JP2002273732A - コンタクトレンズ用成形型およびそれを用いたコンタクトレンズの製造方法 - Google Patents

コンタクトレンズ用成形型およびそれを用いたコンタクトレンズの製造方法

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JP2002273732A
JP2002273732A JP2001079051A JP2001079051A JP2002273732A JP 2002273732 A JP2002273732 A JP 2002273732A JP 2001079051 A JP2001079051 A JP 2001079051A JP 2001079051 A JP2001079051 A JP 2001079051A JP 2002273732 A JP2002273732 A JP 2002273732A
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mold
molding
wall portion
thin wall
contact lens
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JP2001079051A
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English (en)
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Yasushi Matsuda
靖 松田
Hiroyuki Oyama
博幸 大山
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Menicon Co Ltd
Original Assignee
Menicon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モールド成形に際してのレンズ外周縁部にお
けるバリ発生が有効に防止され得る、製造および構造の
簡単なコンタクトレンズ用成形型を提供すること。 【解決手段】 雌型12と雄型14の何れか一方におけ
る成形キャビティ16の形成面20,28の外周部分を
薄肉として変形可能な薄肉壁部36を設けて、成形キャ
ビティ16の外周縁部において、この薄肉壁部36が、
雌型12と雄型14の他方における成形キャビティ16
の形成面20,28に対して近接乃至は当接して位置せ
しめられるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、コンタクトレンズをモールド法
によって製造するためのコンタクトレンズ用成形型と、
それを用いたコンタクトレンズの製造方法に係り、特に
特別な後加工を必要としないエッジ部を簡単な型構造で
安定して形成することの出来る、新規な構造のコンタク
トレンズ用成形型と、それを用いたコンタクトレンズの
製造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、ハードコンタクトレンズとソフ
トコンタクトレンズの何れにも採用可能な製造方法の一
種として、モールド法が知られている。かかるモールド
法は、凹状成形面を備えた雌型と凸状成形面を備えた雄
型を型合わせすることによって、それら雌雄両型の型合
わせ面間に形成されたコンタクトレンズの成形キャビテ
ィにレンズ成形材料としての所定の重合性材料を充填し
て、成形キャビティで重合することにより、成形キャビ
ティに対応した形状のコンタクトレンズを製造するもの
であって、他の公知のコンタクトレンズの製造方法であ
るレースカット法(切削研磨法)やスピンキャスト法
(遠心注型法)に比して、目的とするコンタクトレンズ
を低コストで大量生産することが出来ること等から、例
えばディスポーザブルコンタクトレンズ等の製造に際し
て好適に採用されている。
【0003】ところで、モールド法では、レンズ外周の
エッジ部に型合せ面が位置することから、コンタクトレ
ンズのエッジ部にバリが発生し易い傾向にあり、高品質
なコンタクトレンズを提供するためには、成形後におけ
るバリ取りの後加工が必要となって製造作業性やコスト
性が悪化するという問題があった。
【0004】そこで、このような問題に対処するため
に、モールド法に用いられるコンタクトレンズ用成形型
として、従来から各種の構造が提案されており、例えば
特公昭59−29411号公報には、雌型の凹状成形面
および雄型の凸状成形面の何れか一方における外周部分
に対して、型合わせ方向に突出する薄肉先鋭形状のリム
突起を一体形成し、型合わせに際して、このリム突起を
他方の成形面に圧接させることによって成形キャビティ
の外周縁部で雌雄両型の型合わせ面間を遮断するように
した構造が開示されている。また、特公昭63−364
84号公報には、雌雄両型に対して、成形キャビティの
外周側で互いに軸方向に重ね合わせられる接合面を設け
て、それらの接合面を型合せ力で当接させることによっ
て成形キャビティの外周縁部を閉塞するようにした構造
が開示されている。更にまた、特開平6−208090
号公報には、雌型および雄型の一方における成形キャビ
ティの外周側に突出形成したナイフエッジを、雌型およ
び雄型の他方に貫入させることによって成形キャビティ
の外周縁部を閉塞するようにした構造が開示されてい
る。
【0005】しかしながら、上記特公昭59−2941
1号公報や特開平6−208090号公報に記載の成形
型においては、薄肉先鋭形状のリム突起やナイフエッジ
を形成するための金型の製作と該金型を用いた成形型の
製造が極めて難しいという問題があり、実用化が難しか
った。しかも、それら特公昭59−29411号公報お
よび特開平6−208090号公報に特公昭63−36
484号公報を加えた何れの公報に記載の成形型であっ
ても、基本的に雌雄両型に対して中心軸方向に及ぼされ
る型合せ力に基づいて雌雄両型の一部を押圧当接させる
ことにより、成形キャビティの外周縁部が閉塞されるよ
うになっていることから、バリを有効に防止するために
は、比較的大きな型合せ力が必要となり、大きな型合せ
力を雌雄両型間に及ぼすことによって得られるコンタク
トレンズの厚さ寸法がバラツクおそれがあると共に、成
形型のキャビティ形成面が変形してしまって目的とする
レンズ面形状が得られなくなるおそれがあったのであ
る。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景しと為されたものであって、その解決課題とする
ところは、目的とするレンズ面形状や寸法を安定して確
保しつつ、エッジ部におけるバリ等の発生を防止するこ
とが出来、それによって、特別な後加工の必要もないコ
ンタクトレンズを製造することの出来る、新規な構造の
コンタクトレンズ用成形型と、それを用いたコンタクト
レンズの製造方法を提供することを、目的とする。
【0007】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0008】先ず、コンタクトレンズ用成形型に関する
本発明の第一の態様は、凹状成形面を備えた雌型と、凸
状成形面を備えた雄型を含んで構成されて、それら雌雄
両型の型合わせ面間にコンタクトレンズの成形キャビテ
ィを形成するコンタクトレンズ用成形型において、前記
雌型および前記雄型の何れか一方における前記凹状成形
面または前記凸状成形面の外周部分を薄肉として外周側
に延び出させて、該凹状成形面または該凸状成形面の外
周部分の周方向全周に亘って広がる変形可能な薄肉壁部
を設けて、前記成形キャビティの外周縁部において、該
薄肉壁部が前記雌型および前記雄型の他方の成形面に近
接乃至は当接して位置せしめられるようにしたことを、
特徴とする。
【0009】このような本態様に従う構造とされたコン
タクトレンズ用成形型にあっては、成形キャビティの外
周縁部において、雌型と雄型の一方に形成された薄肉壁
部が、雌型と雄型の他方に近接乃至は当接して位置せし
められることから、この薄肉壁部に外力を加えて強制的
に変形させることによって、または薄肉壁部に対して特
別な外力を加えないで成形材料の重合収縮に追従して変
形させることによって、或いは薄肉壁部の弾性に基づい
て他方に当接させることによって、雌型と雄型に対して
それ程大きな型合わせ力を加えなくても、薄肉壁部の変
形に基づいて成形キャビティの外周縁部を実質的に遮断
せしめて、成形キャビティの外周縁部におけるバリ等の
発生を防止することが可能となるのであり、以て、目的
とするコンタクトレンズを、バリ取り等の特別な後加工
を必要とすることなく安定して製造することが可能とな
るのである。
【0010】しかも、かかるコンタクトレンズ用成形型
においては、薄肉壁部が、雌型または雄型における本体
壁部の一部分を薄肉化することによって構成されること
となり、前記特公昭59−29411号公報に記載のリ
ブ突起のような別体突起部を形成する必要もないことか
ら、金型製作を含めて製造も容易に行うことが出来るの
である。
【0011】なお、雌型の凹状成形面または雄型の凸状
成形面の外周部分に形成される薄肉壁部は、かかる凹状
成形面または凸状成形面の一部を形成する位置に形成さ
れる他、凹状成形面または凸状成形面の外方に隣接する
位置に形成されていても良い。即ち、成形キャビティを
形成する凹状成形面または凸状成形面の一部を形成する
位置に薄肉壁部が形成される場合には、薄肉壁部が、例
えば湾曲した凹状乃至は凸状の壁部形状とされる一方、
成形キャビティを形成する凹状成形面または凸状成形面
の外方に隣接する位置に薄肉壁部が形成される場合に
は、薄肉壁部が、例えば凹状成形面または凸状成形面か
ら立ち上がる筒状の壁部形状とされる。
【0012】また、本態様において、薄肉壁部が、成形
キャビティを形成する凹状成形面または凸状成形面の一
部を形成する位置に設けられる場合には、かかる薄肉壁
部を、コンタクトレンズにおける光学領域の外周側に位
置せしめられる周辺部分やベベルの成形部位に位置せし
めることが望ましく、それによって、コンタクトレンズ
の光学領域において目的とする光学特性を一層高度に維
持することが可能となる。
【0013】なお、本態様においては、雌雄両型の凹状
成形面と凸状成形面の対向面間に形成される成形キャビ
ティの外側周囲に、該成形キャビティに充填される重合
性材料の余剰の部分を収容する材料溜め部を設けた構成
が、好適に採用され得る。このような材料溜め部を設け
ることにより、例えば、雌雄両型の型合わせに際して余
剰な重合性材料の外部への漏れ出しを防止することが出
来ると共に、重合収縮に際して、かかる材料溜め部から
重合性材料が成形キャビティ内に導入され得るようにす
ることも出来、それによって、重合収縮に際して惹起さ
れるヒケやボイド等の問題の発生を抑えることが可能と
なる。
【0014】また、本態様において、薄肉壁部は、雌型
または雄型における光学領域の成形部分等に対して固着
されて一体化されていても良く、それによって、光学領
域の成形部分等と異なる材質で薄肉壁部を形成すること
も可能となるが、好適には、薄肉壁部を備えた雌型また
は雄型は、かかる薄肉壁部を含んで一体成形されること
が望ましく、それによって、型成形性が向上され得る。
【0015】更にまた、本態様において、雌型および雄
型の材質は、成形キャビティにおけるコンタクトレンズ
の成形操作に耐え得るに十分な剛性と強度を有する材質
が適宜に採用され得るが、特に、薄肉壁部における変形
容易性と必要な強度を確保するために、薄肉壁部を有す
る方の雌型または雄型は、合成樹脂材料や軟質金属等で
形成されることが望ましく、例えばポリプロピレン,ポ
リエチレン,ポリエチレンテレフタレート,ポリスチレ
ン,ポリカーボネート,ポリ塩化ビニル,ポリアミド,
ポリアセタール,フッ素樹脂等の熱可塑性或いは熱硬化
性の合成樹脂や、アルミニウム合金,銅,金,銀等の金
属がより好適に採用される。なお、雌雄両方の型の材質
を異ならせても良く、例えば、薄肉壁部が形成されない
方の雌型または雄型の材質として、上述の如き例示の熱
可塑性樹脂の他、各種金属やガラス,セラミック等も好
適に採用され得る。
【0016】また、コンタクトレンズ用成形型に関する
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に従う構造とさ
れたコンタクトレンズ用成形型において、前記薄肉壁部
が、前記成形キャビティにおける前記コンタクトレンズ
のエッジ形成部位を挟んで内周側と外周側に跨がって配
されるようにしたことを、特徴とする。このような本態
様に係るコンタクトレンズ用成形型においては、コンタ
クトレンズのエッジ形成部位が、薄肉壁部の延び出し方
向の中間部分によって構成されることとなり、コンタク
トレンズの成形キャビティの外周縁部の少なくとも一部
が薄肉壁部によって構成されてることから、コンタクト
レンズの成形材料の重合収縮に伴う容積減少に対して薄
肉壁部の変形を追従させることによって、コンタクトレ
ンズにおけるヒケやボイド等の成形不良の発生を軽減乃
至は防止することが可能となる。
【0017】また、コンタクトレンズ用成形型に関する
本発明の第三の態様は、前記第二の態様に従う構造とさ
れたコンタクトレンズ用成形型において、前記薄肉壁部
における延び出し方向の中間部分を、前記他方の成形面
側に凸となる屈曲部として、前記成形キャビティの外周
縁部において、該屈曲部が該他方の成形面に対して接近
乃至は当接して位置せしめられるようにしたことを、特
徴とする。このような本態様においては、薄肉壁部に形
成された屈曲部によって成形キャビティの外周縁部を、
より安定した位置および形状をもって規定することが可
能となる。
【0018】なお、本発明に係るコンタクトレンズ成形
型において、薄肉壁部には、薄肉壁部が形成された成形
型とは異なる他方の成形型の成形面に向かう変形が一層
容易に許容され得るようにするために、例えば、かかる
薄肉壁部において、軸方向断面で湾曲形状として、弛み
を持たせること等も、有効である。
【0019】また、コンタクトレンズ用成形型に関する
本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態
様に従う構造とされたコンタクトレンズ用成形型におい
て、前記薄肉壁部の外周側に位置して、周方向全周に亘
って延びて該薄肉壁部の外周縁部を支持せしめる環状の
厚肉支持部を設けたことを、特徴とする。このような本
態様においては、薄肉壁部の内周側に位置せしめられた
凹状成形面乃至は凸状成形面の形成部位と、薄肉壁部の
外周側に位置せしめられた厚肉支持部とによって成形型
が支持され得ることから、薄肉壁部が安定した形状で保
持され得て、目的とする形状のコンタクトレンズを一層
安定して成形することが可能となる。
【0020】また、コンタクトレンズ用成形型に関する
本発明の第五の態様は、かかる第四の態様に従う構造と
されたコンタクトレンズ用成形型において、前記雌型お
よび前記雄型の何れか一方に設けられた前記厚肉支持部
において、それら雌型および雄型の他方の型に対して型
合わせ方向に当接せしめられて雌雄両型を相対的に位置
決めする型合せ当接部を設けたことを特徴とする。この
ような本態様においては、雌雄両型を高精度に型合わせ
することが可能となり、目的とする成形キャビティの寸
法精度、延いては製品の成形精度の向上が図られ得る。
【0021】また、前記第一乃至第五に記載されている
如き本発明に従う構造とされたコンタクトレンズ用成形
型において、前記薄肉壁部が近接乃至は当接せしめられ
る前記他方の成形面は、例えば、前記雌型の凹状成形面
または前記雄型の凸状成形面によって有利に構成され得
ることとなり、或いは前記雌型の凹状成形面または前記
雄型の凸状成形面の外周側に形成された筒状型嵌合面に
よって有利に構成され得る。またその他、雌型または雄
型における凹状成形面または凸状成形面の外周部分にお
いて軸直角方向に広がる環状平坦面を形成し、この環状
平坦面によって、薄肉壁部が近接乃至は当接せしめられ
る前記他方の成形面を構成するようにした構成も、有利
に採用され得る。
【0022】更にまた、コンタクトレンズ用成形型に関
する本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の態様等
に記載の如き本発明に従う構造とされたコンタクトレン
ズ用成形型において、前記薄肉壁部に外力を及ぼして、
該薄肉壁部を前記他方の成形面に対して近接乃至は当接
せしめる押圧部材を設けたことを、特徴とする。このよ
うな本態様においては、薄肉壁部を他方の成形面に対し
て外力をもって押圧して当接させることにより、成形キ
ャビティの外周縁部を外部からより確実に遮断してバリ
等の不具合の発生を一層安定して防止することが可能と
なる。また、押圧部材による薄肉壁部の押圧は、重合性
材料の重合処理の開始前の他、重合処理の開始後に所定
時間遅れて行うことも可能であり、その他、例えば他方
の成形面に対して薄肉壁部を僅かな隙間を隔てて対向位
置せしめると共に、薄肉壁部を押圧して他方の成形面に
当接せしめてかかる隙間を遮断するタイミングを、成形
条件等に応じて適当に調節することも可能となる。
【0023】なお、このような押圧部材を採用する場合
には、かかる押圧部材を、前記薄肉壁部に外力を及ぼす
作動方向に案内する案内面を、雌型または雄型に設ける
ことが望ましく、それによって、押圧部材の作動の安定
性、延いては押圧部材によって遮断される成形キャビテ
ィの外周端縁部の形状安定性等が向上され得る。
【0024】また、押圧部材においては、薄肉壁部に対
する加圧面を先細状の断面で周方向に延びる形状とし
て、小さな面積で薄肉壁部に押圧力を及ぼすようにする
ことが望ましく、それによって、コンタクトレンズの外
周縁部におけるバリ発生をより効果的に抑えることが可
能となる。
【0025】更にまた、薄肉壁部に押圧力を及ぼす場合
において、例えば、雌雄両方の型を硬度の異なる合成樹
脂材で形成し、薄肉壁部が形成された方の型よりも、薄
肉壁部を有しない方の型の硬度を小さくして、押圧部材
で押圧変形せしめた薄肉壁部を他方の型の成形面に当接
させることによって、かかる他方の成形面を変形させて
入り込むようにすることも可能であり、それによって、
成形キャビティの外周縁部における密閉遮断性の更なる
向上が図られ得る。
【0026】さらに、前記第一乃至第六に記載されてい
る如き本発明に従う構造とされたコンタクトレンズ用成
形型において、前記薄肉壁部の肉厚寸法は、特に好適に
は0.01〜0.3mmとされる。蓋し、0.01mmより
薄肉であると、型成形やコンタクトレンズ成形に際して
破損し易く、特に上述の如き押圧部材で外力を加える場
合には、薄肉壁部がコンタクトレンズ成形時に破損し易
いために、安定した製造が実現され難いという問題があ
り、一方、肉厚寸法が0.3mmを越えると、変形時の曲
率を大きくすることが難しく、コンタクトレンズの外周
縁部に対して良好なエッジ形状を付与することが困難と
なる。
【0027】また、本発明に従う構造とされたコンタク
トレンズ用成形型においては、コンタクトレンズ成形後
の型開きに際して、成形されたコンタクトレンズが雌雄
何れか一方の型に安定して付着せしめられるように、例
えば、雌雄何れか一方の或いは両方の型の少なくともキ
ャビティ形成面に対して、高周波グロー放電処理や、コ
ロナ放電処理,紫外線照射処理、大気圧プラズマ処理等
を施したり、或いは除去可能な接着力を発揮し得る接着
剤を用いた成形面処理など、公知の各種の手法が採用さ
れ得る。このように型開きに際して成形されたコンタク
トレンズが付着する方の型を特定することによって、コ
ンタクトレンズの離型等の成形後の処理が容易となる。
【0028】一方、コンタクトレンズの製造方法に関す
る本発明の特徴とするところは、上述の如き本発明に従
う構造とされたコンタクトレンズ用成形型を用いたコン
タクトレンズの製造方法であって、前記雌型と前記雄型
を型合わせすることによって形成された成形キャビティ
に充填せしめた所定の重合性材料を重合するに際して、
前記薄肉壁部の変形によって該重合性材料の体積収縮に
対して該成形キャビティの成形面を追従させるようにし
たことにある。
【0029】このような本発明方法に従えば、成形キャ
ビティの外周縁部において、雌型と雄型の一方に形成さ
れて雌型と雄型の他方に近接乃至は当接して位置せしめ
られた薄肉壁部が、コンタクトレンズの成形に際しての
重合性材料の重合収縮に対して追従して変形することに
より、成形キャビティにおける負圧が軽減乃至は回避さ
れ得るのであり、それ故、雌型と雄型に対してそれ程大
きな型合わせ力を加えることなく、成形キャビティの外
周縁部におけるバリ等の発生を防止することが出来、以
て、大きな型合せ力に起因する成形キャビティの変形等
の問題を伴うことなく、目的とするコンタクトレンズ
を、バリ取り等の特別な後加工を必要としないで、安定
して高精度に且つ容易に製造することが可能となるので
ある。
【0030】なお、このような本発明に係るコンタクト
レンズの製造方法においては、前記成形キャビティに前
記重合性材料を充填せしめると共に、該成形キャビティ
の外周縁部において前記薄肉壁部を前記雌型または前記
雄型の成形面に当接させて該成形キャビティを閉塞せし
めた状態下で、前記重合性材料を重合せしめるようにし
ても良く、或いは、前記成形キャビティに前記重合性材
料を充填せしめると共に、該成形キャビティの外周縁部
において前記薄肉壁部を前記雌型または前記雄型の成形
面に近接させて該成形キャビティを僅かに開口せしめた
状態下で、前記重合性材料の重合を開始すると共に、該
重合性材料の重合工程中で、該薄肉壁部を該成形面に当
接させて該成形キャビティを閉塞せしめるようにしても
良い。そこにおいて、前者の製造方法においては、薄肉
壁部で成形キャビティの壁部の一部を構成せしめること
により、該薄肉壁部の変形に基づいて、コンタクトレン
ズ成形材料の重合収縮に起因するヒケやボイド等の不良
発生が一層有利に軽減乃至は回避され得ることとなる。
また、後者の製造方法においては、コンタクトレンズの
成形材料の重合収縮に伴う体積減少が、外部から成形キ
ャビティに成形材料が補充的に導かれることによって、
軽減乃至は解消されて、ヒケやボイド等の不良発生が軽
減乃至は回避され得ることとなる。
【0031】なお、本発明に従うコンタクトレンズの製
造方法において、薄肉壁部を成形面に当接させることに
よって成形キャビティの外周端縁部を閉塞せしめる場合
には、薄肉壁部に対して1N以上の押圧力を及ぼすこと
が望ましく、それによって、コンタクトレンズの外周縁
部におけるバリ発生をより有効に防止することが可能と
なる。また、コンタクトレンズの成形に際して雌雄両型
の型合せ方向に及ぼす型合せ力、即ち型締力としては、
上記の薄肉壁部に及ぼす押圧力に抗して、雌雄両型を型
合わせ状態に安定して保持せしめ得るだけの大きさを設
定する必要があり、好適には1N以上の型合せ力が設定
される。
【0032】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0033】先ず、図1には、本発明の第一の実施形態
としてのコンタクトレンズ用成形型10が、示されてい
る。かかる成形型10は、雌型12と雄型14によって
構成されており、互いに型合わせされることによって、
図2に示されているように、それら雌雄両型12,14
の型合わせ面間にコンタクトレンズの成形キャビティ1
6が形成されるようになっている。
【0034】より詳細には、雄型14は、ポリプロピレ
ン等の適当な合成樹脂材で形成されており、全体として
厚肉の略円板形状を有している。また、雄型14の中央
部分18は、軸方向一方(図1中の下方)に向かって突
出する球殻形状とされており、かかる中央部分18の凸
側表面によって、目的とするコンタクトレンズのベース
カーブに対応した凸状成形面20が形成されている。ま
た、中央部分18の外周縁部には、円環板形状の当接部
22が、中心軸24に直交する方向に広がって一体形成
されている。なお、雄型14においては、凸状成形面2
0を含む全体が、型合わせに際して及ぼされる外力に対
して十分な剛性を発揮し得るように、材質を考慮して部
材厚さが設定されている。
【0035】一方、雌型12は、雄型14と同様な合成
樹脂材で形成されており、全体として雄型14と同様な
厚肉の略円板形状を有している。特に、雌型12の中央
部分26は、雄型14と同様に、軸方向一方(図1中の
下方)に向かって突出する球殻形状とされており、この
中央部分26の凹側表面によって、目的とするコンタク
トレンズのフロントカーブに対応した凹状成形面28が
形成されている。また、中央部分の外周縁部には、雄型
14と同様に、円環板形状の当接部30が、中心軸32
に直交する方向に広がって一体形成されている。なお、
当接部30の一方の面、即ち中央部分26の凹側の面に
は、軸方向に突出するスペーサ部34が、周方向に連続
して円環形状で、或いは周方向に分断された複数の突起
形状で、一体形成されている。
【0036】さらに、雌型12は、中央部分26の外周
縁部と当接部30の内周縁部の連接部分が、薄肉化され
て薄肉壁部36とされている。即ち、中央部分26と当
接部30の連接部分には、中央部分26の凸側に開口す
る凹部38が、周方向に連続して環状に延びるように形
成されており、中央部分26と当接部30の連結部分
が、凹状成形面28側の表面部分だけを残された状態
で、薄肉のシート形状とされているのであり、それによ
って、中央部分26と当接部30の間に跨がる径方向の
所定幅の領域で、周方向に連続して環状に延びる形状を
もって薄肉壁部36が形成されている。
【0037】すなわち、本実施形態では、雌型12にお
ける凹状成形面28の外周縁部分が、薄肉壁部36の内
周縁部によって形成されている。また、かかる薄肉壁部
36は、径方向の中間部分に位置せしめられた中央部分
26と当接部30の境界部位において、中央部分26の
凹側に突出して屈曲せしめられており、それによって、
凹状成形面28の外周端縁部を周方向に連続して環状に
延びる屈曲部40が、薄肉壁部36の径方向中央部分に
形成されている。特に、本実施形態では、図3に拡大図
が示されているように、かかる屈曲部40が、雌型12
における凹状成形面28の延長線よりも、凹状成形面2
8の曲率中心側に突出して位置せしめられるように、薄
肉壁部36のうち、凹状成形面28の外周縁部分を形成
する成形壁部(屈曲部40よりも内周側部分)36a
が、雌型12における凹状成形面28よりも曲率半径が
小さな湾曲断面形状とされている。なお、薄肉壁部36
のうち、屈曲部40よりも外周側部分36bは、中心軸
32に略直角な方向に広がる薄肉平板形状とされてい
る。
【0038】なお、雌型12においては、薄肉壁部36
を除く中央部分26と当接部30に対して、何れも、型
合わせに際して及ぼされる外力に対して十分な剛性を発
揮し得るように、材質を考慮して部材厚さが設定されて
いる。また一方、薄肉壁部36においては、外力の作用
に基づいて、数ミクロン〜数百ミクロンの範囲で、比較
的容易に変形が許容され得るように、特に屈曲部42に
おける略凹状成形面20の曲率中心に向かう方向の変位
が比較的容易に生ぜしめられるように、材質を考慮して
部材厚さが設定されている。
【0039】また、雌型12の中央部分26において薄
肉壁部36よりも内周側に位置せしめられた中央厚肉部
42は、目的とするコンタクトレンズにおいて装用者の
瞳孔に導かれる光線が透過せしめられる光学領域の外形
寸法以上の外形寸法をもって形成されている。具体的に
は、光学領域の大きさは、装用者やレンズの種類等によ
っても異なるが、一般にφ5〜9mmの直径とされる。
【0040】なお、上述の如き雄型14および雌型12
は、従来から公知の樹脂成形法によって製造することが
可能であり、例えば目的とする雄型14や雌型12の外
形形状を与える成形キャビティを形成する成形金型を用
いて、射出成形等によって有利に製造され得る。
【0041】そして、上述の如き雌型12と雄型14か
らなる成形型10を用いて、目的とするコンタクトレン
ズをモールド成形(重合)するに際しては、先ず、図2
に示されているように、雌型12における中央部分26
の凸側底面44に対応した球状凹面形状の受け面46
と、該受け面46の外周側で軸直角方向に広がる平坦な
支持面48を備えた、金属等の剛性材からなる雌型支持
部材50を採用し、この雌型支持部材50によって雌型
12を載置状態で支持せしめる。即ち、雌型支持部材5
0による支持状態下で、雌型12は、薄肉壁部36を除
く中央部分26と当接部30が、受け面46と支持面4
8によって略密接状態で全面に亘って支持せしめられ
て、それら各部位の変形が防止されることとなる。一
方、薄肉壁部36においては、雌型支持部材50による
雌型12の支持状態下でも、凹部38によって雌型支持
部材50との間に空所52が形成されており、拘束力が
及ぼされないようになっている。
【0042】次に、雌型支持部材50によって支持せし
めた雌型12に対して、その上方に向かって開口せしめ
られた凹状成形面28によって形成された受け皿状の領
域に、目的とするコンタクトレンズを得るための適当な
重合性材料を供給する。なお、かかる重合性材料として
は、従来から、ソフトコンタクトレンズやハードコンタ
クトレンズの原料として使用されている公知の各種の液
状のモノマー組成物が適宜に採用され得る。そして、そ
のようなモノマー組成物は、一般に、従来から用いられ
ているラジカル重合可能な化合物の1種若しくは2種以
上が配合されてなるものであるが、また、マクロマーや
プレポリマーから構成されるものであっても、何等差し
支えない。また、そのような化合物には、必要に応じ
て、適当な架橋剤や、重合開始剤、例えば熱重合開始
剤、光重合開始剤等や増感剤等の添加剤が配合されて、
液状のモノマー組成物とされる。
【0043】その後、雌型12に対して、雄型14を、
それらの中心軸32,24を一致させた状態下で、鉛直
上方から重ね合わせる。この雌雄両型12,14の重ね
合わせは、雌型12の凹状成形面28に対して雄型14
の凸状成形面20を重ね合わせるようにして行う。
【0044】これら雌雄両型12,14の重ね合わせに
際しては、雌型12のスペーサ部34の突出先端面に対
して、雄型14の当接部22を軸方向に重ね合わせるこ
とによって、雌雄両型12,14の軸方向の相対位置決
めを行う。なお、雌雄両型12,14の軸直角方向での
位置決め手段は、図示されていないが、中心軸24,3
2の方向で係合する適当なテーパ状案内面等によって、
必要に応じて構成され得る。
【0045】また、雄型14に対して、その当接部22
に軸方向上方から重ね合わせられる雄型加圧部材54を
採用し、この雄型加圧部材54を、雄型14の当接部2
2に密接状態で当接させて軸方向外力を及ぼすことによ
って、雄型14と雌型12を、上述の如く、雌型12の
スペーサ部34と雄型14の当接部22の当接によって
規定される軸方向の相対位置決め状態に導いて保持せし
める。なお、雄型加圧部材54には、雄型14における
中央部分18の凹面側に入り込んで、中央部分18の凹
状球面形状を有する外面に密接せしめられる球状押圧部
を設けても良く、それによって、型合わせに際しての雄
型14の凸状成形面20の変形がより有効に防止され得
る。また、雌型支持部材50と雄型加圧部材54による
雌雄両型12,14に対する型合せ力は、例えば、油圧
や空気圧を利用したシリンダ機構や、電動モータ等を利
用した型合せ駆動手段によって得るようにされる。
【0046】このようにして雌雄両型12,14を軸方
向に重ね合わせ、雌型支持部材50と雄型加圧部材54
により軸方向に所定の型合せ力(型締力)を周両型1
2,14に及ぼして、それら雌雄両型12,14を相対
的に位置決めすることにより、図2に示されているよう
に、雌雄両型12,14の各中央部分26,18を所定
の隙間を隔てて対向位置せしめることにより、それらの
中央部分26,18の型合わせ面間において、目的とす
るコンタクトレンズ形状に対応した形状の成形キャビテ
ィ16を形成する。即ち、この成形キャビティ16にお
いては、雌型12の凹状成形面28によってコンタクト
レンズのフロント側(前面側)の成形面が構成されると
共に、雄型14の凸状成形面20によってコンタクトレ
ンズのバック側(後面側)の成形面が構成されることと
なる。また、成形キャビティ16の外周端縁部では、図
3に拡大して図示されているように、雌型12の薄肉壁
部36における屈曲部40が、雄型14の凸状成形面2
0に対して接近して対向位置せしめられており、それら
屈曲部40と凸状成形面20の対向面間が、全周に亘っ
て狭窄部60とされている。
【0047】そして、かかる雌雄両型12,14の型合
わせにより、雌型12の凹状成形面28に供給せしめた
重合性材料62を、雌雄両型12,14の間で外周方向
に押し広げるようにして成形キャビティ16の全体に広
げて充填せしめる。なお、余剰の重合性材料は、雌雄両
型12,14の凹状成形面28と凸状成形面20の対向
面間を外周側に外れて、雌雄両型12,14の当接部3
0,22間の隙間領域58に導かれるようになってい
る。即ち、本実施形態では、かかる当接部30,22間
の隙間領域58によって、重合性材料の余剰部分を収容
する材料溜め部が構成されている。
【0048】その後、雌雄両型12,14を型合せ状態
に保持せしめたままで、必要に応じて雌型支持部材50
や雄型加圧部材54から雌雄両型12,14を取り出
し、成形キャビティ16に充填された重合性材料62に
対して、重合処理を実施する。かかる液状のモノマー組
成物からなる重合性材料62の重合は、例えば、通常の
熱重合法に従って或いは通常の光重合法等に従って行な
われることとなるが、後者の光重合法を採用した場合に
あっては、UV光等の光を重合性材料62に照射せしめ
る必要があるところから、雌雄両型12,14の少なく
とも何れか一方は、光を透過し得る材質、特に望ましく
は透明性の高い材質にて形成され、そのような型を通じ
て導かれた光によって、かかる重合性材料62の重合を
行なうようにされる。
【0049】このような成形キャビティ16において重
合性材料62を重合せしめることにより、雌雄両型1
2,14の成形面28,20の形状に対応した目的とす
る形状のコンタクトレンズが成形されることとなり、続
いて、雌雄両型12,14を型開きさせた後、それら雌
雄何れかの型12,14に付着したコンタクトレンズを
離型させて取り出すことによって、目的とするコンタク
トレンズの製造が完了する。
【0050】そこにおいて、上述の如き構造とされた雌
型12においては、図3に示されているように、成形キ
ャビティ16においてコンタクトレンズのエッジ部或い
は周辺部とエッジ部の成形面を形成する壁部が、比較的
容易に変形が許容される薄肉壁部36によって構成され
ていることから、重合性材料62の重合収縮に伴って成
形キャビティ16内の重合性材料62の容積が減少せし
められた際に、かかる薄肉壁部36に対して、成形キャ
ビティ16の内方への引張力が及ぼされることとなる。
【0051】その結果、図4に示されているように、薄
肉壁部36が、雄型14の凸状成形面20に向かって変
形せしめられて、薄肉壁部36の屈曲部40が凸状成形
面20に対して押し付けられるようにして当接せしめら
れるのであり、これによって、凸型成形面20と屈曲部
40の対向面間における狭窄部60が遮断されて、成形
キャビティ16の外周端縁部が閉塞されることとなる。
【0052】従って、上述の如くして成形されたコンタ
クトレンズにおいては、その外周端縁部におけるバリ等
の発生が有利に防止されることとなり、バリ取り等の後
加工を必要とすることなく、目的とするコンタクトレン
ズを製造することが出来るのである。
【0053】しかも、成形キャビティ16の外周縁部を
遮断する薄肉壁部36が、雌型12自体の一部を薄肉化
して形成されていることから、例えば特公昭59−29
411号公報に記載のリブ突起等を成形面に突出形成す
る必要もないのであり、そのようなリブ突起等に比し
て、薄肉壁部36は、容易に且つ安定した形状をもって
形成することが出来ることから、目的とするコンタクト
レンズを安定して製造することが可能となるのである。
【0054】また、本実施形態においては、重合性材料
62の重合初期の段階で、薄肉壁部36の屈曲部40と
凸状成形面20の対向面間に形成された狭窄部60を通
じて、成形キャビティ16が、余剰の重合性材料62を
収容する隙間領域58に接続されていることから、初期
段階における重合収縮に伴う成形キャビティ16の負圧
が、隙間領域58を通じて成形キャビティに導き入れら
れる重合性材料62によって緩和されることから、コン
タクトレンズにおけるヒケやボイド等の発生が有利に防
止され得る。
【0055】加えて、本実施形態においては、成形キャ
ビティ16の成形面を形成する壁部の外周縁部分が、薄
肉壁部36aで構成されていることから、隙間領域58
が閉塞されて成形キャビティ16が密閉された後でも、
かかる薄肉壁部36aの変形に基づいて、中乃至後期の
段階における重合収縮に伴う成形キャビティ16の負圧
が軽減され得るのであり、それによって、コンタクトレ
ンズにおけるヒケやボイド等の発生が一層有利に防止さ
れ得るのである。
【0056】次に、図5〜11には、本発明の第二〜八
の実施形態としてのコンタクトレンズ用成形型66,6
8,70,72,74,76,78が、示されている。
なお、これらの実施形態は、何れも、成形キャビティ1
6の外周端縁部における薄肉壁部を利用した閉塞構造の
別の構造例を、モデル的な概略図をもって示すものであ
ることから、第一の実施形態としてのコンタクトレンズ
用成形型10と同様な構造とされた部材および部位にあ
っては、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符
合を付することにより、それらの詳細な説明を省略す
る。
【0057】すなわち、図5に示された本発明の第二の
実施形態としてのコンタクトレンズ用成形型66は、雌
型12において、第一の実施形態と同様な構造の薄肉壁
部36を備えていると共に、かかる薄肉壁部36を外面
側から雄型14側に向かって押圧せしめる押圧部材80
を備えている。この押圧部材80は、雌型12の空所5
2に対して全周に亘って入り込むように、周方向に連続
して延びる円環形状を有していると共に、その軸方向先
端部分には、目的とするコンタクトレンズのフロント側
の外周縁部の表面形状に対応した形状の湾曲傾斜面82
が形成されている。
【0058】そして、図面上に明示はされていないが、
かかる押圧部材80は、雌型支持部材50に組み込まれ
て、雌型12に対して中心軸32方向に変位可能に配設
されており、図示しない駆動手段によって、軸方向上方
に向かって突出駆動されるようになっている。
【0059】このような構造とされた本実施形態のコン
タクトレンズ用成形型66によって目的とするコンタク
トレンズを製造するには、押圧部材80を薄肉壁部36
から離隔させて退避位置せしめた状態下で、前記第一の
実施形態と同様にして、所定の型合せ力で雌雄両型1
2,14を型合せして、それら雌雄両型12,14間に
形成された成形キャビティ16に充填せしめた重合性材
料62を重合処理することによって目的とするコンタク
トレンズを成形するようにされるが、そこにおいて、重
合処理の開始前の工程で、或いは重合処理の開始後で所
定時間を経た後に、押圧部材80を軸方向上方に向かっ
て突出駆動せしめる。
【0060】而して、押圧部材80の湾曲傾斜面82
を、薄肉壁部36の屈曲部40と、屈曲部40よりも内
周側に位置して成形キャビティ16の壁部を構成する内
周側部分36aに対して当接させて、それら屈曲部40
と内周側部分36aを軸方向上方に向かって押圧せしめ
る。そして、押圧部材80で薄肉壁部36を押圧状態に
維持せしめた状態下で、成形キャビティ16内で重合性
材料62を重合処理し、その後、第一の実施形態と同様
にして、型開きと離型を経て、目的とするコンタクトレ
ンズを製造する。
【0061】従って、このような本実施形態のコンタク
トレンズ用成形型66を用いてコンタクトレンズを製造
することにより、成形キャビティ16の外周端縁部にお
いて、薄肉壁部36を押圧部材80で強制的に変形させ
て雄型14の凸状成形面20に当接させることが出来る
ことから、成形キャビティ16の外周端縁部をより各軸
に閉塞することが可能となり、以て、コンタクトレンズ
におけるバリ等の発生がより効果的に防止され得るので
ある。
【0062】しかも、本態様においては、押圧部材80
の湾曲傾斜面82によって、成形キャビティ16の壁部
を構成する薄肉壁部36の内周側部分36aの形状が規
定され得ることから、目的とするコンタクトレンズの外
周端縁部の形状精度の向上も図られ得るのである。
【0063】また、図6に示された本発明の第三の実施
形態としてのコンタクトレンズ用成形型68は、雌型1
2における凹状成形面28の略全体が厚肉の中央厚肉部
42で形成されており、この中央厚肉部42における凹
状成形面28の外周端縁部分から軸直角方向外方に広が
る薄肉の円環板形状をもって、薄肉壁部84が一体形成
されている。なお、薄肉壁部84の外周端縁部は、第一
の実施形態と同様に当接部30に対して一体的に接続さ
れている。
【0064】さらに、本実施形態のコンタクトレンズ用
成形型68は、薄肉壁部84を外面側から雄型14側に
向かって押圧せしめる押圧部材86を備えている。この
押圧部材86は、全体として円環形状を有していると共
に、周上の複数箇所で分割されており、雌型12の空所
52に対して全周に亘って入り込んで、図示しない押圧
手段で駆動されることにより、薄肉壁部84の内周縁部
近くを径方向斜め内方に向かって押圧せしめるようにな
っている。なお、押圧部材86の先端部分は、薄肉壁部
84の内周縁部に対して有効な押圧力を及ぼし得るよう
に、先細の楔型断面形状とされている。
【0065】従って、このような構造とされた本実施形
態のコンタクトレンズ用成形型68においても、前記第
二の実施形態と同様にして、成形キャビティ16に充填
せしめた重合性材料62を重合処理することによって目
的とするコンタクトレンズを成形する際に、押圧部材8
0を突出駆動せしめて、薄肉壁部36の内周縁部を雄型
14の凸状成形面20に押圧することにより、成形キャ
ビティ16の外周端縁部を強制的に閉塞することが出来
るのであり、それ故、コンタクトレンズにおけるバリ等
の発生が有効に防止され得るのである。
【0066】しかも、本態様においては、成形キャビテ
ィ16の成形面が、後面側だけでなく、表面側も、実質
的に全体が剛性の中央厚肉部42で形成されることか
ら、目的とするコンタクトレンズを、光学部分だけでな
く周辺部分とエッジ部まで、より高い寸法精度で製造す
ることが可能となるのである。
【0067】さらに、図7に示された本発明の第四の実
施形態としてのコンタクトレンズ用成形型70には、雄
型14において、中央部分18における凸状成形面20
の外周縁部に位置して、軸方向下方に向かって突出し
て、周方向の全周に連続して延びる環状の段付部88が
一体形成されており、この段付部88の下方の突出先端
面によって、径方向一定幅をもって周方向に延びる円環
状の段差面90が形成されている。
【0068】また、雌型12には、第一の実施形態と同
様な構造の薄肉壁部36が形成されていると共に、かか
る薄肉壁部36を外面側から雄型14側に向かって軸方
向上方に押圧せしめる押圧部材92が設けられている。
この押圧部材92は、雌型12の空所52に対して全周
に亘って入り込むように、周方向に連続して延びる円筒
形状を有しており、図示しない駆動手段によって軸方向
上方に突出駆動されることによって、薄肉壁部36にお
ける屈曲部40から外周側部分36bの所定幅領域に対
して当接されるようになっている。
【0069】従って、このような構造とされた本実施形
態のコンタクトレンズ用成形型70においても、前記第
二の実施形態と同様に、成形キャビティ16に充填せし
めた重合性材料62を重合処理することによって目的と
するコンタクトレンズを成形する際に、押圧部材92を
軸方向に突出駆動せしめて、薄肉壁部36の屈曲部40
を雄型14の段差面90に押圧することにより、成形キ
ャビティ16の外周端縁部を強制的に閉塞することが出
来るのであり、それ故、コンタクトレンズにおけるバリ
等の発生が有効に防止され得るのである。
【0070】しかも、本態様においては、押圧部材92
の駆動方向が雌雄両型12,14の中心軸32,24の
方向とされていることから、型合せ力の一部を押圧部材
92の押圧力として利用することが容易であると共に、
押圧部材92によって薄肉壁部36が押圧される段差面
90が、押圧部材92の押圧方向に直角な平坦面とされ
ていることから、押圧部材92による薄肉壁部36の雄
型14への当接圧、延いては成形キャビティ16の閉塞
力を、より効率的に得ることが可能となるのである。
【0071】さらに、図8に示された本発明の第五の実
施形態としてのコンタクトレンズ用成形型72には、雄
型14において、中央部分18の外周縁部から軸方向上
方に向かって軸方向に突出する厚肉円筒形状の筒壁部9
4が一体形成されている。また、雌型12にはおいて
は、凹状成形面28の略全体が厚肉の中央厚肉部42で
形成されており、この中央厚肉部42における凹状成形
面28の外周端縁部分から軸方向外方(凹状成形面28
の曲率中心側)に向かって立ち上がる円筒形状をもっ
て、薄肉壁部96が一体形成されている。なお、薄肉壁
部96の軸方向上端部は、当接部30の内周縁部に対し
て一体的に接続されている。
【0072】また、本実施形態のコンタクトレンズ用成
形型72は、薄肉壁部96を外周面側から雄型14の筒
壁部94に向かって径方向内方に押圧せしめる押圧部材
98を備えている。この押圧部材98は、全体として円
環板形状を有していると共に、周上の複数箇所で分割さ
れており、図示しない押圧手段で駆動されることによ
り、薄肉壁部96の軸方向下端部近くを、周方向の全周
に亘って径方向内方に向かって押圧せしめるようになっ
ている。
【0073】従って、このような構造とされた本実施形
態のコンタクトレンズ用成形型68においても、前記第
二の実施形態と同様に、成形キャビティ16に充填せし
めた重合性材料62を重合処理することによって目的と
するコンタクトレンズを成形する際に、押圧部材98を
径方向内方に突出駆動せしめて、薄肉壁部96の軸方向
下端部を雄型14における筒壁部94の軸方向下端部の
外周面に押圧することにより、成形キャビティ16の外
周端縁部を強制的に閉塞することが出来るのであり、そ
れ故、コンタクトレンズにおけるバリ等の発生が有効に
防止され得るのである。
【0074】しかも、本態様においては、成形キャビテ
ィ16の成形面が、後面側だけでなく、表面側も、実質
的に全体が剛性の中央厚肉部42で形成されることか
ら、目的とするコンタクトレンズを、光学部分だけでな
く周辺部分とエッジ部まで、より高い寸法精度で製造す
ることが可能となるのである。
【0075】なお、上述の第一〜五の実施形態に係るコ
ンタクトレンズ用成形型10,66,68,70,72
においては、何れも、雌型12に薄肉壁部36,84,
96が形成されていたが、かかる薄肉壁部を雄型14に
形成することも可能であり、その具体的な構成例が、図
9〜10において、本発明の第六〜七の実施形態として
示されている。
【0076】図9に示された本発明の第六の実施形態と
してのコンタクトレンズ用成形型74においては、雌型
12が、中央部分26と当接部30を含む全体が厚肉構
造とされて、全体として一体的な剛性部材として形成さ
れている。一方、雄型14は、中央部分18の外周部分
に対して、凹面側に開口する空所100が、周方向に連
続して全体として円環形状をもって形成されており、こ
の空所100の底壁部によって、成形キャビティ16の
外周端縁部を挟んで内周側と外周側に跨がって延びる薄
肉壁部102が、雄型14に一体形成されている。な
お、薄肉壁部102の径方向中間部分には、僅かに凸状
成形面20上に突出する山形断面の屈曲部104が、周
方向の全周に亘って円環状に一体形成されている。
【0077】そして、このような本実施形態のコンタク
トレンズ用成形型74は、前記第二の実施形態と同様
に、成形キャビティ16に充填せしめた重合性材料62
を重合処理することによって目的とするコンタクトレン
ズを成形する際に、雄型加圧部材(図示せず)に組み付
けられた円筒形状の押圧部材106を軸方向下方に突出
駆動せしめて、雄型14の空所100に入り込ませた押
圧部材106の軸方向下端面を薄肉壁部102に重ね合
わせ、該薄肉壁部102の屈曲部104よりも内周側部
分102aを雌型12に向かって押圧して凹状成形面2
8に当接せしめるようにする。それによって、成形キャ
ビティ16の外周端縁部を強制的に閉塞せしめて、コン
タクトレンズにおけるバリ等の発生を防止することが出
来るのである。
【0078】なお、押圧部材106の突出先端面(下端
面)は、目的とするコンタクトレンズの後面側の外周端
縁部の形状に対応した湾曲面とされており、薄肉壁部1
02の屈曲部104より内周側部分に重ね合わせられる
ことにより、コンタクトレンズの後面側の外周端縁部の
成形面の形状を任意に設定し得るようになっている。
【0079】また、図10に示された本発明の第七の実
施形態としてのコンタクトレンズ用成形型76は、第六
の実施形態のコンタクトレンズ用成形型74と同様に、
雌型12が全体に亘って剛性をもった一体構造とされて
いる一方、雄型14における凸状成形面20の略全体が
厚肉の中央厚肉部108で形成されており、この中央厚
肉部108における凸状成形面20の外周端縁部分から
軸方向外方に突出する薄肉の円筒形状をもって、薄肉壁
部110が一体形成されている。なお、薄肉壁部110
の軸方向先端部は、第六の実施形態と同様に当接部22
の内周縁部に対して一体的に接続されている。
【0080】さらに、本実施形態のコンタクトレンズ用
成形型76は、薄肉壁部110を内周面側から雌型12
側に向かって押圧せしめる押圧部材112を備えてい
る。この押圧部材112は、第三の実施形態における押
圧部材86と同様に、先細の楔形断面を有する全体とし
て円環形状とされていると共に、周上の複数箇所で分割
されており、図示しない押圧手段で駆動されることによ
り、薄肉壁部110の軸方向下端部近くを軸方向斜め下
方に向かって径方向外方に押圧せしめるようになってい
る。
【0081】従って、このような構造とされた本実施形
態のコンタクトレンズ用成形型76においても、前記第
三の実施形態と同様にして、成形キャビティ16に充填
せしめた重合性材料62を重合処理することによって目
的とするコンタクトレンズを成形する際に、押圧部材1
12を突出駆動せしめて、薄肉壁部110の軸方向下端
部を雌型12の凹状成形面28に押圧することにより、
成形キャビティ16の外周端縁部を強制的に閉塞するこ
とが出来るのであり、それ故、コンタクトレンズにおけ
るバリ等の発生が有効に防止され得るのである。なお、
薄肉壁部110が押圧される雌形12における凹状成形
面28の外周縁部には、僅かな高さで軸方向に延びる円
筒形状の縦壁部114が一体形成されており、押圧部材
112による薄肉壁部110の雌形12に対する当接力
が効率的に及ぼされるようになっている。
【0082】さらに、図11に示された本発明の第八の
実施形態としてのコンタクトレンズ用成形型78は、第
三の実施形態のコンタクトレンズ用成形型68と同様な
雌雄両型12,14を備えているが、雌型12の外周縁
部には、厚肉の当接部30(図6参照)が形成されてい
ない。その代わり、雌型12の中央厚肉部42の外周縁
部には、雄型14の凸状成形面20に向かって略レンズ
厚さに相当する微小高さで突出する位置決め用の環状突
部116が一体形成されており、この環状突部116に
よって、雌雄両型12,14が、重ね合わせ方向で相対
的に位置決めされるようになっている。
【0083】そして、本実施形態のコンタクトレンズ用
成形型78も、第三の実施形態と同様にして、成形キャ
ビティ16に充填せしめた重合性材料62を重合処理す
ることによって目的とするコンタクトレンズを成形する
際に、押圧部材86で薄肉壁部84の内周縁部を雌型1
2の凹状成形面28に押圧することにより、成形キャビ
ティ16の外周端縁部を強制的に閉塞することが出来る
のであり、それ故、コンタクトレンズにおけるバリ等の
発生が有効に防止され得るのである。
【0084】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、
かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、
限定的に解釈されるものでない。
【0085】例えば、前記第三,五,七,八の各実施形
態において採用されていた押圧部材86,98,11
2,86のように、径方向乃至は斜め径方向に押圧作動
せしめられる押圧部材としては、前述如く周方向に分断
された構造の他、合成樹脂等の所定の弾性変形可能な材
質を採用することにより、周方向に連続した環状構造乃
至は筒状構造をもって形成することも可能である。
【0086】また、薄肉壁部の肉厚寸法を部分的に異な
らせることにより、該薄肉壁部の変形形状を特定した
り、変形部位を特定すること等も可能である。
【0087】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0088】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされたコンタクトレンズ用成形型において
は、雄型または雌型に設けた薄肉壁部を成形キャビティ
の外周端縁部に位置せしめたことによって、大きな型合
せ力を雌雄両型の成形面に及ぼすことなく、コンタクト
レンズの成形に際して成形キャビティの外周縁部を有利
に閉塞せしめてバリ等の発生を効果的に抑えることが出
来るのである。
【0089】また、本発明のコンタクトレンズ製造方法
に従えば、重合性材料の重合収縮に起因する成形キャビ
ティの負圧が、雌型または雄型に設けた薄肉壁部の変形
に基づいて軽減され得ることから、ヒケやボイド等の不
良発生が防止された良好な品質のコンタクトレンズを安
定して製造することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのコンタクトレ
ンズ用成形型を構成する雌型および雄型を示す縦断面図
である。
【図2】図1に示されたコンタクトレンズ用成形型の型
合せ状態を示す縦断面図である。
【図3】図2に示されたコンタクトレンズ用成形型を用
いたコンタクトレンズの一製造工程を説明するための要
部拡大説明図である。
【図4】図3に示されたコンタクトレンズの製造工程と
は別の製造工程を説明するための要部拡大説明図であ
る。
【図5】本発明の第二の実施形態としてのコンタクトレ
ンズ用成形型の型合せ状態を示す半径方向縦断面図であ
る。
【図6】本発明の第三の実施形態としてのコンタクトレ
ンズ用成形型の型合せ状態を示す半径方向縦断面図であ
る。
【図7】本発明の第四の実施形態としてのコンタクトレ
ンズ用成形型の型合せ状態を示す半径方向縦断面図であ
る。
【図8】本発明の第五の実施形態としてのコンタクトレ
ンズ用成形型の型合せ状態を示す半径方向縦断面図であ
る。
【図9】本発明の第六の実施形態としてのコンタクトレ
ンズ用成形型の型合せ状態を示す半径方向縦断面図であ
る。
【図10】本発明の第七の実施形態としてのコンタクト
レンズ用成形型の型合せ状態を示す半径方向縦断面図で
ある。
【図11】本発明の第八の実施形態としてのコンタクト
レンズ用成形型の型合せ状態を示す半径方向縦断面図で
ある。
【符合の説明】
10 コンタクトレンズ用成形型 12 雌型 14 雄型 16 成形キャビティ 18 中央部分 20 凸状成形面 26 中央部分 28 凹状成形面 36 薄肉壁部 40 屈曲部 42 中央厚肉部
フロントページの続き Fターム(参考) 2H006 BC07 4F202 AA36 AC05 AC06 AH74 AM33 AR02 CA01 CB01 CK83 CR06 4F204 AA36L AC05 AC06 AH74 AM33 AR02 EA03 EB01 EK01 EK10 EK21 EK24

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹状成形面を備えた雌型と、凸状成形面
    を備えた雄型を含んで構成されて、それら雌雄両型の型
    合わせ面間にコンタクトレンズの成形キャビティを形成
    するコンタクトレンズ用成形型であって、 前記雌型および前記雄型の何れか一方における前記凹状
    成形面または前記凸状成形面の外周部分を薄肉として外
    周側に延び出させて、該凹状成形面または該凸状成形面
    の外周部分の周方向全周に亘って広がる変形可能な薄肉
    壁部を設けて、前記成形キャビティの外周縁部におい
    て、該薄肉壁部が前記雌型および前記雄型の他方の成形
    面に近接乃至は当接して位置せしめられるようにしたこ
    とを特徴とするコンタクトレンズ用成形型。
  2. 【請求項2】 前記薄肉壁部が、前記成形キャビティに
    おける前記コンタクトレンズのエッジ形成部位を挟んで
    内周側と外周側に跨がって配されるようにした請求項1
    に記載のコンタクトレンズ用成形型。
  3. 【請求項3】 前記薄肉壁部における延び出し方向の中
    間部分を、前記他方の成形面側に凸となる屈曲部とし
    て、前記成形キャビティの外周縁部において、該屈曲部
    が該他方の成形面に対して接近乃至は当接して位置せし
    められるようにした請求項2に記載のコンタクトレンズ
    用成形型。
  4. 【請求項4】 前記薄肉壁部の外周側に位置して、周方
    向全周に亘って延びて該薄肉壁部の外周縁部を支持せし
    める環状の厚肉支持部を設けた請求項1乃至3の何れか
    に記載のコンタクトレンズ用成形型。
  5. 【請求項5】 前記雌型および前記雄型の何れか一方に
    設けられた前記厚肉支持部において、それら雌型および
    雄型の他方の型に対して型合わせ方向に当接せしめられ
    て雌雄両型を相対的に位置決めする型合せ当接部を設け
    た請求項4に記載のコンタクトレンズ用成形型。
  6. 【請求項6】 前記薄肉壁部が近接乃至は当接せしめら
    れる前記他方の成形面を、前記雌型の凹状成形面または
    前記雄型の凸状成形面によって構成した請求項1乃至5
    の何れかに記載のコンタクトレンズ用成形型。
  7. 【請求項7】 前記薄肉壁部が近接乃至は当接せしめら
    れる前記他方の成形面を、前記雌型の凹状成形面または
    前記雄型の凸状成形面の外周側に形成された筒状型嵌合
    面によって構成した請求項1乃至5の何れかに記載のコ
    ンタクトレンズ用成形型。
  8. 【請求項8】 前記薄肉壁部に外力を及ぼして、該薄肉
    壁部を前記他方の成形面に対して近接乃至は当接せしめ
    る押圧部材を設けた請求項1乃至7の何れかに記載のコ
    ンタクトレンズ用成形型。
  9. 【請求項9】 前記押圧部材を、前記薄肉壁部に外力を
    及ぼす作動方向に案内する案内面を、前記雌型または前
    記雄型に設けた請求項8に記載のコンタクトレンズ用成
    形型。
  10. 【請求項10】 前記薄肉壁部の肉厚寸法を0.01〜
    0.3mmとした請求項1乃至9の何れかに記載のコンタ
    クトレンズ用成形型。
  11. 【請求項11】 前記雌型と前記雄型を、硬度が互いに
    異なる材質で形成した請求項1乃至10の何れかに記載
    のコンタクトレンズ用成形型。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11の何れかに記載のコ
    ンタクトレンズ用成形型を用いたコンタクトレンズの製
    造方法であって、 前記雌型と前記雄型を型合わせすることによって形成さ
    れた成形キャビティに充填せしめた所定の重合性材料を
    重合するに際して、前記薄肉壁部の変形によって該重合
    性材料の体積収縮に対して該成形キャビティの成形面を
    追従させることを特徴とするコンタクトレンズの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記成形キャビティに前記重合性材料
    を充填せしめると共に、該成形キャビティの外周縁部に
    おいて前記薄肉壁部を前記雌型または前記雄型の成形面
    に当接させて該成形キャビティを閉塞せしめた状態下
    で、前記重合性材料を重合せしめる請求項12に記載の
    コンタクトレンズの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記成形キャビティに前記重合性材料
    を充填せしめると共に、該成形キャビティの外周縁部に
    おいて前記薄肉壁部を前記雌型または前記雄型の成形面
    に近接させて該成形キャビティを僅かに開口せしめた状
    態下で、前記重合性材料の重合を開始すると共に、該重
    合性材料の重合工程中で、該薄肉壁部を該成形面に当接
    させて該成形キャビティを閉塞せしめる請求項12に記
    載のコンタクトレンズの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記薄肉壁部を前記成形面に当接させ
    るに際して、該薄肉壁部に対して1N以上の押圧力を及
    ぼす請求項13又は14に記載のコンタクトレンズの製
    造方法。
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