JP2003187811A - 固体電解質型燃料電池用複合型空気極の作製方法 - Google Patents
固体電解質型燃料電池用複合型空気極の作製方法Info
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Abstract
体電解質との界面付近に、安定で微細な導電性を有する
物質を導入することで、劣化物を生じず、且つ長期にわ
たり安定な三相界面を作製する方法を提供する。 【解決手段】緻密な固体電解質1とその両面に設けられ
た多孔質の燃料極3と空気極2で構成されたSOFCセ
ルの複合型空気極の作製方法において、前記空気極を焼
結形成した後、空気極の多孔質体内部に高誘電体酸化物
およびぺロブスカイト系酸化物の両者を形成可能な有機
金属溶液、または無機金属塩溶液を含浸させた後、熱分
解酸化反応により、微細な高融点誘電体酸化物と導電性
のペロブスカイト系酸化物を前記固体電解質との界面付
近に生成させることを特徴とする。 【効果】高性能なSOFC用空気極を得ることに成功し
た。本発明はSOFCの高効率化に大きな貢献をなすも
のである。
Description
用複合型空気極の作製方法に関するものである。
用いた固体電解質型燃料電池(以下SOFC(Soli
d Oxide Fuel Cell)という)に関心
が高まりつつある。特にエネルギーの有効利用という観
点から、SOFCはカルノー効率の制約を受けないため
本質的に高いエネルギー変換効率を有し、さらに良好な
環境保全が期待されるなどの優れた特長を持っている。
ラミックで構成されているため、製造コストが高い。こ
れがSOFCの普及を妨げている。ここで、この電池の
動作温度を現在の1000℃から800℃またはそれ以
下にすることで、金属の使用が可能となる。これによ
り、主要な体積を占めるインターコネクタ部分を安価な
金属に替えることができ、大幅なコスト低減につなが
る。
上、電解質の薄膜化などが検討されている。固体電解質
としては、希土類添加ジルコニア、ランタンガレート系
電解質が主に検討されている。これらの他に、空気極な
どの電極の性能の大幅な向上が必要である。これは、低
温化により電気化学反応速度が急激に低下するためであ
る。
極と燃料極が設けられているが、これらの電極は、ガス
と電子を固体電解質まで供給し、固体電解質との界面に
おいて電気化学反応を起こす場を提供している。この反
応場は、ガスと電子そしてイオンが接するため三相界面
と呼ばれている。固体電解質と接している電極が微細な
ほどこの反応場、すなわち三相界面が拡大し、電極特性
が改善される。
させる混合伝導体の場合、三相界面がこの混合伝導体粒
子全体に拡大されるため電極特性が更に改善される。従
来材料として(LaSr)MnO3などが、混合伝導体
として、(LaSr)CoO3、(LaSr)(FeC
o)O3などが知られている。
程度の高温に曝され、これらの材料と固体電解質とが反
応し界面に劣化物を生成する。たとえばジルコニア系電
解質とランタン系ペロブスカイト系酸化物では絶縁体の
La2Zr2O7、またはSrZrO3が生じる。
ブスカイト系酸化物は固溶体を生じやすく、これは特に
イオン電導度の低下をもたらすためセル特性を損なう。
ジルコニアとの界面が1300℃まで安定なのはLn
1-xSrxMnO3、Ln1-xCa xMnO3(Ln=La,
Pr,Nd,Sm,0.05≦x≦0.25)及び、L
a0.8Sr0.2FeO3が知られているのみである。
作温度である700℃〜1000℃に比べて、かなり高
い温度域についても劣化反応を抑制することが求めら
れ、この結果、使用できる材料が限定されてしまってい
る。また、高温で空気極を焼成することで、空気極を構
成している粒子同士が凝集し粒成長を起こす。これによ
り、三相界面が減少し、空気極特性が低下する。
セルの作製法に求められている、空気極の電極特性を改
善するために、電極と固体電解質との界面付近に、安定
で微細な導電性を有する物質を導入することで、劣化物
を生じず、且つ長期にわたり安定な三相界面を作製する
方法を提供することを目的とする。
め、本発明によるSOFC用複合型空気極の作製方法
は、緻密な固体電解質とその両面に設けられた多孔質の
燃料極と空気極で構成されたSOFCセルの複合型空気
極の作製方法において、前記空気極を焼結形成した後、
空気極の多孔質体内部に高誘電体酸化物およびぺロブス
カイト系酸化物の両者を形成可能な有機金属溶液、また
は無機金属塩溶液を含浸させた後、熱分解酸化反応によ
り、微細な高融点誘電体酸化物と導電性のペロブスカイ
ト系酸化物を前記固体電解質との界面付近に生成させる
ことを特徴とする。
の金属塩溶液を使用した熱分解反応法により、固体電解
質との界面付近に微細なペロブスカイト系導電性酸化物
とセリア等の高融点誘電体酸化物との混合した部分を設
けることを基本としている。ここで、微細な混合部分
(ペロブスカイト系導電性酸化物とセリア等の高融点誘
電体酸化物との混合した部分)を設ける方法として、本
発明では以下の2通りの方法を念頭に置いている。
極に上記の溶液を含浸させる方法である。もう一つの方
法は、空気極を設ける前に、固体電解質上に上記の混合
部分を設け、その後に空気極材料をディップコート法な
どにより塗布し焼成して、空気極を設ける方法である。
焼成過程である固体電解質の焼成が終了した後に、空気
極内に有機金属溶液または無機金属塩溶液の形で、導電
性酸化物および高融点誘電体酸化物用の混合溶液を含浸
させるか、または、これらの溶液を交互に含浸、乾燥を
行うこととする。
無機金属塩溶液の形で、ペロブスカイト系導電性酸化物
および高融点誘電体酸化物用の混合溶液を固体電解質上
に塗布するか、または、これらの溶液を交互に塗布、乾
燥を行うこととする。この後に、空気極用のスラリを塗
布し、焼成するなどして空気極を設ける。
は、たとえばCeO2、CexSm1- xO2、CexGd1-x
O2、CexY1-xO2、CexSm1-xO2、In2O3およ
びMgOの一種以上(ただし0<x<1)を使用するこ
とができる。
しては、A1-δBO3またはA2(1- δ)BO4(A:希土
類元素およびこの希土類元素を一部置換した元素、B:
一種以上の遷移金属元素、O:酸素、0≦δ≦0.2
0)で示される酸化物の一種以上を挙げることができ、
前記ペロブスカイト型の酸化物は、Aサイトの希土類元
素の濃度が定比組成よりも若干低いことが好ましい。
囲になることが望ましい。δが0.01未満であると、
組成制御が困難となり、一方0.02を越えるとAサイ
トの結晶が不安定になり、Bサイトが増加して、イオン
電導度が低下するおそれがあるからである。
は、たとえば(LaSr)1-δMnO3、(LaSr)
1-δMnO3、(LaSr)1-δFeO3、(LaCa)
1-δMnO3、(LaCa)1-δFeO3、(LaSr)
1-δMnyFe1-yO3、(LaCa)1-δMnyFe1-y
O3、(PrSr)1-δMnO3、(NdSr)1-δMn
O3、(LaSr)1-δCoO3、(LaSr)1-δFe
O3、(LaSr)1- δCoxFe1-xO3、(LaSr)
1-δFexCoyNi1-x-yO3、La1-δCoxNi1-xO
3、La1-δFexNi1-xO3、(LaCa)1-δCoO
3、La2(1-δ )NiO4、La2(1-δ)CoO4、(La
Sr)2(1-δ)CoO4などの一種以上(ただし、x、y
は1未満で、かつx+y<1の正数を示す)であること
ができる。
イト系酸化物の混合比は、8:92〜40:60の範囲
になるのがよい。この範囲を逸脱すると、以下の実施例
1〜8より明らかなように良好な電池特性がえられない
可能性があるからである。
おけるジルコニア系電解質またはランタンガレー卜系電
解質などと反応劣化しにくいAサイトのLaなどの希土
類元素が1−20at%程度欠損した不定比組成の(L
aSr)MnO3などの粉体を焼成したものを用いる。
これにより空気極および電解質の焼成は、充分高い温度
とすることができ、機械強度の充分に高い空気極、そし
て緻密な固体電解質が得られる。
ト系酸化物用、およびセリア等の高融点誘電体酸化物用
の有機金属溶液、または無機金属塩溶液を含浸させる。
空気極は多孔質体とはいえ微細な気孔を有しているた
め、通常の粉体を溶液に展開したスラリでは電解質界面
まで充分に浸透させることが難しい。
ないため空気極を浸透し固体電解質と空気極の界面付近
まで到達する。この溶液が熱分解酸化反応によりLa
0.8Sr0.2MnO3やLa0.5Sr0.5CoO3などのペロ
ブスカイト系導電性酸化物とCeO2などの高融点誘電
体酸化物の微細な混合物が生じる。ここで混合伝導体の
組成は溶液に含まれる金属元素の量を予め制御すること
で容易に制御することができる。
熱分解反応で形成されるセリアなどの高融点誘電体酸化
物と混合しているために、高温でも焼結が進み難く、微
細な状態を保つことができる。この微細構造のため電極
反応に寄与する三相界面が非常に大きくなり、空気極の
電極特性が向上する。また、長期にわたる運転でも、焼
結が進みにくく安定した特性が得られる。ここで使用す
るセリアなどの高融点誘電体酸化物はそれ自体が安定な
上、上記のペロブスカイト系酸化物とは反応し難いた
め、不要な劣化物を作らない。
あるが、含浸の場合と同様に、二種類の溶液を用意し、
電解質上にこれらの混合溶液を塗布、または、これらの
溶液を交互に塗布、乾燥させ、熱処理を行い、固体電解
質上に微細な、ペロブスカイト系導電性酸化物とCeO
2などの高融点誘電体酸化物の微細な混合物を設ける。
この後に、ディップ法などにより空気極をこの層の上に
設ける。
に、ペロブスカイト系導電性酸化物と高融点誘電体酸化
物との微細な混合物を形成することができ、発電特性に
優れ、且つ長期にわたり安定なSOFC用の空気極を実
現できる。
然のことであるが本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。以下の高誘電体酸化物およびぺロブスカイ
ト系酸化物を形成可能な溶液として、実施例1〜8にお
いてアルコキシド溶液を使用している。
図2は前記SOFCセルの性能を試験するための構成を
示す断面図である。図1および図2中、1は固定電解
質、2は空気極、3は燃料極、4は集電メッシュ、5は
白金端子、6はガスシール、7は参照電極を示す。
セルは緻密な固体電解質1の一方の面に空気極2が、他
方の面に燃料極3が設けられた構造になっている。SO
FCとする場合には、インターコネクタを介して複数の
SOFCセルを電気的に接続する。
おけるSOFCセルの性能は、前記空気極2および燃料
極3に集電メッシュ4を積層し、この集電メッシュに白
金端子5を接続し、SOFCセルの性能を試験するため
の参照電極7を前記固体電解質1の周縁に形成して行っ
た。
2O3添加ジルコニア(SASZまたは、0.895Zr
O2−0.10Sc2O3−0.005Al2O3)固体電
解質基板の片面にNiO−SASZのスラリ(NiOが
60wt%)を塗布し、この上に白金メッシュの集電メ
ッシュを乗せて1400℃、1時間焼成し燃料極を設け
た。
0.2MnO3)のスラリを塗布し、1100℃、1時間の
条件で焼成し空気極とした。燃料極、空気極ともに6m
m径とした。空気極の焼成前に参照極とするために、電
解質の端に白金ぺーストを塗布した。このSOFCセル
をセル#0−1とする。
1(La0.78Ca0.2MnO3)を用いたセルをセル#0
−2、同様の条件でLSM−1に替えてLSF−1(L
a0. 78Sr0.2FeO3)を用いたセルをセル#0−3、
LSM−1に替えてLSMF−1(La0.78Sr0.2M
n0.5Fe0.5O3)を用いたセルをセル#0−4、LS
M−1に替えてLCMF−1(La0.78Ca0.2Mn0.5
Fe0.5O3)を用いたセルをセル#0−5、LSM−1
に替えてPSM−1(Pr0.78Sr0.2MnO3)を用い
たセルをセル#0−6、LSM−1に替えてNSM−1
(Nd0.78Sr0. 2FeO3)を用いたセルをセル#0−
7とする。これらを比較例とする。
た。ここで、空気極と、参照極には純酸素、燃料極には
加湿水素を供給した。過電圧は、参照極と空気極との電
圧差から、カレントインターラプト法を用いて直流成分
を取り除いた値としてある。結果を表1のセル#0−1
〜#0−7に示す。
7:0.184:0.92:0.08のモル比で4wt
%含むアルコキシドのトルエン溶液を先のセル#0−1
と同じ型のセルの空気極に含浸させ、750℃、1時間
の条件で焼成してセル#1−1とした。
気極にLa,Sr,Mn,Ceを0.585:0.1
5:0.75:0.25、またLa,Sr,Mn,Ce
を0.312:0.12:0.6:0.40となるアル
コキシド溶液を含浸させて750℃で焼成したセルをセ
ル#1−2およびセル#1−3とした。以下、上述の同
様にセル#0−2〜#0−7と同じ型のセルの空気極に
La,Sr,Mn,Ceを0.585:0.15:0.
75:0.25のモル比で混合した溶液を含浸させたセ
ルを、それぞれセル#1−4〜#1−9とした。
空気極に、0.585:0.15:0.75:0.25
のモル比で、La,Ca,Mn,Ceの混合溶液を含浸
させたセルをセル#1−10、同様にLa,Sr,F
e,Ceの混合溶液を含浸させたセルをセル#1−1
1、同様にLa,Ca,Fe,Ceの混合溶液を含浸さ
せたセルをセル#1−12、同様に0.585:0.1
5:0.375:0.375:0.25のモル比でL
a,Sr,Mn,Fe,Ceの混合溶液を含浸させたセ
ルをセル#1−13、同様に0.585:0.15:
0.375:0.375:0.25のモル比でLa,C
a,Mn,Fe,Ceの混合溶液を含浸させたセルをセ
ル#1−14とした。
空気極に、0.585:0.15:0.75:0.25
のモル比で、Pr,Sr,Mn,Ceの混合溶液を含浸
させたセルをセル#1−15、同様にNd,Sr,M
n,Ceの混合溶液を含浸させたセルをセル#1−16
とした。
1に示す。いずれのセルも比較例に比べて過電圧が低く
抑えられ、発電の損失が低減され比較例であるセル#0
ー1〜#0−7に比べ良好なセル特性が得られた。以上
の様に本発明の製造方法により従来の方法に比べて優れ
た特性のセルを作製することに成功した。
る高融点誘電体酸化物組成としてCeO2に替えてCe
0.8Sm0.2O2、Ce0.8Gd0.2O2、Ce0.8Y
0.2O2、Ce 0.7Sm0.3O2の組成となる様に溶液を調
製して含浸させて実施例1と同様の実験を行った。この
結果を表2のセル#2−1〜#2−4に示す。いずれも
比較例であるセル#0−1〜#0−7に比べ良好なセル
特性が得られた。
3において、含浸する高融点誘電体酸化物組成としてC
eO2に替えてIn2O3およびMgOとなるように溶液
を調整して含浸させて実施例1と同様の実験を行った。
この結果を表2のセル#2−5〜#2−10に示す。い
ずれも比較例であるセル#0−1〜#0−7に比べ良好
なセル特性が得られた。以上の様に本発明の製造方法に
より従来の方法に比べて優れた特性のセルを作製するこ
とに成功した。
スカイト系導電性酸化物組成としてLa0.78Sr0.2C
oO3、La0.48Sr0.5CoO3、La0.78Sr0.2Co
0.7Fe0.3O3、La0.78Sr0.2Co0.5Fe0.5O3、
La0.78Sr0.2Co0.3Fe0. 7O3、La0.48Sr0.5
FeO3、La0.48Sr0.5Co0.5Fe0.5O3、La
0.78Sr0.2Co0.3Fe0.5Ni0.2O3、La0.78Sr
0.2Co0.6Fe0.2Ni0.2O3、La0.98Co0.4Ni
0.6O3、La0.98Fe0.4Ni0.6O3、La0.78Ca0.2
CoO3、La0.48Ca0.5CoO3、La2.0NiO4、
La2.0CoO4、La1.5Sr0.5CoO4の組成となる
様に溶液を調製して含浸させて実施例1と同様の実験を
行った。この結果を表3のセル#3−1〜#3−16に
示す。いずれも比較例であるセル#0−1〜#0−7に
比べ良好なセル特性が得られた。
方法に比べて優れた特性のセルを作製することに成功し
た。
スカイト系導電性酸化物組成としてLa0.7Sr0.2Mn
O3、La0.6Sr0.2MnO3、La0.7Sr0.2Mn0.5
Fe0 .5O3、La0.6Sr0.2Mn0.5Fe0.5O3、La
0.7Sr0.2FeO3、La0.6Sr0.2FeO3、La1.8
CoO4、La1.6CoO4の組成となる様に溶液を調製
して含浸させて実施例1と同様の実験を行った。この結
果を表4のセル#4−1〜#4−8に示す。いずれも比
較例であるセル#0−1〜#0−7に比べ良好なセル特
性が得られた。
方法に比べて優れた特性のセルを作製することに成功し
た。
に含浸させる溶液をペロブスカイト系導電性酸化物と高
融点誘電体酸化物の混合溶液とする代わりに、それぞれ
を別の溶液として用意し、交互に含浸させた。
溶液を含浸させ200℃で乾燥させた後に、高融点誘電
体酸化物としてCeO2用の溶液を含浸させた。これを
全部で、3回繰り返した。
#5−1とした。ここで、高融点誘電体酸化物とペロブ
スカイト系導電性酸化物の組成比は表5に示す通りとし
た。含浸させる工数はどちらも同じとして、溶液の濃度
を調整することで、所望の組成比(混合比)を得た。
r0.2MnO3用の溶液とCeO2用の溶液の濃度を調整
して、La0.78Sr0.2MnO3とCeO2の組成比が、
0.92:0.08、及び0.6:0.4となるように
交互に含浸した。これらのセルをセル#5−2およびセ
ル#5−3とした。
て、CeO2に替えてIn2O3を同じ組成比で含む様に
調整した溶液を交互に含浸し、セル#5−4〜#5−6
を作製した。同様にCeO2に替えてMgOを同じ組成
比で含む様に調整した溶液を交互に含浸し、セル#5−
7〜セル#5−9を作製した。
r0.2MnO3に替えて、La0.78Sr0.2FeO3、La
0.48Sr0.5MnO3、La0.48Sr0.5FeO3、La
0.78Sr0.2Mn0.5Fe0.5O3、La0.78Sr0.2Co
0.5Fe0.5O3、La0.78Sr0 .2Co0.3Fe0.5Ni
0.2O3となる様に溶液を含浸しセル#5−10〜#5−
15を作製した。
る空気極のLSM−1をLSF−1とし、セル#5−1
6を作製した。そして、セル#5−16の含浸するペロ
ブスカイト系導電性酸化物として、La0.78Sr0.2M
nO3に替えてLa0.78Sr0. 2FeO3となる溶液を交
互含浸に用いセル#5−17を作製した。
を表5に示す。いずれも比較例であるセル#0−1〜#
0−7に比べ良好な特性が得られた。以上の様に本発明
の製造方法により従来の方法に比べて優れた特性のセル
を作製することに成功した。
そして実施例2のセル#2−5〜セル#2−10におい
て、含浸させる混合溶液をSASZ電解質上に予めスピ
ンコートで塗布し、この上に空気極であるLSM−2
(La0.58Sr0.4MnO3)のスラリを塗布し800℃
で焼成し、セル#6−1〜#6−9を作製した。
物とペロブスカイト系導電性酸化物との混合溶液を電解
質上にスピンコートし、200℃で乾燥させた。そし
て、この上にLSM−2のスラリを塗布した。
解質上に塗布し、空気極LSM−2に替えて、LCM−
2(La0.58Ca0.4MnO3)、LSF−2(La0.58
Sr 0.4FeO3)、LSCF−2(La0.58Sr0.4C
o0.2Fe0.8O3)、LCN−2(LaCo0.4Ni0.6
O3)、LSNF−2(La0.48Sr0.5Ni0.2Fe0.8
O3)のスラリを塗布し、同様の実験を行った。この結
果を表6のセル#6−10〜#6−14に示す。
−7に比べ良好なセル特性が得られた。以上の様に本発
明の製造方法により従来の方法に比べて優れた特性のセ
ルを作製することに成功した。
焼き付け、その裏面にまずセリアの溶液を電解質上にス
ピンコートし、200℃で乾燥させ、次にペロブスカイ
ト系導電性酸化物用の溶液を塗布した。この工程を4回
繰り返し、約0.3ミクロンの多層膜を得た。ここで、
セリアと導電性酸化物との組成比が表7に示す値となる
ように、溶液の濃度を調整して塗布を行った。
布し、800℃で焼成し、空気極とした。ここで、誘電
体であるセリアとジルコニアとの組成比が0.92:
0.08、0.75:0.25、0.4:0.6となる
ように積層した層を電解質上に設けたセルをセル#7−
1〜#7−3とし、表7に作製条件と空気極特性を示
す。
好なセル特性が得られた。以上の様に本発明の製造方法
により従来の方法に比べて優れた特性のセルを作製する
ことに成功した。
含浸させる溶液をランタン、マンガン、ストロンチウ
ム、そしてセリウムの硝酸水溶液の混合体とし、そのモ
ル組成比がLa:Sr:Mn:Ce=0.585:0.
15:0.75:0.25とした。
1と同様の熱処理を行い、セル#8−1を作製した。次
に導電性酸化物をLa0.78Sr0.2FeO3となるように
硝酸水溶液を変更し、LSM−1に含浸し、セル#8−
2を作製した。
混合水溶液を含浸させる代わりに、ペロブスカイト系導
電性酸化物に対応する硝酸水溶液と高融点誘電体酸化物
用のセリアゾルゲル溶液を交互に含浸させ、750℃で
熱処理しセル#8−3を作製した。
ニア電解質上に予めスピンコートし、この上にLCN−
2のスラリを塗布し、800℃で熱処理することで空気
極とし、セル#8−4を作製した。
ムの硝酸水溶液の混合体とセリウムゾルゲル溶液を交互
にスピンコートして導電性酸化物とセリアとの積層構造
を電解質上に作製した。最終的な組成がLa:Sr:M
n:Ce=0.585:0.15:0.75:0.25
となるように各溶液の濃度を調整した。この上に、LC
N−2用のスラリを塗布し800℃で熱処理し、セル#
8−5を作製した。
示す。
べ優れたセル特性を示した。以上の様に本発明の製造方
法により従来の方法に比べて優れた特性のセルを作製す
ることに成功した。
物とペロブスカイト系導電性酸化物の微細混合体を空気
極と電解質の界面付近に設けた構成とするために、金属
元素を含む有機金属塩または無機塩の溶液を空気極に含
浸させ、または、電解質上に予め塗布しその上に空気極
を設け、その後に熱分解反応によりこの酸化物を電解質
との界面付近に形成した。これにより高性能なSOFC
用空気極を得ることに成功した。本発明はSOFCの高
効率化に大きな貢献をなすものである。
示す図。
断面図。
Claims (11)
- 【請求項1】 緻密な固体電解質とその両面に設けられ
た多孔質の燃料極と空気極で構成された固体電解質型燃
料電池セルの複合型空気極の作製方法において、前記空
気極を焼結形成した後、空気極の多孔質体内部に高誘電
体酸化物およびぺロブスカイト系酸化物の両者を形成可
能な有機金属溶液または無機金属塩溶液を含浸させた
後、熱分解酸化反応により、微細な高融点誘電体酸化物
と導電性のペロブスカイト系酸化物を前記固体電解質と
の界面付近に生成させることを特徴とする固体電解質型
燃料電池用複合型空気極の作製方法。 - 【請求項2】 前記高融点誘電体酸化物とペロブスカイ
ト系酸化物を形成可能な溶液の含浸は、これら二つの溶
液の一方をまず含浸させた後乾燥させ、次に他の溶液を
含浸させることにより、交互に含浸させることを特徴と
する請求項1記載の固体電解質型燃料電池用複合型空気
極の作製方法。 - 【請求項3】 緻密な固体電解質とその両面に設けられ
た多孔質の燃料極と空気極で構成された固体電解質型燃
料電池セルの複合型空気極の作製方法において、前記固
体電解質上に高誘電体酸化物およびぺロブスカイト系酸
化物の両者を形成可能な有機金属溶液または無機金属塩
溶液を塗布し、乾燥して膜を形成し、熱分解して前記固
体電解質上に微細な高融点誘電体酸化物と導電性のぺロ
ブスカイト系酸化物を形成させた後、前記微細な高融点
誘電体酸化物と導電性のぺロブスカイト系酸化物形成部
分に空気極を形成することを特徴とする固体電解質型燃
料電池用複合型空気極の作製方法。 - 【請求項4】 前記有機金属溶液または無機金属塩溶液
の塗布、乾燥は、高誘電体酸化物を形成可能な溶液およ
びぺロブスカイト系酸化物を形成可能な溶液を交互に塗
布、乾燥することにより行うことを特徴とする請求項3
記載の固体電解質型燃料電池用複合型空気極の作製方
法。 - 【請求項5】 前記高融点誘電体酸化物と導電性のペロ
ブスカイト系酸化物を形成可能な溶液の混合比が酸化物
のモル比で、高融点誘電体酸化物:ペロブスカイ卜系酸
化物=8:92〜40:60となる様に混合調製した混
合溶液を空気極に含浸させることを特徴とする請求項1
記載の固体電解質型燃料電池用複合型空気極の作製方
法。 - 【請求項6】 前記高融点誘電体酸化物と導電性のペロ
ブスカイト系酸化物を形成可能な溶液の混合比が酸化物
のモル比で、高融点誘電体酸化物:ペロブスカイ卜系酸
化物=8:92〜40:60となる様に混合調製した混
合溶液を固体電解質上に塗布し、乾燥させることを特徴
とする請求項3記載の固体電解質型燃料電池用複合型空
気極の作製方法。 - 【請求項7】 前記高融点誘電体酸化物とペロブスカイ
ト系酸化物を形成可能な溶液を交互に含浸させるに際し
て、酸化物のモル比で、高融点誘電体酸化物:ペロブス
カイ卜系酸化物=8:92〜40:60となる様に交互
に含浸させることを特徴とする請求項2記載の固体電解
質型燃料電池用複合型空気極の作製方法。 - 【請求項8】 前記高融点誘電体酸化物とペロブスカイ
ト系酸化物を形成可能な溶液を交互に塗布、乾燥するに
際して、酸化物のモル比で、高融点誘電体酸化物:ペロ
ブスカイ卜系酸化物=8:92〜40:60となる様に
交互に含浸させることを特徴とする請求項4記載の固体
電解質型燃料電池用複合型空気極の作製方法。 - 【請求項9】 前記ペロブスカイト系酸化物は、A1-δ
BO3またはA2(1 -δ)BO4(A:希土類元素およびこ
の希土類元素を一部置換した元素、B:一種以上の遷移
金属元素、O:酸素)で示される酸化物であり、0.0
1≦δ≦0.20の不定比組成であることを特徴とする
請求項1〜8のいずれか1項記載の固体電解質型燃料電
池用複合型空気極の作製方法。 - 【請求項10】 前記ペロブスカイト系酸化物は(La
Sr)1-δMnO 3、(LaSr)1-δMnO3、(La
Sr)1-δFeO3、(LaCa)1-δMnO3、(La
Ca)1-δFeO3、(LaSr)1-δMnyFe
1-yO3、(LaCa)1-δMnyFe1-yO3、(PrS
r)1-δMnO3、(NdSr)1-δMnO3、(LaS
r)1-δCoO3、(LaSr)1-δFeO3、(LaS
r)1-δCoxFe1-xO3、(LaSr)1-δFexCo
yNi1-x-yO3、La1-δCoxNi1-xO3、La1-δF
exNi1-xO3、(LaCa)1-δCoO3、La
2(1-δ)NiO4、La2(1-δ)CoO4、(LaSr)
2(1-δ)CoO4の一種以上(ただし、x、yは1未満
で、かつx+y<1の正数を示す)であることを特徴と
する請求項9記載の固体電解質型燃料電池用複合型空気
極の作製方法。 - 【請求項11】 前記高融点誘電体酸化物はCeO2、
CexSm1-xO2、CexGd1-xO2、CexY1-xO2、
CexSm1-xO2、In2O3およびMgOの一種以上
(ただし0<x<1)であることを特徴とする請求項1
〜10のいずれか1項記載の固体電解質型燃料電池用複
合型空気極の作製方法。
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