JP2003183855A - 淡水用配管および配管部材 - Google Patents

淡水用配管および配管部材

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JP2003183855A
JP2003183855A JP2002058527A JP2002058527A JP2003183855A JP 2003183855 A JP2003183855 A JP 2003183855A JP 2002058527 A JP2002058527 A JP 2002058527A JP 2002058527 A JP2002058527 A JP 2002058527A JP 2003183855 A JP2003183855 A JP 2003183855A
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pipes
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pipe
steel
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Shintaro Yamanaka
晋太郎 山中
Masahiro Yamamoto
正弘 山本
Hidekazu Endo
英一 遠藤
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Nippon Steel Corp
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  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 淡水環境において、長期耐食性に優れるZn
合金を被覆した淡水用配管や配管部材を提供する。 【解決手段】 鋼材の表面に、質量%で、Mg:0.1
〜20%および/またはAl:0.1〜60%のを含
み、残部がZnおよび不可避的不純物からなるZn合金
を有する鋼材からなる淡水用配管および配管部材。ま
た、Zn合金中に、質量%でさらに、Si:0.01〜
4%を含有する淡水用配管および配管部材。さらに、Z
n合金中のMgとAlが次式、Mg(質量%)+Al
(質量%)≦60(質量%)を満たす上記淡水用配管お
よび配管部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配管の内面または
外面または内面と外面の両面にZn合金を被覆した配管
に関するものや配管部材の内面または外面または内面と
外面の両面にZn合金を被覆した配管部材に関するもの
であり、さらに詳しくは、配管としては水道用配管、給
水用配管、給湯用配管、消火用配管、排水用配管、空調
用配管、工業用水用配管、下水用配管、冷却水用配管、
またはガス配管などの淡水環境で使用されるZn合金を
被覆した配管の全て、また配管部材としては、ねじ込み
式管継ぎ手や溶接式管継ぎ手などの各種継ぎ手、溶接式
フランジや閉止フランジなどの各種フランジ、各種バル
ブ、各種コック、各種チューブ、各種ジョイント、各種
ソケット、各種ノズル、各種蛇口、各種容器、各種タン
クなどの、淡水環境で使用されるZn合金を被覆した配
管部材全てに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、Znを被覆した配管や配管部
材は、水道用配管、給水用配管、給湯用配管、消火用配
管、排水用配管、空調用配管、工業用水用配管、下水用
配管、冷却水用配管、またはガス配管、継ぎ手、フラン
ジ、コック、バルブなどとして広く用いられている。こ
の理由は、鋼よりも電位が卑であるZnを被覆すること
で、Znの鋼に対する犠牲防食作用によって腐食を抑制
し、配管や配管部材の寿命を延ばすためである。また、
その防食性だけでなく、施工性、汎用性、コストといっ
たメリットも、Znを被覆した配管や配管部材が広く用
いられている理由である。
【0003】JISにも、JIS G 3442、ある
いは、JIS G 3452等で水道用亜鉛めっき鋼
管、配管用炭素鋼鋼管(白)として、配管にZnを被覆
することが定められている。配管部材については、JI
S B 2302、あるいはJIS B 2303、J
IS B 2311等で、ねじ込み式鋼管製管継ぎ手、
ねじ込み式排水管継ぎ手、一般配管用鋼製突合せ溶接式
管継ぎ手として継ぎ手に亜鉛めっきを施すことが定めら
れている。また、JIS B 2220等では鋼製溶接
式管フランジとしてフランジに亜鉛めっきを施すことが
定められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記に述べたように、
Znを被覆した配管は、水道用配管、給水用配管、給湯
用配管、消火用配管、排水用配管、空調用配管、工業用
水用配管、下水用配管、冷却水用配管、またはガス管な
どとして広く用いられているが、まれに、Znが配管の
全面に残っているにも関わらず、配管にボルト状の孔食
が発生することがある。また、配管部材についても、Z
nが残っているにも関わらず、ボルト状の孔食が発生す
ることがある。この孔食は、特に高温環境において発生
する場合が多い。
【0005】この原因は、塩分濃度が非常に小さく、か
つ、炭酸水素イオン、または硝酸イオンが存在する淡水
中で、Znと鋼の電位が逆転し、Znの鋼に対する犠牲
防食作用が失われ、Znよりも優先的に鋼が腐食するた
めと推定されている。本発明では、Znを被覆した淡水
用配管や配管部材におけるZnの鋼に対する電位の逆転
を防止し、配管や配管部材の腐食を抑制し、配管や配管
部材の寿命を一層向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決手段を、種々の観点から検討してきた。その結
果、上記のような淡水中では、Znに特定の元素を添加
しZn合金とすることが、Znの鋼に対する電位の逆転
の防止に有効であることを見出した。その詳細は下記の
通りである。 (1)鋼材の表面に、質量%で、Mg:0.1〜20
%、および/または、Al:0.1〜60%を含み、残
部がZnおよび不可避的不純物からなるZn合金を有す
る鋼材からなる淡水用配管。
【0007】(2)Zn合金中に、質量%でさらに、S
i:0.01〜4%を含有する前記(1)に記載の淡水
用配管。 (3)Zn合金中のMgとAlが次式、Mg(質量%)
+Al(質量%)≦60(質量%)を満たすことを特徴
とする前記(1)または(2)に記載の淡水用配管。 (4)鋼材の表面に、質量%で、Mg:0.1〜20
%、および/または、Al:0.1〜60%を含み、残
部がZnおよび不可避的不純物からなるZn合金を有す
る鋼材からなる淡水用配管部材。
【0008】(5)Zn合金中に、質量%でさらに、S
i:0.01〜4%を含有する前記(4)に記載の淡水
用配管部材。 (6)Zn合金中のMgとAlが次式、Mg(質量%)
+Al(質量%)≦60(質量%)を満たすことを特徴
とする前記(4)または(5)に記載の淡水用配管部材
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に記載する。本発明の鋼材の表面にZn合金を有する淡
水用配管や配管部材とは、水道用配管、給水用配管、給
湯用配管、消火用配管、排水用配管、空調用配管、工業
用水用配管、下水用配管、冷却水用配管、またはガス
管、さらに継ぎ手、フランジ、コック、バルブなどどい
った淡水環境で使用される水道または建築用配管や配管
部材、また、これらの配管と配管部材が組み合わさり一
体となった配管類のことであり、淡水環境中で使用され
るもの全てを意味する。ここでいう淡水とは、塩素イオ
ン濃度が極めて低い水溶液のことを指し、塩素イオン濃
度が1000ppm以下の水溶液と規定する。
【0010】また、さらに、炭酸水素イオン、または硝
酸イオンを含む水溶液も淡水に含む。この淡水の温度は
通常は常温であるが、特に規定するものではなく、本発
明の鋼材の表面にZn合金を有する淡水用配管や配管部
材は高温環境においても十分に使用できる。また、ここ
で言う鋼材の表面とは、鋼材の片面または両面のことを
指し、配管や配管部材の形状としたときに、Zn合金
を、配管や配管部材の内面または外面、あるいは内面と
外面の両面に有していればよく、それぞれの場合で全面
に有していることが望ましいが、一部Zn合金を有して
いない部分があっても良い。また、一部Zn合金を有し
ていない部分の面積の全体に対する割合等については、
特に規定するものではなく、使用する条件によって適宜
設定すれば良い。
【0011】次に、Zn合金の成分の限定理由について
説明する。Mg;Mgは、Zn合金の耐食性を向上さ
せ、さらに淡水中でのZnの電位貴化を抑制し電位の逆
転を防止させる効果があるため、本発明において重要な
元素である。この効果は、Mgの含有量が、0.1質量
%から現れ、多くなるに従って効果は増大する。Mgの
含有量が多いほど耐食性、またZnの電位貴化抑制効果
は向上するが、20質量%を超えると、製造コストを増
加させるだけでなく、Zn合金の硬度が増し脆くなって
加工の際に割れやすくなる。また、溶融めっき、どぶ付
けめっき等の方法で本発明の淡水用配管を製造する場
合、Mgの酸化が著しく、不めっきの原因となる。この
ため、本発明におけるMgの含有量を0.1〜20質量
%の範囲に規定する。不めっき防止および加工性の観点
からの好適範囲は、0.2〜10質量%であり、より好
ましくは、0.4〜5質量%である。
【0012】Al;Alは、Zn合金の耐食性の向上お
よび淡水中でのZnの電位貴化の抑制、さらにZn合金
をめっき法で製造する際のめっき浴のドロス発生を抑制
する効果がある。この効果は、Alの含有量が0.1質
量%から現れ、多くなるに従って効果は増大する。しか
し、Alの含有量が60質量%を超えると、Zn合金の
鋼に対する犠牲防食作用の低下、また製造コストの増大
などといった好ましくない結果を生じる。このため、本
発明におけるAlの含有量を0.1〜60質量%の範囲
に規定する。耐食性の観点からの好適範囲は、0.2〜
40質量%である。これらのMgおよびAlは、それぞ
れ単独でZnに含有させても、複合添加してもよい。
【0013】Zn;Znは、犠牲防食効果によって鋼の
寿命を延ばす効果がある。さらにSiを含有した場合を
説明する。Si;Siは、Mgおよび/またはAlを含
有するZn合金における電位の貴化抑制効果を一層向上
させる効果およびZn合金の耐食性を向上させる効果が
ある。この効果は、Siの含有量が0.01質量%から
現れ、多くなるに従って効果は増大する。しかし、Si
の含有量が4質量%を超えると、もはやその電位貴化抑
制効果は飽和しており、またそれ以上に増加させても加
工性を劣化させるだけである。このため、本発明におけ
るSiの含有量を0.01〜4質量%の範囲に規定す
る。
【0014】次に、MgとAlの含有量について説明す
る。Znは、上述の様に鋼の寿命を延ばす効果がある。
MgとAlの含有量を次式、Mg(質量%)+Al(質
量%)≦60(質量%)に限定した理由は、Mg+Al
が60質量%を超えると、Znの含有量が小さくなるた
め、Zn合金の鋼に対する犠牲防食作用が弱くなって、
配管の寿命が短くなる恐れがあるからである。MgとA
lの合計含有量を60%以下とすることで、その犠牲防
食作用を安定に維持できる。
【0015】また、このZn合金中には、上記に示した
Mg、Al、Siの他に、耐食性やZn合金と鋼材の密
着性を向上する目的で、さらにCa、Ti、Fe、C
o、Ni、Cr、Mn、Cu、Ga、Sr、Zr、I
n、Sn、Sb、Pb、希土類元素の1種または2種以
上を含有することができる。なお、ここで言う希土類元
素とは、元素周期率表3族に属するScおよびYおよび
原子番号57〜71のランタノイドのことである。
【0016】本発明におけるZn合金の厚さについて
は、特に規定しないが、0.1μm以上200μm以下
が望ましい。その理由は、0.1μm以下ではZn合金
が早期に消耗してしまい、配管の長期耐食性を維持でき
なく、200μmを超えるとZn合金が割れやすくな
り、結果として長期耐食性を維持できなくなるからであ
る。本発明の配管や配管部材に使用される鋼材は、一般
に使用されている冷間圧延鋼材、焼鈍、調質を行った冷
間圧延鋼材、熱間圧延鋼材、鋳造材、鍛鋼材など、鋼材
であれば何でも良く、普通鋼、低合金鋼、ステンレス鋼
など、その成分も問わない。なおここでいう鋼材とは、
一般的に知られている炭素量2%以下の鋼に限らず、鉄
を主体とするものであれば何でも良い。
【0017】次に製造条件について説明する。本発明
の、鋼材表面にZn合金を有する淡水用配管や配管部材
を製造するには、まず、鋼材を管や配管部材の形状に加
工し、溶接した後に、表面にZn合金を形成すれば良
い。あるいは、鋼材表面にZn合金を形成させ、その後
プレス等の方法で加工して溶接し、管や配管部材の形状
にしても良い。管や配管部材の形状にする方法は、プレ
ス、押し出し、引き抜き、鋳造、鍛接など、管や配管部
材の形状にできる方法であれば何でもよく、その方法を
規定しない。
【0018】また、溶接方法は、電縫溶接、MIG溶
接、TIG溶接等何でもよく、その方法を規定しない。
本発明におけるZn合金を鋼材の表面に形成させる方法
としては、Zn合金を鋼材に十分に密着させることがで
きる方法であれば何でも良く、どぶ付けめっき、溶融め
っき、電気めっき、溶融塩電解めっき、溶射、真空蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの方法
を挙げることができる。例えば、どぶ付けめっきでは、
脱脂、酸洗、フラックス処理などの前処理をした配管や
配管部材を、400〜500℃程度の溶融したZn合金
浴(Mgを0.1〜20%、および/または、Alを
0.1〜60%含む。必要に応じてさらにSiを0.0
1〜4%含んでもよい)に所定の時間(1〜20分程
度)浸漬した後、浴から引き上げ水冷して、本発明のZ
n合金を有する淡水用配管や配管部材を製造する。
【0019】以上、本発明のZn合金を有する淡水用配
管や配管部材は、水道用配管、給水用配管、給湯用配
管、消化用配管、排水用配管、空調用配管、工業用水用
配管、下水用配管、冷却水用配管、またはガス配管、継
ぎ手、フランジ、コック、バルブなどの水道および淡水
環境で使用される建築用配管、配管部材に使用できる。
【0020】
【実施例】本発明のポイントは、淡水用配管や配管部材
に用いたZn合金の淡水中における電位が鋼の電位と逆
転せず、卑の値をとることである。実施例では、本発明
に用いるZn合金と鋼の淡水中での電位をそれぞれ測定
し、逆転しないことを示すこととした。本手法は、大
学、研究機関等で従来から用いられている方法であり、
電位が逆転しないことで、長期的に腐食を防止できるこ
とを十分に評価できるものである。
【0021】以下にその詳細を説明する。表1に示す成
分の鋼を溶解し、鋳造、熱延等の通常の鋼板製造工程
で、厚さ4mmの熱延鋼板を製造した。この熱延鋼板か
ら30mm×30mm×板厚4mmの試験片を切り出
し、表面を#800のエメリー紙で研磨した後、端部に
リード線を取り付けた。その後、30mm×30mmの
面のうち片面に25mm×25mmの試験面を残して、
リード線取り付け部を含む他の部分を全て、エポキシ系
塗料で被覆し、図1に示すような電極を作製した。すな
わち、図1は、本発明に係る電極の正面図である。な
お、符号1は試験面であり、2はリード線を示す。ま
た、上記の手順で作製した熱延鋼板から100mm×5
0mm×4mmの試験片を切り出し、脱脂、酸洗して表
面を清浄にし、フラックス処理をした後、種々のZn、
Mg、Al、Si組成からなるZn合金めっき浴に浸漬
し、表2に示すZn、Mg、Al、Si組成のZn合金
めっき鋼板を作製した。めっき厚みはいずれもほぼ80
μmであることを確認した。
【0022】なお、No.17の試験片は、Zn単独浴
でめっきしたZnめっき鋼板である。これらのめっき鋼
板を30mm×30mmの大きさに切り出し、先述の試
験片と同様に、端部にリード線を取り付けた後、30m
m×30mmの面のうち片面に25mm×25mmの試
験面を残して、リード線取り付け部を含む他の部分を全
てエポキシ系塗料で被覆し、電極とした。上記の手順で
作製した試験片を、それぞれ塩化物イオン濃度50pp
mおよび炭酸水素イオン濃度1000ppmの淡水に浸
漬し、72時間後の電位を測定した。なお、試験溶液量
は500mL、液温は25℃であり、電位を測定する際
の参照電極には、東亜電波製の飽和銀塩化銀電極HS−
205Cを用いた。また、高温環境での耐食性を評価す
るために、60℃の場合についても電位を測定した。
【0023】液温が25℃の場合、72時間後の鋼の電
位は−600mVであったことから、評価は72時間後
のZn合金の電位によって下記のように分類して行っ
た。 −600mV以上(電位逆転) ; × −650mV以上−600mV未満 ; △ −700mV以上−650mV未満 ; ○ −700mV未満 ; ◎
【0024】液温が60℃の場合、72時間後の鋼の電
位は−580mVであったことから、評価は72時間後
のZn合金の電位によって下記のように分類して行っ
た。 −580mV以上(電位逆転) ; × −630mV以上−580mV未満 ; △ −680mV以上−630mV未満 ; ○ −680mV未満 ; ◎
【0025】また、Zn合金の加工性は、上記のように
作製したZn合金を30×30×3mmの大きさに加工
した後、120度V曲げ試験を行い、曲げ部の外観で評
価した。評価は下記の分類に従って行った。 クラック多 ; × クラック少 ; △ クラック微少 ; ○ クラックなし ; ◎
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】結果を表2に示す。本発明の淡水用配管や
配管部材に施されるZn合金(No.1〜30)は、鋼
の電位よりも貴とならず、淡水中で鋼に対する電位の逆
転挙動を示さない。これに対して、本発明を逸脱する場
合(No.31〜34)は、淡水中で鋼よりも電位が貴
となるか、あるいは加工性が劣化した。さらに詳しく見
ると、Mgのみを含有するZn合金の場合(Mg含有量
0.1〜20%;本発明例No.1〜6)、Mgの量が
大きいほど電位は卑であり、電位の逆転が生じにくいこ
とが分かる。電位および加工性の点から、Mg含有量が
0.2〜10%であればより良好で、0.4〜5%であ
ればさらに良好な結果であった。
【0029】Alのみを含有するZn合金の場合(Al
含有量0.1〜60%;本発明例No.7〜10)も良
好であったが、Al含有を0.2〜40%とすると、一
層良好な結果となった。また、MgとAlは、複合添加
しても、その結果は良好であった(本発明例No.11
〜16)。Mgおよび/またはAlを含有するZn合金
にさらにSiを加えた場合(本発明例No.17〜2
7)は、72時間後の電位が一層卑となり、鋼との電位
の逆転が生じにくくなることが分かる。また高温環境の
場合(本発明例No.28〜30)においても、鋼との
電位の逆転は生じていない。
【0030】
【発明の効果】以上、詳細に述べたように、本発明の淡
水用配管や配管部材は、淡水環境においてZn合金が鋼
に対して電位の逆転現象を示さない。このため、水道用
配管、給水用配管、給湯用配管、消火用配管、排水用配
管、空調用配管、工業用水用配管、下水用配管、冷却水
用配管、またはガス管、継ぎ手、フランジ、コック、バ
ルブなどどいった淡水が存在する環境で使用することが
でき、産業上の価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電極の正面図である。
【符号の説明】 1 試験面 2 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 英一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 3H024 EA01 EA02 EB07 EC11 ED08 EE02 4K044 AA02 AB03 BA10 BB01 BC02 CA11 CA13 CA18 4K060 BA13 BA33 BA39 EA11 EA12 EA13 EB01 FA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材の表面に、質量%で、Mg:0.1
    〜20%、および/または、Al:0.1〜60%を含
    み、残部がZnおよび不可避的不純物からなるZn合金
    を有する鋼材からなる淡水用配管。
  2. 【請求項2】 Zn合金中に、質量%でさらに、Si:
    0.01〜4%を含有する請求項1に記載の淡水用配
    管。
  3. 【請求項3】 Zn合金中のMgとAlが次式、Mg
    (質量%)+Al(質量%)≦60(質量%)を満たす
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の淡水用配
    管。
  4. 【請求項4】 鋼材の表面に、質量%で、Mg:0.1
    〜20%、および/または、Al:0.1〜60%を含
    み、残部がZnおよび不可避的不純物からなるZn合金
    を有する鋼材からなる淡水用配管部材。
  5. 【請求項5】 Zn合金中に、質量%でさらに、Si:
    0.01〜4%を含有する請求項4に記載の淡水用配管
    部材。
  6. 【請求項6】 Zn合金中のMgとAlが次式、Mg
    (質量%)+Al(質量%)≦60(質量%)を満たす
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の淡水用配管
    部材。
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