JP4303580B2 - 射出成形用金型、該金型を用いたシールリングの製造方法 - Google Patents

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本発明は、サブマリンゲートを備えた射出成形用金型、該金型を用いたシールリングの製造方法およびシールリングに関する。
射出成形におけるサブマリンゲートは、パーティングライン面(以下「PL面」と称す)から潜り込むようにゲートが構成されている。このサブマリンゲートは、型開き工程または成形品突き出し工程の際に、金型内で成形体とランナとを自動的に切断分離できるため、成形後のゲートカット工程を必要とせず、製造工程の短縮化を図れるとして従来から用いられている。
従来のサブマリンゲートを図5を参照して説明する。図5は、射出成形金型のゲート口周辺断面図を示す。
ゲート13の形状は、キャビティ14との連結部であるゲート口13aを頂部とする円錐状であり、図5に示すようにキャビティ14に向かい先細り形状である。ゲート口13aの面積S3と、ゲート先端近傍部13bの断面積S4とを比較すると、両面とも円形であり、ゲート13が傾斜してキャビティ14と連結されているため、ゲート口13aの方が径が大きく広面積となる。また、角度θ1が鋭角、角度θ2が鈍角である。
従来のサブマリンゲートは、ゲート部分がアンダーカットになっているため、ゲートカット時には該ゲート部分の樹脂を無理抜きすることになり金型が摩耗して寿命が短くなるという問題がある。また、ゲート口の面積S3が、ゲート先端近傍部の断面積S4よりも大きいため、ゲート部の樹脂がゲート口ではなく、該先端近傍部で破損する場合がある。この破損により製品のゲート痕にバリが生じたり、破損片(コールドスラッグ)が次の射出時に製品に混入すればその部分の機械強度が低下するなど、品質上問題がある。
このような問題に対処するため、ランナの一部を横切るようにピンを設けることで、ゲートカット時において円滑にランナを変形させゲート部にかかる負荷を低減させる成形金型(特許文献4参照)、ゲート部に圧縮空気を吹き付けてコールドスラッグの混入を防ぐ成形金型(特許文献5参照)、サブマリンゲートの最小断面積がゲート口に現れるようにゲート部側にフラット面を設けゲートカット時の欠けを防止する成形金型(特許文献3参照)、サブマリンゲートとキャビティとの連結面の角度θ1および角度θ2をともに鋭角とすることでゲートカット時の欠けを防止する成形金型(特許文献2参照)がある。
一方、サブマリンゲートを用いて製造する機能製品として、油や水等の液体、空気やその他の気体等の流体の漏れを防ぐためのシールリングが知られている。シールリングの機能的に重要な外周面にゲート痕が残ることを防止するため、キャビティへの樹脂の供給を、サブマリンゲートを利用してキャビティの側壁面に連通するガイド孔を経て行なう射出成形装置(特許文献1参照)などがある。
しかしながら、上記特許文献4の成形金型は、ランナを円滑に金型から抜き出すことはできるが、ゲート痕のバリ発生を防止することが困難である。さらに、無機質系の増量材や補強材を多量に配合した樹脂材料を用いた場合では、スリット部分でランナが破断しランナを円滑に金型から抜き出すことは困難である。
また、上記特許文献5の成形金型は、コールドスラッグの混入は防止できるがゲート痕のバリ発生を防止するものではなく、金型構造も複雑になる。さらに、圧縮空気の吹き付けによって金型の一部が冷却されキャビティに温度ムラが生じるため、成形サイクルを遅らせる必要がある。
また、上記特許文献3の成形金型は、ゲート痕のバリ発生を防止することが期待できるが、金型の製造工程が複雑となり、ゲートが小さくなる小型成形品や精密成形品には採用が困難である。
また、上記特許文献2の成形金型は、汎用プラスチックにはゲート痕のバリ発生を防止可能であるが、エンジニアリングプラスチック(エンプラ)を用いた場合では、ゲート痕のバリ発生を防止することが困難になる。エンプラを用いた場合では、さらにランナを円滑に金型から抜出すことが困難でありランナの破損が生じる恐れがある。
また、上記特許文献1の射出成形装置では、シールリングにゲート痕を生じることはないが、コールドスラッグの混入は避けられない。また、成形金型および射出成形装置に特別な装置を取り付けなければならない。
特開平9−94851号公報(段落[0035]) 実開平5−35241号公報(段落[0019]) 実公平3−46895号公報(4頁、右欄27〜38行目) 特開平9−193169号公報(段落[0020]) 実公平1−10189号公報(実用新案登録請求の範囲)
本発明が解決しようとする問題点は、サブマリンゲートを用いたエンジニアリングプラスチックの射出成形において、ゲート痕にバリが生じる、ゲートが詰まるなどの点である。本発明はこれらの問題点を解消した射出成形金型、該金型を用いたシールリングの製造方法およびシールリングを提供することを目的とする。
本発明の射出成形金型は、耐熱温度110℃以上で、引張強度50Mpa以上、引張伸び20%以下の合成樹脂を射出成形するときに用いる射出成形金型であって、固定側型板と、この固定側型板に衝合してキャビティを形成する可動側型板と、キャビティに連結されるサブマリンゲートとを備え、上記サブマリンゲートは抜き勾配の無い円柱形状であり、サブマリンゲートとキャビティとの連結部断面におけるその連結幅がゲート円柱径よりも小さく、かつ上記キャビティの該サブマリンゲート連結面に対して角度5〜20°傾斜していることを特徴とする。
また、上記合成樹脂は、ベース樹脂より硬い充填材が5容量%以上含まれる合成樹脂組成物であることを特徴とする。
本発明のシールリングの製造方法は、固定側型板と可動側型板とを衝合してキャビティを形成する型閉じ工程と、キャビティに連結されるサブマリンゲートより該キャビティ内に溶融樹脂を射出充填する樹脂充填工程と、成形後、成形品を突き出す成形品突き出し工程とを備えてなるシールリングの製造方法であって、上記シールリングは耐熱温度110℃以上で、引張強度50Mpa以上、引張伸び20%以下の合成樹脂からなり、上記サブマリンゲートは抜き勾配の無い円柱形状であり、サブマリンゲートとキャビティとの連結部断面におけるその連結幅がゲート円柱径よりも小さく、かつ上記キャビティの該サブマリンゲート連結面に対して角度5〜20°傾斜しており、上記成形品突き出し工程においてサブマリンゲート部分の樹脂が、キャビティのサブマリンゲート連結面で成形品と切断されることを特徴とする。
本発明の樹脂製シールリングは射出成形によって製造され、該射出成形の工程は、固定側型板と可動側型板とを衝合してキャビティを形成する型閉じ工程と、キャビティに連結されるサブマリンゲートより該キャビティ内に溶融樹脂を射出充填する樹脂充填工程と、成形後、成形品を突き出す成形品突き出し工程とを備えてなり、上記サブマリンゲートは円柱形状であり、サブマリンゲートとキャビティとの連結部断面におけるその連結幅がゲート円柱径よりも小さく、上記成形品突き出し工程においてサブマリンゲート部分の樹脂が、キャビティのサブマリンゲート連結面で成形品と切断されることを特徴とする。
本発明の射出成形金型は、耐熱温度110℃以上の合成樹脂を射出成形するときに用いる射出成形金型であって、固定側型板と、この固定側型板に衝合してキャビティを形成する可動側型板と、キャビティに連結されるサブマリンゲートとを備え、上記サブマリンゲートは円柱形状であり、サブマリンゲートとキャビティとの連結部断面におけるその連結幅がゲート円柱径よりも小さいので、エンプラを用いた場合でも成形品の突き出し時において、連結面以外での樹脂の破断が起こりにくくゲート痕にバリが発生しない。そのため、成形品へのコールドスラッグの混入を防止できる。
また、上記サブマリンゲートはキャビティのサブマリンゲート連結面に対して 5〜20°傾斜しているので、成形品突き出し時のゲート部分の樹脂抜きが強引な無理抜きとならず、該部分で樹脂が破断することを防止できる。また、ゲート部分の摩耗が少なく、金型の寿命低下を抑制できる。
また合成樹脂は、ベース樹脂より硬い充填材が5容量%以上含まれる合成樹脂組成物を用いた場合でも、金型寿命の低下を抑制できる。
また合成樹脂は、引張強度50Mpa以上、引張伸び20%以下の合成樹脂を用いた場合でも、連結面以外での樹脂の破断が起こりにくい。
本発明のシールリングの製造方法は、固定側型板と可動側型板とを衝合してキャビティを形成する型閉じ工程と、キャビティに連結されるサブマリンゲートより該キャビティ内に溶融樹脂を射出充填する樹脂充填工程と、成形後、成形品を突き出す成形品突き出し工程とを備えてなるシールリングの製造方法であって、上記サブマリンゲートは円柱形状であり、サブマリンゲートとキャビティとの連結部断面におけるその連結幅がゲート円柱径よりも小さく、上記成形品突き出し工程においてサブマリンゲート部分の樹脂が、キャビティのサブマリンゲート連結面で成形品と切断されるので、成形品の突き出し時において、連結面以外での樹脂の破断が起こりにくくゲート痕にバリが発生しない。そのため、成形品へのコールドスラッグの混入を防止できる。
本発明の樹脂製シールリングは、上記金型を用いた方法により製造されたシールリングであるので、ゲート痕にバリがなく、また、コールドスラッグの混入などもないため製造工程が簡略化できるとともに、品質が安定する。
本発明の射出成形金型を図1を参照して説明する。図1は、射出成形金型のキャビティ周辺断面図を示す。
射出成形金型1は、固定側型板2と、この固定側型板2と衝合してキャビティ4を形成する可動側型板3と、キャビティ4に連結される円柱形状のサブマリンゲート7(以下単に「ゲート7」と称す)とを備えてなる。また、固定側型板2にはスプルー5およびランナ6の一部が、可動側型板3にはランナ6の他部とが設けられており、図1に示す型閉じ時において、スプルー5、スプルー5に連結されたランナ6、およびこのランナ6に連結されたゲート7とで成形材料の通路を形成している。また、4aはシールリングの外周面の形成面であり、4bはシールリングの内周面の形成面である。ゲート7はシールリングの内周形成面4bに傾斜して連結されている。
可動側型板3には、成形された製品を取り出すための突き出しピン8が設けられている。また突き出しピン8は、成形品突き出しと同時に、ゲート7部分の樹脂をキャビティ4内の成形品から切断するため、スプルー5、ランナ6およびゲート7で構成される成形材料通路部分の樹脂を突き出せる位置にも設けられている。
ランナ6は、スプルー5からの成形材料をゲート7を介してキャビティ4に流入させることができる形状で、かつ成形品突き出し時にサブマリンゲートであるゲート7とともに型板から突き出せる形状であればよい。例えば、図1に示すように固定側型板2および可動側型板3のそれぞれに、ランナ用凹部の一部を形成して両型板の衝合により形成されるもの、または、一方の型板にランナ用凹部を形成して両型板の衝合により形成されるものなどがある。
図2を参照してキャビティ4とゲート7との連結部形状について説明する。図2(a)は、図1におけるA部拡大図を、図2(b)は、図2(a)におけるB方向矢視図をそれぞれ示す。
円柱形状のゲート7は、シールリングの内周形成面4bに傾斜して連結されている。なお、成形品がシールリングではない場合のゲート7の位置は、キャビティにおける成形品の外周面または内周面の任意の位置とすることができる。
ここで、円柱形状ゲート7のキャビティ4へのくい込み程度、すなわち図中上下方向における位置、および、シールリングの内周形成面4bに対するゲート7の傾斜角度αは、キャビティ4とゲート7との連結幅W1(ゲート口横幅)が、ゲート7の円柱径W2よりも小さくなる位置および角度であればよい。
傾斜角度αは、5〜20°とすることが好ましい。この範囲とすることにより、成形品突き出し時において、ゲート口が鋭利な刃物の役割を持ち、ゲート痕にバリを発生することなく円滑なゲートカットが行なわれる。
図2(b)に示すように、ゲート口7aは平面で見て略三角形状である。図中左垂直辺の幅W3は、ゲート7の円柱底面7cとキャビティ4の下端面4bとの連結幅であるため、ゲート7の円柱径W2以下となる。
ゲート口7aの面積S1と、ゲート円柱断面7bの面積S2とを比較する。キャビティ4とゲート7との連結幅W1が、ゲート7の円柱径W2よりも小さい、および、幅W3がゲート7の円柱径W2以下であることを考慮すると、両面積の関係は以下の式(4)に示すようになる。なお、ゲート口7aの面積S1は、該ゲート口が略三角形であるとして計算した。
Figure 0004303580
ゲート7の形状が円柱形状であるので、ゲートカット時においてランナを破損することなく円滑に金型から抜出すことができる。また、上記ゲートの傾斜角度α5〜20°と相まって、成形品突き出し時においてゲート7部分の樹脂の取出しが強引な無理抜きとならず、該部分で樹脂が破断することを防止できる。
ゲート7の形状を円柱形状とし、該ゲート7とキャビティ4との連結部断面におけるその連結幅をゲート7の円柱径よりも小さくすることにより、ゲート口7aの面積S1が、ゲート円柱断面7bの面積S2よりも小さくなる。このため、成形品突き出し時おいて、連結面であるゲート口7aにおいて樹脂が切断されやすくなり、上記したゲートの傾斜角度α5〜20°と相まって、ゲート口で製品とゲートとが円滑に分断されるとともにコールドスラッグが混入するなどの問題が発生しにくい。また、ゲート7部分の摩耗が少なく、金型の寿命低下を抑制できる。
次に、本発明の射出成形金型を用いたシールリングの製造方法を図3を参照して説明する。図3(a)〜(d)は、射出成形によるシールリングの製造工程を示す図である。
(1)型閉じ工程:固定側型板2と可動側型板3とを衝合し、シールリング状のキャビティ4を形成する。また、スプルー5、ランナ6およびゲート7により溶融樹脂材料の通路10を形成する(図3(a))
(2)樹脂充填工程:成形用溶融樹脂9を通路10を通してゲート口7aよりキャビティ4内に射出充填する(図3(b))。
(3)型開き工程:保圧工程、冷却工程を経てキャビティ4内、および通路10内の樹脂9が硬化した後、可動側型板3を図中左方向に後退させて金型を開放する(図3(c))。
(4)成形品突き出し工程:突き出しピン8を図中右方向に移動し、樹脂9が硬化した成形品11を突き出してキャビティ4から排出する(図3(d))。ここで、突き出しピン8により通路10内の硬化した硬化樹脂12も突き出す。硬化樹脂12の端部12aが突き出しピンにより突き出され、これに附随して硬化樹脂12のランナ6およびゲート7部分も突き出される。硬化樹脂12はこの突き出し時に、ゲート口7a、すなわちキャビティ4のゲート7連結面で成形品11と切断される。
なお、型板および突き出しピンの移動は図示されていない油圧シリンダ等の駆動手段により行なう。
本発明に用いる樹脂材料は、耐熱温度110℃以上の合成樹脂である。このような合成樹脂は一般的にはエンジニアリングプラスチック(エンプラ)と呼ばれている。エンプラは汎用プラスチックに比べて高い耐熱性と機械特性を有し、その特性を生かし寸法精度の厳しい精密成形品や高耐熱性を要求される機能部品に採用されることが多い。
エンプラは、耐熱温度が110〜150℃のものを汎用エンプラと呼び、それ以上のものをスーパーエンプラと呼んでいる。スーパーエンプラの具体例としては、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、芳香族ポリアミドイミド(PAI)樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂などの芳香族ポリイミド樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂などの芳香族系ポリエステル樹脂、46ナイロン、9Tナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂などのポリシアノアリールエーテル樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂などの芳香族ポリエーテルケトン系樹脂などが挙げられる。
エンプラの中でもスーパーエンプラは、ガラス繊維や炭素繊維、あるいは鉱物性ウィスカを配合して強化し、各種機能部品に用いられる場合が多いが、このような補強材は樹脂よりも硬くゲートカットの際は金型にダメージが加わり、金型寿命が短くなる原因になる。しかし、本願金型のサブマリンゲートは、該サブマリンゲートとキャビティとの連結部断面におけるその連結幅がゲート円柱径よりも小さく、かつキャビティの該サブマリンゲート連結面に対して角度5〜20°傾斜しているので、図4(a)に示すように、ゲート口7aを通過する繊維状補強材9aがゲート口7aに対して立った状態になり、図4(b)に示す従来のものと比較して繊維の切断面積が小さく、そのため金型の寿命低下を抑制できる。
また、ゲート7がキャビティのゲート連結面に対して角度5〜20°傾斜しているため、成形品突き出し工程において、ゲート7部分の樹脂抜きが強引な無理抜きとならず、該部分で樹脂が破断することを防止できる。
また、引張強度50Mpa以上、引張伸び20%以下の機械特性を有するエンプラは、従来のサブマリンゲートを用いて成形した場合、特にゲート痕にバリが目立ち、コールドスラッグの混入も著しかったが、本発明の金型の使用によって解消された。
上記方法により製造された樹脂製シールリングは、ゲート痕にバリがなく、また、コールドスラッグの混入などもないためシール性、耐熱性、摺動性などに優れる。また製品品質の均一性に優れる。
本発明の射出成形金型は、サブマリンゲートの形状を、先細り形状ではなく、円柱形状とし、これを傾斜させてキャビティと連結させていることから、十分な樹脂材料通路径およびゲート口面積を確保できる。この結果、引張強度50Mpa以上、引張伸び20%以下の機械特性を有するスーパーエンプラを用いる場合でも、樹脂詰まりが起こらず好適に利用できる。また、ガラス繊維などの繊維状補強材を配合した樹脂を用いる場合でも、ゲート部分での樹脂の破断や、該部分での金型の摩耗を抑制できる。
実施例
外形32mm、内径28mm、幅2mmのシールリングを本発明の金型を用いて100ショット射出成形した。成形材料として、炭素繊維15重量%、PTFE樹脂10重量%を配合したPEEK樹脂組成物を使用した。
射出成形した100個のシールリングに対して、外観調査を行ないバリ、コールドスラッグなどが発生しているシールリングの個数を調べた。結果を表1に示す。なお、ゲート痕は図2(b)に示すように略三角形であった。
比較例
実施例と同様の形状(外径32mm、内径28mm、幅2mm)のシールリングを、図4に示す従来の先細り形状のサブマリンゲートを備えた金型を用いて100ショット射出成形した。成形材料は実施例と同じPEEK樹脂組成物を使用した。
射出成形した100個のシールリングに対して、外観調査を行ないバリ、コールドスラッグなどが発生しているシールリングの個数を調べた。結果を表1に示す。
Figure 0004303580
比較例では、のべ71個にバリ、コールドスラッグなどの発生が見られたのに対し、本発明の射出成形金型を用いて製造したシールリングではバリ、コールドスラッグなどの発生は認められずすべてが良好であった。
本発明の射出成形金型は、サブマリンゲートを備えた射出成形用金型であって、その成形品にゲート痕でのバリ発生、コールドスラッグ混入などが起こらないので、種々の精密成形品の製造に利用できる。また、その成形材料として、ゲート痕でのバリの発生、コールドスラッグ混入が著しいスーパーエンプラに好適に利用できる。
本発明の一実施例に係る射出成形金型のキャビティ周辺断面図である。 図1におけるA部拡大図である。 本発明のシールリングの製造工程を示す図である。 ゲート口近傍における繊維状補強材の配向状態を示す図である。 従来のサブマリンゲートを示すゲート周辺断面図である。
符号の説明
1 射出成形金型
2 固定側型板
3 可動側型板
4 キャビティ
5 スプルー
6 ランナ
7 サブマリンゲート
8 突き出しピン
9 溶融樹脂
10 樹脂通路
11 成形品
12 硬化樹脂

Claims (3)

  1. 耐熱温度110℃以上で、引張強度50Mpa以上、引張伸び20%以下の合成樹脂を射出成形するときに用いる射出成形金型であって、
    前記射出成形金型は、固定側型板と、この固定側型板に衝合してキャビティを形成する可動側型板と、前記キャビティに連結されるサブマリンゲートとを備え、
    前記サブマリンゲートは抜き勾配の無い円柱形状であり、該サブマリンゲートと前記キャビティとの連結部断面におけるその連結幅がゲート円柱径よりも小さく、かつ前記キャビティの該サブマリンゲート連結面に対して角度5〜20°傾斜していることを特徴とする射出成形金型。
  2. 前記合成樹脂は、ベース樹脂より硬い充填材が5容量%以上含まれる合成樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載の射出成形金型。
  3. 固定側型板と可動側型板とを衝合してキャビティを形成する型閉じ工程と、前記キャビティに連結されるサブマリンゲートより該キャビティ内に溶融樹脂を射出充填する樹脂充填工程と、成形後、成形品を突き出す成形品突き出し工程とを備えてなるシールリングの製造方法であって、
    前記シールリングは耐熱温度110℃以上で、引張強度50Mpa以上、引張伸び20%以下の合成樹脂からなり、
    前記サブマリンゲートは抜き勾配の無い円柱形状であり、該サブマリンゲートと前記キャビティとの連結部断面におけるその連結幅がゲート円柱径よりも小さく、かつ前記キャビティの該サブマリンゲート連結面に対して角度5〜20°傾斜しており、
    前記成形品突き出し工程において前記サブマリンゲート部分の樹脂が、該キャビティの該サブマリンゲート連結面で成形品と切断されることを特徴とするシールリングの製造方法。
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