JP2003189568A - 同期電動機、送風機、圧縮機、冷凍・空調装置 - Google Patents

同期電動機、送風機、圧縮機、冷凍・空調装置

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JP2003189568A
JP2003189568A JP2001386210A JP2001386210A JP2003189568A JP 2003189568 A JP2003189568 A JP 2003189568A JP 2001386210 A JP2001386210 A JP 2001386210A JP 2001386210 A JP2001386210 A JP 2001386210A JP 2003189568 A JP2003189568 A JP 2003189568A
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    • H02K19/02Synchronous motors
    • H02K19/10Synchronous motors for multi-phase current
    • H02K19/103Motors having windings on the stator and a variable reluctance soft-iron rotor without windings

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の回転子のスリット形状は磁束の流れに
くい方向であるq軸に対して対称な形状に設定されてい
るため、回転子の回転位置によっては発生する磁束がス
リットを飛び越えなければならず磁束の流れが悪くな
り、損失が大きく効率が悪化するという問題点があっ
た。 【解決手段】 回転子に設けられ、磁束の流れやすい方
向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が
得られるように磁極突起を形成する少なくとも一対のス
リット部と、を備え、前記スリット部に磁気抵抗の小さ
い磁気抵抗小部を設けてq軸に対して非対称とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】図14は特開平9−1916
18号公報などに示されている従来の4極の同期電動機
の横断面図、図15は従来の図14で示される同期電動
機の縦断面図、図16は従来の図14で示される同期電
動機の回転子の横断面図である。図において、1は回転
子であり、鋼板を軸方向に積層した後に出力軸3に圧入
等により固定されている。
【0002】また、9は固定子であり、軸方向に鋼板を
積層して形成されており、また、10は固定子9に巻回
された巻線で、この巻線10に電流を流すことにより回
転磁界を発生させることができる。12は中心側に凸と
なるように半径方向に複数並列配置されたスリットであ
り、複数の磁路13間を磁気的に絶縁するために内部を
空隙にするかあるいは内部に不導体で非磁性体の部材が
充填されている。図16において、14は薄肉連結部で
あり、スリット12によって回転子30の各部が分離し
ないように、回転子30の外周部で部分的にお互いを接
続している。この薄肉連結部14の厚さを調整すること
によって回転子30の強度が保たれている。
【0003】このような従来の電動機は、回転子30に
存在できる界磁磁束の位置、方向が回転子30の磁路1
3の位置、方向で定められているので、回転子30の界
磁磁極の方向へ起磁力が働くように固定子9の巻線10
へ励磁電流を流すことにより、回転子30の界磁磁極の
方向へ界磁磁束をつくることができ、回転子30を回転
させることができる。したがって、図14に示すような
電動機の場合、リラクタンストルクが働いて固定子9の
巻線10によって作られた回転磁界に追従(同期)して
回転子30が回転する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の回
転子30のスリット形状は磁束の流れにくい方向である
q軸に対して対称な形状に設定されているため、回転子
の回転位置によっては発生する磁束がスリットを飛び越
えなければならず磁束の流れが悪くなり、損失が大きく
効率が悪化するという問題点があった。
【0005】また、図11に示す従来の電動機の回転子
30は、4以上の偶数の極数で構成される4極以上のも
のが一般的であり、商用電源(50Hzあるいは60H
z)で運転する場合、例えば4極の場合、回転数を15
00rpmあるいは1800rpmまでしか上げること
ができず、圧縮機などに搭載した場合、出力が低下して
しまい、圧縮機の能力不足が生じてしまう問題点があっ
た。
【0006】また、上記問題を解決するための能力を大
きくする方法としては、インバータなどの駆動回路で運
転周波数をあげるか、あるいは圧縮機の容量(吐出量)
を増加させる方法などがあるが、いずれの場合もコスト
が高くなるという問題があった。
【0007】また、従来の同期電動機は、スリット内に
二次導体を有していないので、一般の誘導電動機のよう
に商用電源で自己始動ができず、始動させるのにインバ
ータなどの専用アンプにより起動しなければならず、高
価な制御装置が必要となる問題点があった。
【0008】また、従来の同期電動機は、q軸方向の磁
性体と非磁性体との比率については何も考慮しておら
ず、電動機の損失が多く、効率の悪い状態で使用してい
た。
【0009】この発明は、上記の問題点を解決するため
になされたもので、高効率な同期電動機を得ることを目
的とする。また、高能力が得られる同期電動機を得るこ
とを目的とする。また、低コストな同期電動機を得るこ
とを目的とする。また、簡単な構造で高速回転に耐える
ことのできる信頼性の高い同期電動機を得ることを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
同期電動機は、回転子に設けられ、磁束の流れやすい方
向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が
得られるように磁極突起を形成する少なくとも一対のス
リット部と、を備え、スリット部に磁気抵抗の小さい磁
気抵抗小部を設けてq軸に対して非対称としたものであ
る。
【0011】本発明の請求項2に係る同期電動機は、回
転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸およ
び磁束の流れにくい方向であるq軸が得られるように磁
極突起を形成し、導電性部材が充填された少なくとも一
対のスリット部と、スリット部の外周側に配置されてス
リット部のd軸方向の少なくとも一端に連結され、導電
性部材が充填されて誘導トルクを発生させる複数のスロ
ット部と、を備え、スリット部に磁気抵抗の小さい磁気
抵抗小部を設けてq軸に対して非対称としたものであ
る。
【0012】本発明の請求項3に係る同期電動機は、ス
リット部の幅を変化させることによって磁気抵抗小部を
設けたものである。
【0013】本発明の請求項4に係る同期電動機は、ス
リット部を分断することによりスリット間の磁路を連結
させて連結ブリッジ部を形成し、連結ブリッジ部を磁気
抵抗小部としたものである。
【0014】本発明の請求項5に係る同期電動機は、連
結ブリッジ部を複数形成し、連結ブリッジ部のd軸方向
幅を徐々に変化させたものである。
【0015】本発明の請求項6に係る同期電動機は、隣
り合うスリットスロットのスリット部を連結させたもの
である。
【0016】本発明の請求項7に係る同期電動機は、磁
気抵抗小部をq軸に対して回転方向進行方向側に設けた
ものである。
【0017】本発明の請求項8に係る同期電動機は、q
軸方向のスリット部とスリット部以外の比率を1:1〜
3にしたものである。
【0018】本発明の請求項9に係る同期電動機は、磁
性体部材を打ち抜いて形成される回転子鉄心が積層され
た回転子と、回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向
であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が略
90度となる2極の磁極突起を形成するために非磁性体
部材が充填された少なくとも一対のスリット部と、を備
え、磁性体部材と非磁性体部材のq軸方向の比率を電動
機の損失が少なくなるような所定の比率に設定したもの
である。
【0019】本発明の請求項10に係る同期電動機は、
所定の比率を1〜3:1となるように設定したものであ
る。
【0020】本発明の請求項11に係る同期電動機は、
誘導トルクを発生させるスロットを回転子に備えたもの
である。
【0021】本発明の請求項12に係る同期電動機は、
回転子の回転力を伝達するシャフトを備え、シャフトを
非磁性体で構成したものである。
【0022】本発明の請求項13に係る同期電動機は、
回転子の軸方向端部にエンドリングを備え、シャフトと
エンドリングを一体成形したものである。
【0023】本発明の請求項14に係る同期電動機は、
極数を2極としたものである。
【0024】本発明の請求項15に係る送風機は、請求
項1乃至請求項14のいずれかに記載の同期電動機を備
えたものである。
【0025】本発明の請求項16に係る圧縮機は、請求
項1乃至請求項14のいずれかに記載の同期電動機を備
えたものである。
【0026】本発明の請求項17に係る冷凍・空調装置
は、請求項15に記載の送風機または請求項16に記載
の圧縮機を備えたものである。
【0027】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態1について図を用いて説明する。図1は本発明
の実施の形態1を表す同期電動機の横断面図である。ま
た、図2は本発明の実施の形態1を表す同期電動機の回
転子の断面図である。また、図3は本発明の実施の形態
1を表す同期電動機の回転子の斜視図である。図1にお
いて、9bは磁性部である電磁鋼板により構成された固
定子鉄心であり、複数枚積層されることにより固定子9
を構成する。
【0028】また、10は固定子鉄心9bのスロット9
a内部に施された巻線、1は磁性部である電磁鋼板によ
り構成された回転子鉄心であり、積層されて回転子30
を構成する。また、50a、50b、50c、50dは
内部に導電性部材であるアルミ材が充填された一対のス
リットスロットであり、シャフト3に最も近い中心側に
位置する一対のスリットスロットが第1のスリットスロ
ット50a、その外側に配置される一対のスリットスロ
ットを中心側から順に第2のスリットスロット50b、
第3のスリットスロット50c、第4のスリットスロッ
ト50dである。
【0029】ここで、第1のスリットスロット50aは
第1のスロット部51aと第1のスリット部52aより
構成されており、第1のスリット部52aの両端に第1
のスロット部51aが連結されている。同様に、第2の
スリットスロット50bは第2のスロット部51bと第
2のスリット部52bより構成され、第3のスリットス
ロット50cは第3のスロット部51cと第3のスリッ
ト部52cより構成され、第4のスリットスロット50
dは第4のスロット部51dと第4のスリット部52d
より構成されている。また、3は回転子鉄心1の中心部
に設けられた軸穴3aに圧入や焼きばめなどにより回転
子30に固着されているシャフトである。
【0030】また、図2において、複数のスロット部5
1a、51b、51c、51d、51f、51gなど
は、回転子鉄心1の中心に対して放射状に略均等に配置
されており、誘導トルクを発生させる。ここで、スリッ
トスロット50a、50b、50c、50dのスリット
部52a、52b、52c、52dは、磁束の流れやす
い方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸が
得られるように、それぞれが放射状に配置されたスロッ
ト部51a間、51b間、51c間、51d間をd軸に
対して略平行で直線状に連続的に接続されており、d軸
とq軸が回転子鉄心1の略中心を通って直交するように
スリット部52a、52b、52c、52dが設けられ
て2極の磁極突起が形成される構造をなしている。すな
わち、スリット部の長手方向(d軸の方向)の両端部に
スロット部が連結接続されてスリットスロットが形成さ
れている。
【0031】ここで、スリットスロット50a、50
b、50c、50dの一対のスリット部52a、52
b、52c、52dは回転子鉄心1の略中心を通るd軸
を挟んで略同等距離に直線状に配置されており、略平行
になるように設けられている。ここで、図において、磁
束の流れやすい方向をd軸、流れにくい方向をq軸とし
ており、第4のスロット部51dはq軸に略平行に設け
られた第4のスリット部52dの長手方向の両端に接続
されており、第4のスロット部51dと第4のスリット
部52dとは「U」字形状をしている。
【0032】そのため、第4のスロット部51dと第4
のスリット部52dが打抜かれた後の回転子鉄心1の形
状は、中心方向に突出した突出部30cを有する形状と
なっている。
【0033】また、図3において、30は回転子であ
り、積層された回転子鉄心1の回転軸の軸線方向両端部
に導電性部材であるアルミ材のエンドリング6がアルミ
ダイカストにより設けられている。回転子30のスリッ
トスロット50a、50b、50c、50dのスロット
部51a、51b、51c、51d、51f、51gの
内部に充填されたアルミ材と積層された回転子鉄心1の
軸線方向両端部に設けられたエンドリング6によってか
ご形の二次導体が形成され、二次導体に電流が流れるこ
とにより誘導トルクを発生して電動機を起動させること
ができる。
【0034】すなわち、スロット部51a、51b、5
1c、51d、51f、51gにはアルミ材などの非磁
性体で導電性の部材が充填されており、起動時や非同期
時に誘導トルクを発生させるための二次電流が流れる。
スリット部52a、52b、52c、52dには、スロ
ット部51a、51b、51c、51d、51f、51
gと同じようにアルミ材などの非磁性体で導電性の部材
が充填されている。本実施の形態では、スロット部51
a、51b、51c、51dとスリット部52a、52
b、52c、52dが繋がって一体で打ち抜かれてスリ
ットスロット50a、50b、50c、50dを形成し
ている。
【0035】回転子30の一対のスリットスロット50
a、50b、50c、50dに充填されたアルミ材は非
磁性体であり、また、本実施の形態の回転子30は、ス
リットスロット50a、50b、50c、50dに方向
性(磁束の流れやすい方向(d軸)と流れにくい方向
(q軸)が機械角で所定角度(たとえば2極の場合は9
0度)ずれて設けられている)を有するように設けてい
るため、固定子9で生成された磁束は回転子30の位置
によって磁極突起が形成される。
【0036】本実施の形態では、d軸とq軸との所定角
度のずれを90度となるようにスリット部を配置してい
るので、2極の磁極突起を有する2極の同期電動機を構
成している。
【0037】ここで、各スリット部や各スロット部を設
けたことによって回転子30の各部分が分離しないよう
に、回転子30にはその外周部に形成されたの薄肉連結
部30aによって部分的にお互いを連結して、遠心力に
対する回転子30の強度を保っている。
【0038】次に、磁束の流れについて説明する。図4
は本実施の形態の別の同期電動機の回転子断面図であ
る。通常、固定子9で発生したN極の位置がd軸軸線上
(スリット部の長手方向)位置であれば磁気抵抗となる
スリット部が磁束の流れを邪魔しないので磁気抵抗が最
も小さくなり、また、N極の位置がq軸軸線上の位置で
あれば磁気抵抗となるスリット部を通過しなければなら
ず磁気抵抗が最も大きくなる。
【0039】すなわち、磁気抵抗が最も小さい方向をd
軸、最も大きい方向をq軸といい、d軸方向あるいはq
軸方向にN極が存在する場合には回転トルクは発生しな
いが、d軸方向あるいはq軸方向より磁極(N極)の発
生位置がずれると回転子30に回転トルクが発生し、そ
の大きさはd軸方向あるいはq軸方向に対するN極の回
転位置により変化する。回転子30に掛かる負荷の大き
さと釣合うトルクが発生する回転角分だけ固定子9の発
生した回転磁界に遅れた回転位置で同期して回転子30
は回転する。
【0040】回転子30に任意の負荷が掛かった状態で
同期運転をしている場合、回転子30の負荷と釣合うト
ルクを発生させる回転角だけ回転子30を回転させよう
と作用するため回転子30が同期回転する。固定子9に
て発生した磁界の方向(N極からS極へ向かう方向)が
図4の場合、右上方向から左下方向であり、固定子9に
て発生した磁束8は、回転子30の右上方向(回転角分
だけ回転方向周り(図4の場合は反時計回り)に回転し
た方向)から入ってきて、左下方向から固定子9の反対
磁極(S極)に向かって進んでいく。
【0041】すなわち、図4に示すように2極の同期電
動機の場合、d軸あるいはq軸に対して固定子9のN極
がずれた位置にある場合、磁束8は、回転子30に設け
られたスリット部52a、52b、52c、52dによ
り磁気的に絶縁されているため、まっすぐに180度軸
対称位置のS極の所まで行くことができず、スリット部
間(例えばスリット部52aとスリット部52bとの
間)の磁路を通って行き、途中でスリット部をまたがっ
て固定子9の他の磁極(S極)側に流れるようになる。
【0042】このとき、回転子30はスリット部によっ
て磁気的に絶縁されているためにスリット部に沿ってス
リット部間の磁路を磁束は通っていくことになるが、あ
る所で磁束の一部はスリット部を通過して(飛び越え
て)S極側へ進んでいくことになる。スリット部を通過
する(飛び越える)磁束の量や位置は、固定子9の磁界
の大きさ、回転子30が発生しているトルク、およびス
リット部やスロット部の形状によって変わってくるた
め、どの位置で飛び越えるかは定まっていない。
【0043】スリット部を飛び越える磁束8の大きさや
位置によっては、磁束8がスリット部を飛び越えるため
回転子30で発生する損失が大きくなり、同期電動機と
しての効率が低下する。そこで、スリット部を飛び越え
る位置を回転子30の損失が小さくなる位置になるよう
に設定することで、負荷の変化による損失低下を抑制す
ることができる。
【0044】図5は本実施の形態の回転子の別の一例を
表した図である。任意のトルクを発生している状態で同
期運転をしている時は、固定子9で発生した磁束8は、
d軸方向あるいはq軸方向には無く、d軸およびq軸よ
り回転方向に所定角度だけずれた位置より流れている状
態にある。このとき、N極より発生した磁束8は、図4
にて説明したようにスリット部により磁気的に絶縁され
るため進行方向(S極側)に進みにくくスリット部に沿
ってスリット部間の磁路を進み、ある所でスリット部を
飛び越してS極側へ流れる。
【0045】ここで、本実施の形態では、図5に示すよ
うにスリット部の一部に磁気抵抗の小さい磁気抵抗小部
である幅の小さい小幅部21a、21b、21cを設け
ている。このスリット部の磁気抵抗小部である小幅部2
1a、21b、21cは磁気抵抗が小さいため、スリッ
ト部に沿ってスリット部間の磁路を進んできた磁束8
が、磁気抵抗が小さく流れやすいスリット部の磁気抵抗
小部である小幅部(21a、21b、21c)を通過す
る(飛び越える)ようになる。したがって、磁束8の飛
び越える位置を磁気抵抗小部に制御することができるた
め、磁束の流れを特定位置(小幅部)に固定することが
でき、磁束の流れを安定させ、回転子30の回転動作を
安定させることができる。また、磁気抵抗小部である小
幅部は磁束8がスリット部を飛び越えることによる損失
を最も小さくなる位置に設定することができるので、電
動機の効率を向上させる事ができる。
【0046】ここで、磁気抵抗小部である小幅部を設け
る位置は、q軸に対して回転方向進行方向側(図5にお
いては、d軸より上部に位置するスリット部に対しては
q軸の左側、d軸より下部に位置するスリット部に対し
てはq軸の右側)に設けた方が磁束8の流れがスムーズ
になるので、損失が低減でき、高効率の同期電動機を得
ることができる。
【0047】また、回転子30のスリット部に磁気抵抗
小部である小幅部をq軸に対して回転方向進行方向側の
片側に設けるようにしてq軸に対してスリット部の形状
を非対称にすることで、磁束8が電動機効率の良くなる
特定位置(磁気抵抗小部)を通過するように制御でき、
磁束の流れを改善することができ、電動機の効率および
特性を向上させることができる。
【0048】以上はd軸に対して一対設けられているス
リット部のうちの一方のスリット部のq軸に対する回転
方向進行方向側の片側に磁気抵抗小部である小幅部を設
けてq軸に対してスリット部の形状を非対称に設定する
例について説明したが、電動機の特性や使用条件によっ
ては、磁束8を通過させたくない部分を逆に厚くしても
よい。また、複数のスリット部の全てに磁気抵抗小部で
ある小幅部を設けてもよいし、効率のよくなるスリット
部のみに小幅部を設けても良い。電動機の効率が最も良
い状態で運転できる位置で固定子9により発生した磁束
8の流れの位置を効率のよくなる特定位置に制御するこ
とができればスリット部のどの位置に磁気抵抗小部を設
けて制御しても問題はない。
【0049】ここで、磁束8が効率の良くなる特定位置
を通過するように制御することによって、固定子9の銅
損は減るが、回転子30の損失の一つである鉄損が大き
くなるような場合でも、電動機としての全体の損失が小
さくなるのであれば、上記のような磁束の通過位置の制
御を行った方が電動機効率がUPするので良い。このよ
うに、電動機としての特性や負荷条件による銅損や鉄損
のバランスを考慮し、電動機としての損失が最も小さく
なるような位置を磁束が通過するようにスリット部に磁
気抵抗小部を設けてq軸に対して非対称に変更して磁束
の流れを制御すればよい。
【0050】また、本実施の形態では、磁気抵抗小部と
してスリット部の一部を薄くする小幅部を設けることに
ついて説明したが、図6に示すように損失の最も小さい
位置でスリット部を分割してスリット部間の磁路をつな
いで磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4を構成しても
同様の効果を奏する。図6は本実施の形態を表す別の同
期電動機の回転子の断面図である。図において、図1〜
図5と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。
図において、70aはスリット部52aと52bとの間
の磁路、70bはスリット部52bと52cとの間の磁
路、70cはスリット部52cと50dとの間の磁路で
あり、連結ブリッジ部4にて連結されている。この磁気
抵抗小部である連結ブリッジ部4は回転子鉄心1によっ
て構成されるため、磁気抵抗が小さくスリット部よりは
磁束8が流れやすくなる。
【0051】本実施の形態では、スリット部間の磁路7
0a、70b、70cを損失の小さくなる位置にて磁気
抵抗小部である連結ブリッジ部4にて連結させているの
で、固定子9で生成された磁束8は磁気抵抗小部である
連結ブリッジ部4を通過するようになり、磁束の流れを
損失の小さい部分に制御でき、磁束の流れを改善するこ
とができる。磁束の流れを改善することにより電動機を
高効率に運転させることができる。また、磁気抵抗小部
である連結ブリッジ部4を生成することで回転子30の
強度が増加するので、遠心力に対する強度が向上し、信
頼性が向上する。ここで、連結ブリッジ部4はq軸に対
してなるべく回転方向進行方向側(図6のd軸よりの上
側スリット部の場合はq軸に対して左側)の離れた位置
にあることが望ましい。
【0052】以上のようにスリット部に磁気抵抗小部を
設けて磁束の流れを損失の少ない特定位置に改善するこ
とによって、改善しない場合に比べて固定子9の巻線に
流れる電流が減少して、電動機の高効率化をはかること
ができる。スリット部の形状や位置は電動機の特性や使
用条件などにより損失の少ない位置に適宜変更すること
によりどのような同期電動機でも高効率化を図ることが
可能である。
【0053】また、図7や図8や図9に示すように損失
の最も小さい位置で磁束の流れをスムーズにするように
スリット部の形状や向きを変えても同様の効果を奏す
る。図7、図8、図9は本実施の形態の別の同期電動機
の回転子の断面を表す図である。図7、図8、図9にお
いて、図1〜図6と同等部分は同一の符号を付して説明
は省略する。
【0054】図7、図8、図9において、60a、60
b、60cはスリットスロットであり、61a、61
b、61cはスロット部、62a、62b、62cはス
リット部である。図7においては、磁束がスムーズに流
れやすいようにスリット部62bを損失の最も小さい位
置で分割して磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4を形
成し、この連結ブリッジ部4にてスリット部62bの分
割端部62Xの向きを磁束の流れ方向へ変更している。
また、スリット部62cも磁束がスムーズに流れやすい
ように磁束の流れ方向に向かって分割端部の形状をじょ
じょに幅を小さくした分割端部幅縮小部を有している。
このようにすると、スリット部間の磁路が磁束の流れや
すいように形成されるため、磁束が流れやすくなり、損
失が低減し高効率の電動機が得られる。
【0055】ここで、固定子9で生成された磁束は回転
子30のスリット部間の磁路の部分を流れて、磁気抵抗
小部である連結ブリッジ部4に流れ込み、連結ブリッジ
部4にて各スリット部間の磁路70a、70b、70c
を流れてきた磁束が合流して流れ込むため連結ブリッジ
部4での磁束量が増加する。したがって、図8に示すよ
うに磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4の大きさ
(幅)を磁束の流れ方向に向かって徐々に大きくするこ
とにより、磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4での磁
束の飽和を低減できるので、電動機の鉄損を低減させ、
効率を向上することができる。図8では、磁気抵抗小部
である連結ブリッジ部4の幅を磁束の流れ方向(図8の
図面上側部分の連結ブリッジ部4では右上から左下)に
向かって徐々に大きくしてあるが、電動機の特性や使用
条件によって電動機の特性がよくなるように連結ブリッ
ジ部4の形状を任意に設定すればよい。
【0056】また、図9に示すように、回転子30のス
リット部を分割して磁気抵抗小部である連結ブリッジ部
4でつなぎ、さらに、スリット部62aと62bとをス
リット連結部62Yで連結させているので、スリットス
ロット内に充填されているアルミなどの充填物質の充填
量(体積)を増やすことができる。アルミなどの充填物
質の充填量(体積)が増えると回転子30の二次抵抗が
小さくなり、高効率な電動機を得ることができる。
【0057】ここで、スリット部とスロット部を有する
同期電動機は、原理的に、起動時にはスロット部61
a、61b、61cに誘導トルクが発生するためにスロ
ット部61a、61b、61cに二次電流が流れるが、
同期運転時はスロット部には二次電流が流れない。しか
し、実際には、電源等の歪による高調波電流がスロット
部やスリット部に流れる。このため、同期運転時でもこ
の高調波電流による損失が発生するが、二次抵抗を下げ
ることにより損失を低減することができる。よって、ス
リット部を連結させるスリット連結部を設けると二次抵
抗が小さくなるので、高効率な電動機を得ることができ
るが、このスリット連結部を設ける位置や、どのスリッ
ト部とどのスリット部を連結させるかは電動機の特性や
使用条件によって損失が少なく(効率が良く)なるよう
に選定すればよい。
【0058】また、以上のようにスリット部の形状を変
更しても、回転子30のみの金型を変えるだけでよく、
製造工程まで変更する必要がないため従来と同等のコス
トでコストUPなく製造できる。
【0059】また、本実施の形態では、充填物質にアル
ミ材を使用している例について説明したが、銅などの別
の非磁性体で導電性の物質であれば同様の効果を奏する
ので、どのような部材でもよい。
【0060】また、本実施例では、スリット部とスロッ
ト部に同じ部材(アルミ材)を充填するようにしている
が、スリット部とスロット部に別々の部材を充填しても
同様の効果を奏する。この場合、スロット部に例えばア
ルミ材をダイカスト法などにより充填し、スリット部に
は別の例えば銅などをダイカスト法などにより充填すれ
ばよい。スリット部とスロット部に別々の部材を充填す
る場合には、たとえばスロット部に充填部材を充填する
ときに、スリット部にスロット部の充填物質が入らない
ようにカバーを設ければ、スリット部にスロット部の充
填部材が侵入することがなくなるので、確実にスリット
部とスリット部の充填物質を分離することができる。こ
の場合、スリット部に充填する物質は必ずしも導電性の
物質である必要はない。
【0061】このように、スリット部とスロット部に別
々の充填部材を充填するようにすれば、充填部材の選択
の自由度が広がり、コスト低減が行なえ、さらに、電動
機の特性上の自由度も増すことができる。ここで、スリ
ット部とスロット部を分離して別々の部材を充填するよ
うにすれば、カバーをして充填する必要がなくなるの
で、製造が簡単で低コストな電動機が得られる。
【0062】また、本実施の形態では、充填物質として
非磁性体の導電性部材について説明したが、スリット部
には透磁率の低いマグネット等の磁性体を充填あるいは
挿入しても同様の効果を奏する。予め、スリット部のマ
グネットを挿入したい部分にはスロット部に充填する充
填部材を充填せずに空間をあけておき、スリット部に挿
入するマグネットをスリット部の空間形状と同等形状に
加工しておき、スリット部の空間に挿入するようにすれ
ば容易に装着できる。
【0063】また、本実施の形態の同期電動機は、回転
子30にスロット部を有しているので、固定子9の巻線
10に50Hzおよび60Hzの商用電源を接続して運
転させた場合でも、従来のように特別な起動装置を必要
とせずに起動でき、低コストな電動機を得ることができ
る。しかも、回転子30に2極の磁極突起を有するよう
にスリット部を設けているので、同期運転が行なえるた
め、従来の誘導電動機のようにすべりが存在しない。よ
って、運転時の回転数は、50Hzおよび60Hzの場
合、同期回転数である3000(rpm)および360
0(rpm)となり、すべりによる回転数分(数%程
度)だけ回転数を拡大することができる。
【0064】また、極数を2極にしているので、極数が
4極の場合に比べて回転数を大きくすることができる。
すなわち、4極構造の場合では、50Hzおよび60H
zの商用電源の場合、同期運転させても回転数が2極の
半分である1500(rpm)および1800(rp
m)までしか運転させることができないが、本実施の形
態では2極構造にしているので、回転数を3000(r
pm)および3600(rpm)まで運転させることが
でき、電動機の回転数を大きく、高出力の電動機を得る
ことができる。
【0065】また、本実施の形態の同期電動機の回転子
構造は、従来の誘導電動機と同様にアルミダイカストに
て製造できるため、本発明の同期電動機を製造する場合
においても、従来の誘導電動機に対してコストアップを
伴わない。
【0066】また、回転子30の外周部に設けられたス
ロット部を放射状に略等間隔に配置しているので、誘導
トルクをより大きくすることができ、電動機を安定して
起動させて同期運転に到達させることができ、信頼性の
高い同期電動機を得ることができる。
【0067】また、対をなすスリット部52a、52
b、52c、52dを略直線状としているので、磁束が
通りやすくなり、高効率な電動機を得ることができる。
また、対をなすスリットを磁束が通りやすい方向である
d軸に対して略平行となるように配置しているので、磁
束が通りやすくなり、電動機の温度上昇を抑制すること
ができ、巻き線焼損などの発生しない信頼性の高い電動
機が得られる。
【0068】また、本実施の形態では、2極の場合につ
いて説明したが、それ以上の極数(たとえば4極や6
極)でも同様の効果を奏する。
【0069】ここで、本実施の形態の同期電動機は、ス
リットスロットにアルミ材などの非磁性体を充填してマ
グネットを使用しないようにしているため低コストであ
り、また、解体時に解体装置にマグネットがひっつくこ
とがなく解体が容易でリサイクル性がよい。
【0070】なお、本実施の形態では一対のスリット部
の本数を4本の場合で説明したが、別に4本でなくても
同様の効果が得られる。また、導電性材質としてアルミ
材について説明したが、銅、銅合金、真鍮、ステンレス
鋼材などのその他の材質を用いても同様の効果を得るこ
とができる。例えば、材質として銅を用いた場合、銅は
アルミ材より抵抗率が低いため、かご形二次導体の抵抗
が低くなり、起動から同期引込までの特性を改善させる
ことができる。
【0071】また、以上のような本実施の形態の回転子
30を用いた同期電動機は、同期運転時に回転子30の
2次銅損が発生せず高効率運転が可能となるので、送風
機や圧縮機、さらにはエアコン、冷蔵庫等の冷凍・空調
装置に用いるのに適している。
【0072】また、本実施の形態の同期電動機は、導電
性材質として抵抗率の低い部材を使用するようにすれ
ば、起動から同期回転数への引込みまでの時間を短くで
き性能が良好であるため、低振動・低騒音な同期電動機
を得ることができ、この同期電動機を搭載すれば、低振
動・低騒音な圧縮機を得ることができる。また、本実施
の形態の電動機やこの電動機を搭載した圧縮機は低振動
であるため、冷凍・空調装置に適用した場合には、配管
振動による配管亀裂などの発生しない信頼性の高い冷凍
・空調装置を得ることができる。また、本実施の形態の
電動機やこの電動機を搭載した圧縮機は低振動・低騒音
であるため、冷凍・空調装置に適用した場合には、防振
装置や防音装置が不要となり、低コストで信頼性の高い
冷凍・空調装置が得られる。
【0073】実施の形態2.図10は磁性体と非磁性体
の幅について説明するための回転子の断面図、図11は
本発明の実施の形態2を表す同期電動機の回転子の断面
図である。図10、図11において、実施の形態1と同
等部分は同一の符号を付して説明は省略する。本実施の
形態では、実施の形態1で説明した回転子のシャフトに
非磁性体を使用するものである。
【0074】図10において、1は回転子鉄心であり、
磁性体である電磁鋼板が使用され、積層されて回転子3
0を構成する。60a、60b、60c、60dは非磁
性体で導電性部材であるアルミ材などが充填されたスリ
ットスロットであり、62a、62b、62cはスリッ
ト部61a、61b、61cはスロット部である。Lは
スリット部62aとスリット部62bとの間の磁路70
a、あるいはスリット部62bとスリット部62cとの
間の磁路70b、あるいはスリット部62cとスリット
スロット60dとの間の磁路70cのq軸方向の幅であ
り、Mはシャフト3とスリット部61aとの間の磁性体
である回転子鉄心1の幅である。ここで、スリット部、
62a、62b、62cは実施の形態1で説明したよう
に直線状でなくてもよいので、本実施の形態では、図1
1に示すようにシャフト5を中心にしてシャフト5を挟
みこむようにd軸方向に開口した丸みを帯びた形状にし
ている。
【0075】ここで、本実施の形態では、シャフト5に
非磁性体であるアルミ材やステンレス鋼材などを使用し
ている。実施の形態1で説明した回転子30のシャフト
3は、鉄などの磁性体であり、シャフト用貫通穴3aに
焼きばめや圧入などにより固着されているので、シャフ
ト3の部分にはスリット部を設けることができず、q軸
側からみた場合の磁性体と非磁性体の比率は、シャフト
3の分だけ磁性体の比率が極端に大きくなっている。こ
の磁性体と非磁性体の比率は、極数などによって効率の
よくなる所定の比率が存在するので、効率のよくなる所
定の比率に設定する方が望ましい。したがって、解析や
実験などにより電動機入力などが小さくなるように所定
の比率を選定した方がよい。
【0076】ここで、電動機効率の良くなる磁性体と非
磁性体の所定の比率を実験により求めた所、この所定の
比率は磁性体:非磁性体=1〜3:1(磁性体1〜3に
対し非磁性体1の割合)にした方が良い(スリット部と
スリット部以外の比率を1:1〜3にした方が良い)こ
とが分かったので、できるだけ磁性体:非磁性体=1〜
3:1に近づけるようにすべく、本実施の形態ではシャ
フト5を非磁性体で構成するようにしている。シャフト
5を非磁性体で構成すると磁性体と非磁性体との比率を
1〜3:1に近づける場合に、シャフト5が非磁性体で
あるためシャフト5以外で磁性体の部分を大きくするこ
とができるため、従来のようにq軸方向の磁性体部分の
幅を小さくする必要がない。
【0077】すなわち、従来のようにシャフト3に鉄な
どの磁性体を使用している場合には、磁性体と非磁性体
の比率を1〜3:1にして効率を向上させるためには、
シャフト3が磁性体のためにシャフト3以外の磁性体部
分のq軸方向の幅を小さくして、非磁性体部分(スリッ
ト部)のq軸方向の幅を大きくする必要があるが、本実
施の形態では、シャフト5に非磁性体部材を使用してい
るので、非磁性体部分(スリット部)のq軸方向の幅を
大きくする必要がなく、逆に磁性体部分を大きくする必
要が生じ、スリットスロットを打ち抜いた後の回転子鉄
心1のスリットスロット間(磁性体部分)の強度を向上
させることができ、信頼性の高い電動機を得ることがで
きる。
【0078】ここで、従来の電動機は、図10に示すよ
うに、スリット部62aとスリット部62bとの間の磁
路70a、あるいはスリット部62bとスリット部62
cとの間の磁路70b、あるいはスリット部62cとス
リットスロット60dとの間の磁路のq軸方向の幅Lや
シャフト5とスリット部62aとの間の磁性体である回
転子鉄心1の幅Mは打ち抜きによる変形や回転子の強度
を確保する必要があるため、それほど小さくできないの
で、q軸方向の磁性体と非磁性体との比率も所定の比率
よりも磁性体の比率の方が大きくなってしまい、効率の
良い状態で使用できていない可能性があった。
【0079】しかしながら、本実施の形態では、図11
に示したようにシャフト5に非磁性体であるステンレス
材などを使用するようにしているので、図10の場合と
は逆に、シャフト5が非磁性体であるため、スリット部
62aとスリット部62bとの間の磁路70a、あるい
はスリット部62bとスリット部62cとの間の磁路7
0b、あるいはスリット部62cとスリットスロット6
0dとの間の磁路70cのq軸方向の幅Lやシャフト5
とスリット部62aとの間の磁性体である回転子鉄心1
の幅Mを大きくして磁性体の比率を増やすことができ
る。
【0080】したがって、本実施の形態のようにシャフ
ト5に非磁性体を使用すれば、図11に示したように幅
Lや幅Mを大きくすることができるので、打ち抜きによ
る回転子鉄心1の変形や回転子30の強度も確保でき
る。また、シャフト5を保持する部分の幅Mも大きくで
きるので、シャフトの保持強度も向上し、運転中にシャ
フト5が回転子30からはずれたりすることもなくなり
信頼性が高く高効率な同期電動機が得られる。
【0081】図12は本発明の実施の形態2を表す回転
子の斜視図、図13は本発明の実施の形態2を表す回転
子の断面図である。図において、実施の形態1と同等部
分は同一の符号を付して説明は省略する。図12におい
て、1は回転子鉄心であり、軸方向に積層されて回転子
30を構成する。55は積層された回転子鉄心1の軸方
向両端部に設けられたエンドリングであり、アルミ材な
どの非磁性体部材で構成され、ダイカストなどによりシ
ャフト55aと一体に成形されている。また、図13に
おいて60a、60b、60c、60dはそれぞれd軸
に対して一対設けられたスリットスロットであり、実施
の形態1で説明したようにスリット部62a、62b、
62cとスロット部61a、61b、61cなどから構
成されていて、ダイカストなどによりエンドリング55
と一体で成形される。
【0082】非磁性体であるアルミ材やステンレス材な
どで構成されるシャフト55aをエンドリング55と一
体に成形しているので、回転子鉄心1にシャフト55a
を設ける必要がなくなる。したがって、図13に示した
ように回転子鉄心1にはシャフトはなく、従来シャフト
があった部分にもスリットスロット60f、60gを設
けることができる。よって、q軸方向の磁性体と非磁性
体との比率を所定の比率(磁性体と非磁性体が1〜3:
1の比率が望ましい)に設定することが可能になる。
【0083】すなわち、所定の比率を1〜3:1にした
い場合は、q軸方向の非磁性体部分であるスリットスロ
ット60a、60b、60c、60d、60f、60g
の幅と磁性体部分である回転子鉄心1のスリットスロッ
ト(60a、60b、60c、60d、60f、60
g)間の幅を1〜3:1となるように設定すればよい。
このとき、回転子鉄心1のスリットスロット(60a、
60b、60c、60d、60f、60g)間の幅は大
きく設定できるので、打ち抜き時に変形せず、回転子の
強度が得られる幅に設定でき、信頼性が確保できるとも
に、高効率の同期電動機が得られる。
【0084】以上のように、シャフト55aを非磁性体
で構成しエンドリング55と一体にダイカストなどによ
り成形すれば、回転子鉄心1にシャフト55aを設ける
必要がなくなるので、従来シャフトがあった部分にもス
リットスロット(60f、60g)を設けることができ
るため、磁束の流れにくい方向であるq軸方向の磁性体
部分と非磁性体部分の比率を所定の比率に設定でき、高
効率の電動機を得ることができる。また、回転子鉄心1
にシャフト55aを設ける必要がなくなるので、従来シ
ャフトがあった部分にもスリットスロット(60f、6
0g)を設けることができるため、スリットスロット間
の幅も強度が得られる自由な幅に設定でき、信頼性の高
い同期電動機を得ることができる。
【0085】また、本実施の形態では、充填部材に非磁
性体であるアルミ材を使用している例について説明した
が銅などの別の非磁性体でもよく導電性の部材であれば
同様の効果を奏する。
【0086】また、本実施の形態では、スリット部とス
ロット部に同じ部材を充填するようにしているが別々の
物質を充填しても同様の効果を奏する。スロット部には
例えば非磁性体で導電性のアルミ材をダイカスト法など
により充填し、スリット部には別の例えば銅などをダイ
カスト法などにより充填してもよい。この場合、スリッ
ト部にはスロット部に充填する充填物質が入らないよう
にカバーをしてからスロット部に別の充填部材を充填す
れば、スリット部とスリット部の充填部材を別々の部材
とすることができる。この場合、スリット部に充填する
部材は必ずしも導電性の物質である必要はない。
【0087】また、本実施の形態では、スリット部の充
填部材を非磁性体として説明したが、透磁率の小さいマ
グネット等の磁性体を挿入しても同様の効果を奏する。
スリット部に挿入するマグネットを凹凸の形状に加工し
ておき、スリット部もマグネットと同等の凹凸形状にし
て挿入するようにしておけば容易に装着できる。
【0088】このように、スリット部とスロット部に別
々の充填部材を充填するようにすれば、充填部材の選択
の自由度が広がり、コスト低減が行なえ、さらに、電動
機の特性上の自由度も増すことができる。ここで、スリ
ット部とスロット部を分離して別々の部材を充填するよ
うにすれば、カバーをして充填する必要がなくなるの
で、製造が簡単で低コストな電動機が得られる。
【0089】また、本実施の形態では、スリット部とス
ロット部を連続した曲線で連結してあるが、スリット部
とスロット部との間にくびれを設けたり、スリット部と
スロット部との間を分離したりしても同様の効果を奏す
る。また、アルミ材などの充填材の挿入は、ダイカスト
法や溶湯鍛造法などにより注入すれば、スリット部やス
ロット部の形状を問わず容易に充填できる。
【0090】なお、本実施の形態では一対のスリット部
の本数を4本の場合で説明したが、別に4本でなくても
同様の効果が得られる。また、導電性材質としてアルミ
材について説明したが、銅、銅合金、真鍮、ステンレス
鋼材などのその他の材質を用いても同様の効果を得るこ
とができる。例えば、材質として銅を用いた場合、銅は
アルミ材より抵抗率が低いため、かご形二次導体の抵抗
が小さくなり、起動から同期引込までの特性を改善させ
ることができる。
【0091】また、実施の形態1で説明したように、ス
リット部に磁気抵抗小部(たとえば、実施の形態1で説
明した小幅部や連結ブリッジ部)をq軸に対して片側に
設けるようにしてq軸に対してスリット部の形状を非対
称にすることで、磁束8が電動機効率の良くなる特定位
置(磁気抵抗小部)を通過するように制御でき、磁束の
流れを改善することができ、電動機の効率および特性を
向上させることができる。また、スリット部のq軸に対
する回転方向進行方向側に磁気抵抗小部(たとえば、実
施の形態1で説明した小幅部や連結ブリッジ部)を設け
るようにすれば、磁束の流れがスムーズになるので、電
動機損失が低減でき、高効率な同期電動機を得ることが
できる。
【0092】また、スリット部間の磁路70a、70
b、70cを損失の小さくなる位置にて磁気抵抗小部
(小幅部や連結ブリッジ部など)を設けるようにすれ
ば、固定子9で生成された磁束8は磁気抵抗小部を通過
するようになり、磁束の流れを損失の小さい特定位置に
制御でき、磁束の流れを改善することができる。磁束の
流れを改善することにより電動機を高効率に運転させる
ことができる。ここで、磁気抵抗小部である連結ブリッ
ジ部を設ければ、回転子30の強度が増加するので、遠
心力に対する強度が向上し、信頼性が向上する。ここ
で、連結ブリッジ部はq軸に対してなるべく回転方向進
行方向側の離れた位置にあることが望ましい。
【0093】また、本発明の回転子鉄心1を用いた電動
機は、同期運転時に回転子30の2次銅損が発生せず高
効率運転が可能となるので、送風機や圧縮機、さらには
エアコン、冷蔵庫等の冷凍・空調装置に用いるのに適し
ている。
【0094】また、本実施の形態の同期電動機は、導電
性材質として抵抗率の低い部材を使用するようにすれ
ば、起動から同期回転数への引込みまでの時間を短くで
き性能が良好であるため、低振動・低騒音な同期電動機
を得ることができ、この同期電動機を搭載すれば、低振
動・低騒音な圧縮機を得ることができる。また、本実施
の形態の電動機やこの電動機を搭載した圧縮機は低振動
であるため、冷凍・空調装置に適用した場合には、配管
振動による配管亀裂などの発生しない信頼性の高い冷凍
・空調装置を得ることができる。また、本実施の形態の
電動機やこの電動機を搭載した圧縮機は低振動・低騒音
であるため、冷凍・空調装置に適用した場合には、防振
装置や防音装置が不要となり、低コストで信頼性の高い
冷凍・空調装置が得られる。
【0095】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る同期電動機は、
回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸お
よび磁束の流れにくい方向であるq軸が得られるように
磁極突起を形成する少なくとも一対のスリット部と、を
備え、スリット部に磁気抵抗の小さい磁気抵抗小部を設
けてq軸に対して非対称としたので、磁束の流れる位置
を特定位置に制御でき、損失の少ない高効率な電動機が
得られる。
【0096】本発明の請求項2に係る同期電動機は、回
転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸およ
び磁束の流れにくい方向であるq軸が得られるように磁
極突起を形成し、導電性部材が充填された少なくとも一
対のスリット部と、スリット部の外周側に配置されてス
リット部のd軸方向の少なくとも一端に連結され、導電
性部材が充填されて誘導トルクを発生させる複数のスロ
ット部と、を備え、スリット部に磁気抵抗の小さい磁気
抵抗小部を設けてq軸に対して非対称としたので、磁束
の流れる位置を特定位置に制御でき、損失の少ない高効
率な電動機が得られる。さらに、スロット部を有するの
で、特別な起動装置を必要せず、安価な同期電動機が得
られる。
【0097】本発明の請求項3に係る同期電動機は、ス
リット部の幅を変化させることによって磁気抵抗小部を
設けたので、スリット部の簡単な変更で損失の少ない位
置に磁束を流すことができ、高効率な同期電動機が得ら
れる。
【0098】本発明の請求項4に係る同期電動機は、ス
リット部を分断することによりスリット間の磁路を連結
させて連結ブリッジ部を形成し、連結ブリッジ部を磁気
抵抗小部としたので、スリット部を分断するだけの簡単
な構成でありながら、磁束の流れる位置を制御でき、高
効率な同期電動機が得られる。また、連結ブリッジ部が
存在するので、遠心力に対する強度が向上し、信頼性の
高い同期電動機が得られる。
【0099】本発明の請求項5に係る同期電動機は、連
結ブリッジ部を複数形成し、連結ブリッジ部のd軸方向
幅を徐々に変化させたので、磁束の飽和現象が発生しに
くくなり、高効率な同期電動機が得られる。
【0100】本発明の請求項6に係る同期電動機は、隣
り合うスリットスロットのスリット部を連結させたの
で、アルミなどの充填部材を多くすることができるた
め、回転子の二次抵抗が減少し、高効率な同期電動機が
得られる。
【0101】本発明の請求項7に係る同期電動機は、磁
気抵抗小部をq軸に対して回転方向進行方向側に設けた
ので、磁束8の流れがスムーズになるため、損失が低減
でき、高効率の同期電動機を得ることができる。
【0102】本発明の請求項8に係る同期電動機は、q
軸方向のスリット部とq軸方向のスリット部以外との比
率を1:1〜3にしたので、高効率な同期電動機が得ら
れる。
【0103】本発明の請求項9に係る同期電動機は、磁
性体部材を打ち抜いて形成される回転子鉄心が積層され
た回転子と、回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向
であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が略
90度となる2極の磁極突起を形成するために非磁性体
部材が充填された少なくとも一対のスリット部と、を備
え、磁性体部材と非磁性体部材のq軸方向の比率を電動
機の損失が少なくなるような所定の比率に設定したの
で、回転子の損失を小さくすることができ、高効率な同
期電動機が得られる。
【0104】本発明の請求項10に係る同期電動機は、
所定の比率を略1〜3:1となるように設定したので、
回転子の各種損失のバランスよく小さくすることがで
き、高効率な同期電動機が得られる。
【0105】本発明の請求項11に係る同期電動機は、
誘導トルクを発生させるスロットを回転子に備えたの
で、起動する際に特別な起動装置を必要せず、安価な同
期電動機が得られる。
【0106】本発明の請求項12に係る同期電動機は、
回転子の回転力を伝達するシャフトを備え、シャフトを
非磁性体で構成したので、q軸方向の磁性体と非磁性体
の比率の設定の自由度を大きくすることができ、同期電
動機の性能を向上させることができる。
【0107】本発明の請求項13に係る同期電動機は、
回転子の軸方向端部にエンドリングを備え、シャフトと
エンドリングを一体成形したので、スリット部の形状の
自由度が増加するため、二次抵抗の小さい形状に設定で
き、高効率な同期電動機を得ることができる。
【0108】本発明の請求項14に係る同期電動機は、
極数を2極としたので、回転数を3000(rpm)お
よび3600(rpm)まで運転させることができ、電
動機の回転数を大きく、高出力の電動機を得ることがで
きる。
【0109】本発明の請求項15に係る送風機は、請求
項1乃至請求項14のいずれかに記載の同期電動機を備
えたので、低騒音、低振動であり、低騒音で信頼性の高
い送風機が得られる。
【0110】本発明の請求項16に係る圧縮機は、請求
項1乃至請求項14のいずれかに記載の同期電動機を備
えたので、低騒音、低振動であり、低騒音で信頼性の高
い圧縮機が得られる。
【0111】本発明の請求項17に係る冷凍・空調装置
は、請求項15に記載の送風機または請求項16に記載
の圧縮機を備えたので、防振装置や防音装置が不要とな
り、低コストで信頼性の高い冷凍・空調装置が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を表す同期電動機の横
断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1を表す同期電動機の回
転子の断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1を表す同期電動機の回
転子の斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態1を表す別の同期電動機
の回転子断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態1を表す別の同期電動機
の回転子断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態1を表す別の同期電動機
の回転子断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態1を表す別の同期電動機
の回転子断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態1を表す別の同期電動機
の回転子断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態1を表す別の同期電動機
の回転子断面図である。
【図10】 磁性体と非磁性体の幅について説明するた
めの回転子の断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態2を表す同期電動機の
回転子の断面図である。
【図12】 本発明の実施の形態2を表す別の回転子の
斜視図である。
【図13】 本発明の実施の形態2を表す別の回転子の
断面図である。
【図14】 従来の4極の同期電動機の横断面図であ
る。
【図15】 従来の図14で示される同期電動機の縦断
面図である。
【図16】 従来の図14で示される同期電動機の回転
子の横断面図である。
【符号の説明】
1 回転子鉄心、3 シャフト、4 連結ブリッジ部、
5 シャフト、6 エンドリング、8 磁束、9 固定
子鉄心、10 巻線、12 スリット、13磁路、14
薄肉連結部、30 回転子、50a、50b、50
c、50d スリットスロット、51a、51b、51
c、51d、51f、51g スロット部、52a、5
2b、52c、52d スリット部、55 エンドリン
グ、55a シャフト、60a、60b、60c、60
d、60f、60g スリットスロット、61a、61
b、61c スロット部、62a、62b、62c ス
リット部、62X 分割端部、62Y スリット連結
部、70a、70b、70c磁路。
フロントページの続き (72)発明者 吉野 勇人 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5H002 AA02 AB07 AE07 AE08 5H619 AA01 BB01 BB06 BB24 PP05 PP06

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転子に設けられ、磁束の流れやすい方
    向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が
    得られるように磁極突起を形成する少なくとも一対のス
    リット部と、を備え、前記スリット部に磁気抵抗の小さ
    い磁気抵抗小部を設けてq軸に対して非対称としたこと
    を特徴とする同期電動機。
  2. 【請求項2】 回転子に設けられ、磁束の流れやすい方
    向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が
    得られるように磁極突起を形成し、導電性部材が充填さ
    れた少なくとも一対のスリット部と、前記スリット部の
    外周側に配置されて前記スリット部のd軸方向の少なく
    とも一端に連結され、導電性部材が充填されて誘導トル
    クを発生させる複数のスロット部と、を備え、前記スリ
    ット部に磁気抵抗の小さい磁気抵抗小部を設けて前記q
    軸に対して非対称としたことをことを特徴とする同期電
    動機。
  3. 【請求項3】 前記スリット部の幅を変化させることに
    よって前記磁気抵抗小部を設けたことを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の同期電動機。
  4. 【請求項4】 前記スリット部を分断することにより前
    記スリット間の磁路を連結させて連結ブリッジ部を形成
    し、前記連結ブリッジ部を前記磁気抵抗小部としたこと
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の同期電動
    機。
  5. 【請求項5】 前記連結ブリッジ部を複数形成し、前記
    連結ブリッジ部の前記d軸方向幅を徐々に変化させたこ
    とを特徴とする請求項4の同期電動機。
  6. 【請求項6】 q軸方向に隣り合うスリット部を連結さ
    せたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか
    に記載の同期電動機。
  7. 【請求項7】 前記磁気抵抗小部をq軸に対して回転方
    向進行方向側に設けたことを特徴とする請求項1乃至請
    求項6のいずれかに記載の同期電動機。
  8. 【請求項8】 前記q軸方向の前記スリット部と前記ス
    リット部以外の比率を1:1〜3にしたことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の同期電動
    機。
  9. 【請求項9】 磁性体部材を打ち抜いて形成される回転
    子鉄心が積層された回転子と、前記回転子に設けられ、
    磁束の流れやすい方向であるd軸および磁束の流れにく
    い方向であるq軸が略90度となる2極の磁極突起を形
    成するために非磁性体部材が充填された少なくとも一対
    のスリット部と、を備え、前記磁性体部材と前記非磁性
    体部材の前記q軸方向の比率を電動機の損失が少なくな
    るような所定の比率に設定したことを特徴とする同期電
    動機。
  10. 【請求項10】 前記所定の比率を略1〜3:1となる
    ように設定したことを特徴とする請求項9に記載の同期
    電動機。
  11. 【請求項11】 誘導トルクを発生させるためのスロッ
    ト部を前記回転子に備えたことを特徴とする請求項9ま
    たは請求項10に記載の同期電動機。
  12. 【請求項12】 前記回転子の回転力を伝達するシャフ
    トを備え、前記シャフトを非磁性体で構成したことを特
    徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の同期電動
    機。
  13. 【請求項13】 前記回転子の軸方向端部にエンドリン
    グを備え、前記シャフトと前記エンドリングを一体成形
    したことを特徴とする請求項12に記載の同期電動機。
  14. 【請求項14】 極数を2極としたことを特徴とする請
    求項1乃至13のいずれかに記載の同期電動機。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至請求項14のいずれかに
    記載の同期電動機を備えたことを特徴とする送風機。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至請求項14のいずれかに
    記載の同期電動機を備えたことを特徴とする圧縮機。
  17. 【請求項17】 請求項15に記載の送風機または請求
    項16に記載の圧縮機を備えたことを特徴とする冷凍・
    空調装置。
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