JP2003223710A - 磁気記録媒体、潤滑膜及び磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体、潤滑膜及び磁気記録装置

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JP2003223710A JP2002017569A JP2002017569A JP2003223710A JP 2003223710 A JP2003223710 A JP 2003223710A JP 2002017569 A JP2002017569 A JP 2002017569A JP 2002017569 A JP2002017569 A JP 2002017569A JP 2003223710 A JP2003223710 A JP 2003223710A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保護膜表面に強固に付着させることとコンタ
ミネーションが付着しがたいこととを両立させた潤滑膜
を備えた磁気記録媒体を提供すること。 【解決手段】 潤滑膜を形成した後に保護膜及び潤滑膜
を酸化もしくは窒素化し、さらに続けて磁気記録媒体を
CFプラズマに暴露する処理に供するか、もしくは保
護膜を形成した後にその保護膜を酸化もしくは窒素化
し、引き続いて潤滑膜を形成し、さらに続けて磁気記録
媒体をCFプラズマに暴露する処理に供するようにし
て媒体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータの外
部記憶装置として使用される磁気記録装置で用いられて
いるハードディスク等の磁気記録媒体に関し、特に低摩
擦性、耐磨耗性及び撥水性に優れ、信頼性を向上させた
磁気記録媒体に関する。本発明はまた、かかる磁気記録
媒体において特に有用な、保護膜表面に強固に付着させ
ることとコンタミネーションが付着しがたいこととを両
立させた潤滑膜とその製造方法に関する。本発明は、さ
らに、かかる磁気記録媒体を使用した磁気記録装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータに使用されるディスクドラ
イブ装置等の磁気記録装置において、記録情報の大容量
化及び高密度化への要請が近年において急速に高まって
いる。また、かかる要請に対応するため、ディスクドラ
イブ装置本体側の磁気ヘッドと、その内部に格納される
磁気記録媒体としてのハードディスクとの間の磁気スペ
ーシングを低減すること、すなわち可能な限り両者の間
隔を狭くすることが必要である。
【0003】図1は、従来のディスクドライブ装置10
0内の磁気ヘッド120と回転中のハードディスク11
0との関係を模式的に示した図であり、ハードディスク
110の層構成と磁気スペーシングSの様子が分かるよ
うに要部を拡大して示している。ハードディスク110
は、基板111上に、下地膜113、磁性膜115が下
から順に積層された基本構成を有しており、その上にカ
ーボン系の保護膜として、例えばDLC(Diamon
d Like Carbon)の保護膜117を有してい
る。
【0004】ところで、図示のディスクドライブ装置1
00では、一般にハードディスク110の回転起動・停
止時に磁気ヘッド120の浮上面120aがハードディ
スク110の表面と接触・摺動するコンタクト・スター
ト・アンド・ストップ(CSS)方式やロード・アンド
・ロード方式が採用されている。例えば、CSS方式で
はハードディスク110と磁気ヘッド120が接触する
領域としてCSS領域が設けられる。ハードディスク1
10の回転起動時、磁気ヘッド120がハードディスク
110のCSS領域と接触して走行する。そして、ハー
ドディスク110の回転により生じる空気流で磁気ヘッ
ド120が浮上する。しかし、磁気ヘッド120が浮上
中に予期せぬ接触障害が発生して、磁気ヘッド120が
ハードディスク110と接触してしまう場合がある。さ
らに、ハードディスク110の回転起動・停止時には、
常に磁気ヘッド120がハードディスク110のCSS
領域に接触する。したがって、ハードディスク110の
表面を低摩擦性及び耐磨耗性がある状態に保持しておく
必要がある。
【0005】このため、従来から、ハードディスク11
0表面の保護膜117の上にさらに潤滑剤を塗布して形
成した潤滑膜119を設けることが行われている。潤滑
膜119はハードディスク110の摩擦・磨耗特性を大
きく左右するので、ディスクドライブ装置100の信頼
性を確保する上で重要な役割を担っている。さらに、潤
滑膜119の役割は、摩擦・磨耗特性の改善のみに留ま
るものではない。もしもディスクドライブ装置100が
高温・高湿下で使用された場合には、雰囲気湿度の影響
で結露や吸着水を生じハードディスク110あるいは磁
気ヘッド120が腐食するおそれがある。よって、潤滑
膜119は、撥水性を備えた潤滑剤をハードディスク1
10上に均一に塗布し、ハードディスク110あるいは
磁気ヘッド120の腐食を防止し、さらには水や塵埃が
ハードディスク110の表面に付着しないように抑制す
るという重要な役割も担っている。
【0006】上述のような磁気記録装置の分野では、今
後更なる低スペーシング化が進むと予測され、潤滑膜1
19によりハードディスク110上を長期間に亘り、低
摩擦・耐磨耗性がありかつ撥水性を有するように保つこ
とがより一層重要となる。しかし、一般にディスクドラ
イブ装置100の内部は高温となり、ハードディスク1
10は高速で回転される。そのため、潤滑膜119を形
成する潤滑剤は、遠心力を受けて時間と共にハードディ
スク110の外周部側へ移動(マイグレーション)し、
その後ハードディスク110から離脱してしまうものが
多かった。したがって、ハードディスク110上の潤滑
膜119は時間の経過と共に膜厚が低下する。このよう
に、潤滑膜119の膜厚が低下すると、ハードディスク
110の表面を低摩擦・耐磨耗性及び撥水性を備えた状
態に保持するという潤滑膜の機能が失われる。
【0007】保護膜117上における潤滑膜119の膜
厚の低下を防止するためには、ハードディスク110に
対してより吸着力の強い潤滑剤を用いて潤滑膜119を
形成する必要がある。ここで、ハードディスク110の
保護膜117とその上に形成される潤滑膜119の関係
について着目すると、潤滑膜119の中には保護膜11
7の表面に強固に結合したボンド層(Bonding
Layer)と、保護膜表面との結合力が弱く遠心力等
の外力を受けると離脱してしまうモービル層(Mobi
le Layer)が混在していることが分かってい
る。すなわち、ハードディスク110上の潤滑膜119
の膜厚が低下するのは、モービル層がハードディスク1
10の外周部側へマイグレーションし、その後ハードデ
ィスク110から離脱することが主な原因であると考え
られている。
【0008】したがって、ディスクドライブ装置100
が使用され時間が経過しても、潤滑膜119の膜厚を当
初の厚さに近い状態に保持するためには、保護膜117
との吸着力が強いボンド層の割合(ボンド率)を増加さ
せればよく、そのために、従来からボンド率を増加させ
るための種々の試みがなされている。1つの試みは、ハ
ードディスク110の保護膜117上に潤滑剤を塗布し
た後、塗布後の潤滑剤、すなわち、形成された潤滑膜1
19に対して紫外線照射又は熱処理を行って、ボンド率
を増加させようとする試みである。しかしながら、ハー
ドディスク110に潤滑剤119を塗布した後、ボンド
率を上げるために大気圧下で長時間の紫外線照射を行う
と、オゾンが発生して汚染物質、例えば有機酸を生成せ
る。有機酸は保護膜117や潤滑膜119自体も酸化さ
せるので、ハードディスク110の表面の腐食を誘発す
ることとなる。ハードディスク110の表面が腐食され
ると、潤滑膜表面の均一性が失われるので撥水性が低下
し、摩擦抵抗も増加することになる。
【0009】また、潤滑剤を塗布した後の熱処理もボン
ド率の増加や撥水性の向上をもたらすが、紫外線照射を
した場合ほどの撥水性、ボンド率の向上は得られず、そ
の一方で、加熱により潤滑剤の揮発成分が揮発するため
に生ずる、いわゆる膜減りが発生するという欠点を有し
ている。
【0010】さらに、上述のような従来試みられている
技術は、保護膜の上に潤滑剤を塗布した後に、潤滑膜に
対して紫外線照射又は熱処理を行うために、その処理の
ための設備を必要とし、追加の製造工程や時間が必要で
あり、製造コストも増加する。
【0011】別に、潤滑剤を塗布する前の保護膜表面を
酸化もしくは窒素化することによって、保護膜に対して
潤滑剤を強固に吸着させ、かつ潤滑剤分子が保護膜表面
をよく濡らし、かつ濡れ広がるようにすることも試みら
れている。例えば、特開平5−28478号公報には、
磁気記録媒体の製造において、基材上に保護膜を形成し
た後であって潤滑膜を形成する前、保護膜の表面を紫外
線照射処理、紫外線+オゾン照射処理などを施す方法が
開示されている。また、特開平7−296372号公報
には、磁気記録媒体の製造において、基材上に保護膜を
形成した後であって潤滑膜を形成する前、保護膜の表面
をアンモニアガス含有雰囲気下でプラズマ処理を施す方
法が開示されている。しかしながら、保護膜を酸化もし
くは窒素化することは、潤滑剤分子が保護膜表面に付着
しやすくなると同時に、コンタミネーションも付着しや
すくなるという欠点を有している。ここで、コンタミネ
ーションは、上記したようなオゾン由来の汚染物質であ
ったり、潤滑剤の極性に基づく化学的な汚染物質であっ
たりする。コンタミネーションが表面に付着したままの
状態でハードディスクが磁気ヘッドに衝突した場合、記
録再生を不能にするような障害が発生するおそれが大き
い。また、磁気ヘッドに衝突しないほど小さいコンタミ
ネーションでも、かき集めることによりハードディスク
の浮上面を汚してしまうため、磁気ヘッドの浮上姿勢を
変えてしまい好ましくない。以上のことから、潤滑剤を
保護膜表面に強固に吸着させることと、コンタミネーシ
ョンが付着し難いことを両立する潤滑膜が必要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の技術の問題点を解決することを目的とする。
【0013】本発明の目的は、特に低摩擦性、耐磨耗性
及び撥水性に優れ、信頼性を向上させた磁気記録媒体を
提供することにある。
【0014】本発明の目的は、また、磁気記録媒体に対
して、特に低摩擦性、耐磨耗性及び撥水性ならびに高い
信頼性を付与し得る磁気記録媒体用潤滑膜を提供するこ
とにある。
【0015】本発明の目的は、さらに、保護膜表面に強
固に付着させることとコンタミネーションが付着しがた
いこととを両立させた磁気記録媒体用潤滑膜を提供する
ことにある。
【0016】さらにまた、本発明の目的は、本発明によ
る優れた磁気記録媒体を格納した磁気記録装置を提供す
ることにある。
【0017】本発明の上記したような目的やその他の目
的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができ
るであろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの面
において、非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素系保
護膜及び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体におい
て、前記潤滑膜を形成した後に前記保護膜及び前記潤滑
膜を酸化もしくは窒素化し、さらに続けて前記磁気記録
媒体をCFプラズマに暴露する処理に供したこと、あ
るいは前記保護膜を形成した後にその保護膜を酸化もし
くは窒素化し、引き続いて前記潤滑膜を形成し、さらに
続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処
理に供したこと、を特徴とする磁気記録媒体にある。
【0019】また、本発明は、そのもう1つの面におい
て、非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素系保護膜及
び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体において用いら
れる潤滑膜であって、前記潤滑膜を形成した後に前記保
護膜及び前記潤滑膜を酸化もしくは窒素化し、さらに続
けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理
に供すること、あるいは前記保護膜を形成した後にその
保護膜を酸化もしくは窒素化し、引き続いて前記潤滑膜
を形成し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラ
ズマに暴露する処理に供すること、を特徴とする磁気記
録媒体用潤滑膜にある。
【0020】また、この発明に関連して、本発明に従う
と、非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素系保護膜及
び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体において用いら
れる潤滑膜を製造する方法であって、前記潤滑膜を形成
した後に前記保護膜及び前記潤滑膜を酸化もしくは窒素
化し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマ
に暴露する処理に供すること、あるいは前記保護膜を形
成した後にその保護膜を酸化もしくは窒素化し、引き続
いて前記潤滑膜を形成し、さらに続けて前記磁気記録媒
体をCFプラズマに暴露する処理に供すること、を特
徴とする潤滑膜の製造方法も提供される。
【0021】さらに、本発明は、そのもう1つの面にお
いて、磁気記録媒体において情報の記録・再生を行う磁
気ヘッドを備えた磁気記録装置であって、前記磁気記録
媒体が、本発明の磁気記録媒体であることを特徴とする
磁気記録装置にある。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明による磁気記録媒体は、炭
素系保護膜上に形成される潤滑膜を上記しかつ以下にお
いて詳述するように改良した相違点を除いて、磁気記録
媒体として一般的に知られ、かつ実施されているものと
同様な層構成を有することができる。よって、以下、図
2の基本構成を参照して本発明の磁気記録媒体を説明す
る。
【0023】図2の磁気記録媒体10は、非磁性の基板
1の上に、下地層3、磁気記録層5、炭素系保護膜7、
そして潤滑膜9を順次形成している。磁気記録媒体10
は、本発明の範囲内において種々の変更や改良、例え
ば、磁気記録層5の多層化、炭素系保護膜7の2層化、
任意の位置における中間層の追加などを行うことがで
き、さもなければ、含まれる層に任意の化学処理等を施
すこともできる。実際、現用の磁気記録媒体の層構成
は、図示したものよりも非常に複雑になっている。な
お、磁気記録媒体は、通常、ディスクの形態で提供され
るが、必要ならば、その他の形態であってもよい。
【0024】本発明の磁気記録媒体において、非磁性の
基板は、この技術分野において常用のいろいろな材料か
ら形成することができる。適当な非磁性の基板として
は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれ
ども、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金の基
板、ガラス又は強化ガラスの基板、表面酸化膜(例えば
シリコン酸化膜)を有するシリコン基板、SiC基板、
カーボン基板、プラスチック基板、セラミック基板など
を挙げることができる。特に、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金の基板やガラス又は強化ガラスの基板を有利
に使用することができる。
【0025】非磁性の基板の上には、必要に応じて、非
磁性の金属の薄膜が硬化層として積層される。金属硬化
層の存在によって、基板の機械的強度を高めることがで
きるからである。通常、NiPのめっき層などが、硬化
層として有利に使用される。また、かかる硬化層を備え
た非磁性の基板は、この分野において非磁性の基体とも
呼ばれている。
【0026】非磁性の基板あるいは非磁性の基体の表面
には、通常、磁気記録媒体に対する磁気ヘッドの吸着を
防ぐために、「テクスチャ」と呼ばれるミクロな凹凸
(通常、0.01μmのオーダの凹凸)を加工するのが好
ましい。テクスチャ加工は、研磨テープやスラリー(遊
離砥粒)を用いて行うことができる。
【0027】非磁性の基板の上の下地層は、磁気記録媒
体において常用の一般的な非磁性金属材料から形成する
ことができ、好ましくは、クロムを主成分とする非磁性
金属材料から形成することができる。下地層は、単層で
あっても2層もしくはそれ以上の多層構造であってもよ
い。多層構造の下地層の場合、それぞれの層の組成は任
意に変更することができる。かかる下地層は、特に、ク
ロムのみを主成分とする金属材料あるいはクロム及びモ
リブデンを主成分とする金属材料から有利に構成するこ
とができる。例えば、磁気記録媒体の磁気記録層に白金
が含まれるような場合には、クロム及びモリブデンを主
成分とする金属材料から下地層を構成するのが好まし
い。すなわち、モリブデンの添加によって、格子面間隔
を広げることができ、また、磁気記録層の組成、特に白
金量によって広がる磁気記録層の格子面間隔に対して下
地層の格子面間隔を近くしてやることにより、磁気記録
層(CoCr系合金)のC軸の面内への優先配向を促す
ことができるからである。適当な下地層の材料の例とし
て、例えば、Cr、CrW、CrV、CrTi、CrM
oなどを挙げることができる。このような下地層は、好
ましくは、例えばマグネトロンスパッタ法などのスパッ
タ法により、常用の成膜条件により形成することができ
る。特に、保磁力を高めるため、DC負バイアスの印加
下にスパッタ法を実施するのが好ましい。適当な成膜条
件として、例えば、約100〜300℃の成膜温度、約
1〜10mTorrのArガス圧力、そして約100〜
300VのDC負バイアスを挙げることができる。ま
た、必要に応じて、スパッタ法に代えて、他の成膜法、
例えば蒸着法、イオンビームスパッタ法等を使用しても
よい。かかる下地層の膜厚は、種々のファクタに応じて
広い範囲で変更することができる。下地層の膜厚は、こ
の範囲に限定されるものではないけれども、S/N比を
高めるため、一般的には5〜60nmの範囲である。下
地層の膜厚が5nmを下回ると、磁気特性が十分に発現
しないおそれがあり、また、反対に60nmを上回る
と、ノイズが増大するおそれがある。
【0028】本発明の磁気記録媒体は、必要に応じて、
非磁性の基板あるいは非磁性の基体とその上方の前記下
地層との中間に、チタンを主成分とする金属材料からな
る追加の下地層、好ましくはTi薄膜を有していてもよ
い。このような中間層は、両者の結合関係をより向上さ
せるであろう。
【0029】本発明の磁気記録媒体において、非磁性の
下地層の上に形成されるべき磁気記録層は、下地層と同
様に、常用の磁気記録媒体において一般的な磁気記録層
から形成することができる。磁気記録層は、単層であっ
てもよく、2層もしくはそれ以上の多層構造であっても
よい。多層構造の磁気記録層の場合、それぞれの磁気記
録層の組成は同一もしくは異なっていてもよく、また、
必要に応じて、磁気記録層の間に中間層を介在させて、
磁気記録特性の向上などを図ってもよい。
【0030】例えば、磁気記録層は、コバルト合金層か
ら有利に形成することができる。例えば、磁気記録層
は、コバルトを主成分として含有するとともに、14〜
23at%のクロムと、1〜20at%の白金を含むこ
とができる。また、かかるコバルト合金に、タングステ
ン、カーボンなどを添加して、四元系合金又は五元系合
金としてもよい。
【0031】本発明の磁気記録媒体において、その磁気
記録層は、単層構造及び2層構造にかかわりなく、30
〜180Gμm のtBr(磁気記録層の膜厚tと残留磁
化密度Brの積)を有していることが好ましい。特に、
単層構造の磁気記録層は、50〜180Gμm のtBr
を有していることが好ましく、また、2層構造の磁気記
録層は、30〜160Gμm のtBrを有していること
が好ましい。本発明の磁気記録層は、従来の磁気記録層
に比較して低Brに構成したことにより、特にMRヘッ
ドをはじめとした磁気抵抗効果型ヘッド用として最適で
ある。
【0032】非磁性基板上に下地層を介して設けられる
磁気記録層は、好ましくは、スパッタ法により、特定の
成膜条件下で有利に形成することができる。特に、保磁
力を高めるため、DC負バイアスの印加下にスパッタ法
を実施するのが好ましい。スパッタ法としては、上記し
た下地層の成膜と同様、例えばマグネトロンスパッタ法
などを使用することができる。適当な成膜条件として、
例えば、約100〜350℃の成膜温度、好ましくは約
200〜320℃の温度、特に好ましくは250℃前後
の温度、約1〜10mTorrのArガス圧力、そして
約80〜400VのDC負バイアスを挙げることができ
る。ここで、約350℃を上回る成膜温度は、本来非磁
性であるべき基板において磁性を発現する可能性がある
ので、その使用を避けることが望ましい。また、必要に
応じて、スパッタ法に代えて、他の成膜法、例えば蒸着
法、イオンビームスパッタ法等を使用してもよい。磁気
記録層の形成の好ましい一例を示すと、非磁性基板がN
iPめっき付きのアルミニウム基板である場合、前記磁
気記録層を、スパッタ法で、DC負バイアスの印加下
に、約220〜320℃の成膜温度で、上記の合金から
有利に形成することができる。
【0033】本発明の磁気記録媒体は、磁気記録層の上
に、それを保護する炭素系保護膜を備える。炭素系保護
膜は、通常、カーボンの単独から、あるいはカーボン化
合物、例えばWC、SiC、B4 C、水素含有Cなどか
ら、単層もしくは多層で形成される。場合によっては、
かかるカーボンあるいはカーボン化合物中に、窒素など
がドープされていてもよい。
【0034】また、かかる炭素系保護膜は、SP結合
とSP結合が混在しており、SP 結合の量が、保護
膜の表層部分においてSP結合の量よりも多量になる
ように、形成されているのが好ましい。これは、炭素系
保護膜の優れた特性は、その膜中に含まれる炭素間結合
に大きく由来していることが知られているからである。
すなわち、炭素系保護膜の炭素間結合は、ダイヤモンド
的であるSP結合とグラファイト的であるSP結合
の両者が混在している状態であるが、SP/SP
表される存在量の比がより小さいほど、より高硬度とな
ることが知られている。したがって、SP結合性の高
い保護膜を形成することは、その機械的強度、ひいては
磁気ディスクの機械的強度を向上させる点で有効であ
る。しかしながら、SP/SP比が小さい炭素系保
護膜の場合、それに対する潤滑剤の付着が十分でないと
いう問題をかかえている。これは、潤滑剤がその末端に
各種の極性基を有しているので、表面安定な炭素系保護
膜の上に乗りにくいからである。したがって、磁気ディ
スクを長期間にわたって使いつづけると、ディスクの回
転に伴う遠心力により潤滑剤がディスクの円周部へ移行
せしめられたり、飛散せしめられたりする。すなわち、
炭素系保護膜から潤滑剤層が除かれた状態となるので、
磁気記録層が損傷や破損を被ったり、磁気ヘッドがクラ
ッシュを生じたりする。このような問題を避けるため、
上記したように、SP結合の量が、保護膜の表層部分
においてSP結合の量よりも多量になるように、形成
されているのが好ましいわけである。なお、多層構造の
炭素系保護膜を形成する場合には、SP結合の量が、
上層で多く、下層で少なくなるように配慮することが好
ましい。上層及び下層の保護膜は、通常、上記したよう
なカーボン又はカーボン化合物を任意に組み合わせて形
成することができる。
【0035】炭素系保護膜は、それが単層構造あるいは
多層構造のいずれであろうとも、磁気記録媒体に一般的
に使用されているようないろいろな膜厚を有することが
できる。炭素系保護膜の膜厚は、通常、50nm以下で
あり、好ましくは1〜20nmであり、さらに好ましく
は5〜10nmである。なお、炭素系保護膜の膜厚が1
nmを下回ると、その特性が経時的に劣化したり、連続
した膜が得られないといった問題が発生する。
【0036】本発明の炭素系保護膜は、任意の成膜法に
従って形成することができる。適当な成膜法としては、
例えば、下記のものに限定されるわけではないけれど
も、スパッタリング法、CVD法、イオンビーム堆積
法、イオンビーム蒸着法などを挙げることができる。ま
た、必要に応じて、最近開発された技術であるFiltered
Cathodic Arc 法(FCA法)を用いてもよい。高被覆
性、高硬度の面から、CVD法などを特に有利に使用す
ることができる。
【0037】本発明の磁気記録媒体の場合、上記した炭
素系保護膜の上にさらに潤滑膜が形成される。潤滑膜自
体は、常法に従って適当な潤滑剤を薄く塗布及び含浸す
ることによって形成することができる。適当な潤滑剤
は、フルオロカーボン樹脂系の液体潤滑剤であり、例え
ば、フォンブリン(Fomblin)、クライトックス(Kryto
x)などという商品名で容易に入手可能である。また、
フルオロカーボン樹脂系の液体潤滑剤に代えて、アミン
塩系の液体潤滑剤やその他の潤滑剤を使用することもで
きる。例えば、アミン塩系の液体潤滑剤としては、パー
フルオロポリエーテルの1種であるが、カルボキシル基
を有するパーフルオロポリエーテル、例えばフォンブリ
ンDIACと直鎖アミンCH(CHNHの中
和反応生成物などがある。かかる潤滑剤は、磁気ヘッド
と磁気記録媒体が接触して磁気記録データを破壊するヘ
ッドクラッシュを防止し、しかもヘッドと媒体の摺動に
伴う摩擦力を低減させ、媒体の寿命を延ばす働きがあ
る。
【0038】上記したような潤滑膜は、ディップコート
法、スピンコート法、スプレーコート法などの常用の塗
工法を使用して、所望とする膜厚で形成することができ
る。また、必要ならば、溶剤を使用しないで、蒸着法な
どによって潤滑膜を形成してもよい。潤滑膜の膜厚は、
通常、約0.1nm以上〜2.0nm以下、さらに好ま
しくは約0.5〜1.5nmの範囲である。
【0039】本発明の磁気記録媒体では、この潤滑膜の
形成及び処理が非常に重要であり、引き続いてこれにつ
いて説明する。
【0040】本発明では、磁気記録媒体の潤滑膜を製造
する際に、潤滑膜に対して下記のような追加の処理を施
すことが必要である。
【0041】第1の方法によると、図3に示すように、
炭素系保護膜の上に潤滑膜を形成した後、それらの保護
膜及び潤滑膜を同時に酸化処理に供し、さらに続けて磁
気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供する。
【0042】ここで、炭素系保護膜の形成は、例えば、
前記したように、カーボン又はその化合物をスパッタリ
ング法、CVD法、イオンビーム堆積法、イオンビーム
蒸着法、FCA法などによって成膜することによって行
うことができる。
【0043】炭素系保護膜の形成が完了した後、その上
にさらに潤滑膜を形成する。潤滑膜は、例えば、前記し
たように、フルオロカーボン樹脂系の液体潤滑剤やアミ
ン塩系の液体潤滑剤をディップコート法、スピンコート
法、スプレーコート法などによって成膜することによっ
て行うことができる。また、このような溶液を使用する
方法に代えて、溶液を使わずに真空中で蒸着することに
よって潤滑膜を形成してもよい。
【0044】ディップコート法による潤滑膜の形成は、
例えば、図4に模式的に示すようにして行うことができ
る。溶剤、好ましくはフッ素系の溶剤、例えばバートレ
ルXF(C10、デュポン社製)にフッ素系潤
滑剤を0.001〜0.1容量%の濃度で溶解して得た
溶液を浸漬浴21に入れ、これに保護膜付き基板1を浸
漬した後、引き上げ速度1〜400mm/分でディップ
塗布を行う。潤滑剤を乾燥させると、目的とする潤滑膜
が得られる。
【0045】同様に、例えばバートレルXFにアミン塩
系潤滑剤を0.001〜0.1容量%の濃度で溶解して
得た溶液を浸漬浴21に入れ、これに保護膜付き基板1
を浸漬した後、引き上げ速度1〜400mm/分でディ
ップ塗布を行っても、目的とする潤滑膜を得ることがで
きる。
【0046】次いで、保護膜と潤滑膜を備えた基板を酸
化処理する。本発明では、この酸化処理をいろいろな方
法で行うことができるが、磁気記録媒体をオゾン雰囲気
に暴露すること、磁気記録媒体に酸素の存在下で紫外線
を照射すること、あるいは磁気記録媒体を酸素プラズマ
に暴露することによって行うことが好ましい。酸化処理
の結果、保護膜の表面と潤滑膜が同時に酸化される。
【0047】例えば、磁気記録媒体をオゾン雰囲気に暴
露する酸化処理方法は、例えば図5に模式的に示すよう
に、オゾンを充満させた処理容器22に保護膜と潤滑膜
を備えた基板1を所定の時間にわたって滞留させること
によって行うことができる。
【0048】また、磁気記録媒体に酸素の存在下で紫外
線を照射する酸化方法は、例えば図6に模式的に示すよ
うに、酸素の存在下で、保護膜と潤滑膜を備えた基板1
に対してUV光照射装置23からのUV光を所定の強度
でかつ所定の時間にわたって照射することによって行う
ことができる。ここで照射するUV光は、1種類の波長
であってもよく、2種類以上の波長の組み合わせであっ
てもよい。後者の場合、例えば、254nmの波長と1
85nmの波長の組み合わせを有利に使用することがで
きる。
【0049】さらに、磁気記録媒体を酸素プラズマに暴
露する酸化方法は、例えば図7に模式的に示すように、
保護膜と潤滑膜を備えた基板1を酸素プラズマ反応装置
24に収容した後、基板1を酸素プラズマに暴露するこ
とによって行うことができる。
【0050】基板の酸化処理が完了した後、CFプラ
ズマ処理工程に移行する前、酸化処理後の基板を高めら
れた温度で熱処理(ベーク処理)してもよい。
【0051】ベーク処理は、例えば、酸化処理後の基板
を恒温容器中に保持して、所定温度、例えば120℃程
度で行うことができる。このベーク処理を潤滑膜に施す
ことで、さらに撥水性を向上させ、また残存する揮発性
の汚染物資がある場合にはこれを除去できるので、磁気
ディスク表面での汚染をより確実に防止することができ
る。なお、このベーク処理は通常30分以内の短時間で
完了するので、膜減りの問題は発生しない。
【0052】また、上記のようなベーク処理は、必要な
らば、他の工程で行ってもよい。例えば、プラズマ処理
後の基板を上記のようにして所定の温度でベーク処理し
てもよい。
【0053】上記のようにして酸化処理が完了した後、
さらに続けて磁気記録媒体をCFプラズマに暴露して
処理する。このCFプラズマ処理工程は、例えば図8
模式的に示すように、酸化処理後の基板1をCFプラ
ズマ反応装置25に収容した後、基板1をCFプラズ
マに暴露することによって行うことができる。この場合
のプラズマ処理条件は、例えば、放置時間:約1〜10
分、電圧:約100〜10000W、CF流量:約1
0〜1000sscmである。
【0054】以上のような一連の処理工程を経て、所望
の特性を備えた本発明の磁気記録媒体を得ることができ
る。
【0055】また、第2の方法によると、図9に示すよ
うに、炭素系保護膜の上に潤滑膜を形成した後、それら
の保護膜及び潤滑膜を同時に窒素化処理に供し、さらに
続けて磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に
供する。すなわち、この方法の場合、上記した第1の方
法において、酸化処理に代えて窒素化処理を採用してい
ることが特徴であり、基本的には、上記した方法と同様
にして実施できる。なお、この方法の場合、アミン塩系
の潤滑剤を有利に使用することができる。
【0056】酸化処理と同様に窒素化処理もいろいろな
方法によって行うことができるが、磁気記録媒体に窒素
の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記
録媒体を窒素プラズマに暴露することによって行うこと
が好ましい。窒素化処理の結果、保護膜の表面と潤滑膜
を同時に窒素化することができる。
【0057】例えば、磁気記録媒体に窒素の存在下で紫
外線を照射する窒素化方法は、例えば先に図6を参照し
て説明した方法と同様に、窒素の存在下で、保護膜と潤
滑膜を備えた基板に対してUV光照射装置からのUV光
を所定の強度でかつ所定の時間にわたって照射すること
によって行うことができる。ここで照射するUV光は、
1種類の波長であってもよく、2種類以上の波長の組み
合わせであってもよい。後者の場合、例えば、254n
mの波長と185nmの波長の組み合わせを有利に使用
することができる。
【0058】また、磁気記録媒体を窒素プラズマに暴露
する窒素化方法は、例えば先に図7を参照して説明した
方法と同様に、保護膜と潤滑膜を備えた基板を窒素プラ
ズマ反応装置に収容した後、基板を窒素プラズマに暴露
することによって行うことができる。
【0059】さらに、第3の方法によると、図10に示
すように、下地層の上に炭素系保護膜を形成した後にそ
の保護膜を酸化処理に供し、引き続いて潤滑膜を形成
し、さらに続けて磁気記録媒体をCFプラズマに暴露
する処理に供する。
【0060】この第3の方法は、酸化処理のタイミング
を変更した違いを除いて、前記した第1の方法と同様に
して実施できる。炭素系保護膜の酸化は、前記した酸化
処理と同様に、保護膜付きの基板に対して酸素の存在下
で1種もしくは2種類以上の波長のUV光を混合して照
射すること、あるいはそのような基板を酸素プラズマに
曝露すること、あるいはそのような基板をオゾン中に曝
露すること、などによって有利に実施できる。
【0061】さらにまた、第4の方法によると、図11
に示すように、下地層の上に炭素系保護膜を形成した後
にその保護膜を窒素化処理に供し、引き続いて潤滑膜を
形成し、さらに続けて磁気記録媒体をCFプラズマに
暴露する処理に供する。なお、この方法の場合、アミン
塩系の潤滑剤を有利に使用することができる。
【0062】この第4の方法は、窒素化処理のタイミン
グを変更した違いを除いて、前記した第2の方法と同様
にして実施できる。炭素系保護膜の窒素化は、例えば、
前記した窒素化処理と同様に、保護膜付きの基板に対し
て窒素の存在下で1種もしくは2種類以上の波長のUV
光を混合して照射すること、あるいはそのような基板を
窒素プラズマに曝露すること、などによって有利に実施
できる。
【0063】本発明は、上記したような磁気記録媒体及
び潤滑膜とそれらの製造方法の他に、本発明の磁気記録
媒体を格納し、その記録媒体において情報の記録・再生
を行う磁気ヘッドを備えた磁気記録装置、例えば磁気デ
ィスク装置(ディスクドライブ装置ともいう)にある。
本発明の磁気記録装置は、それに格納される磁気記録媒
体が本発明の記録媒体であるという相違点を除いて、基
本的には従来一般的に使用されている磁気記録装置と同
様な構成を有することができる。
【0064】本発明の磁気記録装置において、その磁気
ヘッドは、任意であるけれども、磁気記録装置に対して
近年特に高密度化の要求が高まっていることを考慮し
て、従来の巻線型のインダクティブ薄膜磁気ヘッドに代
えて、磁界の強さに応じて電気抵抗が変化する磁気抵抗
素子を使用した磁気抵抗効果型ヘッド、すなわち、MR
ヘッドを使用することが推奨される。MRヘッドは、磁
性体の電気抵抗が外部磁界により変化する磁気抵抗効果
を記録媒体上の信号の再生に応用したもので、従来のイ
ンダクティブ薄膜磁気ヘッドに較べて数倍も大きな再生
出力幅が得られること、イングクタンスが小さいこと、
大きなS/N比が期待できること、などを特徴としてい
る。また、このMRヘッドとともに、異方性磁気抵抗効
果を利用したAMRヘッド、巨大磁気抵抗効果を利用し
たGMRヘッド、そしてその実用タイプであるスピンバ
ルブGMRヘッドの使用も推奨される。なお、磁気ヘッ
ドは、磁気記録媒体において情報の再生を行うための再
生ヘッド部において用いられ、また、この再生ヘッド部
に組み合わせて、磁気記録媒体において情報の記録を行
うための記録ヘッド部が備えられる。記録ヘッド部は、
通常、薄膜で形成された一対の磁極を有する誘導型の記
録ヘッド部である。
【0065】本発明の磁気記録装置は、磁気ディスク装
置を例にとって説明すると、例えばその記録ヘッド部及
び再生ヘッド部を図12及び図13に示すような積層構
造とすることができる。図12は、本発明の磁気ディス
ク装置の原理図であり、図13は、図12の線分B−B
にそった断面図である。
【0066】図12及び図13において、参照番号11
は磁気ディスクへの情報の記録を行う誘導型の記録ヘッ
ド部、12は情報の読み出しを行う磁気抵抗効果型の再
生ヘッド部である。記録ヘッド部11は、NiFe等か
らなる下部磁極(上部シールド層)13と、一定間隔を
もって下部磁極13と対向したNiFe等からなる上部
磁極14と、これらの磁極13及び14を励磁し、記録
ギャップ部分にて、磁気ディスクに情報の記録を行わせ
るコイル15等から構成される。
【0067】再生ヘッド部12は、好ましくはAMRヘ
ッドやGMRヘッド等でもって構成されるものであり、
その磁気抵抗効果素子部12A上には、磁気抵抗効果素
子部12Aにセンス電流を供給するための一対の導体層
16が記録トラック幅に相応する間隔をもって設けられ
ている。ここで、導体層16の膜厚は、磁気抵抗効果素
子部12Aの近傍部分16Aが薄く形成され、他の部分
16Bは厚く形成されている。
【0068】上記した磁気ヘッドは、セラミック製のヘ
ッド基板上に薄膜形成技術を用いて多数形成される。そ
の後、ヘッド基板をヘッドごとに切り出し所定の形状に
加工することにより、図14に示す磁気ヘッド付きのス
ライダが得られる。図14において、スライダ40の磁
気ディスクに対向する面には、その磁気ディスクの回転
によって生じる空気流の方向にそった浮上力発生用レー
ル41及び42が設けられている。これらのレール41
及び42の浮上面の空気流入側部分には、それぞれ、傾
斜面41a及び42aが形成されている。また、レール
41及び42には、図示されるように、突起46が形成
されている。突起46は、DLC製であり、その高さは
約30〜40nmである。これらの突起46は、磁気ヘ
ッドが磁気ディスクに吸着されるのを有効に防止するこ
とができる。そして、スライダ40におけるレール42
の後端面に、磁気ヘッド(ここではGMRヘッド)45
が形成されている。
【0069】スライダ40に対して上記したような構成
を導入することによって、吸着を防止するために磁気デ
ィスクの表面にレーザ加工で突起を形成することが不要
になり、また、磁気ヘッドと磁気ディスクの突起部との
摺動により塵埃が発生することも防止される。また、磁
気ヘッドの誤動作などがあってそのヘッドが磁気ディス
クに不用意に接触するようなことがあっても、吸着によ
るヘッドのダメージが発生することがなく、信頼性の高
い磁気ディスク装置を実現することができる。
【0070】本発明による磁気ディスク装置の一例は、
図15及び図16に示す通りである。なお、図15は、
図14に示した磁気ヘッド付きのスライダを備えた磁気
ディスク装置の平面図(カバーを除いた状態)であり、
図16は、図15の線分A−Aにそった断面図である。
【0071】これらの図において、参照番号50は、ベ
ースプレート51上に設けられたスピンドルモータ52
によって回転駆動される複数枚(図示の態様では3枚)
の磁気ディスクを示している。また、53は、ベースプ
レート51上に回転可能に設けられたアクチュエータで
ある。このアクチュエータ53の一方の回転端部には、
磁気ディスク50の記録面方向に延出する複数のヘッド
アーム54が形成されている。このヘッドアーム54の
回転端部には、スプリングアーム55が取り付けられ、
更に、このスプリングアーム55のフレクシャー部に前
述のスライダ40が図示しない絶縁膜を介して傾動可能
に取り付けられている。一方、アクチュエータ53の他
方の回転端部には、コイル57が設けられている。
【0072】ベースプレート51上には、マグネット及
びヨークで構成された磁気回路58が設けられ、この磁
気回路58の磁気ギャップ内に、上記コイル57が配置
されている。そして、磁気回路58とコイル57とでム
ービングコイル型のリニアモータ(VCM:ボイスコイ
ルモータ)が構成されている。そして、これらベースプ
レート51の上部はカバー59で覆われている。
【0073】
【実施例】引き続いて、本発明をその実施例を参照して
説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限
定されるものでないことは言うまでもない。実施例1 下記の層構成を有する磁気ディスクを製造した。
【0074】 ─────────────────── 潤滑膜 ─────────────────── 炭素系保護膜 ─────────────────── 磁気記録層(CoCrPtTaNb) ─────────────────── 下地層(CrMo10) ─────────────────── NiPめっき付きアルミニウム基板 ─────────────────── ドーナッツ状のアルミニウム(Al)基板の上にNiP
をめっきしてNiPめっき層を形成した後、その表面を
良く洗浄し、さらにテクスチャ処理を施した。テクスチ
ャ処理は、回転している基板の表面に研磨テープを押し
当てることで実施した。円周方向に、微細なテクスチャ
溝が形成された。
【0075】次いで、得られたNiP/Al基板に、D
Cマグネトロンスパッタ装置により、CrMo10(a
t%)下地層、そしてCoCrPtTaNb系磁気記録
層を順次積層した。まず、下地層の成膜前にスパッタ室
内を3×10-7Torr以下に排気し、基板温度を28
0℃に高め、Arガスを導入してスパッタ室内を5mT
orrに保持し、−200Vのバイアスを印加しなが
ら、下地層としてのCrMoを30nm厚に成膜した。
さらに、下地層の成膜に続けて、CoCrPtTaNb
膜をそのBrtが100Gμm(27nm厚)となるよ
うに成膜した。成膜に使用したターゲットは、CoCr
ターゲットにPt、Ta、Nbチップを配置した複合タ
ーゲットであった。
【0076】上記のようにして磁気記録層を形成した
後、その上に炭素系保護膜を次のような手法に従って形
成した。
【0077】下層の炭素系保護膜をCVD法で形成し
た。まず、RFプラズマCVD装置に原料ガスを導入し
た。本例で使用した原料ガスは、炭化水素(メタン)と
放電ガス(アルゴン)の1:1の混合物である。放電出
力700W、成膜室内圧力3mТоrrの条件でCVD
法を実施したところ、DLC膜が膜厚7nmで得られ
た。
【0078】次いで、上層の炭素系保護膜をスパッタリ
ング法で形成した。グラファイト焼結体をターゲット
に、アルゴン及び水素を放電ガスとして使用した。放電
出力3kW、成膜室内圧力2mТоrrの条件でスパッ
タリング法を実施したところ、DLC膜が膜厚3nmで得
られた。したがって、炭素系保護膜の膜厚は、合計して
10nmであった。
【0079】引き続いて、上記のようにして形成した炭
素系保護膜の表面に潤滑剤を塗布し、潤滑剤膜を形成し
た。本例では、イタリア・アウジモンド社製の「フォン
ブリンAM3001」(商品名)を潤滑剤として使用し
た。この潤滑剤を溶剤、バートレルXF(デュポン社製)
に0.02容量%の濃度で溶解した後、得られた潤滑剤
溶液を用いて、浸漬時間30秒、引き上げ速度400m
m/分でディップコートを行った。潤滑膜が膜厚1.0
nmで得られた。
【0080】次いで、基板上の保護膜の表面と潤滑膜を
同時に酸化処理した。酸素の存在下で、基板の表面に対
してUV光照射装置からのUV光を照射した。ここで使
用したUV光は、波長254nmのUV光と波長185
nmのUV光の混合光であった。
【0081】さらに続けて、酸化処理後の基板をCF
プラズマで処理した。このCFプラズマ処理のため、
酸化処理後の基板をCFプラズマ反応装置収容した
後、放置時間:約5分、電圧:約1000W、CF
量:約100sscmで処理した。実施例2 前記実施例1の手法を繰り返したが、本例では、潤滑剤
として、フッ素系潤滑剤に代えてアミン塩系潤滑剤を使
用し、炭素系保護膜を形成した後であって潤滑膜を形成
する前に、酸化処理に代えた窒素化処理を行い、また、
潤滑膜を形成した後であってCFプラズマ処理を行う
前、潤滑膜付きの基板をベーク処理した。
【0082】本例では、したがって、炭素系保護膜の窒
素化のため、保護膜付きの基板を窒素プラズマ反応装置
に収容した後、その基板を窒素プラズマに暴露した。こ
の窒素プラズマ処理の条件は、放置時間:約5分、電
圧:約1000W、N流量:約100sscmであっ
た。
【0083】また、窒素化保護膜の上に潤滑膜を形成す
るため、バートレルXF(デュポン社製)にアミン塩系潤
滑剤を0.1容量%の濃度で溶解して得た溶液に保護膜
付き基板を浸漬した。ここで使用したアミン塩系潤滑剤
は、フォンブリンDIACと直鎖アミンCH(C
)nNHの中和反応生成物であった。その後、基
板引き上げ速度400mm/分で潤滑剤のディップ塗布
を行い、さらにその後、120℃で60分間にわたって
加熱し、ベークした。
【0084】ベーク処理後のCFプラズマ処理は、前
記実施例1と同様にして実施した。比較例1〜5 前記実施例1の手法を繰り返したが、本例では、比較の
ため、下記のように、本発明で必須の酸化処理、窒素化
処理又はCFプラズマ処理のいずれか1つを少なくと
も省略した。 比較例1:酸化処理、窒素化処理及びCFプラズマ処
理のいずれも含まず。 比較例2:CFプラズマ処理のみを含む。 比較例3:酸化処理(UV処理)のみを含む。 比較例4:酸化処理、窒素化処理及びCFプラズマ処
理のいずれも含まず。ただし、潤滑剤の塗布後に120
℃で60分間にわたって加熱し、ベークした。 比較例5:潤滑膜の形成前、炭素系保護膜付きの基板を
窒素プラズマで処理して窒素化した。次いで、潤滑剤を
塗布し、120℃で60分間にわたって加熱し、ベーク
した。CFプラズマ処理は、省略した。 〔評価試験〕前記実施例1及び2ならびに比較例1〜5
のそれぞれにおいて製造した磁気ディスクを次の2項目
に関して評価試験した。 (1)含Si接着剤暴露試験 本試験は、接着剤成分であるSiが媒体表面に付着する
のを防止する性能を評価するためのものである。
【0085】まず、7.0gの市販のシリコーン系接着
剤(東レ・ダウコーニング社製の「SE4450(商品
名)」)をアルミニウム箔上に均一に伸ばした後、約1
00℃で焼き固めた。このアルミニウム箔を各例で製造
した磁気ディスクと一緒にデシケータに入れ、約65℃
で20時間放置した。次いで、デシケータから磁気ディ
スクを取り出し、その表面に付着している接着剤の量を
Si量に関して測定した。この測定のため、Ga
一次イオンとして照射し、出てくる二次イオン(ここで
は、Si)を調べるTОF−SIMS(Time-of-Flig
ht Secondary Ion Mass Spectroscopy)法を採用した。
【0086】図17及び図18は、この試験によって得
られた測定結果(強度のカウント数)をプロットしたも
のであり、図中、1は実施例1、2は実施例2、C1〜
C5は、それぞれ、比較例1〜比較例5である。これら
の測定結果から、比較例に比べて、CFプラズマ処理
を加えた本発明の実施例では、媒体表面に対するSi付
着量を減少させることができたことがわかる。 (2)ヘッド浮上時でのヘッド−媒体相互作用のAE信
号の測定試験 本試験は、コンタミネーションが媒体表面に付着するの
を防止する性能を評価するためのものである。
【0087】各例で製造した磁気ディスクを磁気ディス
ク検査装置(日立電子エンジニアリング社製の「RQ7
000(商品名)」)に搭載し、ヘッドを浮上させたと
きのヘッドと媒体の相互作用により生じるAE信号の出
力(Output)を測定した。
【0088】図19〜図25は、それぞれ、比較例1〜
比較例5ならびに実施例1及び2の磁気ディスクの測定
結果を順次プロットしたものである。これらの測定結果
から理解されるように、比較例(潤滑剤の塗布後にUV
処理、窒素化、DLC保護膜への潤滑剤塗布とベーク)
のように相互作用を減少させる効果は、本発明の実施例
でも損なわれることはない。したがって、本発明では、
潤滑剤を炭素系保護膜表面に強固に吸着させることと、
コンタミネーションが付着し難いことを両立させること
が可能となる。
【0089】最後に、本発明のさらなる理解のため、本
発明の好ましい実施形態を整理すると、次の通りであ
る。 (付記1)非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素系保
護膜及び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体におい
て、前記潤滑膜を形成した後に前記保護膜及び前記潤滑
膜を酸化もしくは窒素化し、さらに続けて前記磁気記録
媒体をCFプラズマに暴露する処理に供したこと、あ
るいは前記保護膜を形成した後にその保護膜を酸化もし
くは窒素化し、引き続いて前記潤滑膜を形成し、さらに
続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処
理に供したこと、を特徴とする磁気記録媒体。 (付記2)前記酸化処理が、前記磁気記録媒体をオゾン
雰囲気に暴露すること、前記磁気記録媒体に酸素の存在
下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記録媒体
を酸素プラズマに暴露することによって行ったものであ
ることを特徴とする付記1に記載の磁気記録媒体。 (付記3)前記窒素化処理が、前記磁気記録媒体に窒素
の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記
録媒体を窒素プラズマに暴露することによって行ったも
のであることを特徴とする付記1に記載の磁気記録媒
体。 (付記4)前記潤滑膜が0.1〜2.0nmの膜厚を有
していることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に
記載の磁気記録媒体。 (付記5)前記炭素系保護膜が、カーボン又はその化合
物からなり、スパッタリング法、CVD法、イオンビー
ム堆積法、イオンビーム蒸着法又はFCA法によって成
膜されたものであることを特徴とする付記1〜4のいず
れか1項に記載の磁気記録媒体。 (付記6)前記潤滑膜が、フルオロカーボン樹脂系の液
体潤滑剤又はアミン塩系の液体潤滑剤からなり、ディッ
プコート法、スピンコート法もしくはスプレーコート法
あるいは蒸着法によって形成されたものであることを特
徴とする付記1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒
体。 (付記7)非磁性の基板と、その上に順次積層された、
クロム系下地層、コバルト合金からなる磁気記録層、炭
素系保護膜、そして潤滑膜とを含んでなることを特徴と
する付記1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。 (付記8)非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素系保
護膜及び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体において
用いられる潤滑膜であって、前記潤滑膜を形成した後に
前記保護膜及び前記潤滑膜を酸化もしくは窒素化し、さ
らに続けて前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露す
る処理に供すること、あるいは前記保護膜を形成した後
にその保護膜を酸化もしくは窒素化し、引き続いて前記
潤滑膜を形成し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCF
プラズマに暴露する処理に供すること、を特徴とする
磁気記録媒体用潤滑膜。 (付記9)前記酸化処理が、前記磁気記録媒体をオゾン
雰囲気に暴露すること、前記磁気記録媒体に酸素の存在
下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記録媒体
を酸素プラズマに暴露することによって行ったものであ
ることを特徴とする付記8に記載の磁気記録媒体用潤滑
膜。 (付記10)前記窒素化処理が、前記磁気記録媒体に窒
素の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気
記録媒体を窒素プラズマに暴露することによって行った
ものであることを特徴とする付記8に記載の磁気記録媒
体用潤滑膜。 (付記11)0.1〜2.0nmの膜厚を有しているこ
とを特徴とする付記8〜10のいずれか1項に記載の磁
気記録媒体用潤滑膜。 (付記12)非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素系
保護膜及び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体におい
て用いられる潤滑膜を製造する方法であって、前記潤滑
膜を形成した後に前記保護膜及び前記潤滑膜を酸化もし
くは窒素化し、さらに続けて前記磁気記録媒体をCF
プラズマに暴露する処理に供すること、あるいは前記保
護膜を形成した後にその保護膜を酸化もしくは窒素化
し、引き続いて前記潤滑膜を形成し、さらに続けて前記
磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に供する
こと、を特徴とする潤滑膜の製造方法。 (付記13)前記酸化処理が、前記磁気記録媒体をオゾ
ン雰囲気に暴露すること、前記磁気記録媒体に酸素の存
在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記録媒
体を酸素プラズマに暴露することからなることを特徴と
する付記12に記載の潤滑膜の製造方法。 (付記14)前記窒素化処理が、前記磁気記録媒体に窒
素の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気
記録媒体を窒素プラズマに暴露することからなることを
特徴とする付記12に記載の潤滑膜の製造方法。 (付記15)前記潤滑膜を0.1〜2.0nmの膜厚で
形成することを特徴とする付記12〜14のいずれか1
項に記載の潤滑膜の製造方法。 (付記16)磁気記録媒体において情報の記録・再生を
行う磁気ヘッドを備えた磁気記録装置であって、前記磁
気記録媒体が、付記1〜7のいずれか1項に記載の磁気
記録媒体であることを特徴とする磁気記録装置。 (付記17)前記磁気ヘッドが、そのスライダーレール
面に突起を備えていることを特徴とする付記16に記載
の磁気記録装置。 (付記18)前記磁気ヘッドが磁気抵抗効果型ヘッドで
あることを特徴とする付記16又は17に記載の磁気記
録装置。
【0090】
【発明の効果】以上に詳細に説明したように、本発明に
よれば、炭素系保護膜の表面を酸化あるいは窒素化する
ため、保護膜に対する潤滑剤の付着性を向上させて、磁
気ヘッドとの相互作用を減少させることができると同時
に、コンタミネーションが付着し難い潤滑膜が得られ、
磁気記録媒体に優れた耐久性を付与することができる。
【0091】また、本発明の磁気記録媒体を磁気記録装
置に格納して使用した場合、磁気ヘッドとの相互作用に
原因するトラブルの発生などを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のディスクドライブ装置内の磁気ヘッドと
回転中のハードディスクとの関係を模式的に示した断面
図である。
【図2】本発明による磁気記録媒体の一例を模式的に示
した断面図である。
【図3】本発明による磁気記録媒体の製造方法における
好ましい1工程(部分)を示したフローチャートであ
る。
【図4】図3の製造方法における潤滑膜形成工程の1方
法を示した断面図である。
【図5】図3の製造方法における酸化処理工程の1方法
を示した断面図である。
【図6】図3の製造方法における酸化処理工程のもう1
つの方法を示した断面図である。
【図7】図3の製造方法における酸化処理工程のさらに
もう1つの方法を示した断面図である。
【図8】図3の製造方法におけるCFプラズマ処理工
程の1方法を示した断面図である。
【図9】本発明による磁気記録媒体の製造方法における
もう1つの好ましい工程(部分)を示したフローチャー
トである。
【図10】本発明による磁気記録媒体の製造方法におけ
るもう1つの好ましい工程(部分)を示したフローチャ
ートである。
【図11】本発明による磁気記録媒体の製造方法におけ
るもう1つの好ましい工程(部分)を示したフローチャ
ートである。
【図12】本発明による磁気記録装置の原理を示す断面
図である。
【図13】図12の磁気記録装置の線分B−Bに沿った
断面図である。
【図14】磁気ヘッド付きのスライダを示す斜視図であ
る。
【図15】本発明による磁気記録装置の好ましい1例を
示す平面図である。
【図16】図15の磁気記録装置の線分A−Aに沿った
断面図である。
【図17】種々の磁気記録媒体の表面においてシリコン
(Si)付着量を測定した結果を示すグラフである。
【図18】種々の磁気記録媒体の表面においてシリコン
(Si)付着量を測定した結果を示すグラフである。
【図19】従来の磁気記録媒体においてヘッド−媒体間
相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示すグラ
フである。
【図20】従来の磁気記録媒体においてヘッド−媒体間
相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示すグラ
フである。
【図21】従来の磁気記録媒体においてヘッド−媒体間
相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示すグラ
フである。
【図22】従来の磁気記録媒体においてヘッド−媒体間
相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示すグラ
フである。
【図23】従来の磁気記録媒体においてヘッド−媒体間
相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示すグラ
フである。
【図24】本発明による磁気記録媒体においてヘッド−
媒体間相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示
すグラフである。
【図25】本発明による磁気記録媒体においてヘッド−
媒体間相互作用の出力(AE信号)を測定した結果を示
すグラフである。
【符号の説明】
1…基板 3…下地層 5…磁気記録層 7…炭素系保護膜 9…潤滑膜 10…磁気記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K029 AA02 AA24 BA24 BC06 BD11 CA05 GA02 GA03 4K030 BA28 CA02 CA12 DA08 HA04 LA20 5D006 AA01 AA02 AA05 AA06 5D112 AA07 BC01 BC05 GA17 GA19 GA22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素
    系保護膜及び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体にお
    いて、 前記潤滑膜を形成した後に前記保護膜及び前記潤滑膜を
    酸化もしくは窒素化し、さらに続けて前記磁気記録媒体
    をCFプラズマに暴露する処理に供したこと、あるい
    は前記保護膜を形成した後にその保護膜を酸化もしくは
    窒素化し、引き続いて前記潤滑膜を形成し、さらに続け
    て前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に
    供したこと、を特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記酸化処理が、前記磁気記録媒体をオ
    ゾン雰囲気に暴露すること、前記磁気記録媒体に酸素の
    存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁気記録
    媒体を酸素プラズマに暴露することによって行ったもの
    であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記窒素化処理が、前記磁気記録媒体に
    窒素の存在下で紫外線を照射すること、あるいは前記磁
    気記録媒体を窒素プラズマに暴露することによって行っ
    たものであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 非磁性の基板の上に、磁気記録層、炭素
    系保護膜及び潤滑膜が順次積層された磁気記録媒体にお
    いて用いられる潤滑膜であって、 前記潤滑膜を形成した後に前記保護膜及び前記潤滑膜を
    酸化もしくは窒素化し、さらに続けて前記磁気記録媒体
    をCFプラズマに暴露する処理に供すること、あるい
    は前記保護膜を形成した後にその保護膜を酸化もしくは
    窒素化し、引き続いて前記潤滑膜を形成し、さらに続け
    て前記磁気記録媒体をCFプラズマに暴露する処理に
    供すること、を特徴とする磁気記録媒体用潤滑膜。
  5. 【請求項5】 磁気記録媒体において情報の記録・再生
    を行う磁気ヘッドを備えた磁気記録装置であって、 前記磁気記録媒体が、請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録装
    置。
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