JP2006002907A - 導電性高精度すべり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた摺動性とともに、軸受を介して導電性が求められる場合に用いられる導電性高精度すべり軸受を提供する。
【解決手段】 高精度すべり軸受1は、軸受の外周部2が焼結金属で形成され、この軸受外周部2の摺動部に導電性樹脂層3がインサート成形され、該樹脂層における(樹脂材料の線膨張係数(単位:1/℃)×樹脂層の肉厚(単位:μm))が0.15以下であり、軸受外周部の摺動部は、(1)ラジアル方向の荷重を支持するための内径側ラジアル摺動部、(2)スラスト方向の荷重を支持するための端面摺動部、または、(3)内径側ラジアル摺動部および端面摺動部である。
【選択図】 図1

Description

本発明は導電性高精度すべり軸受に関する。特に、摺動性とともに、軸受を介して導電性が求められる導電性高精度すべり軸受に関する。導電性高精度すべり軸受は複写機やプリンター等のような電子写真装置の感光ドラム、定着ローラ、トナーカートリッジマグネットローラ支持用として用いられる。
電子写真装置を用いた複写機や印刷機(プリンター)などには、感光ドラム、各種ローラなどの回転部品を回転自在に支持するため軸受が多用されている。感光ドラムは表面に静電荷潜像を形成し、これにトナーを帯電付着させて転写するものであり、軸受が帯電すると感光ドラムを帯電させる電荷や、付着しているトナーに悪影響を及ぼして画像を乱す原因となるのでアース機構が必要となる。通常のアース機構としては、ローラ端面から静電気を逃がす構造が一般的であるが、このようにすると部品点数が増加するので好ましくない。また、定着部やトナーカートリッジ等に用いられている軸受にも同様の課題があり、アース機構が必要とされている。
この分野では、求められる回転精度から転がり軸受が多用されており、導電性グリースを封入した導電性転がり軸受が採用されてきた(特許文献1)。しかし、転がり軸受は部品点数が多く、また導電性グリースなど特殊なグリースを使用するため高価であり、経済的な理由からより安価なすべり軸受の適用が試みられてきた。
従来、回転精度の高いすべり軸受として、多孔質の焼結金属に油を含浸させたすべり軸受が知られている。このすべり軸受は、焼結金属に油を含浸させて使用するので、油を継続的に摺動界面に供給することが可能であるため、摩擦力を低くすることができる。また、金属製であるため十分な導電性も有している。このすべり軸受の相手材は、一般に金属材料の場合が多く、線膨張の相違によるダキツキ、抜け等の心配がない。また、この金属材料は加工精度を高めることが可能であり、回転精度が要求される個所への使用に適している。
しかしながら、含油焼結金属製すべり軸受の場合、相手材がアルミ材等の軟質材の場合は、相手材を摩耗させるおそれがある。また、潤滑油の供給が途切れた場合、一時的に金属接触が発生するため、異音が発生し、急速に摩耗が進行するおそれがある。更に荷重が極端に大きい場合やすべり速度が低く油膜ができない場合にも金属接触が生じやすいという問題がある。
上記以外の自己潤滑性を有するすべり軸受としては、樹脂にPTFEや黒鉛、二硫化モリブデン等の固体潤滑剤配合したり、潤滑油やワックスを配合した樹脂製すべり軸受が知られている。この場合、すべり軸受の材料が摺動特性のよい樹脂材料であるので軟質材相手でも相手材を攻撃しない。しかし、一般的に樹脂材料は金属材料と比較して線膨張係数、吸水率が大きく、使用温度領域が広い場合、低温時の使用では樹脂すべり材の収縮によりダキツキが発生したり、高温時の使用では、外径側ハウジングからの形状拘束を受けて、体積膨張が内径側へ逃げて、内径寸法が小さくなり軸へのダキツキが発生したりする。このため、樹脂製すべり軸受の場合、必然的に軸とすべり軸受の隙間を大きくとる必要があり、回転精度が悪化するという問題を有する。また、樹脂製すべり軸受が吸水すれば、体積膨張が発生するため、軸との隙間が変化して好ましくないという問題もある。
上記のような含油焼結金属製すべり軸受および樹脂製すべり軸受の問題に対処できる軸受として、高精度を有しつつ、潤滑性に優れた高精度すべり軸受が知られている(特許文献2)。この高精度すべり軸受は、軸受外周部として金属を用い、この軸受外周部の摺動部に樹脂材料をインサート成形して樹脂層を形成すると共に、この軸受外周部の表面のうち、少なくとも上記樹脂層と接触する軸受外周部の表面部分に細かい凹部を設け、上記樹脂層における(樹脂材料の線膨張係数)×(樹脂層の肉厚)を0.15以下とし、上記凹部が占める見かけ面積の合計を、上記樹脂層と接触する軸受外周部の表面部分の面積の25〜95%としている。
しかしながら、この高精度すべり軸受は導電性がなく、導電性が求められる用途には使用できないという問題がある。
特開昭47−21402号公報 特開2003−239976号公報
本発明の課題は、優れた摺動性とともに、軸受を介して導電性が求められる場合に用いられる導電性高精度すべり軸受を提供することである。
本発明は、焼結金属体の外周部に摺動部となる樹脂層を樹脂材料のインサート成形により形成し、該樹脂層における(樹脂材料の線膨張係数(単位:1/℃)×樹脂層の肉厚(単位:μm))を0.15以下とする導電性高精度すべり軸受であって、上記樹脂材料が導電性樹脂材料であることを特徴とする。
また、本発明の導電性高精度すべり軸受における摺動部は、(1)ラジアル方向の荷重を支持するための内径側ラジアル摺動部、(2)スラスト方向の荷重を支持するための端面摺動部、または、(3)内径側ラジアル摺動部および端面摺動部であることを特徴とする。
上記インサート成形される導電性樹脂材料は、1×1011Ω・cm以下の体積抵抗率を有することを特徴とし、また、潤滑剤が配合された導電性樹脂材料であることを特徴とする。
本発明の導電性高精度すべり軸受は、複写機またはプリンターに用いられる回転部品の回転軸を支持する軸受であることを特徴とする。
本発明の導電性高精度すべり軸受は、樹脂材料が導電性樹脂材料であるので、導電性を有し、特別のアース機構なしに軸受の帯電を防止することができる。また、樹脂層の温度変化による寸法変化が抑えられ、高精度を有しつつ、潤滑性に優れる。更に摺動部に所定の樹脂層を形成させるので、軟質相手材を攻撃したり、異音の発生を抑えたりすることが可能となる。また、軸受本体として焼結金属を用いるので、樹脂層を形成する際、この焼結金属内の細かい隙間に樹脂が入り込むので、アンカー効果によって、潤滑剤が配合された導電性樹脂材料であっても軸受外周部と樹脂層との密着性を向上させることができる。
本発明の導電性高精度すべり軸受の一例を図1に示す。図1(a)は斜視図を、図1(b)はA−A端面図をそれぞれ示す。
導電性高精度すべり軸受1は、焼結金属体の外周部2に摺動部となる導電性樹脂層3がインサート成形されている。この導電性樹脂層3は軸受摺動面に複数の溝4を有している。図1(a)において、この複数の溝4は円筒状軸受のラジアル摺動面に軸方向溝4A、4Bとして形成され、軸方向溝4Aの底部位置にインサート成形時のゲート痕5が形成され、軸方向溝4Bにはゲート痕5が形成されていない。
本発明の導電性高精度すべり軸受において、焼結金属体の外周部2とは、すべり軸受の外周部を構成する筒状の部材であり、摺動部を有する部材である。この摺動部とは、ラジアル方向の荷重を支持するための内径側摺動部をいい、また、スラスト方向にも荷重を支持する場合には、上記の内部摺動部だけでなく、端面摺動部も含む。更にすべり軸受の外周部は平板状の部材であってもよく、その場合平板状の平面に形成された樹脂層が摺動部となる。
上記軸受外周部を構成する焼結金属は、細かい凹部が内部で連通して連通孔を形成しているので、樹脂材料をインサート成形する際に、上記連通孔に樹脂が浸入し、上記の軸受外周部と樹脂層とがより強固に保持される。
この焼結金属の材質としては、Fe系、Cu系、Fe−Cu系等が挙げられ、成分としてC、Zn、Sn等を含んでもよい。また、成形性や離型性を向上させるためバインダーを少量添加してもよい。更にアルミニウム系でCu、Mg、Si等を配合した材料や金属−合成樹脂で鉄粉をエポキシ系の合成樹脂で結合させた材料でもよい。更にまた、上記樹脂層との密着性を向上させるため、成形を阻害しない程度であれば表面処理を行なったり、接着剤等を使用したりすることも可能である。
なお、上記焼結金属は、加圧成形、脱脂、焼成、サイジングの各工程を経て製造することができる。これらのうち、強度や硬度を重視する場合はFeを90重量%以上含有するFe系が望ましく、防錆性を重視する場合はCu系を選ぶことができる。
焼結金属は、細かい凹部が表面部分に設けられている。樹脂層を形成する際、この細かい凹部に樹脂が入り込むので、アンカー効果によって、軸受外周部と樹脂層との密着性を向上させることができる。
焼結金属表面に形成されている凹部が占める見かけ面積の合計は、上記樹脂層と接触する軸受外周部の表面部分の面積の20〜95%がよく、20〜50%が好ましい。20%より少ないと、アンカー効果が発揮できず、容易に樹脂が剥がれる場合がある。一方、95%をこえると、寸法精度および強度を保持できなくなる場合がある。なお、上記見かけ面積とは、上記の軸受外周部の表面部分を上方から見たときに、凹部が占める面積をいう。上記凹部の大きさは、5〜300μmがよく、10〜250μmが好ましい。上記の凹部の大きさとは、図2(a)〜(d)に示すように、絶対最大長(凹部の周囲に存在する任意の2点の最大長さ)を表す。大きさが5μm未満だと、溶融樹脂が容易に孔に入り込むことができないため、十分なアンカー効果を発揮することができない。一方、大きさが300μmをこえると寸法精度が出難くかつ機械的強度も極端に低下する為好ましくない。上記凹部の大きさは、金属粒子の粒子径や焼結金属の密度、あるいはサイジング金型の寸法等を調整することで調整できる。
上記凹部の深さは、3〜500μmがよく、3〜300μmが好ましい。3μm未満だと、溶融樹脂が容易に孔に入り込むことができないため、十分なアンカー効果を発揮することができない場合がある。一方、500μmより大きいと、寸法精度が出難く、かつ機械的強度も極端に低下する場合がある。
焼結金属は、金属粒子の粒子径や焼結金属の密度、あるいはサイジング金型の寸法、成形圧力、焼成温度等を調整することによって金属粒子間の隙間に起因する凹部の大きさや深さ、割合を最適化することができ、後加工なしで所定の表面形状を得ることができ、コスト的に安価となる。
本発明の樹脂層は焼結金属外周部の摺動部にインサート成形して形成される。本発明において、インサート成形とは金型内に配置された焼結金属表面に樹脂層が形成できる方法をいう。樹脂層の形成方法としては射出成形、圧縮成形、トランスファ成形、粉末成形等用いることができる。
本発明に使用できる樹脂材料は、摺動性に優れる材料が好ましく、固体潤滑材や潤滑油を配合することもできる。上記樹脂材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等、摺動材として使用できる形態を形成できる合成樹脂であれば特に限定されない。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン樹脂、変性ポリエチレン樹脂、水架橋ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリケトン樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリオキサゾリン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等を例示できる。また、上記合成樹脂から選ばれた2種以上の材料の混合物、すなわちポリマーアロイなどを例示できる。これらの内、最も低摩擦が得られる樹脂材料はポリエチレン樹脂であり、耐摩耗性に優れる超高分子量成分を含むポリエチレン樹脂が最も好ましい合成樹脂のひとつといえる。
上記樹脂材料は、摩擦・摩耗特性を改善させたり、線膨張係数を小さくするために、適当な充填材を添加することができる。例としては、ガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、アスベスト、石英ウール等の繊維類やこれらを布状に編んだもの、炭酸カルシウムやタルク、シリカ、クレー、マイカ等の鉱物類、硼酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー等の無機ウィスカー類、ポリイミド樹脂やポリベンゾイミダゾール等の各種耐熱性樹脂、フラーレンなどのナノ粒子等があげられる。更に潤滑性組成物の熱伝導性を向上させる目的で、カーボン繊維、金属繊維、黒鉛粉末、酸化亜鉛等を添加してもよい。更にまた、炭酸リチウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、リン酸リチウム、リン酸カルシウム等のリン酸塩等を配合してもよい。
なお、この発明の効果を阻害しない配合量で一般合成樹脂に広く適用しえる添加剤を併用してもよい。例えば離型剤、難燃剤、帯電防止剤、耐候性改良剤、酸化防止剤、着色剤等の工業用添加剤を適宜添加してもよく、これらを添加する方法も特に限定されるものではない。
更にこの発明の樹脂組成物の潤滑性を損なわない限り、中間製品または最終製品の形態において、別途、たとえばアニール処理等の化学的または物理的な処理によって性質改善のための変性が可能である。
本発明の樹脂材料には、固体潤滑材、潤滑油、またはこれらが混合された潤滑剤を添加できる。
樹脂材料に添加できる固体潤滑材としては、ポリテトラフルオロエチレン、黒鉛、二硫化モリブデン、窒化硼素、二硫化タングステン等の一般的な固体潤滑材が挙げられる。また、潤滑油としてはスピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油等の鉱油、炭化水素、エステル、ポリグリコール、シリコーン油、フッ素化油等の合成油等、一般に使用されている潤滑油等の油が挙げられる。また、これらの油は焼結金属製の軸受外周部に含浸し、樹脂層を介して摺動面に滲出させて潤滑させることも可能である。含浸は、真空含浸等の方法で行なうことができる。
本発明で使用できる導電性樹脂材料は1×1011Ω・cm以下の体積抵抗率を有する。樹脂材料の体積抵抗率は好ましくは1×108Ω・cm以下、更に好ましくは1×106Ω・cm以下である。1×1011Ω・cmをこえると帯電防止性能が十分でなくなる。
導電性材料およびその配合量を以下に挙げる。
(1)PAN系またはピッチ系炭素繊維、カーボンナノチューブ、カップスタック型カーボンナノファイバー、気相法によるカーボンナノファイバーなど、導電性を有する繊維状無機物を添加する方法であり、炭素繊維であれば5〜40重量%、その他のナノ繊維は0.1〜10%配合することにより導電性を確保する。これらのうち、特にナノ繊維は少量添加で所望の導電性を得ることができ、特に軟質材を相手軸として摺動する際にも相手軸を損傷することがなく、また、薄肉成形品への分散状態もよく、好ましい添加剤である。
(2)アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラックなど、カーボンブラックを配合する方法であり、ケッチェンブラックの場合は1〜8重量%、その他のカーボンブラックは5〜20重量%配合する。
(3)人造(燐片状または球状)または天然黒鉛を配合する方法であり、黒鉛を3〜30重量%配合する。
(4)上記(1)から(3)を組み合わせる方法であり、組み合わせることにより充填材の配合量を少なくすることが可能となる。例えば、ケッチェンブラックを3重量%、人造黒鉛を5重量%配合すれば、帯電防止に十分な1×103Ω・cm程度の体積抵抗率を得ることが可能である。
導電性高精度すべり軸受の外周部に多孔質焼結金属を用いる場合、この焼結金属に潤滑油を含浸して用いることができる。この潤滑油が樹脂層を通じて摺動面に滲み出すことにより、摺動性を更に向上させ、長寿命化させることができる。その際、樹脂層として多孔質構造を有する樹脂や、潤滑油との親和性に優れる樹脂、多孔質構造を有する充填材を配合した樹脂等を採用した場合、一層効果的となる。
上記の多孔質構造を有する樹脂は、下記の方法で製造することができる。まず、2種類の樹脂(樹脂材料Aと樹脂材料B)とを混練した後、射出成形して合成樹脂層を得る。その後、樹脂材料Bを溶解させず、樹脂材料Aを溶解させる溶剤を用いて処理する。これにより、多孔質構造を有する樹脂を製造することができる。
上記連通孔を付与させるための樹脂材料(上記樹脂材料B)としては、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエポキシ樹脂、フェノール樹脂等があげられる。また、溶剤に溶解しやすい樹脂材料(上記樹脂材料A)としては、ケトン系溶剤に溶解するポリスチレン樹脂、水や熱水に溶解するポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。
上記の多孔質構造を有する充填材を配合した樹脂とは、樹脂材料に連通孔を有する充填材を配合したものをいう。この連通孔を有する充填材としては、多孔質シリカ等の多孔質粉末等が挙げられる。上記多孔質シリカとして好ましいものは、非晶質の二酸化ケイ素を主成分とする粉末である。例えば、一次粒子径が15nm以上の微粒子の集合体である沈降性シリカ、特開2000−143228号等に開示されている、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含有したケイ酸アルカリ水溶液を有機溶媒中で乳化し、二酸化炭素でゲル化させることにより得られる粒子径が3〜8nmの一次微粒子の集合体である真球状多孔質シリカ等があげられる。
本発明においては、粒子径が3〜8nmの一次微粒子が集合して真球状シリカ粒子を形成した多孔質シリカが、連通孔を有しているため特に好ましい。この真球状シリカ粒子の平均粒子径は、0.5〜100μmが好ましく、取扱い易さや摺動特性の付与を考慮した場合は、1〜20μmが特に好ましい。
このような真球状多孔質シリカとしては、旭硝子社製;サンスフェア、鈴木油脂工業社製;ゴッドボール、富士シリシア社製;サイロスフェア等があげられる。また、多孔質バルク状シリカとしては、(株)東海化学工業所製;マイクロイド等が挙げられる。
粒子径が3〜8nmの一次微粒子が集合した真球状シリカ粒子は、比表面積が200〜900m2/g、好ましくは300〜800m2/g、細孔容積が1〜3.5ml/g、細孔径が5〜30nm、好ましくは20〜30nm、吸油量が150〜400ml/100g、好ましくは300〜400ml/100gの特性を有することが好ましい。また、水に浸漬した後に再度乾燥しても、上記細孔容積及び吸油量が浸漬前の90%以上を保つことが好ましい。
なお、上記の比表面積及び細孔容積は窒素吸着法により、吸油量はJIS K5101に準じて測定した値である。
また、上記真球状シリカ粒子の内部と外表面は、シラノール(Si−OH)で覆われていることが、潤滑剤を内部に保持しやすくなるため好ましい。
更に多孔質シリカは、母材に適した有機系、無機系等の表面処理を行なうことができる。上記多孔質シリカは、粒子の形状は特に限定されず、平均粒子径、比表面積、吸油量等が上記真球状シリカ粒子の範囲内であれば、非球状多孔質シリカであっても使用できる。なお、摺動相手材への攻撃性や混練性の観点から、球状、真球状の粒子がより好ましい。なお、ここで、球状とは、長径に対する短径の比が0.8〜1.0の球をいい、真球状とは、上記球状よりもっと真球に近い球をいう。
上記樹脂層における、(樹脂材料の線膨張係数(単位:1/℃)×(樹脂層の肉厚(単位:μm))は、0.15以下がよく、0.13以下が好ましく、0.10以下が更に好ましい。上記値が0.15より大きい場合、樹脂部の収縮または膨張も大きくなる。このとき、樹脂部の外径側は金属で拘束されていることから、金属の膨張分以上は膨張できず、内径側へ膨張し、内径寸法が小さくなる。その結果、隙間が減少し、初期の隙間設定によっては、温度上昇により軸へのダキツキが発生する可能性がある。また、過度の隙間の変動は、トルク変動を引き起こすため好ましくなく、回転精度の点からは隙間は小さいほうが好ましい。また、吸水による寸法変化も大きくなり、過度の隙間の変動が生じる場合がある。
インサート成形可能な樹脂層の厚みは、50μm位であり、これより薄いと形成が困難となる。従って、上記の樹脂膨張係数×肉厚は0.003以上が必要であり、好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.015以上必要である。
本発明の導電性高精度すべり軸受は、金型内に軸受外周部を配置し、摺動部となる内径面または端面、および、必要に応じて外径面に上記樹脂材料をインサート成形することにより製造することができる。具体的には、金型内に所定の形状の焼結金属体をあらかじめ投入し、フィルムゲート、サイドゲートやサブマリンゲートを利用して焼結金属体の外周部とコアピンなどの金型部品の隙間に溶融樹脂を注入することで製造できる。
本発明の導電性高精度すべり軸受の形状としては、ラジアル型、フランジ付きブッシュ等、摺動部の形状に合わせて、最適な軸受形状を選択することができる。
また、樹脂層の軸受外周部へインサート成形する場所は、焼結金属体の外周部であれば特に限定されない。例えば、図3(a)〜(f)に示すような場合が挙げられる。図3(a)(f)は、ラジアル方向への荷重を支持するため、焼結金属体の外周部2の内径側摺動部に樹脂層3を形成したものである。図3(d)は、スラスト方向への荷重を支持するため、外周部2の端面摺動部に樹脂層3を形成したものである。図3(b)(c)(e)は、ラジアル方向およびスラスト方向への荷重を支持するため、外周部2の内径側摺動部および端面摺動部に樹脂層3を形成したものである。なお、図示しないが、必要に応じて、軸受の外径部に樹脂層を付与することも可能である。なお、図3(c)(f)に示すように、外周部と樹脂層とが剥がれないような引っ掛け部を有する樹脂層の形状を採用してもよい。
本発明の導電性高精度すべり軸受は、軸の回転精度向上のため、軸受と軸との隙間を小さくすることができる。このとき、摺動によって摩耗粉が発生すると、この摩耗粉が上記の隙間に介在することがある。この場合、回転トルクを上昇させたり、摩耗粉が研磨材として働いて、軸や軸受の異常摩耗を引き起こす場合がある。このため、この異常摩耗の回避策として、軸受の内径側摺動部に設けた樹脂層や、スラスト荷重用の端面摺動部に設けた樹脂層に凹部を設けることができる。この凹部を設けることにより、この凹部に摩耗粉を捕捉し、異常摩耗の発生を抑制することができる。
内径側摺動部の樹脂層に上記凹部を設ける場合、凹部1個当たりの見かけ面積は、全内径面面積の0.5〜10%が好ましく、かつ、上記凹部の見かけ面積の総和が、全内径面面積の0.5〜30%が好ましい。
また、端面摺動部の樹脂層に上記凹部を設ける場合、片側端面に設けられた上記凹部1個当たりの見かけ面積は、片側端面全体の面積の0.5〜10%が好ましく、かつ、片側端面に設けられた上記凹部の見かけ面積の総和が、片側端面全体の面積の0.5〜30%が好ましい。
いずれの場合も、0.5%未満の場合は、凹部は十分な容積を持たず、長期間の運転に支障がでる場合がある。一方、30%をこえると、荷重を受ける面積が減少して面圧過大となり、異常摩耗の原因となり得る。
上記凹部は、内径側摺動部や端面摺動部に設けた樹脂層上に、独立して分散した窪みや、溝状に形成することができ、その形状、寸法および凹部の個数に特に限定されない。この凹部のうち、最も好ましい形態は、溝状のものであり、この溝状の凹部を、軸受内径の中心軸と平行に配置したり、角度を持たせた、いわゆる螺旋溝の配置をとることができる。また、その凹部の長さおよび個数は、上記の凹部の見かけ面積の比を満たす程度の長さおよび個数を採用することができる。更に上記凹部を複数設ける場合、これらを内径側摺動部または端面摺動部の全体からみて等間隔に配置するのが好ましい。好ましい例を図1に示す。
上記凹部の形成は、機械加工、サンドブラスト、エッチング、圧力による転写等で、所定の形状にすることができる。また、予めインサート成形時の金型に凸部形状を設定しておくことで、成形と同時に凹部が形成される手法を採用してもよく、また、トンネルゲートによる方法であってもよい。
本発明の導電性高精度すべり軸受は、高精度であり、導電性があり、摺動特性に優れており、かつ、アルミ軸等の軟質相手材を攻撃しない特徴を有する。このため、上記導電性高精度すべり軸受を、複写機やプリンター等の事務機の感光ドラム、現像部および/または定着部等の回転精度が必要な支持軸受等の箇所に使用できる。これらに使用することにより、異音の発生を抑制することができる。
実施例1
内径φ8.5mm×外径φ14mm×厚さt5mmの円筒状の焼結金属体(Fe:98.5重量%−Cu:1.5重量%系、孔の大きさの平均値:125μm、平均深さ:20μm、凹部の割合:30%、線膨張係数:1.1×10-5/℃)を用意する。射出成形用の金型内にこの焼結金属体を装着し、内径面に下記に示す樹脂材料を用いて、下記の方法でインサート成形を行ない、内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの導電性高精度すべり軸受を製作した(形状;図2(a)、樹脂層の肉厚:250μm)。得られた導電性高精度すべり軸受を用いて、以下の条件で試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
<樹脂材料>
(a)ベース樹脂:ポリエチレン(三井石油化学社製:リュブマーL5000)
(b)充填剤:シリコーン油(信越シリコーン社製:KF96H−6000)、多孔質シリカ(旭硝子(株)製:サンスフェアH53)、ケッチェンブラック(ライオン社製:EC600JD)、人造黒鉛(ロンザ社製:KS−6)を用意する。
多孔質シリカとシリコーン油との混合比を1:2.76(重量換算)として混合して、この混合物30重量%とポリエチレン樹脂63重量%と、ケッチェンブラック2重量%と、人造黒鉛5重量%とを2軸押し出し装置で溶融混練し、ペレットを作製した。
<インサート成形条件>
(a)金型温度:100℃
(b)成形温度:210℃
(c)射出圧力:140MPa
金型内に所定形状の焼結金属を固定し、油含有ペレットを用いてインサート成形を上記成形条件で行なった。
<試験条件>
(a)摩耗・摩擦試験
・相手材軸:A5056(アルミニウム合金、Ra=0.8μm)、φ7.98
・面圧 :1MPa(投影面積に換算)
・周速 :3m/min・温度 :30℃
・時間 :120h
・測定項目は、試験軸受の比摩耗量、軸の摩耗の有無、及び試験終了時の動摩擦係数。なお、軸とすべり軸受の隙間は、20μm(20℃で測定)とした。
(b)内径側寸法の変化の測定
熱による膨張の影響を調査するため、すべり軸受の外径側を焼結金属で拘束し、内径側のみ寸法が変化できるようにして−10℃から60℃までの変化させ、内径側寸法がどの程度変化するか測定した(20℃の寸法を基準とし、−10℃と60℃での寸法変化量を求めた)。
各温度での試験片内径の寸法変化量と軸の寸法変化量を測定し、隙間が0〜30μm未満の場合:○、隙間が0未満(軸へのダキツキ発生)あるいは30μm以上の場合:×と判定した。
(c)隙間の測定
樹脂層と内挿したA5056からなる軸との隙間を、−10℃および60℃の場合に測定した。なお、初期の隙間は、20μmに設定した。また、軸の寸法変化量は、−5.2μm(−10℃の場合)、7μm(60℃の場合)であった(軸材質の線膨張係数は、2.2×10-5/℃)。
(d)導電性の測定
軸受内径に摩擦・摩耗試験で用いる相手材軸を挿入し、軸受外径の一方向に荷重を負荷した。この常態で、軸と軸受外径間の電気抵抗を測定した。
実施例2
内径φ9mm×外径φ14mm×厚さt5mmの円筒状の焼結金属体(Fe:98.5重量%−Cu:1.5重量%系、孔の大きさの平均値:125μm、平均深さ:30μm、凹部の割合:30%、線膨張係数:1.1×10-5/℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの導電性高精度すべり軸受を製作した(形状;図2(a)、樹脂層の肉厚:500μm)。得られた導電性高精度すべり軸受を用いて、実施例1と同様の条件で試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
実施例3
内径φ9.54mm×外径φ14mm×厚さt5mmの円筒状の焼結金属体(Fe:98.5重量%−Cu:1.5重量%系、孔の大きさの平均値:125μm、平均深さ:30μm、凹部の割合:30%、線膨張係数:1.1×10-5/℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの導電性高精度すべり軸受(形状;図2(a)、樹脂層の肉厚:770μm)を製作した。得られた導電性高精度すべり軸受を用いて、実施例1と同様の条件で試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
実施例4
内径φ9.8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの円筒状の焼結金属体(Fe:98.5重量%−Cu:1.5重量%系,孔の大きさの平均値:125μm、平均深さ:30μm、凹部の割合:30%、線膨張係数:1.1×10-5/℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの導電性高精度すべり軸受(形状;図2(a)、樹脂の肉厚:900μm)を製作した。得られた導電性高精度すべり軸受を用いて、実施例1と同様の条件で試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
実施例5
内径φ10.3mm×外径φ14mm×厚さt5mmの円筒状の焼結金属体(Fe:98.5重量%−Cu:1.5重量%系、孔の大きさの平均値:125μm、平均深さ:30μm、凹部の割合:30%、線膨張係数:1.1×10-5/℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの導電性高精度すべり軸受(形状;図2(a)、樹脂の肉厚:1150μm)を製作した。得られた導電性高精度すべり軸受を用いて、実施例1と同様の条件で試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
実施例6
内径φ8.5mm×外径φ14mm×厚さt5mmの円筒状の焼結金属体(Fe:98.5重量%−Cu:1.5重量%系、孔の大きさの平均値:250μm、平均深さ:50μm、凹部の割合:50%、線膨張係数:1.1×10-5/℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの導電性高精度すべり軸受(形状;図2(a)、樹脂の肉厚:250μm)を製作した。得られた導電性高精度すべり軸受を用いて、実施例1と同様の条件で試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
実施例7
実施例1で製作された導電性高精度すべり軸受の焼結金属部にシリコーンオイル(信越シリコーン社製:KF96H−6000)を含浸させた。これを用いて、実施例1と同様の条件で試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
実施例8
実施例1で製作された導電性高精度すべり軸受の軸受内径面の樹脂層に、溝状の凹部(幅×長さ×深さ=1mm×5mm×150μm、断面形状:半円状、配置場所:アキシアル方向に3箇所等配で配置)を形成した。このときの凹部一箇所あたりの見かけ面積の全内径面積に対する割合は、{(1mm×5mm)/(8mm×5mm×π)}×100=3.97(%)である。これを用いて、実施例1と同様の条件で試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
実施例9
実施例8で製作された軸受内径面の樹脂層に溝状の凹部を有する導電性高精度すべり軸受の焼結金属部にシリコーンオイル(信越シリコーン社製:KF96H−6000)を含浸させた。これを用いて、実施例1と同様の条件で試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
実施例10
内径φ8.5mm×外径φ14mm×厚さt5mmの円筒状の焼結金属体(Cu:90重量%−Sn:10重量%系,孔の大きさの平均値:125μm、平均深さ:50μm、凹部の割合:30%、線膨張係数:1.7×10-5/℃)を用い、樹脂材料として下記のものを用い、下記のインサート成形条件を用いた以外は、実施例1と同様にして、内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの導電性高精度すべり軸受(形状;図2(a)、樹脂の肉厚:250μm)を製作した。得られた導電性高精度すべり軸受を用いて、実施例1と同様の条件で試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
<樹脂材料>
(a)ベース樹脂:ポリフェニレンサルファイド(東レ社製:M2888)
(b)充填剤:ポリテトラフルオロエチレン樹脂(住友3M社製:ホスタフロンTF9205)、アラミド繊維(アクゾノーベル社製:トワロンMicrol088)、リン酸リチウム(米山化学社製:リン酸リチウム)、ケッチェンブラック(ライオン社製:EC600JD)、人造黒鉛(ロンザ社製:KS−6)を用意する。
ポリフェニレンサルファイド樹脂を49重量%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を20重量%、アラミド繊維を5重量%、リン酸リチウムを18重量%、ケッチェンブラックを3重量%、人造黒鉛を5重量%をそれぞれ2軸押し出し装置を用いて溶融混練し、ペレットを作製した。
<インサート成形条件>
金型内に所定形状の焼結金属を固定し、上記ペレットを用いてインサート成形を行なった。金型温度:150℃成形温度:305℃射出圧力:200MPa
実施例11
内径φ8.5mm×外径φ14mm×厚さt5mmの円筒状の焼結金属体(Cu:90重量%−Sn:10重量%系,孔の大きさの平均値:125μm、平均深さ:50μm、凹部の割合:30%、線膨張係数:1.7×10-5/℃)を用い、樹脂材料として下記のものを用い、下記のインサート成形条件を用いた以外は、実施例1と同様にして、内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの導電性高精度すべり軸受(形状;図2(a)、樹脂の肉厚:250μm)を製作した。得られた導電性高精度すべり軸受を用いて、実施例1と同様の条件で試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
<樹脂材料>
(a)ベース樹脂:ポリエチレン(三井石油化学社製:リュブマーL5000)
(b)充填剤:シリコーン油(信越シリコーン社製:KF96H−6000)、多孔質シリカ(旭硝子(株)製:サンスフェアH33)、マルチウォールカーボンナノチューブ(ニューメタル社製)
多孔質シリカとシリコーン油との混合比を1:2.76(重量換算)として混合して、この混合物30重量%とポリエチレン樹脂65重量%と、マルチウォールカーボンナノチューブ5重量%とを2軸押し出し装置で溶融混練し、ペレットを作製した。
<インサート成形条件>
金型内に所定形状の焼結金属を固定し、油含有ペレットを用いてインサート成形を行なった。金型温度:100℃、成形温度:210℃、射出圧力:140MPa
比較例1
内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの円筒状の焼結金属体(Fe:98.5重量%−Cu:1.5重量%系,孔の大きさの平均値:250μm、平均深さ:50μm、凹部の割合:30%、膨張係数:1.1×10-5/℃)をすべり軸受として使用する。この焼結金属軸受をエステル油(日本油脂製:H481R)中に浸し、真空含浸処理を行ない気孔の部分に油を封入した。この試験軸受を用いて実施例1と同様の条件で各種試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
比較例2
実施例1に使用した樹脂材料のみで内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmのすべり軸受を製造し、実施例1と同様の条件で摩擦・摩耗試験と各種評価試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
比較例3
内径φ11.2mm×外径φ14mm×厚さt5mmの円筒状の焼結金属体(Fe:98.5重量%−Cu:1.5重量%系,孔の大きさの平均値:250μm、平均深さ:50μm、凹部の割合:30%、膨張係数:1.1×10-5/℃)を用意する。射出成形用の金型内にこの軸受外周部を装着し、内径面に実施例1の樹脂材料のインサート成形を行ない、内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの複合すべり軸受(形状;図2(a)、樹脂の肉厚:1600μm)を製作した。実施例1と同様の条件で各種試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
比較例4
内径φ9mm×外径φ14mm×厚さt5mmの円筒状SUS304(表面粗さRa=0.01μm)を用いた以外は、実施例2と同様にして、内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの複合すべり軸受を製作した。得られた複合すべり軸受は、焼結金属層と樹脂層の間で剥がれが発生したため、試験を行なうことができなかった。
比較例5
内径φ8.5mm×外径φ14mm×厚さt5mmの円筒状の焼結金属体(Fe:98.5重量%−Cu:1.5重量%系、孔の大きさの平均値:250μm、平均深さ:100μm、凹部の割合:10%、膨張係数:1.1×10-5/℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの複合すべり軸受を(樹脂の肉厚:250μm)製作した。得られた複合すべり軸受は、焼結金属層と樹脂層の間で剥がれが発生したため、試験を行なうことができなかった。
比較例6
内径φ8.5mm×外径φ14mm×厚さt5mmの円筒状の焼結金属体(Fe:98.5重量%−Cu:1.5重量%系、孔の大きさの平均値:3μm、平均深さ:1μm、凹部の割合:30%、膨張係数:1.1×10-5/℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの複合すべり軸受(樹脂の肉厚:250μm)を製作した。得られた複合すべり軸受は、焼結金属層と樹脂層の間で剥がれが発生したため、試験を行なうことができなかった。
比較例7
樹脂層の材質をポリエチレン樹脂単体(三井石油化学社製:リュブマーL5000)とした以外は実施例1と同じ内容で内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの複合すべり軸受(樹脂の肉厚:250μm)を製作した。得られた複合すべり軸受を用いて、上記の条件で試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
比較例8
樹脂層の材質をポリアセタール樹脂単体(ポリプラスチックス社製:ジュラコンM90−02)とした以外は実施例1と同じ内容で内径φ8mm×外径φ14mm×厚さt5mmの複合すべり軸受(樹脂の肉厚:250μm)を製作した。得られた複合すべり軸受を用いて、上記の条件で試験を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
Figure 2006002907
Figure 2006002907
適切な孔の大きさ、深さ、凹部の割合を持った鉄系焼結金属と導電性を付与した樹脂層を併用した実施例1〜11は、焼結金属と樹脂層との間で密着力の不足によるはがれは発生しなかった。比摩耗量は100×10-8mm3/(N・m)以下と少なく、かつ相手材軸の摩耗はなく、また動摩擦係数も0.2以下と低い値を示した。また、熱膨張による寸法変化も小さく、寸法安定性に優れていた。また、電気抵抗も1×106Ω以下の小さな値であった。
それに対し、焼結金属層のみですべり軸受を構成した比較例1の場合、寸法変化は小さく、電気抵抗も極めて低いが、軸の摩耗が発生しかつ動摩擦係数も0.7と高い値を示した。
樹脂材料のみですべり軸受を構成した比較例2の場合、比摩耗量は少なく、かつ軸の摩耗もなく、摩擦係数も小さいが、熱膨張による寸法変化が大きかったため、高精度が要求される個所への使用には適さない。
樹脂層と焼結金属層を併用した比較例3の場合、比摩耗量は少なく、かつ軸の摩耗はなく摩擦係数も小さいが、樹脂層が厚いため、高温時、金属層からの形状拘束を受けて、体積膨張が内径側へ逃げて、内径寸法が小さくなる。その結果、軸との隙間が初期値よりも大幅に小さくなり、軸へのダキツキが発生するため好ましくない。
SUS304と樹脂層を併用した比較例4の場合、SUS304の表面が滑らかであり、樹脂層との密着力が弱いため、成形収縮により界面ではがれが生じた。金属層表面に凹凸がない場合、金属と樹脂の複合体を得ることは困難である。
凹部の割合が3%と少ない焼結金属の比較例5の場合、比較例4のSUS304を使用した場合と同様に樹脂層との密着力が弱いため、成形収縮により界面ではがれが生じた。
孔の大きさが3μmと小さい比較例6の場合、溶融樹脂が孔に入り込めないために密着力が低下し成形収縮により界面ではがれが生じた。
樹脂層にポリエチレン樹脂単体を使用した比較例7の場合、摩擦係数は比較的低い値を示したが、摩耗が大きく、電気抵抗も大きい。
樹脂層にポリアセタール樹脂単体を用いた比較例8の場合、摩擦係数、比摩耗量ともに大きく、相手軸の表面に摩耗が見られた。また電気抵抗も大きい。
本発明の導電性高精度すべり軸受は、導電性を有し、特別のアース機構なしに軸受の帯電を防止するとともに、樹脂層の温度変化による寸法変化が抑えられ、高精度を有しつつ、潤滑性に優れるすべり軸受であるので、複写機やプリンター等のような電子写真装置の感光ドラム、定着ローラ、トナーカートリッジマグネットローラ支持用導電性高精度すべり軸受に適用できる。
導電性高精度すべり軸受の一例を示す図である。 凹部の大きさ示す模式図である。 樹脂層の軸受外周部へインサート成形する場所を示す図である。
符号の説明
1 導電性高精度すべり軸受
2 外周部
3 導電性樹脂層
4 溝
5 ゲート痕

Claims (5)

  1. 焼結金属体の外周部に摺動部となる樹脂層を樹脂材料のインサート成形により形成し、該樹脂層における(樹脂材料の線膨張係数(単位:1/℃)×樹脂層の肉厚(単位:μm))を0.15以下とする高精度すべり軸受であって、前記樹脂材料が導電性樹脂材料であることを特徴とする導電性高精度すべり軸受。
  2. 前記摺動部は、ラジアル方向の荷重を支持するための内径側ラジアル摺動部およびスラスト方向の荷重を支持するための端面摺動部のいずれか1つであることを特徴とする請求項1記載の導電性高精度すべり軸受。
  3. 前記導電性樹脂材料が1×1011Ω・cm以下の体積抵抗率を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の導電性高精度すべり軸受。
  4. 前記導電性樹脂材料は、潤滑剤が配合された導電性樹脂材料であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の導電性高精度すべり軸受。
  5. 複写機またはプリンターに用いられる回転部品の回転軸を支持する軸受であって、該軸受が請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の軸受であることを特徴とする導電性高精度すべり軸受。
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