JP2017096482A - 滑り軸受 - Google Patents

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Takeshi Yasuda
健 安田
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Abstract

【課題】回転軸の外周面に接触する軸受面を備え、この回転軸の軸線に対して直角方向の荷重が負荷される滑り軸受において、軸受面と回転軸との接触面積を低減でき、さらにはグリースの供給性や保持性にも優れる、低トルクの滑り軸受を提供する。【解決手段】滑り軸受1は、回転軸4の外周面に接触する軸受面3を備え、回転軸4の軸線に対して直角方向の荷重が負荷されるものであり、軸受面3が、2つの平面3a、3bを連結してなり、回転軸4が平面3a、3bそれぞれに1箇所で線接触線接触(線接触部12)する。【選択図】図2

Description

本発明は、滑り軸受に関する。特に、複写機、複合機、プリンタ(レーザービームプリンタ、インクジェットプリンタなど)、ファクシミリなどの画像形成装置における定着部の定着ローラや加圧ローラなどのローラの回転軸を支持する用途に適用される滑り軸受に関する。
複写機、プリンタなどの画像形成装置の定着装置は、感光ドラムから用紙に転写された未定着のトナーを熱と圧力により定着させるものである。定着装置は、筒体にハロゲンヒータ、セラミックヒータなどの熱源を内蔵した定着ローラと、それに対向して設置された加圧ローラとの間に用紙を進入させることで、熱と圧力を同時に加えてトナーを定着させる機構が一般的である。定着ローラおよび加圧ローラのいずれか一方の外周面は、合成ゴムなどの弾性体になっており、他方は剛体である。また、加圧ローラに代えて、ステンレス、ポリイミド樹脂などからなるエンドレスベルトを、弾性体を介して定着ローラ側に押圧する機構も採用されている。
定着ローラおよび加圧ローラは、その回転軸の両端を軸受によって回転自在に支持されている。この軸受としては、ボールベアリング(転がり軸受)、焼結含油軸受、樹脂滑り軸受などが用いられている。このような用途に使用される樹脂滑り軸受としては、円筒状または開口部を備えたU字型の形状が多く用いられ、使用の際には軸受面にグリースが塗布されることが多い。
年々、複写機、プリンタは印刷速度の高速化、消費電力低減が進んでいるため、軸受には高荷重・高速条件への対応、低トルク化、耐摩耗性の向上が要求されている。また、定着装置の構造によっては導電性も必要となる。ボールベアリングは、焼結含油軸受、樹脂滑り軸受に比べて耐荷重性が高く、トルクが低い反面、高コストである。焼結含油軸受は低コストであるものの、射出成形できる樹脂滑り軸受に比べて設計自由度が低いという欠点がある。そのため、印刷速度が速い機種においても、樹脂滑り軸受の適用が望まれている。
従来、樹脂滑り軸受の高性能化のため、軸受材を改良する様々な提案がされている。例えば、特許文献1では、軸受材として、ポリフェニレンサルファイド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリシアノアリールエーテル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、およびポリエーテルスルフォン樹脂から選ばれる1種以上の耐熱・熱可塑性樹脂に、ポリテトラフルオロエチレンおよびリン酸リチウムを配合した耐熱・潤滑性樹脂組成物が提案されている。この軸受材は、特にリン酸リチウムを配合することで、良好な潤滑性を示す転移膜を回転軸の外周面に形成するものである。また、特許文献2では、リン酸リチウムと同様の効果があるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩を用いた軸受材が提案されている。
しかし、軸受材の改良だけでは低トルク化に限界があるため、軸受面の形状設計で回転トルクを低減する試みもなされている。主に、軸受面と回転軸との接触面積を低減させる方法、軸受面にグリースが溜まる部分を設けて潤滑効果を向上させる方法の2つがある。
軸受面と回転軸との接触面積を低減させる方法として、特許文献3と特許文献4が提案されている。特許文献3では、軸受面が、回転軸の外周面形状に略相似の接触面を有する凸部であり、摩耗前後における回転軸との接触面積を一定にしている。この設計により摩耗による接触面積の増加を防ぎ、トルクを安定化させるとしている。また、特許文献4では、軸受面が回転軸と接触する部分の軸方向の長さを、滑り軸受の軸方向の全長より短く設定することで、トルクを低減するとしている。
軸受面にグリースが溜まる部分を設けて潤滑効果を向上させる方法として、特許文献5が提案されている。軸受面にグリースを溜める油溝を形成し、この油溝の開放部を囲む周縁の一部が、回転方向に対して交叉する方向に沿う部分を有していることで、軸受面の広い範囲で潤滑効果を向上させるとしている。
特許第3501890号公報 特許第5036016号公報 特開2000−035034号公報 特開平05−026228号公報 特開2000−242113号公報
しかしながら、近年における画像形成装置の印刷速度の更なる高速化に伴い、軸受に対する要求特性がより厳しくなっており、特許文献3〜5などの提案では低トルク化が十分とはいえない。また、特許文献4の提案では、軸方向で偏摩耗するおそれがある。
本発明はこれらの問題に対処するためになされたものであり、回転軸の外周面に接触する軸受面を備え、この回転軸の軸線に対して直角方向の荷重が負荷される滑り軸受において、軸受面と回転軸との接触面積を低減でき、さらにはグリースの供給性や保持性にも優れる、低トルクの滑り軸受を提供することを目的とする。
本発明の滑り軸受は、回転軸の外周面に接触する軸受面を備え、上記回転軸の軸線に対して直角方向の荷重が負荷される滑り軸受であって、上記滑り軸受の軸受面が、2つの略平面からなり、上記回転軸が上記2つの略平面それぞれに1箇所で線接触することを特徴とする。
上記滑り軸受が、ポリフェニレンサルファイド樹脂、芳香族ポリエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリシアノアリールエーテル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、およびポリエーテルスルフォン樹脂から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂をベース樹脂とし、これにポリテトラフルオロエチレン樹脂およびリン酸リチウムを含有する樹脂組成物の成形体であることを特徴とする。また、上記樹脂組成物が、カーボンブラックおよびカーボンナノチューブから選ばれる少なくとも1つを含有する導電性樹脂組成物であることを特徴とする。
上記軸受面を構成する2つの略平面のなす角度が120°〜160°であることを特徴とする。
上記軸受面と上記回転軸との摺動部にグリースが介在していることを特徴とする。また、上記滑り軸受が、画像形成装置における定着ローラまたは加圧ローラの回転軸を支持する軸受であることを特徴とする。
本発明の滑り軸受は、回転軸と軸受面とが2箇所(2つの略平面それぞれに1箇所)で線接触した状態で摺動するので、接触面積が小さく、回転トルクが低減される。摺動部に介在するグリースは、2つの線接触部、回転軸、および滑り軸受によって囲まれる部分に保持される。この部分のうち、回転方向の下流側にグリースが蓄積され易いため、グリースが安定供給され続け、良好な摺動状態を維持できる。
滑り軸受が、ポリフェニレンサルファイド樹脂、芳香族ポリエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂などの熱可塑性樹脂をベース樹脂とし、これにポリテトラフルオロエチレン樹脂およびリン酸リチウムを含有する樹脂組成物の成形体であるので、耐荷重性、耐熱性、潤滑性などに優れ、上記線接触する構成においても偏摩耗などを抑制できる。
本発明の滑り軸受の一例を示す斜視図である。 図1の滑り軸受の正面図である。 本発明の滑り軸受の他の例を示す正面図である。 従来の滑り軸受を示す斜視図である。 画像形成装置の定着部の構成の概要図である。
本発明の滑り軸受を用いた画像形成装置の定着部の構成を図5に基づいて説明する。図5は、この定着部の構成の概要図である。画像形成装置は、光学部で取り込んだ画像を、現像部、感光部で転写ベルト上にトナーで形成する。図5に示すように、定着部では、そのトナー9を用紙10に転写して用紙10に焼き付ける。その際に、用紙10は定着ローラ6と加圧ローラ7の間(ニップ部)を通過し、トナー9を焼き付けるために200℃程度で加熱・加圧される。ニップ部を通過した用紙10を定着ローラ6から剥離できるように、剥離部材8が定着ローラ6に接触または近接する位置に設けられている。
定着ローラ6は、ベルトを介して熱が伝えられる、または、ヒーターが内蔵されており高温となる。定着ローラ6と加圧ローラ7は、それぞれの回転軸が軸受によって回転自在に支持されている。ここで、加圧ローラ7は、本発明の滑り軸受1を介してバネ11などで定着ローラ6に押し付けられている。このため、加圧ローラ7の回転軸4を支持する滑り軸受1は、常に一方向の荷重(回転軸4の軸線に対して直角方向の荷重)を受けている。印刷速度を高速化すると、トナーを短時間で焼き付ける必要があるため、定着ローラ6の温度、加圧ローラ7の押し付け力がともに高くなり、軸受の使用条件は厳しくなる。
本発明の滑り軸受の一例を図1および図2に基づき詳細に説明する。図1はこの滑り軸受の斜視図であり、図2はこの滑り軸受の正面図である。図1に示すように、滑り軸受1は、所定の軸方向厚みを有する断面U字型の軸受本体2と、加圧ローラなどの回転軸の外周面と接触してこれを支持する軸受面3とを有する。軸受面3は、軸受本体2のU字底部側に形成されており、U字上部側は開口している。
図2に示すように、軸受面3は、回転軸4に外周側に配置され、2つの平面3a、3bを連結してなり、その断面が略V字型である。この「断面」は、軸受面の径方向(回転軸の径方向と一致)の断面である。軸受面3の上記断面の形状は、軸方向においては全範囲で同一である。平面3a、3bは、それぞれ軸受本体2の垂直方向に延びる内壁面2a、2bから折れ曲がって繋がる面である。平面3aと平面3bは同じ大きさである。この滑り軸受1で支持する回転軸4の直径は、軸受本体2の内壁面2a、2b間の距離より僅かに小さい。図5で示したように、滑り軸受1は、U字下側から上方向に向けて押し付けられているため、回転軸4は、軸受面3のV字に挟まる(載る)形となり、軸受面3と2箇所(平面3a上の1箇所、平面3b上の1箇所)で線接触する。平面3aと平面3bが同じ大きさであるため、断面円形の回転軸4と軸受面3との、2つの線接触部12は、V字の頂点(U字底頂点)位置からみて対称な位置となる。なお、図2中の矢印は、回転軸の回転方向を示す。
この滑り軸受は、回転軸と軸受面とが2箇所で線接触した状態で摺動するため、従来のように軸受面が回転軸の外周面に沿った一部円筒面である場合(図4参照)と比較して、両部材の接触面積が小さくなり、回転トルクが低減される。また、摺動部に介在するグリースは、2つの線接触部、回転軸、および滑り軸受によって囲まれる空間部分に保持される。この部分のうち、回転方向の下流側の空間部分13にグリースが蓄積され易い。これらの空間部分から摺動部に、グリースとそこに含まれる潤滑油が安定供給されるため、良好な摺動状態を維持できる。
軸受面3を構成する平面3aと平面3bのなす角度θは、特に限定されないが、90°以上であることが好ましく、120°〜160°が特に好ましい。角度θがこの範囲であると、線接触部により回転軸を安定して支持でき、かつ、回転軸と軸受面との間に適度な大きさの空間部を形成でき、グリースの保持性と供給性のバランスに優れる。
本発明の滑り軸受の他の例を図3に示す。図3は滑り軸受の正面図である。図3(a)に示す滑り軸受1では、軸受面3を構成する平面3aと平面3bのなす角度を図2の形態よりも大きくしている。この場合、線接触部12間の距離が狭くなる。図3(b)に示す滑り軸受1では、軸受面3を構成する平面3aと平面3bが、回転軸側に凸状となるように僅かに湾曲した略平面となっている。
以上、図1〜図3に基づき滑り軸受の形態を説明したが、本発明の滑り軸受の全体的な形状はこれらに限定されず、適用する画像形成装置の仕様に応じて適宜変更できる。例えば、軸受本体2の略全体が一部円筒体(中心角で30°〜300°)で構成されていてもよい。この場合、一部円筒体の内周側に上記の軸受面が形成される。いずれの場合も、軸受本体の少なくとも一部に開口部を有する非環状構造である。なお、V字型の軸受面を構成する2つの平面が、非対称な形状であってもよい。
本発明の滑り軸受の相手材となる各ローラの回転軸の材質としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金(A5052、A5056、A6063)などの軟質金属が使用される。
本発明の滑り軸受を形成する軸受材としては、樹脂材を用いることが好ましい。樹脂材の中でも、ポリフェニレンサルファイド樹脂、芳香族ポリエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリシアノアリールエーテル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、およびポリエーテルスルフォン樹脂から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂をベース樹脂とし、これにポリテトラフルオロエチレン樹脂およびリン酸リチウムを含有する樹脂組成物を用いることが好ましい。それぞれの配合割合としては、例えば、樹脂組成物全体に対して、熱可塑性樹脂35〜74重量%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂10〜45重量%、リン酸リチウム16〜30重量%が好ましい。滑り軸受をこのような樹脂材の成形体とすることで、所要の耐熱性を有するとともに、良好な潤滑性を示す転移膜を回転軸上に形成でき、特に軟質のアルミニウム合金であってもその表面を傷つけることがなく、良好な潤滑特性を示す。
上記熱可塑性樹脂の中でも、ポリフェニレンサルファイド樹脂、芳香族ポリエーテルケトン樹脂、または熱可塑性ポリイミド樹脂を用いることが好ましい。ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)は、ベンゼン環がパラの位置で、硫黄結合によって連結されたポリマー構造を持つ結晶性の熱可塑性樹脂である。PPS樹脂は、融点が約280℃、ガラス転移点(Tg)が93℃であり、極めて高い剛性と、優れた耐熱性、寸法安定性、耐摩耗性などを有する。PPS樹脂は、その分子構造により、架橋型、半架橋型、直鎖型、分岐型などのタイプがあるが、本発明ではこれらの分子構造や分子量に限定されることなく使用できる。本発明においては、剛性に優れることから架橋型が好ましい。
芳香族ポリエーテルケトン樹脂は、ベンゼン環がパラの位置で、カルボニル基とエーテル結合によって連結されたポリマー構造を持つ結晶性の熱可塑性樹脂である。芳香族ポリエーテルケトン樹脂として、ポリエーテルケトン樹脂(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン樹脂(PEKEKK)等が挙げられるが、コスト、射出成形性の面からPEEK樹脂が好ましい。PEEK樹脂は、融点が約340℃、ガラス転移点(Tg)が143℃であり、優れた耐熱性、耐クリープ性、耐荷重性、耐摩耗性、摺動特性、疲労特性などに優れる。
熱可塑性ポリイミド樹脂としては、下記化1の式で表わされる繰り返し単位からなるものが挙げられる。市販品としては、融点が約388℃、ガラス転移点が250℃の三井化学社製オーラムが挙げられる。PI樹脂は射出成形時の金型内で結晶化しないため、成形後に結晶化処理(熱処理)することが好ましい。
Figure 2017096482
(式中、Xは直接結合、炭素数1〜10の炭化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ基およびスルホン基からなる群より選ばれた基を表し、R1 〜R4 は水素、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数1〜5の低級アルコキシ基、塩素または臭素を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。Yは下記化2に示した群より選ばれる一種以上の4価の基を表す。)
Figure 2017096482
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂としては、懸濁重合法によるモールディングパウダー、乳化重合法によるファインパウダー、再生PTFEのいずれを採用してもよい。溶融混練、および射出成形時のせん断により繊維化し難く、溶融粘度を増加させ難い再生PTFEを採用することが好ましい。再生PTFEとは、熱処理(熱履歴が加わったもの)粉末、γ線または電子線などを照射した粉末のことである。例えば、モールディングパウダーまたはファインパウダーを熱処理した粉末、また、この粉末をさらにγ線または電子線を照射した粉末、モールディングパウダーまたはファインパウダーの成形体を粉砕した粉末、また、その後γ線または電子線を照射した粉末、モールディングパウダーまたはファインパウダーをγ線または電子線を照射した粉末などのタイプがある。
本発明に使用できる市販品のPTFE樹脂としては、喜多村社製:KTL−610、KTL−450、KTL−350、KTL−8N、KTL−400H、三井・デュポン・フロロケミカル社製:テフロン(登録商標)7−J、TLP−10、旭硝子社製:フルオンG163、L150J、L169J、L170J、L172J、L173J、ダイキン工業社製:ポリフロンM−15、ルブロンL−5、住友スリーエム社製:ダイニオンTF9205、TF9207などが挙げられる。また、パーフルオロアルキルエーテル基、フルオルアルキル基、またはその他のフルオロアルキルを有する側鎖基で変性されたPTFE樹脂であってもよい。上記の中でγ線または電子線などを照射したPTFE樹脂としては、喜多村社製:KTL−610、KTL−450、KTL−350、KTL−8N、KTL−8F、旭硝子社製:フルオンL169J、L170J、L172J、L173Jなどが挙げられる。
リン酸リチウムとしては、Li3PO4または2Li3PO4・H2Oが挙げられる。無水物の方が脱水による発泡がなく好ましい。リン酸リチウムは、主に粉末状のものが使用でき、その粒形としては0.5〜100μmの範囲であることが好ましい。
定着部の構造上、滑り軸受に導電性が必要な場合は、樹脂組成物にカーボンブラック、カーボンナノチューブのいずれか一方、または両方を添加して導電性を付与できる。これらの配合量は、所望の導電性を付与できる量であれば特に限定されないが、例えば、樹脂組成物全体に対して0.03〜10重量%配合される。この樹脂組成物の成形体の体積抵抗率としては、103Ω・cm以下が好ましい。
カーボンブラックとしては、サーマルブラック法、アセチレンブラック法などの分解法、チャンネルブラック法、ガスファーネスブラック法、オイルファーネスブラック法、松煙法、ランプブラック法などの不完全燃焼法のいずれの製法で製造されたものも使用できる。導電性の観点からファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)が好ましく用いられ、このうちケッチェンブラックが導電性に優れるためより好ましい。
カーボンナノチューブとしては、単層カーボンナノチューブ(SWNT)または多層カーボンナノチューブ(MWNT)をそれぞれ単独であるいは混合して使用できる。また、単層または多層のカーボンナノチューブは、その表面を化学修飾し、上記のベース樹脂等との親和性を向上させてもよい。単層および多層のカーボンナノチューブは、黒鉛などのアーク放電による方法、触媒を用いた熱分解法、レーザー蒸発法、CVD法、SiCから珪素原子を除去する方法など、公知の方法で得ることができる。
その他、本発明の効果を阻害しない程度に、樹脂組成物に対して周知の樹脂用添加剤を配合してもよい。
ベース樹脂となる熱可塑性樹脂に、上記各成分を添加する方法は特に限定するものではない。例えば、諸原料をヘンシェルミキサーなどの混合機によって乾式混合した後、二軸混練押出機により溶融混練する方法がある。乾式混合をせず、二軸混練押出機にて諸原料をサイドフィードし、溶融混練してもよい。この樹脂組成物から、滑り軸受を形成する方法は特に限定するものではない。圧縮成形、または押出成形により得た成形体を機械加工することで形成してもよいが、コストの面から射出成形が好ましい。また、射出成形後、必要な部分は機械加工してもよい。
本発明の滑り軸受では、軸受面と相手材となる回転軸との摺動部にグリースを介在させることが好ましい。摺動部にグリース介在させることで、低トルク化が図れ、摩耗も抑制でき、性能寿命を大幅に長くする。グリースとしては、低トルク化できれば特に限定するものではなく、通常、滑り軸受に用いられるグリースを用いることができる。画像形成装置における定着部の定着ローラや加圧ローラなどのヒートローラを支持する滑り軸受には、150℃以上の耐熱性が必要となる。このような条件下では耐熱性が高いフッ素グリース、ウレアグリースを用いることが好ましい。また、滑り軸受に導電性が必要な場合は、導電性カーボンなどを配合した導電性グリースを用いる。
実施例および比較例の滑り軸受の製造に用いた樹脂組成物を表1に示す。表1の樹脂組成物を用いて、実施例では図1に示す形状の滑り軸受を、比較例では図4に示す形状の滑り軸受を、それぞれ射出成形により製作した。図4に示す滑り軸受21は、軸受本体22における軸受面23が回転軸の外周面に沿った一部円筒面(円弧面)である。製作した滑り軸受にフッ素グリースを塗布し、ラジアル型試験機により、滑り軸受の軸受面と回転軸の外周面とが摺動する態様で摩擦摩耗試験を実施した。試験条件は、速度250mm/s、荷重16Kgf(図4の滑り軸受で面圧に換算すると1.3MPa)、時間50hr、温度150℃である。回転軸の材質はA5052とした。動摩擦係数と比摩耗量とを算出した結果を表1に示す。また、四探針法(JIS K7194)により測定した体積抵抗率を表1に示す。
Figure 2017096482
実施例1および比較例1は、同一組成の樹脂組成物であるが、本発明の形状を用いた実施例1のほうが低摩擦(低トルク)であり、また耐摩耗性も優れる結果であった。
本発明の滑り軸受は、軸受面と回転軸との接触面積を低減でき、グリースの供給性や保持性にも優れ、低トルクであるので、複写機、複合機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置における定着部の定着ローラや加圧ローラなどのローラの回転軸を支持する滑り軸受として好適に利用できる。
1 滑り軸受
2 軸受本体
3 軸受面
4 回転軸
6 定着ローラ
7 加圧ローラ
8 剥離部材
9 トナー
10 用紙
11 バネ
12 線接触部
13 空間部分

Claims (6)

  1. 回転軸の外周面に接触する軸受面を備え、前記回転軸の軸線に対して直角方向の荷重が負荷される滑り軸受であって、
    前記滑り軸受の軸受面が、2つの略平面からなり、前記回転軸が前記2つの略平面それぞれに1箇所で線接触することを特徴とする滑り軸受。
  2. 前記滑り軸受が、ポリフェニレンサルファイド樹脂、芳香族ポリエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリシアノアリールエーテル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、およびポリエーテルスルフォン樹脂から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂をベース樹脂とし、これにポリテトラフルオロエチレン樹脂およびリン酸リチウムを含有する樹脂組成物の成形体であることを特徴とする請求項1記載の滑り軸受。
  3. 前記樹脂組成物が、カーボンブラックおよびカーボンナノチューブから選ばれる少なくとも1つを含有する導電性の樹脂組成物であることを特徴とする請求項2記載の滑り軸受。
  4. 前記軸受面を構成する2つの略平面のなす角度が120°〜160°であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の滑り軸受。
  5. 前記軸受面と前記回転軸との摺動部にグリースが介在していることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の滑り軸受。
  6. 前記滑り軸受が、画像形成装置における定着ローラまたは加圧ローラの回転軸を支持する軸受であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の滑り軸受。
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