JP3904143B2 - 磁気記録媒体及び磁気記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータの外部記憶装置として使用される磁気記録装置で用いられているハードディスク等の磁気記録媒体に関し、特に低摩擦性、耐磨耗性及び撥水性に優れ、信頼性を向上させた磁気記録媒体に関する。本発明はまた、かかる磁気記録媒体において特に有用な、保護膜表面に強固に付着させることとコンタミネーションが付着しがたいこととを両立させた潤滑膜とその製造方法に関する。本発明は、さらに、かかる磁気記録媒体を使用した磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータに使用されるディスクドライブ装置等の磁気記録装置において、記録情報の大容量化及び高密度化への要請が近年において急速に高まっている。また、かかる要請に対応するため、ディスクドライブ装置本体側の磁気ヘッドと、その内部に格納される磁気記録媒体としてのハードディスクとの間の磁気スペーシングを低減すること、すなわち可能な限り両者の間隔を狭くすることが必要である。
【0003】
図1は、従来のディスクドライブ装置100内の磁気ヘッド120と回転中のハードディスク110との関係を模式的に示した図であり、ハードディスク110の層構成と磁気スペーシングSの様子が分かるように要部を拡大して示している。ハードディスク110は、基板111上に、下地膜113、磁性膜115が下から順に積層された基本構成を有しており、その上にカーボン系の保護膜として、例えばDLC(Diamond Like Carbon)の保護膜117を有している。
【0004】
ところで、図示のディスクドライブ装置100では、一般にハードディスク110の回転起動・停止時に磁気ヘッド120の浮上面120aがハードディスク110の表面と接触・摺動するコンタクト・スタート・アンド・ストップ(CSS)方式やロード・アンド・ロード方式が採用されている。例えば、CSS方式ではハードディスク110と磁気ヘッド120が接触する領域としてCSS領域が設けられる。ハードディスク110の回転起動時、磁気ヘッド120がハードディスク110のCSS領域と接触して走行する。そして、ハードディスク110の回転により生じる空気流で磁気ヘッド120が浮上する。しかし、磁気ヘッド120が浮上中に予期せぬ接触障害が発生して、磁気ヘッド120がハードディスク110と接触してしまう場合がある。さらに、ハードディスク110の回転起動・停止時には、常に磁気ヘッド120がハードディスク110のCSS領域に接触する。したがって、ハードディスク110の表面を低摩擦性及び耐磨耗性がある状態に保持しておく必要がある。
【0005】
このため、従来から、ハードディスク110表面の保護膜117の上にさらに潤滑剤を塗布して形成した潤滑膜119を設けることが行われている。潤滑膜119はハードディスク110の摩擦・磨耗特性を大きく左右するので、ディスクドライブ装置100の信頼性を確保する上で重要な役割を担っている。さらに、潤滑膜119の役割は、摩擦・磨耗特性の改善のみに留まるものではない。もしもディスクドライブ装置100が高温・高湿下で使用された場合には、雰囲気湿度の影響で結露や吸着水を生じハードディスク110あるいは磁気ヘッド120が腐食するおそれがある。よって、潤滑膜119は、撥水性を備えた潤滑剤をハードディスク110上に均一に塗布し、ハードディスク110あるいは磁気ヘッド120の腐食を防止し、さらには水や塵埃がハードディスク110の表面に付着しないように抑制するという重要な役割も担っている。
【0006】
上述のような磁気記録装置の分野では、今後更なる低スペーシング化が進むと予測され、潤滑膜119によりハードディスク110上を長期間に亘り、低摩擦・耐磨耗性がありかつ撥水性を有するように保つことがより一層重要となる。しかし、一般にディスクドライブ装置100の内部は高温となり、ハードディスク110は高速で回転される。そのため、潤滑膜119を形成する潤滑剤は、遠心力を受けて時間と共にハードディスク110の外周部側へ移動(マイグレーション)し、その後ハードディスク110から離脱してしまうものが多かった。したがって、ハードディスク110上の潤滑膜119は時間の経過と共に膜厚が低下する。このように、潤滑膜119の膜厚が低下すると、ハードディスク110の表面を低摩擦・耐磨耗性及び撥水性を備えた状態に保持するという潤滑膜の機能が失われる。
【0007】
保護膜117上における潤滑膜119の膜厚の低下を防止するためには、ハードディスク110に対してより吸着力の強い潤滑剤を用いて潤滑膜119を形成する必要がある。ここで、ハードディスク110の保護膜117とその上に形成される潤滑膜119の関係について着目すると、潤滑膜119の中には保護膜117の表面に強固に結合したボンド層(Bonding Layer)と、保護膜表面との結合力が弱く遠心力等の外力を受けると離脱してしまうモービル層(Mobile Layer)が混在していることが分かっている。すなわち、ハードディスク110上の潤滑膜119の膜厚が低下するのは、モービル層がハードディスク110の外周部側へマイグレーションし、その後ハードディスク110から離脱することが主な原因であると考えられている。
【0008】
したがって、ディスクドライブ装置100が使用され時間が経過しても、潤滑膜119の膜厚を当初の厚さに近い状態に保持するためには、保護膜117との吸着力が強いボンド層の割合(ボンド率)を増加させればよく、そのために、従来からボンド率を増加させるための種々の試みがなされている。1つの試みは、ハードディスク110の保護膜117上に潤滑剤を塗布した後、塗布後の潤滑剤、すなわち、形成された潤滑膜119に対して紫外線照射又は熱処理を行って、ボンド率を増加させようとする試みである。しかしながら、ハードディスク110に潤滑剤119を塗布した後、ボンド率を上げるために大気圧下で長時間の紫外線照射を行うと、オゾンが発生して汚染物質、例えば有機酸を生成せる。有機酸は保護膜117や潤滑膜119自体も酸化させるので、ハードディスク110の表面の腐食を誘発することとなる。ハードディスク110の表面が腐食されると、潤滑膜表面の均一性が失われるので撥水性が低下し、摩擦抵抗も増加することになる。
【0009】
また、潤滑剤を塗布した後の熱処理もボンド率の増加や撥水性の向上をもたらすが、紫外線照射をした場合ほどの撥水性、ボンド率の向上は得られず、その一方で、加熱により潤滑剤の揮発成分が揮発するために生ずる、いわゆる膜減りが発生するという欠点を有している。
【0010】
さらに、上述のような従来試みられている技術は、保護膜の上に潤滑剤を塗布した後に、潤滑膜に対して紫外線照射又は熱処理を行うために、その処理のための設備を必要とし、追加の製造工程や時間が必要であり、製造コストも増加する。
【0011】
別に、潤滑剤を塗布する前の保護膜表面を酸化もしくは窒素化することによって、保護膜に対して潤滑剤を強固に吸着させ、かつ潤滑剤分子が保護膜表面をよく濡らし、かつ濡れ広がるようにすることも試みられている。例えば、特開平5−28478号公報には、磁気記録媒体の製造において、基材上に保護膜を形成した後であって潤滑膜を形成する前、保護膜の表面を紫外線照射処理、紫外線+オゾン照射処理などを施す方法が開示されている。また、特開平7−296372号公報には、磁気記録媒体の製造において、基材上に保護膜を形成した後であって潤滑膜を形成する前、保護膜の表面をアンモニアガス含有雰囲気下でプラズマ処理を施す方法が開示されている。しかしながら、保護膜を酸化もしくは窒素化することは、潤滑剤分子が保護膜表面に付着しやすくなると同時に、コンタミネーションも付着しやすくなるという欠点を有している。ここで、コンタミネーションは、上記したようなオゾン由来の汚染物質であったり、潤滑剤の極性に基づく化学的な汚染物質であったりする。コンタミネーションが表面に付着したままの状態でハードディスクが磁気ヘッドに衝突した場合、記録再生を不能にするような障害が発生するおそれが大きい。また、磁気ヘッドに衝突しないほど小さいコンタミネーションでも、かき集めることによりハードディスクの浮上面を汚してしまうため、磁気ヘッドの浮上姿勢を変えてしまい好ましくない。以上のことから、潤滑剤を保護膜表面に強固に吸着させることと、コンタミネーションが付着し難いことを両立する潤滑膜が必要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来の技術の問題点を解決することを目的とする。
【0013】
本発明の目的は、特に低摩擦性、耐磨耗性及び撥水性に優れ、信頼性を向上させた磁気記録媒体を提供することにある。
【0014】
本発明の目的は、また、磁気記録媒体に対して、特に低摩擦性、耐磨耗性及び撥水性ならびに高い信頼性を付与し得る磁気記録媒体用潤滑膜を提供することにある。
【0015】
本発明の目的は、さらに、保護膜表面に強固に付着させることとコンタミネーションが付着しがたいこととを両立させた磁気記録媒体用潤滑膜を提供することにある。
【0016】
さらにまた、本発明の目的は、本発明による優れた磁気記録媒体を格納した磁気記録装置を提供することにある。
【0017】
本発明の上記したような目的やその他の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、その1つの面において、非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素系保護膜及び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体において、
前記潤滑膜を形成した後に前記保護膜及び前記潤滑膜を酸化もしくは窒素化し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供したこと、あるいは前記保護膜を形成した後にその保護膜を酸化もしくは窒素化し、引き続いて前記潤滑膜を形成し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供したこと、
を特徴とする磁気記録媒体にある。
【0019】
また、本発明は、そのもう1つの面において、非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素系保護膜及び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体において用いられる潤滑膜であって、
前記潤滑膜を形成した後に前記保護膜及び前記潤滑膜を酸化もしくは窒素化し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供すること、あるいは
前記保護膜を形成した後にその保護膜を酸化もしくは窒素化し、引き続いて前記潤滑膜を形成し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供すること、
を特徴とする磁気記録媒体用潤滑膜にある。
【0020】
また、この発明に関連して、本発明に従うと、非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素系保護膜及び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体において用いられる潤滑膜を製造する方法であって、
前記潤滑膜を形成した後に前記保護膜及び前記潤滑膜を酸化もしくは窒素化し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供すること、あるいは
前記保護膜を形成した後にその保護膜を酸化もしくは窒素化し、引き続いて前記潤滑膜を形成し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供すること、
を特徴とする潤滑膜の製造方法も提供される。
【0021】
さらに、本発明は、そのもう1つの面において、磁気記録媒体において情報の記録・再生を行う磁気ヘッドを備えた磁気記録装置であって、
前記磁気記録媒体が、本発明の磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録装置にある。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明による磁気記録媒体は、炭素系保護膜上に形成される潤滑膜を上記しかつ以下において詳述するように改良した相違点を除いて、磁気記録媒体として一般的に知られ、かつ実施されているものと同様な層構成を有することができる。よって、以下、図2の基本構成を参照して本発明の磁気記録媒体を説明する。
【0023】
図2の磁気記録媒体10は、非磁性の基板1の上に、下地層3、磁気記録層5、炭素系保護膜7、そして潤滑膜9を順次形成している。磁気記録媒体10は、本発明の範囲内において種々の変更や改良、例えば、磁気記録層5の多層化、炭素系保護膜7の2層化、任意の位置における中間層の追加などを行うことができ、さもなければ、含まれる層に任意の化学処理等を施すこともできる。実際、現用の磁気記録媒体の層構成は、図示したものよりも非常に複雑になっている。なお、磁気記録媒体は、通常、ディスクの形態で提供されるが、必要ならば、その他の形態であってもよい。
【0024】
本発明の磁気記録媒体において、非磁性の基板は、この技術分野において常用のいろいろな材料から形成することができる。適当な非磁性の基板としては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金の基板、ガラス又は強化ガラスの基板、表面酸化膜(例えばシリコン酸化膜)を有するシリコン基板、SiC基板、カーボン基板、プラスチック基板、セラミック基板などを挙げることができる。特に、アルミニウム又はアルミニウム合金の基板やガラス又は強化ガラスの基板を有利に使用することができる。
【0025】
非磁性の基板の上には、必要に応じて、非磁性の金属の薄膜が硬化層として積層される。金属硬化層の存在によって、基板の機械的強度を高めることができるからである。通常、NiPのめっき層などが、硬化層として有利に使用される。また、かかる硬化層を備えた非磁性の基板は、この分野において非磁性の基体とも呼ばれている。
【0026】
非磁性の基板あるいは非磁性の基体の表面には、通常、磁気記録媒体に対する磁気ヘッドの吸着を防ぐために、「テクスチャ」と呼ばれるミクロな凹凸(通常、0.01μmのオーダの凹凸)を加工するのが好ましい。テクスチャ加工は、研磨テープやスラリー(遊離砥粒)を用いて行うことができる。
【0027】
非磁性の基板の上の下地層は、磁気記録媒体において常用の一般的な非磁性金属材料から形成することができ、好ましくは、クロムを主成分とする非磁性金属材料から形成することができる。下地層は、単層であっても2層もしくはそれ以上の多層構造であってもよい。多層構造の下地層の場合、それぞれの層の組成は任意に変更することができる。かかる下地層は、特に、クロムのみを主成分とする金属材料あるいはクロム及びモリブデンを主成分とする金属材料から有利に構成することができる。例えば、磁気記録媒体の磁気記録層に白金が含まれるような場合には、クロム及びモリブデンを主成分とする金属材料から下地層を構成するのが好ましい。すなわち、モリブデンの添加によって、格子面間隔を広げることができ、また、磁気記録層の組成、特に白金量によって広がる磁気記録層の格子面間隔に対して下地層の格子面間隔を近くしてやることにより、磁気記録層(CoCr系合金)のC軸の面内への優先配向を促すことができるからである。適当な下地層の材料の例として、例えば、Cr、CrW、CrV、CrTi、CrMoなどを挙げることができる。このような下地層は、好ましくは、例えばマグネトロンスパッタ法などのスパッタ法により、常用の成膜条件により形成することができる。特に、保磁力を高めるため、DC負バイアスの印加下にスパッタ法を実施するのが好ましい。適当な成膜条件として、例えば、約100〜300℃の成膜温度、約1〜10mTorrのArガス圧力、そして約100〜300VのDC負バイアスを挙げることができる。また、必要に応じて、スパッタ法に代えて、他の成膜法、例えば蒸着法、イオンビームスパッタ法等を使用してもよい。かかる下地層の膜厚は、種々のファクタに応じて広い範囲で変更することができる。下地層の膜厚は、この範囲に限定されるものではないけれども、S/N比を高めるため、一般的には5〜60nmの範囲である。下地層の膜厚が5nmを下回ると、磁気特性が十分に発現しないおそれがあり、また、反対に60nmを上回ると、ノイズが増大するおそれがある。
【0028】
本発明の磁気記録媒体は、必要に応じて、非磁性の基板あるいは非磁性の基体とその上方の前記下地層との中間に、チタンを主成分とする金属材料からなる追加の下地層、好ましくはTi薄膜を有していてもよい。このような中間層は、両者の結合関係をより向上させるであろう。
【0029】
本発明の磁気記録媒体において、非磁性の下地層の上に形成されるべき磁気記録層は、下地層と同様に、常用の磁気記録媒体において一般的な磁気記録層から形成することができる。磁気記録層は、単層であってもよく、2層もしくはそれ以上の多層構造であってもよい。多層構造の磁気記録層の場合、それぞれの磁気記録層の組成は同一もしくは異なっていてもよく、また、必要に応じて、磁気記録層の間に中間層を介在させて、磁気記録特性の向上などを図ってもよい。
【0030】
例えば、磁気記録層は、コバルト合金層から有利に形成することができる。例えば、磁気記録層は、コバルトを主成分として含有するとともに、14〜23at%のクロムと、1〜20at%の白金を含むことができる。また、かかるコバルト合金に、タングステン、カーボンなどを添加して、四元系合金又は五元系合金としてもよい。
【0031】
本発明の磁気記録媒体において、その磁気記録層は、単層構造及び2層構造にかかわりなく、30〜180Gμm のtBr(磁気記録層の膜厚tと残留磁化密度Brの積)を有していることが好ましい。特に、単層構造の磁気記録層は、50〜180Gμm のtBrを有していることが好ましく、また、2層構造の磁気記録層は、30〜160Gμm のtBrを有していることが好ましい。本発明の磁気記録層は、従来の磁気記録層に比較して低Brに構成したことにより、特にMRヘッドをはじめとした磁気抵抗効果型ヘッド用として最適である。
【0032】
非磁性基板上に下地層を介して設けられる磁気記録層は、好ましくは、スパッタ法により、特定の成膜条件下で有利に形成することができる。特に、保磁力を高めるため、DC負バイアスの印加下にスパッタ法を実施するのが好ましい。スパッタ法としては、上記した下地層の成膜と同様、例えばマグネトロンスパッタ法などを使用することができる。適当な成膜条件として、例えば、約100〜350℃の成膜温度、好ましくは約200〜320℃の温度、特に好ましくは250℃前後の温度、約1〜10mTorrのArガス圧力、そして約80〜400VのDC負バイアスを挙げることができる。ここで、約350℃を上回る成膜温度は、本来非磁性であるべき基板において磁性を発現する可能性があるので、その使用を避けることが望ましい。また、必要に応じて、スパッタ法に代えて、他の成膜法、例えば蒸着法、イオンビームスパッタ法等を使用してもよい。磁気記録層の形成の好ましい一例を示すと、非磁性基板がNiPめっき付きのアルミニウム基板である場合、前記磁気記録層を、スパッタ法で、DC負バイアスの印加下に、約220〜320℃の成膜温度で、上記の合金から有利に形成することができる。
【0033】
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録層の上に、それを保護する炭素系保護膜を備える。炭素系保護膜は、通常、カーボンの単独から、あるいはカーボン化合物、例えばWC、SiC、B4 C、水素含有Cなどから、単層もしくは多層で形成される。場合によっては、かかるカーボンあるいはカーボン化合物中に、窒素などがドープされていてもよい。
【0034】
また、かかる炭素系保護膜は、SP結合とSP結合が混在しており、SP結合の量が、保護膜の表層部分においてSP結合の量よりも多量になるように、形成されているのが好ましい。これは、炭素系保護膜の優れた特性は、その膜中に含まれる炭素間結合に大きく由来していることが知られているからである。すなわち、炭素系保護膜の炭素間結合は、ダイヤモンド的であるSP結合とグラファイト的であるSP結合の両者が混在している状態であるが、SP/SPで表される存在量の比がより小さいほど、より高硬度となることが知られている。したがって、SP結合性の高い保護膜を形成することは、その機械的強度、ひいては磁気ディスクの機械的強度を向上させる点で有効である。しかしながら、SP/SP比が小さい炭素系保護膜の場合、それに対する潤滑剤の付着が十分でないという問題をかかえている。これは、潤滑剤がその末端に各種の極性基を有しているので、表面安定な炭素系保護膜の上に乗りにくいからである。したがって、磁気ディスクを長期間にわたって使いつづけると、ディスクの回転に伴う遠心力により潤滑剤がディスクの円周部へ移行せしめられたり、飛散せしめられたりする。すなわち、炭素系保護膜から潤滑剤層が除かれた状態となるので、磁気記録層が損傷や破損を被ったり、磁気ヘッドがクラッシュを生じたりする。このような問題を避けるため、上記したように、SP結合の量が、保護膜の表層部分においてSP結合の量よりも多量になるように、形成されているのが好ましいわけである。なお、多層構造の炭素系保護膜を形成する場合には、SP結合の量が、上層で多く、下層で少なくなるように配慮することが好ましい。上層及び下層の保護膜は、通常、上記したようなカーボン又はカーボン化合物を任意に組み合わせて形成することができる。
【0035】
炭素系保護膜は、それが単層構造あるいは多層構造のいずれであろうとも、磁気記録媒体に一般的に使用されているようないろいろな膜厚を有することができる。炭素系保護膜の膜厚は、通常、50nm以下であり、好ましくは1〜20nmであり、さらに好ましくは5〜10nmである。なお、炭素系保護膜の膜厚が1nmを下回ると、その特性が経時的に劣化したり、連続した膜が得られないといった問題が発生する。
【0036】
本発明の炭素系保護膜は、任意の成膜法に従って形成することができる。適当な成膜法としては、例えば、下記のものに限定されるわけではないけれども、スパッタリング法、CVD法、イオンビーム堆積法、イオンビーム蒸着法などを挙げることができる。また、必要に応じて、最近開発された技術であるFiltered Cathodic Arc 法(FCA法)を用いてもよい。高被覆性、高硬度の面から、CVD法などを特に有利に使用することができる。
【0037】
本発明の磁気記録媒体の場合、上記した炭素系保護膜の上にさらに潤滑膜が形成される。潤滑膜自体は、常法に従って適当な潤滑剤を薄く塗布及び含浸することによって形成することができる。適当な潤滑剤は、フルオロカーボン樹脂系の液体潤滑剤であり、例えば、フォンブリン(Fomblin)、クライトックス(Krytox)などという商品名で容易に入手可能である。また、フルオロカーボン樹脂系の液体潤滑剤に代えて、アミン塩系の液体潤滑剤やその他の潤滑剤を使用することもできる。例えば、アミン塩系の液体潤滑剤としては、パーフルオロポリエーテルの1種であるが、カルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテル、例えばフォンブリンDIACと直鎖アミンCH(CHNHの中和反応生成物などがある。かかる潤滑剤は、磁気ヘッドと磁気記録媒体が接触して磁気記録データを破壊するヘッドクラッシュを防止し、しかもヘッドと媒体の摺動に伴う摩擦力を低減させ、媒体の寿命を延ばす働きがある。
【0038】
上記したような潤滑膜は、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法などの常用の塗工法を使用して、所望とする膜厚で形成することができる。また、必要ならば、溶剤を使用しないで、蒸着法などによって潤滑膜を形成してもよい。潤滑膜の膜厚は、通常、約0.1nm以上〜2.0nm以下、さらに好ましくは約0.5〜1.5nmの範囲である。
【0039】
本発明の磁気記録媒体では、この潤滑膜の形成及び処理が非常に重要であり、引き続いてこれについて説明する。
【0040】
本発明では、磁気記録媒体の潤滑膜を製造する際に、潤滑膜に対して下記のような追加の処理を施すことが必要である。
【0041】
第1の方法によると、図3に示すように、炭素系保護膜の上に潤滑膜を形成した後、それらの保護膜及び潤滑膜を同時に酸化処理に供し、さらに続けて磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供する。
【0042】
ここで、炭素系保護膜の形成は、例えば、前記したように、カーボン又はその化合物をスパッタリング法、CVD法、イオンビーム堆積法、イオンビーム蒸着法、FCA法などによって成膜することによって行うことができる。
【0043】
炭素系保護膜の形成が完了した後、その上にさらに潤滑膜を形成する。潤滑膜は、例えば、前記したように、フルオロカーボン樹脂系の液体潤滑剤やアミン塩系の液体潤滑剤をディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法などによって成膜することによって行うことができる。また、このような溶液を使用する方法に代えて、溶液を使わずに真空中で蒸着することによって潤滑膜を形成してもよい。
【0044】
ディップコート法による潤滑膜の形成は、例えば、図4に模式的に示すようにして行うことができる。溶剤、好ましくはフッ素系の溶剤、例えばバートレルXF(C10、デュポン社製)にフッ素系潤滑剤を0.001〜0.1容量%の濃度で溶解して得た溶液を浸漬浴21に入れ、これに保護膜付き基板1を浸漬した後、引き上げ速度1〜400mm/分でディップ塗布を行う。潤滑剤を乾燥させると、目的とする潤滑膜が得られる。
【0045】
同様に、例えばバートレルXFにアミン塩系潤滑剤を0.001〜0.1容量%の濃度で溶解して得た溶液を浸漬浴21に入れ、これに保護膜付き基板1を浸漬した後、引き上げ速度1〜400mm/分でディップ塗布を行っても、目的とする潤滑膜を得ることができる。
【0046】
次いで、保護膜と潤滑膜を備えた基板を酸化処理する。本発明では、この酸化処理をいろいろな方法で行うことができるが、磁気記録媒体をオゾン雰囲気に暴露すること、磁気記録媒体に酸素の存在下で紫外線を照射すること、あるいは磁気記録媒体を酸素プラズマに暴露することによって行うことが好ましい。酸化処理の結果、保護膜の表面と潤滑膜が同時に酸化される。
【0047】
例えば、磁気記録媒体をオゾン雰囲気に暴露する酸化処理方法は、例えば図5に模式的に示すように、オゾンを充満させた処理容器22に保護膜と潤滑膜を備えた基板1を所定の時間にわたって滞留させることによって行うことができる。
【0048】
また、磁気記録媒体に酸素の存在下で紫外線を照射する酸化方法は、例えば図6に模式的に示すように、酸素の存在下で、保護膜と潤滑膜を備えた基板1に対してUV光照射装置23からのUV光を所定の強度でかつ所定の時間にわたって照射することによって行うことができる。ここで照射するUV光は、1種類の波長であってもよく、2種類以上の波長の組み合わせであってもよい。後者の場合、例えば、254nmの波長と185nmの波長の組み合わせを有利に使用することができる。
【0049】
さらに、磁気記録媒体を酸素プラズマに暴露する酸化方法は、例えば図7に模式的に示すように、保護膜と潤滑膜を備えた基板1を酸素プラズマ反応装置24に収容した後、基板1を酸素プラズマに暴露することによって行うことができる。
【0050】
基板の酸化処理が完了した後、CFプラズマ処理工程に移行する前、酸化処理後の基板を高められた温度で熱処理(ベーク処理)してもよい。
【0051】
ベーク処理は、例えば、酸化処理後の基板を恒温容器中に保持して、所定温度、例えば120℃程度で行うことができる。このベーク処理を潤滑膜に施すことで、さらに撥水性を向上させ、また残存する揮発性の汚染物資がある場合にはこれを除去できるので、磁気ディスク表面での汚染をより確実に防止することができる。なお、このベーク処理は通常30分以内の短時間で完了するので、膜減りの問題は発生しない。
【0052】
また、上記のようなベーク処理は、必要ならば、他の工程で行ってもよい。例えば、プラズマ処理後の基板を上記のようにして所定の温度でベーク処理してもよい。
【0053】
上記のようにして酸化処理が完了した後、さらに続けて磁気記録媒体をCFプラズマに暴露して処理する。このCFプラズマ処理工程は、例えば図8模式的に示すように、酸化処理後の基板1をCFプラズマ反応装置25に収容した後、基板1をCFプラズマに暴露することによって行うことができる。この場合のプラズマ処理条件は、例えば、放置時間:約1〜10分、電圧:約100〜10000W、CF流量:約10〜1000sscmである。
【0054】
以上のような一連の処理工程を経て、所望の特性を備えた本発明の磁気記録媒体を得ることができる。
【0055】
また、第2の方法によると、図9に示すように、炭素系保護膜の上に潤滑膜を形成した後、それらの保護膜及び潤滑膜を同時に窒素化処理に供し、さらに続けて磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供する。すなわち、この方法の場合、上記した第1の方法において、酸化処理に代えて窒素化処理を採用していることが特徴であり、基本的には、上記した方法と同様にして実施できる。なお、この方法の場合、アミン塩系の潤滑剤を有利に使用することができる。
【0056】
酸化処理と同様に窒素化処理もいろいろな方法によって行うことができるが、磁気記録媒体に窒素の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記録媒体を窒素プラズマに暴露することによって行うことが好ましい。窒素化処理の結果、保護膜の表面と潤滑膜を同時に窒素化することができる。
【0057】
例えば、磁気記録媒体に窒素の存在下で紫外線を照射する窒素化方法は、例えば先に図6を参照して説明した方法と同様に、窒素の存在下で、保護膜と潤滑膜を備えた基板に対してUV光照射装置からのUV光を所定の強度でかつ所定の時間にわたって照射することによって行うことができる。ここで照射するUV光は、1種類の波長であってもよく、2種類以上の波長の組み合わせであってもよい。後者の場合、例えば、254nmの波長と185nmの波長の組み合わせを有利に使用することができる。
【0058】
また、磁気記録媒体を窒素プラズマに暴露する窒素化方法は、例えば先に図7を参照して説明した方法と同様に、保護膜と潤滑膜を備えた基板を窒素プラズマ反応装置に収容した後、基板を窒素プラズマに暴露することによって行うことができる。
【0059】
さらに、第3の方法によると、図10に示すように、下地層の上に炭素系保護膜を形成した後にその保護膜を酸化処理に供し、引き続いて潤滑膜を形成し、さらに続けて磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供する。
【0060】
この第3の方法は、酸化処理のタイミングを変更した違いを除いて、前記した第1の方法と同様にして実施できる。炭素系保護膜の酸化は、前記した酸化処理と同様に、保護膜付きの基板に対して酸素の存在下で1種もしくは2種類以上の波長のUV光を混合して照射すること、あるいはそのような基板を酸素プラズマに曝露すること、あるいはそのような基板をオゾン中に曝露すること、などによって有利に実施できる。
【0061】
さらにまた、第4の方法によると、図11に示すように、下地層の上に炭素系保護膜を形成した後にその保護膜を窒素化処理に供し、引き続いて潤滑膜を形成し、さらに続けて磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供する。なお、この方法の場合、アミン塩系の潤滑剤を有利に使用することができる。
【0062】
この第4の方法は、窒素化処理のタイミングを変更した違いを除いて、前記した第2の方法と同様にして実施できる。炭素系保護膜の窒素化は、例えば、前記した窒素化処理と同様に、保護膜付きの基板に対して窒素の存在下で1種もしくは2種類以上の波長のUV光を混合して照射すること、あるいはそのような基板を窒素プラズマに曝露すること、などによって有利に実施できる。
【0063】
本発明は、上記したような磁気記録媒体及び潤滑膜とそれらの製造方法の他に、本発明の磁気記録媒体を格納し、その記録媒体において情報の記録・再生を行う磁気ヘッドを備えた磁気記録装置、例えば磁気ディスク装置(ディスクドライブ装置ともいう)にある。本発明の磁気記録装置は、それに格納される磁気記録媒体が本発明の記録媒体であるという相違点を除いて、基本的には従来一般的に使用されている磁気記録装置と同様な構成を有することができる。
【0064】
本発明の磁気記録装置において、その磁気ヘッドは、任意であるけれども、磁気記録装置に対して近年特に高密度化の要求が高まっていることを考慮して、従来の巻線型のインダクティブ薄膜磁気ヘッドに代えて、磁界の強さに応じて電気抵抗が変化する磁気抵抗素子を使用した磁気抵抗効果型ヘッド、すなわち、MRヘッドを使用することが推奨される。MRヘッドは、磁性体の電気抵抗が外部磁界により変化する磁気抵抗効果を記録媒体上の信号の再生に応用したもので、従来のインダクティブ薄膜磁気ヘッドに較べて数倍も大きな再生出力幅が得られること、イングクタンスが小さいこと、大きなS/N比が期待できること、などを特徴としている。また、このMRヘッドとともに、異方性磁気抵抗効果を利用したAMRヘッド、巨大磁気抵抗効果を利用したGMRヘッド、そしてその実用タイプであるスピンバルブGMRヘッドの使用も推奨される。なお、磁気ヘッドは、磁気記録媒体において情報の再生を行うための再生ヘッド部において用いられ、また、この再生ヘッド部に組み合わせて、磁気記録媒体において情報の記録を行うための記録ヘッド部が備えられる。記録ヘッド部は、通常、薄膜で形成された一対の磁極を有する誘導型の記録ヘッド部である。
【0065】
本発明の磁気記録装置は、磁気ディスク装置を例にとって説明すると、例えばその記録ヘッド部及び再生ヘッド部を図12及び図13に示すような積層構造とすることができる。図12は、本発明の磁気ディスク装置の原理図であり、図13は、図12の線分B−Bにそった断面図である。
【0066】
図12及び図13において、参照番号11は磁気ディスクへの情報の記録を行う誘導型の記録ヘッド部、12は情報の読み出しを行う磁気抵抗効果型の再生ヘッド部である。記録ヘッド部11は、NiFe等からなる下部磁極(上部シールド層)13と、一定間隔をもって下部磁極13と対向したNiFe等からなる上部磁極14と、これらの磁極13及び14を励磁し、記録ギャップ部分にて、磁気ディスクに情報の記録を行わせるコイル15等から構成される。
【0067】
再生ヘッド部12は、好ましくはAMRヘッドやGMRヘッド等でもって構成されるものであり、その磁気抵抗効果素子部12A上には、磁気抵抗効果素子部12Aにセンス電流を供給するための一対の導体層16が記録トラック幅に相応する間隔をもって設けられている。ここで、導体層16の膜厚は、磁気抵抗効果素子部12Aの近傍部分16Aが薄く形成され、他の部分16Bは厚く形成されている。
【0068】
上記した磁気ヘッドは、セラミック製のヘッド基板上に薄膜形成技術を用いて多数形成される。その後、ヘッド基板をヘッドごとに切り出し所定の形状に加工することにより、図14に示す磁気ヘッド付きのスライダが得られる。図14において、スライダ40の磁気ディスクに対向する面には、その磁気ディスクの回転によって生じる空気流の方向にそった浮上力発生用レール41及び42が設けられている。これらのレール41及び42の浮上面の空気流入側部分には、それぞれ、傾斜面41a及び42aが形成されている。また、レール41及び42には、図示されるように、突起46が形成されている。突起46は、DLC製であり、その高さは約30〜40nmである。これらの突起46は、磁気ヘッドが磁気ディスクに吸着されるのを有効に防止することができる。そして、スライダ40におけるレール42の後端面に、磁気ヘッド(ここではGMRヘッド)45が形成されている。
【0069】
スライダ40に対して上記したような構成を導入することによって、吸着を防止するために磁気ディスクの表面にレーザ加工で突起を形成することが不要になり、また、磁気ヘッドと磁気ディスクの突起部との摺動により塵埃が発生することも防止される。また、磁気ヘッドの誤動作などがあってそのヘッドが磁気ディスクに不用意に接触するようなことがあっても、吸着によるヘッドのダメージが発生することがなく、信頼性の高い磁気ディスク装置を実現することができる。
【0070】
本発明による磁気ディスク装置の一例は、図15及び図16に示す通りである。なお、図15は、図14に示した磁気ヘッド付きのスライダを備えた磁気ディスク装置の平面図(カバーを除いた状態)であり、図16は、図15の線分A−Aにそった断面図である。
【0071】
これらの図において、参照番号50は、ベースプレート51上に設けられたスピンドルモータ52によって回転駆動される複数枚(図示の態様では3枚)の磁気ディスクを示している。また、53は、ベースプレート51上に回転可能に設けられたアクチュエータである。このアクチュエータ53の一方の回転端部には、磁気ディスク50の記録面方向に延出する複数のヘッドアーム54が形成されている。このヘッドアーム54の回転端部には、スプリングアーム55が取り付けられ、更に、このスプリングアーム55のフレクシャー部に前述のスライダ40が図示しない絶縁膜を介して傾動可能に取り付けられている。一方、アクチュエータ53の他方の回転端部には、コイル57が設けられている。
【0072】
ベースプレート51上には、マグネット及びヨークで構成された磁気回路58が設けられ、この磁気回路58の磁気ギャップ内に、上記コイル57が配置されている。そして、磁気回路58とコイル57とでムービングコイル型のリニアモータ(VCM:ボイスコイルモータ)が構成されている。そして、これらベースプレート51の上部はカバー59で覆われている。
【0073】
【実施例】
引き続いて、本発明をその実施例を参照して説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
実施例1
下記の層構成を有する磁気ディスクを製造した。
【0074】
Figure 0003904143
ドーナッツ状のアルミニウム(Al)基板の上にNiPをめっきしてNiPめっき層を形成した後、その表面を良く洗浄し、さらにテクスチャ処理を施した。テクスチャ処理は、回転している基板の表面に研磨テープを押し当てることで実施した。円周方向に、微細なテクスチャ溝が形成された。
【0075】
次いで、得られたNiP/Al基板に、DCマグネトロンスパッタ装置により、CrMo10(at%)下地層、そしてCoCrPtTaNb系磁気記録層を順次積層した。まず、下地層の成膜前にスパッタ室内を3×10-7Torr以下に排気し、基板温度を280℃に高め、Arガスを導入してスパッタ室内を5mTorrに保持し、−200Vのバイアスを印加しながら、下地層としてのCrMoを30nm厚に成膜した。さらに、下地層の成膜に続けて、CoCrPtTaNb膜をそのBrtが100Gμm(27nm厚)となるように成膜した。成膜に使用したターゲットは、CoCrターゲットにPt、Ta、Nbチップを配置した複合ターゲットであった。
【0076】
上記のようにして磁気記録層を形成した後、その上に炭素系保護膜を次のような手法に従って形成した。
【0077】
下層の炭素系保護膜をCVD法で形成した。まず、RFプラズマCVD装置に原料ガスを導入した。本例で使用した原料ガスは、炭化水素(メタン)と放電ガス(アルゴン)の1:1の混合物である。放電出力700W、成膜室内圧力3mТоrrの条件でCVD法を実施したところ、DLC膜が膜厚7nmで得られた。
【0078】
次いで、上層の炭素系保護膜をスパッタリング法で形成した。グラファイト焼結体をターゲットに、アルゴン及び水素を放電ガスとして使用した。放電出力3kW、成膜室内圧力2mТоrrの条件でスパッタリング法を実施したところ、DLC膜が膜厚3nmで得られた。したがって、炭素系保護膜の膜厚は、合計して10nmであった。
【0079】
引き続いて、上記のようにして形成した炭素系保護膜の表面に潤滑剤を塗布し、潤滑剤膜を形成した。本例では、イタリア・アウジモンド社製の「フォンブリンAM3001」(商品名)を潤滑剤として使用した。この潤滑剤を溶剤、バートレルXF(デュポン社製)に0.02容量%の濃度で溶解した後、得られた潤滑剤溶液を用いて、浸漬時間30秒、引き上げ速度400mm/分でディップコートを行った。潤滑膜が膜厚1.0nmで得られた。
【0080】
次いで、基板上の保護膜の表面と潤滑膜を同時に酸化処理した。酸素の存在下で、基板の表面に対してUV光照射装置からのUV光を照射した。ここで使用したUV光は、波長254nmのUV光と波長185nmのUV光の混合光であった。
【0081】
さらに続けて、酸化処理後の基板をCFプラズマで処理した。このCFプラズマ処理のため、酸化処理後の基板をCFプラズマ反応装置収容した後、放置時間:約5分、電圧:約1000W、CF流量:約100sscmで処理した。
実施例2
前記実施例1の手法を繰り返したが、本例では、潤滑剤として、フッ素系潤滑剤に代えてアミン塩系潤滑剤を使用し、炭素系保護膜を形成した後であって潤滑膜を形成する前に、酸化処理に代えた窒素化処理を行い、また、潤滑膜を形成した後であってCFプラズマ処理を行う前、潤滑膜付きの基板をベーク処理した。
【0082】
本例では、したがって、炭素系保護膜の窒素化のため、保護膜付きの基板を窒素プラズマ反応装置に収容した後、その基板を窒素プラズマに暴露した。この窒素プラズマ処理の条件は、放置時間:約5分、電圧:約1000W、N流量:約100sscmであった。
【0083】
また、窒素化保護膜の上に潤滑膜を形成するため、バートレルXF(デュポン社製)にアミン塩系潤滑剤を0.1容量%の濃度で溶解して得た溶液に保護膜付き基板を浸漬した。ここで使用したアミン塩系潤滑剤は、フォンブリンDIACと直鎖アミンCH(CH)nNHの中和反応生成物であった。その後、基板引き上げ速度400mm/分で潤滑剤のディップ塗布を行い、さらにその後、120℃で60分間にわたって加熱し、ベークした。
【0084】
ベーク処理後のCFプラズマ処理は、前記実施例1と同様にして実施した。比較例1〜5
前記実施例1の手法を繰り返したが、本例では、比較のため、下記のように、本発明で必須の酸化処理、窒素化処理又はCFプラズマ処理のいずれか1つを少なくとも省略した。
比較例1:酸化処理、窒素化処理及びCFプラズマ処理のいずれも含まず。
比較例2:CFプラズマ処理のみを含む。
比較例3:酸化処理(UV処理)のみを含む。
比較例4:酸化処理、窒素化処理及びCFプラズマ処理のいずれも含まず。ただし、潤滑剤の塗布後に120℃で60分間にわたって加熱し、ベークした。
比較例5:潤滑膜の形成前、炭素系保護膜付きの基板を窒素プラズマで処理して窒素化した。次いで、潤滑剤を塗布し、120℃で60分間にわたって加熱し、ベークした。CFプラズマ処理は、省略した。
〔評価試験〕
前記実施例1及び2ならびに比較例1〜5のそれぞれにおいて製造した磁気ディスクを次の2項目に関して評価試験した。
(1)含Si接着剤暴露試験
本試験は、接着剤成分であるSiが媒体表面に付着するのを防止する性能を評価するためのものである。
【0085】
まず、7.0gの市販のシリコーン系接着剤(東レ・ダウコーニング社製の「SE4450(商品名)」)をアルミニウム箔上に均一に伸ばした後、約100℃で焼き固めた。このアルミニウム箔を各例で製造した磁気ディスクと一緒にデシケータに入れ、約65℃で20時間放置した。次いで、デシケータから磁気ディスクを取り出し、その表面に付着している接着剤の量をSi量に関して測定した。この測定のため、Gaを一次イオンとして照射し、出てくる二次イオン(ここでは、Si)を調べるTОF−SIMS(Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectroscopy)法を採用した。
【0086】
図17及び図18は、この試験によって得られた測定結果(強度のカウント数)をプロットしたものであり、図中、1は実施例1、2は実施例2、C1〜C5は、それぞれ、比較例1〜比較例5である。これらの測定結果から、比較例に比べて、CFプラズマ処理を加えた本発明の実施例では、媒体表面に対するSi付着量を減少させることができたことがわかる。
(2)ヘッド浮上時でのヘッド−媒体相互作用のAE信号の測定試験
本試験は、コンタミネーションが媒体表面に付着するのを防止する性能を評価するためのものである。
【0087】
各例で製造した磁気ディスクを磁気ディスク検査装置(日立電子エンジニアリング社製の「RQ7000(商品名)」)に搭載し、ヘッドを浮上させたときのヘッドと媒体の相互作用により生じるAE信号の出力(Output)を測定した。
【0088】
図19〜図25は、それぞれ、比較例1〜比較例5ならびに実施例1及び2の磁気ディスクの測定結果を順次プロットしたものである。これらの測定結果から理解されるように、比較例(潤滑剤の塗布後にUV処理、窒素化、DLC保護膜への潤滑剤塗布とベーク)のように相互作用を減少させる効果は、本発明の実施例でも損なわれることはない。したがって、本発明では、潤滑剤を炭素系保護膜表面に強固に吸着させることと、コンタミネーションが付着し難いことを両立させることが可能となる。
【0089】
最後に、本発明のさらなる理解のため、本発明の好ましい実施形態を整理すると、次の通りである。
(付記1)非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素系保護膜及び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体において、
前記潤滑膜を形成した後に前記保護膜及び前記潤滑膜を酸化もしくは窒素化し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供したこと、あるいは
前記保護膜を形成した後にその保護膜を酸化もしくは窒素化し、引き続いて前記潤滑膜を形成し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供したこと、
を特徴とする磁気記録媒体。
(付記2)前記酸化処理が、前記磁気記録媒体をオゾン雰囲気に暴露すること、前記磁気記録媒体に酸素の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記録媒体を酸素プラズマに暴露することによって行ったものであることを特徴とする付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記3)前記窒素化処理が、前記磁気記録媒体に窒素の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記録媒体を窒素プラズマに暴露することによって行ったものであることを特徴とする付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記4)前記潤滑膜が0.1〜2.0nmの膜厚を有していることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
(付記5)前記炭素系保護膜が、カーボン又はその化合物からなり、スパッタリング法、CVD法、イオンビーム堆積法、イオンビーム蒸着法又はFCA法によって成膜されたものであることを特徴とする付記1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
(付記6)前記潤滑膜が、フルオロカーボン樹脂系の液体潤滑剤又はアミン塩系の液体潤滑剤からなり、ディップコート法、スピンコート法もしくはスプレーコート法あるいは蒸着法によって形成されたものであることを特徴とする付記1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
(付記7)非磁性の基板と、その上に順次積層された、クロム系下地層、コバルト合金からなる磁気記録層、炭素系保護膜、そして潤滑膜とを含んでなることを特徴とする付記1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
(付記8)非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素系保護膜及び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体において用いられる潤滑膜であって、
前記潤滑膜を形成した後に前記保護膜及び前記潤滑膜を酸化もしくは窒素化し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供すること、あるいは
前記保護膜を形成した後にその保護膜を酸化もしくは窒素化し、引き続いて前記潤滑膜を形成し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供すること、
を特徴とする磁気記録媒体用潤滑膜。
(付記9)前記酸化処理が、前記磁気記録媒体をオゾン雰囲気に暴露すること、前記磁気記録媒体に酸素の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記録媒体を酸素プラズマに暴露することによって行ったものであることを特徴とする付記8に記載の磁気記録媒体用潤滑膜。
(付記10)前記窒素化処理が、前記磁気記録媒体に窒素の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記録媒体を窒素プラズマに暴露することによって行ったものであることを特徴とする付記8に記載の磁気記録媒体用潤滑膜。
(付記11)0.1〜2.0nmの膜厚を有していることを特徴とする付記8〜10のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用潤滑膜。
(付記12)非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素系保護膜及び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体において用いられる潤滑膜を製造する方法であって、
前記潤滑膜を形成した後に前記保護膜及び前記潤滑膜を酸化もしくは窒素化し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供すること、あるいは
前記保護膜を形成した後にその保護膜を酸化もしくは窒素化し、引き続いて前記潤滑膜を形成し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供すること、
を特徴とする潤滑膜の製造方法。
(付記13)前記酸化処理が、前記磁気記録媒体をオゾン雰囲気に暴露すること、前記磁気記録媒体に酸素の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記録媒体を酸素プラズマに暴露することからなることを特徴とする付記12に記載の潤滑膜の製造方法。
(付記14)前記窒素化処理が、前記磁気記録媒体に窒素の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記録媒体を窒素プラズマに暴露することからなることを特徴とする付記12に記載の潤滑膜の製造方法。
(付記15)前記潤滑膜を0.1〜2.0nmの膜厚で形成することを特徴とする付記12〜14のいずれか1項に記載の潤滑膜の製造方法。
(付記16)磁気記録媒体において情報の記録・再生を行う磁気ヘッドを備えた磁気記録装置であって、
前記磁気記録媒体が、付記1〜7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録装置。
(付記17)前記磁気ヘッドが、そのスライダーレール面に突起を備えていることを特徴とする付記16に記載の磁気記録装置。
(付記18)前記磁気ヘッドが磁気抵抗効果型ヘッドであることを特徴とする付記16又は17に記載の磁気記録装置。
【0090】
【発明の効果】
以上に詳細に説明したように、本発明によれば、炭素系保護膜の表面を酸化あるいは窒素化するため、保護膜に対する潤滑剤の付着性を向上させて、磁気ヘッドとの相互作用を減少させることができると同時に、コンタミネーションが付着し難い潤滑膜が得られ、磁気記録媒体に優れた耐久性を付与することができる。
【0091】
また、本発明の磁気記録媒体を磁気記録装置に格納して使用した場合、磁気ヘッドとの相互作用に原因するトラブルの発生などを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のディスクドライブ装置内の磁気ヘッドと回転中のハードディスクとの関係を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明による磁気記録媒体の一例を模式的に示した断面図である。
【図3】本発明による磁気記録媒体の製造方法における好ましい1工程(部分)を示したフローチャートである。
【図4】図3の製造方法における潤滑膜形成工程の1方法を示した断面図である。
【図5】図3の製造方法における酸化処理工程の1方法を示した断面図である。
【図6】図3の製造方法における酸化処理工程のもう1つの方法を示した断面図である。
【図7】図3の製造方法における酸化処理工程のさらにもう1つの方法を示した断面図である。
【図8】図3の製造方法におけるCFプラズマ処理工程の1方法を示した断面図である。
【図9】本発明による磁気記録媒体の製造方法におけるもう1つの好ましい工程(部分)を示したフローチャートである。
【図10】本発明による磁気記録媒体の製造方法におけるもう1つの好ましい工程(部分)を示したフローチャートである。
【図11】本発明による磁気記録媒体の製造方法におけるもう1つの好ましい工程(部分)を示したフローチャートである。
【図12】本発明による磁気記録装置の原理を示す断面図である。
【図13】図12の磁気記録装置の線分B−Bに沿った断面図である。
【図14】磁気ヘッド付きのスライダを示す斜視図である。
【図15】本発明による磁気記録装置の好ましい1例を示す平面図である。
【図16】図15の磁気記録装置の線分A−Aに沿った断面図である。
【図17】種々の磁気記録媒体の表面においてシリコン(Si)付着量を測定した結果を示すグラフである。
【図18】種々の磁気記録媒体の表面においてシリコン(Si)付着量を測定した結果を示すグラフである。
【図19】従来の磁気記録媒体においてヘッド−媒体間相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示すグラフである。
【図20】従来の磁気記録媒体においてヘッド−媒体間相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示すグラフである。
【図21】従来の磁気記録媒体においてヘッド−媒体間相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示すグラフである。
【図22】従来の磁気記録媒体においてヘッド−媒体間相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示すグラフである。
【図23】従来の磁気記録媒体においてヘッド−媒体間相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示すグラフである。
【図24】本発明による磁気記録媒体においてヘッド−媒体間相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示すグラフである。
【図25】本発明による磁気記録媒体においてヘッド−媒体間相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…基板
3…下地層
5…磁気記録層
7…炭素系保護膜
9…潤滑膜
10…磁気記録媒体

Claims (4)

  1. 非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素系保護膜及びフルオロカーボン樹脂系潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体において、
    前記潤滑膜を形成した後に前記保護膜及び前記潤滑膜を酸化もしくは窒素化し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供したことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記酸化処理が、前記磁気記録媒体をオゾン雰囲気に暴露すること、前記磁気記録媒体に酸素の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記録媒体を酸素プラズマに暴露することによって行ったものであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記窒素化処理が、前記磁気記録媒体に窒素の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記録媒体を窒素プラズマに暴露することによって行ったものであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 磁気記録媒体において情報の記録・再生を行う磁気ヘッドを備えた磁気記録装置であって、
    前記磁気記録媒体が、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録装置。
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