JP3606715B2 - 金型組立体、及び、中空部を有し且つひれ状突起部を有する成形品の成形方法 - Google Patents

金型組立体、及び、中空部を有し且つひれ状突起部を有する成形品の成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空部を有し且つひれ状突起部を有する成形品の成形方法、並びに、かかる成形品の成形方法の実施に適した金型組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙送り用ローラー部、ソーター部、カムやドラム等の一種の突起部をシャフトの外面周部に備え、そして、シャフトに中空部が設けられた樹脂製の成形品が、例えば複写機やファクシミリ装置等の事務用機器分野等、その他各種産業分野において広く用いられている。このような成形品には、高い量産性が要求されるだけでなく、軽量であること、偏肉が無いこと、シャフトの回転中心軸と重心線とが一致していること、突起部やシャフトにヒケや反りが無く表面の平滑性が高いこと、真円度が高いこと等が強く要求されている。
【0003】
軸線方向の両端に支持軸が設けられ、且つ、一方の支持軸上にギアが設けられた樹脂から成るローラの製造方法が、特開平5−208460号公報に開示されている。この特許公開公報に開示された技術においては、金型のキャビティ内に未充填部分が残るように溶融樹脂をキャビティ内に充填し、キャビティの未充填部分に溶融樹脂が行き渡るように溶融樹脂内にガスを注入する。この方法は、所謂ガスインジェクション法と呼ばれ、更には、ショートショット法と呼ばれる射出成形法である。
【0004】
また、本出願人は、特願平7−200454号(特開平8−323818号)にて、使用する樹脂に影響されることなく、安定した成形サイクルにて、外観品質に優れ、しかも、確実に所望の中空部を有する成形品の射出成形方法を提案した。この射出成形方法は、(イ)溶融樹脂の射出開始前、栓体移動手段によって栓体をキャビティ内の前進端位置に保持し、(ロ)溶融樹脂の射出開始後、栓体移動手段によって、溶融樹脂の流動軸線方向と略平行な方向に後進端位置に向かって栓体を移動させ、(ハ)必要に応じて、栓体の移動中に、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を注入し、(ニ)更に、溶融樹脂の流動軸線方向と略平行な方向に栓体を後進端位置まで移動させた後、樹脂をキャビティ内で冷却、固化させ、以て、樹脂内に中空部を形成する、各工程から成る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図11に模式図を示すように、シャフト351、例えば紙送り用ローラー部から成る環状の突起部352、及びギア部353から構成された成形品350においては、シャフト351の外面周部に設けられた突起部352は、通常、肉厚である。尚、図11の(A)は成形品350の模式的な正面図であり、図11の(B)は成形品350の模式的な断面図であり、図11の(C)は成形品350の模式的な左側面図であり、図11の(D)は成形品350の模式的な右側面図である。
【0006】
このような成形品350を特開平5−208460号公報に開示された技術に基づき成形した場合、突起部352の先端部352Aにヒケや凹凸が発生し易い。これは、突起部352が肉厚であるが故に、突起部352における樹脂の収縮が大きいことに起因する。このように、突起部352の先端部352Aにヒケや凹凸が発生すると、例えば紙送り用ローラー部等の突起部352Aに要求される寸法精度を満足することができなくなる。また、キャビティ内における肉厚の突起部に相当する部分の溶融樹脂の固化・冷却時間に長時間を要するため、成形サイクルが長くなる結果、生産性が悪くなるといった問題もある。
【0007】
ヒケの発生を少なくするためには、キャビティ内への溶融樹脂の充填時間を長くしたり、溶融樹脂の温度を高くしたり、金型温度を高くする方法があるが、これらの全ての方法では溶融樹脂の固化・冷却に長時間を要するため、成形サイクルが長くなり、成形品の生産性が低下するという問題がある。しかも、溶融樹脂の温度を高くした場合、樹脂の劣化を招く。更には、成形品の物性向上のためには高分子の樹脂を使用することが好ましいが、高分子の樹脂は溶融時の流動性が余り良くないので、成形品の外観不良が発生し易い。従って、物性に優れ、且つ、外観の良好なる成形品を成形するための樹脂の選択幅が狭いといった問題もある。
【0008】
特開平8−323818号にて開示された技術は、中空部を有するローラー等の成形品を成形する場合、ヒケや反りが無く、表面の平滑性が高く、偏肉が無く、回転中心軸と重心線とが一致しており、真円度が高く、高精度の成形品を得ることができる。例えば、図11に示したようなシャフト351の外面周部に突起部352を備えた成形品350を成形する場合、図12に模式的に示す金型組立体を用いる。この金型組立体は、第1の金型部(固定金型部)10と、第2の金型部(可動金型部)11と、溶融樹脂射出部12と、加圧流体導入装置13と、シャフト351を成形するための第1のキャビティ部14Aと、この第1のキャビティ部14Aと連通しそして突起部を成形するための第2のキャビティ部15Aと、栓体20と、栓体20を移動させるための栓体移動手段21とを備えている。栓体20は、第1のキャビティ部14Aの軸線Lと平行な方向に移動可能である。尚、図中、参照番号16は射出成形装置のシリンダーである。尚、図12に示す金型組立体の模式的な端面図においては、栓体20は後進端位置にある。
【0009】
この図12に示した金型組立体を用いて図11に示した成形品350を成形する場合、先ず、キャビティ14A内の溶融樹脂射出部12に近接した位置に栓体20を保持する(図13の(A)参照)。そして、射出成形装置のシリンダー16から溶融樹脂40をキャビティ部14A,15A内に溶融樹脂射出部12から射出する(図13の(B)参照)。そして、栓体20を溶融樹脂射出部12から離れる方向に移動させながら、所定量の溶融樹脂40がキャビティ部14A,15A内に射出された時点で、加圧流体導入装置13から加圧流体をキャビティ部14A,15A内の溶融樹脂内部に導入し、中空部41を形成する(図14の(A)参照)。そして、溶融樹脂射出部12から最も離れた位置まで栓体20を移動させた後、キャビティ部14A,15A内の樹脂40Aを冷却、固化させる(図14の(B)参照)。
【0010】
しかしながら、このような成形によっても、栓体20の存在により突起部352の先端部352Aにヒケや凹凸が発生することを防止することはできない。また、成形条件によっては、肉厚の突起部352を形成するための第2のキャビティ部15A近傍を栓体20が通過する際、栓体20が相当量の溶融樹脂に取り囲まれる結果、溶融樹脂が栓体20に巻き付き、栓体20の移動が妨げられ、安定した成形品の成形が困難となる場合がある。
【0011】
従って、本発明の目的は、中空部を有し且つ突起部を有する成形品を成形する際、高い精度にて突起部を成形することを可能にする成形品の成形方法、並びに、かかる成形方法の実施に適した金型組立体に関する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の金型組立体は、中空部を有するシャフトと、該シャフトと一体に成形されたひれ状突起部から成り、該シャフトはその軸線と略平行な方向に延びる中空部を有し、該シャフトの外面から外側に延びる該ひれ状突起部は、該シャフトの軸線に対して略垂直な平面内に含まれる成形品を成形するための金型組立体であって、
(A)シャフトを形成するための第1のキャビティ部と、該第1のキャビティ部に連通し、そしてひれ状突起部を形成するための第2のキャビティ部とから成るキャビティを有する金型部、
(B)第1のキャビティ部の略軸線上の該金型部の部分に設けられ、キャビティ内に溶融樹脂を射出するための溶融樹脂射出部、
(C)キャビティ内に射出された該溶融樹脂内に加圧流体を導入し、以て、第1のキャビティ部の軸線と略平行な方向に延びる中空部を第1のキャビティ部内の溶融樹脂内部に形成するための加圧流体導入装置、及び、
(D)第1のキャビティ部内に配設され、第1のキャビティ部の軸部と平行な方向に、且つ、該溶融樹脂射出部から離れる方向に移動可能な栓体、
を備えている。
【0013】
そして、第1のキャビティ部の軸線に沿って測った、第1のキャビティ部と連通する第2のキャビティ部の部分の長さLは、1mm乃至10mm、好ましくは1.5mm乃至5mm、より好ましくは2mm乃至3mmであることを特徴とする。あるいは又、第2のキャビティ部と連通する第1のキャビティ部の部分の断面積をSとした場合、断面積Sを円周率で除して見掛けの直径Rを算出する。そして、第1のキャビティ部の軸線に沿って測った、第1のキャビティ部と連通する第2のキャビティ部の部分の長さLを、0.01R乃至0.3R、好ましくは0.05R乃至0.2R、より好ましくは0.05R乃至0.15Rとすることが望ましい。
【0014】
上記の目的を達成するための本発明の中空部を有し且つひれ状突起部を有する成形品の成形方法は、中空部を有するシャフトと、該シャフトと一体に成形されたひれ状突起部から成り、該シャフトはその軸線と略平行な方向に延びる中空部を有し、該シャフトの外面から外側に延びる該ひれ状突起部は、該シャフトの軸線に対して略垂直な平面内に含まれる成形品の成形方法であって、
(A)シャフトを形成するための第1のキャビティ部と、該第1のキャビティ部に連通し、そしてひれ状突起部を形成するための第2のキャビティ部とから成るキャビティを有する金型部、
(B)第1のキャビティ部の略軸線上の該金型部の部分に設けられ、キャビティ内に溶融樹脂を射出するための溶融樹脂射出部、
(C)キャビティ内に射出された該溶融樹脂内に加圧流体を導入するための加圧流体導入装置、及び、
(D)第1のキャビティ部内に配設され、第1のキャビティ部の軸部と平行な方向に、且つ、該溶融樹脂射出部から離れる方向に移動可能な栓体、を備えた金型組立体を用い、
(イ)溶融樹脂の射出開始前、第1のキャビティ内の溶融樹脂射出部に近接した位置に栓体を保持し、
(ロ)溶融樹脂射出部からのキャビティ内への溶融樹脂の射出開始後、第1のキャビティ部の軸線と平行な方向であって、溶融樹脂射出部から離れる方向に向かって該栓体を移動させ、
(ハ)キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体導入装置から加圧流体を導入した後、キャビティ内の樹脂を冷却、固化させ、以て、第1のキャビティ部の軸線と略平行な方向に延びる中空部を第1のキャビティ部内の樹脂内に形成する、
各工程から成ることを特徴とする。
【0015】
そして、本発明の中空部を有し且つひれ状(フィン状)突起部を有する成形品の成形方法(以下、単に、成形品の成形方法と呼ぶ場合がある)においては、第1のキャビティ部の軸線に沿って測った、第1のキャビティ部と連通する第2のキャビティ部の部分の長さLが、1mm乃至10mm、好ましくは1.5mm乃至5mm、より好ましくは2mm乃至3mmである金型組立体を用いる。あるいは又、第2のキャビティ部と連通する第1のキャビティ部の部分の断面積をSとした場合、断面積Sを円周率で除して見掛けの直径Rを算出する。そして、第1のキャビティ部の軸線に沿って測った、第1のキャビティ部と連通する第2のキャビティ部の部分の長さLを、0.01R乃至0.3R、好ましくは0.05R乃至0.2R、より好ましくは0.05R乃至0.15Rとすることが望ましい。あるいは又、第1のキャビティ部の軸線に沿って測った、第1のキャビティ部と連通する第2のキャビティ部の部分の長さLを、第2のキャビティ部近傍を栓体が通過する際にキャビティ内の溶融樹脂が栓体に巻き付かないような長さとすることが好ましい。
【0016】
これらの長さLの最適値は、成形品の外形形状、使用する樹脂、成形条件等に依存するので、各種の試験、シミュレーション等を行って、適宜決定すればよい。第1のキャビティ部と第2のキャビティ部の境界部分が曲面となるように金型部を加工してもよい。即ち、第1のキャビティ部と第2のキャビティ部の境界部分にアールを付けてもよい。この場合には、かかる曲面に隣接し且つ曲面が付けられていない第2のキャビティ部の部分において長さLを測定する。複数のひれ状突起部を設ける場合、第2のキャビティ部もひれ状突起部の数と同じ数だけ設ける必要がある。この場合、それぞれの第2のキャビティ部における長さLは、同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0017】
尚、略平行な方向とは、厳密に平行である必要はないことを意味し、略垂直な平面とは、厳密に垂直である必要はないことを意味する。また、第1のキャビティ部の略軸線上の金型部の部分とは、厳密に軸線上の金型部の部分である必要はないことを意味する。
【0018】
本発明の金型組立体若しくは成形品の成形方法においては、第1のキャビティ部の軸線に沿って測った、第1のキャビティ部と連通する第2のキャビティ部の部分の長さLを規定することによって、第2のキャビティ部にて形成されるひれ状突起部の先端部にヒケや凹凸が発生することを効果的に防止することができ、ひれ状突起部の寸法精度を格段に向上させることができる。また、冷却時間が延びることがないので成形サイクルを延長する必要がなく、量産性が格段に向上する。あるいは又、長さLを規定することによって、突起部を形成するための第2のキャビティ部近傍を栓体が通過する際に栓体を取り囲む溶融樹脂の量は左程多くないので、キャビティ内に射出された溶融樹脂が栓体に巻き付き、栓体の移動が妨げられることを防止することができ、安定した成形品の成形を行うことができる。また、ひれ状突起部の反り発生を防止する効果もある。
【0019】
本発明の金型組立体若しくは成形品の成形方法においては、栓体を移動させるための栓体移動手段を更に備えていることが好ましい。この場合、栓体移動手段を、作動油等の液体あるいは空気等の気体を用いた流体シリンダーの他、作動油等の液体あるいは空気等の気体を用いた流体駆動モーター、電動サーボモーターから構成し、栓体を直接移動(摺動)させることもできるし、これらの流体シリンダー、流体駆動モーター、電動サーボモーター等と、ボールネジ等のネジ機構、カム機構、ラック・アンド・ピニオン機構等との組み合わせ、あるいは又、各種の発条から構成することもできるが、中でも、流体シリンダーから構成することが好ましい。溶融樹脂の射出圧力に対抗する栓体の抗力の値は、使用する樹脂材料、樹脂の溶融粘度、溶融樹脂の射出圧力、溶融樹脂の射出速度等に依存するため、一義的には決定できない。尚、溶融樹脂の射出中に栓体を移動させるとき、栓体の一部分がキャビティの一部分を形成するように、栓体の移動を制御する必要がある。例えば、流体シリンダーを用いる場合、流体シリンダーの作動を制御することで、栓体の移動速度を容易に制御することができる。他の機構を用いた場合でも同様である。
【0020】
本発明の金型組立体若しくは成形方法においては、溶融樹脂と接触する栓体の接触面は滑らかな仕上げであることが望ましい。接触面の面粗度が粗い場合、栓体の接触面が樹脂から離れ難くなり、滑らかな栓体の移動が困難となり、所望の成形品が得られない場合がある。
【0021】
栓体の形状は、使用する樹脂の特性や所望とする中空部の形状、シャフトの断面形状等に基づき適宜決定すればよく、一義的には定めることができない。栓体は、第1のキャビティ部内で移動できる形状であればよい。成形品のシャフトの表面にジェッティングやフローマークが発生することを防止する観点から、栓体の移動方向と直角方向の断面形状を、かかる方向におけるキャビティの断面形状と概ね相似した形状とすることが好ましい。第1のキャビティ部の軸線と平行な金型部の第1のキャビティ部を構成する面(第1のキャビティ部面と呼ぶ)と、第1のキャビティ部の軸線と平行な栓体の面との間のクリアランスCは、栓体の移動時、栓体が第1のキャビティ部面と接触しない隙間であることが必要とされる。尚、溶融樹脂がこの隙間に侵入しない方が好ましく、更には、このクリアランスCは0.025mm乃至0.030mmであることが望ましいが、場合によっては、この隙間に溶融樹脂が侵入してもよい。
【0022】
本発明の金型組立体若しくは成形品の成形方法においては、前進端位置に栓体を位置させたとき、栓体は、溶融樹脂射出部に近接して位置することが好ましい。ここで、栓体が溶融樹脂射出部に近接して位置するとは、成形品の形状等に依存するが、通常、前進端位置に栓体を位置させたとき、栓体の溶融樹脂射出部と対向する部分が溶融樹脂射出部から0mm乃至20mm離れていることを意味する。前進端位置に栓体を位置させたとき、栓体が第1のキャビティ部面と接し、溶融樹脂射出部を塞ぐように栓体を位置させてもよい。前進端位置に栓体を位置させたとき、栓体が溶融樹脂射出部から余りに離れていると、第1のキャビティ部面及び栓体によって形成される空間が大きくなり過ぎ、第1のキャビティ部内に射出された溶融樹脂が栓体に突き当たって溶融樹脂の直進が妨げられることが無くなり、ジェッティングの発生を効果的に防止できない場合がある。然るに、栓体を、このように前進端位置に保持することで、第1のキャビティ部内に射出された溶融樹脂が栓体に突き当たり、溶融樹脂の直進が妨げられ、その結果、ジェッティングの発生を効果的に防止することができ、外観特性に優れた成形品を得ることができる。
【0023】
また、溶融樹脂を第1のキャビティ部内に射出する際、最終的に成形品を成形するために要求されるキャビティの容積よりも、キャビティの容積は小さくなっている。従って、たとえ、溶融時の粘度の高い樹脂を使用する場合であっても、本発明の成形品の成形方法においては、キャビティ内の溶融樹脂内への加圧流体の導入によって、中空部の形成を確実に開始することが可能になる。そして、最終的に栓体を後進端位置に位置させることによって、成形品を成形するために要求されるキャビティ形状が得られ、これによって、所望の中空部を成形品に容易に且つ確実に形成することができる。また、栓体を移動させることで、キャビティの容積を徐々に拡大することによって、キャビティ内の溶融樹脂の流れを制御することができ、所望の中空部を成形品に容易に且つ確実に形成することができる。
【0024】
本発明の金型組立体若しくは成形品の成形方法においては、溶融樹脂射出部の軸線は、第1のキャビティ部の軸線と概ね一致しており、加圧流体導入装置は溶融樹脂射出部内に配設されていることが、外観特性に優れ、且つ、所望の中空部を有する成形品を成形する上で望ましい。ここで、溶融樹脂射出部の軸線が第1のキャビティ部の軸線と概ね一致しているとは、溶融樹脂射出部から射出された溶融樹脂の流れの方向が、第1のキャビティ部の軸線と概ね一致している(厳密に一致していなくともよい)ことを意味する。
【0025】
本発明の金型組立体若しくは成形品の成形方法においては、射出成形装置の加熱シリンダー先端と第1のキャビティ部との間に溶融樹脂が流れる湯路としてスプルー部やランナー部が設けられており、且つ、ランナー部と第1のキャビティ部との間にゲート部が配設されている構造としてもよいし、ホットランナー、バルブゲート等から直接、第1のキャビティ部内に溶融樹脂を射出する構造としてもよい。金型組立体に設けられたこれらのゲート部やホットランナー、バルブゲート等を総称して溶融樹脂射出部と呼ぶ。
【0026】
加圧流体を導入するための加圧流体導入装置は、例えば、先端に1つ以上の逆止弁が配設され、移動手段によって先端がキャビティに連通したり、キャビティから離れ得る加圧流体導入ノズルとすることができる。加圧流体導入ノズルは、配管を介して加圧流体源に接続されている。加圧流体は、常温・常圧下でガス状あるいは液状の流体であって、溶融樹脂内への導入時、溶融樹脂と反応したり混合しないものが望ましい。具体的には、窒素ガス、炭酸ガス、空気、ヘリウムガス等、常温でガス状の物質、水等の液体、高圧下で液化したガスを使用することができるが、中でも、窒素ガスやヘリウムガス等の不活性ガスが好ましい。
【0027】
本発明の金型組立体若しくは成形品の成形方法においては、成形品を1個取りあるいは複数個取りとすることができる。
【0028】
本発明の成形品の成形方法においては、キャビティ内に射出する溶融樹脂の量は、キャビティ内を完全に充填するには少ない量であり、且つ、加圧流体が溶融樹脂内に導入されたとき、成形品を作製するのに十分な量とすることが好ましい。
【0029】
本発明の成形品の成形方法に適用できる樹脂には特に制限はなく、射出成形が可能な樹脂、詳しくは、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、これらのアロイや、熱硬化性樹脂でもよく、更には、これらの樹脂と公知の安定剤等の添加剤、フィラー、ガラス繊維等の繊維強化材との配合物も用いることができるが、特に、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、これらのアロイ、これらの樹脂と公知の安定剤等の添加剤、フィラー、繊維強化材等との配合物を用いることが好ましい。樹脂として、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、PVC樹脂、メタアクリル樹脂、含フッ素樹脂等で例示される、所謂汎用熱可塑性樹脂はもとより、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂等で例示されるエンジニアリングプラスチックスを例示することができる。
【0030】
本発明の金型組立体若しくは成形品の成形方法によって得られる成形品としては、紙送り用ローラー部、ソーター部、カムやドラム等のひれ状(フィン状)突起部をシャフトの外面周部に備え、そして、シャフトに中空部が設けられた樹脂製の成形品を挙げることができるが、これらに限定するものではない。シャフトの軸線に対して垂直な面でシャフトを切断したときのシャフトの外形形状は、円形、楕円形、卵形、矩形、台形、多角形等、任意の形状とすることができる。また、シャフトの軸線に対して略垂直な平面内に含まれるひれ状突起部の形状は、紙送り用ローラー部、ソーター部、カムやドラム等のひれ状突起部が発揮すべき機能に応じて適宜選択すればよく、例えば、円形、楕円形、鼓状、カム状、卵形、矩形、平行四辺形、台形、多角形を例示することができる。また、ひれ状突起部の間隔は、等間隔であっても不等間隔であってもよく、好ましい間隔は1〜5mmである。ひれ状突起部の数は1以上の任意の数であり、紙送り用ローラー部、ソーター部、カムやドラム等のひれ状突起部が発揮すべき機能に応じて適宜決定すればよい。ひれ状突起部の先端部は、シャフトの外面周部に沿って眺めたとき、連続している(即ち、環状である)ことが好ましいが、場合によっては不連続であってもよい。即ち、ひれ状突起部の先端部に切り欠き部が設けられていてもよい。複数のひれ状突起部を設ける場合、ひれ状突起部とシャフトとの接合部分におけるひれ状突起部の厚さ(シャフトの軸線に沿ったひれ状突起部のかかる部分の長さであり、Lと等しい)は、それぞれ、同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0031】
栓体の移動(摺動)のタイミング、溶融樹脂の射出のタイミング、加圧流体の導入のタイミングを、図9の(A)〜(F)及び図10の(A)〜(D)に模式的に示す。尚、図9の(A)〜(F)及び図10の(A)〜(D)において、「溶融樹脂の射出」の項の右側に描いた線分の左端は溶融樹脂の射出開始を表し、線分の右端は溶融樹脂の射出終了を表す。また、「加圧流体の導入」の項の右側に描いた線分の左端は加圧流体の導入開始を表し、線分の右端は加圧流体の導入終了を表す。更には、「栓体の移動」の項の右側に描いた線分の左端は栓体の移動開始を表し、線分の右端は栓体の移動終了を表す。尚、線分の長さは時間を表すが、時間の長さは模式的な表示である。
【0032】
具体的には、図9の(A)及び(B)に示すように、キャビティ内に溶融樹脂を射出中に、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入する。そして、図9の(A)又は(B)に示すように、キャビティ内への溶融樹脂の射出開始後、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入する前に、栓体の移動(摺動)を開始する。栓体が後進端位置に到達するタイミングは、図9の(A)に示すように、キャビティ内への溶融樹脂の射出完了前であってもよいし、図9の(B)に示すように、キャビティ内への溶融樹脂の射出完了後であってもよいし、更には、キャビティ内への溶融樹脂の射出完了と同時であってもよい。あるいは又、図9の(C)に示すように、キャビティ内に溶融樹脂を射出完了後若しくは射出完了と同時に、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入する。そして、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入する前に、栓体の移動(摺動)を開始する。栓体が後進端位置に到達するタイミングは、図9の(C)に示すように、キャビティ内への溶融樹脂の射出完了後、加圧流体の溶融樹脂内への導入中である。尚、これらの場合、栓体の移動(摺動)の開始は、キャビティ内への溶融樹脂の射出開始と同時であってもよい。また、加圧流体の導入開始は、栓体の移動開始と同時であってもよい。
【0033】
あるいは又、図9の(D)に示すように、キャビティ内に溶融樹脂を射出中に、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入する。そして、キャビティ内への溶融樹脂の射出開始後、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入する前に、栓体の移動(摺動)を開始する。栓体が後進端位置に到達するタイミングは、図9の(D)に示すように、溶融樹脂内への加圧流体の導入開始前である。更には、図9の(E)又は(F)に示すように、キャビティ内への溶融樹脂の射出完了後若しくは射出完了と同時に、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入する。そして、図9の(E)又は(F)に示すように、キャビティ内への溶融樹脂の射出開始後、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入する前に、栓体の移動(摺動)を開始する。栓体が後進端位置に到達するタイミングは、図9の(E)に示すように、溶融樹脂の射出完了前、若しくは図9の(F)に示すように、溶融樹脂の射出完了後、あるいは、射出完了と同時である。尚、これらの場合、栓体の移動(摺動)の開始は、キャビティ内への溶融樹脂の射出開始と同時であってもよい。また、加圧流体の導入開始は、栓体が後進端位置に達すると同時であってもよい。
【0034】
あるいは又、図10の(A)及び(B)に示すように、キャビティ内に溶融樹脂を射出中に、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入する。そして、図10の(A)及び(B)に示すように、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入開始した後に、栓体の移動(摺動)を開始する。栓体が後進端位置に到達するタイミングは、図10の(A)に示すように、キャビティ内への溶融樹脂の射出完了前であってもよいし、あるいは又、図10の(B)に示すように、キャビティ内への溶融樹脂の射出完了後であってもよいし、更には、キャビティ内への溶融樹脂の射出完了と同時であってもよい。尚、これらの場合、栓体の移動(摺動)の開始は、溶融樹脂内への加圧流体の導入開始と同時であってもよい。また、図10の(C)及び(D)に示すように、キャビティ内への溶融樹脂の射出完了後(射出完了と同時を含む)、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入する。そして、図10の(C)に示すように、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入開始した後に(溶融樹脂内への加圧流体の導入開始と同時であってもよい)、栓体の移動(摺動)を開始する。あるいは又、図10の(D)に示すように、キャビティ内への溶融樹脂の射出完了後(完了と同時を含む)、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入する前に、栓体の移動(摺動)を開始する。栓体が後進端位置に到達するタイミングは、図10の(C)又は(D)に示すように、キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体を導入している間である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、発明の実施の形態(以下、実施の形態と略称する)及び実施例に基づき本発明を説明する。
【0036】
本発明の金型組立体の一例の模式的な端面図を、図1に示す。この金型組立体は、中空部を有するシャフトと、このシャフトと一体に成形されたひれ状突起部から成り、シャフトはその軸線と略平行な方向に延びる中空部を有し、シャフトの外面から外側に延びるひれ状突起部は、シャフトの軸線に対して略垂直な平面内に含まれる成形品を成形するための金型組立体である。そして、金型部と、溶融樹脂射出部12と、加圧流体導入装置13と、栓体20とを備えている。金型部は、第1の金型部(固定金型部)10と第2の金型部(可動金型部)11とから構成され、シャフトを形成するための第1のキャビティ部14と、この第1のキャビティ部14に連通し、そしてひれ状突起部を形成するための第2のキャビティ部15とから成るキャビティを有する。また、溶融樹脂射出部12は、第1のキャビティ部14の略軸線L上の金型部の部分に設けられ、キャビティ14,15内に溶融樹脂を射出するために設けられている。加圧流体導入装置13は、キャビティ14内に射出された溶融樹脂内に加圧流体を導入し、以て、第1のキャビティ部14の軸線Lと略平行な方向に延びる中空部を第1のキャビティ部14内の溶融樹脂内部に形成するために設けられている。この加圧流体導入装置13は、先端部に逆止弁が配設された加圧流体導入ノズルから構成されているが詳細の図示は省略した。また、加圧流体導入ノズルは、配管を介して加圧流体源に接続されているがこれらの図示も省略した。尚、溶融樹脂射出部12の軸線は、第1のキャビティ部14の軸線Lと概ね一致しており、加圧流体導入装置13は溶融樹脂射出部12内に配設されている。参照番号16は射出成形装置のシリンダーである。図1に示した金型組立体においては、射出成形装置のシリンダー16から溶融樹脂を、金型部10,11に設けられたキャビティ14,15内に溶融樹脂射出部12から射出する構造となっている。尚、図1及び図2の(A)に示す金型組立体の模式的な端面図においては、栓体20は後進端位置にある。また、図2の(B)に示す金型組立体の模式的な端面図においては、栓体20は前進端位置にある。
【0037】
栓体20は、第1のキャビティ部14内に配設され、第1のキャビティ部14の軸部と平行な方向に、且つ、溶融樹脂射出部12から離れる方向に移動可能である。栓体20は、例えば、金型部10,11と同じ材質の材料(例えば炭素鋼)から作製すればよい。また、栓体20における溶融樹脂との接触面20A(図1及び図2参照)は、硬質クロムメッキを施した後、中心線平均粗さ0.1S以下の鏡面仕上げが施されている。金型組立体には、栓体20を移動させるための栓体移動手段21が更に備えられている。栓体20と栓体移動手段21とは、栓体移動手段21の作動によって移動可能な連結ロッド22によって連結されている。栓体移動手段21は、例えば圧縮空気で作動する流体シリンダーから成る。また、参照番号30は、流体シリンダーから成る栓体移動手段21に圧縮空気圧を負荷するためのソレノイドであり、参照番号31は圧力制御弁であり、参照番号32は栓体20の移動速度を制御するための流量制御弁であり、ソレノイド30、圧力制御弁31及び流量制御弁32によって、栓体移動手段21の作動が制御される。
【0038】
第1のキャビティ部14の軸線Lに沿って測った、第1のキャビティ部14と連通する第2のキャビティ部15の部分15Aの長さL(図2の(A)参照)は、1mm乃至10mmである。あるいは又、第2のキャビティ部15と連通する第1のキャビティ部14の部分の断面積をSとした場合、断面積Sを円周率で除して見掛けの直径Rを算出したとき、長さLは0.01R乃至0.3Rである。
【0039】
尚、金型組立体は、図1に示した構造に限定されず、適宜変更することができる。例えば、金型部10,11に設けられたキャビティ14,15の形状は成形品の外形を規定するが、成形品より延長した部分が成形品に形成されるように第1のキャビティ部14の形状を設計し、かかる延長した部分に対応するキャビティの部分に溶融樹脂射出部12及び加圧流体導入装置13を配置することもできる。この場合、成形品に形成される成形品より延長した部分の長さは適宜定めればよい。また、延長した部分は後の工程で切断すればよい。
【0040】
【実施例】
実施例においては、図5に模式的に示す成形品を成形した、この成形品50は、シャフト51、紙送り用ローラー部から成るひれ状突起部52、及びギア部53から構成されている。尚、図5の(A)は成形品50の模式的な正面図であり、図5の(B)は成形品50の模式的な左側面図であり、図5の(C)は成形品50の模式的な右側面図である。シャフト51の軸線に対して垂直面で切断したときのシャフト51の外形形状を円形とし、その直径を15mmとした。また、シャフト51の軸線に対して略垂直な平面内に含まれるひれ状突起部52の形状を円形とし、その直径を25mmとした。シャフト51の左端部からギア部53の右端部までの長さを150mmとした。また、ひれ状突起部52とシャフト51との接合部分におけるひれ状突起部の厚さ(シャフト51の軸線に沿ったひれ状突起部52のシャフト51との接合部分の長さでありLと等しい)を2mmとした。ひれ状突起部52は合計10カ所に設けられており、5つずつのひれ状突起部52によって1つの紙送り用ローラー部が構成され、合計、2つの紙送り用ローラー部が設けられている。
【0041】
第1のキャビティ部14の軸線Lと平行な金型部の第1のキャビティ部を構成する面と、第1のキャビティ部14の軸線Lと平行な栓体20の面との間のクリアランスC(図2の(B)参照)を、0.025mmとした。また、実施例においては、第1のキャビティ部14の軸線Lに沿って測った、第1のキャビティ部14と連通する第2のキャビティ部15の部分の長さL(図2の(A)参照)を2mm、あるいは又、2/15R(但し、R=15mm)とした。
【0042】
実施例においては、高分子量タイプのポリアセタール樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、商品名:ユピタールF10自然色)を用いて成形を行った。そして、射出成形装置のシリンダー16内にて樹脂温度200゜Cに溶融、可塑化した。尚、金型温度を60゜Cとした。
【0043】
そして、金型組立体を型締めした後、図2の(B)に示すように、栓体20が溶融樹脂射出部12に近接して位置するように、前進端位置に栓体20を位置させた。実施例においては、栓体移動手段21として圧縮空気で作動する流体シリンダーを用いた。栓体移動手段21によって、栓体20の抗力として0.8kgf/cm−Gの圧力を設定した。即ち、栓体移動手段21によって、栓体20には図2の右手側から左手側に向かってゲージ圧0.8kgf/cmの力が加わっている。
【0044】
このような栓体20の状態にて、溶融樹脂40を溶融樹脂射出部12から射出圧力600kg/cm−G、射出率50cc/秒にて、第1のキャビティ部14内に射出した。射出を開始してから1.2秒後に射出動作を停止し(図3の(A)参照)、直ちに加圧流体導入装置13から100kgf/cm−Gの圧縮窒素ガスから成る加圧流体をキャビティ内の溶融樹脂内部に導入した。加圧流体導入中の状態を図3の(B)に示し、導入完了後の状態を図4に示す。その後、60秒間の冷却期間(加圧流体保持期間)を経た後、樹脂40A内に形成された中空部41内の加圧流体を加圧流体導入装置13を介して大気に解放した。そして、金型組立体の型開きを行い、金型組立体から成形品を取り出した。得られた成形品は優れた外観を有しており、成形不良は全く認められなかった。また、ミツトヨ株式会社製の三次元寸法測定機を用いて突起部のヒケの測定(突起部の先端部分の高低差の測定)を行ったところ、結果を表1に示すが、極めて高い精度の成形品が得られた。
【0045】
(比較例)
図12に示した金型組立体を使用し、栓体20を後進端位置に固定した状態で成形を行った。使用した樹脂、成形条件は実施例と同様とした。尚、比較例にて成形した成形品は、図11に示した構造を有する。シャフト351の軸線に対して垂直面で切断したときのシャフト351の外形形状を円形とし、その直径を15mmとした。また、肉厚の突起部352の形状を円形とし、その直径を25mmとした。シャフト351の左端部からギア部353の右端部までの長さを150mmとした。また、突起部352の厚さ(シャフト351の軸線に沿った肉厚の突起部352の長さ)を18mmとした。突起部352は合計2カ所に設けられている。
【0046】
成形の結果、冷却期間(加圧流体保持期間)が60秒では、肉厚の突起部の樹脂が十分に固化していなかった。そこで、冷却期間(加圧ガス保持期間)を360秒としたところ、漸く突起部の樹脂が十分に固化した。即ち、溶融樹脂の固化・冷却時間に長時間を要し、成形サイクルが実施例と比較して約6倍にもなってしまった。また、得られた成形品のシャフトには、ジェッティングによるフロマークが発生し、外観不良であった。また、突起部のヒケの測定を行ったところ、結果を表1に示すが、成形サイクルを長くしたにも拘わらず、極めて精度の悪い成形品であった。
【0047】
【表1】
Figure 0003606715
【0048】
以上、本発明を、発明の実施の形態及び好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。発明の実施の形態及び実施例にて説明した金型組立体の構造や、成形方法における各種成形条件、使用した樹脂の種類等は例示であり、適宜変更することができる。例えば、金型組立体における溶融樹脂射出部や加圧流体導入装置の数や位置は例示であり、適宜変更することができる。栓体の移動は、栓体移動手段によって、あるいは又、射出溶融樹脂の圧力及び/又は溶融樹脂内に導入された加圧流体の圧力によって行うこともできるし、栓体移動手段と射出溶融樹脂の圧力及び/又は溶融樹脂内に導入された加圧流体の圧力とによって行うこともできる。
【0049】
本発明の成形品の成形方法によって成形される成形品の例を図6〜図8に示すが、これらに限定されるものではない。図6に示す成形品50は、シャフト51、紙送り用ローラー部から成るひれ状突起部52A,52B、及びギア部53から構成されている。尚、図6の(A)は成形品50の模式的な正面図であり、図6の(B)は成形品50の模式的な左側面図である。図6に示した成形品が図5に示した成形品と相違する点は、紙送り用ローラー部から成るひれ状突起部52Aとひれ状突起部52Bの直径が、ひれ状突起部52の直径と相違する点にある。その他の構造は同じである。
【0050】
図7に示す成形品150は、シャフト151、カムから成るひれ状突起部152、及びギア部153から構成されている。尚、図7の(A)は成形品150の模式的な正面図であり、図7の(B)は成形品150の模式的な左側面図である。シャフト151の軸線に対して垂直な面でシャフト151を切断したときのシャフトの外形形状は円形である。一方、シャフト151の軸線に対して略垂直な平面内に含まれるひれ状突起部152の形状は、カム形(卵形)である。
【0051】
更には、図8に示す成形品250は、シャフト251、及びソーター部252A,252Bから構成されており、例えば複写機のソーター装置内にて使用される紙送り用の部品である。尚、図8の(A)は成形品250の模式的な正面図であり、図8の(B)は成形品250の模式的な左側面図である。シャフト251の軸線に対して垂直な面でシャフト251を切断したときのシャフトの外形形状は台形である。また、シャフト251の軸線に対して略垂直な平面内に含まれるひれ状突起部252の形状も台形である。
【0052】
【発明の効果】
本発明においては、第1のキャビティ部の軸線に沿って測った、第1のキャビティ部と連通する第2のキャビティ部の部分の長さLを規定することによって、第2のキャビティ部にて形成されるひれ状突起部の先端部にヒケや凹凸が発生することを効果的に防止することができ、ひれ状突起部の寸法精度の格段の向上を図ることができる。また、冷却時間が延びることがないので成形サイクルを延長する必要がなく、成形品の量産性が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金型組立体の一例の模式的な端面図である。
【図2】図1に示した金型組立体の一部分の拡大された模式的な端面図である。
【図3】本発明の成形方法を説明するための図1に示した金型組立体の一部分の拡大された模式的な端面図である。
【図4】図3に引き続き、本発明の成形方法を説明するための図1に示した金型組立体の一部分の拡大された模式的な端面図である。
【図5】図4に引き続き、本発明の成形方法を説明するための図1に示した金型組立体の一部分の拡大された模式的な端面図である。
【図6】本発明の成形方法に基づき成形された成形品の模式図である。
【図7】本発明の成形方法に基づき成形された成形品の模式図である。
【図8】本発明の成形方法に基づき成形された成形品の模式図である。
【図9】栓体の移動(摺動)のタイミング、溶融樹脂の射出のタイミング、加圧流体の導入のタイミングを模式的に示す図である。
【図10】栓体の移動(摺動)のタイミング、溶融樹脂の射出のタイミング、加圧流体の導入のタイミングを模式的に示す図である。
【図11】従来の技術によって成形された、突起部を有し、且つ、中空部を有するローラーからの成形品の模式図である。
【図12】栓体を備えた従来の金型組立体の模式図である。
【図13】突起部を有し、且つ、中空部を有するローラーからの成形品の成形方法を説明するための、栓体を備えた従来の金型組立体等の模式的な端面図である。
【図14】図13に引き続き、突起部を有し、且つ、中空部を有するローラーからの成形品の成形方法を説明するための、栓体を備えた従来の金型組立体等の模式的な端面図である。
【符号の説明】
10・・・第1の金型部(固定金型部)、11・・・第2の金型部(可動金型部)、12・・・溶融樹脂射出部、13・・・加圧流体導入装置、14・・・第1のキャビティ部、15・・・第2のキャビティ部、16・・・射出成形装置のシリンダー、20・・・栓体、21・・・栓体移動手段、22・・・連結ロッド、30・・・ソレノイド、31・・・圧力制御弁、32・・・流量制御弁、40・・・溶融樹脂、40A・・・樹脂、41・・・中空部、50,150,250・・・成形品、51,151,251・・・シャフト、52,52A,52B,152,252A,252B・・・ひれ状突起部、53・・・ギア部

Claims (11)

  1. 中空部を有するシャフトと、該シャフトと一体に成形された中実のひれ状突起部から成り、該シャフトはその軸線と略平行な方向に延びる中空部を有し、該シャフトの外面から外側に延びる該中実のひれ状突起部は、該シャフトの軸線に対して略垂直な平面内に含まれる成形品を成形するための金型組立体であって、
    (A)シャフトを形成するための第1のキャビティ部と、該第1のキャビティ部に連通し、そしてひれ状突起部を形成するための第2のキャビティ部とから成るキャビティを有する金型部、
    (B)第1のキャビティ部の略軸線上の該金型部の部分に設けられ、キャビティ内に溶融樹脂を射出するための溶融樹脂射出部、
    (C)キャビティ内に射出された該溶融樹脂内に加圧流体を導入し、以て、第1のキャビティ部の軸線と略平行な方向に延びる中空部を第1のキャビティ部内の溶融樹脂内部にのみ、形成するための加圧流体導入装置、及び、
    (D)第1のキャビティ部内に配設され、第1のキャビティ部の軸部と平行な方向に、且つ、該溶融樹脂射出部から離れる方向に移動可能な栓体、
    を備え、
    第1のキャビティ部の軸線に沿って測った、第1のキャビティ部と連通する第2のキャビティ部の部分の長さは、1mm乃至10mmであり、
    第2のキャビティ部と連通する第1のキャビティ部の部分の断面積を円周率で除して算出される見掛けの直径をRとしたとき、第1のキャビティ部の軸線に沿って測った、第1のキャビティ部と連通する第2のキャビティ部の部分の長さL 0 は、0.01R乃至0.3Rを満足することを特徴とする金型組立体。
  2. 栓体を移動させるための栓体移動手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の金型組立体。
  3. 栓体移動手段は流体シリンダーから成ることを特徴とする請求項2に記載の金型組立体。
  4. 第1のキャビティ部の軸線と平行な金型部の第1のキャビティ部を構成する面と、第1のキャビティ部の軸線と平行な栓体の面との間のクリアランスは、0.025mm乃至0.030mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の金型組立体。
  5. 前進端位置に栓体を位置させたとき、栓体は、溶融樹脂射出部に近接して位置することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の金型組立体。
  6. 溶融樹脂射出部の軸線は、第1のキャビティ部の軸線と概ね一致しており、加圧流体導入装置は溶融樹脂射出部内に配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の金型組立体。
  7. 中空部を有するシャフトと、該シャフトと一体に成形された中実のひれ状突起部から成り、該シャフトはその軸線と略平行な方向に延びる中空部を有し、該シャフトの外面から外側に延びる該中実のひれ状突起部は、該シャフトの軸線に対して略垂直な平面内に含まれる成形品の成形方法であって、
    (A)シャフトを形成するための第1のキャビティ部と、該第1のキャビティ部に連通し、そしてひれ状突起部を形成するための第2のキャビティ部とから成るキャビティを有する金型部、
    (B)第1のキャビティ部の略軸線上の該金型部の部分に設けられ、キャビティ内に溶融樹脂を射出するための溶融樹脂射出部、
    (C)キャビティ内に射出された該溶融樹脂内に加圧流体を導入するための加圧流体導入装置、及び、
    (D)第1のキャビティ部内に配設され、第1のキャビティ部の軸部と平行な方向に、且つ、該溶融樹脂射出部から離れる方向に移動可能な栓体、
    を備え、
    第1のキャビティ部の軸線に沿って測った、第1のキャビティ部と連通する第2のキャビティ部の部分の長さが1mm乃至10mmであり、
    第2のキャビティ部と連通する第1のキャビティ部の部分の断面積を円周率で除して算出される見掛けの直径をRとしたとき、第1のキャビティ部の軸線に沿って測った、第1のキャビティ部と連通する第2のキャビティ部の部分の長さL 0 は、0.01R乃至0.3Rを満足する金型組立体を用い、
    (イ)溶融樹脂の射出開始前、第1のキャビティ内の溶融樹脂射出部に近接した位置に栓体を保持し、
    (ロ)溶融樹脂射出部からのキャビティ内への溶融樹脂の射出開始後、第1のキャビティ部の軸線と平行な方向であって、溶融樹脂射出部から離れる方向に向かって該栓体を移動させ、
    (ハ)キャビティ内の溶融樹脂内に加圧流体導入装置から加圧流体を導入した後、キャビティ内の樹脂を冷却、固化させ、以て、第1のキャビティ部の軸線と略平行な方向に延びる中空部を第1のキャビティ部内の樹脂内にのみ、形成する、
    各工程から成ることを特徴とする、中空部を有し且つひれ状突起部を有する成形品の成形方法。
  8. 金型組立体は栓体を移動させるための栓体移動手段を更に備えていることを特徴とする請求項7に記載の中空部を有し且つひれ状突起部を有する成形品の成形方法。
  9. 栓体移動手段は流体シリンダーから成ることを特徴とする請求項8に記載の中空部を有し且つひれ状突起部を有する成形品の成形方法。
  10. 第1のキャビティ部の軸線と平行な金型部の第1のキャビティ部を構成する面と、第1のキャビティ部の軸線と平行な栓体の面との間のクリアランスは、0.025mm乃至0.030mmであることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の中空部を有し且つひれ状突起部を有する成形品の成形方法。
  11. 溶融樹脂射出部の軸線は、第1のキャビティ部の軸線と概ね一致しており、加圧流体導入装置は溶融樹脂射出部内に配設されていることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載の中空部を有し且つひれ状突起部を有する成形品の成形方法。
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