JP3775298B2 - 同期電動機、送風機、圧縮機、冷凍・空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
図14は特開平9−191618号公報などに示されている従来の4極の同期電動機の横断面図、図15は従来の図14で示される同期電動機の縦断面図、図16は従来の図14で示される同期電動機の回転子の横断面図である。図において、1は回転子であり、鋼板を軸方向に積層した後に出力軸3に圧入等により固定されている。
【0002】
また、9は固定子であり、軸方向に鋼板を積層して形成されており、また、10は固定子9に巻回された巻線で、この巻線10に電流を流すことにより回転磁界を発生させることができる。12は中心側に凸となるように半径方向に複数並列配置されたスリットであり、複数の磁路13間を磁気的に絶縁するために内部を空隙にするかあるいは内部に不導体で非磁性体の部材が充填されている。図16において、14は薄肉連結部であり、スリット12によって回転子30の各部が分離しないように、回転子30の外周部で部分的にお互いを接続している。この薄肉連結部14の厚さを調整することによって回転子30の強度が保たれている。
【0003】
このような従来の電動機は、回転子30に存在できる界磁磁束の位置、方向が回転子30の磁路13の位置、方向で定められているので、回転子30の界磁磁極の方向へ起磁力が働くように固定子9の巻線10へ励磁電流を流すことにより、回転子30の界磁磁極の方向へ界磁磁束をつくることができ、回転子30を回転させることができる。したがって、図14に示すような電動機の場合、リラクタンストルクが働いて固定子9の巻線10によって作られた回転磁界に追従(同期)して回転子30が回転する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来の回転子30のスリット形状は磁束の流れにくい方向であるq軸に対して対称な形状に設定されているため、回転子の回転位置によっては発生する磁束がスリットを飛び越えなければならず磁束の流れが悪くなり、損失が大きく効率が悪化するという問題点があった。
【0005】
また、図11に示す従来の電動機の回転子30は、4以上の偶数の極数で構成される4極以上のものが一般的であり、商用電源(50Hzあるいは60Hz)で運転する場合、例えば4極の場合、回転数を1500rpmあるいは1800rpmまでしか上げることができず、圧縮機などに搭載した場合、出力が低下してしまい、圧縮機の能力不足が生じてしまう問題点があった。
【0006】
また、上記問題を解決するための能力を大きくする方法としては、インバータなどの駆動回路で運転周波数をあげるか、あるいは圧縮機の容量(吐出量)を増加させる方法などがあるが、いずれの場合もコストが高くなるという問題があった。
【0007】
また、従来の同期電動機は、スリット内に二次導体を有していないので、一般の誘導電動機のように商用電源で自己始動ができず、始動させるのにインバータなどの専用アンプにより起動しなければならず、高価な制御装置が必要となる問題点があった。
【0008】
また、従来の同期電動機は、q軸方向の磁性体と非磁性体との比率については何も考慮しておらず、電動機の損失が多く、効率の悪い状態で使用していた。
【0009】
この発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、高効率な同期電動機を得ることを目的とする。また、高能力が得られる同期電動機を得ることを目的とする。また、低コストな同期電動機を得ることを目的とする。また、簡単な構造で高速回転に耐えることのできる信頼性の高い同期電動機を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る同期電動機は、回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が得られるように磁極突起を形成する少なくとも一対のスリット部と、前記スリット部を分断して前記スリット間の磁路を連結させた連結ブリッジ部と、を備え、前記連結ブリッジ部を前記スリット部に磁束の流れを特定位置に固定するための磁気抵抗の小さい磁気抵抗小部とし、前記磁気抵抗小部を前記q軸に対して回転方向進行方向側の片側に設けることによってq軸に対して非対称としたものである。
【0011】
本発明の請求項2に係る同期電動機は、回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が得られるように磁極突起を形成し、導電性部材が充填された少なくとも一対のスリット部と、前記スリット部の外周側に配置されて前記スリット部のd軸方向の両端に連結され、導電性部材が充填されて誘導トルクを発生させる複数のスロット部と、を備え、前記両端に連結されたスロット部の内側の前記スリット部に磁束の流れを特定位置に固定するための磁気抵抗の小さい磁気抵抗小部を前記q軸に対して回転方向進行方向側の片側に設けて前記q軸に対して非対称としたものである。
【0012】
本発明の請求項3に係る同期電動機は、スリット部の幅を変化させることによって磁気抵抗小部を設けたものである。
【0013】
本発明の請求項4に係る同期電動機は、スリット部を分断することによりスリット間の磁路を連結させて連結ブリッジ部を形成し、連結ブリッジ部を磁気抵抗小部としたものである。
【0014】
本発明の請求項5に係る同期電動機は、連結ブリッジ部を複数形成し、連結ブリッジ部のd軸方向幅を徐々に変化させたものである。
【0015】
本発明の請求項6に係る同期電動機は、隣り合うスリットスロットのスリット部を連結させたものである。
【0016】
本発明の請求項7に係る同期電動機は、磁気抵抗小部をq軸に対して回転方向進行方向側に設けたものである。
【0017】
本発明の請求項8に係る同期電動機は、q軸方向のスリット部とスリット部以外の比率を1:1〜3にしたものである。
【0018】
本発明の請求項9に係る同期電動機は、磁性体部材を打ち抜いて形成される回転子鉄心が積層された回転子と、回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が略90度となる2極の磁極突起を形成するために非磁性体部材が充填された少なくとも一対のスリット部と、を備え、磁性体部材と非磁性体部材のq軸方向の比率を電動機の損失が少なくなるような所定の比率に設定したものである。
【0019】
本発明の請求項10に係る同期電動機は、所定の比率を1〜3:1となるように設定したものである。
【0020】
本発明の請求項11に係る同期電動機は、磁性体部材を打ち抜いて形成される回転子鉄心が積層された回転子と、前記回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が略90度となる2極の磁極突起を形成するために非磁性体部材が充填された少なくとも一対のスリット部と、前記回転子の回転力を伝達する非磁性体で構成されたシャフトと、前記回転子の軸方向端部に前記シャフトと一体成型されたエンドリングと、を備え、前記回転子鉄心部分に前記シャフトを設けずに前記磁性体部材である前記スリット間の幅と前記非磁性体部材である前記スリットの幅の前記q軸方向の比率を略1〜3:1の比率に設定して前記回転子鉄心が打ち抜き時に変形しないようにしたものである。
【0021】
本発明の請求項12に係る同期電動機は、前記磁性体部材の前記q軸方向の幅を前記非磁性体部材の前記q軸方向の幅よりも大きくして前記磁性体部分の強度を向上させるようにしたものである。
【0022】
本発明の請求項13に係る同期電動機は、誘導トルクを発生させるためのスロット部を前記回転子に備えたものである。
【0023】
本発明の請求項14に係る同期電動機は、極数を2極としたものである。
【0024】
本発明の請求項15に係る送風機は、請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の同期電動機を備えたものである。
【0025】
本発明の請求項16に係る圧縮機は、請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の同期電動機を備えたものである。
【0026】
本発明の請求項17に係る冷凍・空調装置は、請求項15に記載の送風機または請求項16に記載の圧縮機を備えたものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について図を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態1を表す同期電動機の横断面図である。また、図2は本発明の実施の形態1を表す同期電動機の回転子の断面図である。また、図3は本発明の実施の形態1を表す同期電動機の回転子の斜視図である。図1において、9bは磁性部である電磁鋼板により構成された固定子鉄心であり、複数枚積層されることにより固定子9を構成する。
【0028】
また、10は固定子鉄心9bのスロット9a内部に施された巻線、1は磁性部である電磁鋼板により構成された回転子鉄心であり、積層されて回転子30を構成する。また、50a、50b、50c、50dは内部に導電性部材であるアルミ材が充填された一対のスリットスロットであり、シャフト3に最も近い中心側に位置する一対のスリットスロットが第1のスリットスロット50a、その外側に配置される一対のスリットスロットを中心側から順に第2のスリットスロット50b、第3のスリットスロット50c、第4のスリットスロット50dである。
【0029】
ここで、第1のスリットスロット50aは第1のスロット部51aと第1のスリット部52aより構成されており、第1のスリット部52aの両端に第1のスロット部51aが連結されている。同様に、第2のスリットスロット50bは第2のスロット部51bと第2のスリット部52bより構成され、第3のスリットスロット50cは第3のスロット部51cと第3のスリット部52cより構成され、第4のスリットスロット50dは第4のスロット部51dと第4のスリット部52dより構成されている。また、3は回転子鉄心1の中心部に設けられた軸穴3aに圧入や焼きばめなどにより回転子30に固着されているシャフトである。
【0030】
また、図2において、複数のスロット部51a、51b、51c、51d、51f、51gなどは、回転子鉄心1の中心に対して放射状に略均等に配置されており、誘導トルクを発生させる。ここで、スリットスロット50a、50b、50c、50dのスリット部52a、52b、52c、52dは、磁束の流れやすい方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸が得られるように、それぞれが放射状に配置されたスロット部51a間、51b間、51c間、51d間をd軸に対して略平行で直線状に連続的に接続されており、d軸とq軸が回転子鉄心1の略中心を通って直交するようにスリット部52a、52b、52c、52dが設けられて2極の磁極突起が形成される構造をなしている。すなわち、スリット部の長手方向(d軸の方向)の両端部にスロット部が連結接続されてスリットスロットが形成されている。
【0031】
ここで、スリットスロット50a、50b、50c、50dの一対のスリット部52a、52b、52c、52dは回転子鉄心1の略中心を通るd軸を挟んで略同等距離に直線状に配置されており、略平行になるように設けられている。ここで、図において、磁束の流れやすい方向をd軸、流れにくい方向をq軸としており、第4のスロット部51dはq軸に略平行に設けられた第4のスリット部52dの長手方向の両端に接続されており、第4のスロット部51dと第4のスリット部52dとは「U」字形状をしている。
【0032】
そのため、第4のスロット部51dと第4のスリット部52dが打抜かれた後の回転子鉄心1の形状は、中心方向に突出した突出部30cを有する形状となっている。
【0033】
また、図3において、30は回転子であり、積層された回転子鉄心1の回転軸の軸線方向両端部に導電性部材であるアルミ材のエンドリング6がアルミダイカストにより設けられている。回転子30のスリットスロット50a、50b、50c、50dのスロット部51a、51b、51c、51d、51f、51gの内部に充填されたアルミ材と積層された回転子鉄心1の軸線方向両端部に設けられたエンドリング6によってかご形の二次導体が形成され、二次導体に電流が流れることにより誘導トルクを発生して電動機を起動させることができる。
【0034】
すなわち、スロット部51a、51b、51c、51d、51f、51gにはアルミ材などの非磁性体で導電性の部材が充填されており、起動時や非同期時に誘導トルクを発生させるための二次電流が流れる。スリット部52a、52b、52c、52dには、スロット部51a、51b、51c、51d、51f、51gと同じようにアルミ材などの非磁性体で導電性の部材が充填されている。本実施の形態では、スロット部51a、51b、51c、51dとスリット部52a、52b、52c、52dが繋がって一体で打ち抜かれてスリットスロット50a、50b、50c、50dを形成している。
【0035】
回転子30の一対のスリットスロット50a、50b、50c、50dに充填されたアルミ材は非磁性体であり、また、本実施の形態の回転子30は、スリットスロット50a、50b、50c、50dに方向性(磁束の流れやすい方向(d軸)と流れにくい方向(q軸)が機械角で所定角度(たとえば2極の場合は90度)ずれて設けられている)を有するように設けているため、固定子9で生成された磁束は回転子30の位置によって磁極突起が形成される。
【0036】
本実施の形態では、d軸とq軸との所定角度のずれを90度となるようにスリット部を配置しているので、2極の磁極突起を有する2極の同期電動機を構成している。
【0037】
ここで、各スリット部や各スロット部を設けたことによって回転子30の各部分が分離しないように、回転子30にはその外周部に形成されたの薄肉連結部30aによって部分的にお互いを連結して、遠心力に対する回転子30の強度を保っている。
【0038】
次に、磁束の流れについて説明する。図4は本実施の形態の別の同期電動機の回転子断面図である。通常、固定子9で発生したN極の位置がd軸軸線上(スリット部の長手方向)位置であれば磁気抵抗となるスリット部が磁束の流れを邪魔しないので磁気抵抗が最も小さくなり、また、N極の位置がq軸軸線上の位置であれば磁気抵抗となるスリット部を通過しなければならず磁気抵抗が最も大きくなる。
【0039】
すなわち、磁気抵抗が最も小さい方向をd軸、最も大きい方向をq軸といい、d軸方向あるいはq軸方向にN極が存在する場合には回転トルクは発生しないが、d軸方向あるいはq軸方向より磁極(N極)の発生位置がずれると回転子30に回転トルクが発生し、その大きさはd軸方向あるいはq軸方向に対するN極の回転位置により変化する。回転子30に掛かる負荷の大きさと釣合うトルクが発生する回転角分だけ固定子9の発生した回転磁界に遅れた回転位置で同期して回転子30は回転する。
【0040】
回転子30に任意の負荷が掛かった状態で同期運転をしている場合、回転子30の負荷と釣合うトルクを発生させる回転角だけ回転子30を回転させようと作用するため回転子30が同期回転する。固定子9にて発生した磁界の方向(N極からS極へ向かう方向)が図4の場合、右上方向から左下方向であり、固定子9にて発生した磁束8は、回転子30の右上方向(回転角分だけ回転方向周り(図4の場合は反時計回り)に回転した方向)から入ってきて、左下方向から固定子9の反対磁極(S極)に向かって進んでいく。
【0041】
すなわち、図4に示すように2極の同期電動機の場合、d軸あるいはq軸に対して固定子9のN極がずれた位置にある場合、磁束8は、回転子30に設けられたスリット部52a、52b、52c、52dにより磁気的に絶縁されているため、まっすぐに180度軸対称位置のS極の所まで行くことができず、スリット部間(例えばスリット部52aとスリット部52bとの間)の磁路を通って行き、途中でスリット部をまたがって固定子9の他の磁極(S極)側に流れるようになる。
【0042】
このとき、回転子30はスリット部によって磁気的に絶縁されているためにスリット部に沿ってスリット部間の磁路を磁束は通っていくことになるが、ある所で磁束の一部はスリット部を通過して(飛び越えて)S極側へ進んでいくことになる。スリット部を通過する(飛び越える)磁束の量や位置は、固定子9の磁界の大きさ、回転子30が発生しているトルク、およびスリット部やスロット部の形状によって変わってくるため、どの位置で飛び越えるかは定まっていない。
【0043】
スリット部を飛び越える磁束8の大きさや位置によっては、磁束8がスリット部を飛び越えるため回転子30で発生する損失が大きくなり、同期電動機としての効率が低下する。そこで、スリット部を飛び越える位置を回転子30の損失が小さくなる位置になるように設定することで、負荷の変化による損失低下を抑制することができる。
【0044】
図5は本実施の形態の回転子の別の一例を表した図である。任意のトルクを発生している状態で同期運転をしている時は、固定子9で発生した磁束8は、d軸方向あるいはq軸方向には無く、d軸およびq軸より回転方向に所定角度だけずれた位置より流れている状態にある。このとき、N極より発生した磁束8は、図4にて説明したようにスリット部により磁気的に絶縁されるため進行方向(S極側)に進みにくくスリット部に沿ってスリット部間の磁路を進み、ある所でスリット部を飛び越してS極側へ流れる。
【0045】
ここで、本実施の形態では、図5に示すようにスリット部の一部に磁気抵抗の小さい磁気抵抗小部である幅の小さい小幅部21a、21b、21cを設けている。このスリット部の磁気抵抗小部である小幅部21a、21b、21cは磁気抵抗が小さいため、スリット部に沿ってスリット部間の磁路を進んできた磁束8が、磁気抵抗が小さく流れやすいスリット部の磁気抵抗小部である小幅部(21a、21b、21c)を通過する(飛び越える)ようになる。したがって、磁束8の飛び越える位置を磁気抵抗小部に制御することができるため、磁束の流れを特定位置(小幅部)に固定することができ、磁束の流れを安定させ、回転子30の回転動作を安定させることができる。また、磁気抵抗小部である小幅部は磁束8がスリット部を飛び越えることによる損失を最も小さくなる位置に設定することができるので、電動機の効率を向上させる事ができる。
【0046】
ここで、磁気抵抗小部である小幅部を設ける位置は、q軸に対して回転方向進行方向側(図5においては、d軸より上部に位置するスリット部に対してはq軸の左側、d軸より下部に位置するスリット部に対してはq軸の右側)に設けた方が磁束8の流れがスムーズになるので、損失が低減でき、高効率の同期電動機を得ることができる。
【0047】
また、回転子30のスリット部に磁気抵抗小部である小幅部をq軸に対して回転方向進行方向側の片側に設けるようにしてq軸に対してスリット部の形状を非対称にすることで、磁束8が電動機効率の良くなる特定位置(磁気抵抗小部)を通過するように制御でき、磁束の流れを改善することができ、電動機の効率および特性を向上させることができる。
【0048】
以上はd軸に対して一対設けられているスリット部のうちの一方のスリット部のq軸に対する回転方向進行方向側の片側に磁気抵抗小部である小幅部を設けてq軸に対してスリット部の形状を非対称に設定する例について説明したが、電動機の特性や使用条件によっては、磁束8を通過させたくない部分を逆に厚くしてもよい。また、複数のスリット部の全てに磁気抵抗小部である小幅部を設けてもよいし、効率のよくなるスリット部のみに小幅部を設けても良い。電動機の効率が最も良い状態で運転できる位置で固定子9により発生した磁束8の流れの位置を効率のよくなる特定位置に制御することができればスリット部のどの位置に磁気抵抗小部を設けて制御しても問題はない。
【0049】
ここで、磁束8が効率の良くなる特定位置を通過するように制御することによって、固定子9の銅損は減るが、回転子30の損失の一つである鉄損が大きくなるような場合でも、電動機としての全体の損失が小さくなるのであれば、上記のような磁束の通過位置の制御を行った方が電動機効率がUPするので良い。このように、電動機としての特性や負荷条件による銅損や鉄損のバランスを考慮し、電動機としての損失が最も小さくなるような位置を磁束が通過するようにスリット部に磁気抵抗小部を設けてq軸に対して非対称に変更して磁束の流れを制御すればよい。
【0050】
また、本実施の形態では、磁気抵抗小部としてスリット部の一部を薄くする小幅部を設けることについて説明したが、図6に示すように損失の最も小さい位置でスリット部を分割してスリット部間の磁路をつないで磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4を構成しても同様の効果を奏する。図6は本実施の形態を表す別の同期電動機の回転子の断面図である。図において、図1〜図5と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。図において、70aはスリット部52aと52bとの間の磁路、70bはスリット部52bと52cとの間の磁路、70cはスリット部52cと50dとの間の磁路であり、連結ブリッジ部4にて連結されている。この磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4は回転子鉄心1によって構成されるため、磁気抵抗が小さくスリット部よりは磁束8が流れやすくなる。
【0051】
本実施の形態では、スリット部間の磁路70a、70b、70cを損失の小さくなる位置にて磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4にて連結させているので、固定子9で生成された磁束8は磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4を通過するようになり、磁束の流れを損失の小さい部分に制御でき、磁束の流れを改善することができる。磁束の流れを改善することにより電動機を高効率に運転させることができる。また、磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4を生成することで回転子30の強度が増加するので、遠心力に対する強度が向上し、信頼性が向上する。ここで、連結ブリッジ部4はq軸に対してなるべく回転方向進行方向側(図6のd軸よりの上側スリット部の場合はq軸に対して左側)の離れた位置にあることが望ましい。
【0052】
以上のようにスリット部に磁気抵抗小部を設けて磁束の流れを損失の少ない特定位置に改善することによって、改善しない場合に比べて固定子9の巻線に流れる電流が減少して、電動機の高効率化をはかることができる。スリット部の形状や位置は電動機の特性や使用条件などにより損失の少ない位置に適宜変更することによりどのような同期電動機でも高効率化を図ることが可能である。
【0053】
また、図7や図8や図9に示すように損失の最も小さい位置で磁束の流れをスムーズにするようにスリット部の形状や向きを変えても同様の効果を奏する。図7、図8、図9は本実施の形態の別の同期電動機の回転子の断面を表す図である。図7、図8、図9において、図1〜図6と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。
【0054】
図7、図8、図9において、60a、60b、60cはスリットスロットであり、61a、61b、61cはスロット部、62a、62b、62cはスリット部である。図7においては、磁束がスムーズに流れやすいようにスリット部62bを損失の最も小さい位置で分割して磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4を形成し、この連結ブリッジ部4にてスリット部62bの分割端部62Xの向きを磁束の流れ方向へ変更している。また、スリット部62cも磁束がスムーズに流れやすいように磁束の流れ方向に向かって分割端部の形状をじょじょに幅を小さくした分割端部幅縮小部を有している。このようにすると、スリット部間の磁路が磁束の流れやすいように形成されるため、磁束が流れやすくなり、損失が低減し高効率の電動機が得られる。
【0055】
ここで、固定子9で生成された磁束は回転子30のスリット部間の磁路の部分を流れて、磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4に流れ込み、連結ブリッジ部4にて各スリット部間の磁路70a、70b、70cを流れてきた磁束が合流して流れ込むため連結ブリッジ部4での磁束量が増加する。したがって、図8に示すように磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4の大きさ(幅)を磁束の流れ方向に向かって徐々に大きくすることにより、磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4での磁束の飽和を低減できるので、電動機の鉄損を低減させ、効率を向上することができる。図8では、磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4の幅を磁束の流れ方向(図8の図面上側部分の連結ブリッジ部4では右上から左下)に向かって徐々に大きくしてあるが、電動機の特性や使用条件によって電動機の特性がよくなるように連結ブリッジ部4の形状を任意に設定すればよい。
【0056】
また、図9に示すように、回転子30のスリット部を分割して磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4でつなぎ、さらに、スリット部62aと62bとをスリット連結部62Yで連結させているので、スリットスロット内に充填されているアルミなどの充填物質の充填量(体積)を増やすことができる。アルミなどの充填物質の充填量(体積)が増えると回転子30の二次抵抗が小さくなり、高効率な電動機を得ることができる。
【0057】
ここで、スリット部とスロット部を有する同期電動機は、原理的に、起動時にはスロット部61a、61b、61cに誘導トルクが発生するためにスロット部61a、61b、61cに二次電流が流れるが、同期運転時はスロット部には二次電流が流れない。しかし、実際には、電源等の歪による高調波電流がスロット部やスリット部に流れる。このため、同期運転時でもこの高調波電流による損失が発生するが、二次抵抗を下げることにより損失を低減することができる。よって、スリット部を連結させるスリット連結部を設けると二次抵抗が小さくなるので、高効率な電動機を得ることができるが、このスリット連結部を設ける位置や、どのスリット部とどのスリット部を連結させるかは電動機の特性や使用条件によって損失が少なく(効率が良く)なるように選定すればよい。
【0058】
また、以上のようにスリット部の形状を変更しても、回転子30のみの金型を変えるだけでよく、製造工程まで変更する必要がないため従来と同等のコストでコストUPなく製造できる。
【0059】
また、本実施の形態では、充填物質にアルミ材を使用している例について説明したが、銅などの別の非磁性体で導電性の物質であれば同様の効果を奏するので、どのような部材でもよい。
【0060】
また、本実施例では、スリット部とスロット部に同じ部材(アルミ材)を充填するようにしているが、スリット部とスロット部に別々の部材を充填しても同様の効果を奏する。この場合、スロット部に例えばアルミ材をダイカスト法などにより充填し、スリット部には別の例えば銅などをダイカスト法などにより充填すればよい。スリット部とスロット部に別々の部材を充填する場合には、たとえばスロット部に充填部材を充填するときに、スリット部にスロット部の充填物質が入らないようにカバーを設ければ、スリット部にスロット部の充填部材が侵入することがなくなるので、確実にスリット部とスリット部の充填物質を分離することができる。この場合、スリット部に充填する物質は必ずしも導電性の物質である必要はない。
【0061】
このように、スリット部とスロット部に別々の充填部材を充填するようにすれば、充填部材の選択の自由度が広がり、コスト低減が行なえ、さらに、電動機の特性上の自由度も増すことができる。ここで、スリット部とスロット部を分離して別々の部材を充填するようにすれば、カバーをして充填する必要がなくなるので、製造が簡単で低コストな電動機が得られる。
【0062】
また、本実施の形態では、充填物質として非磁性体の導電性部材について説明したが、スリット部には透磁率の低いマグネット等の磁性体を充填あるいは挿入しても同様の効果を奏する。予め、スリット部のマグネットを挿入したい部分にはスロット部に充填する充填部材を充填せずに空間をあけておき、スリット部に挿入するマグネットをスリット部の空間形状と同等形状に加工しておき、スリット部の空間に挿入するようにすれば容易に装着できる。
【0063】
また、本実施の形態の同期電動機は、回転子30にスロット部を有しているので、固定子9の巻線10に50Hzおよび60Hzの商用電源を接続して運転させた場合でも、従来のように特別な起動装置を必要とせずに起動でき、低コストな電動機を得ることができる。しかも、回転子30に2極の磁極突起を有するようにスリット部を設けているので、同期運転が行なえるため、従来の誘導電動機のようにすべりが存在しない。よって、運転時の回転数は、50Hzおよび60Hzの場合、同期回転数である3000(rpm)および3600(rpm)となり、すべりによる回転数分(数%程度)だけ回転数を拡大することができる。
【0064】
また、極数を2極にしているので、極数が4極の場合に比べて回転数を大きくすることができる。すなわち、4極構造の場合では、50Hzおよび60Hzの商用電源の場合、同期運転させても回転数が2極の半分である1500(rpm)および1800(rpm)までしか運転させることができないが、本実施の形態では2極構造にしているので、回転数を3000(rpm)および3600(rpm)まで運転させることができ、電動機の回転数を大きく、高出力の電動機を得ることができる。
【0065】
また、本実施の形態の同期電動機の回転子構造は、従来の誘導電動機と同様にアルミダイカストにて製造できるため、本発明の同期電動機を製造する場合においても、従来の誘導電動機に対してコストアップを伴わない。
【0066】
また、回転子30の外周部に設けられたスロット部を放射状に略等間隔に配置しているので、誘導トルクをより大きくすることができ、電動機を安定して起動させて同期運転に到達させることができ、信頼性の高い同期電動機を得ることができる。
【0067】
また、対をなすスリット部52a、52b、52c、52dを略直線状としているので、磁束が通りやすくなり、高効率な電動機を得ることができる。また、対をなすスリットを磁束が通りやすい方向であるd軸に対して略平行となるように配置しているので、磁束が通りやすくなり、電動機の温度上昇を抑制することができ、巻き線焼損などの発生しない信頼性の高い電動機が得られる。
【0068】
また、本実施の形態では、2極の場合について説明したが、それ以上の極数(たとえば4極や6極)でも同様の効果を奏する。
【0069】
ここで、本実施の形態の同期電動機は、スリットスロットにアルミ材などの非磁性体を充填してマグネットを使用しないようにしているため低コストであり、また、解体時に解体装置にマグネットがひっつくことがなく解体が容易でリサイクル性がよい。
【0070】
なお、本実施の形態では一対のスリット部の本数を4本の場合で説明したが、別に4本でなくても同様の効果が得られる。また、導電性材質としてアルミ材について説明したが、銅、銅合金、真鍮、ステンレス鋼材などのその他の材質を用いても同様の効果を得ることができる。例えば、材質として銅を用いた場合、銅はアルミ材より抵抗率が低いため、かご形二次導体の抵抗が低くなり、起動から同期引込までの特性を改善させることができる。
【0071】
また、以上のような本実施の形態の回転子30を用いた同期電動機は、同期運転時に回転子30の2次銅損が発生せず高効率運転が可能となるので、送風機や圧縮機、さらにはエアコン、冷蔵庫等の冷凍・空調装置に用いるのに適している。
【0072】
また、本実施の形態の同期電動機は、導電性材質として抵抗率の低い部材を使用するようにすれば、起動から同期回転数への引込みまでの時間を短くでき性能が良好であるため、低振動・低騒音な同期電動機を得ることができ、この同期電動機を搭載すれば、低振動・低騒音な圧縮機を得ることができる。また、本実施の形態の電動機やこの電動機を搭載した圧縮機は低振動であるため、冷凍・空調装置に適用した場合には、配管振動による配管亀裂などの発生しない信頼性の高い冷凍・空調装置を得ることができる。また、本実施の形態の電動機やこの電動機を搭載した圧縮機は低振動・低騒音であるため、冷凍・空調装置に適用した場合には、防振装置や防音装置が不要となり、低コストで信頼性の高い冷凍・空調装置が得られる。
【0073】
実施の形態2.
図10は磁性体と非磁性体の幅について説明するための回転子の断面図、図11は本発明の実施の形態2を表す同期電動機の回転子の断面図である。図10、図11において、実施の形態1と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。本実施の形態では、実施の形態1で説明した回転子のシャフトに非磁性体を使用するものである。
【0074】
図10において、1は回転子鉄心であり、磁性体である電磁鋼板が使用され、積層されて回転子30を構成する。60a、60b、60c、60dは非磁性体で導電性部材であるアルミ材などが充填されたスリットスロットであり、62a、62b、62cはスリット部61a、61b、61cはスロット部である。Lはスリット部62aとスリット部62bとの間の磁路70a、あるいはスリット部62bとスリット部62cとの間の磁路70b、あるいはスリット部62cとスリットスロット60dとの間の磁路70cのq軸方向の幅であり、Mはシャフト3とスリット部61aとの間の磁性体である回転子鉄心1の幅である。ここで、スリット部、62a、62b、62cは実施の形態1で説明したように直線状でなくてもよいので、本実施の形態では、図11に示すようにシャフト5を中心にしてシャフト5を挟みこむようにd軸方向に開口した丸みを帯びた形状にしている。
【0075】
ここで、本実施の形態では、シャフト5に非磁性体であるアルミ材やステンレス鋼材などを使用している。実施の形態1で説明した回転子30のシャフト3は、鉄などの磁性体であり、シャフト用貫通穴3aに焼きばめや圧入などにより固着されているので、シャフト3の部分にはスリット部を設けることができず、q軸側からみた場合の磁性体と非磁性体の比率は、シャフト3の分だけ磁性体の比率が極端に大きくなっている。この磁性体と非磁性体の比率は、極数などによって効率のよくなる所定の比率が存在するので、効率のよくなる所定の比率に設定する方が望ましい。したがって、解析や実験などにより電動機入力などが小さくなるように所定の比率を選定した方がよい。
【0076】
ここで、電動機効率の良くなる磁性体と非磁性体の所定の比率を実験により求めた所、この所定の比率は磁性体:非磁性体=1〜3:1(磁性体1〜3に対し非磁性体1の割合)にした方が良い(スリット部とスリット部以外の比率を1:1〜3にした方が良い)ことが分かったので、できるだけ磁性体:非磁性体=1〜3:1に近づけるようにすべく、本実施の形態ではシャフト5を非磁性体で構成するようにしている。シャフト5を非磁性体で構成すると磁性体と非磁性体との比率を1〜3:1に近づける場合に、シャフト5が非磁性体であるためシャフト5以外で磁性体の部分を大きくすることができるため、従来のようにq軸方向の磁性体部分の幅を小さくする必要がない。
【0077】
すなわち、従来のようにシャフト3に鉄などの磁性体を使用している場合には、磁性体と非磁性体の比率を1〜3:1にして効率を向上させるためには、シャフト3が磁性体のためにシャフト3以外の磁性体部分のq軸方向の幅を小さくして、非磁性体部分(スリット部)のq軸方向の幅を大きくする必要があるが、本実施の形態では、シャフト5に非磁性体部材を使用しているので、非磁性体部分(スリット部)のq軸方向の幅を大きくする必要がなく、逆に磁性体部分を大きくする必要が生じ、スリットスロットを打ち抜いた後の回転子鉄心1のスリットスロット間(磁性体部分)の強度を向上させることができ、信頼性の高い電動機を得ることができる。
【0078】
ここで、従来の電動機は、図10に示すように、スリット部62aとスリット部62bとの間の磁路70a、あるいはスリット部62bとスリット部62cとの間の磁路70b、あるいはスリット部62cとスリットスロット60dとの間の磁路のq軸方向の幅Lやシャフト5とスリット部62aとの間の磁性体である回転子鉄心1の幅Mは打ち抜きによる変形や回転子の強度を確保する必要があるため、それほど小さくできないので、q軸方向の磁性体と非磁性体との比率も所定の比率よりも磁性体の比率の方が大きくなってしまい、効率の良い状態で使用できていない可能性があった。
【0079】
しかしながら、本実施の形態では、図11に示したようにシャフト5に非磁性体であるステンレス材などを使用するようにしているので、図10の場合とは逆に、シャフト5が非磁性体であるため、スリット部62aとスリット部62bとの間の磁路70a、あるいはスリット部62bとスリット部62cとの間の磁路70b、あるいはスリット部62cとスリットスロット60dとの間の磁路70cのq軸方向の幅Lやシャフト5とスリット部62aとの間の磁性体である回転子鉄心1の幅Mを大きくして磁性体の比率を増やすことができる。
【0080】
したがって、本実施の形態のようにシャフト5に非磁性体を使用すれば、図11に示したように幅Lや幅Mを大きくすることができるので、打ち抜きによる回転子鉄心1の変形や回転子30の強度も確保できる。また、シャフト5を保持する部分の幅Mも大きくできるので、シャフトの保持強度も向上し、運転中にシャフト5が回転子30からはずれたりすることもなくなり信頼性が高く高効率な同期電動機が得られる。
【0081】
図12は本発明の実施の形態2を表す回転子の斜視図、図13は本発明の実施の形態2を表す回転子の断面図である。図において、実施の形態1と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。図12において、1は回転子鉄心であり、軸方向に積層されて回転子30を構成する。55は積層された回転子鉄心1の軸方向両端部に設けられたエンドリングであり、アルミ材などの非磁性体部材で構成され、ダイカストなどによりシャフト55aと一体に成形されている。また、図13において60a、60b、60c、60dはそれぞれd軸に対して一対設けられたスリットスロットであり、実施の形態1で説明したようにスリット部62a、62b、62cとスロット部61a、61b、61cなどから構成されていて、ダイカストなどによりエンドリング55と一体で成形される。
【0082】
非磁性体であるアルミ材やステンレス材などで構成されるシャフト55aをエンドリング55と一体に成形しているので、回転子鉄心1にシャフト55aを設ける必要がなくなる。したがって、図13に示したように回転子鉄心1にはシャフトはなく、従来シャフトがあった部分にもスリットスロット60f、60gを設けることができる。よって、q軸方向の磁性体と非磁性体との比率を所定の比率(磁性体と非磁性体が1〜3:1の比率が望ましい)に設定することが可能になる。
【0083】
すなわち、所定の比率を1〜3:1にしたい場合は、q軸方向の非磁性体部分であるスリットスロット60a、60b、60c、60d、60f、60gの幅と磁性体部分である回転子鉄心1のスリットスロット(60a、60b、60c、60d、60f、60g)間の幅を1〜3:1となるように設定すればよい。このとき、回転子鉄心1のスリットスロット(60a、60b、60c、60d、60f、60g)間の幅は大きく設定できるので、打ち抜き時に変形せず、回転子の強度が得られる幅に設定でき、信頼性が確保できるともに、高効率の同期電動機が得られる。
【0084】
以上のように、シャフト55aを非磁性体で構成しエンドリング55と一体にダイカストなどにより成形すれば、回転子鉄心1にシャフト55aを設ける必要がなくなるので、従来シャフトがあった部分にもスリットスロット(60f、60g)を設けることができるため、磁束の流れにくい方向であるq軸方向の磁性体部分と非磁性体部分の比率を所定の比率に設定でき、高効率の電動機を得ることができる。また、回転子鉄心1にシャフト55aを設ける必要がなくなるので、従来シャフトがあった部分にもスリットスロット(60f、60g)を設けることができるため、スリットスロット間の幅も強度が得られる自由な幅に設定でき、信頼性の高い同期電動機を得ることができる。
【0085】
また、本実施の形態では、充填部材に非磁性体であるアルミ材を使用している例について説明したが銅などの別の非磁性体でもよく導電性の部材であれば同様の効果を奏する。
【0086】
また、本実施の形態では、スリット部とスロット部に同じ部材を充填するようにしているが別々の物質を充填しても同様の効果を奏する。スロット部には例えば非磁性体で導電性のアルミ材をダイカスト法などにより充填し、スリット部には別の例えば銅などをダイカスト法などにより充填してもよい。この場合、スリット部にはスロット部に充填する充填物質が入らないようにカバーをしてからスロット部に別の充填部材を充填すれば、スリット部とスリット部の充填部材を別々の部材とすることができる。この場合、スリット部に充填する部材は必ずしも導電性の物質である必要はない。
【0087】
また、本実施の形態では、スリット部の充填部材を非磁性体として説明したが、透磁率の小さいマグネット等の磁性体を挿入しても同様の効果を奏する。スリット部に挿入するマグネットを凹凸の形状に加工しておき、スリット部もマグネットと同等の凹凸形状にして挿入するようにしておけば容易に装着できる。
【0088】
このように、スリット部とスロット部に別々の充填部材を充填するようにすれば、充填部材の選択の自由度が広がり、コスト低減が行なえ、さらに、電動機の特性上の自由度も増すことができる。ここで、スリット部とスロット部を分離して別々の部材を充填するようにすれば、カバーをして充填する必要がなくなるので、製造が簡単で低コストな電動機が得られる。
【0089】
また、本実施の形態では、スリット部とスロット部を連続した曲線で連結してあるが、スリット部とスロット部との間にくびれを設けたり、スリット部とスロット部との間を分離したりしても同様の効果を奏する。また、アルミ材などの充填材の挿入は、ダイカスト法や溶湯鍛造法などにより注入すれば、スリット部やスロット部の形状を問わず容易に充填できる。
【0090】
なお、本実施の形態では一対のスリット部の本数を4本の場合で説明したが、別に4本でなくても同様の効果が得られる。また、導電性材質としてアルミ材について説明したが、銅、銅合金、真鍮、ステンレス鋼材などのその他の材質を用いても同様の効果を得ることができる。例えば、材質として銅を用いた場合、銅はアルミ材より抵抗率が低いため、かご形二次導体の抵抗が小さくなり、起動から同期引込までの特性を改善させることができる。
【0091】
また、実施の形態1で説明したように、スリット部に磁気抵抗小部(たとえば、実施の形態1で説明した小幅部や連結ブリッジ部)をq軸に対して片側に設けるようにしてq軸に対してスリット部の形状を非対称にすることで、磁束8が電動機効率の良くなる特定位置(磁気抵抗小部)を通過するように制御でき、磁束の流れを改善することができ、電動機の効率および特性を向上させることができる。また、スリット部のq軸に対する回転方向進行方向側に磁気抵抗小部(たとえば、実施の形態1で説明した小幅部や連結ブリッジ部)を設けるようにすれば、磁束の流れがスムーズになるので、電動機損失が低減でき、高効率な同期電動機を得ることができる。
【0092】
また、スリット部間の磁路70a、70b、70cを損失の小さくなる位置にて磁気抵抗小部(小幅部や連結ブリッジ部など)を設けるようにすれば、固定子9で生成された磁束8は磁気抵抗小部を通過するようになり、磁束の流れを損失の小さい特定位置に制御でき、磁束の流れを改善することができる。磁束の流れを改善することにより電動機を高効率に運転させることができる。ここで、磁気抵抗小部である連結ブリッジ部を設ければ、回転子30の強度が増加するので、遠心力に対する強度が向上し、信頼性が向上する。ここで、連結ブリッジ部はq軸に対してなるべく回転方向進行方向側の離れた位置にあることが望ましい。
【0093】
また、本発明の回転子鉄心1を用いた電動機は、同期運転時に回転子30の2次銅損が発生せず高効率運転が可能となるので、送風機や圧縮機、さらにはエアコン、冷蔵庫等の冷凍・空調装置に用いるのに適している。
【0094】
また、本実施の形態の同期電動機は、導電性材質として抵抗率の低い部材を使用するようにすれば、起動から同期回転数への引込みまでの時間を短くでき性能が良好であるため、低振動・低騒音な同期電動機を得ることができ、この同期電動機を搭載すれば、低振動・低騒音な圧縮機を得ることができる。また、本実施の形態の電動機やこの電動機を搭載した圧縮機は低振動であるため、冷凍・空調装置に適用した場合には、配管振動による配管亀裂などの発生しない信頼性の高い冷凍・空調装置を得ることができる。また、本実施の形態の電動機やこの電動機を搭載した圧縮機は低振動・低騒音であるため、冷凍・空調装置に適用した場合には、防振装置や防音装置が不要となり、低コストで信頼性の高い冷凍・空調装置が得られる。
【0095】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る同期電動機は、回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が得られるように磁極突起を形成する少なくとも一対のスリット部と、前記スリット部を分断して前記スリット間の磁路を連結させた連結ブリッジ部と、を備え、前記連結ブリッジ部を前記スリット部に磁束の流れを特定位置に固定するための磁気抵抗の小さい磁気抵抗小部とし、前記磁気抵抗小部を前記q軸に対して回転方向進行方向側の片側に設けることによってq軸に対して非対称としたので、磁束の流れる位置を特定位置に制御でき、損失の少ない高効率な電動機が得られる。また、磁気抵抗小部である連結ブリッジ部4を生成することで回転子30の強度が増加するので、遠心力に対する強度が向上し、信頼性が向上する。
【0096】
本発明の請求項2に係る同期電動機は、回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が得られるように磁極突起を形成し、導電性部材が充填された少なくとも一対のスリット部と、前記スリット部の外周側に配置されて前記スリット部のd軸方向の両端に連結され、導電性部材が充填されて誘導トルクを発生させる複数のスロット部と、を備え、前記両端に連結されたスロット部の内側の前記スリット部に磁束の流れを特定位置に固定するための磁気抵抗の小さい磁気抵抗小部を前記q軸に対して回転方向進行方向側の片側に設けて前記q軸に対して非対称としたので、磁束の流れる位置を特定位置に制御でき、損失の少ない高効率な電動機が得られる。また、q軸に対して回転方向進行方向側に設けているため磁束の流れがスムーズになり、損失が低減でき、高効率の同期電動機を得ることができる。さらに、スロット部を有するので、特別な起動装置を必要せず、安価な同期電動機が得られる。
【0097】
本発明の請求項3に係る同期電動機は、スリット部の幅を変化させることによって磁気抵抗小部を設けたので、スリット部の簡単な変更で損失の少ない位置に磁束を流すことができ、高効率な同期電動機が得られる。
【0098】
本発明の請求項4に係る同期電動機は、スリット部を分断することによりスリット間の磁路を連結させて連結ブリッジ部を形成し、連結ブリッジ部を磁気抵抗小部としたので、スリット部を分断するだけの簡単な構成でありながら、磁束の流れる位置を制御でき、高効率な同期電動機が得られる。また、連結ブリッジ部が存在するので、遠心力に対する強度が向上し、信頼性の高い同期電動機が得られる。
【0099】
本発明の請求項5に係る同期電動機は、連結ブリッジ部を複数形成し、連結ブリッジ部のd軸方向幅を徐々に変化させたので、磁束の飽和現象が発生しにくくなり、高効率な同期電動機が得られる。
【0100】
本発明の請求項6に係る同期電動機は、隣り合うスリットスロットのスリット部を連結させたので、アルミなどの充填部材を多くすることができるため、回転子の二次抵抗が減少し、高効率な同期電動機が得られる。
【0101】
本発明の請求項7に係る同期電動機は、磁気抵抗小部をq軸に対して回転方向進行方向側に設けたので、磁束8の流れがスムーズになるため、損失が低減でき、高効率の同期電動機を得ることができる。
【0102】
本発明の請求項8に係る同期電動機は、q軸方向のスリット部とq軸方向のスリット部以外との比率を1:1〜3にしたので、高効率な同期電動機が得られる。
【0103】
本発明の請求項9に係る同期電動機は、磁性体部材を打ち抜いて形成される回転子鉄心が積層された回転子と、回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が略90度となる2極の磁極突起を形成するために非磁性体部材が充填された少なくとも一対のスリット部と、を備え、磁性体部材と非磁性体部材のq軸方向の比率を電動機の損失が少なくなるような所定の比率に設定したので、回転子の損失を小さくすることができ、高効率な同期電動機が得られる。
【0104】
本発明の請求項10に係る同期電動機は、所定の比率を略1〜3:1となるように設定したので、回転子の各種損失のバランスよく小さくすることができ、高効率な同期電動機が得られる。
【0105】
本発明の請求項11に係る同期電動機は、磁性体部材を打ち抜いて形成される回転子鉄心が積層された回転子と、前記回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が略90度となる2極の磁極突起を形成するために非磁性体部材が充填された少なくとも一対のスリット部と、前記回転子の回転力を伝達する非磁性体で構成されたシャフトと、前記回転子の軸方向端部に前記シャフトと一体成型されたエンドリングと、を備え、前記回転子鉄心部分に前記シャフトを設けずに前記磁性体部材である前記スリット間の幅と前記非磁性体部材である前記スリットの幅の前記q軸方向の比率を略1〜3:1の比率に設定して前記回転子鉄心が打ち抜き時に変形しないようにしたので、回転子鉄心1にシャフト55aを設ける必要がなくなり、従来シャフトがあった部分にもスリットスロットを設けることができるため、磁束の流れにくい方向であるq軸方向の磁性体部分と非磁性体部分の比率を所定の比率に設定でき、高効率の電動機を得ることができる。また、回転子鉄心1のスリットスロット間の幅は大きく設定できるので、打ち抜き時に変形せず、回転子の強度が得られる幅に設定でき、信頼性が確保できるともに、高効率の同期電動機が得られる。また、q軸方向の磁性体と非磁性体の比率の設定の自由度を大きくすることができ、同期電動機の性能を向上させることができる。また、スリット部の形状の自由度が増加するため、二次抵抗の小さい形状に設定でき、高効率な同期電動機を得ることができる。
【0106】
本発明の請求項12に係る同期電動機は、前記磁性体部材の前記q軸方向の幅を前記非磁性体部材の前記q軸方向の幅よりも大きくして前記磁性体部分の強度を向上させるようにしたので、スリットスロットを打ち抜いた後の回転子鉄心1のスリットスロット間の強度を向上させることができ、信頼性の高い電動機を得ることができる。
【0107】
本発明の請求項13に係る同期電動機は、誘導トルクを発生させるためのスロット部を前記回転子に備えたので、起動する際に特別な起動装置を必要せず、安価な同期電動機が得られる。
【0108】
本発明の請求項14に係る同期電動機は、極数を2極としたので、回転数を3000(rpm)および3600(rpm)まで運転させることができ、電動機の回転数を大きく、高出力の電動機を得ることができる。
【0109】
本発明の請求項15に係る送風機は、請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の同期電動機を備えたので、低騒音、低振動であり、低騒音で信頼性の高い送風機が得られる。
【0110】
本発明の請求項16に係る圧縮機は、請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の同期電動機を備えたので、低騒音、低振動であり、低騒音で信頼性の高い圧縮機が得られる。
【0111】
本発明の請求項17に係る冷凍・空調装置は、請求項15に記載の送風機または請求項16に記載の圧縮機を備えたので、防振装置や防音装置が不要となり、低コストで信頼性の高い冷凍・空調装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を表す同期電動機の横断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1を表す同期電動機の回転子の断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1を表す同期電動機の回転子の斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態1を表す別の同期電動機の回転子断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態1を表す別の同期電動機の回転子断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態1を表す別の同期電動機の回転子断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態1を表す別の同期電動機の回転子断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態1を表す別の同期電動機の回転子断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態1を表す別の同期電動機の回転子断面図である。
【図10】 磁性体と非磁性体の幅について説明するための回転子の断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態2を表す同期電動機の回転子の断面図である。
【図12】 本発明の実施の形態2を表す別の回転子の斜視図である。
【図13】 本発明の実施の形態2を表す別の回転子の断面図である。
【図14】 従来の4極の同期電動機の横断面図である。
【図15】 従来の図14で示される同期電動機の縦断面図である。
【図16】 従来の図14で示される同期電動機の回転子の横断面図である。
【符号の説明】
1 回転子鉄心、3 シャフト、4 連結ブリッジ部、5 シャフト、6 エンドリング、8 磁束、9 固定子鉄心、10 巻線、12 スリット、13 磁路、14 薄肉連結部、30 回転子、50a、50b、50c、50d スリットスロット、51a、51b、51c、51d、51f、51g スロット部、52a、52b、52c、52d スリット部、55 エンドリング、55a シャフト、60a、60b、60c、60d、60f、60g スリットスロット、61a、61b、61c スロット部、62a、62b、62c スリット部、62X 分割端部、62Y スリット連結部、70a、70b、70c磁路。
Claims (17)
- 回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が得られるように磁極突起を形成する少なくとも一対のスリット部と、前記スリット部を分断して前記スリット間の磁路を連結させた連結ブリッジ部と、を備え、前記連結ブリッジ部を前記スリット部に磁束の流れを特定位置に固定するための磁気抵抗の小さい磁気抵抗小部とし、前記磁気抵抗小部を前記q軸に対して回転方向進行方向側の片側に設けることによってq軸に対して非対称としたことを特徴とする同期電動機。
- 回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が得られるように磁極突起を形成し、導電性部材が充填された少なくとも一対のスリット部と、前記スリット部の外周側に配置されて前記スリット部のd軸方向の両端に連結され、導電性部材が充填されて誘導トルクを発生させる複数のスロット部と、を備え、前記両端に連結されたスロット部の内側の前記スリット部に磁束の流れを特定位置に固定するための磁気抵抗の小さい磁気抵抗小部を前記q軸に対して回転方向進行方向側の片側に設けて前記q軸に対して非対称としたことをことを特徴とする同期電動機。
- 前記スリット部の幅を変化させることによって前記磁気抵抗小部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の同期電動機。
- 前記スリット部を分断することにより前記スリット間の磁路を連結させて連結ブリッジ部を形成し、前記連結ブリッジ部を前記磁気抵抗小部としたことを特徴とする請求項2に記載の同期電動機。
- 前記連結ブリッジ部を複数形成し、前記連結ブリッジ部の前記d軸方向幅を徐々に変化させたことを特徴とする請求項4の同期電動機。
- q軸方向に隣り合うスリット部を連結させたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の同期電動機。
- 前記磁気抵抗小部をq軸に対して回転方向進行方向側に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の同期電動機。
- 前記q軸方向の前記スリット部と前記スリット部以外の比率を1:1〜3にしたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の同期電動機。
- 磁性体部材を打ち抜いて形成される回転子鉄心が積層された回転子と、前記回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が略90度となる2極の磁極突起を形成するために非磁性体部材が充填された少なくとも一対のスリット部と、を備え、前記磁性体部材と前記非磁性体部材の前記q軸方向の比率を電動機の損失が少なくなるような所定の比率に設定したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の同期電動機。
- 前記所定の比率を略1〜3:1となるように設定したことを特徴とする請求項9に記載の同期電動機。
- 磁性体部材を打ち抜いて形成される回転子鉄心が積層された回転子と、前記回転子に設けられ、磁束の流れやすい方向であるd軸および磁束の流れにくい方向であるq軸が略90度となる2極の磁極突起を形成するために非磁性体部材が充填された少なくとも一対のスリット部と、前記回転子の回転力を伝達する非磁性体で構成されたシャフトと、前記回転子の軸方向端部に前記シャフトと一体成型されたエンドリングと、を備え、前記回転子鉄心部分に前記シャフトを設けずに前記磁性体部材である前記スリット間の幅と前記非磁性体部材である前記スリットの幅の前記q軸方向の比率を略1〜3:1の比率に設定して前記回転子鉄心が打ち抜き時に変形しないようにしたことを特徴とする同期電動機。
- 前記磁性体部材の前記q軸方向の幅を前記非磁性体部材の前記q軸方向の幅よりも大きくして前記磁性体部分の強度を向上させるようにしたことを特徴とする請求項11に記載の同期電動機。
- 誘導トルクを発生させるためのスロット部を前記回転子に備えたことを特徴とする請求項9または請求項10または請求項11に記載の同期電動機。
- 極数を2極としたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の同期電動機。
- 請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の同期電動機を備えたことを特徴とする送風機。
- 請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の同期電動機を備えたことを特徴とする圧縮機。
- 請求項15に記載の送風機または請求項16に記載の圧縮機を備えたことを特徴とする冷凍・空調装置。
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