JP2003192352A - 酸化鉄粒子 - Google Patents

酸化鉄粒子

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JP2003192352A JP2002266009A JP2002266009A JP2003192352A JP 2003192352 A JP2003192352 A JP 2003192352A JP 2002266009 A JP2002266009 A JP 2002266009A JP 2002266009 A JP2002266009 A JP 2002266009A JP 2003192352 A JP2003192352 A JP 2003192352A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境負荷の低い酸化鉄粒子でありながら、黒
色度が高く、耐環境性に優れている酸化鉄粒子を提供す
る。 【解決手段】 粒子中にチタンが、酸化鉄粒子総量に対
して、0.3〜1.5質量%含有されており、かつ粒子
表面から10質量%中における総Fe量に対するFeO
の割合(A%)と、残りの90質量%中における総Fe
量に対するFeOの割合(B%)との比A/Bが0.7
〜1である酸化鉄粒子。BET法による比表面積が10
〜15m2 /gであることが好ましい。また、粒子形状
が八面体状であることも好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化鉄粒子に関
し、詳しくは粒子表面のFeO量が粒子内部のFeO量
に相対して高いことに起因して、黒色度が高く、耐環境
性に優れており、特に静電複写磁性トナー用材料粉、塗
料用黒色顔料粉等の用途に主に用いられる酸化鉄粒子に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近、
電子写真複写機、プリンター等の磁性トナー用材料とし
て、水溶液反応によるマグネタイト粒子に代表される酸
化鉄粒子が広く利用されている。磁性トナーとしては各
種の一般的現像特性が要求されるが、近年、電子写真技
術の発達により、特にデジタル技術を用いた複写機、プ
リンターが急速に発達し、要求特性がより高度になって
きた。
【0003】すなわち、従来の文字以外にもグラフィッ
クや写真等の出力も要求されており、特にプリンターの
中には1インチ当たり1200ドット以上の能力のもの
も現れ、感光体上の潜像はより緻密になってきている。
そのため、現像での細線再現性の高さが強く要求されて
いる。
【0004】それに伴い、複写機、プリンターに使用さ
れるトナー粒径が小粒径化してきている。さらに、それ
に伴い、トナー中に含まれる酸化鉄粒子も小粒径で黒色
度が高く、かつ耐環境性に優れたものが望まれている。
【0005】また、塗料用黒色顔料粉用途においても、
塗膜や樹脂組成物の黒色度や耐老化性を改善する上で、
やはり小粒径で黒色度が高く、かつ耐環境性に優れたも
のが望まれている。
【0006】従来、酸化鉄粒子、特に、マグネタイト粒
子等のFeO(あるいはFe2+)を含有する酸化鉄粒子
の黒色度は、FeOの含有量に左右されることが良く知
られている(例えば特許文献1参照)。しかし、この酸
化鉄粒子中のFeO含有量は、製造後の酸化による経時
劣化が進むにつれて低下し、その結果黒色度が劣化する
という現象を伴う。この経時劣化は、酸化鉄粒子のおか
れる環境により大きく左右され、高温高湿下での経時劣
化が抑制された酸化鉄粒子が求められていることは言う
までもない。
【0007】かかる黒色度が高く、かつ耐環境性に優れ
ている酸化鉄粒子を得るために、従来から各種元素を酸
化鉄粒子に添加する技術が開示されている。例えば、C
oを含む複合酸化鉄被覆を有する酸化鉄粒子(特許文献
2及び3参照)、Znを含む複合酸化鉄被覆を有する酸
化鉄粒子(特許文献4参照)、Mn、Zn、Cu、N
i、Co、Mg等を含む複合酸化鉄を含有する酸化鉄粒
子(特許文献5参照)等が挙げられる。
【0008】これらの添加元素の役割は、FeOが直接
外部の雰囲気に触れないように粒子を添加元素酸化物で
被覆したり、FeOの代わりに黒色度が低下しないよう
な添加元素酸化物に置き換えることにより、黒色度の劣
化を抑制させているものと考えられる。
【0009】しかし、このような方法で得られた酸化鉄
粒子では、黒色度の低下を防ぎ、その経時劣化を改善す
ることができるものの、重金属が酸化鉄粒子中に多く含
まれることとなり、昨今、問題となっている環境負荷に
対する影響度が大きい。また、添加元素の種類にもよる
が、酸化鉄粒子に要求されるその他特性への悪影響も無
視できない。例えば、添加元素による化合物が非磁性酸
化物である場合、磁気特性を劣化させるし、黒色度や色
相を低下させることもある。それを考慮して、添加量を
減じれば、添加元素不足により、黒色度の低下や経時劣
化の抑制は困難となる。
【0010】従って、本発明の目的は、環境負荷の低い
酸化鉄粒子でありながら、黒色度が高く、耐環境性に優
れた酸化鉄粒子を提供することにある。
【0011】
【特許文献1】特開平3−201509号公報
【特許文献2】特開平6−100317号公報
【特許文献3】特開平8−133744号公報
【特許文献4】特開平8−133745号公報
【特許文献5】特開平4−162050号公報
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、粒子表面のFeO量が粒子内部のFeO量に相
対して高いチタン含有酸化鉄粒子であれば、上記目的が
達成し得ることを知見した。
【0013】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、粒子中にチタンが、酸化鉄粒子総量に対して、0.
3〜1.5質量%含有されており、かつ粒子表面から1
0質量%中における総Fe量に対するFeOの割合(A
%)と、残りの90質量%中における総Fe量に対する
FeOの割合(B%)との比A/Bが0.7〜1である
酸化鉄粒子を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明でいう酸化鉄粒子とは、好ましくは
FeOの高いマグネタイトを主成分とするものである。
以下の説明では、酸化鉄粒子としてその代表的なもので
あるマグネタイト粒子について説明する。また、酸化鉄
粒子又はマグネタイト粒子というときには、その内容に
よって個々の粒子又はその集合のいずれも意味する。
【0015】本発明のマグネタイト粒子は、粒子中にチ
タンが、酸化鉄粒子総量に対して、0.3〜1.5質量
%含有されており、かつ粒子表面から10質量%中にお
ける総Fe量に対するFeOの割合(A%)と、残りの
90質量%中における総Fe量に対するFeOの割合
(B%)との比A/B(以下、「表面/内部FeO比」
と称す)が0.7〜1であることを特徴とする。
【0016】水溶液反応により得られる酸化鉄粒子、特
にFeOの高いマグネタイト粒子は、一般的に、第一鉄
塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して得られた水酸
化第一鉄スラリーを酸化することにより得られる。かか
る公知技術で得られるマグネタイト粒子の表面/内部F
eO比については、特開2001−2426号公報に記
載の実施例の計算からすると、おおよそ0.3〜0.6
程度である(同公報記載の粒子半径の3.5%相当厚み
の粒子表面近傍層は、本発明の質量に換算して粒子表面
から10質量%とほぼ合致する)。
【0017】これに対し、本発明の酸化鉄粒子は、表面
/内部FeO比が0.7〜1であるから、粒子表面近傍
のFeO含有量が十分高く、黒色度は十分高い上、多少
の表面酸化があっても黒色度の経時劣化の影響を受けな
い。
【0018】この表面/内部FeO比が0.7未満の場
合には、粒子表面近傍のFeO量が十分といえず、黒色
度が低いものであったり、黒色度は高くても、経時劣化
の面で劣る耐環境性の不良なマグネタイト粒子となる。
また、表面/内部FeO比が1を超える場合には、黒色
度や耐環境性には優れるものの、粒子表面のFeOを必
要以上に高くしても、更なる本発明で目的とする効果の
改善が得られない。この表面/内部FeO比は、黒色
度、耐環境性の改善をより高めることを考慮すると、
0.8〜1が好ましく、0.9〜1がより好ましい。
【0019】また、本発明のマグネタイト粒子は、粒子
中にチタンが、酸化鉄粒子総量に対して、0.3〜1.
5質量%含有されていることが重要である。本発明にお
いては、マグネタイト粒子中にチタンが含有されている
ことが、マグネタイト粒子の表面/内部FeO比が0.
7〜1となることに大きく関与していることは後述する
が、このチタン含有量が0.3質量%未満では、粒子表
面近傍のチタン含有量が少なくなる傾向にあり、水溶液
反応により得られるマグネタイト粒子の表面/内部Fe
O比を0.7〜1とすることが困難であり、1.5質量
%を超える場合には、粒子表面近傍のチタン含有量が過
剰となる傾向にあり、チタン含有量が高過ぎて、磁気特
性や黒色度、色相等の他の特性不良を惹き起こすおそれ
がある。
【0020】このチタン含有量は、チタン含有量をより
減らし、かつ表面/内部FeO比が低下しないように調
整する上で、0.4〜1.2質量%とするのが好まし
く、0.4〜0.8質量%とするのがより好ましい。
【0021】また、本発明のマグネタイト粒子は、BE
T法による比表面積が10〜15m 2 /gであることが
好ましく、この範囲の比表面積が静電複写磁性トナー用
材料粉、塗料用黒色顔料粉等の用途に好適である。本
来、粒径の小さなマグネタイト粒子は耐環境性の点で劣
るが、本発明をもってすれば、そのようなマグネタイト
粒子でも耐環境性の改善が可能なので、昨今の磁性トナ
ーや塗料の微粒化を鑑みれば、10〜15m2 /gが好
ましい。また、本発明のマグネタイト粒子は平均粒径が
0.1〜1μm程度が好ましい。
【0022】また、本発明のマグネタイト粒子は、粒状
粒子であれば、球状、六面体状、多面体状等のいかなる
粒子形状でも構わないが、特に黒色度が高い八面体状で
あることが好ましい。
【0023】また、本発明のマグネタイト粒子は、A
l、Si、P、S、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Z
n、Mgを随伴不純物として含むことがあるが、その総
含有量が1質量%以下であることが好ましい。Mn、C
o等については従来技術で述べた通り、環境負荷軽減
上、含有量が低い方が好ましい。また、Si、Alは酸
化鉄粒子の分散性や流動性の改良等に使用されることが
多いが、磁気特性等他の特性不良を惹き起こすおそれが
あるので、Mn等の上記添加元素と同様に、含有量が低
い方が好ましい。これらの添加元素については、原料由
来の不可避成分として含有されることを考慮して、総含
有量が1質量%を望ましい上限とした。
【0024】また、本発明のマグネタイト粒子は、JI
S K5101−1991に準拠した粉体の黒色度及び
色相測定において、色差計によるL値が20以下、a値
が0.1以下、b値が0.1以下であることが好まし
い。このL値が20超、a値が0.1超、b値が0.1
超の場合、マグネタイト粒子の黒色度や色相が不良であ
り、このようなマグネタイト粒子を用いた磁性トナーや
塗料を使用した場合には、得られる画像や塗膜は黒色度
の劣ったものとなる。
【0025】また、本発明のマグネタイト粒子は、60
℃、90%RHでの1週間曝露後のFeO劣化率が10
%以下であることが好ましい。このFeO劣化率が10
%を超える場合、マグネタイト粒子の耐環境性が不良で
あり、このようなマグネタイト粒子を用いた磁性トナー
や塗料を使用した場合には、得られる画像や塗膜の黒色
度は劣化を免れない。
【0026】次に、本発明のマグネタイト粒子の好まし
い製造方法について、具体的に説明する。本発明のマグ
ネタイト粒子は、第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中
和混合して得られた水酸化第一鉄スラリーを酸化してマ
グネタイト粒子を製造する方法において、第一鉄塩水溶
液のpHを1.5以下、かつ温度を70℃以下に調整し
て、4価のチタン塩及び/又はチタン酸塩を、該第一鉄
塩水溶液に添加、混合することにより得られた水酸化第
一鉄スラリーを使用することにより製造できる。
【0027】ここで、特に重要なのは、第一鉄塩水溶液
のpHを1.5以下、かつ温度を70℃以下に調整し
て、4価のチタン塩及び/又はチタン酸塩を、該第一鉄
塩水溶液に添加、混合することにある。このことによっ
て、水酸化チタン等の析出が防止される。
【0028】上記第一鉄塩水溶液のpHを1.5以下、
かつ温度を70℃以下に調整する理由は、添加する4価
のチタン塩及び/又はチタン酸塩が加水分解しないよう
にするためである。この方法によれば、粒子の核生成か
ら最終的な粒子成長完了に至るまで、価数4価のチタン
成分が粒子内に均一に含有され、粒子表面においてもF
2+が安定して生成されることとなる。添加するチタン
塩及び/又はチタン酸塩量は、最終的なマグネタイト粒
子総量に対して、0.3〜1.5質量%となるように調
整するのが好ましい。
【0029】ここで用いられる第一鉄塩は、硫酸第一
鉄、塩化第一鉄等の水可溶性塩ならば特に限定されな
い。また、添加されるチタン塩やチタン酸塩としては、
硫酸チタン(IV)、塩化チタン(IV)、硫酸チタニル、
硝酸チタニル等が挙げられる。
【0030】次に、得られた4価のチタン成分を含む第
一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して水酸化第
一鉄スラリーを生成させる。水酸化第一鉄スラリーを生
成させる際のアルカリ溶液量は、求めるマグネタイト粒
子の形状に応じて適宜調整すればよい。具体的には、水
酸化第一鉄スラリーのpHを8.0未満となるようにす
れば、球状粒子が得られ、pHを8.0〜9.5となる
ようにすれば、六面体状粒子が得られ、pHを9.5を
超えるようにすれば、八面体状粒子が得られる。使用さ
れるアルカリ溶液は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化
カリウム水溶液等の水酸化アルカリ水溶液を用いること
ができる。
【0031】このようして得られた水酸化第一鉄スラリ
ーよりマグネタイト粒子を得るためには、常法により酸
素含有ガス、好ましくは空気をスラリー中に吹き込みな
がら酸化反応を行い、酸化反応終了後のスラリーを常法
により濾過、洗浄、乾燥、粉砕処理を行う。
【0032】
【実施例】以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説
明する。
【0033】〔実施例1〕表1に示されるように、2m
ol/lの硫酸第一鉄水溶液50リットルに、0.14
mol/lの硫酸チタニル水溶液5リットルを、pH
1.0、温度50℃の条件下で混合させ、十分撹拌す
る。このチタン塩含有硫酸第一鉄水溶液と、5mol/
lの水酸化ナトリウム水溶液43リットルを混合し、水
酸化第一鉄スラリーを得た。この水酸化第一鉄スラリー
をpH12に維持し、85℃にて空気を吹き込み酸化反
応を行った。得られたマグネタイト粒子を含むスラリー
を、常法により濾過、洗浄、乾燥、粉砕を行い、マグネ
タイト粒子を得た。
【0034】下記に示す方法にて、得られたマグネタイ
ト粒子の平均粒径、比表面積、磁気特性、粒子表面から
10質量%中における総Fe量に対するFeOの割合、
残りの90質量%中における総Fe量に対するFeOの
割合、表面/内部FeO比、チタン含有量、その他金属
の含有量、黒色度及び色相、60℃、90%RHでの1
週間曝露前後のFeO含有量及び劣化率について評価
し、その結果を表2に示す。
【0035】<評価方法> (1)平均粒径 走査型電子顕微鏡(30000倍)の写真を撮影し、フ
ェレ径により算出した。 (2)比表面積 島津−マイクロメリティックス製2200型BET計に
て測定した。 (3)チタン含有量、その他金属の含有量 試料を溶解し、ICPにて測定した。 (4)磁気特性 東英工業製振動試料型磁力計VSM−P7を使用し、外
部磁場796kA/m及び79.6kA/mにて測定し
た。 (5)黒色度及び色相 試料2.0gにヒマシ油1.4ccを加え、フーバー式
マーラーで練り込む。この練り込んだサンプル2.0g
にラッカー7.5gを加え、さらに練り込んだ後、これ
をミラーコート紙上に4milのアプリケータを用いて
塗布し、乾燥後、色差計(東京電色社製カラーアナライ
ザーTC−1800型)にて測定した。 (6)粒子表面から10質量%中における総Fe量に対
するFeOの割合、残りの90質量%中における総Fe
量に対するFeOの割合、表面/内部FeO比 3.8リットルの脱イオン水に試料25gを加え、ウォ
ーターバスで35〜40℃に保ちながら、撹拌速度20
0rpmで撹拌する。このスラリー中に特級塩酸試薬4
24mlを溶解した塩酸水溶液(脱イオン水)1250
mlを加え、溶解を開始する。溶解開始からすべて溶解
して透明になるまで、10分毎に50mlをサンプリン
グし、0.1μmメンブランフィルターで濾過して、濾
液を採取する。採取した濾液の内25mlをICPによ
って鉄元素の定量を行う。 鉄元素溶解率(%)=〔採取サンプル中の鉄元素濃度
(mg/l)〕/〔完全に溶解した時の鉄元素の濃度
(mg/l)〕×100 各サンプルのFeO含有量は、残りの濾液25mlに脱
イオン水約75mlを加えて試料を調製して、指示薬と
してジフェニルアミンスルホン酸ナトリウムを加えて、
0.1N重クロム酸カリウムを用いて酸化還元滴定し、
該試料が青紫色に着色したところを終点として滴定量を
求め、下記式によりFeOの鉄元素に対する比率(質量
%)を求めた。 FeO(質量%)=〔滴定量から計算したFe2+(mg
/l)〕×〔FeOの原子量(71.85)〕/〔鉄原
子量(55.85)〕/〔サンプル中の鉄元素量(mg
/l)〕×100 粒子表面から10質量%中における総Fe量に対するF
eOの割合、及び残りの90質量%中における総Fe量
に対するFeOの割合は、各部位に含有されるFeO含
有量を各部位に含有されるFe量に対する割合(質量
%)で求めた。そして、下記式にて表面/内部FeO比
を求めた。 表面/内部FeO比=(粒子表面から10質量%中にお
ける総Fe量に対するFeOの割合)/(残りの90質
量%中における総Fe量に対するFeOの割合) (7)60℃、90%RHでの1週間曝露前後のFeO
含有量及び劣化率 過マンガン酸カリウム標準液による酸化還元滴定法を用
いて、予め試料のFeO含有率を測定した。次に試料を
時計皿に入れ、通風型乾燥機(タバイエスペック製オー
ブン、PH−201型)にて、60℃、90%RHの環
境下で1週間曝露し、再びFeO含有率を測定し、下式
に従ってFeO劣化率を算出した。 FeO劣化率(%)={〔曝露前FeO含有率(質量
%)〕−〔曝露後FeO含有率(質量%)〕}/〔曝露
前FeO含有率(質量%)〕×100
【0036】〔比較例1〕表1に示されるように、硫酸
チタニル水溶液を用いない以外は、実施例1と同様にマ
グネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各
種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0037】〔比較例2〕表1に示されるように、硫酸
チタニル水溶液を硫酸第一鉄水溶液に混合する際のpH
と温度を変更した以外は、実施例1と同様にマグネタイ
ト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及
び特性を評価した結果を表2に示す。
【0038】〔比較例3及び4〕表1に示されるよう
に、硫酸チタニル水溶液の混合量を変更した以外は、実
施例1と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実
施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2
に示す。
【0039】〔比較例5〕表1に示されるように、硫酸
チタニル水溶液を混合する代わりに、ケイ酸ソーダを含
む水溶液を混合した以外は、実施例1と同様にマグネタ
イト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状
及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0040】〔比較例6〕表1に示されるように、硫酸
チタニル水溶液を混合する代わりに、酸化鉄粒子反応終
了後、硫酸亜鉛水溶液を反応スラリー中に添加し、反応
スラリーpHを9.5に調整した以外は、実施例1と同
様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同
様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表2から明らかな通り、実施例1のマグネ
タイト粒子は、表面/内部FeO比が高く維持できてお
り、黒色度や色相に優れ、かつ高温高湿下でのFeO劣
化も抑制されたものであった。
【0044】これに対し、比較例1のマグネタイト粒子
は、チタン成分を含有していないため、表面FeO量が
低く、色相に劣り、高温高湿下でのFeO劣化も大きか
った。
【0045】また、比較例2のマグネタイト粒子は、チ
タン酸塩を添加する第一鉄塩水溶液のpHが高かったた
め、チタン成分が加水分解し、粒子内での価数4価のチ
タン成分の均一化が行えず、その結果、表面/内部Fe
O比が低く、色相不足で、高温高湿下でのFeO劣化も
大きかった。
【0046】また、比較例3のマグネタイト粒子は、チ
タン含有量が0.2質量%と少ないために、粒子表面近
傍のチタン含有量が少なくなり、表面/内部FeO比を
高く維持できず、高温高湿下でのFeO劣化も実施例1
に比べて大きかった。
【0047】また、比較例4のマグネタイト粒子は、チ
タン含有量が1.6質量%と多く、粒子表面近傍にチタ
ン成分が過剰に存在するために、黒色度及び色相が不良
であった。
【0048】また、比較例5のマグネタイト粒子は、チ
タン成分の代わりにケイ素成分を含有しているため、高
温高湿下でのFeO劣化率が著しく劣った。
【0049】また、比較例6のマグネタイト粒子は、チ
タン成分の代わりに亜鉛成分を含有しているため、Fe
Oの劣化率は良好であるが、黒色度及び色相が不良であ
った。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の酸化鉄粒
子は、粒子表面のFeO量が粒子内部のFeO量に相対
して高いことに起因して、環境負荷の低い酸化鉄粒子で
ありながら、黒色度が高く、耐環境性に優れており、特
に静電複写磁性トナー用材料粉、塗料用黒色顔料粉等の
用途に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 1/36 G03G 9/08 301 Fターム(参考) 2H005 AA02 CB03 EA10 4G002 AA04 AA06 AB02 AD04 AE01 AE02 4J037 AA15 AA22 DD01 DD07 EE19 EE28 EE43 EE46 EE47 FF05 FF22 FF23 5E040 AB03 AB09 CA07 HB17 NN01 NN06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子中にチタンが、酸化鉄粒子総量に対
    して、0.3〜1.5質量%含有されており、かつ粒子
    表面から10質量%中における総Fe量に対するFeO
    の割合(A%)と、残りの90質量%中における総Fe
    量に対するFeOの割合(B%)との比A/Bが0.7
    〜1である酸化鉄粒子。
  2. 【請求項2】 BET法による比表面積が10〜15m
    2 /gである請求項1に記載の酸化鉄粒子。
  3. 【請求項3】 粒子形状が八面体状である請求項1又は
    2に記載の酸化鉄粒子。
  4. 【請求項4】 Al、Si、P、S、Cr、Mn、C
    o、Ni、Cu、Zn、Mgを随伴不純物として含み、
    その総含有量が1質量%以下である請求項1〜3のいず
    れかに記載の酸化鉄粒子。
  5. 【請求項5】 JIS K5101−1991に準拠し
    た粉体の黒色度及び色相測定において、色差計によるL
    値が20以下、a値が0.1以下、b値が0.1以下で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の酸化鉄粒子。
  6. 【請求項6】 60℃、90%RHでの1週間曝露後の
    FeO劣化率が10%以下である請求項1〜5のいずれ
    かに記載の酸化鉄粒子。
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