導入し、加熱処理によ
り、該触媒元素が選択的に導入された領域から、その周
辺部へと横方向に結晶成長させたものであることが好ま
しい。
【0029】前記非晶質ケイ素膜を結晶化する、あるい
は前記固相結晶成長工程にて結晶化された結晶性ケイ素
膜を再結晶化する場合に使用される強光として、波長5
00nm以下のレーザー光を用いることが好ましく、特
に波長308nmのXeClエキシマレーザー光を用い
ることが好ましい。
【0030】また、非晶質ケイ素膜の結晶化を助長する
触媒元素として、Ni、Co、Pd、Pt、Cu、A
g、Au、ln、Sn、A1、Sbから選ばれた一種ま
たは複数種類の元素を用いることが好ましく、特にNi
元素を少なくとも用いることが好ましい。
【0031】(6)前記薄膜エッチング後の結晶性ケイ
素膜表面の平均面租さRaが、5nm以下であることを
特徴とする。
【0032】(7)前記薄膜エッチング前の結晶性ケイ
素膜の表面の平均面粗さRaに対して、該結晶性ケイ素
膜のエッチングされるべき膜厚Tが、T>Raの関係に
あることを特徴とする。
【0033】(8)前記平均面粗さRaは、原子間力顕
微鏡(AFM)にて、10μm□以下の測定エリアに対
して測定された値であることを特徴とする。
【0034】(9)前記薄膜エツチングを行う工程は、
CF4やNF3などのフッ化ガスを用いた反応性のドライ
エッチングにより行われることを特徴とする。
【0035】(10)前記結晶性ケイ素膜表面を薄膜エ
ッチングする工程と、前記結晶性ケイ素膜表面に絶縁膜
を成膜しカバーする工程とは、同一の減圧装置内にて行
われることを特徴とする。
【0036】(11)前記結晶性ケイ素膜の最表面を薄
膜エッチングした後、新たに露出した結晶性ケイ素膜表
面を少なくとも酸素あるいは水素を含むプラズマ雰囲気
中に曝した後、前記絶縁膜を成膜し結晶性ケイ素膜表面
をカバーする工程を有することを特徴とする。
【0037】本発明の特徴は以上の通りで、本発明の大
まかな主旨としては、絶縁表面を有する基板上に形成さ
れた結晶性を有するケイ素膜を用い、該ケイ素膜に活性
領域が構成されたMOS型半導体装置において、活性領
域のを結晶性ケイ素膜の最表面を薄膜エッチングした
後、大気中に曝すことなく、上層の絶縁膜にてカバーす
ることである。ここで、本発明のポイントは2つあり、
活性領域、すなわち、結晶性ケイ素膜の最表面を薄膜エ
ッチングする点と、その後、大気中に曝すことなく、上
層の絶縁膜にて活性領域をカバーする点である。前者は
主に結晶性ケイ素膜表面のリッジなどラフネスの低減に
効果があると共に、製造工程内で汚染された結晶性ケイ
素膜の最表面を除去し、新しくクリーンな表面を出すこ
とを目的とする。後者は、前記エッチング工程にて得ら
れた結晶性ケイ素膜のクリーンな表面が新たに汚染され
る前にすかさず絶縁膜で保護することで、クリーンな状
態を保つことを目的としている。
【0038】特に、本発明はMOS型薄膜トランジスタ
に対して有効であり、上記絶縁膜をTFTのゲート絶縁
膜としてそのまま用いることで、前記のクリーンな活性
領域表面が、そのチャネル面となる。すなわち、TFT
の電気特性を司る活性領域(結晶性ケイ素膜\ゲート絶
縁膜)の界面は、大気に全く曝されない状態であり、界
面特性を悪化させる結晶性ケイ素膜表面の自然酸化膜
(サブオキサイド)や不純物などの汚染が全く無いた
め、連続形成した状態とほぼ同様の界面状態が、簡便な
プロセスにて得られることになる。したがって、TFT
の電流駆動能力(電界効果移動度や立上り係数など)が
向上すると共に、信頼性も大きく向上する。
【0039】前記TFTの電流駆動能力や信頼性の向上
においては、結晶性ケイ素膜の表面ラフネスの低減も大
きく寄与している。前述のように、TFTチャネル面と
なる結晶性ケイ素膜表面のラフネスが大きい場合、キャ
リアに対する散乱中心となるだけでなく、電界集中が起
こり易くリーク源ともなり、またゲート絶縁膜の固定電
荷密度を増やし界面特性を悪化させるなど、多くのデメ
リットをもたらすからである。したがって、TFTのチ
ャネル面となる結晶性ケイ素膜表面のラフネスの低減効
果と上記界面のクリーン化との相乗効果により、TFT
の電流駆動能力およびその信頼性は飛躍的に向上するの
である。
【0040】その点で、本発明は、非晶質ケイ素膜にレ
ーザー光などの強光を照射し、その溶融固化過程におい
て結晶化させた高品質結晶性ケイ素膜に対して特に有効
である。上述のように、強光照射による結晶化時には、
ケイ素膜は、強光のエネルギーにより、その融点141
4℃以上まで瞬時に加熱され、数十nsec.程度の冷
却時間にて室温付近まで冷却され固化される。その液相
から固相への変化の際、結晶粒がぶつかり合い、そのぶ
つかり合った点が山状に盛り上がるのである。すなわ
ち、該結晶性ケイ素膜の結晶粒界部において、リッジは
発生する。この現象は、結晶粒界の中でも、特に3つの
結晶粒がぶつかり合った三極点で顕著となる。 本発明
の概要を図1を用いて説明する。図1は、本発明の結晶
性ケイ素半導体薄膜の製造工程を示す断面図であり、
(A)→(D)の順に製造工程が進行する。図1(A)
において、ガラス等の基板101の上に、酸化ケイ素膜
などの絶縁性の下地膜102が形成され、さらにその上
に非晶質ケイ素(a−Si)膜103が形成されてい
る。この非晶質ケイ素(a−Si)膜103に対して、
図1(B)に示すようにレーザーなどの強光104を照
射し、溶融固化過程において結晶化する。その結果、非
晶質ケイ素(a−Si)膜103は結晶性ケイ素膜10
5となる。結晶性ケイ素膜105は結晶粒106により
構成され、その結晶粒界107において表面が山状に盛
り上がる。すなわち、リッジ108が出現する。
【0041】次に、本発明のポイントである薄膜エッチ
ング工程を行う訳であるが、このときのエッチング手段
として、化学反応による反応性エッチングを用いること
が望ましい。この反応性エッチングでは、Si原子の結
合状態が特に劣悪となる結晶粒界部において特に進行す
る性質がある。すなわち、結晶性ケイ素膜105に対し
て反応性エッチングを施すと、図1(C)のようにケイ
素膜105の表面が全体的に薄膜化されると共に、リッ
ジ108が存在する結晶粒界107の部分において特に
エッチングが進行し、相対的に見れば、リッジ108が
選択的にエッチングされ、削られたような状態となる。
ここで、露呈している結晶性ケイ素膜109の表面は、
表層の汚染領域が剥ぎ取られ、表面凹凸が低減されると
同時に非常にクリーンな状態となっている。そして、図
1(D)に示すように、すかさず絶縁膜として酸化膜1
10で結晶性ケイ素膜109を覆うことで、(結晶性ケ
イ素膜109\酸化膜110)の界面111として、非
常にクリーンで良好な状態が得られる訳である。
【0042】前記工程において、すかさず絶縁膜として
酸化膜110で結晶性ケイ素膜109を覆うというの
は、理想的には大気に曝さず真空中で連続処理されるこ
とが最も望ましい。該結晶性ケイ素膜が一旦大気中に出
されると、表面は酸化され、一般に自然コンタミと呼ば
れるようにカーボンなどの汚染が生じるからである。し
たがって、前記結晶性ケイ素膜の表面を薄膜エッチング
する工程と、前記酸化膜を成膜し結晶性ケイ素膜表面を
カバーする工程とは、同一の減圧装置内にて行われるこ
とが望ましい。すなわち、このときのエッチング方法と
しては、減圧雰囲気下でのプラズマエッチング処理が最
も望ましく、CF4やNF3などのフツ化ガスを用いた反
応性のドライエッチングが最も望ましい。
【0043】また、プラズマエッチング処理の際の結晶
性ケイ素膜表面への再汚染(ガス中に含まれるC、N、
F)や、エッチング時のダメージなどを低減するするた
め、エッチング処理後に少なくとも酸素あるいは水素を
含むプラズマ中に新たに露出した結晶性ケイ素膜表面を
曝し、その後、絶縁膜として酸化膜を成膜し、結晶性ケ
イ素膜の表面をカバーすることがより望ましい。酸素は
C系の除去に特に効果がある一方、界面準位低減の効果
がある。また、水素はN、Fの除去などクリーニング効
果が高い。
【0044】さて、本発明におけるリッジによるケイ素
膜の表面粗さは、平均面粗さRaによって定義される。
平均面粗さRaとは、基準面(指定面の高さの平均値と
なるフラット面)から指定面までの偏差の絶対値を平均
した値であり、次式で表される。
【0045】 Ra=l/S0∬|F(X、Y)―Z0|dXdY ここで、S0は基準面の面積、Z0は基準面の高さ、F
(X、Y)は座標(X、Y)における指定面の高さを表
す。本発明は、リッジによるケイ素膜表面の凹凸をエッ
チング工程により低減することが一つの目的であるか
ら、少なくとも表面粗さの平均値を表す上記平均面粗さ
Ra以上の膜厚にわたり、ケイ素膜をエッチングするこ
とが必要となる。エッチングされるケイ素膜の厚さTが
平均面粗さRaよりも少ないと、リッジの大きさは若干
は小さくなるものの、その形状としては変化しないた
め、電界集中に対してのウィークポイントという点で
は、大きな効果はない。したがって、本発明において
は、強光照射後におけるケイ素膜表面の平均面粗さRa
に対して、結晶性ケイ素膜のエッチングされるべき膜厚
Tが、少なくともT>Raの関係にあることが必要であ
る。
【0046】そして、最終的に得られる薄膜エッチング
後の結晶性ケイ素膜表面の平均面粗さRaを、5nm以
下にすることが望ましい。勿論、この値は小さければ小
さいほど良いのであるが、少なくとも5nm以下であれ
ば、上層の絶縁膜に及ぼす耐圧低下や界面特性の悪化、
容量の変動などを、素子に対してほぼ影響のないレベル
にまで抑えることができる。
【0047】前記の平均面粗さRaは、原子間力顕微鏡
(AFM)にて、10μm□以下の測定エリアに対して
測定された値であれば、サブnmオーダーまでの測定信
頼性があり、本発明の主旨を損なうことはない。
図1においては、非晶質ケイ素
膜103を強光照射する結晶化前の出発膜として用いた
が、出発膜として、固相結晶成長工程により得られた結
晶性ケイ素膜を用いることで、基板全面にわたってさら
に均一な結晶性ケイ素膜が得られる。なぜなら、上記強
光照射による結晶化時の問題点として、光源であるレー
ザー等の安定性が十分でなく、基板全面にわたって均一
な膜質の結晶性ケイ素膜を得るのは難しいといった点が
ある。強光照射前の出発膜を固相成長結晶性ケイ素膜と
することで、初期の均一な結晶性の情報をある程度は残
したまま再結晶化されるため、非晶質ケイ素膜に比べ
て、強光照射工程がダイレクトに及ぼす影響が薄れ、よ
り均一な結晶性ケイ素膜が得られ易い。但し、固相成長
工程のみで結晶化された結晶性ケイ素膜自体は、強光照
射により結晶化されたものと比較して結晶性が劣悪であ
り、強光照射工程を加えることにより初めて、高性能半
導体装置に使用可能な高品質結晶性ケイ素膜となる。
【0048】さらに強光照射前の出発膜として、非晶質
ケイ素膜の結晶化を助長する触媒元素を用い固相結晶化
された結晶性ケイ素膜を用いると、均一性の面に加え
て、さらに結晶性が向上し、高品質な結晶性ケイ素膜、
そして電流駆動能力に優れる高性能半導体装置が実現で
きる。なぜなら、上記触媒元素を用いた結晶性ケイ素膜
では、上述のように柱状結晶のネットワーク構造により
構成される。結晶粒界部には、触媒元素が極在し、劣悪
な結晶状態となっているが、個々の柱状結晶内の結晶性
は良好で、ほぼ単結晶状態を示す。この結晶性ケイ素膜
に強光を照射し、溶融固化過程において再結晶化する
と、結合状態の強い個々の柱状結晶の一部が溶融されず
に残り、それを種結晶として結晶化が進行する。その結
果、得られる結晶性ケイ素膜は、非常に高品質な結晶性
ケイ素膜となるのである。すなわち、上記触媒元素によ
り固相結晶化された結晶性ケイ素膜は、従来の触媒元素
を用いないで固相結晶化された結晶性ケイ素膜と比較し
て、強光照射による再結晶化工程との相性が非常によ
い。
【0049】さらに強光照射前の出発膜として、非晶質
ケイ素膜の結晶化を助長する触媒元素により横方向に一
次元的に固相結晶化されたケイ素膜を用いると、さらに
結晶性が向上し、現状では最高のものであると思われる
高品質な結晶性ケイ素膜が得られ、電流駆動能力に非常
に優れる高性能半導体装置が実現できる。すなわち、該
ケイ素膜では柱状結晶がほぼ一方向に沿って整然と並ん
でおり、この領域では結晶粒界は原理上存在しない。こ
の領域に強光照射を行うと、個々の柱状結晶はそれぞれ
結合し、広い領域にわたって単結晶状態に近い非常に良
好な結晶性の結晶性ケイ素領域が得られる。
【0050】また、本発明に利用できる上記触媒元素の
種類としては、Ni、Co、Pd、Pt、Cu、Ag、
Au、In、Sn、Al、Sbを利用することができ
る。これらから選ばれた一種または複数種類の元素であ
れば、微量で結晶化助長の効果があり、半導体装置へ及
ぼす影響を小さく抑えることができる。
【0051】さらに、それらの中でも、特にNiを用い
た場合に最も顕著な効果を得ることかできる。この理由
については、未だよくわかっていないが、一応次のよう
なモデルを考えている。触媒元素は単独では作用せず、
ケイ素膜と結合しシリサイド化することで結晶成長に作
用する。そのときの結晶構造が、非晶質ケイ素膜の結晶
化時に一種の鋳型のように作用し、非晶質ケイ素膜の結
晶化を促すといったモデルである。Niは2つのSiと
NiSi2のシリサイドを形成する。NiSi2は螢石型
の結晶構造を示し、その結晶構造は、単結晶ケイ素のダ
イヤモンド構造と非常に類似したものである。しかも、
NiSi2はその格子定数が5.406Åであり、結晶
シリコンのダイヤモンド構造での格子定数5.430Å
に非常に近い値をもつ。よって、NiSi2は、非晶質
ケイ素膜を結晶化させるための鋳型としては最高のもの
であり、本発明における触媒元素としては、特にNiを
用いるのが最も望ましい。
【0052】さて、本発明の高品質結晶性ケイ素半導体
薄膜は、半導体装置全般において、その活性領域に利用
できる一方、液晶表示用のアクティブマトリクス基板に
おいては、画素用TFTのチャネル領域に加えて、液晶
画素容量と並列に接続された補助容量(Cs)の一方の
電極部を構成することが望ましい。液晶表示装置用のア
クティブマトリクス基板では、ゲートパルス信号がオフ
された際に発生する画素電極部での電圧降下現象を緩和
するため、液晶画素容量と並列に補助容量(Cs)を設
けている。この補助容量(Cs)は大きいほど上記電圧
降下を小さくできるため、また、製造プロセス簡略の面
からも、TFTのゲート絶縁膜と同一層により構成する
のが最も望ましい。しかしながら、補助容量(Cs)の
画面内でのばらつきは、画面上にフリッカーなどの表示
むらを引き起こす原因となる。従来の強光照射により得
られる結晶性ケイ素膜を用い補助容量(Cs)の電極を
作製した場合には、リッジによる表面ラフネスのため補
助容量(Cs)がばらつき、良好な表示品位の液晶表示
装置を得ることは難しかった。それに対して、本発明に
よる結晶性ケイ素膜を用いた場合には、表面ラフネスが
大きく低減されるため、補助容量(Cs)のばらつきを
抑えることができ、表示むらの無い高表示品位の液晶表
示装置が得られる。
【0053】さて、本発明において用いられる強光とし
ては、波長500nm以下のレーザー光を用いることが
望ましい。なぜなら、強光照射によるケイ素膜の結晶化
あるいは再結晶化において、波長500nm以下の強光
にて行えば、ケイ素膜に対する吸収係数が極めて高いた
め、ガラス基板に熱的ダメージを与えることなく、ケイ
素膜のみを瞬時に加熱することができる。また、レーザ
ー光を用いることで、ケイ素膜を瞬時に、融点1414
℃に加熱するだけの高出力化が可能となる。その中で
も、特に波長308nmのXeClエキシマレーザー光
は、出力が大きいため、基板照射時のビームサイズを大
きくでき、大面積基板に対応しやすく、また出力も比較
的安定しており、量産装置に適用する上で最も望まし
い。
【0054】
【発明の実施の形態】
(実施例1)本発明を用いた第1の実施例について以下
に説明する。本実施例では、本発明を利用し、ガラス基
板上に液晶表示装置用のアクティブマトリクス基板を作
製する際の工程について、説明を行う。このアクティプ
マトリクス基板においては、各面素をスイッチングする
ための素子としてNチャネル型TFTが形成され、その
ドレイン領域側には画素液晶容量と並列に補助容量(C
s)が設けられている。
【0055】以下において、図2に示すのが、本実施例
の作製工程の概要を示す断面図であり、(A)→(E)
の順にしたがって作製工程が順次進行する。図2(E)
が本実施例にて作製した画素TFTおよびその補助容量
(Cs)部の完成図であり、Nチャネル型TFT部22
4と補助容量(Cs)領域226を示す。
【0056】まず、図2(A)に示すように、ガラス基
板201上に例えばスパッタリング法によって厚さ30
0nm程度の酸化ケイ素からなる下地膜202を形成す
る。この酸化ケイ素膜は、ガラス基板からの不純物の拡
散を防ぐために設けられる。次に、減圧CVD法やプラ
ズマCVD法などによって、厚さ20〜100nm、例
えば50nmの真性(i型)の非晶質ケイ素(a−S
i)膜203を成膜する。プラズマCVD法により前記
a−Si膜203を成膜した場合には、その膜中に多量
の水素を含有し、後のレーザー照射時の膜剥がれの原因
となるため、ここで450℃程度の温度で数時間熱処理
を行い、膜中の水素を放出しておく必要がある。
【0057】その後、図2(A)に示すように、レーザ
ー光207を照射し、a−Si膜203を結晶化する。
このときのレーザー光としては、XeClエキシマレー
ザー(波長308nm、パルス幅40nsec.)を用
いた。レーザー光207の照射条件は、照射時に基板を
200〜500℃、例えば400℃に加熱し、エネルギ
ー密度200〜350mJ/cm2、例えば300mJ
/cm2とした。レーザー光207は、基板面に対して
順次走査され、a−Si膜203の任意の一点に対し
て、それぞれ10回レーザー照射されるように走査ピッ
チを設定した。この工程により、a―Si膜203はそ
の融点以上に加熱され、溶融し固化することで良好な結
晶性を有する結晶性ケイ素膜となる。ここで、原子間力
顕微鏡(AFM)により、該結晶性ケイ素膜表面の平均
面粗さRaを測定すると、6〜7nm程度の値であっ
た。
【0058】次に、前記結晶性ケイ素膜の不要な部分を
パターニングにより除去することで、図2(B)に示す
ような素子間分離を行って、後にTFTの活性領域(ソ
ース領域、ドレイン領域、チャネル領域)および補助容
量(Cs)の下部電極を構成する島状の結晶性ケイ素膜
208を形成する。
【0059】次に、図2(C)に示すように、上記島状
の結晶性ケイ素膜208上にフォトレジストを塗布し、
露光・現像してマスク209を形成する。すなわち、マ
スク209により、後にTFTのチャネル領域となる部
分のみが覆われた状態となっている。そして、イオンド
ーピング法によって、フォトレジストのマスク209を
マスクとして不純物(リン)210を注入する。ドーピ
ングガスとして、フォスフィン(PH3)を用い、加速
電圧を5〜30kV、例えば15kV、ドーズ量を1×
1015〜8×1015cm-2、例えば2×1015cm-2
する。この工程により、不純物が注入された領域は後の
Nチャネル型TFT部224のソース領域217とな
り、またNチャネル型TFT部224のドレイン領域と
補助容量(Cs)の下部電極領域218を形成する。フ
ォトレジストのマスク209にマスクされ不純物210
が注入されない領域は、上述のように後にNチャネル型
TFT部224のチャネル領域216となる。その後、
フォトレジストのマスク209を除去する。
【0060】そして、この状態でCVD装置内にガラス
基板201を導入する。CVD装置内で、まず結晶性ケ
イ素膜表面のライトエッチングを行う。このライトエッ
チング工程は、例えばCF4、O2をエッチングガスとし
て、0.1Torr程度の減圧雰囲気下、RFプラズマ
によるプラズマエッチングにより行った。本実施例にて
行った前記プラズマエッチングでのエッチングレートは
30nm/min程度であり、エッチング時間を20s
ec.と設定することで、結晶性ケイ素膜208を最表
面より約10nmエッチングした。これにより結晶性ケ
イ素膜208の膜厚は40nmとなった。このときの結
晶性ケイ素膜208(特にチャネル領域216)の表面
を原子間力顕微鏡(AFM)により測定した結果、平均
面粗さRaは2〜3nm程度と、初期値に比べ大きく低
減された。
【0061】引き続き、CVD同一チャンバー内にて、
CF4ガスの残留濃度低減および(結晶性ケイ素膜\ゲ
ート絶縁膜)の界面特性向上のため、酸素によるプラズ
マ処理を行った後、島状の結晶性ケイ素膜208を覆う
ように厚さ20〜150nm、ここでは100nmの酸
化ケイ素膜をゲート絶縁膜211として成膜する。酸化
ケイ素膜の形成には、ここではTEOS(Tetra
Ethoxy Ortho Silicate)を原料
とし、酸素とともに基板温度150〜600℃、好まし
くは300〜400℃で、RFプラズマCVD法で分解
・堆積した。あるいはTEOSを原料としてオゾンガス
とともに減圧CVD法もしくは常圧CVD法によって、
基板温度を350〜600℃、好ましくは400〜55
0℃として形成してもよい。成膜後、ゲート絶縁膜21
1自身のバルク特性および(結晶性ケイ素膜\ゲート絶
縁膜)の界面特性をより向上するために、不活性ガス雰
囲気下で500〜600℃で数時間のアニールを行っ
た。同時に、このアニール処理により、ソース領域21
7およびドレイン領域と下部電極領域218にドーピン
グされた不純物210が活性化され、ソース領域217
およびドレイン領域と下部電極領域218が低抵抗化さ
れる。その結果、ソース領域217およびドレイン領域
と下部電極領域218のシート抵抗は800〜1000
Ω/□となった。
【0062】引き続いて、図2(D)に示すように、ス
パッタリング法によって、厚さ300〜500nm、例
えば400nmのアルミニウムを成膜する。そして、ア
ルミニウム膜をパターニングして、ゲート電極212と
補助容量(Cs)領域226の上部電極213を形成す
る。ここで、ゲート電極212は平面的に見れば第n番
目のゲートバスラインの一部であり、補助容量(Cs)
の上部電極213は第n+1番目のゲートバスラインの
一部として形成されている。
【0063】そして、図2(E)に示すように、厚さ5
00nm程度の酸化ケイ素膜を層間絶縁膜219として
形成する。この酸化ケイ素膜は、TEOSを原料とし
て、これと酸素とのプラズマCVD法、もしくはオゾン
との減圧CVD法あるいは常圧CVD法によって形成す
れば、段差被覆性に優れた良好な層間絶縁膜が得られ
る。 次に、層間絶縁膜219にコンタクトホールを形
成して、ソース電極220と画素電極223を形成す
る。ソース電極220は、金属材料、例えば、窒化チタ
ンとアルミニウムの二層膜によって形成する。窒化チタ
ン膜は、アルミニウムが半導体層に拡散するのを防止す
る目的のバリア膜として設けられる。画素電極223は
ITOなど透明導電膜により形成される。
【0064】そして最後に、1気圧の水素雰囲気で35
0℃、1時間程度のアニールを行い、図2(E)に示す
Nチャネル型TFT部224および補助容量(Cs)領
域226を完成させる。このアニール処理により、Nチ
ャネル型TFT部224の(活性領域/ゲート絶縁膜)
の界面へ水素原子を供給し、TFT特性を劣化させる不
対結合手を低減する効果がある。なお、さらにNチャネ
ル型TFT224を保護する目的で、必要な箇所のみプ
ラズマCVD法により形成された窒化ケイ素膜でカバー
してもよい。
【0065】以上の実施例にしたがって作製したTFT
は、電界効果移動度で50〜80cm2/Vs、閾値電
圧2〜3Vという良好な特性を示した。また、Nチャネ
ル型TFT部224のチャネル領域216とドレイン領
域と下部電極領域218においては、その表面平均粗さ
Raが共に2〜3nm程度に低減されているため、ゲー
ト絶縁膜211を介したリーク電流はほとんど無く、そ
れぞれの容量の不均一性も小さく抑えられる。その結
果、本実施例にて作製したアクティブマトリクス基板を
用い、液晶表示パネルを作製し、全面表示を行った結
果、信頼性が高く、表示むらの無い高表示品位の液晶表
示装置が実現できた。
【0066】(実施例2)本発明を用いた第2の実施例
について説明する。本実施例では、ガラス基板上にNチ
ャネル型TFTを作製する際の工程について、本発明を
利用した場合の説明を行う。本実施例のNチャネル型T
FTはアクティブマトリクス型の液晶表示装置のドライ
バー回路や画素部分は勿論、同一基板上にCPUや制御
回路、信号発生回路等を構成する素子としても用いるこ
とができる。なお、TFTの応用範囲としては、液晶表
示装置のみではなく、一般に言われる薄膜集積回路に利
用できることは言うまでもない。
【0067】以下において、図3に示すのが、本実施例
で説明するTFTの作製工程の概要を示す断面図であ
り、(A)→(E)の順にしたがって作製工程が順次進
行する。 まず、図3(A)に示すように、ガラス基板
301上に例えばスパッタリング法によって、厚さ30
0nm程度の酸化ケイ素からなる下地膜302を形成す
る。この酸化ケイ素膜は、ガラス基板からの不純物の拡
散を防ぐために設けられる。
【0068】次に減圧CVD法によって、厚さ20〜1
00nm、例えば50nmの真性(I型)の非晶質ケイ
素膜(a−Si膜)303を成膜する。
【0069】次に図3(A)に示すように、a−Si膜
303の表面にニッケルを溶かせた水溶液305が接す
るようにガラス基板301を保持する。本実施例では、
溶質としては酢酸ニッケルを用い、水溶液中のニッケル
濃度は10ppmとなるようにした。その後、スピナー
により水溶液305をガラス基板301上に均一に延ば
し乾燥させる。
【0070】そして、これを水素還元雰囲気下または不
活性雰囲気下、加熱温度520〜600℃で数時間から
十数時間、例えば550℃で4時間アニールして結晶化
させる。この際、表面に塗布されたニッケルが核とな
り、ガラス基板301に対して垂直方向に非晶質ケイ素
膜303の結晶化が起こり、図3(B)に示すように結
晶性ケイ素膜303aが形成される。表面に塗布された
ニッケルは、結晶性ケイ素膜303a全体に拡散してお
り、このときの結晶性ケイ素膜303a中のニッケル濃
度は、1×1018atoms/cm3程度であった。こ
のときの個々の結晶粒は、100〜200nm幅の柱状
結晶のネットワークにより構成されており、20〜30
μm程度の結晶粒径であった。
【0071】その後、図3(B)に示すように、レーザ
ー光307を照射し、結晶性ケイ素膜303aの再結晶
化を行う。このときのレーザー光としては、XeClエ
キシマレーザー(波長308nm、パルス幅40nse
c.)を用いた。レーザー光307の照射条件は、照射
時に基板を200〜500℃、例えば400℃に加熱
し、エネルギー密度200〜350mJ/cm2、例え
ば300mJ/cm2とした。レーザー光307は、基
板面に対して順次走査され、結晶性ケイ素膜303aの
任意の一点に対して、それぞれ10回レーザー照射され
るように走査ピッチを設定した。この工程により、結晶
性ケイ素膜303aはその融点以上に加熱され、溶融し
固化することで、一部を種結晶として再結合し、さらに
良好な結晶性となる。ここで、原子間力顕微鏡(AF
M)により、結晶性ケイ素膜303aの表面の平均面粗
さRaを測定すると、7〜8nm程度の値であった。前
記第1実施例と比較して平均面粗さRaが大きいのは、
レーザー照射における出発膜が結晶性ケイ素膜であるた
め、上記のように、その一部を種結晶として再結晶化
し、結晶粒径が大きく成長するからであり、その分リッ
ジも大きくなるからである。
【0072】次に、図3(C)に示すように、不要な部
分の結晶性ケイ素膜303aをパターニングにより除去
して素子間分離を行い、後にTFTの活性領域(ソース
領域、ドレイン領域、チャネル領域)となる島状の結晶
性ケイ素膜308を形成する。
【0073】そして、この状態でCVD装置内にガラス
基板301を導入し、まず島状の結晶性ケイ素膜308
の表面をライトエッチングする。このライトエツチング
工程は、例えばNF3、Arをエッチングガスとして、
RFプラズマによるプラズマエッチングにより行った。
本実施例にて行った前記プラズマエッチングでのエッチ
ングレートは60nm/min程度であり、エッチング
時間を20sec.と設定することで、島状の結晶性ケ
イ素膜308を最表面より約20nmエッチングした。
これにより島状の結晶性ケイ素膜308の膜厚は30n
mとなった。このときの島状の結晶性ケイ素膜308の
表面を原子間力顕微鏡(AFM)により測定した結果、
平均面粗さRaは2〜3nm程度と、初期値に比べ大き
く低減された。
【0074】引き続き、CVD装置の同一チャンバー内
にて、NF3ガスの残留濃度の低減および島状の結晶性
ケイ素膜308の表面クリーニングのため、水素による
プラズマ処理を行った後、連続して、島状の結晶性ケイ
素膜308を覆うように厚さ20〜150nm、ここで
は100nmの酸化ケイ素膜をゲート絶縁膜311とし
て成膜する。酸化ケイ素膜の形成には、ここではTEO
S(Tetra Ethoxy Ortho Sili
cate)を原料とし、酸素とともに基板温度150〜
600℃、好ましくは300〜400℃で、RFプラズ
マCVD法で分解・堆積した。成膜後、ゲート絶縁膜3
11自身のバルク特性および(島状の結晶性ケイ素膜3
08\ゲート絶縁膜311)の界面特性を向上するため
に、不活性ガス雰囲気下で500〜600℃で数時間の
アニールを行った。
【0075】引き続いて、スパッタリング法によって、
厚さ300〜800nm、例えば500nmのアルミニ
ウムを成膜する。そして、アルミニウム膜をパターニン
グして、ゲート電極312を形成する。さらに、このア
ルミニウムの電極の表面を陽極酸化して、表面に酸化物
層314を形成する。この状態が図3(D)に相当す
る。陽極酸化は、酒石酸が1〜5%含まれたエチレング
リコール溶液中で行い、最初一定電流で220Vまで電
圧を上げ、その状態で1時間保持して終了させる。得ら
れた酸化物層314の厚さは200nmである。なお、
この酸化物層314は、後のイオンドーピング工程にお
いて、オフセットゲート領域を形成する厚さとなるの
で、オフセットゲート領域の長さを上記陽極酸化工程で
決めることができる。
【0076】次に、イオンドーピング法によって、ゲー
ト電極312とその周囲の酸化物層314をマスクとし
て活性領域に不純物(リン)を注入する。ドーピングガ
スとして、フォスフィン(PH3)を用い、加速電圧を
60〜90kV、例えば80kV、ドーズ量を1×10
15〜8×1015cm-2、例えば2×1015cm-2とす
る。この工程により、不純物が注入された領域は後にT
FTのソース領域317とドレイン領域318となり、
ゲート電極312およびその周囲の酸化物層314にマ
スクされ不純物が注入されない領域は、後にTFTのチ
ャネル領域316となる。
【0077】その後、図3(D)に示すように、レーザ
ー光315の照射によってアニールを行い、イオン注入
した不純物の活性化を行うと同時に、上記の不純物導入
工程で結晶性が劣化した部分の結晶性を改善させる。こ
の際、使用するレーザーとしてはXeClエキシマレー
ザー(波長308nm、パルス幅40sec.)を用
い、エネルギー密度I50〜400mJ/cm2、好ま
しくは200〜250mJ/cm2で、1カ所に付き4
ショット照射を行った。こうして形成されたN型不純物
(リン)を導入したソース領域317、ドレイン領域3
18のシート抵抗は、200〜300Ω/□であった。
【0078】続いて、厚さ600nm程度の酸化ケイ素
膜を層間絶縁膜319として形成する。該酸化ケイ素膜
の形成には、TEOSを原料として、これと酸素とのプ
ラズマCVD法、もしくはオゾンとの減圧CVD法ある
いは常圧CVD法によって形成すれば、段差被覆性に優
れた良好な層間絶縁膜が得られる。
【0079】次に、層間絶縁膜319にコンタクトホー
ルを形成して、金属材料、例えば、窒化チタンとアルミ
ニウムの二層膜によってTFTのソース電極・ソース配
線320、ドレイン電極・ドレイン配線321を形成す
る。上記窒化チクン膜は、アルミニウムが半導体層に拡
散するのを防止する目的のバリア膜として設けられる。
そして最後に、1気圧の水素雰囲気で350℃、1時間
程度のアニールを行い、図3(E)に示すNチャネル型
TFT部324を完成させる。
【0080】本TFTを、画素電極をスイッチングする
素子として用いる場合にはソース電極・ソース配線32
0またはドレイン電極・ドレイン配線321をITOな
ど透明導電膜からなる画素電極に接続し、もう一方の電
極より信号を入力する。また、本TFTを薄膜集積回路
に用いる場合には、ゲート電極312上にもコンタクト
ホールを形成し、必要とする配線を施せばよい。
【0081】以上の実施例にしたがって作製したNチャ
ネル型TFTは、電界効果移動度で100〜150cm
2/Vs、閾値電圧1〜2Vという良好な特性を示し、
TFTオフ領域でのリーク電流も数pAと小さく、特性
安定性、信頼性に優れるものであった。
【0082】(実施例3)本発明を用いた第3の実施例
について説明する。本実施例では、アクティブマトリク
ス型の液晶表示装置の周辺駆動回路や、一般の薄膜集積
回路を形成するNチャネル型TFTとPチャネル型TF
Tを相補型に接続したCMOS構造の回路をガラス基板
上に作製する工程について、説明を行う。
【0083】図4は、本実施例で説明するTFTの作製
工程の概要を示す平面図である。図5は、図4のA―
A'で切った断面図であり、(A)→(E)の順にした
がって工程が順次進行する。図5(E)に示すのが、本
実施例によるCMOS回路の完成図であり、Nチャネル
型TFT部424とPチャネル型TFT部425により
構成される。
【0084】まず、図5(A)に示すように、ガラス基
板401上に例えばスパッタリング法によって厚さ30
0nm程度の酸化ケイ素からなる下地膜402を形成す
る。この酸化ケイ素膜は、ガラス基板からの不純物の拡
散を防ぐために設けられる。次に、減圧CVD法あるい
はプラズマCVD法によって、厚さ20〜100nm、
例えば50nmの真性(I型)の非晶質ケイ素膜(a−
Si膜)403を成膜する。
【0085】次に、a−Si膜403上に感光性樹脂
(フォトレジスト)を塗布し、露光・現像してマスク4
04とする。フォトレジストよりなるマスク404のス
ルーホールにより、領域400においてスリット状にa
−Si膜403が露呈される。即ち、図5(A)の状態
を上面から見ると、図4のように領域400でa−Si
膜403が露呈しており、他の部分はフォトレジストに
よリマスクされている状態となっている。
【0086】次に、図5(A)に示すように、ガラス基
板401の表面にニッケルを薄膜405を蒸着する。本
実施例では、蒸着ソースと基板間の距離を通常より大き
くして、蒸着レートを低下させることで、ニッケルの薄
膜405の厚さが1〜2nm程度となるように制御し
た。このときの基板401上におけるニッケルの面密度
を実際に測定すると、1×1013atoms/cm2
度であった。そして、フォトレジストよりなるマスク4
04を除去することで、マスク404上のニッケル薄膜
405がリフトオフされ、領域400のa−Si膜40
3において、選択的にニッケルの微量添加が行われたこ
とになる。そして、これを不活性雰囲気下、例えば加熱
温度550℃で16時間アニールして結晶化させる。
【0087】この際、領域400においては、a−Si
膜403の表面に添加されたニッケルを核としてガラス
基板401に対して垂直方向に非晶質ケイ素膜403の
結晶化が起こり、結晶性ケイ素膜403aが形成され
る。そして、領域400の周辺領域では、図5(B)に
おいて、結晶成長方向を矢印406で示すように、領域
400から横方向(基板と平行な方向)に結晶成長が行
われ、横方向結晶成長した結晶性ケイ素膜403bが形
成される。また、それ以外の領域である非晶質ケイ素膜
403は、そのまま非晶質ケイ素膜領域403cとして
残る。この横方向に結晶成長した結晶性ケイ素膜403
b中のニッケル濃度は1×1017atoms/cm3
度であった。なお、上記結晶成長に際し、矢印406で
示される基板と平行な方向の結晶成長の距離は、80μ
m程度であった。
【0088】その後、図5(B)に示すように、レーザ
ー光407を照射し、結晶性ケイ素膜403a及び40
3bの再結晶化を行う。このときのレーザー光として
は、XeClエキシマレーザー(波長308nm、パル
ス幅40nsec.)を用いた。レーザー光407の照
射条件は、照射時に基板を200〜500℃、例えば4
00℃に加熱し、エネルギー密度200〜350mJ/
cm2、例えば300mJ/cm2とした。レーザー光4
07は、基板面に対して順次走査され、結晶性ケイ素膜
403a、403bの任意の一点に対して、それぞれ1
0回レーザー照射されるように走査ピッチを設定した。
この工程により、結晶性ケイ素領域403aおよび40
3bはその融点以上に加熱され、溶融し固化すること
で、一部を種結晶として再結合し、さらに良好な結晶性
となる。また、a−Si領域403cは、結晶化され結
晶性ケイ素膜403dとなる。ここで、原子間力顕微鏡
(AFM)により、結晶性ケイ素膜403b表面の平均
面粗さRaを測定すると、7〜8nm程度の値であっ
た。
【0089】その後、図5(C)に示すように、結晶性
ケイ素膜403b領域が、後のTFTの活性領域(素子
領域)となるように、それ以外の結晶性ケイ素膜をパタ
ーニングによりエッチング除去して素子間分離を行い、
島状の結晶性ケイ素膜408n、408pを形成する。
【0090】そして、この状態でCVD装置内にガラス
基板401を導入し、まず結晶性ケイ素膜408n、4
08pの表面のライトエッチングを行う。このライトエ
ッチング工程は、例えばCF4、O2をエッチングガスと
して、RFプラズマによるプラズマエッチングにより行
った。本実施例にて行った前記プラズマエッチングでの
エッチングレートは30nm/min程度であり、エッ
チング時間を40sec.と設定することで、結晶性ケ
イ素膜408n、408pを最表面より約20nmエッ
チングした。これにより島状の結晶性ケイ素膜408
n、408pの膜厚は30nmとなった。このときの結
晶性ケイ素膜408表面を原子間力顕微鏡(AFM)に
より測定した結果、平均面粗さRaは2〜3nm程度
と、初期値に比べ大きく低減された。
【0091】引き続き、CVD装置の同一チャンバー内
にて、CF4ガスの残留濃度の低減および(ケイ素膜\
ゲート絶縁膜)の界面特性向上のため、酸素によるプラ
ズマ処理を行った後、連続して、島状の結晶性ケイ素膜
408n、408pを覆うように厚さ20〜150n
m、ここでは100nmの酸化ケイ素膜をゲート絶縁膜
411として成膜する。酸化ケイ素膜の形成には、ここ
ではTEOS(Tetra Ethoxy Ortho
Silicate)を原料とし、酸素とともに基板温
度150〜600℃、好ましくは300〜400℃で、
RFプラズマCVD法で分解・堆積した。成膜後、ゲー
ト絶縁膜411自身のバルク特性および(結晶性ケイ素
膜408n、408p\ゲート絶縁膜411)の界面特
性を向上するために、不活性ガス雰囲気下で500〜6
00℃で数時間のアニールを行った。
【0092】次に、図5(D)に示すように、スパッタ
リング法によって厚さ400〜800nm、例えば50
0nmのアルミニウム(0.1〜2%のシリコンを含
む)を成膜し、アルミニウム膜をパターニングして、ゲ
ート電極412n、412pを形成する。
【0093】次に、イオンドーピング法によって島状の
結晶性ケイ素膜408n、408pにゲート電極412
n、412pをマスクとして不純物(リン、およびホウ
素)を注入する。ドーピングガスとして、フォスフィン
(PH3)およびジボラン(B26)を用い、前者の場
合は、加速電圧を60〜90kV、例えば80kV、後
者の場合は、40kV〜80kV、例えば65kVと
し、ドーズ量は1×1015〜8×1015cm-2、例えば
リンを2×1015cm-2、ホウ素を5×1015cm-2
する。この工程により、ゲート電極412n、412p
にマスクされ不純物が注入されない領域は後にTFTの
チャネル領域416n、416pとなる。ドーピングに
際しては、ドーピングが不要な領域をフォトレジストで
覆うことによって、それぞれの元素を選択的にドーピン
グを行う。
【0094】この結果、N型の不純物を注入したソース
領域417nとドレイン領域418n、P型の不純物を
注入したソース領域417pとドレイン領域418pが
形成され、図5(D)および(E)に示すように、Nチ
ャネル型TFT部424とPチャネル型TFT部425
とを形成することができる。この状態を基板上方より見
ると図4のようになっており、ここで島状の結晶性ケイ
素膜408nおよび408pにおいて、結晶成長方向を
示す矢印406とキャリアの移動方向(ソース→ドレイ
ン方向)は平行となるように配置してある。このような
配置を採ることで、さらに高移動度を有するTFTが得
られる。
【0095】その後、図5(D)に示すように、レーザ
ー光415の照射によってアニールを行い、イオン注入
した不純物の活性化を行う。レーザー光としては、Xe
Clエキシマレーザー(波長308nm、パルス幅40
sec.)を用い、レーザー光の照射条件としては、エ
ネルギー密度250mJ/cm2で一か所につき4ショ
ット照射した。
【0096】続いて、図5(E)に示すように、厚さ6
00nmの酸化ケイ素膜を層間絶縁膜419として、T
EOSを原料としたプラズマCVD法によって形成し、
これにコンタクトホールを形成して、金属材料、例え
ば、窒化チタンとアルミニウムの二層膜によってTFT
のソース電極・ソース配線420、ソース・ドレイン電
極421、ドレイン電極・ドレイン配線422を形成す
る。そして最後に、1気圧の水素雰囲気下で350℃、
1時間程度のアニールを行い、Nチャネル型TFT部4
24とPチャネル型TFT部425を完成させる。
【0097】以上の実施例にしたがって作製したCMO
S構造回路において、それぞれのTFTの電界効果移動
度はNチャネル型TFTで150〜200cm2/V
s、Pチャネル型TFTで80〜120cm2/Vsと
高く、閾値電圧はNチャネル型TFTで0〜1V、Pチ
ャネル型TFTで−2〜−3Vと非常に良好な特性を示
す。さらに、繰り返し測定に伴う特性劣化もほとんどな
く、信頼性の高いCMOS構造回路が得られた。
【0098】以上、本発明に基づく実施例3例につき具
体的に説明したが、本発明は上述の実施例に限定される
ものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形
が可能である。
【0099】例えば、前述の3例の実施例においては、
CVD装置を用い、活性領域となるケイ素膜表面をプラ
ズマエッチングし、その後、連続してゲート絶縁膜をプ
ラズマCVD法により形成しているが、その他にスパッ
タリングなどのPVD法を用いても良い。スパッタリン
グ装置を用いた場合には、結晶性ケイ素膜の最表面を逆
スパッタリング工程にて物理的に削りとった後、ゲート
絶縁膜をスパッタリングにて形成すれば良い。また、ゲ
ート絶縁膜の形成前の処理としては、上述の酸素プラズ
マ処理と水素プラズマ処理を併用するとより効果が見ら
れる。
【0100】a−Si膜の結晶化に際しては、XeCl
エキシマレーザーを用いたが、それ以外の様々な強光照
射により結晶化された場合にも勿論、同様の効果があ
り、波長248nmのKrFエキシマレーザーや、波長
488nmの連続発振Arレーザーなどにおいても同様
である。
【0101】また、上記第2および第3実施例では、固
相結晶成長法としては、触媒元素を用い短時間で結晶化
する方法を用いたが、触媒元素を用いず通常の固相結晶
成長法を用いても同様の効果が得られる。また、上記第
2および第3実施例では、触媒元素であるニッケルを導
入する方法として、非晶質ケイ素膜表面をニッケル塩を
溶かせた水溶液を塗布する方法、あるいは蒸着法によリ
ニッケル薄膜を形成する方法により、ニッケルの微量添
加を行い、結晶成長を行わせる方法を採用した。しか
し、第1の非晶質ケイ素膜成膜前に、基板表面にニッケ
ルを導入し、非晶質ケイ素膜下層よりニッケルを拡散さ
せ結晶成長を行わせる方法でもよい。即ち、結晶成長は
非晶質ケイ素膜の上面側から行ってもよいし、下面側か
ら行ってもよい。また、ニッケルの導入方法としても、
その他、様々な手法を用いることができる。例えば、ニ
ッケル塩を溶かせる溶媒として、SOG(スピンオング
ラス)材料を溶媒としてSiO2膜より拡散させる方法
も有効であるし、スパッタリング法やメッキ法により薄
膜形成する方法や、イオンドーピング法により直接導入
する方法なども利用できる。さらに、結晶化を助長する
不純物金属元素としては、Ni以外にCo、Pd、P
t、Cu、Ag、Au、In、Sn、Al、Sbを用い
ても効果が得られる。
【0102】さらに、本発明の応用としては、液晶表示
用のアクティブマトリクス型基板以外に、例えば、密着
型イメージセンサー、ドライバー内蔵型のサーマルヘッ
ド、有機系EL等を発光素子としたドライバー内蔵型の
光書き込み素子や表示素子、三次元IC等が考えられ
る。本発明を用いることで、これらの素子の高速、高解
像度化等の高性能化が実現される。さらに本発明は、上
述の実施例で説明したMOS型トランジスタに限らず、
結晶性半導体を素子材としたバイポーラトランジスタや
静電誘導トランジスタをはじめとして幅広く半導体プロ
セス全般に応用することができる。
【0103】
【発明の効果】本発明を用いることにより、表面凹凸の
無い高品質結晶性ケイ素薄膜が得られると共に、MOS
型トランジスタにおいて、その能動領域となる(結晶性
ケイ素膜\ゲート絶縁膜)の界面において、非常に良好
な界面特性が得られる。その結果、非常に高性能で且つ
信頼性の高い薄膜半導体装置を実現することができる。
特に液晶表示装置においては、ケイ素膜表面凹凸に起因
する表示むらを無くし、画素TFTのスイッチング特性
の向上、周辺駆動回路部を構成するTFTに要求される
高性能化・高集積化が図れ、同―基板上にアクティブマ
トリクス部と周辺駆動回路部を構成するフルドライバモ
ノリシック型のアクティブマトリクス基板を実現でき、
モジュールのコンパクト化、高性能化、低コスト化が図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法の概要を説明す
る図である。
【図2】第1の実施例の作製工程を工程順に示す図であ
る。
【図3】第2の実施例の作製工程を工程順に示す図であ
る。
【図4】第3の実施例の概要を示す図である。
【図5】第3の実施例の作製工程を工程順に示す図であ
る。
【図6】結晶性ケイ素膜表面の原子間力顕微鏡(AF
M)像を下にスケッチして示す図である。
【符号の説明】
101 基板 102 下地膜 103 非晶質ケイ素膜 104 強光 105 結晶性ケイ素膜 106 結晶粒 107 結晶粒界 108 リッジ 109 結晶性ケイ素膜 110 酸化膜 111 界面 201、301、401 ガラス基板 202、302、402 下地膜 203、303、403 非晶質ケイ素(a−Si)
膜 404 マスク 305 水溶液 405 ニッケル薄膜 406 矢印 207、307、407 レーザー光 208、308、408 島状の結晶性ケイ素膜 209 マスク 210 不純物 211、311、411 ゲート絶縁膜 212、312、412 ゲート電極 213 上部電極 314 酸化物層 315、415 レーザー光 216、316、416 チャネル領域 217、317、417 ソース領域 218 ドレイン領域と下部電極領
域 318、418 ドレイン領域 219、319、419 層間絶縁膜 220 ソース電極 320、420 ソース電極・ソース配線 321、422 ドレイン電極・ドレイン配線 421 ソース・ドレイン電極 223 画素電極 224、324、424 Nチャネル型TFT部 425 Pチャネル型TFT部 226 補助容量(Cs)領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 29/78 618Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 H01L 21/20 G02F 1/1368

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁表面を有する基板上に形成された結
    晶性を有するケイ素膜を用い、該ケイ素膜に活性領域が
    構成されたMOS型半導体装置であって、 前記活性領域は、ケイ素膜の最表面が薄膜エッチングさ
    れた後、大気中に曝すことなく、連続して上層の絶縁膜
    でカバーすることにより形成されたことを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記絶縁膜は、MOS型薄膜トランジス
    タのゲート絶縁膜を構成し、前記活性領域の表面はMO
    S型薄膜トランジスタのチャネル面であることを特徴と
    する前記請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 絶縁表面を有する基板上に複数の画素電
    極を駆動するMOS型薄膜トランジスタを有し、該各薄
    膜トランジスタには画素電極による液晶容量と並列に補
    助容量成分が接続されてなる半導体装置において、 前記各薄膜トランジスタの活性領域と前記補助容量成分
    の下部電極は同一層の結晶性ケイ素膜により構成され、
    かつ前記薄膜トランジスタのゲート絶縁膜と補助容量成
    分の絶縁膜は同一層の絶縁膜により構成されており、 前記結晶性ケイ素膜は、その最表面が薄膜エッチングさ
    れた後、大気中に曝すことなく、連続して前記絶縁膜に
    よりカバーすることにより形成されたことを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記活性領域を構成するケイ素膜は、非
    晶質ケイ素膜にエキシマレーザーなどの強光を照射し、
    その熔融固化過程において結晶化させてなるものである
    ことを特徴とする前記請求項1あるいは3記載の半導体
    装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記活性領域を構成するケイ素膜は、非
    晶質ケイ素膜にその結晶化を助長する触媒元素を導入
    し、加熱処理による固相結晶成長工程にて結晶化させた
    結晶性ケイ素膜に対し、さらにエキシマレーザーなどの
    強光を照射し、再結晶化させたものであることを特徴と
    する前記請求項1あるいは3記載の半導体装置の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記薄膜エッチング後の結晶性ケイ素膜
    表面の平均面粗さRaが、5nm以下であることを特徴
    とする請求項1あるいは3記載の半導体装置の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記薄膜エッチング前の結晶性ケイ素膜
    表面の平均面粗さRaに対して、該結晶性ケイ素膜のエ
    ッチングされるべき膜厚Tが、T>Raの関係にあるこ
    とを特徴とする請求項1あるいは3記載の半導体装置の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記平均面粗さRaは、原子間力顕微鏡
    (AFM)にて、10μm□以下の測定エリアに対して
    測定された値であることを特徴とする請求項あるいは
    記載の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記薄膜エッチングを行う工程は、CF
    4やNF3などのフッ化ガスを用いた反応性のドライエッ
    チングにより行われることを特徴とする請求項1あるい
    は3記載の半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記結晶性ケイ素膜表面を薄膜エッチ
    ングする工程と、前記結晶性ケイ素膜表面に絶縁膜を成
    膜しカバーする工程とは、同一の減圧装置内にて行われ
    ることを特徴とする請求項1あるいは3記載の半導体装
    置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記結晶性ケイ素膜の最表面を薄膜エ
    ッチングした後、新たに露出した結晶性ケイ素膜表面を
    少なくとも酸素あるいは水素を含むプラズマ雰囲気中に
    曝した後、前記絶縁膜を成膜し結晶性ケイ素膜表面をカ
    バーする工程を有することを特徴とする請求項1あるい
    は3記載の半導体装置の製造方法。
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