JP2014035013A - 滑り軸受 - Google Patents

滑り軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2014035013A
JP2014035013A JP2012175866A JP2012175866A JP2014035013A JP 2014035013 A JP2014035013 A JP 2014035013A JP 2012175866 A JP2012175866 A JP 2012175866A JP 2012175866 A JP2012175866 A JP 2012175866A JP 2014035013 A JP2014035013 A JP 2014035013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
sliding bearing
sliding
bearing
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012175866A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6317057B2 (ja
Inventor
Fuminori Satoji
文規 里路
Noriyoshi Yoshizuka
則義 吉塚
Katsuo Shibahara
克夫 柴原
Eiichiro Shimazu
英一郎 島津
Takuya Ishii
卓哉 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2012175866A priority Critical patent/JP6317057B2/ja
Publication of JP2014035013A publication Critical patent/JP2014035013A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6317057B2 publication Critical patent/JP6317057B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】低摩擦係数を維持しつつ高PV値に対応可能であり、かつ生産性にも優れる滑り軸受を提供する。
【解決手段】金属製基材からなる軸受外周部2と、この摺動面となる表面に樹脂材料を用いて射出成形により一体に成形された樹脂層3とを有する滑り軸受1であって、上記樹脂材料が、射出成形可能なポリエチレン樹脂(A)を主成分とし、非射出成形性の超高分子量ポリエチレン樹脂(B)を含む材料であり、上記樹脂材料において、上記超高分子量ポリエチレン樹脂(B)が、ポリエチレン樹脂(A)と超高分子量ポリエチレン樹脂(B)との合計質量に対して5〜30質量%含まれる。
【選択図】図1

Description

本発明は滑り軸受に関し、特に、金属製基材の摺動面にポリエチレン樹脂を主成分とする樹脂層が射出成形で形成された滑り軸受に関する。
事務機器、医療器具、食品機械、その他の一般機械に使用する滑り軸受として、焼結金属などの基材の摺動面に樹脂層を形成したものが提案されている。例えば、軸受外周部として焼結金属を用い、この軸受外周部の摺動部に樹脂材料をインサート成形して樹脂層を形成するとともに、この軸受外周部の表面のうち、少なくとも上記樹脂層と接触する軸受外周部の表面部分に細かい凹部を設け、上記樹脂層における(樹脂材料の線膨張係数)×(樹脂層の肉厚)を0.15以下とし、上記凹部が占める見かけ面積の合計を、上記樹脂層と接触する軸受外周部の表面部分の面積の25〜95%とした高精度滑り軸受が知られている(特許文献1参照)。この高精度滑り軸受は、樹脂層の温度変化による寸法変化が抑えられるため、高精度を有しつつ潤滑性に優れる。また、摺動部に樹脂層を形成させるので、軟質相手材を攻撃することや、異音の発生を抑える。さらに、樹脂層が細かい凹部に入り込むので、アンカー効果によって、軸受外周部と樹脂層との密着性が向上するなどの特徴がある。
また、射出成形時のゲート痕による軸受性能の低下を防止するため、同様の構成を有する滑り軸受において、摺動面に複数の溝を有し、該溝の底部位置にゲート位置を設定したトンネルゲートにより樹脂層を形成した軸受が知られている(特許文献2参照)。
これらの滑り軸受は、主に転がり軸受の代替として開発されており、低摩擦係数とするために、使用温度条件が比較的低い部位に使用する場合、樹脂層のベース樹脂としてポリエチレン(以下、「PE」と記す)樹脂が用いられることが多い。PE樹脂は、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」と記す)樹脂などをベース樹脂として採用する場合と比較して低摩擦係数を得ることができる。
特開2003−239976号公報 特許第4515824号
上記の事務機器においては、近年において、高機能化、省エネルギー化、コンパクト化が求められているため、滑り軸受の仕様条件(面圧(荷重)や滑り速度)は更に厳しくなっている。また、滑り軸受を転がり軸受の代替として用いる場合、その代替可能範囲は、滑り軸受の対応し得るPV値(面圧(P)と滑り速度(V)を乗じたもの)に大きく依存し、5MPa・m/min.をこえる程度で約20%、15MPa・m/min.以上で約85%の代替が可能となる。
このような背景より、これら機器における転がり軸受代替の滑り軸受としては、低摩擦係数を維持しつつ、高PV値に対応し得ることが求められている。樹脂製滑り軸受の摩擦摩耗特性を改善する一般的な方法として、PTFE樹脂粉末、黒鉛粉末、二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤を配合する方法があるが、ベース樹脂をPE樹脂以外とする場合では、動摩擦係数μを0.1程度以下にすることは困難である。
また、特許文献1や2の構造の滑り軸受において、樹脂層のベース樹脂として射出成形可能な高分子量PE樹脂を用いる場合、低摩擦係数の維持は図れるものの、高PV値(例えば、5MPa・m/min.をこえる場合)となる条件では、十分な耐摩耗性が得られないおそれがある。一方、平均分子量が100万をこえるような非射出成形性の超高分子量ポリエチレン(以下、「UHMWPE」と記す)樹脂をベース樹脂として用いる場合、インサート射出成形ができず、生産性に劣る。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、低摩擦係数を維持しつつ高PV値に対応可能であり、かつ生産性にも優れる滑り軸受を提供することを目的とする。
本発明の滑り軸受は、金属製基材と、この基材の摺動面となる表面に樹脂材料を用いて射出成形により一体に成形された樹脂層とを有する滑り軸受であって、上記樹脂材料が、射出成形可能なPE樹脂(A)を主成分とし、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)を含む材料であり、上記樹脂材料において、上記UHMWPE樹脂(B)が、上記PE樹脂(A)と上記UHMWPE樹脂(B)との合計質量に対して5〜30質量%含まれることを特徴とする。特に、上記滑り軸受は、面圧(P)と滑り速度(V)を乗じたPV値が、5MPa・m/min.をこえる条件で使用される軸受であることを特徴とする。
上記UHMWPE樹脂(B)の重量平均分子量が100万〜400万であることを特徴とする。また、上記射出成形可能なPE樹脂(A)は、JIS K 7210に基づき、荷重10kg、190℃で測定したときのMFRが1〜30g/10分であることを特徴とする。
上記樹脂材料において、上記UHMWPE樹脂(B)は平均粒子径10〜200μmの粉末状で配合されることを特徴とする。なお、この平均粒子径は、レーザ回析法による測定値である。
上記樹脂材料は、多孔質シリカとシリコーン油とを含み、上記多孔質シリカに予め上記シリコーン油を含浸した状態で配合されることを特徴とする。また、上記樹脂材料において、上記多孔質シリカおよび上記シリコーン油が、これらの合計質量で樹脂材料全体に対して25〜50質量%含まれる。
上記樹脂層の肉厚が、0.1〜0.5mmであることを特徴とする。また、上記金属製基材が、焼結金属製基材であることを特徴とする。
上記滑り軸受は、80℃以下の温度雰囲気で使用されることを特徴とする。
本発明の滑り軸受は、金属製基材と、この基材の摺動面となる表面に樹脂材料を用いて射出成形により一体に成形された樹脂層とを有し、上記樹脂材料が、射出成形可能なPE樹脂(A)を主成分とし、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)を含む材料であり、該樹脂材料において、UHMWPE樹脂(B)が、PE樹脂(A)とUHMWPE樹脂(B)との合計質量に対して5〜30質量%含まれるので、樹脂層をインサート射出成形可能であり、生産性に優れ、また、高PV値において低摩擦であり耐摩耗性にも優れる。さらに、上記樹脂材料は、多孔質シリカとシリコーン油とを含み、上記多孔質シリカに予めシリコーン油を含浸した状態で配合されるので、長期間にわたり低摩擦を維持できる。これらの結果、本発明の滑り軸受は、多くの用途における転がり軸受の代替品として好適に利用できる。
本発明の滑り軸受の一例を示す斜視図および断面図である。 軸受外周部に形成される樹脂層の構造の態様を示す断面図である。 PV値と摩耗係数との関係を示す図である。
本発明の滑り軸受は、金属製基材と、この基材の摺動面となる表面に樹脂材料を用いて射出成形により一体に成形(インサート成形)された樹脂層とを有するものであり、この樹脂層を形成する樹脂材料が、射出成形可能なPE樹脂(A)を主成分とし、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)を所定量含む材料である。
樹脂材料の主成分となるPE樹脂(A)としては、射出成形可能なPE樹脂あればよい。射出成形条件としては、例えば、成形温度200℃〜270℃、射出圧力100〜160MPaで射出成形可能なものであればよい。また、耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性、耐薬品性、水の比重より軽いという軽量性、低吸水性による寸法安定性などの各諸特性に優れる高密度、高分子量化PE樹脂が好ましい。例えば、密度(ASTM D 1505)が942kg/m以上である高密度PE樹脂が好ましく、高密度PE樹脂の密度の上限値は1000kg/m未満、厳密には980kg/m以下である。
PE樹脂(A)のMFR(メルトフローレイト:JIS K 7210(190℃、10kgf))としては、1〜30g/10分が好ましく、1〜15g/10分がより好ましく、2〜6g/10分が特に好ましい。重量平均分子量としては、100万未満であり、好ましくは25万〜95万程度である。また、構造としては、直鎖状のものや、メチル基の分岐を含む分岐状のものであってもよい。なお、(A)成分のPE樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明に使用できるPE樹脂(A)の市販品としては、三井化学社製の商品名リュブマーL3000(密度:969kg/m、MFR:15g/10分)、同L4000(密度:967kg/m、MFR:6g/10分)、同L5000(密度:966kg/m、MFR:2g/10分)などが挙げられる。
樹脂材料に配合するUHMWPE樹脂(B)は、非射出成形性のUHMWPE樹脂である。UHMWPE樹脂は、PE樹脂の通常2万〜30万の分子量を、50万〜1100万程度までに高めた樹脂であり、低摩擦特性を有する。また、UHMWPE樹脂は、高分子量であるため耐摩耗性が良好である。しかし、UHMWPE樹脂の中でも特に分子量が100万以上のものは、溶融時の粘度が極めて高く、ほとんど流動しないため、これをベース樹脂として通常の射出成形法によって成形することはできず、通常、加熱圧縮成形やラム押出し成形によって素材を成形した後、機械加工によって所望の形状に加工される。このような非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)は、射出成形可能なPE樹脂(A)よりも低摩擦特性であり耐摩耗性にも優れている。この非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)は、PE樹脂(A)よりも高分子量であることが好ましい。
非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)の重量平均分子量は、100万〜400万であることが好ましい。100万未満のUHMWPE樹脂粉末では、耐摩耗性の向上効果が乏しい。400万をこえると、薄肉成形性を阻害する。
樹脂材料において、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)が、PE樹脂(A)と非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)との合計質量(A+B)に対して5〜30質量%含まれる。5質量%未満であると、耐摩耗性の向上効果が乏しく、5MPa・m/min.をこえるようなPV値での使用に際して、耐摩耗性に劣るおそれがある。一方、30質量%をこえると、射出成形性を阻害するおそれがある。好ましくは8〜30質量%であり、より好ましくは14〜30質量%である。
本発明では、UHMWPE樹脂の中でも、特に非射出成形性のUHMWPE樹脂を、樹脂層の主成分ではなく、耐摩耗性向上を図るための充填材として用いている。非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)とPE樹脂(A)とは、いずれも−CH−CH−単位を含む主鎖を有する同種の樹脂であり、相溶性に優れている。射出成形に際しての溶融混練により、PE樹脂(A)の中に、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)が完全または一部相溶した状態で分散している。
樹脂材料の射出成形に際しての溶融混練時において、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)は平均粒子径10〜200μmの粉末状で配合される。好ましくは、平均粒子径10〜50μmの粉末状である。微細粉末状で配合することで、樹脂層の薄肉成形性を阻害せず、また、相溶性にも優れ耐摩耗性を向上させやすい。また、平均粒子径の異なる2種類以上のUHMWPE樹脂(B)の粉末を配合することもできる。さらに、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)の粉末形状は、混練性に優れることから、球状が好ましい。なお、平均粒子径は、レーザ回析法による測定値である。
本発明に使用できる非射出成形性のUHMWPE樹脂粉末(B)の市販品としては、三井化学社製の商品名ミペロン(球状、重量平均分子量:200万、密度:940kg/m、平均粒子径25〜30μm)、三井化学社製の商品名ハイゼックスミリオン(重量平均分子量:115万〜400万、密度:935〜940kg/m、平均粒子径:120〜160μm)などが挙げられる。
滑り軸受の樹脂層を形成する樹脂材料は、射出成形可能なPE樹脂(A)、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)に加えて、連通孔を有する充填材である多孔質シリカ(C)と、潤滑剤(D)とを配合することが好ましい。さらに、固体潤滑剤(E)を配合することもできる。
多孔質シリカ(C)としては、非晶質の二酸化ケイ素を主成分とする粉末が使用できる。例えば、一次粒子径が15nm以上の微粒子の集合体である沈降性シリカや、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含有したケイ酸アルカリ水溶液を有機溶媒中で乳化し、二酸化炭素でゲル化させることにより得られる真球状多孔質シリカなどが挙げられる。本発明においては、粒子径が3〜8nmの一次微粒子が集合して真球状シリカ粒子を形成した多孔質シリカが、連通孔を有しているため特に好ましい。この真球状シリカ粒子の平均粒子径は、0.5〜100μmが好ましく、取扱い易さや摺動性を考慮した場合は、1〜20μmが特に好ましい。このような真球状多孔質シリカとしては、AGCエスアイテック社製の商品名サンスフェアが挙げられる。
粒子径が3〜8nmの一次微粒子が集合した真球状シリカ粒子は、比表面積が200〜900m/g、好ましくは300〜800m/g、細孔容積が1〜3.5ml/g、細孔径が5〜30nm、好ましくは20〜30nm、吸油量が150〜400ml/100g、好ましくは300〜400ml/100gの特性を有することが好ましい。また、水に浸漬した後に再度乾燥しても、上記細孔容積および吸油量が浸漬前の90%以上を保つことが好ましい。なお、上記の比表面積および細孔容積は窒素吸着法により、吸油量はJIS K5101に準じて測定した値である。
また、真球状シリカ粒子の内部と外表面は、シラノール(Si−OH)で覆われていることが、潤滑油などを内部に保持しやすくなるため好ましい。さらに、多孔質シリカは、母材に適した有機系、無機系の表面処理を行なうことができる。上記多孔質シリカは、粒子の形状は特に限定されず、平均粒子径、比表面積、吸油量などが上記真球状シリカ粒子の範囲内であれば、非球状多孔質シリカであっても使用できる。なお、相手材への攻撃性や混練性の観点から、球状、真球状の粒子がより好ましい。なお、ここで、球状とは、長径に対する短径の比が0.8〜1.0の球をいい、真球状とは、上記球状よりもっと真球に近い球をいう。
潤滑剤(D)としては、常温で液体の潤滑油、イオン性液体、あるいは潤滑油に増ちょう剤を含んだグリースなど、潤滑効果を有する物質であれば使用できる。
潤滑油としては、軸受用として汎用されているものであれば使用でき、例えば、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油等の鉱油、ポリブテン、ポリ-α-オレフィン、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂とポリオールとのエステル油、リン酸エステル、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、アルキルベンゼン、フッ素化油等の非炭化水素系合成油が挙げられる。また、グリースとしては、これらの潤滑油を基油とし、金属石けん、複合金属石けんなどの石けん系増ちょう剤、または、ベントン、シリカゲル、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物などの非石けん系増ちょう剤を用いたグリースが挙げられる。その他、固体ワックスを配合してもよい。
本発明の滑り軸受では、低摩擦が求められることから、潤滑剤(D)として上記の中でもシリコーン油を用いることが好ましい。シリコーン油は、上述の多孔質シリカ表面に残存するシラノール基と親和性がある。シリコーン油としては、官能基を有さないシリコーン油、官能基を有するシリコーン油のいずれも使用できる。
樹脂材料に、多孔質シリカ(C)と潤滑剤(D)とを配合する場合、混練順序は特に限定しないが、多孔質シリカと潤滑剤とを予め混練し、多孔質シリカに潤滑剤を含浸させた後で他の材料と混練することが好ましい。なお、ベース樹脂と多孔質シリカを混練し成形体とした後、潤滑剤を含浸する方法も可能である。また、多孔質シリカは吸湿や吸水しやすいので、混練前に乾燥することが好ましい。乾燥手段としては特に制限なく、電気炉での乾燥、真空乾燥などを採用できる。潤滑油を十分に多孔質シリカ内に保持でき、混練性にも優れることから、多孔質シリカに予めシリコーン油などを含浸した含油多孔質シリカの状態で他の材料に配合することが好ましい。
樹脂材料において、多孔質シリカ(C)とシリコーン油などの潤滑剤(D)とは、合計質量(C+D)で樹脂材料全体に対して25〜50質量%含まれることが好ましい。より好ましくは、25〜45質量%であり、さらに好ましくは、30〜40質量%、最も好ましくは35〜40質量%である。なお、内訳として、質量換算で(C):(D)=1:3程度とすることが好ましい。含油多孔質シリカを樹脂材料全体に対して25〜50質量%配合することで、潤滑油の供給性に優れ、優れた摩擦摩耗特性を持続できる。
また、上記潤滑油を焼結金属製基材からなる軸受外周部に含浸し、上記連通孔構造を有する樹脂層を介して摺動面に滲出させて潤滑させることも可能である。
固体潤滑剤(E)としては、PTFE樹脂、黒鉛、二硫化モリブデン、窒化硼素、二硫化タングステンなどが使用できる。
PTFE樹脂(粉末)は、懸濁重合法によるモールディングパウダー、乳化重合法によるファインパウダー、加熱焼成されたPTFE樹脂粉末のいずれであってもよいが、加熱焼成されたPTFE樹脂粉末を採用することが好ましい。これは、加熱焼成されていないモールディングパウダー、ファインパウダーは、低摩擦特性ではあるが、均一分散性、耐摩耗性に劣るからである。加熱焼成されたPTFE樹脂粉末は、モールディングパウダーまたはファインパウダーを加熱焼成(素材成形、熱処理)後に粉砕した粉末、また、この粉末にさらにγ線または電子線などを照射した粉末であってもよい。なお、PTFE樹脂粉末の粒子径は特に限定しないが、安定した低摩擦特性を得るためには、平均粒子径が5〜30μmであることが好ましい。
その他、滑り軸受の樹脂層を形成する樹脂材料には、摩擦摩耗特性を改善するために、また、線膨張係数を小さくするために、適当な充填材を添加することができる。例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、金属繊維等の繊維類やこれらを布状に編んだもの、炭酸カルシウムやタルク、シリカ、クレー、マイカ等の鉱物類、硼酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー等の無機ウィスカー類、ポリイミド樹脂やポリベンゾイミダゾール等の各種耐熱性樹脂等が挙げられる。なお、軟質相手材を攻撃するおそれがある場合には、繊維状充填材は配合しない。さらに、この発明の効果を阻害しない配合量で公知の添加剤を併用してもよい。例えば、帯電防止剤(カーボンナノ繊維、カーボンブラック、黒鉛など)、離型剤、難燃剤、耐候性改良剤、酸化防止剤、顔料などの添加剤を適宜添加してもよく、これらを添加する方法も特に限定されるものではない。
本発明の滑り軸受において、樹脂層を形成する樹脂材料として最も好ましい組成は、射出成形可能なPE樹脂(A)、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)、多孔質シリカ(C)、シリコーン油などの潤滑剤(D)の実質的に4成分からなる組成である。この場合、多孔質シリカ(C)とシリコーン油などの潤滑剤(D)とを、合計質量(C+D)で樹脂材料全体に対して25〜50質量%とする場合、PE樹脂(A)とUHMWPE樹脂(B)との合計質量(A+B)は、樹脂材料全体に対して、50〜75質量%となる。
滑り軸受の樹脂層を形成する樹脂材料において、諸原材料を混合し、混練する手段は、特に限定するものではなく、ヘンシェルミキサー、ボールミキサー、リボンブレンダー、レディゲミキサーなどにて混合し、さらに二軸押出し機などの溶融押出し機にて溶融混練し、成形用ペレットを得ることができる。また、充填材の一部材料の投入は、二軸押出し機などで溶融混練する際にサイドフィードを採用してもよい。この成形用ペレットを用い、金属製基材に対して樹脂層をインサート成形により射出成形する。射出成形を採用することで、精密成形性および生産性などに優れる。また、物性改善のためにアニール処理などの処理を採用してもよい。
樹脂材料の樹脂母材としてPE樹脂(A)を用いるのみでは、シリコーン油を含浸した多孔質シリカを配合する場合でも、PV値が3MPa・m/min.程度までの条件で使用できるに留まり、これをこえるPV値では大幅に耐摩耗性が悪化していくおそれがあった。これに対して、PE樹脂(A)の一部を所定配合範囲で非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)に置換して配合することで、高PV値での耐摩耗性を著しく向上させることができた。特に、PE樹脂(A)として三井化学社製の商品名リュブマーL5000を、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)として三井化学社製の商品名ミペロンXM220を採用し、これらを所定配合範囲で含み、シリコーン油を含浸した多孔質シリカを配合することで、15MPa・m/min.以上の高PV値でも優れた耐摩耗性を発揮し得る滑り軸受を得ることができた(後述の実施例参照)。この結果、本発明の滑り軸受は、多くの用途における転がり軸受の代替品として好適に利用できる。
本発明の滑り軸受を図1により説明する。図1(a)は滑り軸受の斜視図を、図1(b)はA−A断面図をそれぞれ示す。滑り軸受1は、軸受外周部2が焼結金属製基材で形成され、この軸受外周部2の摺動部となる内周側に、上述の樹脂材料(成形用ペレット)を用いて樹脂層3がトンネルゲートを経てインサート成形されている。この樹脂層3は、軸受摺動面に複数の溝4を有し、該溝4の底部位置にゲート痕5が形成されている。図1(a)において、この複数の溝4は円筒状軸受のラジアル摺動面に軸方向溝4A、4Bとして形成され、軸方向溝4Aの底部位置にゲート痕5が形成され、軸方向溝4Bにはゲート痕5が形成されていない。また、複数の溝4は、円筒状軸受のラジアル摺動面、スラスト摺動面、またはラジアル摺動面およびスラスト摺動面の両方に設けることができる。
トンネルゲートを経たインサート成形は、公知の金型構造を用いて行なうことができる。トンネルゲート痕が溝の底部位置に形成されるので、成形工程におけるゲート処理が必要なく、高精度を有しつつ、大量生産が可能となる。
複数の軸方向溝4は、トンネルゲート痕を有する溝4Aと、トンネルゲート痕を有さない溝4Bとから構成される。また、溝4Aの両側から溝4Bに至る軸受摺動面上の距離が等しくなるように配置されている。好ましくは溝Aと溝Bとが等間隔で同数形成される。この配置とすることにより、射出成形時のウエルド部が溝B内に形成される。さらに、溝4に摩耗粉を捕捉し、異常摩耗の発生を抑制することができる。
軸受外周部2は、滑り軸受の外周部を構成する筒状の部材であり、摺動部を有する部材である。この摺動部とは、ラジアル方向の荷重を支持するための内径側摺動部をいい、また、スラスト方向にも荷重を支持する場合には、上記の内部摺動部だけでなく、端面摺動部も含む。
軸受外周部2を構成する焼結金属製基材の材質は、Fe系焼結金属、Cu系焼結金属、Fe−Cu系焼結金属が挙げられ、成分としてC、Zn、Snを含んでもよい。また、成形性や離型性を向上させるためバインダーを少量添加してもよい。さらに、アルミニウム系でCu、Mg、Siを配合した材料や金属−合成樹脂で鉄粉をエポキシ系の合成樹脂で結合させた材料でもよい。さらにまた、樹脂層との密着性を向上させるため、成形を阻害しない程度であれば、表面処理を施す、または、接着剤を介在させることも可能である。
高い寸法精度および回転精度と共に、機械的強度および耐久性に優れた滑り軸受を得る場合にはFe系焼結金属が好ましい。ここで、「Fe系」とはFeの含有量が質量比で90%以上であることを意味する。この条件を満たす限り、Cu、Sn、Zn、Cなどの他の成分を含有していてもよい。また、「Fe」にはステンレスも含まれる。Fe系焼結金属は、例えば、Feを上記の含有量配合した原料金属粉末(成形性や離型性を向上させるためバインダーを少量添加してもよい)を所定形状に成形し、脱脂し、焼成して得られた焼結体に、必要に応じてサイジングなどの後処理を施して形成できる。焼結金属の内部には多孔質組織による多数の内部細孔があり、また、その表面には内部細孔が外部に開口して形成された多数の表面開孔がある。内部細孔には、例えば真空含浸によって上述の潤滑油を含浸させることができる。
焼結金属製基材からなる軸受外周部2の摺動部には樹脂層3がインサート成形され、軸部材と摺動する軸受面を形成する。成形時、樹脂層を形成する溶融樹脂が表面開孔から表層部の内部細孔に入り込んで固化するため、樹脂層は一種のアンカー固化によって母体表面に強固に密着する。そのため、軸部材との摺動による樹脂層の剥離、脱落が生じにくく、高い耐久性が得られる。
焼結金属製基材からなる樹脂層が形成される表面の表面開孔率は20〜50%とするのが好ましい。表面開孔率が20%未満であると、樹脂層に対するアンカー効果が十分に得られず、表面開孔率が50%をこえると寸法精度および機械的強度を保持できなくなる場合がある。なお、「表面開孔率」とは表面の単位面積当りに占める表面開孔の総面積の割合(面積比)である。
また、軸受外周部2は、溶製金属製基材で形成してもよい。溶製金属材質としては、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、または銅合金であることが好ましい。鉄としては一般構造用炭素鋼(SS400など)、軟鋼(SPCC、SPCEなど)、ステンレス鋼(SUS304、SUS316など)などが挙げられ、これら鉄に亜鉛、ニッケル、銅などのめっきを施してもよい。アルミニウムとしてはA1100、A1050、アルミニウム合金としてはA2017、A5052(アルマイト処理品も含む)、銅としてはC1100、銅合金としてはC2700、C2801などがそれぞれ挙げられる。
軸受外周部2を溶製金属製基材とする場合、インサート成形時の樹脂層との密着性を高めるために、接合面をショットブラスト、タンブラー、機械加工などにより、凹凸形状に荒らす(例えば、Ra4μm以上)ことが好ましい。また、酸性溶液処理(硫酸、硝酸、塩酸など、もしくは他の溶液との混合)、アルカリ性溶液処理(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、もしくは他の溶液との混合)などの化学表面処理を施し、接合面に微細凹凸形状を形成することが好ましい。化学表面処理により形成された微細凹凸形状は、多孔質のような複雑な立体構造となっているため、アンカー効果を発揮しやすく、強固な密着が可能となる。
樹脂層における、(樹脂材料の線膨張係数(単位:1/℃)×(樹脂層の肉厚(単位:μm))は、0.15以下がよく、0.13以下が好ましく、0.10以下がさらに好ましい。上記値が0.15より大きい場合、樹脂層の肉厚または膨張も大きくなる。このとき、樹脂層の外径側は金属製基材で拘束されていることから、金属の膨張分以上は膨張できず、内径側へ膨張し、内径寸法が小さくなる。その結果、軸との隙間が減少し、初期の隙間設定によっては、温度上昇により軸へのダキツキが発生する可能性がある。また、過度の隙間の変動は、トルク変動を引き起こすため好ましくなく、回転精度の点からは隙間は小さいほうが好ましい。また、吸水による寸法変化も大きくなり、過度の隙間の変動が生じる場合がある。
また、成形が可能である樹脂層の肉厚は、50μm程度であり、これより薄いと形成が困難となる。従って、樹脂膨張係数×肉厚は0.003以上が必要であり、好ましくは0.01以上、さらに好ましくは0.015以上必要である。
樹脂層の肉厚は、0.1〜0.5mm(100〜500μm)に設定することが好ましい。なお、本発明における「樹脂層の肉厚」は、金属製基材に入り込まない表面部分の厚さ(径方向の厚さ)である。樹脂層の肉厚が0.1mm未満では、長期使用時の耐久性に劣るおそれがある。一方、樹脂層の厚さが0.5mmをこえると、ヒケが発生し寸法精度が低下するおそれがある。また、摩擦による熱が摩擦面から金属製基材に逃げ難く、摩擦面温度が高くなる。さらに、荷重による変形量が大きくなるとともに、摩擦面における真実接触面積も大きくなり、摩擦力、摩擦発熱が高くなるおそれがある。
本発明の滑り軸受の形状としては、ラジアル型、平板型、フランジ付きブッシュなど、摺動部の形状に合わせて最適な軸受形状を選択することができる。また、図1では、軸受摺動面に複数の溝を有する態様を説明したが、これに限定されず、該溝を形成しない態様であってもよい。
また、樹脂層の軸受外周部へインサート成形する箇所は、軸受外周部の摺動部であれば特に限定されない。例えば、図2(a)〜(e)に示すような場合が挙げられる。図2(a)(e)は、ラジアル方向への荷重を支持するため、軸受外周部2の内径側ラジアル摺動面に樹脂層3を形成したものである。図2(b)(c)(d)は、ラジアル方向およびスラスト方向への荷重を支持するため、軸受外周部2の内径側ラジアル摺動面およびスラスト摺動面に樹脂層3を形成したものである。なお、図示しないが、必要に応じて、軸受の外径部に樹脂層を付与することも可能である。なお、図2(c)(e)に示すように、軸受外周部と樹脂層とが剥がれないような引っ掛け部を有する樹脂層の形状を採用してもよい。
本発明の滑り軸受は、高精度であり、摺動特性(低摩擦、低摩耗)に優れており、アルミ軸などの軟質相手材を攻撃せず、さらに異音の発生も抑制できる。このため、複写機やプリンターなどの事務機器の現像部、感光部、転写部などにおける回転部品の回転軸を支持する軸受として使用できる。なお、PE樹脂を主成分とすることから、主に80℃以下の温度雰囲気において好適に利用できる。
また、15MPa・m/min.以上の高PV値での使用も可能であることから、従来は、転がり軸受で対応していた荷重、速度で使用される部位についても、該転がり軸受に置き換えて使用できる。
実施例および比較例の滑り軸受を、以下の材料および成形方法により製造し、樹脂層の成形が可能であったものについて所定の摩擦摩耗試験を行なった。
1.樹脂材料
ベース樹脂;
(A)射出成形可能なPE樹脂[三井化学社製の商品名リュブマーL5000](密度(ASTM D 1505):966kg/m、MFR(JIS K 7210(190℃、10kgf)):2g/10分)
充填剤;
(B)非射出成形性のUHMWPE樹脂[三井化学社製の商品名ミペロンXM220](重量平均分子量:200万、平均粒子径(レーザ回析法):30μm、嵩比重(ASTM D 1895):400kg/m、ショア硬度(ASTM D3418):65D、球状粒子)
(C)多孔質シリカ[AGCエスアイテック社製の商品名サンスフェアH53]
(D)シリコーン油[信越化学工業社製の商品名KF−96H]
多孔質シリカとシリコーン油との混合比を1:3(質量換算)とする混合物(含油多孔質シリカ)を得て、樹脂材料全体に対してこの混合物を39質量%、射出成形可能なPE樹脂をX質量%、非射出成形性のUHMWPE樹脂をY質量%配合したものを2軸押し出し装置で溶融混練し、成形用ペレットを作成した。ここで、(X質量%+Y質量%)=61質量%であり、詳細は表2による。
2.焼結金属製基材からなる外環(焼結外環)
サイズ:φ8.5mm(内径)、φ16mm(外径)、5mm(高さ)
成分:銅(0.5〜2.5質量%)、その他(3質量%以下)、鉄(残量)
製造工程:材料粉末ブレンド、フォーミング、シンタリング、サイジング、防錆・乾燥
3.インサート成形条件
金型内に上記形状の焼結外環を挿入し、上記で得られた成形用ペレットを用いてトンネルゲートを経て、下記条件でインサート成形を行なった。なお、樹脂層の厚みは0.25mmである。
完成品サイズ:φ8mm(内径)、φ16mm(外径)、5mm(高さ)
金型温度:120℃
成形温度:250℃
射出圧力:100〜140MPa
4.摩擦摩耗試験
下記表1の条件で摩擦摩耗試験を行なった。相手材軸と滑り軸受の隙間は、20μm(20℃で測定)とした。また、摩耗係数は下記式により算出した。摩擦摩耗試験の結果を表2に示す。
Figure 2014035013
摩耗係数
k=δ/(F×D)
k:摩耗係数 mm/(N×m) 定義:単位仕事量当たりの真円度増加量
F:ラジアル荷重 N
D:総滑り距離 m
δ:摩耗量(真円度の増加量) mm δ=δ1−δ0
δ0:試験前の供試軸受の内径2断面真円度(半径法)の平均値
δ1:試験後の供試軸受の内径2断面真円度(半径法)の平均値
Figure 2014035013
表2に示すように、PE樹脂に非射出成形性のUHMWPE樹脂を所定範囲で含む各実施例は、射出成形可能であり、PV値5、15MPa・m/minのいずれにおいても、低摩擦係数であり、かつ、耐摩耗性にも優れることが分かる。
また、比較例3として、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B)を含まず、射出成形可能なPE樹脂(A)を樹脂材料全体に対して61質量%とする以外は、実施例1と同じ条件で滑り軸受を製造した。この比較例3と、実施例2について、上記摩擦摩耗試験を複数回行ない、PV値と上記摩耗係数との関係を調べた。結果を表3および図3に示す。なお、図3は、表3のデータについて、PV値を横軸に、摩耗係数を縦軸にしてプロットした図である。
Figure 2014035013
表3および図3に示すように、非射出成形性のUHMWPE樹脂をまったく含まない比較例3は、PV値が3MPa・m/minこえると、大幅に耐摩耗性が悪化していくことが分かる。また、高PV値では、測定毎の摩耗係数のバラつきも大きくなっている。これに対して、非射出成形性のUHMWPE樹脂を一部含む実施例2では、PV値5、10、15MPa・m/minのいずれにおいても、耐摩耗性に優れ、また、そのバラつきも小さいことが分かる。
本発明の滑り軸受は、低摩擦係数を維持しつつ高PV値に対応可能であり、かつ生産性にも優れるので、特に事務機器における転がり軸受の代替品として好適に利用できる。
1 滑り軸受
2 軸受外周部
3 樹脂層
4 溝
5 ゲート痕

Claims (10)

  1. 金属製基材と、この基材の摺動面となる表面に樹脂材料を用いて射出成形により一体に成形された樹脂層とを有する滑り軸受であって、
    前記樹脂材料が、射出成形可能なポリエチレン樹脂(A)を主成分とし、非射出成形性の超高分子量ポリエチレン樹脂(B)を含む材料であり、
    前記樹脂材料において、前記超高分子量ポリエチレン樹脂(B)が、前記ポリエチレン樹脂(A)と前記超高分子量ポリエチレン樹脂(B)との合計質量に対して5〜30質量%含まれることを特徴とする滑り軸受。
  2. 前記滑り軸受は、面圧(P)と滑り速度(V)を乗じたPV値が、5MPa・m/min.をこえる条件で使用される軸受であることを特徴とする請求項1記載の滑り軸受。
  3. 前記超高分子量ポリエチレン樹脂(B)の重量平均分子量が100万〜400万であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の滑り軸受。
  4. 前記射出成形可能なポリエチレン樹脂(A)は、JIS K 7210に基づき、荷重10kg、190℃で測定したときのMFRが1〜30g/10分であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の滑り軸受。
  5. 前記樹脂材料において、前記超高分子量ポリエチレン樹脂(B)は平均粒子径10〜200μmの粉末状で配合されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の滑り軸受。
  6. 前記樹脂材料は、多孔質シリカとシリコーン油とを含み、前記多孔質シリカに予め前記シリコーン油を含浸した状態で配合されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の滑り軸受。
  7. 前記樹脂材料において、前記多孔質シリカおよび前記シリコーン油が、これらの合計質量で樹脂材料全体に対して25〜50質量%含まれることを特徴とする請求項6記載の滑り軸受。
  8. 前記樹脂層の肉厚が、0.1〜0.5mmであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載の滑り軸受。
  9. 前記金属製基材が、焼結金属製基材であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の滑り軸受。
  10. 前記滑り軸受は、80℃以下の温度雰囲気で使用される軸受であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項記載の滑り軸受。
JP2012175866A 2012-08-08 2012-08-08 滑り軸受 Active JP6317057B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012175866A JP6317057B2 (ja) 2012-08-08 2012-08-08 滑り軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012175866A JP6317057B2 (ja) 2012-08-08 2012-08-08 滑り軸受

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017248022A Division JP6545781B2 (ja) 2017-12-25 2017-12-25 滑り軸受

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014035013A true JP2014035013A (ja) 2014-02-24
JP6317057B2 JP6317057B2 (ja) 2018-04-25

Family

ID=50284124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012175866A Active JP6317057B2 (ja) 2012-08-08 2012-08-08 滑り軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6317057B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101664089B1 (ko) * 2015-09-08 2016-10-11 비씨태창산업(유) 고압펌프용 실링의 제조방법
JP2019035005A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 王子ホールディングス株式会社 セルロース繊維含有樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形体の製造方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6365232B2 (ja) * 1984-01-06 1988-12-15
JPH01104622A (ja) * 1987-10-19 1989-04-21 Mitsuboshi Belting Ltd 摺動特性を有する樹脂成形体の製造法
JPH02159410A (ja) * 1988-12-09 1990-06-19 Dainippon Printing Co Ltd 軸受の製造方法
JP2001173658A (ja) * 1999-12-15 2001-06-26 Oiles Ind Co Ltd 合成樹脂製スラスト軸受
JP2003239976A (ja) * 2001-12-12 2003-08-27 Ntn Corp 高精度すべり軸受
JP2006002907A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Ntn Corp 導電性高精度すべり軸受
JP2010032059A (ja) * 2001-12-12 2010-02-12 Ntn Corp 高精度すべり軸受
JP2010106257A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Ntn Corp 導電性ポリエチレン樹脂組成物、導電性ポリエチレン樹脂成形体、滑り軸受、および摺動シート
JP2011122695A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Oiles Corp 合成樹脂製スラスト滑り軸受

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6365232B2 (ja) * 1984-01-06 1988-12-15
JPH01104622A (ja) * 1987-10-19 1989-04-21 Mitsuboshi Belting Ltd 摺動特性を有する樹脂成形体の製造法
JPH02159410A (ja) * 1988-12-09 1990-06-19 Dainippon Printing Co Ltd 軸受の製造方法
JP2001173658A (ja) * 1999-12-15 2001-06-26 Oiles Ind Co Ltd 合成樹脂製スラスト軸受
JP2003239976A (ja) * 2001-12-12 2003-08-27 Ntn Corp 高精度すべり軸受
JP2010032059A (ja) * 2001-12-12 2010-02-12 Ntn Corp 高精度すべり軸受
JP2006002907A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Ntn Corp 導電性高精度すべり軸受
JP2010106257A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Ntn Corp 導電性ポリエチレン樹脂組成物、導電性ポリエチレン樹脂成形体、滑り軸受、および摺動シート
JP2011122695A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Oiles Corp 合成樹脂製スラスト滑り軸受

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101664089B1 (ko) * 2015-09-08 2016-10-11 비씨태창산업(유) 고압펌프용 실링의 제조방법
JP2019035005A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 王子ホールディングス株式会社 セルロース繊維含有樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6317057B2 (ja) 2018-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4515824B2 (ja) 高精度すべり軸受
WO2015119231A1 (ja) すべり軸受
KR101081808B1 (ko) 슬라이딩 베어링의 제조방법
KR101835911B1 (ko) 복합 미끄럼 베어링
WO2005121288A1 (ja) 摺動材料およびすべり軸受
JP2003239976A (ja) 高精度すべり軸受
JP2007051705A (ja) 高精度滑り軸受
JP2009097598A (ja) 滑り軸受およびその製造方法
JP4866411B2 (ja) 含油摺動材およびすべり軸受
JP2008174593A (ja) 摺動材組成物
WO2018062357A1 (ja) 摺動部材
JP6317057B2 (ja) 滑り軸受
JP2010032059A (ja) 高精度すべり軸受
JP2015148285A (ja) すべり軸受
JP5806363B2 (ja) 複合滑り軸受の製造方法
JP5841186B2 (ja) 複合滑り軸受
JP6545781B2 (ja) 滑り軸受
JP4310053B2 (ja) 含油摺動材およびすべり軸受
JP6199196B2 (ja) すべり軸受
JP2006250262A (ja) 精密摺動部品用すべり軸受
JP2018059085A (ja) 摺動部材およびその製造方法
JP2006009834A (ja) すべり軸受
JP2019066044A (ja) 摺動部材
JP4543742B2 (ja) 固体潤滑剤及び摺動部材
WO2019070041A1 (ja) 摺動部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160606

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170329

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170330

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20170526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180329

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6317057

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150