JP2003196819A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2003196819A
JP2003196819A JP2001392380A JP2001392380A JP2003196819A JP 2003196819 A JP2003196819 A JP 2003196819A JP 2001392380 A JP2001392380 A JP 2001392380A JP 2001392380 A JP2001392380 A JP 2001392380A JP 2003196819 A JP2003196819 A JP 2003196819A
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Satoru Momose
悟 百瀬
Hiroyuki Hyodo
浩之 兵藤
Naoyuki Yamamoto
尚之 山本
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体に関し、従来の膜厚以下で、従
来の潤滑膜を超える耐食性を確保する。 【解決手段】 非磁性基板1上に少なくとも磁性薄膜
3、保護膜4、及び、潤滑膜5が順次に形成されてなる
磁性記録媒体の保護膜4として窒素及び酸素を導入した
非晶質炭素を用いるとともに、保護膜4の少なくとも表
面における窒素原子数の炭素原子数に対する割合を0.
05から0.25の範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関す
るものであり、特に、ハードディスクドライブ(HD
D)に用いる磁気記録媒体の耐蝕性を高めるためのカー
ボン保護被膜及び潤滑膜の構成に特徴のある磁気記録媒
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、情報記録装置である磁気記録
装置(所謂ハードディスクドライブ)はコンピュータや
各種携帯情報端末、例えば、モバイルパソコン、携帯電
話、ゲーム機、デジタルカメラ、車載ナビゲーション等
の外部記憶装置として一般に広く使用されている。
【0003】この様な、磁気ディスク装置において、浮
上型磁気ヘッドと組み合わせて用いられる磁気記録媒体
としては、金属薄膜媒体が用いられているが、この金属
薄膜媒体を、磁気ヘッドとの接触や腐食などの負荷から
保護する目的で、金属薄膜媒体の表面に非晶質炭素、或
いは、窒化炭素からなる保護膜を形成し、さらに磁気ヘ
ッドとの潤滑性を確保するために、保護膜上に潤滑剤を
塗布している。
【0004】この潤滑剤には、単に潤滑性能だけでな
く、磁気記録媒体表面に対する異物の付着や、媒体の腐
食を防止する能力が要求され、現状では、これらの総合
性能において優れた、パーフルオロポリエーテル系潤滑
剤が潤滑剤の主流となっている。
【0005】例えば、Al−Mg合金やガラス基板等の
硬質非磁性基板上に設けたCoCrPtTa等のコバル
ト系の合金からなる薄膜磁性合金層の表面に、PVD法
やCVD法等の種々の方法によって5〜50nm程度の
保護膜を設け、さらにその直上を厚さが1〜9nm程度
の潤滑剤で被覆することで、耐久性、耐蝕性の向上を図
っている。
【0006】また、保護膜層上に塗布する潤滑剤として
は、末端へ各種極性基を付与したフッ素系潤滑剤である
パーフルオロポリエーテル系潤滑剤を、ディッピング
法、スピンコート法、或いは、スプレー法などで炭素系
保護膜上へ塗布・付着させている。
【0007】ところで近年の情報化社会ではあらゆる用
途において取り扱う情報量が増大傾向にあり、これに伴
って磁気ディスクは一層の高記録密度、大容量化が要請
されており、この様な高記録密度化への要求に応えるた
めには、磁気記録層と磁気ヘッドの記録/読取部間の間
隔(いわゆるマグネティックスペーシング)を短縮する
ことが不可欠となる。
【0008】そのため磁気ヘッドの浮上量は年々縮小し
ており、高記録密度化を維持・向上するために、浮上量
のみならず保護膜および潤滑剤そのものの薄層化が必要
とされており、磁気ヘッドの浮上量低下に伴って、カー
ボン保護膜の膜厚も減少しており、現行機種では10n
mを下回るようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の様なカーボン保
護膜の膜厚の減少にともなって、カーボン保護膜の耐食
性確保が困難になっており、また、磁気記録媒体表面の
耐食性向上に寄与する潤滑剤についても、磁気ヘッド浮
上量の制約から、その膜厚を増やすことはできないとい
う問題がある。
【0010】したがって、本発明は、従来の膜厚以下
で、従来の潤滑膜を超える耐食性を確保することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成図であり、この図1を参照して本発明における課題を
解決するための手段を説明する。なお、図における符号
2は、下地層である。上記目的を達成するため、本発明
は、非磁性基板1上に少なくとも磁性薄膜3、保護膜
4、及び、潤滑膜5が順次に形成されてなる磁性記録媒
体において、前記保護膜4が窒素及び酸素を導入した非
晶質炭素からなり、前記保護膜4の少なくとも表面にお
ける窒素原子数の炭素原子数に対する割合が、0.05
から0.25の範囲、より好適には0.10から0.2
0の範囲にあることを特徴とする。
【0012】この様に、磁気記録媒体表面に形成される
非晶質炭素からなる保護膜4の少なくとも表面に、窒素
原子7を導入することにより、保護膜4の表面と、潤滑
剤との相互作用を強化でき、保護膜4の表面の潤滑剤の
存在密度を上げることができるため、磁気記録媒体の耐
食性を向上させることができる。
【0013】この場合、保護膜4の表面に存在する炭素
原子数に対して窒素原子数が過少であると、十分な効果
が得られず、一方過大であると、保護膜4の摺動耐久性
が低下するため、保護膜4として望ましくなく、範囲と
しては、0.05から0.25、より好適には、0.1
0から0.20が望ましい。
【0014】なお、窒素原子7及び酸素原子6は、保護
膜4全体に含まれていても良いが、少なくとも、表面に
含まれている必要があり、この場合の表面とは、現行に
おける通常の測定方法の測定限界である3nm以下の範
囲を意味するが、原理的には1nm以下の範囲でも良
い。
【0015】また、この場合、保護膜4の少なくとも表
面における酸素原子数に対する窒素原子数の割合が、
0.4から1.8の範囲にあることが望ましい。
【0016】ただ単に保護膜4の表面に窒素原子7を導
入した場合、潤滑膜5によって被覆されずに露出した保
護膜4の表面は窒素原子7により塩基性を呈することに
なって、環境中の酸性物質を引き付け、結果的に十分な
耐食性が得られないため、酸素原子6の一部が、酸性を
呈するカルボキシル基を形成することに着目して、保護
膜4の表面の酸素量を調節することにより、保護膜4の
表面が塩基性にも酸性にも偏らないようにし、十分な耐
蝕性を得ることができる。この場合、少なくとも表面に
おける酸素原子数に対する窒素原子数の割合が0.4未
満であると酸性が強くなり、1.8を越えると塩基性が
強くなりすぎる。
【0017】また、保護膜4上に塗布される潤滑膜5を
構成する潤滑剤としては、末端基としてピペロニル基、
水酸基、カルボキシル基、或いは、カルボキシル基と塩
基との反応によって形成された塩のうち、少なくとも一
つを有する潤滑剤、特に、パーフルオロポリエーテル系
潤滑剤が望ましい。
【0018】この様に、潤滑剤の末端基として、水酸
基、または、カルボキシル基を用いることによって、保
護膜4の表面の窒素原子7は、水酸基やカルボキシル基
からプロトンを受け取ることにより、これらと静電的な
引力によって結合することになる。
【0019】また、潤滑剤の末端基としてカルボキシル
基と塩基との反応によって形成された塩を用いた場合に
は、保護膜4の表面の窒素原子7が塩基として働くた
め、塩基の交換反応によって、カルボキシル基とイオン
性結合を形成することになる。
【0020】また、潤滑剤の末端基としてピペロニル基
を用いた場合には、UV光の照射によってピペロニル基
を活性化することで、保護膜4の表面の窒素原子7が潤
滑剤の末端部に対して反応できるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】ここで、図2及び図3を参照し
て、本発明の第1の実施の形態の磁気記録媒体の製造工
程を説明する。なお、各図においては、ガラス基板の一
方の主面側のみを示しているが、実際のは両主面側に対
称に形成されるものである。 図2(a)参照 まず、2.5インチ(≒6.5cm)のガラス基板11
の両面にNiP層12を介して厚さが、例えば、3nm
のCrMo下地層13、及び、厚さが、例えば、20n
mのCoCrPt磁気記録層14を順次積層させる。
【0022】図2(b)参照 次いで、RFプラズマCVD装置を用いて原料ガスであ
るCH4 と放電補助ガスであるArを1対1で混合・給
気し、放電出力700W、成膜室内圧力3Pa、基板バ
イアスが−300Wの条件で、厚さが、例えば、6nm
のDLC保護膜15を形成したのち、基板を大気中に取
り出して、5〜60分大気中に晒してDLC保護膜15
を自然酸化して、少なくとも表面に酸素原子16を導入
する。
【0023】図2(c)参照 次いで、同じRFプラズマCVD装置の真空チャンバー
中に、様々な導入速度によって純粋な窒素ガスを導入し
ながらプラズマを発生させ、放電出力200W、成膜室
内圧力3.0×10-3Paで、バイアス電圧を付加しな
い条件で15秒以下で時間をいろいろ変えながらプラズ
マ処理することによって、DLC保護膜15の少なくと
も表面に様々な濃度で窒素原子17を導入する。
【0024】図2(d)参照 次いで、基板を取り出して、1時間程度大気中に晒した
のち真空パックし、次いで、基板を真空パックから取り
出して両末端にピペロニル基をもつFomblin(商
標名)AM3001(アウジモント社製商品名)を、溶
媒であるフロリナート(商標名)FC77(住友3M社
製商品名)で約0.2vol%程度に希釈した潤滑剤溶
液を用いて30秒間浸漬したのち、例えば、引き上げ速
度800mm/分の条件で基板を引き上げて、DLC保
護層15の表面に残った溶媒を蒸発させて、厚さが、例
えば、1nmの潤滑膜18を設け、最後に、従来と同様
にUV照射することによって完成媒体とする。
【0025】この様な磁気記録媒体のDLC保護膜15
の表面の酸素濃度及び窒素濃度の測定結果を示したの
が、下記の表1であり、この場合には、上記の図2
(c)の工程終了後における試料の角度を60°とし
て、約3nmの深さまでを分析対象としたX線光電子ス
ペクトル法(XPS)によって測定した。
【0026】また、磁気記録媒体の耐食性の評価は、完
成媒体としての磁気記録媒体を80℃、湿度95%の高
温高湿条件で2時間放置した後に生じた腐食痕の1 平方
センチメートル当たりの数を計測することによって行っ
た。
【0027】
【表1】
【0028】表1に示す様に、図2(b)における放置
酸化時間が長くなるほど、DLC保護膜表面の酸素原子
の割合も増加するため、窒素の導入速度と窒素化処理時
間の組み合わせを変えることによって、DLC保護膜表
面における酸素原子と窒素原子の割合を変化させた。
【0029】表1から明らかなように、DLC保護膜表
面の炭素原子数に対する窒素原子数の比が0.05〜
0.25の範囲で耐食性向上の効果が見られ、最も効果
が顕著であったのは、0.10〜0.20の範囲であっ
た。
【0030】これは、磁気記録媒体表面に形成されるD
LC保護膜15の少なくとも表面に、窒素原子17を導
入することにより、DLC保護膜15の表面と、潤滑膜
18との相互作用を強化でき、DLC保護膜15の表面
における潤滑剤の存在密度を上げることができるためと
考えられる。
【0031】この場合、DLC保護膜15の表面に存在
する炭素原子数に対して窒素原子数が過少であると、十
分な効果が得られず、一方過大であると、DLC保護膜
15の摺動耐久性が低下するため、上記の範囲が望まし
くなる。
【0032】また、全体として見るならば、DLC保護
膜表面の酸素原子数に対する窒素原子数の比が0.4〜
1.8の範囲で、良好な耐食性向上の効果が得られた。
【0033】これは、ただ単にDLC保護膜15の表面
に窒素原子17を導入した場合、潤滑膜18によって被
覆されずに露出したDLC保護膜15の表面は窒素原子
17により塩基性を呈することになるため、環境中の酸
性物質を引き付け、結果的に十分な耐食性が得られなく
なる。
【0034】そこで、DLC保護膜15の表面に付加し
た酸素原子16の一部が、酸性を呈するカルボキシル基
を形成することに着目して、DLC保護膜15の表面の
酸素量を調節することにより、DLC保護膜15の表面
が塩基性にも酸性にも偏らないようにすることが必要に
なる。
【0035】また、上記の第1の実施の形態において
は、潤滑剤の末端基がピペロニル基であるので、UV光
の照射によってピペロニル基が活性化されてDLC保護
膜15の表面の窒素原子17が潤滑剤の末端部に対して
反応できるようになるため、耐蝕性が向上するものであ
る。
【0036】次に、図3を参照して本発明の第2の実施
の形態を説明するが、潤滑剤として、Fomblin
(商標名)AM3001(アウジモント社製商品名)の
代わりに、両端末に水酸基を2つずつ持つFombli
n(商標名)Z−Tetraol(アウジモント社製商
品名)用いただけで、他の構成は上記の第1の実施の形
態と同様である。
【0037】図3参照 図3は、本発明の第2の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的断面図であり、上記の第1の実施の形態と全く同様
にしてDLC保護膜15の表面に窒素原子17を導入し
たのち、ディッピング法によって、Fomblin(商
標名)Z−Tetraol(アウジモント社製商品名)
を膜厚が1nmになるように塗布して潤滑膜19を形成
し、次いで、例えば、110℃で1時間の熱処理を行う
ことによって完成媒体とする。
【0038】
【表2】
【0039】表2は、上記の表1と全く同様に、X線光
電子スペクトル法(XPS)によって測定した窒素濃度
及び酸素濃度と、同条件による耐蝕性試験の結果を示し
たものである。
【0040】この本発明の第2の実施の形態において
も、上記の第1の実施の形態と同様に、DLC保護膜表
面の炭素原子数に対する窒素原子数の比が0.05〜
0.25の範囲で耐食性向上の効果が見られ、最も効果
が顕著であったのは、0.10〜0.20の範囲であっ
た。また、DLC保護膜表面の酸素原子数に対する窒素
原子数の比が0.4〜1.8の範囲で、良好な耐食性向
上の効果が得られた。
【0041】また、この第2の実施の形態においては、
潤滑剤の末端基が水酸基であるので、保護膜表面の窒素
原子は、水酸基からプロトンを受け取ることにより、こ
れらと静電的な引力によって結合するため、耐蝕性が向
上するものである。
【0042】次に、図4を参照して本発明の第3の実施
の形態を説明するが、潤滑剤として、Fomblin
(商標名)AM3001(アウジモント社製商品名)の
代わりに、両端末にカルボキシル基を2つずつ持つFo
mblin(商標名)Z−Diac(アウジモント社製
商品名)用いただけで、他の構成は上記の第1の実施の
形態と同様である。
【0043】図4参照 図4は、本発明の第3の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的断面図であり、上記の第1の実施の形態と全く同様
にしてDLC保護膜15の表面に窒素原子17を導入し
たのち、ディッピング法によって、Fomblin(商
標名)Z−Diac(アウジモント社製商品名)を膜厚
が1nmになるように塗布して潤滑膜20を形成したの
ち、例えば、110℃で1時間の熱処理を行うことによ
って、完成媒体とする。
【0044】
【表3】
【0045】表3は、上記の表1と全く同様に、X線光
電子スペクトル法(XPS)によって測定した窒素濃度
及び酸素濃度と、同条件による耐蝕性試験の結果を示し
たものである。
【0046】この本発明の第3の実施の形態において
も、上記の第1の実施の形態と同様に、DLC保護膜表
面の炭素原子数に対する窒素原子数の比が0.05〜
0.25の範囲で耐食性向上の効果が見られ、最も効果
が顕著であったのは、0.10〜0.20の範囲であっ
た。また、DLC保護膜表面の酸素原子数に対する窒素
原子数の比が0.4〜1.8の範囲で、良好な耐食性向
上の効果が得られた。
【0047】また、この第3の実施の形態においては、
潤滑剤の末端基がカルボキシル基であるので水酸基と同
様に、保護膜表面の窒素原子は、カルボキシル基からプ
ロトンを受け取ることにより、これらと静電的な引力に
よって結合するため、耐蝕性が向上するものである。
【0048】以上、本発明の各実施の形態を説明した
が、本発明は各実施の形態に記載した構成及び条件に限
られるものではなく、各種の変更が可能である。例え
ば、上記の各実施の形態においては、DLC保護膜をプ
ラズマCVD法によって堆積しているが、スパッタリン
グ法等の他の成膜法によって堆積させても良いものであ
る。
【0049】また、上記の各実施の形態においては、窒
素原子導入のためのプラズマ処理をRF放電で行った
が、処理効率を向上させるためにより高密度なプラズ
マ、例えば、ECR(電子サイクロトロン共鳴)法やH
WP(ヘリコン波励起プラズマ)法などを用いても良い
ものである。
【0050】また、上記の各実施の形態においては、窒
素原子の導入を保護膜の堆積後のプラズマ処理によって
行っているが、プラズマ処理に限られるものではなく、
例えば、プラズマCVD法によってDLC保護膜を成膜
する場合に、原料ガスとして窒素ガス、あるいはアンモ
ニアや二酸化窒素のような窒素を構成原子として含む化
合物ガスを原料として混入して窒素含有DLC保護膜を
形成しても良いものである。
【0051】なお、この場合、窒素を構成原子と含む化
合物ガスの導入のタイミングを調整して、DLC保護膜
の表面にのみ窒素原子が導入されるようにしても良いも
のである。
【0052】また、上記の各実施の形態においては、酸
素原子の導入を、基板を一旦、チャンバーから取り出し
て大気中に晒すことによって行っているが、基板をチャ
ンバーから取り出すことなく、チャンバー中に大気等の
酸素を含む雰囲気ガスを導入して酸化するようにしても
良いものである。
【0053】また、上記の各実施の形態においては、潤
滑剤をディッピング法(浸漬法)によって塗布して形成
しているが、ディッピング法に限られるものではなく、
スピンコート法或いはスプレー法によって塗布しても良
いものである。
【0054】また、上記の第2の実施の形態において
は、潤滑剤として、両端末に水酸基を2つずつ持つFo
mblin(商標名)Z−Tetraol(アウジモン
ト社製商品名)を用いているが、両末端に水酸基を一つ
ずつ持つFomblin(商標名)Z−Dol(アウジ
モント社製商品名)を用いた場合も、ほぼ同様の結果が
得られる。
【0055】また、上記の第3の実施の形態において
は、潤滑剤として、両端末にカルボキシル基を2つずつ
持つFomblin(商標名)Z−Diac(アウジモ
ント社製商品名)を用いているが、カルボキシル基と塩
基との反応によって形成された塩、例えば、Fombl
in(商標名)Z−Diac(アウジモント社製商品
名)とヘキシルアミンとの間で形成された塩を用いた場
合でも、ほぼ同様の結果が得られた。
【0056】また、上記の各実施の形態に記載した磁気
記録媒体における基板、下地層、或いは、磁性層は単な
る一例であり、上述の材料に限定されるものでないこと
は言うまでもなく、例えば、基板としては、Al−Mg
合金基板を用いても良いものである。
【0057】ここで、再び、図1を参照して、本発明の
詳細な特徴を説明する。 再び、図1(a)及び(b)参照 (付記1) 非磁性基板1上に少なくとも磁性薄膜3、
保護膜4、及び、潤滑膜5が順次に形成されてなる磁性
記録媒体において、前記保護膜4が窒素及び酸素を導入
した非晶質炭素からなり、前記保護膜4の少なくとも表
面における窒素原子数の炭素原子数に対する割合が、
0.05から0.25の範囲にあることを特徴とする磁
気記録媒体。 (付記2) 上記保護膜4の少なくとも表面における窒
素原子数の炭素原子数に対する割合が、0.10から
0.20の範囲にあることを特徴とする付記1記載の磁
気記録媒体。 (付記3) 上記保護膜4の少なくとも表面における酸
素原子数に対する窒素原子数の割合が、0.4から1.
8の範囲にあることを特徴とする付記1または2に記載
の磁気記録媒体。 (付記4) 上記保護膜4上に塗布される潤滑膜5を構
成する潤滑剤が、末端基としてピペロニル基、水酸基、
カルボキシル基、或いは、カルボキシル基と塩基との反
応によって形成された塩のうち、少なくとも一つを有す
ることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の
磁気記録媒体。 (付記5) 上記潤滑剤が、パーフルオロポリエーテル
系潤滑剤であることを特徴とする付記4記載の磁気記録
媒体。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、磁気記録媒体の表面に
形成される非晶質炭素保護膜表面に、窒素原子数の炭素
原子数に対する割合が、0.05から0.25の範囲に
あるように窒素原子を導入し、同時に保護膜表面におけ
る酸素原子数に対する窒素原子数の割合を、0.4から
1.8の範囲とすることにより、末端基として水酸基、
カルボキシル基、或いは、カルボキシル基の塩、また
は、ピペロニル基を持つ潤滑剤を塗布した場合に、薄い
潤滑膜の場合にも耐食性を大幅に向上させることがで
き、ひいては、高密度記録磁気記録媒体の信頼性の向上
に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の磁気記録媒体の製
造工程の説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的断面図である。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 下地層 3 磁性薄膜 4 保護膜 5 潤滑膜 6 酸素原子 7 窒素原子 11 ガラス基板 12 NiP層 13 CrMo下地層 14 CoCrPt磁気記録層 15 DLC保護膜 16 酸素原子 17 窒素原子 18 潤滑膜 19 潤滑膜 20 潤滑膜
フロントページの続き (72)発明者 山本 尚之 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 4H104 CD04A PA16 5D006 AA01 AA02 AA04 AA05 AA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に少なくとも磁性薄膜、保
    護膜、及び、潤滑膜が順次に形成されてなる磁性記録媒
    体において、前記保護膜が窒素及び酸素を導入した非晶
    質炭素からなり、前記保護膜の少なくとも表面における
    窒素原子数の炭素原子数に対する割合が、0.05から
    0.25の範囲にあることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記保護膜の少なくとも表面における酸
    素原子数に対する窒素原子数の割合が、0.4から1.
    8の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の磁気記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 上記保護膜上に塗布される潤滑膜を構成
    する潤滑剤が、末端基としてピペロニル基、水酸基、カ
    ルボキシル基、或いは、カルボキシル基と塩基との反応
    によって形成された塩のうち、少なくとも一つを有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒
    体。
JP2001392380A 2001-12-25 2001-12-25 磁気記録媒体 Withdrawn JP2003196819A (ja)

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