JP2003019724A - 眼用レンズの製造方法 - Google Patents

眼用レンズの製造方法

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JP2003019724A JP2001207121A JP2001207121A JP2003019724A JP 2003019724 A JP2003019724 A JP 2003019724A JP 2001207121 A JP2001207121 A JP 2001207121A JP 2001207121 A JP2001207121 A JP 2001207121A JP 2003019724 A JP2003019724 A JP 2003019724A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合性モノマーによって眼用レンズをモール
ド成形する際に型合わせ面となるレンズ外周縁部を、目
的とする形状をもって安定して且つ高精度に成形するこ
との出来る、新規な眼用レンズの製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 熱可塑性合成樹脂で形成された雌型12
および雄型14の何れか一方の型における成形面32の
外周縁部にエッジ部44を突出形成して、雌雄両型1
2,14の型合わせに際して、該エッジ部44が形成さ
れた一方の型14を他方の型12より高温として、該エ
ッジ部44を他方の型12の成形面20に押圧すること
により、該エッジ部44を該他方の型12の成形面20
に沿うようにして積極的に押圧変形せしめるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、コンタクトレンズ等の眼用レン
ズのモールド法に従う製造方法に係り、特に眼用レンズ
の外周縁部を滑らかに安定して成形することの出来る、
眼用レンズの新規な製造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、コンタクトレンズ等の眼用レン
ズの製造方法の一種として、モールド法が知られてい
る。かかるモールド法は、凹型の球状成形面を備えた雌
型と凸型の球状成形面を備えた雄型を含んで構成された
成形型を用い、それら雌雄両型の型合わせ面間に形成さ
れた成形キャビティにレンズ成形材である重合性モノマ
ーを充填して重合することにより目的とする眼用レンズ
を製造するものであって、例えばコンタクトレンズ等の
製造方法として公知のレースカット法(切削研磨法)や
スピンキャスト法(遠心注型法)に比して低コストで大
量生産することが出来ること等から、特にディスポーザ
ブルコンタクトレンズ等の製造に際して好適に採用され
ている。
【0003】ところで、眼用レンズにおいては、光学特
性に影響する光学部分だけでなく、レンズ外周部分に
も、高度な寸法精度や滑らかな形状が要求される。例え
ば、コンタクトレンズでは、装用状態下において、一般
にレンズ外周縁部が最も角膜に近接位置して略接触状態
とされると共に、レンズ外周縁部が角膜上で段差状とな
って眼瞼に接触することから、レンズ外周縁部の形状が
コンタクトレンズの装用感に大きな影響を及ぼすことと
なる。
【0004】ところが、モールド法では、一般に、レン
ズ外周縁部に雌雄両型の型合わせ面が位置することか
ら、成形キャビティの密閉不良や成形キャビティ面の荒
れが発生し易く、成形品である眼用レンズの外周縁部に
おける荒れやバリ,欠け等の成形不良が発生し易いとい
う問題があったのである。
【0005】なお、特公昭59−29411号公報に
は、雌型と雄型の何れか一方の型における成形面の外周
縁部に薄肉円筒形状の可撓性リムを一体的に突出形成
し、型合わせに際して、該可撓性リムを他方の型の成形
面に押圧変形させることによって、成形キャビティの外
周縁部を密閉するようにした成形型が開示されている
が、かかる可撓性リムは非常に薄肉であることから形成
が難しいことに加えて、型合わせに際しての可撓性リム
の変形状態が安定し難く、可撓性リムが屈曲して成形キ
ャビティ内に突出することによりレンズ外周縁部に形状
不良が発生し易いという問題があった。
【0006】また、特公昭63−36484号公報に
は、成形キャビティの外周側に位置する雌雄両型の型合
わせ部位に、軸直角方向に所定幅をもって周方向に連続
して延びる環状の平坦な重ね合わせ面を設けた成形型が
開示されているが、このような平坦な重ね合わせ面を全
周に亘って密着状態とすることが難しく、隙間が発生す
ることによってレンズ外周縁部にバリ等の成形不良が発
生し易いという問題があった。
【0007】更にまた、特開平6−208090号公報
や特表平6−510496号公報には、雌型と雄型の何
れか一方の型における成形面の外周縁部に対して三角形
断面で周方向に連続して延びるナイフエッジ部を一体的
に突出形成し、型合わせに際して、該ナイフエッジを他
方の型に貫入させることによって、成形キャビティの外
周縁部を密閉するようにした成形型が開示されている
が、ナイフエッジ部の他方の型への貫入状態が安定して
得られ難いことから、目的とする成形キャビティの形状
を安定して得難く、ナイフエッジの先端部分の不規則な
変形や欠け,割れ等によってレンズ外周縁部に成形不良
が発生するおそれがあった。また、ナイフエッジの先端
部分の変形を安定化させて、目的とする成形キャビティ
の形状を安定して得ようとすると、雌型および雄型の材
質や形状などに関して制限を受けることとなり、成形型
の寸法精度が高度に要求されたり、成形型の設計自由度
が大幅に制限されてしまうという問題もあったのであ
る。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、成形型の材質等に関して大きな設計自由度
を確保しつつ、また成形型の寸法精度に関して高度な要
求を伴うことなく、コンタクトレンズ等の眼用レンズの
外周縁部を滑らかに且つ安定して成形することの出来
る、眼用レンズの新規な製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0010】すなわち、本発明の第一の態様の特徴とす
るところは、略球状成形面を備えた雌型と雄型を含んで
構成された成形型を用い、それら雌雄両型の型合わせ面
間に形成された成形キャビティに重合性モノマーを充填
して重合することにより目的とする眼用レンズを成形す
るに際して、前記雌型と前記雄型を熱可塑性合成樹脂で
形成すると共に、該雌型と該雄型の何れか一方の型にお
ける成形面の外周縁部において周方向に連続して延びる
エッジ部を一体的に突出形成して、それら雌雄両型の型
合わせに際して、該一方の型に形成した該エッジ部を他
方の型の成形面に押圧することにより前記成形キャビテ
ィの外周縁部が画定されるようにすると共に、該エッジ
部が形成された該一方の型を、該エッジ部が押圧される
該他方の型よりも高温として両型間に温度差を設定し、
雌雄両型の型合わせによって該エッジ部を押圧変形せし
めるようにした眼用レンズの製造方法にある。
【0011】このような本発明の第一の態様に係る製造
方法に従えば、雌雄両型の型合わせに際して、エッジ部
を備えた一方の型が他方の型よりも高温とされることに
より、該エッジ部のヤング率が低下せしめられて変形容
易とされ、他方の型に押圧されることによってエッジ部
が積極的に変形せしめられることとなる。それ故、型合
わせに際し、エッジ部の他方の型の成形面に対する押圧
部位において、雌雄両型の密着状態が有利に発現され
て、成形キャビティの密閉性が安定して実現され得るの
であり、以て、目的とする眼用レンズを優れた成形精度
で安定して製造することが可能となる。
【0012】しかも、かかる製造方法に従えば、エッジ
部の突出先端部分が他方の型への押圧によって積極的に
変形せしめられることにより、該エッジ部の形状が他方
の型の成形面に沿って強制的に均されることから、一般
になだらかな面形状とされる他方の型のキャビティ形成
面に比して、成形金型構造等の理由で寸法精度を出し難
いエッジ部を、型合わせに際して積極的に変形させて他
方の型の表面で再成形することが出来るのであり、それ
故、かかるエッジ部における寸法精度や傷等の問題が、
眼用レンズの成形に際して有利に軽減乃至は解消され得
ることとなり、以て、目的とする眼用レンズを容易に且
つ一層安定して製造することが可能となるのである。
【0013】また、かかる製造方法においては、雌型お
よび雄型として熱可塑性合成樹脂材を採用して、雌雄両
型を型合わせする際に、エッジ部が形成された一方の型
を、該エッジ部が押圧される該他方の型よりも高温とす
るようにしたことから、例えばエッジ部の形成された型
が他方の型よりも常温下で硬質である場合にも、エッジ
部に対して変形を積極的に生ぜしめることが出来るので
あり、それ故、雌型および雄型の成形材料等に関しての
選択自由度が有利に確保され得る。
【0014】なお、本発明に従う製造方法において、エ
ッジ部が形成される一方の型を他方の型よりも高温とす
るための手法は、特に限定されるものでなく、例えば、
かかる一方の型を加熱したり、他方の型を冷却したり、
或いは一方の型を加熱すると共に他方の型を冷却するこ
と等によって実現可能である。
【0015】そこにおいて、本発明の第二の態様は、前
記第一の態様に係る眼用レンズの製造方法であって、前
記雌型および前記雄型のうち前記エッジ部が形成された
一方の型を他方の型よりも遅れて成形して、該一方の型
を成形完了から常温に至るまでの高温状態で該他方の型
に型合わせすることを、特徴とする。このような本態様
の製造方法に従えば、型の樹脂成形に際しての高温状態
を利用して一方の型を高温状態とすることが出来ること
から、特別な加熱手段が必ずしも必要でないことに加え
て、型の全体を略一様に高温状態とすることが可能とな
るのであり、例えば予め成形してストックしておいた型
を何等かの加熱手段で加熱して高温状態とする場合に比
して、温度管理が容易であると共に、高温化に際しての
内部応力に起因する型変形等の問題も有利に回避され得
る。
【0016】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に係る眼用レンズの製造方法において、前
記雌型および前記雄型のうち前記エッジ部が形成された
一方の型を、該エッジ部が押圧される他方の型に型合わ
せするに先立って、前記重合性モノマーを常温より冷却
して、該重合性モノマーを該他方の型に供給して接触せ
しめることにより、該他方の型を該エッジ部が形成され
た一方の型よりも低温とすることを、特徴とする。この
ような本態様の製造方法に従えば、成形型に対する特別
な加熱手段が必ずしも必要でないことに加えて、他方の
型においてエッジ部が押圧せしめられるキャビティ形成
面を、冷却された重合性モノマーの接触によって効率的
に冷却することが可能となる。特に、重合性モノマーを
安定して保存等するために低温状態に維持する必要があ
る場合には、低温状態で保存された重合性モノマーの温
度を有効に利用して、雌雄両型に温度差を効率的に設定
することが出来るのである。
【0017】さらに、上述の如き本発明の第一乃至第三
の何れかの態様に係る眼用レンズの製造方法において、
一方の型に形成されるエッジ部の具体的形状は特に限定
されるものでないが、座屈等の不規則な変形を防止する
と共に、他方の型への押圧力を有利に且つ安定して得る
ために、他方の型への押圧によってエッジ部を形成する
基部自体の屈曲や湾曲等の変形が防止される程度に所定
の肉厚寸法をもって形成されたものであって、且つ、エ
ッジ部の他方の型への押圧部位における密着性が安定し
て確保されるように、エッジ部の先端が線接触に近い状
態で他方の型に押圧されることが望ましい。より具体的
には、かかるエッジ部として、例えば、先端角度が45
度〜120度とされた先鋭山形の一定断面形状をもっ
て、雄型または雌型のキャビティ形成面の外周縁部から
突出形成されて、周方向に連続して延びる形状のものが
好適に採用される。
【0018】そこにおいて、本発明の第四の態様は、前
記第一乃至第三の何れかの態様に係る眼用レンズの製造
方法であって、前記雄型の略球状成形面の外周部分にお
いて、略軸直角方向に広がって突出する肩部を一体形成
して、該肩部の外周縁部を略直角に屈曲せしめることに
より前記エッジ部を形成することを、特徴とする。な
お、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る眼用レンズ
の製造方法において、エッジ部が雌型に形成された成形
型を採用するに際しては、例えば、前記雌型の略球状成
形面の外周縁部を内周側に僅かに立ち上げると共に、そ
の立ち上げられた突出先端部を軸直角方向外方に向かっ
て屈曲せしめることにより前記エッジ部を形成すること
が望ましい。雄型または雌型において、このようなエッ
ジ部の構造を採用することにより、型合わせに際しての
他方の型への押圧によってエッジ部が所定形状に安定し
て変形せしめられて、目的とする成形キャビティを密閉
状態で一層有利に形成することが出来るのである。
【0019】また、上述の如き本発明の第一乃至第三の
何れかの態様に係る眼用レンズの製造方法において、雌
型および雄型の成形材料である熱可塑性樹脂の種類は特
に限定されるものでなく、熱やレンズ材料等に対する耐
性の他、光線で重合する場合には光透過性等を考慮し
て、型合わせ時にエッジ部に対して適当な変形が生ぜし
められるように選定されることとなり、例えば、ポリプ
ロピレン(PP)やポリエチレン(PE),ポリエチレ
ンテレフタレート(PET),ポリスチレン(PS),
ポリカーボネート(PC),塩化ビニル(PVC),ポ
リアミド(PA),ポリアセタール(POM),フッ素
樹脂等が適宜に採用され得る。
【0020】そこにおいて、本発明の第五の態様は、前
記第一乃至第四の何れかの態様に係る眼用レンズの製造
方法であって、前記雌型と前記雄型の材質を互いに異な
らせて、前記エッジ部が形成された一方の型のヤング率
を、他方の型のヤング率よりも小さくしたことを、特徴
とする。このような本態様においては、雌雄両型間での
相対的な温度差をそれ程大きく設定しなくても、型合わ
せに際してのエッジ部の変形を有利に発生させることが
可能となる。なお、雌雄両型を形成する素材のヤング率
は、型合わせに際して及ぼされる型閉力や重合性モノマ
ーの重合に際して及ぼされる重合収縮力などによって、
型合わせされた雌雄両型の特に光学部分の成形面に対し
て変形が及ぼされないように、型の部材厚さや形状,構
造等を考慮して設定されることが望ましい。
【0021】また、雌型や雄型において硬度乃至はヤン
グ率を部分的に異ならせることも可能であり、特にエッ
ジ部を備えた型において、成形キャビティの形成部位の
硬度を大きくして眼用レンズにおける光学部位の成形精
度を向上させる一方、エッジ部の硬度を成形キャビティ
の形成部位より小さくして、型合わせに際しての変形が
安定して生ぜしめられるようにすることも可能である。
なお、型の硬度やヤング率を部分的に異ならせること
は、例えば、部分的に形成材料を異ならせる他、電磁波
等の照射や薬品処理等を利用した部分的な改質操作等に
よって実現され得る。
【0022】また、本発明の第六の態様は、前記第一乃
至第五の何れかの態様に係る眼用レンズの製造方法であ
って、前記雄型と前記雌型の型合わせに際して、それら
雌雄両型間に型合わせ方向の型閉荷重を及ぼすことを、
特徴とする。このように型閉荷重を及ぼすことにより、
雌雄両型の相対的な型合わせ位置や、一方の型のエッジ
部の他方の型への押圧力をより高い精度で設定すること
が出来るのであり、それによってエッジ部の形状および
成形キャビティの形状をより安定して高精度に設定する
ことが可能となる。なお、雌雄両型間の型合わせ方向
(軸方向)に及ぼす型閉荷重の大きさは、雌雄の型の材
質やエッジ部の形状等を考慮して、エッジ部が目的とす
る形状に変形せしめられるように適宜に設定されるもの
であって限定されるものでないが、エッジ部を安定して
押圧変形せしめるために、一般に、1〜300Nの範囲
内で設定されることとなる。
【0023】なお、前記第一乃至第六の態様に記載され
た本発明方法においては、重合性モノマーの重合後の型
開きに際して、成形品である眼用レンズを雌型と雄型の
何れか一方の型の成形面に対して安定して固着せしめ
て、成形品の離型を容易に行うことが出来るようにする
こと等を目的として、雌雄一方の型或いは両方の型のキ
ャビティ形成面に対して、型合わせ前に、高周波グロー
放電やコロナ放電,紫外線照射,大気圧プラズマなどに
よる表面処理を施すようにしても良い。
【0024】また、本発明方法においては、前述の如
く、型合わせに際して一方の型に形成されたエッジ部が
他方の型のキャビティ形成面に押圧変形せしめられて再
成形されることにより、エッジ部の寸法精度が向上され
ることから、成形型におけるエッジ部の形状や寸法等に
関しての要求精度が軽減され得るのであり、それ故、例
えば、エッジ部を有する方の型の成形金型構造や金型精
度等に関して自由度が大きく確保されて、エッジ部を有
する型の製作性の向上も図られ得る。
【0025】そこにおいて、本発明の第七の態様は、前
記第一乃至第六の何れかに記載された本発明方法におい
て、前記雌型および前記雄型のうち前記エッジ部が形成
された一方の型として、該エッジ部の形成部位に分割面
が位置せしめられる複数の分割型を組み合わせて形成さ
れた成形金型を用いて樹脂成形したものを採用すること
を、特徴とする。このような本態様に従う成形金型を採
用することにより、エッジ部を、先鋭形状をもって容易
に成形することが可能となる。なお、分割面が位置せし
められることによってエッジ部に対してバリ等の多少の
成形不良が発生した場合でも、型合わせに際してのエッ
ジ部の他方の型への押圧に伴う再成形によって、最終的
に成形品たる眼用レンズに与える悪影響が可及的に軽減
乃至は回避され得ることとなる。
【0026】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0027】先ず、図1には、本発明の第一の実施形態
としてのコンタクトレンズ成形型10が、示されてい
る。かかるコンタクトレンズ成形型10は、雌型12と
雄型14によって構成されており、それら雌型12と雄
型14が互いに型合わせされることによって、それら雌
雄両型12,14の型合わせ面間にコンタクトレンズの
成形キャビティ16を形成するようになっている。
【0028】より詳細には、雌型12および雄型14
は、成形に際して成形キャビティ16の形状を一定に保
ち得るに充分な剛性を有する材料と形状で形成されてい
る。特に本実施形態では、雌雄両型12,14が、何れ
も、熱可塑性樹脂材料によって形成されており、例えば
ポリプロピレン (PP) , ポリエチレン(PE), ポリ
エチレンテレフタレート(PET), ポリスチレン(P
S), ポリカーボネート(PC), 塩化ビニル(PV
C), ナイロン(PA), ポリアセタール(POM),
フッ素樹脂等の合成樹脂が成形材料として好適に採用さ
れる。なお、雌型12と雄型14には、両型12, 14
とも同じ材料を採用してもよく、或いは、互いに異なる
材料を採用しても良い。
【0029】そして、このように合成樹脂の成形品とし
て形成された雌型12は、その中央部分18が、軸方向
一方 (図1中の下方) に向かって突出する球殻形状とさ
れている。而して、この中央部分18の凹側表面によっ
て、目的とする眼用レンズのフロントカーブに対応した
凹型成形面20が形成されている。
【0030】また、中央部分18の外周縁部には、凹型
成形面20の曲率中心側、即ち図1中の上側に向かっ
て、外側嵌合壁としての筒壁部22が一体形成されてい
る。この筒壁部22の内周面は、凹型成形面20の外周
縁部から軸方向に立ち上がる所定長さに亘る部分が、円
筒形内周面形状の嵌合内周面24とされていると共に、
嵌合内周面24の更に開口部側には、一定のテーパ角度
で開口部側に向かって拡開するテーパ筒形状の嵌合案内
面26が形成されている。
【0031】更にまた、筒壁部22の開口端縁部には、
円環板形状の鍔部28が一体形成されている。この鍔部
28は、軸直角方向外方に向かって突出する状態で、周
方向の全周に亘って連続して形成されており、かかる鍔
部28によって、筒壁部22と中央部分18の全体の剛
性が向上されていると共に、中央部分18の凹型成形面
20における中心軸方向や水平方向を容易に決定するこ
とが出来るようになっている。なお、雌型12において
は、少なくとも凹型成形面20が、型合わせ等に際して
及ぼされる外力に対して十分な変形抵抗力を発揮し得る
ように、材質等を考慮して肉厚寸法が設定されている。
また、目的とする光学特性を発揮し得るコンタクトレン
ズを安定して得るためには、型合わせ前の初期状態と所
定荷重での型閉状態との間での、凹型成形面20に設定
された曲率半径の変化率が1%以内に抑えられるように
することが望ましい。
【0032】一方、雌型12と同様に合成樹脂の成形品
とされた雄型14は、その中央部分30が、軸方向一方
(図1中の下方) に向かって突出する球殻形状とされて
いる。そして、この中央部分30の凸側表面によって、
目的とする眼用レンズのベースカーブに対応した凸型成
形面32が形成されている。
【0033】また、中央部分30の外周縁部には、凸型
成形面32の曲率中心側、即ち図1中の上側に向かって
内側嵌合壁としての筒壁部34が一体形成されている。
この筒壁部34の外周面には、下端部から軸方向に立ち
上がる所定長さに亘る部分が、円筒形外周面形状の嵌合
外周面36とされている。更にまた、筒壁部34の開口
端縁部側には、円環板形状の鍔部38が一体形成されて
いる。この鍔部38は、軸直角方向外方に向かって突出
する状態で、周方向の全周に亘って連続して形成されて
おり、かかる鍔部38によって、筒壁部34と中央部分
30の全体の剛性が向上されていると共に、中央部分3
0の凸型成形面32における中心軸方向や水平方向を容
易に決定することが出来るようになっている。なお、雄
型14においても、雌型12と同様に、型合わせに際し
て凸型成形面32が変形しないように、材質等を考慮し
て各部の肉厚寸法が設定されている。また、目的とする
光学特性を発揮し得るコンタクトレンズを安定して得る
ためには、型合わせ前の初期状態と所定荷重での型閉状
態との間での、凸型成形面32に設定された曲率半径の
変化率が1%以内に抑えられるようにすることが望まし
い。
【0034】更にまた、雄型14の中央部分30は、雌
型12の中央部分18よりも一回り小さくされており、
雄型14の筒壁部34における嵌合外周面36の外径寸
法が、雌型12の筒壁部22における嵌合内周面24の
内径寸法よりも所定量だけ小さく設定されている。これ
により、雌型12の筒壁部22に対して、該筒壁部22
の開口部から雄型14の筒壁部34が嵌め合わせられる
ことによって、雌雄両型12,14が互いに型合わせさ
れるようになっている。
【0035】さらに、雄型14は、図2に示されている
ように、凸型成形面32の外周縁部が軸直角方向外方に
向かって広がる円環形状の略平坦な段差状面42とされ
ていると共に、この段差状面42の外周端縁部が筒壁部
34の下端部外周面に対して略直角に連接されている。
これにより、凸型成形面32の外周縁部には、段差状面
42と筒壁部34の接続部位が、略直角な先鋭状の断面
形状をもって周方向の全周に亘って連続して延びる円環
形状のエッジ部44とされている。要するに、凸型成形
面32の外周縁部には、凸型成形面32上に突出するエ
ッジ部44が、山形断面形状をもって全周に亘って連続
して一体形成されているのである。ここで、かかるエッ
ジ部44の形状をさらに具体的に示すために、図3に、
エッジ部44を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した
写真を掲載する。写真左側の中央より少し上方から右側
下方にかけての細い紐状の線で写真中では特に白で描か
れているものがエッジ部であり、ここではエッジ部は略
直線状になっている。
【0036】これらの雌型12および雄型14は、従来
から公知の樹脂成形法によって製造することが可能であ
り、例えば目的とする雌型12や雄型14の外形形状を
与える成形キャビティを形成する成形金型を用いて、射
出成形等によって有利に製造される。例えば、雄型14
は、図4に示されているように、中央部分30の凸型成
形面32と筒壁部34の外周面の形状に対応した凹型の
キャビティ形成面46を備えた第一の金型48と、中央
部分30の内面と筒壁部34の内周面の形状に対応した
凸型のキャビティ形成面50を備えた第二の金型52を
用い、適当な型締装置によってそれら第一及び第二の金
型48,52を軸方向で型閉じして両金型48,52の
型合わせ面間に成形キャビティ54を形成すると共に、
この成形キャビティ54に対して、適当な射出装置によ
って溶融樹脂材料をスプルやランナ60を通じて射出充
填して冷却固化せしめることによって成形されることと
なり、かかる成形後、第一及び第二の金型48,52を
型開きして成形品を取り出すことによって、目的とする
雄型14を得るようにされる。
【0037】そこにおいて、雄型14を成形する第一の
金型48は、軸方向中間部分で分割された底側分割型5
6と外周分割型58を相互に固定的に組み合わせること
によって形成された分割構造とされており、底側分割型
56によって凸型成形面32を成形するための凹状球形
の成形面が形成されていると共に、外周分割型58によ
って筒壁部34を成形するための筒形の成形面が形成さ
れている。そして、それら底側分割型56と外周分割型
58の分割面が、雄型14のエッジ部44の突出頂部に
位置せしめられている。このように、二つの分割型5
6,58の突き合わせによってエッジ部44の突出頂部
の成形面を形成することにより、先鋭形状とされたエッ
ジ部44の成形面を容易に且つ有利に形成することが可
能となるのである。
【0038】そして、上述の如き雌型12と雄型14か
らなるコンタクトレンズ成形型10を用いて、目的とす
る眼用レンズをモールド成形 (重合) するに際しては、
先ず、図5に示すように、射出成形等によって成形した
雌型12を鉛直上方に向かって開口した状態で支持せし
めて、その中央部分18の凹型成形面20によって形成
された受け皿状の領域に、目的とする眼用レンズを得る
ための適当な重合性モノマー62を、注入管40によっ
て供給する。この重合性モノマー62の雌型12への供
給量は、雌型12と雄型14の型合わせ面間に形成され
る成形キャビティ16を充填し得るように設定される。
なお、かかる重合性モノマー62としては、ソフトコン
タクトレンズやハードコンタクトレンズの原料として使
用されている公知の各種の液状のモノマー組成物が適宜
に採用され得ることとなり、例えば、一般に、従来から
用いられているラジカル重合可能な化合物の1種若しく
は2種以上が配合なされてなるものの他、また、マクロ
マーやプレポリマーから構成されるもの等であっても、
何等差し支えない。また、そのような化合物には、必要
に応じて、適当な架橋剤や、重合開始剤、例えば熱重合
開始剤、光重合開始剤等や増感剤等の添加剤が配合され
て、液状のモノマー組成物とされる。
【0039】その後、図6に示されているように、雌型
12に対して、雄型14を、それらの中心軸を一致させ
た状態下で鉛直上方から重ね合わせる。この雌雄両型1
2,14の重ね合わせは、雌型12の嵌合案内面26に
沿って雄型14の筒壁部34を軸方向に嵌め込んで、更
に所定大きさの型閉荷重(型合わせ力)を雌型12と雄
型14の間に軸方向に及ぼすことによって、雌型12の
凹型成形面20に対して雄型14の凸型成形面32を重
ね合わせるようにして行う。
【0040】ここにおいて、かかる雄型14は、雌型1
2よりも高温状態として型合わせする。特に本実施形態
では、雄型14を雌型12よりも遅れて射出成形して、
射出成形に際して金型48,52から離型せしめた後の
成形樹脂材の高温状態から室温まで完全に冷却されてい
ない状態にある雄型14を採用して、雌型12に型合わ
せする。なお、雌型12は、完全に室温まで冷却が完了
しているものを採用することが可能である。
【0041】このように高温状態の雄型14を採用して
雌型12に型合わせすることにより、熱可塑性樹脂材料
によって形成された雄型14の硬度が小さく変形容易な
状態とされて、雄型14と雌型12が型合わせされるこ
ととなるのであり、それ故、型合わせやその後の型締め
に際して、先鋭形状とされた雄型14のエッジ部44が
雌型12の凹型成形面20に対して押圧されることによ
って、雄型14のエッジ部44が容易に且つ速やかに、
雌型12の凹型成形面20に沿った形状に変形せしめら
れると共に、該雌型12の凹型成形面20に対して密接
状態で当接せしめられることとなる。特に、雄型14の
エッジ部44は、雌型12の凹型成形面20よりも低硬
度とされた状態下で、雌雄両型12,14が型合わせさ
れることから、雌型12における凹型成形面20の寸法
精度を充分に確保したままの状態で、成形キャビティ1
6の外周端面を画成する雄型14のエッジ部44付近を
有利に変形させて、凹型成形面20に沿うように滑らか
に変形させることが可能となるのである。
【0042】そして、雌雄両型12,14の型合わせを
することによって、図6, 図7に示されているように、
重合性モノマー62が充填されて密閉された成形キャビ
ティ16が形成されることとなり、雌型12と雄型14
の両型12, 14を型合わせ状態に保持して、重合性モ
ノマー62の重合処理を行う。なお、かかる重合処理に
際しては、雌雄両型12, 14間に所定の型合わせ力を
及ぼすようにしてもよい。
【0043】なお、重合性モノマー62は熱重合開始剤
を配合することによって、熱重合させること等も可能で
あるが、雌雄両型12,14や重合性モノマー62の熱
影響を回避するために、本実施形態においては、光重合
開始材を用いた紫外線照射による光重合のものが好適に
採用される。なお、紫外線等の光重合性のモノマーを採
用する場合には、雌雄両型12, 14は光線透過性の材
料によって形成される。
【0044】このようにして、成形キャビティ16で重
合性モノマー62を重合処理することによって、成形キ
ャビティ16の形状に対応した、目的とする形状の眼用
レンズが形成されることとなる。そして、雌雄両型1
2,14を型開きして、形成された眼用レンズを離型す
ることにより、目的とする眼用レンズの製造を終了す
る。
【0045】なお、雌雄両型12,14の型開きに際し
てコンタクトレンズが付着せしめられる方の型を特定す
るために、雌型12および雄型14の一方或いは両方の
キャビティ形成面、即ち、凹型成形面20と凸型成形面
32の少なくとも一方に対して、高周波グロー放電, コ
ロナ放電, 紫外線照射, 大気圧プラズマ等のような公知
の処理を施すことが望ましい。
【0046】上述の如き眼用レンズの製造方法に従え
ば、雌雄両型12,14の型合わせに際して、雄型14
に固設されたエッジ部44が、高温化によって硬度を下
げられて変形容易とされた状態下で、雌型12の凹型成
形面20に押し付けられて積極的乃至は強制的に変形せ
しめられるのであり、かかるエッジ部44が凹型成形面
20に沿って変形せしめられることにより、成形キャビ
ティ16の密閉状態が高度に且つ安定して実現され得る
と共に、エッジ部44によって形成された成形キャビテ
ィ16における外周縁部の成形面が滑らかな形状をもっ
て安定して形成され得ることとなる。ここで、変形せし
められたエッジ部の形状を具体的に示すために、図8
に、かかるエッジ部を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮
影した写真を掲載する。図3と同様に写真左側の中央少
し上のところから右下のほうにかけての細い線がエッジ
部を示しており、変形前 (図3) に比して、エッジ部
が、変形後 (図8) において変形して滑らかな表面形状
とされていることが認められる。
【0047】その結果、目的とするコンタクトレンズ
を、レンズ中央の光学部分における高精度な形状と、滑
らかで且つ安定した外周縁部の形状とをもって有利にモ
ールド成形することが可能となるのである。
【0048】ここにおいて、型合わせ時における雌雄両
型12,14の温度設定は、成形型や重合性モノマー6
2の材質或いは採用される重合方法、重合終了時の温度
設定等を考慮して適宜に決定されるものであって、特に
限定されるものではないが、一般に、良品率:85%以
上を目標とする場合には、雌雄両型12,14における
型合わせ時の硬度(ロックウェル硬さ)差を20以上と
することが望ましく、例えば雌雄両型12, 14をポリ
プロピレンで製造する場合には、雌型12を室温(20
°C)とする一方、雄型14を30°C以上、より好ま
しくは35°C以上の高温状態で型合わせすることが望
ましい。
【0049】また、本実施形態においては、所定の樹脂
材料による成形後の高温状態にある雄型14を採用して
型合わせするようにされることから、雄型14を後加熱
する必要がなく、特別な加熱装置が不要とされると共
に、後加熱する場合に比して加熱のための時間が不要と
なって、コンタクトレンズの成形サイクルの向上が図ら
れ得るのである。
【0050】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これはあくまでも例示であって、本発明はかか
る実施形態における具体的な記載によって、何等、限定
的に解釈されるものでない。
【0051】例えば、雌雄両型における成形面や、嵌合
部分等の具体的形状は、製造しようとするコンタクトレ
ンズ等の眼用レンズの形状や、成形型の搬送装置や型閉
装置等を含む成形システムの構造等を考慮して、適宜に
設計変更されるものである。
【0052】具体的には、例えば、雌雄両型12, 14
における成形面20, 32の形状は目的とする眼用レン
ズの形状を考慮して球状乃至は非球状 (楕円面等) とさ
れてもよい。
【0053】さらに、前記実施形態では、雄型14の凸
型成形面32の外周端縁部にエッジ部44が形成されて
いたが、かかるエッジ部を、凸型成形面32の外周端縁
部よりも内周側に所定量だけ離れた位置に形成すること
も可能である。
【0054】また、エッジ部の具体的形状も、前記実施
形態のものに限定されるものでなく、例えば、前記実施
形態のように軸直角方向に広がる段差状面42を設ける
ことなく、凸型成形面32の外周縁部において、該凸型
成形面32から雌型12の凹型成形面20に向かって軸
方向に所定高さで突出する略三角断面形状のエッジ部な
ども採用可能である。
【0055】更にまた、前記実施形態では、雄型14の
凸型成形面32の外周縁部にエッジ部44が形成されて
いたが、雌型12の凹型成形面20上に突出して、型合
わせに際して雄型14の凸型成形面32に押圧せしめら
れる構造のエッジ部を採用することも可能である。な
お、雌型12にエッジ部を一体形成する場合は、型合わ
せに際して、雌型12が高温状態とされて、雄型14の
凸型成形面32よりも雌型12のエッジ部の方が低硬度
に設定されることとなる。
【0056】また、前記実施形態では、型合わせに際し
てエッジ部44が当接せしめられる雌型12の凹型成形
面20の変形を実質的に無視して説明したが、エッジ部
44が当接せしめられる凹型成形面20において、エッ
ジ部44より小さい程度の変形が生ぜしめられることは
許容されるところであり、そのような変形が発生した場
合でも、上述の如き本発明の効果は有効に発揮され得る
こととなる。
【0057】加えて、前記実施形態では、本発明をコン
タクトレンズの製造に適用した場合の一具体例について
説明したが、本発明は、眼内レンズ等の各種の眼用レン
ズの製造に際して、何れも、同様に適用可能であること
は、言うまでもない。
【0058】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
【0059】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
方法に従えば、雌雄両型の型合わせに際して、何れか一
方の型のキャビティ形成面の外周縁部に突設されたエッ
ジ部が他方のキャビティ形成面に押圧されることによっ
て、容易に且つ積極的に変形せしめられるのであり、そ
れによって、成形キャビティの外周縁部が滑らかな形状
で安定して密閉され得ることから、目的とする形状の眼
用レンズを安定してモールド成形することが可能となる
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に従うコンタクトレンズの製造に際
して用いられる成形型の一具体例を型合わせ状態で示す
縦断面図である。
【図2】図1に示された雄型の要部を拡大して示す縦断
面図である。
【図3】図1に示された雄型のエッジ部のSEM(走査
型電子顕微鏡)写真である。
【図4】図1に示された雄型の成形用金型の一具体例を
示す説明図である。
【図5】図1に示された成形型を用いた本発明方法に従
うコンタクトレンズの一製造工程を示す説明図である。
【図6】図1に示された成形型を用いた本発明方法に従
うコンタクトレンズの別の製造工程を示す説明図であ
る。
【図7】図6に示された雄型の要部を拡大して示す縦断
面図である。
【図8】図6に示された雄型のエッジ部のSEM(走査
型電子顕微鏡)写真である。
【符号の説明】
10 コンタクトレンズ成形型 12 雌型 14 雄型 16 成形キャビティ 20 凹型成形面 32 凸型成形面 44 エッジ部 62 重合性モノマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AH74 AM32 CA11 CB01 CK06 CK25 4F204 AH74 AJ03 AM32 EA03 EA04 EB01 EK15 EK24 EK26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略球状成形面を備えた雌型と雄型を含ん
    で構成された成形型を用い、それら雌雄両型の型合わせ
    面間に形成された成形キャビティに重合性モノマーを充
    填して重合することにより目的とする眼用レンズを成形
    するに際して、 前記雌型と前記雄型を熱可塑性合成樹脂で形成すると共
    に、該雌型と該雄型の何れか一方の型における成形面の
    外周縁部において周方向に連続して延びるエッジ部を一
    体的に突出形成して、それら雌雄両型の型合わせに際し
    て、該一方の型に形成した該エッジ部を他方の型の成形
    面に押圧することにより前記成形キャビティの外周縁部
    が画定されるようにすると共に、該エッジ部が形成され
    た該一方の型を、該エッジ部が押圧される該他方の型よ
    りも高温として両型間に温度差を設定し、雌雄両型の型
    合わせによって該エッジ部を押圧変形せしめることを特
    徴とする眼用レンズの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記雌型および前記雄型のうち前記エッ
    ジ部が形成された一方の型を他方の型よりも遅れて成形
    して、該一方の型を成形完了から常温に至るまでの高温
    状態で該他方の型に型合わせする請求項1に記載の眼用
    レンズの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記雌型および前記雄型のうち前記エッ
    ジ部が形成された一方の型を、該エッジ部が押圧される
    他方の型に型合わせするに先立って、前記重合性モノマ
    ーを常温より冷却して、該重合性モノマーを該他方の型
    に供給して接触せしめて冷却することにより、該他方の
    型を該エッジ部が形成された一方の型よりも低温とする
    請求項1又は2に記載の眼用レンズの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記雄型の略球状成形面の外周部分にお
    いて、略軸直角方向に広がって突出する肩部を一体形成
    して、該肩部の外周縁部を略直角に屈曲せしめることに
    より前記エッジ部を形成した請求項1乃至3の何れかに
    記載の眼用レンズの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記雌型と前記雄型の材質を互いに異な
    らせて、前記エッジ部が形成された一方の型のヤング率
    を、他方の型のヤング率よりも小さくした請求項1乃至
    4の何れかに記載の眼用レンズの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記雄型と前記雌型の型合わせに際し
    て、それら雌雄両型間に型合わせ方向の型閉荷重を及ぼ
    す請求項1乃至5の何れかに記載の眼用レンズの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記雌型および前記雄型のうち前記エッ
    ジ部が形成された一方の型として、該エッジ部の形成部
    位に分割面が位置せしめられる複数の分割型を組み合わ
    せて形成された成形金型を用いて樹脂成形したものを採
    用する請求項1乃至6の何れかに記載の眼用レンズの製
    造方法。
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