JP2003191288A - プラスチック成形品 - Google Patents

プラスチック成形品

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JP2003191288A
JP2003191288A JP2001391827A JP2001391827A JP2003191288A JP 2003191288 A JP2003191288 A JP 2003191288A JP 2001391827 A JP2001391827 A JP 2001391827A JP 2001391827 A JP2001391827 A JP 2001391827A JP 2003191288 A JP2003191288 A JP 2003191288A
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gate
disk
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JP2001391827A
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Takeshi Nishizawa
健 西澤
Kenji Kasai
賢治 葛西
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Toray Industries Inc
Toray Plastics Precision Co Ltd
Original Assignee
Toray Industries Inc
Toyo Plastics Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】歯車に代表されるように、内側を形成する円筒
部と、この円筒部と同一中心線を有し、かつ円筒部の半
径方向外側に位置する円環部、円筒部と円環部とを連結
するディスク部を備えた構造からなるプラスチック成形
品について、円環部外側面近傍の高い寸法精度を実現
し、構造が簡単なプラスチック成形品を提供する。 【解決手段】円筒部の半径方向厚さがディスク部の厚さ
より小さく、かつ円筒部に少なくとも1つのゲートを有
し、成形時の溶融プラスチック材料流れを放射状に制御
することで、円環部に充填された溶融プラスチック材料
の冷却固化不均一を小さくすることができるプラスチッ
ク成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内側を形成する円
筒部と、この円筒部と同一中心線を有し、かつ円筒部の
半径方向外側に位置する円環部、円筒部と円環部とを連
結するディスク部を備えた構造からなるプラスチック成
形品、特に好適には、歯形を形成する円環部外側面近傍
において高い寸法精度を要求されるプラスチック成形歯
車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】射出成形法に代表されるように、プラス
チック材料を溶かし(溶融)、金型内に充填し(賦
型)、冷却(固化)し、取り出す(離型)工程からなる
プラスチック成形加工法は、複雑な形状の成形品(製
品)を量産することに優れている。このため、プラスチ
ック成形品は、家電、自動車、情報・通信など様々な業
種の製品に広く使われている。特にプラスチック成形歯
車は、金属歯車に比べて、軽量・無潤滑運転・低騒音・
断熱性・低価格などの利点があるため、動力伝達部品と
して非常に多く使用されている。
【0003】従来、プラスチック成形歯車は、冷却固化
時に生じる体積収縮の不均一により、切削加工により製
作された金属歯車に比べて、寸法精度の低いものしか成
形加工できなかった。しかしながら、需要が高まるに伴
い数多くの技術が取り入れられ、精度が向上し、現在、
プラスチック成形歯車の精度は金属歯車にかなり近づい
ている。
【0004】プラスチック成形歯車を高精度化するため
の従来技術としては、特開平8−132542号公報に
開示されているように、歯形部より内側のディスク部に
おいて、ディスク部に位置するゲートより外側に環状溝
を設け、成形時にゲートから金型キャビティ部に流入す
る溶融プラスチックの流れを制御する方法が知られてい
る。この方法は、歯形部へのプラスチック材料充填時間
差および圧力差を減少させ、冷却時の体積収縮の均一化
を図るものである。
【0005】しかしながら、歯車使用強度の制約により
溝深さを十分に深くする、つまり歯車ディスク部の肉厚
を十分に小さくすることは困難である。従って、この方
法では成形時にプラスチック材料の流動を制御しきれ
ず、結果として、歯車外形がゲート数に対応した多角形
形状になり、噛み合い誤差や1ピッチ噛み合い誤差が大
きなプラスチック歯車しか成形加工できない。
【0006】また別の技術としては、特開2000−8
52号公報に開示されているように、歯形部より内側の
ディスク部を中心側から第1厚肉部−薄肉部−第2厚肉
部の3部分から構成し、最終的に除去するディスク薄肉
部に等間隔に配置した複数ゲートの基端が第1および第
2厚肉部表面よりも突出させる方法が知られている。こ
の方法では、ゲートと一直線をなすようにディスク薄肉
部裏面に突起を設けるなどの工夫を施すことができるた
め、成形時にゲートから金型キャビティ部に流入する溶
融プラスチック材料は、ディスク薄肉部を環状に流れた
後、歯形部に流れる。このため、歯形部へのプラスチッ
ク材料充填時間差および圧力差を減少させることができ
る。
【0007】しかしながら、厚みが小さなディスク薄肉
部の溶融プラスチック材料は、金型内部で冷却され流動
性が低下しやすく、成形時に歯先部へ十分な圧力を伝え
るためには、充填圧力を高めるか、あるいは金型温度を
高める必要がある。充填圧力を高める場合には、ゲート
部近傍の残留応力が大きくなり、冷却時のディスク部変
形量が大きくなるため、プラスチック成形歯車の精度が
低下する。金型温度を高める場合には、溶融プラスチッ
ク材料の流動性が良くなるので圧力は伝わり易くなる
が、精度向上のために行っているプラスチック材料の流
れ制御が難しくなる。さらに、成形加工サイクルが長く
なり生産性が低下するため、成形加工コストが高くなる
ので好ましくない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の問題点の解消を目的に、歯車に代表されるよう
に、内側を形成する円筒部と、この円筒部と同一中心線
を有し、かつ円筒部の半径方向外側に位置する円環部、
円筒部と円環部とを連結するディスク部を備えた構造か
らなるプラスチック成形品について、歯形を形成する円
環部外側面近傍の高い寸法精度を実現し、構造が簡単な
プラスチック成形品を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のプラスチック成形品は、内側を形成する円
筒部と、この円筒部と同一中心線を有し、かつ円筒部の
半径方向外側に位置する円環部、円筒部と円環部とを連
結するディスク部を備えた構造からなり、ディスク部の
最小厚さが円筒部の半径方向厚さよりも小さく、かつ円
筒部に少なくとも1つのゲートを有することを特徴とす
るものである。
【0010】また、上記ディスク部は、半径方向の全幅
あるいは外周側一部において、内周方向から外周方向に
厚みが連続的に増加していることが好ましい。
【0011】また、上記円筒部の中心線を含む平面と、
円筒部外側面、円環部内側面およびディスク部との3本
の交線が作る曲線が滑らかな連続線であることが好まし
い。
【0012】また、上記ディスク部の最小厚さが円筒部
半径方向厚さの50%以上95%以下であることが好ま
しい。
【0013】なお、上記円筒部に位置するゲートはピン
ゲートであることが好ましい。
【0014】あるいは、上記円筒部に位置するゲートが
サブマリンゲートであっても良い。
【0015】さらには、上記円筒部に位置するゲートが
ディスクゲートであっても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明のプラスチック成形品についての実施形態を説明す
る。なお実施形態の説明は、プラスチック成形歯車に関
して行うが、プーリーやフランジ、シールパッキン、ベ
アリングなどの機械要素部品をはじめ、真円度や面振れ
などの精度が要求される円筒形状のプラスチック成形品
に関しても基本的に同じである。
【0017】図1は本発明のプラスチック成形品の一つ
であるプラスチック成形歯車の断面図、図2はその正面
図、図3はプラスチック成形歯車成形時の金型内溶融プ
ラスチック材料流れの模式図、図4〜図6は図1以外の
本発明プラスチック成形歯車の断面図である。図7は従
来技術のプラスチック成形歯車の断面図であり、図8は
その正面図、図9は従来プラスチック成形歯車成形時の
金型内溶融プラスチック材料流れの模式図である。
【0018】図1および図2に示すように、本発明のプ
ラスチック成形歯車1は、内側を形成する円筒部10
と、円筒部10と同一中心線11を有し、かつ円筒部1
0の半径方向外側に位置する円環部30、円筒部10と
円環部30とを連結するディスク部20を備えた構造か
らなり、円環部30には歯形が形成されている。そし
て、ディスク部20の最小厚さtと円筒部10の半径方
向厚さdには、常にt<dの関係が成り立っている。さ
らに、円筒部10には、成形時に金型キャビティ部への
プラスチック材料注入口であるピンゲート40が、少な
くとも1つ存在する。なお、円筒部10には、図示して
いない歯車回転軸を嵌合する貫通穴12が空いている
が、図5に示す様に、円筒部10は中実円筒であっても
良い。この場合は、中実円筒の半径を円筒部10の半径
方向厚さdとする。
【0019】一般に、歯車成形加工時の金型温度は、溶
融プラスチック材料50の温度よりも低い温度に制御さ
れているため、金型内を流動する溶融プラスチック材料
50は、金型に接する場所から逐次冷却され、その温度
が低下する。
【0020】図7および図8に示す従来技術のプラスチ
ック成形歯車1の場合、ピンゲート40がディスク部2
0に設けてあり、溶融プラスチック流れ制御溝23が十
分に流れを制御できないため、成形加工時の金型内溶融
プラスチック材料50の流れは、図9に示す様に、円環
部30に到達する時間差、つまり歯先31を形成する溶
融プラスチック材料50に温度差が生じる。この温度差
は、溶融プラスチック材料50が冷却固化する際に不均
一な体積収縮を引き起こし、その結果、円環部30の歯
先31や歯底32、ピッチ円33の歯形寸法精度が低下
する原因となる。さらに、流動している溶融プラスチッ
ク材料50の合流点では温度低下に起因するウエルドラ
イン51が発生するため、プラスチック成形歯車1の強
度が低下する。
【0021】しかしながら、本発明のプラスチック成形
歯車1は上述した形状的な特徴を有しているため、溶融
プラスチック材料50を成形加工する場合、図3に示す
様に、金型内においてピンゲート40から流入した溶融
プラスチック材料50は、流動抵抗の大きなディスク部
20へ流れず、先ず円筒部10を形成する(図3(a)
充填初期)。その後、ディスク部20へ放射状に流れ
(図3(b)充填中)、円周上全領域において時間差が
殆ど無い状態で円環部30に達する(図3(c)充填完
了)。このため、プラスチック成形歯車1を形成する溶
融プラスチック材料50は、中心軸11を基点とした同
心円状の温度分布をもち、円環部30において円周上全
領域で溶融プラスチック材料50の温度差は小さく、均
一に冷却固化するので、円環部30の歯形寸法精度が高
いプラスチック成形歯車1を成形することができる。
【0022】また、成形品肉厚の大きな円筒部10に少
なくとも1つのピンゲート40を設けているため、成形
加工時に成形機から供給される温度の高い溶融プラスチ
ック材料50の熱により、円筒部10近傍の金型温度が
上昇する。従って、ピンゲート40が冷却固化するま
で、成形機による十分な圧力が円筒部10に充填された
樹脂(溶融プラスチック材料50)に働き、冷却固化時
の体積収縮を補う量の溶融プラスチック材料50を供給
することができる。このため、円筒部10の寸法精度も
高くなり、金型精度に応じた高い真円度を有するプラス
チック成形歯車1を成形加工することができる。
【0023】さらに、溶融プラスチック材料50がディ
スク部20を放射状に流れるため、ウエルドラインの発
生を抑制でき、プラスチック成形歯車1はプラスチック
材料の所定強度を有することになる。
【0024】本発明では、プラスチック成形歯車1を成
形加工するときに、溶融プラスチック材料50がディス
ク部20を放射状に流れ、時間差が殆ど無い状態で円環
部30に達するが、中心軸11方向、つまり歯幅方向の
充填時間差も限りなく小さくなることが好ましい。従っ
て、ディスク部20は内周から外周に厚さが連続的に増
加しており、溶融プラスチック材料50の厚さが、ディ
スク部20を放射状に流れる間に歯幅に近づくことが好
ましい。または、ディスク部20の全幅でなく、外周部
近傍のみ厚さが連続的に増加していても良い。
【0025】上記のことから、ディスク部20には、
1)図4に示す様なテーパ形状、2)厚さが曲線的、特
に好ましくは指数関数的に増加するラッパ形状、3)図
5に示す面取り加工部22の様な面取り加工形状などを
採用することができる。
【0026】さらに、成形加工時の溶融プラスチック材
料50の流動抵抗や、応力集中緩和によるプラスチック
成形歯車1の強度向上を考慮すると、ディスク部20と
円筒部10および円環部30との境界は、滑らかである
ことが好ましい。成形加工に用いる金型の加工費用を低
くするためには、図4に示す様に、ディスク部20の内
外周部に丸め加工部21を設けることが好ましい。
【0027】ディスク部20は、溶融プラスチック材料
50の流れ方向を制御するために、その最小厚さtを円
筒部10の半径方向厚さdよりも小さくしている。流れ
を制御するには、ディスク部20における溶融プラスチ
ック材料50の流動抵抗を大きくするため最小厚さtを
小さくすればよいが、厚さtを小さくしすぎると円環部
30へ溶融プラスチック材料50を供給するための圧力
が大きくなり、成形加工後の残留応力による変形や成形
機ランニングコストが高くなるなどの不具合が生じる。
さらには、プラスチック成形歯車1自体の強度不足が生
じる。従って、ディスク部20の最小厚さtと円筒部1
0の半径方向厚さdとの間に、下記式0.5 ≦ t/
d ≦ 0.95が成り立つように、ディスク部20と
円環部10の形状を決定することが好ましい。
【0028】プラスチック成形品のゲート方式には、ダ
イレクトゲート(スプルーゲート)やサイドゲート、タ
ブゲート、フイルムゲート、ディスクゲート、サブマリ
ンゲート(トンネルゲート)、ピンゲートなどの種類が
あり、一般には、成形材料、金型内における溶融材料の
流れ方、成形品の形状・構造・外観などを考慮して決定
する。
【0029】本発明のプラスチック成形歯車1の場合、
従来技術と同様に、ゲート跡が小さく、ランナーを成形
品から容易に切断でき、比較的多点ゲートにし易いピン
ゲート40を採用することが好ましい。
【0030】また、図5の様に、金型分割面PLよりも
型板内にゲートを設けるには、サブマリンゲート41を
採用しても良い。
【0031】本発明において、溶融プラスチック材料5
0の流動性が良く、ディスク部20の最小厚さtによる
流動抵抗調整だけでは、ディスク部20における溶融プ
ラスチック材料50の放射状流れが実現できない場合に
は、ゲート処理は必要であるが、図6に示すようなディ
スクゲート42を採用することが好ましい。
【0032】本発明のプラスチック成形品の材料には、
成形歯車等によく使われているポリアセタール(PO
M)やポリアミド(PA)をはじめ、アクリルニトリル
・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリブチレンテレ
フタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポ
リエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(P
S)、ポリアミドイミド(PAI)などの各種樹脂、お
よびガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維を混合した各
種樹脂を用いることができる。
【0033】本発明において、ゲート方式にディスクゲ
ート42を採用しない場合、溶融プラスチック材料50
の流動性が悪いほどその流れ方向が制御し易く、冷却時
の体積収縮の均一化が図れるため、上記樹脂の中でも特
に、ポリアミドイミド樹脂の成形歯車に本発明は好まし
く用いられる。
【0034】本発明のプラスチック成形品は、プラスチ
ック成形加工方法の中でも、量産性に優れている射出成
形法を用いて生産することが好ましい。成形品の原料と
なるプラスチック材料の収縮率を考慮したキャビティ部
を有する射出成形金型と射出成形機を用いて、一般のプ
ラスチック成形品と同様に成形加工することができる。
なお、射出成形法では生産性を高めるために多数個取り
成形を一般に行うが、プラスチック成形品の精度維持を
重視する場合、金型キャビティ部までの溶融プラスチッ
ク材料50の流動バラツキや、射出成形機の型締力や射
出圧力による金型変形を考慮し、4個取り以下の取り数
にすることが好ましい。このようにして生産したプラス
チック成形品、特にプラスチック歯車は、高精度である
ために多くの用途が考えられるが、近年普及してきたカ
ラー複写機やカラープリンターの内部ロール駆動に好適
に用いられる。各種ロールの回転精度が高まることによ
り、色ズレ(RGB3回の位置ズレ)が抑制でき、高画
質化を図ることができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明のプラスチック成形品(歯車)
の実施例について具体的に説明する。但し、本発明は以
下の実施例に限定されるものではない。
【0036】ポリアミドイミド樹脂:東レ株式会社製
「TI−5013」(商品名)を原料とした、表1(図
10に示す歯車仕様)に仕様を示す、歯幅12mm、直
径φ30mmの回転軸を挿入する、はすば歯車に関し
て、円筒部10の半径方向厚さdはd=2.5mm、デ
ィスク部20の最小厚さtは、 0.5 ≦ t/d ≦ 0.95 の成立するt=2.0mmとした。また円環部30は、
歯底32から円環部30内側面までの肉厚が円筒部10
の半径方向厚さdとほぼ同じになるようにした。従っ
て、ディスク部20の内径はφ35mm、外径は約φ4
3.8mmとした。
【0037】
【表1】 また、図10に示す様に、円筒部10の外側面には、成
形時の金型からの離型性を考慮し、抜き勾配3°を設け
た。さらに、円環部30の内側面には、射出成形時の溶
融ポリアミドイミドの歯幅方向の広がり性を考慮して、
傾斜10°を設けた。そして、はすば歯車の強度および
溶融ポリアミドイミドの流動性を考慮して、ディスク部
20と円筒部10および円環部30との境界21は、そ
れぞれR1の丸め形状とした。
【0038】ゲート40の方式にはピンゲートを採用
し、直径がφ1.5であるピンゲート4点を円筒部10
に等配した。
【0039】上記形状および寸法を有するポリアミドイ
ミドはすば歯車の2個取り成形を行うため、ポリアミド
イミドの収縮率8/1000を考慮したキャビティ部寸
法を有する金型を製作し、型締力75tのトグル式射出
成形機:住友重機株式会社製「SG75SM4」(商品
名)を用いて射出成形した。
【0040】従来の技術を用いた場合は、JGMA(日
本歯車工業会)規格5級程度の歯車しか成形できなかっ
たが、本発明に基づき製作した金型を用いて成形条件の
最適化を行った結果、図11に示す様に、JGMA規格
2級の高精度なポリアミドイミド歯車を成形することが
可能となった。
【0041】
【発明の効果】本発明のプラスチック成形品は、成形時
に金型キャビティ部での溶融プラスチック材料の体積収
縮が均一となる単純な形状を有しているため、高い寸法
精度で成形加工できると同時に、金型製作コストも従来
同等以下に押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のプラスチック成形品の実施形
態を例示するプラスチック成形歯車の断面図である。
【図2】図2は、図1のプラスチック成形歯車の正面図
である。
【図3】図3は、図1のプラスチック成形歯車を成形す
る際の金型内溶融プラスチック材料流れの模式図であ
る。
【図4】図4は、本発明の他のプラスチック成形品の実
施形態を例示するプラスチック成形歯車の断面図であ
る。
【図5】図5は、本発明の他のプラスチック成形品で、
ゲート方式がディスクゲートである実施形態を例示する
プラスチック成形歯車断面図である。
【図6】図6は、本発明の他のプラスチック成形品で、
ゲート方式がサブマリンゲートである実施形態を例示す
るプラスチック成形歯車断面図である。
【図7】図7は、従来のプラスチック成形品の実施形態
を例示するプラスチック歯車断面図である。
【図8】図8は、図7のプラスチック成形歯車の正面図
である。
【図9】図9は、図7のプラスチック成形歯車を成形す
る際の金型内溶融プラスチック材料流れの模式図であ
る。
【図10】図10は、本発明の実施例を説明するための
プラスチック成形歯車の断面図である。
【図11】図11は、射出成形した図10に示すプラス
チック成形歯車のJGMA噛み合い試験結果を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 ・・・ プラスチック成形歯車 10 ・・・ 円筒部 11 ・・・ 円筒部中心線 12 ・・・ 貫通穴 20 ・・・ ディスク部 21 ・・・ ディスク部丸め加工部 22 ・・・ ディスク部面取り加工部 23 ・・・ 溶融プラスチック流れ制御溝 30 ・・・ 円環部 31 ・・・ 歯先 32 ・・・ 歯底 33 ・・・ ピッチ円 40 ・・・ ピンゲート 41 ・・・ サブマリンゲート 42 ・・・ ディスクゲート 50 ・・・ 成形時の溶融プラスチック材料 51 ・・・ ウエルドライン d ・・・ 円筒部半径方向厚さ t ・・・ ディスク部厚さ PL ・・・ 金型分割面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 15:00 B29L 15:00 (72)発明者 葛西 賢治 静岡県駿東郡清水町柿田757番地東洋プラ スチック精工株式会社内 Fターム(参考) 3J030 AA00 AC01 AC02 BB16 BC01 BC08 4F202 AA29 AH12 AH38 AH79 AR12 CA11 CB01 CK06 CK11 4F206 AA29 AH12 AH38 AH79 AR12 JA07 JL02 JN14 JN25 JQ81

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側を形成する円筒部と、該円筒部と同
    一中心線を有し、かつ該円筒部の半径方向外側に位置す
    る円環部、該円筒部と該円環部とを連結するディスク部
    を備えた構造からなるプラスチック成形品において、該
    ディスク部の最小厚さが該円筒部の半径方向厚さよりも
    小さく、かつ該円筒部に少なくとも1つのゲートを有す
    ることを特徴とするプラスチック成形品。
  2. 【請求項2】 ディスク部が、半径方向の全幅あるいは
    外周側一部において、内周方向から外周方向に厚みが連
    続的に増加していることを特徴とする請求項1に記載の
    プラスチック成形品。
  3. 【請求項3】 円筒部の中心線を含む平面と、該円筒部
    外側面、円環部内側面およびディスク部との3本の交線
    が作る曲線が滑らかな連続線であることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載のプラスチック成形品。
  4. 【請求項4】 ディスク部の最小厚さが円筒部半径方向
    厚さの50%以上95%以下であることを特徴とする請
    求項1から請求項3のいずれかに記載のプラスチック成
    形品。
  5. 【請求項5】 円筒部に位置するゲートがピンゲートで
    あることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか
    に記載のプラスチック成形品。
  6. 【請求項6】 円筒部に位置するゲートがサブマリンゲ
    ートであることを特徴とする請求項1から請求項4のい
    ずれかに記載のプラスチック成形品。
  7. 【請求項7】 円筒部に位置するゲートがディスクゲー
    トであることを特徴とする請求項1から請求項4のいず
    れかに記載のプラスチック成形品。
  8. 【請求項8】 プラスチック成形品が歯車であることを
    特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のプ
    ラスチック成形品。
  9. 【請求項9】 プラスチック成形品の材質がポリアミド
    イミドであることを特徴とする請求項1から請求項9の
    いずれかに記載のプラスチック成形品。
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